JP7253122B2 - 通信機器用部品 - Google Patents
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Description
[1]
樹脂組成物からなる成形品を有する通信機器用部品であって、
前記樹脂組成物は、(A)マトリクス樹脂、(B)二酸化チタンを含み、
前記(A)マトリクス樹脂は、(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含み、
前記(A)マトリクス樹脂100質量部に対する、前記(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、(A-b)芳香族ビニル単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つと共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つとを含むブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物と、の合計含有量が75質量部以上であり、
前記(B)二酸化チタンの平均L/Dが1.2以上6.0以下であり、L/Dが7.0を超える二酸化チタンの含有率が10%未満であり、
前記樹脂組成物100質量部に対し、前記(A)マトリクス樹脂及び前記(B)二酸化チタンの合計質量の割合が80質量部以上であり、
前記樹脂組成物100質量部に対し、前記(B)二酸化チタンを10質量部以上90質量部以下含む、
ことを特徴とする、通信機器用部品。
[2]
前記樹脂組成物が、(A-b)芳香族ビニル単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つと共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つとを含むブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物を含む、[1]に記載の通信機器用部品。
[3]
前記樹脂組成物が、(A-c)ポリスチレン系樹脂をさらに含む、[1]又は[2]に記載の通信機器用部品。
[4]
前記(A)マトリクス樹脂100質量部に対し、前記(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂を50質量部以上含む、[1]~[3]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[5]
前記(A)マトリクス樹脂100質量部に対し、ポリアミド及びポリフェニレンサルファイドを合計で10質量部以下含む、[1]~[4]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[6]
前記成形品を複数有し、前記複数の成形品が嵌合している構造を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[7]
銅インクを塗布して回路形成可能である、[1]~[6]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[8]
さらに金属回路、金属配線、及び金属基盤からなる群から選ばれる1つ以上を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の通信機器用部品。
[9]
高周波数アンテナ用部品である、[1]~[8]のいずれかに記載の通信機器用部品。
ここで、(A)マトリクス樹脂100質量部に対する、前記(A-a)成分と前記(A-b)成分との合計含有量が75質量部以上である。また、(B)成分の平均L/Dが1.2以上6.0以下であり、L/Dが7.0を超える二酸化チタンの含有率が10%未満である。
上記(A)マトリクス樹脂とは、無機充填剤等を除いた樹脂成分のことを指す。かかる樹脂成分としては、例えば、成形用として利用される種々の樹脂、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、芳香族系樹脂等が挙げられる。
水素添加前のブロック共重合体の構造としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレンブロック鎖をS、共役ジエン化合物重合体ブロック鎖をBと表すと、S-B-S、SB-S-B、(S-B-)4-S、S-B-S-B-S等の構造が挙げられる。
更には、添加剤として用いられる有機化合物、例えば、無水マレイン酸や、フェノール系安定剤等も樹脂成分として(A)マトリクス樹脂に含むことができる。
