JP7256155B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、相手側部品に嵌合されることになるハウジングと、ハウジングと相手側部品との間に挟まれる環状のパッキンと、を備えるコネクタに関する。
従来から、互いに嵌合される一対のコネクタに挟まれるように用いられ、それら両者間の止水等を図るための環状のパッキンが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。例えば、この種のパッキンは、一方のコネクタのハウジングの内周面および他方のコネクタのハウジングの外周面の双方と接触するシール部(例えば、いわゆるリップ部)を有しており、上述した内周面及び外周面の双方にシール部を接触させることで、上述した内周面と外周面との間を封止するようになっている。
特開2012-014981号公報
上述したパッキンを実際に使用する際、パッキンのシール部は、一対のコネクタに挟まれて厚さ方向(即ち、環状のパッキンの径方向)に押し潰される。このとき、一般に、シール部を構成するゴム材等は、厚さ方向において弾性的に圧縮され、且つ、シール部の周辺に向けて(即ち、一対のコネクタの嵌合方向に)広がるように変形する。ここで、後者の変形(即ち、嵌合方向の変形)は、シール部のゴム材等とハウジング表面との間に生じる摩擦力に逆らいながら、進行することになる。この摩擦力が過度に大きい場合、後者の変形が困難になるとともに、前者の変形(即ち、厚さ方向の変形)も困難になり、ひいてはコネクタの嵌合に大きな外力を要することになる可能性がある。一方、パッキンの変形を容易にするために不用意にゴム材等を柔らかくすると、パッキンに求められる本来のシール性能が損なわれる可能性がある。このように、パッキンのシール性能と、パッキンを使用したコネクタを嵌合させる作業の作業性と、の両立は一般に困難である。
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、パッキンのシール性能と、パッキンを使用したコネクタを嵌合させる作業の作業性と、を両立可能なコネクタの提供である。
前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、下記[1]~[]を特徴としている。
[1]
相手側部品に嵌合されることになるハウジングと、前記ハウジングと前記相手側部品との間に挟まれて前記ハウジング及び前記相手側部品の双方と接触することになる環状のパッキンと、を備える、コネクタであって、
前記パッキンは、
前記ハウジングと前記相手側部品との嵌合方向における当該パッキンの一方側の端部から前記嵌合方向の他方側に離れた位置にて、径方向外側に突出する環状のシール部と、
前記シール部の径方向内側の面に位置し、径方向外側に窪む環状の窪み部と、を有し、
前記シール部の突出端よりも、前記窪み部の前記一方側の縁が、前記一方側に位置する、ように構成されるとともに、
当該パッキンの径方向内側に前記ハウジングが配置され、
前記ハウジングと前記相手側部品とが嵌合するとき、
前記シール部の突出端が前記相手側部品に接触し、前記窪み部の前記一方側の縁及び前記他方側の縁が前記ハウジングに接触し、前記端部が前記一方側の縁の近傍を中心にして反るように前記ハウジングから離れる向きに変位する、ように構成され
前記窪み部の前記嵌合方向における溝幅は、前記シール部の前記嵌合方向における突起幅よりも大きい、
コネクタであること。
[2]
上記[1]に記載のコネクタにおいて、
前記シール部は、
前記突出端における当該シール部の厚さが、前記突出端とは異なる箇所における当該シール部の厚さよりも厚い、
コネクタであること。

上記[1]又は上記[2]に記載のコネクタにおいて、
前記パッキンは、
前記シール部から前記他方側に離れた位置にて、径方向外側に突出する環状の第2シール部と、
前記第2シール部の径方向内側の面に位置し、径方向外側に窪む環状の第2窪み部と、を更に有し、
前記第2シール部の突出端よりも、前記第2窪み部の溝内面の最奥端が、前記一方側に位置する、ように構成される、
コネクタであること。
上記[1]の構成のコネクタによれば、パッキンは、ハウジングと相手側部品(例えば、コネクタが組み付けられる装置ケースや、相手側コネクタ等)との嵌合方向における一方側の端部から嵌合方向の他方側に離れた位置にて、径方向外側に突出する環状のシール部と、シール部の径方向内側の面に位置し、径方向外側に窪む環状の窪み部と、を有する。更に、このシール部の突出端よりも、窪み部の一方側の縁が、上述した一方側に位置する。パッキンが取り付けられたハウジングが相手側部品に嵌合されるとき、シール部の突出端が相手側部品に押圧され、窪み部の一方側の縁及び他方側の縁がハウジングに押圧される。更に、このとき、パッキンの端部が窪み部の一方側の縁の近傍を中心にして反るように、ハウジングから離れる向き(即ち、ハウジング表面から浮き上がるように)に変位する。別の言い方をすると、パッキンが、シール部の突出端、窪み部の一方側の縁及び他方側の縁の3点で支持された状態となる。これにより、パッキンの端部とハウジングとの接触面積が小さくなる分、両者間での摺動が容易になり、シール部を構成するゴム材等が周辺に広がる変形(即ち、上述した後者の変形)が、容易になる。一方、シール部の突出端及び窪み部の一対の縁の3箇所でハウジングと相手側部品との間が封止された状態となるため、パッキンのシール性能が損なわれ難い。したがって、本構成のコネクタは、パッキンのシール性能と、パッキンを使用したコネクタを嵌合させる作業の作業性と、を両立可能である。
更に、上記[1]の構成のコネクタによれば、窪み部の溝幅が、シール部の突起幅よりも大きい。別の言い方をすると、シール部の突出度合いよりも、窪み部の窪み度合いの方が緩やかである。これにより、パッキンを金型を用いて成形する際、窪み部が金型から離れ易くなり(即ち、離型性が良くなり)、パッキンの生産性を向上できる。更に、窪み部の溝内の空間の容積を大きくすることで、嵌合時にシール部が変形したときのゴム材等の逃げが容易になり、シール部に生じる圧縮の度合いを小さくすることができる。これにより、パッキンの劣化が抑制され、パッキンが適正にシール性能を発揮できる状態を長期間にわたって維持できる。
上記[2]の構成のコネクタによれば、シール部の突出端における厚さが突出端とは異なる箇所における厚さよりも厚い。発明者による実験及び考察等によれば、シール部がこのような形状を有することで、コネクタの嵌合時、突出端とは異なる箇所が優先的に折れ曲がるように変形することで、パッキンの端部が反るように変位することが促進される。更に、突出端が潰れて相手側部品との接触面積が増大することも抑制される。よって、本構成のコネクタは、コネクタを嵌合させる作業の作業性に更に優れる。
なお、発明者による実験及び考察等によれば、シール部のうちの厚さが最も薄くなる箇所が、シール部の突出端よりも上述した端部に近い位置(即ち、嵌合方向の一方側)にあれば、上述したシール部の折れ曲がりが更に容易になり、端部が反るように変位することが更に促進される。
上記[]の構成のコネクタによれば、パッキンが、上述したシール部及び窪み部に加え、第2シール部及び第2窪み部を有する。これにより、例えば、ハウジングと相手側部品との嵌合時、嵌合方向の一方側から順にシール部が押し潰された後に第2シール部が押し潰されるようにパッキンが配置されれば、先に変形するシール部が、上述したようにハウジングと相手側部品との間の隙間に広がるように容易に変形する。そのため、シール部を構成するゴム材等が第2シール部に向けて逃げて第2シール部の変形を妨げることが、抑制される。よって、このような2重シール構造を採用しても、双方のシール部を適正に変形させることができる。更に、第2シール部の突出端よりも第2窪み部の溝内面の最奥端が嵌合方向の一方側に位置することで、第2シール部の突出端の一方側の部分よりも他方側の部分の強度が高まる。その結果、嵌合時に第2シール部が相手側部品によって嵌合方向の他方側に押し込まれることによるパッキンの噛み込み等を抑制できる。以上により、複数のシール部をパッキンに設けた場合であっても、コネクタの嵌合に過度に大きな外力を要することなく、且つ、シール性能を適正に発揮できる。
このように、本発明によれば、パッキンのシール性能と、パッキンを使用したコネクタを嵌合させる作業の作業性と、を両立可能なコネクタを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係るコネクタが有するハウジングと相手側部品との嵌合が完了した状態を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係るコネクタの斜視図である。 図3は、パッキンが外されたコネクタと、パッキンと、を示す斜視図である。 図4は、パッキンが外されたコネクタの正面図である。 図5(a)は、図3に示したパッキンの正面図であり、図5(b)は、図5(a)のC-C断面図である。 図6は、図2のB-B断面図である。 図7は、図6のD部の拡大図である。 図8(a)は、図7に示す第1シール部の周囲の拡大図であり、図8(b)は、図7に示す第2シール部の周囲の拡大図である。 図9(a)~図9(c)は、相手側部品によって第1シール部が押し潰される過程を説明するための図である。 図10は、図1のA-A断面におけるパッキンの周囲の拡大図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るコネクタ1について説明する。図1に示すように、コネクタ1は、相手側部品40と嵌合されて使用される。なお、本例では、相手側部品40は、各種の装置ケースの外装壁の一部である。図2、図3及び図6に示すように、コネクタ1は、ハウジング10と、ハウジング10に収容される相手側ハウジング20と、ハウジング10に装着されるパッキン30と、を備える。パッキン30が装着されたハウジング10が、相手側部品40と嵌合することで、パッキン30が封止機能を発揮する(図10参照)。