上記(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、単に「(A-a)成分」と称する場合がある)の具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-エチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-フェニル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2,6-ジクロロ-1,4-フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6-ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52-17880号公報に記載されてあるような2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体や2-メチル-6-ブチルフェノールとの共重合体)のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテルとしては、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体、又はこれらの混合物である。
上記(A-a)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態では、(A-b)芳香族ビニル単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つと、共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つとを含む、ブロック共重合体、及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物(以下、単に「(A-b)成分」と称する場合がある)をさらに含んでいてもよく、含んでいることが好ましい。上記(A-b)芳香族ビニル単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つと、共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つとを含む、ブロック共重合体、及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物とは、芳香族ビニル単量体単位を主体とする少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン単量体単位を主体とする少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを含む非水素化ブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物をいう。
なお、全ビニル結合量は、赤外分光光度計を用いて測定することができる。
なお、測定条件は下記のとおりとしてよい[溶媒:クロロホルム、温度:40℃、カラム:サンプル側(K-G,K-800RL,K-800R)、リファレンス側(K-805L×2本)、流量10mL/分、測定波長:254nm、圧力15~17kg/cm2)]。
また、数平均分子量の測定の際、重合時の触媒失活による低分子量成分が検出されることがあるが、その場合は分子量計算に低分子量成分は含めない。当該低分子量成分は、分子量3000以下の成分を指すものとする。通常、計算された正しい分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.0~1.1の範囲内である。
ここでいう変性されたブロック共重合体とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素-炭素二重結合又は三重結合、及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたブロック共重合体を指す。
該変性されたブロック共重合体の製法としては、ラジカル開始剤の存在下又は不存在下で、(1)ブロック共重合体の軟化点温度以上、250℃以下の温度範囲で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(2)ブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶液中で反応させる方法、(3)ブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶融させることなく反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、さらには(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行う方法が最も好ましい。
ここでいう「分子構造内に少なくとも1個の炭素-炭素二重結合又は三重結合、及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物」としては、変性されたポリフェニレンエーテルで述べた変性化合物と同じものが使用できる。
本実施形態の(A)マトリクス樹脂は、ポリスチレン系樹脂を含んでもよい。ポリスチレン系樹脂としては、アタクチックポリスチレン、ゴム補強されたポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン、HIPS)、スチレン含有量が50重量%以上のスチレン-アクリロニトリル共重合体(SAN)、及び該スチレン-アクリロニトリル共重合体がゴム補強されたABS樹脂等が挙げられ、アタクチックポリスチレン及び/又はハイインパクトポリスチレンが好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の(A)マトリクス樹脂における、その他の樹脂成分の例としては、ポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド等である。