以下、説明の便宜上、図1等に示すように、「前後方向」、「幅方向」、「上下方向」、「前」及び「後」を定義する。「前後方向」、「幅方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。前後方向は、ハウジング10及び相手側部品40の嵌合方向と一致しており、ハウジング10からみて嵌合方向正面側(相手側部品40に近づく側)を「前側」と呼び、ハウジング10からみて嵌合方向解除側(相手側部品40から遠ざかる側)を「後側」と呼ぶ。具体的には、図1において、ハウジング10及び相手側部品40の双方に関して、左方向が前側に対応し、右方向が後側に対応する。以下、コネクタ1を構成する各部材について順に説明する。
まず、ハウジング10について説明する。ハウジング10は、樹脂成形体であり、図3、図4及び図6に示すように、幅方向に拡がり且つ前後方向に延びる略矩形筒状の筒状部11を備えている。筒状部11は、筒状部11の前端にて開口し且つ後方に窪む嵌合凹部12と、筒状部11の後端にて開口し且つ前方に窪む嵌合凹部13と、嵌合凹部12及び嵌合凹部13を前後方向に区画する隔壁14と、を有する。隔壁14は、嵌合凹部12及び嵌合凹部13の各々の底壁を兼ねている。嵌合凹部12には、相手側ハウジング20の後述する本体部21が前側から挿入され、嵌合凹部13には、他のハウジング(図示省略)が挿入されることになる。
隔壁14には、後述する相手側ハウジング20が有する複数の端子収容室23(図1及び図6等参照)に対応して、前後方向に貫通する貫通孔15が形成されている(図6参照)。貫通孔15には、端子収容室23に収容されるオス端子(図示省略)のタブ部が挿通されることになる。
筒状部11の外周面における隔壁14より前側の位置には、筒状部11の全周に亘って径方向外側に拡がる環状のフランジ部16が設けられている(図2~図4及び図6参照)。フランジ部16における幅方向両端部には、図2~図4に示すように、前後方向に貫通する一対のボルト孔19が設けられている。以下、フランジ部16より前側に位置する筒状部11の外周面を、説明の便宜上、特に「外周面11a」と称呼する(図6等参照)。
フランジ部16の前端面には、図3、図4、図6及び図7に示すように、前方に開口し且つ後方に窪む(前方からみて)略矩形状の環状凹部17が形成されている。環状凹部17の底面(後端面)17a(図7参照)における径方向内側領域には、底面17aに開口し且つ底面17aから更に後方に窪む(前方からみて)略矩形状の環状溝部18が形成されている。環状溝部18の径方向内側の側面は、筒状部11の外周面11aと、全周に亘って段差無く前後方向に連続している。環状凹部17及び環状溝部18にはそれぞれ、パッキン30の後述する鍔部37及び後述する後端部36が収容されることになる(図7参照)。
次いで、相手側ハウジング20について説明する。相手側ハウジング20は、樹脂成形体であり、図2~図4及び図6に示すように、嵌合凹部12に嵌合可能な外周形状を有する本体部21と、本体部21の前端部の外周面から本体部21の全周に亘って径方向外側に拡がるフランジ部22と、を備える。本体部21には、図1~図4に示すように、前後方向に貫通する複数の端子収容室23が、幅方向且つ上下方向にマトリクス状に並ぶように設けられている。端子収容室23には、前側から、オス端子(図示省略)が挿入され収容されることになる。
相手側ハウジング20は、本体部21が、前側からハウジング10の嵌合凹部12に、フランジ部22がハウジング10の筒状部11の前端面と当接するまで挿入されることで、ハウジング10に収容される(図6参照)。
次いで、パッキン30について説明する。パッキン30は、樹脂(ゴム)の成形体であり、図2、図3及び図5に示すように、ハウジング10の筒状部11の外周面11aに対応して、幅方向に拡がり且つ前後方向に延びる略矩形筒状の形状を有している。パッキン30は、図6に示すように、前側からハウジング10の筒状部11に外挿されて、パッキン30の鍔部37及び後端部36がそれぞれ環状凹部17及び環状溝部18に収容された状態で、筒状部11の外周面11aに装着される(図6参照)。
以下、パッキン30の詳細な形状について説明する。以下、説明の便宜上、パッキン30に関する径方向内側及び径方向外側をそれぞれ、単に「径方向内側」及び「径方向外側」と称呼する(図7~図10参照)。
図7に示すように、パッキン30には、パッキン30の前端部31の後側に隣接する前後方向位置にて、径方向外側に突出する環状の第1シール部32が設けられ、第1シール部32の径方向内側の面には、径方向外側に窪む環状の第1窪み部33が設けられている。図8(a)に示すように、第1シール部32の突出端32aよりも、第1窪み部33の前縁33bが、前後方向距離cだけ前側に位置している。この位置関係に起因する作用については後述する。なお、本例では、第1シール部32の突出端32aの前後方向位置と、第1窪み部33の溝内面の最奥端33aの前後方向位置とが、略一致している。
なお、第1窪み部33の前縁33bの位置は、第1窪み部33の溝内面と、コネクタ1が嵌合していない状態でコネクタ1の筒状部11の表面と接触しているパッキン30の径方向内側の面と、の境界箇所と言い得る。後述する後縁33cについても同様である。
図8(a)に示すように、第1窪み部33の径方向外側への窪み深さa2は、第1シール部32の径方向外側への突出高さa1よりも小さく、且つ、第1窪み部33の溝幅(前縁33bと後縁33cとの間の前後方向距離)b2は、第1シール部32の突起幅(前縁32bと後縁32cとの間の前後方向距離)b1よりも大きい。別の言い方をすると、第1シール部32の突出度合いよりも、第1窪み部33の窪み度合いの方が緩やかである。これにより、パッキン30を射出成形等で成形する際、第1窪み部33が金型から離れやすくなり(即ち、離型性が良くなり)、パッキン30の生産性を向上できる。
なお、第1シール部32の前縁32bの位置は、第1シール部32の突起側面と、コネクタ1が嵌合していない状態でコネクタ1の筒状部11の表面と略平行に延びるパッキン30の径方向外側の面と、の境界箇所と言い得る。後述する後縁32cについても同様である。
図8(a)に示すように、第1シール部32の突出端32aにおける第1シール部32の径方向の厚さが、突出端32aとは異なる前後方向位置における第1シール部32の径方向の厚さよりも大きい。更に、第1シール部32のうちの径方向の厚さが最も薄くなる箇所が、第1シール部32の突出端32aよりも前側に位置している。更に、第1窪み部33の環状の溝空間の容積は、第1シール部32の環状の突出形状の体積以上となっている。これらの寸法関係に起因する作用については後述する。
図7に示すように、パッキン30には、第1シール部32より後側に離れた前後方向位置にて、径方向外側に突出する環状の第2シール部34が設けられ、第2シール部34の径方向内側の面には、径方向外側に窪む環状の第2窪み部35が設けられている。
図8(b)に示すように、本例では、第2シール部34の突出端34aよりも、第2窪み部35の溝内面の最奥端35aが、前後方向距離dだけ前側に位置している。この位置関係に起因する作用については後述する。
図7に示すように、パッキン30には、パッキン30の後端部36より前側に隣接する前後方向位置にて、径方向外側に突出する環状の鍔部37が設けられている。鍔部37の前端面には、前方に突出する環状の第3シール部38が設けられている。以上、パッキン30の詳細な形状について説明した。
以上説明した形状を有するパッキン30が装着され且つ相手側ハウジング20が収容されたハウジング10は、筒状部11が、相手側部品40の前後方向に貫通する嵌合孔41(図1参照)に内挿されることで、相手側部品40と嵌合される。嵌合孔41の内周面41aは、前後方向からみて、パッキン30の外周形状に対応する形状を有している。相手側部品40の先端面(後端面)43(図9及び図10参照)と嵌合孔41の内周面41aとが交差する角部には、環状のテーパ面41b(図9参照)が形成されている。相手側部品40の幅方向両端部には、ハウジング10の一対のボルト孔19に対応して、前後方向に貫通する一対のボルト孔42が設けられている。
ハウジング10と相手側部品40とを嵌合させるためには、まず、相手側部品40を、ハウジング10の前方に配置する。次いで、相手側部品40の嵌合孔41を、前側から、ハウジング10の筒状部11に、嵌合孔41の内周面41aと筒状部11の外周面11aとの間の環状隙間にパッキン30が挟まれるように、相手側部品40の先端面43がハウジング10のフランジ部16の先端面16a(図10参照)に当接するまで、外挿していく。
このような嵌合動作の進行過程において、まず、図9(a)に示すように、相手側部品40のテーパ面41bが、パッキン30の第1シール部32の突出端32a近傍を押圧することで、その押圧力を受けた第1シール部32が、筒状部11の外周面11aを径方向内側に押圧する。この結果、第1窪み部33の前縁33b及び後縁33cが、外周面11aから径方向外側へ押圧される。