また、その他の樹脂成分全体の好ましい添加量としては、樹脂組成物全体を100質量%としたときに、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、特定形状を有する二酸化チタンを含有することにより、優れた誘電特性を有する。
一般的に樹脂、塗料の顔料として用いられる二酸化チタンは、その結晶形態によりルチル型とアナターゼ型の二種類に分けられ、どちらも使用可能であるが、誘電特性の観点からルチル型であることが好ましい。
樹脂組成物中の(B)二酸化チタンの平均L/Dが1.2以上であると、少量の二酸化チタンの添加で誘電率を高くできる傾向にあり、成形加工性が良好となる傾向にある。更には、樹脂組成物中の(B)二酸化チタンの平均L/Dが6.0以下であると、誘電正接を低く保ったまま誘電率を高くできる傾向にある。
なお、本明細書において、樹脂組成物中の二酸化チタンの平均L/Dは、以下の手法で求めることができる。たとえば、樹脂組成物を恒温昇温電気炉等で灰化し、樹脂成分のみを燃焼させた後、残った二酸化チタンを走査型電子顕微鏡で観察し、100個の二酸化チタンの最長径と最短径を測定し、平均L/Dを求める方法が挙げられる。具体的には、実施例に開示した方法で測定することができる。
誘電正接を低く保つ観点から、L/Dが過剰に大きい二酸化チタンの含有率を低く調整することが好ましく、そのことで、アンテナとしての性能を優れたものとすることができる。具体的には、L/Dが7.0を超える二酸化チタンの含有率が、上記樹脂組成物中に含まれる二酸化チタンの総数(100%)に対して、10%未満であることが好ましい。L/Dが7.0を超える二酸化チタンの好ましい含有率としては、8%未満であり、より好ましくは5%未満である。
二酸化チタンの平均L/Dは原料となる繊維状二酸化チタンのL/Dの調整、繊維状二酸化チタンと粒子状二酸化チタンとの併用によって調整可能である。また、混練条件によっても調整可能であり、2軸混練機への原料投入場所の変更や、混練機のスクリューパターンの変更で調整することが可能である。具体的には、二酸化チタンに混練時のシェアがかかる条件、例えば原料投入場所を上流側とすることや、スクリューパターンをより強練りとなるようなパターンとすることで、二酸化チタンの平均L/Dを小さくすることができる。
原料二酸化チタンの平均繊維径が0.2μm以上であると、常用の単軸又は2軸混練機において、添加ホッパー内でラットホールが発生したり、同伴した空気や窒素が押出機原料投入口で逆流したりすることを防止することで安定的に添加でき、溶融混練により均一な樹脂組成物とすることが容易となり、吐出量を低下させず生産性が向上する傾向にある。さらに比表面積が小さくなる為、樹脂材料の劣化を防止できる傾向にある。
また、原料二酸化チタンの平均繊維径が0.8μm以下であると、ブロッキングを防止でき、原料二酸化チタンを安定に供給可能となり、溶融混練により均一な樹脂組成物としやすくなる傾向にある。また常用の単軸又は2軸混練機において、吐出量を低下させず生産性が向上する傾向にある。
であってもよく、80質量部以下であることが好ましく、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下である。
また、上記(A)成分100質量部に対する上記(B)成分の質量割合としては、誘電率コントロール、成形性の観点から、20質量部以上250質量部以下であることが好ましく、より好ましくは20質量部以上230質量部以下、さらに好ましくは25質量部以上200質量部以下、特に好ましくは30質量部以上200質量部以下である。
本実施形態において、樹脂組成物の着色方法には特に制限はなく、公知の有機系染顔料、及び無機顔料から選ばれる1種以上の着色剤を使用することができる。
このうち、カーボンブラックとしては、ジブチルフタレート(DBP)吸収量が250mL/100g未満、好ましくは150mL/100g未満、且つ窒素吸着比表面積900m2/g未満、さらに好ましくは400m2/g未満であることが好ましい。これらがこの範囲にあると、着色性、機械的強度、難燃性に特に優れた組成物を得ることができる。
ここでいうDBP吸収量、及び窒素吸着比表面積とは、それぞれASTM D2414、JIS K6217に定められた方法で測定した値をいう。
アジン系染料としては、例えばカラーインデックスにおけるソルベントブラック5(C.I.50415、CAS No.11099-03-9)、ソルベントブラック7(C.I.50415:1、CAS No.8005-20-5/101357-15-7)、アシッドブラック2(C.I.50420、CAS No.8005-03-6/68510-98-5)が挙げられる。
上記添加量で添加することで、耐衝撃性や機械特性のバランスを良好に保つことができる。また、難燃性が必要な用途の場合は、難燃性の観点より、上記添加量が好ましい。
本実施形態では、上記した成分のほかに、本実施形態の効果を損なわない範囲で必要に応じて無機充填剤を任意の段階で添加することができる。