このように、第1シール部32の突出端32aが径方向内側に押圧され、且つ、第1窪み部33の前縁33b及び後縁33cが径方向外側に押圧された状態が維持されながら、嵌合動作が進行すると、図9(b)に示すように、第1シール部32は、径方向内側に押し潰されるように(第1窪み部33の窪みが小さくなるように)、且つ、第1シール部32の周辺に向けて前後方向へ広がるように、変形していく。更に、このような第1シール部32の径方向内側への変形及び前後方向へ広がる変形に伴い、上述したように、第1シール部32の突出端32aよりも第1窪み部33の前縁33bが前側に位置していることに起因して、パッキン30の前端部31が径方向外側に変位するように(外周面11aから離れるように)変形していく。
第1シール部32の前後方向へ広がる変形は、パッキン30の構成材料(以下、単に「構成材料」と呼ぶ)と外周面11aとの間に生じる摩擦力に逆らいながら、進行する。この点、パッキン30の前端部31の径方向外側への変位によって、第1シール部32の前側領域において、パッキン30と外周面11aとの接触面積が小さくなる分、上記摩擦力が減少する。この結果、外周面11a上において第1シール部32の前側領域に位置する構成材料が前方へ擦動し易くなるので、第1シール部32の前後方向(特に、前方)へ広がる変形が、容易になる。
上述したように、第1シール部32の突出端32aにおける第1シール部32の径方向の厚さが、突出端32aとは異なる前後方向位置における第1シール部32の径方向の厚さよりも大きい(図8(a)参照)。これにより、第1シール部32が径方向内側へ押し潰されたときに突出端32aの周辺での折れ曲がりが生じ易くなり、パッキン30の前端部31が径方向外側へ変位することが促進される。更に、上述したように、第1シール部32のうちの径方向の厚さが最も薄くなる箇所が、第1シール部32の突出端32aよりも前側に位置している(図8(a)参照)。これによって、上述した第1シール部32の周辺での折れ曲がりに伴うパッキン30の前端部31の径方向外側への変位が、更に促進される。これらの結果、パッキン30と外周面11aとの接触面積がより小さくなる分、上記摩擦力が更に減少することで、第1シール部32の前後方向(特に、前方)へ広がる変形が、更に容易になる。以上のように、第1シール部32の前後方向(特に、前方)へ広がる変形が容易になることで、第1シール部32における径方向内側への変形も容易になり、相手側部品40のテーパ面41bが、第1シール部32を滑らかに乗り越えることができる。
更に、発明者による実験及び考察等によれば、上述したように、第1シール部32の突出端32aにおける第1シール部32の径方向の厚さが、突出端32aとは異なる前後方向位置における第1シール部32の径方向の厚さよりも大きいことで、第1シール部32の突出端32aとは異なる箇所が優先的に変形する。よって、突出端32aが潰れて突出端32aと相手側部品40のテーパ面41bとの接触面積が増大することが抑制されて、突出端32aとテーパ面41bとの間に生じる摩擦力が増大することも抑制される。これによっても、相手側部品40のテーパ面41bが、第1シール部32を滑らかに乗り越えることができる。
相手側部品40のテーパ面41bが第1シール部32を乗り越えた後では、図9(c)に示すように、第1シール部32は、径方向内側に押し潰されて、第1窪み部33の窪みがほぼ消滅した状態に維持される。ここで、上述したように、第1窪み部33の環状の溝空間の容積は、第1シール部32の環状の突出形状の体積以上となっている(図8(a)参照)。これにより、第1シール部32が径方向内側へ変形した際の構成材料の逃げが容易になり、第1シール部32に生じる圧縮の度合いを小さくすることができる。これにより、第1シール部32が適正にシール性能を発揮できる状態を長期間にわたって維持し易くなる。
相手側部品40のテーパ面41bが第1シール部32を乗り越えた後において嵌合動作が更に進行すると、相手側部品40のテーパ面41bが、第2シール部34を押圧する。これにより、第2シール部34が、第1シール部32と同様、径方向内側に押し潰されるように(第2窪み部35の窪みが小さくなるように)、且つ、第2シール部34の周辺に向けて前後方向へ広がるように、変形していく。
ここで、相手側部品40のテーパ面41bが、第1シール部32を既に滑らかに乗り越えているので、第1シール部32の異常変形(即ち、噛み込みや座屈等による構成材料の後側への過度な移動)が生じている可能性が極めて低い。このため、第2シール部34の変形(特に、前方へ広がる変形)が、第1シール部32の変形によって妨げられ難い。更に、上述したように、第2シール部34の突出端34aよりも、第2窪み部35の溝内面の最奥端35aが前側に位置している(図8(b)参照)。このため、第2シール部34における突出端34aより前側の部分よりも突出端34aより後側の部分の径方向の厚さ(即ち、強度)が高まる。この結果、相手側部品40のテーパ面41bが第2シール部34を乗り越える際、第2シール部34がテーパ面41bとの間の摩擦力によって後側に押し込まれることによる第2シール部34の噛み込み等が生じることを抑制できる。このようにして、相手側部品40のテーパ面41bは、第2シール部34も、滑らかに乗り越えることができる。
相手側部品40のテーパ面41bが第2シール部34を乗り越えた後において嵌合動作が更に進行すると、相手側部品40の先端面43が、パッキン30の第3シール部38に接触し、その後、先端面43が、第3シール部38を、環状凹部17の底面17aに向けて後側へ押し潰しながら、ハウジング10のフランジ部16の先端面16a(図10参照)に近づいていく。そして、相手側部品40の先端面43がフランジ部16の先端面16aに当接すると、ハウジング10と相手側部品40との嵌合が完了する(図1及び図10参照)。
以上説明したように、ハウジング10と相手側部品40との嵌合完了状態では、図10に示すように、第1シール部32及び第2シール部34が、嵌合孔41の内周面41aと筒状部11の外周面11aとの間で径方向に押し潰されて、内周面41a及び外周面11aの双方と押圧接触している。この結果、パッキン30は、嵌合孔41の内周面41aと筒状部11の外周面11aとの間の環状隙間を液密的に封止している。なお、このようなパッキン30の径方向の押圧による封止機能に関し、第1シール部32及び第2シール部34はそれぞれ、補助シール及びメインシールとして機能する。
更に、嵌合完了状態では、図10に示すように、第3シール部38が、相手側部品40の先端面43とハウジング10の環状凹部17の底面17aとの間で前後方向(嵌合方向)に押し潰されて、先端面43及び底面17aの双方と押圧接触している。この結果、パッキン30は、相手側部品40の先端面43と環状凹部17の底面17aとの間の環状隙間を液密的に封止している。
ハウジング10と相手側部品40とが嵌合されると、ハウジング10の一対のボルト孔19(図2参照)及び相手側部品40の一対のボルト孔42(図1参照)に共挿入された一対のボルト(図示省略)を利用して、ハウジング10と相手側部品40とが締結固定される。
なお、ハウジング10に収容されている相手側ハウジング20の複数の端子収容室23に収容されているオス端子(図示省略)のタブ部の先端部は、ハウジング10の貫通孔15(図6参照)を挿通して、ハウジング10の嵌合凹部13の内部空間に位置している。そして、ハウジング10の嵌合凹部13には、他のハウジング(図示省略)が挿入され嵌合される。これにより、他のハウジングに収容されている複数のメス端子(図示省略)と端子収容室23に収容されている複数のオス端子のタブ部とが接触すると共に、複数のメス端子と複数のオス端子とが電気的に接続される。
<作用・効果>
以上、本実施形態に係るコネクタ1によれば、パッキン30は、前端部31から後側に離れた位置において、径方向外側に突出する環状の第1シール部32と、第1シール部32の径方向内側の面に設けられて径方向外側に窪む環状の第1窪み部33と、を有する。更に、第1シール部32の突出端32aよりも、第1窪み部33の前縁33bが、前側に位置する、ように構成される。このパッキン30が取り付けられたハウジング10が相手側部品40に嵌合されるとき、第1シール部32の突出端32aが相手側部品40に押圧され、第1窪み部33の前縁33b及び後縁33cがハウジング10に押圧される。更に、このとき、パッキン30の前端部31が、第1窪み部33の前縁33bの近傍を中心にして反るように、ハウジング10から離れる向きに変位する。別の言い方をすると、パッキン30が、第1シール部32の突出端32a、第1窪み部33の前縁33b及び後縁33cの3点で支持された状態となる。
これにより、パッキン30の前端部31とハウジング10との接触面積が小さくなる分、両者間が摺動し易くなり、第1シール部32が押し潰されたときに第1シール部32を構成するゴム材等が周辺に広がる変形が、容易になる。加えて、第1シール部32の突出端32aと第1窪み部33の前縁33b及び後縁33cとの3箇所で、ハウジング10と相手側部品40との間が封止された状態となるため、パッキン30のシール性能が損なわれ難い。したがって、本実施形態に係るコネクタ1は、パッキン30のシール性能と、パッキン30を使用したコネクタ1を嵌合させる作業の作業性と、を両立可能である。