また、無機充填剤全体の好ましい添加量としては、樹脂組成物全体を100質量%としたときに、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、上述の成分以外に、その他の添加剤成分として、可塑剤(低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、帯電防止剤、核剤、流動性改良剤、補強剤、各種過酸化物、展着剤、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系酸化劣化防止剤に代表される有機系熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、エチレンビスステアリン酸アミド等の滑剤、無水マレイン酸等の変性材等を含むことができる。
また、その他の成分全体の好ましい添加量としては、樹脂組成物全体を100質量%としたときに、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、荷重撓み温度(DTUL)は、後述の実施例に記載の方法で測定される値をいう。
高周波用のアンテナ部品は発熱が大きくなり、周波数が大きくなればなるほど発熱が大きくなり高い耐熱性を持つ樹脂が求められる。特に1GHz以上の周波数のアンテナ部品では100℃以上のDTULを持つ樹脂組成物であることが好ましく、耐熱性は高いほど好ましい。3GHz以上の周波数のアンテナ部品では110℃以上のDTULを持つ樹脂組成物が好ましく、4GHz以上の周波数のアンテナ部品になると120℃以上のDTULを持つ樹脂組成物が好ましい。
なお、誘電正接は、後述の実施例に記載の方法で測定される値をいう。
本実施形態の樹脂組成物においては、低誘電正接を維持しながら誘電率コントロールを行いやすくする観点から、測定周波数1GHzにおける誘電正接に対する誘電率の比(誘電率/誘電正接)が1500以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましく、2250以上であることがさらに好ましい。上記誘電率/誘電正接の上限は特に限定されないが、10000であることができ、8000であることができ、5000であることができ、4000であることができる。
ここで、「無機物質」とは、樹脂組成物に含まれるすべての無機物質を指し、(B)二酸化チタンも含むものとする。二酸化チタン以外の無機物質としては、上述の無機充填剤、(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂中の金属系安定剤、無機顔料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、「無機物質の質量割合」とは、樹脂組成物中に含まれる全ての無機物質の合計質量の割合をいう。
本実施形態においては、(A)マトリクス樹脂100質量部に対する、(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、(A-b)芳香族ビニル単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つと共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つとを含むブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物と、の合計含有量が75質量部以上であるというマトリクス樹脂成分の組成限定により、樹脂成分の誘電率がほぼ一定であり、無機物質の質量割合xと誘電率との間には、2次関数の関係が成り立つことが実験により確認されているため、上記関係は質量割合xあたりの誘電率向上効果を表すものである。無機物質に対する、二酸化チタンの含有率を高めることで、上記関係を満たすことができる傾向にあり、二酸化チタンの平均L/Dを大きくすることで、上記関係を満たすことができる傾向にある。当該観点から、無機物質100質量%に対する、二酸化チタンの含有率が50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であってもよい。また、上述の通り、二酸化チタンの平均L/Dは、1.2以上であり、1.3以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましい。ただし、上述した通り、L/Dの大きすぎる二酸化チタンを使用すると誘電正接が上がる傾向にあるため、二酸化チタンの平均L/Dは、6.0以下であることが好ましい。
成形品から樹脂組成物中の無機物質の質量割合xを測定する方法としては、成形体を電気炉に入れて、含まれる有機物を焼却処理し、得られた残渣分から無機物質の質量を測定し、xを計算することが挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、(A)成分を構成する各成分、原料二酸化チタン、さらに必要に応じて着色剤、無機充填剤、その他の成分を溶融混練することにより製造することができる。
2.本実施形態の樹脂組成物に含まれる(A)成分を構成する各成分の全量及び原料二酸化チタンの一部を溶融混練し(第一混練工程)、第一混練工程で得られた溶融状態の混練物に対し、原料二酸化チタンの残量を供給し、続けて溶融混練を行う(第二混練工程)、製造方法。