更に、本実施形態に係るコネクタ1によれば、第1シール部32の突出端32aにおける厚さが突出端32aとは異なる箇所における厚さよりも厚い。発明者による実験及び考察等によれば、第1シール部32がこのような形状を有することで、第1シール部32の突出端32aとは異なる箇所が優先的に変形し、突出端32aが潰れて突出端32aと相手側部品40との接触面積が増大することが抑制される。更に、第1シール部32が押し潰されたときに突出端32aの周辺(即ち、突出端32aとは異なる箇所)での折れ曲がりが生じ易くなり、パッキン30の前端部31がハウジング10から離れる向きに変位することが促進される。その結果、パッキン30の前端部31とハウジング10とが摺動し易くなり、第1シール部32の変形が更に容易になる。よって、本実施形態に係るコネクタ1は、パッキン30を使用したコネクタ1を嵌合させる作業の作業性に更に優れる。
更に、本実施形態に係るコネクタ1によれば、第1窪み部33の窪み深さa2が、第1シール部32の突出高さa1よりも小さい(図8(a)参照)。更に、第1窪み部33の溝幅b2が、第1シール部32の突起幅b1よりも大きい(図8(a)参照)。別の言い方をすると、第1シール部32の突出度合いよりも、第1窪み部33の窪み度合いの方が緩やかである。これにより、パッキン30を射出成形等で成形する際、第1窪み部33が金型から離れやすくなり(即ち、離型性が良くなり)、パッキン30の生産性を向上できる。更に、第1窪み部33の溝空間の容積を大きくすることで、嵌合時に第1シール部32が変形した際のゴム材等の逃げが容易になり、第1シール部32に生じる圧縮の度合いを小さくすることができる。これにより、パッキン30が適正にシール性能を発揮できる状態を長期間にわたって維持し易くなる。
更に、本実施形態に係るコネクタ1によれば、パッキン30が、第1シール部32及び第1窪み部33に加え、これらの後側に、第2シール部34及び第2窪み部35を有する。これにより、ハウジング10と相手側部品40との嵌合時、第1シール部32が押し潰された後に第2シール部34が押し潰されるようにパッキン30が配置される。この場合、上記のように第1シール部32が容易に変形することで、第2シール部34の変形が第1シール部32に妨げられ難い。更に、第2シール部34の突出端34aよりも第2窪み部35の溝内面の最奥端35aが前側に位置することで(図8(b)参照)、第2シール部34の突出端34aの前側の部分よりも後側の部分の強度が高まる。その結果、嵌合時に第2シール部34が相手側部品40によって後側に押し込まれることによるパッキン30の噛み込み等が生じることを抑制できる。これにより、第1シール部32及び第2シール部34をパッキンに設けた場合であっても、コネクタ1の嵌合に過度に大きな外力を要することなく、且つ、設計通りのシール性能をより確実に発揮できる。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、パッキン30において、第1シール部32及び第1窪み部33の後側に、第2シール部34及び第2窪み部35が設けられている。これに対し、第2シール部34及び第2窪み部35が設けられなくてもよい。
更に、上記実施形態では、パッキン30において、第2シール部34及び第2窪み部35の後側に、鍔部37及び第3シール部38が設けられている。これに対し、鍔部37及び第3シール部38が設けられなくてもよい。
更に、上記実施形態では、第1シール部32の突出端32aにおける第1シール部32の径方向の厚さが、突出端32aとは異なる前後方向位置における第1シール部32の径方向の厚さよりも大きい。これに対し、第1シール部32のうちの径方向の厚さが最も厚くなる箇所が、第1シール部32の突出端32aとは異なる前後方向位置であってもよい。
更に、上記実施形態では、第1窪み部33の径方向外側への窪み深さa2が、第1シール部32の径方向外側への突出高さa1よりも小さく、且つ、第1窪み部33の溝幅b2が、第1シール部32の突起幅b1よりも大きい。これに対し、第1窪み部33の径方向外側への窪み深さa2が、第1シール部32の径方向外側への突出高さa1よりも大きくてもよい。同様に、第1窪み部33の溝幅b2が、第1シール部32の突起幅b1よりも小さくてもよい。
ここで、上述した本発明に係るコネクタ1の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
相手側部品(40)に嵌合されることになるハウジング(10)と、前記ハウジング(10)と前記相手側部品(40)との間に挟まれて前記ハウジング(10)及び前記相手側部品(40)の双方と接触することになる環状のパッキン(30)と、を備える、コネクタ(1)であって、
前記パッキン(30)は、
前記ハウジング(10)と前記相手側部品(40)との嵌合方向における当該パッキンの一方側の端部(31)から前記嵌合方向の他方側に離れた位置にて、径方向外側に突出する環状のシール部(32)と、
前記シール部(32)の径方向内側の面に位置し、径方向外側に窪む環状の窪み部(33)と、を有し、
前記シール部(32)の突出端(32a)よりも、前記窪み部(33)の前記一方側の縁(33b)が、前記一方側に位置する、ように構成されるとともに、
当該パッキン(30)の径方向内側に前記ハウジング(10)が配置され、
前記ハウジング(10)と前記相手側部品(40)とが嵌合するとき、
前記シール部(32)の突出端(32a)が前記相手側部品(40)に接触し、前記窪み部(33)の前記一方側の縁(33b)及び前記他方側の縁(33c)が前記ハウジング(10)に接触し、前記端部(31)が前記一方側の縁(33b)の近傍を中心にして反るように前記ハウジング(10)から離れる向きに変位する、ように構成される、
コネクタ(1)。
[2]
上記[1]に記載のコネクタ(1)において、
前記シール部(32)は、
前記突出端(32a)における当該シール部(32)の厚さが、前記突出端(32a)とは異なる箇所における当該シール部(32)の厚さよりも厚い、
コネクタ(1)。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載のコネクタ(1)において、
前記窪み部(33)の前記嵌合方向における溝幅(b2)は、前記シール部(32)の前記嵌合方向における突起幅(b1)よりも大きい、
コネクタ(1)。
[4]
上記[1]~上記[3]の何れか一つに記載のコネクタ(1)において、
前記パッキン(30)は、
前記シール部(32)から前記他方側に離れた位置にて、径方向外側に突出する環状の第2シール部(34)と、
前記第2シール部(34)の径方向内側の面に位置し、径方向外側に窪む環状の第2窪み部(35)と、を更に有し、
前記第2シール部(34)の突出端(34a)よりも、前記第2窪み部(35)の溝内面の最奥端(35a)が、前記一方側に位置する、ように構成される、
コネクタ(1)。
1 コネクタ
10 ハウジング
30 パッキン
31 前端部(端部)
32 第1シール部(シール部)
32a 突出端
33 第1窪み部(窪み部)
33b 前縁(一方側の縁)
33c 後縁(他方側の縁)
34 第2シール部
34a 突出端
35 第2窪み部
35a 最奥端35a
40 相手側部品
a1 突出高さ
a2 窪み深さ
b1 突起幅
b2 溝幅

Claims (3)

  1. 相手側部品に嵌合されることになるハウジングと、前記ハウジングと前記相手側部品との間に挟まれて前記ハウジング及び前記相手側部品の双方と接触することになる環状のパッキンと、を備える、コネクタであって、
    前記パッキンは、
    前記ハウジングと前記相手側部品との嵌合方向における当該パッキンの一方側の端部から前記嵌合方向の他方側に離れた位置にて、径方向外側に突出する環状のシール部と、
    前記シール部の径方向内側の面に位置し、径方向外側に窪む環状の窪み部と、を有し、
    前記シール部の突出端よりも、前記窪み部の前記一方側の縁が、前記一方側に位置する、ように構成されるとともに、
    当該パッキンの径方向内側に前記ハウジングが配置され、
    前記ハウジングと前記相手側部品とが嵌合するとき、
    前記シール部の突出端が前記相手側部品に接触し、前記窪み部の前記一方側の縁及び前記他方側の縁が前記ハウジングに接触し、前記端部が前記一方側の縁の近傍を中心にして反るように前記ハウジングから離れる向きに変位する、ように構成され
    前記窪み部の前記嵌合方向における溝幅は、前記シール部の前記嵌合方向における突起幅よりも大きい、
    コネクタ。
  2. 請求項1に記載のコネクタにおいて、
    前記シール部は、
    前記突出端における当該シール部の厚さが、前記突出端とは異なる箇所における当該シール部の厚さよりも厚い、
    コネクタ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のコネクタにおいて、
    前記パッキンは、
    前記シール部から前記他方側に離れた位置にて、径方向外側に突出する環状の第2シール部と、
    前記第2シール部の径方向内側の面に位置し、径方向外側に窪む環状の第2窪み部と、を更に有し、
    前記第2シール部の突出端よりも、前記第2窪み部の溝内面の最奥端が、前記一方側に位置する、ように構成される、
    コネクタ。
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