3.本実施形態の樹脂組成物に含まれる各成分の全量を溶融混練する方法。
特に、(A)成分に含まれる、(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂等の一部の熱可塑性樹脂、原料二酸化チタンは粉体状であり、押出機への噛み込み性が悪く、時間当たりの生産量を増やすことが難しい。さらに樹脂の押出機中の滞留時間が長くなることから熱劣化が起きやすい。以上から、上記1、2の製造方法で得られる樹脂組成物は、3の製造方法で得られる樹脂組成物と比較して、二酸化チタンの噛み込み性が改善され、各成分の混合性に優れ、熱劣化による分解、架橋物や炭化物の発生を低減化させることができ、且つ樹脂の時間当たりの生産量を上げることができ、生産性、品質が優れた樹脂組成物が得られるため、より好ましい。
本実施形態の成形品は、上述の樹脂組成物よりなる。本実施形態の成形品の製造方法は特に限定されないが、例えば射出成形により製造することができる。
また、このような方法で製造された成形品の表面に、塗料、金属や他種のポリマー等からなる被覆層を形成した形態で使用することもできる。
本実施形態の通信機器用部品は、金属インクの塗布やメッキをして使用されることがある。
本実施形態の通信機器用部品は、金属回路、金属配線、金属基盤からなる群から選ばれる1つ以上を有していてよい。
当該観点から、本実施形態の成形品として、金属インク塗布可能である成形品が好ましく用いられる。金属インクについては、金、銀、銅を問わず使用することができる。更には、複数の金属を含むインクを使用することもできる。
メッキについても同様で、いかなる金属においても使用することができる。
本実施形態では、銅害防止性が高く、上記金属インクの塗布やメッキ後の割れを低減することができる。
使用する導電性金属ペーストは、有機溶剤を含む熱硬化性樹脂組成物中に、微細な平均粒子径の金属超微粒子を均一に分散してなる導電性金属ペーストであり、この微細な平均粒子径の金属超微粒子は、その平均粒子径が1~100nmの範囲に選択され、金属超微粒子表面は、かかる金属超微粒子に含まれる金属元素と配位的な結合が可能な基として、窒素、酸素、イオウ原子を含む基を有する化合物1種以上により被覆されているものが好適に使用できる。
上記導電性金属ペーストに含有される、微細な平均粒子径の金属超微粒子には、金、銀、銅、白金、パラジウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、錫、亜鉛、チタン、アルミニウムからなる群より選択される、一種類の金属からなる微粒子、または、2種類以上の金属からなる合金の微粒子が好適に使用できる。
回路パターンの形成方法は上記導電性金属ペーストを微小な液滴として、基板上に噴射・塗布して、前記導電性金属ペーストの塗布膜からなる回路パターンを描画する工程と、描画された導電性金属ペーストの塗布膜を、少なくとも前記熱硬化性樹脂の熱硬化がなされる温度において、加熱処理する工程とを有する。
インクジェット方式による描画手段としては、加熱発泡により気泡を発生し、液滴の吐出を行うサーマル方式の描画手段や、ピエゾ素子を利用する圧縮により、液滴の吐出を行うピエゾ方式の描画手段がある。
本実施形態の通信機器用部品は特に高周波領域において、低誘電正接の材料が求められる用途に用いることができる。当該用途では、損失が大きくなると通信機器用部材としての性能が落ちてしまうため、誘電正接のコントロールが重要な技術となる。本実施形態であれば、低誘電正接を維持しながら誘電率をコントロール可能な通信機器用部品を提供可能である。
なお、実施例及び比較例に用いた原材料及び評価方法を以下に示す。
(A-a)ポリフェニレンエーテル(以下、PPE)
(A-a-1)2,6-キシレノールを酸化重合して得られたポリフェニレンエーテル樹脂
該ポリフェニレンエーテル樹脂の還元粘度(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.52dL/gであった。
(A-a-2)2,6-キシレノールを酸化重合して得られたポリフェニレンエーテル樹脂
該ポリフェニレンエーテル樹脂の還元粘度(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.40dL/gであった。
(A-a-3)2,6-キシレノールを酸化重合して得られたポリフェニレンエーテル樹脂
該ポリフェニレンエーテル樹脂の還元粘度(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.32dL/gであった。
(B-1)繊維状二酸化チタン(石原産業株式会社製 商品名 タイペーク(商標) PFR404)、平均直径0.4μm、平均繊維長3μm、平均L/D7.5
(B-2)繊維状二酸化チタン(石原産業株式会社製 商品名 タイペーク(商標) FTL-300)、平均直径0.4μm、平均繊維長5μm、平均L/D12.5
(B-3)繊維状二酸化チタン(石原産業株式会社製 商品名 タイペーク(商標) FTL-400)、平均直径0.5μm、平均繊維長10μm、平均L/D20
(B-4)粒子状二酸化チタン(VENATOR社製 商品名 Tioxide(商標) RTC-30)、平均粒子径0.2μm、二酸化チタン含量94質量%。
水添ブロック共重合体(旭化成株式会社製タフテック(商標)H1051)
(A-c-1)ハイインパクトポリスチレン(PSジャパン株式会社製H9405)
(A-c-2)ハイインパクトポリスチレン(ペトロケミカルズ(株)製、商品名「CT-60」)
(A-d)ポリアミド6,6(以下、PA66)
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩2400gとアジピン酸100g、及び純水2.5リットルを5リットルのオートクレーブの中に仕込み、良く撹拌した。オートクレーブ内の雰囲気を充分窒素で置換した後、撹拌しながら室温から220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内のゲージ圧は、水蒸気による自然圧で1.76MPaとなった。続いて、1.76MPa以上の圧にならないよう水を反応系外に除去しながら加熱を続けた。さらに2時間後内温が260℃に到達したら、加熱は続けながら、オートクレーブのバルブの開閉により約40分かけて、内圧が0.2MPaになるまで降圧した。その後、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取りだし、粉砕した。
得られたポリアミドはMw=38700、Mw/Mn=2.1であった。なお、Mw、Mnは、GPC(移動層:ヘキサフルオロイソプロパノール、標準物質:PMMA(ポリメチルメタクリレート))を用いて求めた。
また、特開平7-228689号公報の実施例に記載されている末端アミノ基濃度の測定方法に従い測定した結果、末端アミノ基濃度は38μmol/gであった。
(A-e)MFR=2g/10分のポリプロピレン単独重合体
(C)エチレンビスステアリン酸アミド:花王社製「カオーワックスEB-G」
(D)無水マレイン酸(日本油脂(株)製、「クリスタルMAN」)
(E)炭酸カルシウム(竹原化学工業株式会社製 SL-2200)
実施例及び比較例で行った各評価試験は、以下のようにして行った。
得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度250~350℃に設定した小型射出成形機(商品名:EC75-SXII、東芝機械社製)に供給し、金型温度70~130℃、射出圧力200MPa、射出時間20秒、冷却時間15秒の条件で80mm×40mm×1.5mmの平板を作製した。また、平板を切削し、下記条件で測定した。
測定装置:vector network analyzer HP8510C(アジレント・テクノロジー)
synthesized sweeper HP83651A(同上)
test set HP8517B(同上)
試験片寸法:2mm×4mm×40mm
共振器の形状:内径229mm、高さ40mmの円筒
測定方向:1方向
測定周波数:1GHz付近(TM010モード)
前処理:C-90h/22±1℃/60±5%RH
試験環境:22℃/56%RH
誘電正接は低ければ低いほど性能が良いと判断した。
得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度250~350℃に設定した小型射出成形機(商品名:EC75-SXII、東芝機械社製)に供給し、金型温度70~130℃、射出圧力200MPa、射出時間20秒、冷却時間15秒の条件で評価用ISOダンベルを作製した。また、該ISOダンベルを切削し、荷重撓み温度(DTUL)測定用テストピースを作製した。上記荷重撓み温度測定用テストピースを用いて、荷重撓み温度:DTUL(ISO 75:1.80MPa荷重)の測定を行った。
値が大きいほど、耐熱性に優れていると判定した。
得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度250~350℃に設定した小型射出成形機(商品名:EC75-SXII、東芝機械社製)に供給し、金型温度70~130℃、射出圧力200MPa、射出時間20秒、冷却時間15秒の条件で90mm×50mm×2.5mmの平板を作製した。また、該平板に対し、酸化銅インクを塗布し、レーザーで密着可能か判断した。密着した場合に〇、密着できなかった場合に×と表記し、密着できるものほど通信機器用部品として優れていると判断した。
得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度250~350℃に設定した小型射出成形機(商品名:EC75-SXII、東芝機械社製)に供給し、金型温度70~130℃、射出圧力250MPa、射出時間20秒、冷却時間15秒の条件で150mm×150mm×2.0mmの平板を作製した。該平板にめっき処理を施した銅箔を接着してアンテナ電極を形成し、同一のアンテナ装置を実装し、電波暗室内で測定用アンテナから3m離し、50Ωの同軸ケーブルを介してネットワークアナライザーを用いたアンテナ利得評価装置に接続し、アンテナ特性を評価した。特定の指向性パターンが得られた場合にアンテナ性能に優れるとして〇、特定の指向性パターンが得られなかった場合にアンテナ性能に優れないとして×を記載した。
得られた樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度250~350℃に設定した小型射出成形機(商品名:EC75-SXII、東芝機械社製)に供給し、金型温度70~130℃、射出圧力200MPa、射出時間20秒、冷却時間15秒の条件で90mm×50mm×2.5mmの平板を作製した。また、該平板に対し、銅箔フイルムを上下に挟み、熱プレスにて260℃で接着した。銅箔フイルムは三井金属鉱山製TQ-M7-VSPを用いた。接着した銅箔接着平板の銅箔ピール強度を引張試験機で測定した。荷重たわみ温度120℃以下のサンプルは加工温度に耐えられないため、測定不可とした。銅箔ピール強度は数値が高い程、回路形成に適した材料と評価した。
得られた樹脂組成物ペレットを10g秤量し、650℃の恒温昇温電気炉(SK-3050F-SP)内で2時間灰化し、樹脂成分のみを燃焼させた後、残った(B)成分等を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製 S-4800)を用いて5000倍に拡大して観察し、視野の中から任意に500個の二酸化チタンの最長径と最短径を測定した。得られた最長径の相加平均と最短径の相加平均から平均L/Dを求めた。
また、同じ500個の二酸化チタンの最長径と最短径の測定結果から、各粒子のL/Dを算出し、L/Dが7.0を超える二酸化チタンの含有率が10%未満であるものは○、10%以上であるものは×として評価した。
(A)マトリクス樹脂、(B)二酸化チタン、及びその他の成分を表1に示した組成で配合し、二軸押出機ZSK-40(COPERION WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用いて樹脂組成物の製造を行った。この二軸押出機において、原料の流れ方向に対して上流側に第1原料供給口を設け、これより下流に第1真空ベント、その下流に第2原料供給口、さらにその下流に第2真空ベントを設けた。
上記のように設定した押出機を用い、表1及び2に示す組成及び添加方法で各成分を添加し、押出温度250~320℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量100kg/時間の条件にて溶融混練し、ペレットを製造した。
得られた樹脂組成物ペレットを用いて、上述の各評価を行った。評価結果を表1に示す。
Claims (9)
- 樹脂組成物からなる成形品を有する通信機器用部品であって、
前記樹脂組成物は、(A)マトリクス樹脂、(B)二酸化チタンを含み、
前記(A)マトリクス樹脂は、(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含み、
前記(A)マトリクス樹脂100質量部に対する、前記(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂と、(A-b)芳香族ビニル単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つと共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つとを含むブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物と、の合計含有量が75質量部以上であり、
前記(B)二酸化チタンの平均L/Dが1.2以上6.0以下であり、L/Dが7.0を超える二酸化チタンの含有率が10%未満であり、
前記樹脂組成物100質量部に対し、前記(A)マトリクス樹脂及び前記(B)二酸化チタンの合計質量の割合が80質量部以上であり、
前記樹脂組成物100質量部に対し、前記(B)二酸化チタンを10質量部以上90質量部以下含む、
ことを特徴とする、通信機器用部品。 - 前記樹脂組成物が、(A-b)芳香族ビニル単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つと共役ジエン単量体単位を主体とするブロックを少なくとも1つとを含むブロック共重合体及び/又は該ブロック共重合体の水素添加物を含む、請求項1に記載の通信機器用部品。
- 前記樹脂組成物が、(A-c)ポリスチレン系樹脂をさらに含む、請求項1又は2に記載の通信機器用部品。
- 前記(A)マトリクス樹脂100質量部に対し、前記(A-a)ポリフェニレンエーテル系樹脂を50質量部以上含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
- 前記(A)マトリクス樹脂100質量部に対し、ポリアミド及びポリフェニレンサルファイドを合計で10質量部以下含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
- 前記成形品を複数有し、前記複数の成形品が嵌合している構造を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
- 銅インクを塗布して回路形成可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
- さらに金属回路、金属配線、及び金属基盤からなる群から選ばれる1つ以上を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
- 高周波数アンテナ用部品である、請求項1~8のいずれか一項に記載の通信機器用部品。
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