JP7264785B2 - エンジンの排気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの排気装置に関し、詳しくは、締結具の締付力が低下し難いエンジンの排気装置に関する。
従来、エンジンの排気装置として、鉄系金属の排気通路構成部品を備え、排気通路構成部品が耐熱性の防錆樹脂皮膜で被覆されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特公平6-39582号公報
《問題点》 締結具の締付力が大きく低下するおそれがある。
この種のエンジンの排気装置では、排気通路構成部品での排気熱による赤錆の発生を防錆樹脂皮膜で防止することができるが、排気通路構成部品を他の部品と締結する場合、締結具の締付力を受け止める受圧面が防錆樹脂皮膜で被覆されていると、防錆樹脂皮膜の塑性変形で締結具の締付力が大きく低下するおそれがある。
本発明の課題は、締結具の締付力が低下し難いエンジンの排気装置を提供することにある。
本発明の主要な構成は、次の通りである。
図4(B)に例示するように、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)はコレクタ部(3h)の前端よりも後端に近い位置にあり、コレクタ部(3h)は排気出口フランジ(3d)よりも後側に取付座(3f)を備え、図1(A)に例示するように、排気マニホルド(3)の上側の排気出口フランジ(3d)に排気タービンハウジング(4a)の下側の排気入口フランジ(4b)が締結され、排気タービンハウジング(4a)の後側の排気出口部(4e)に排気中継管(5)の前側の排気入口フランジ(5a)が締結され、排気中継管(5)の下側の取付フランジ(5c)がコレクタ部(3h)の上側の取付座(3f)に締結され、
図1(C)に例示するように、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)に排気タービンハウジング(4a)の排気入口フランジ(4b)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)の上面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
本願のエンジンの排気装置の発明によれば、次の効果が得られる。
防錆樹脂皮膜に比べ、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)は塑性変形し難く、締結具(2)の締付力が低下し難い。また、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)の防錆作用で、排気通路構成部品(1)の受圧面(1a)での排気熱による赤錆の発生が防止される。
本発明の実施形態に係るエンジンの要部を説明する図で、図1(A)はエンジンの要部側面図、図1(B)は図1(A)のB-B線断面拡大図、図1(C)は図1(A)のC-C線断面拡大図、図1(D)は図1(A)のD-D線断面拡大図、図1(E)は図1(A)のE-E線断面拡大図、図1(F)は図1(A)のF-F線断面拡大図である。 図1のエンジンの側面図である。 図1のエンジンの正面図である。 図1のエンジンで用いる排気マニホルドを説明する図で、図4(A)は側面図、図4(B)は図4(A)のB方向矢視図、図4(C)は図4(A)のC方向矢視図、図4(D)は図4(A)のD方向矢視図、図4(E)は図4(C)のE方向矢視図である。 図1のエンジンで用いる排気中継管を説明する図で、図5(A)は側面図、図5(B)は図5(A)のB方向矢視図、図5(C)は図5(A)のC方向矢視図、図5(D)は図5(A)のD方向矢視図、図5(E)は図5(D)のE方向矢視図である。
図1~図5は、本発明の実施形態に係る排気装置を備えたエンジンを説明する図である。
この実施形態では、立形水冷式の直列多気筒ディーゼルエンジンについて説明する。
図2,3に示すように、このエンジンは、シリンダブロック(7)と、シリンダブロック(7)の上部に組み付けられたシリンダヘッド(6)と、シリンダヘッド(6)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(8)と、クランク軸(9)の架設方向を前後方向として、シリンダブロック(7)の前部に組み付けられたフロントカバー(10)と、シリンダヘッド(6)の前方に配置されたエンジン冷却ファン(11)と、シリンダブロック(7)の後方に配置されたフライホイール(12)と、シリンダブロック(7)の下部に組み付けられたオイルパン(13)を備えている。
クランク軸(9)は、スタータモータ(22)でクランキングされる。エンジン冷却ファン(11)はクランク軸(9)からベルト伝動装置(19)を介して駆動される。フロントカバー(10)にはオイルクーラ(20)を介してオイルフィルタ(21)が取り付けられている。
このエンジンは、吸気装置と燃料供給装置と排気装置を備えている。
図2,3に示すように、吸気装置は、吸気パイプ(14)と、過給機(4)のエアコンプレッサハウジング(4i)と、過給パイプ(15)と、吸気マニホルド(16)を備え、シリンダブロック(7)内のシリンダ(図示せず)に吸気を供給する。エアコンプレッサハウジング(4i)にはコンプレッサホイール(図示せず)が収容されている。前後方向と直交するエンジンの幅方向を横方向として、図3に示すように、吸気マニホルド(16)は、シリンダヘッド(6)の横一側に配置されている。
図3に示すように、燃料供給装置は、吸気マニホルド(16)が配置されたエンジンの横一側に配置され、燃料噴射ポンプ(17)と、燃料噴射管(18)と、燃料噴射弁(図示せず)を備え、シリンダに燃料を供給する。
図2に示すように、排気装置は、排気マニホルド(3)と、過給機(4)の排気タービンハウジング(4a)と、排気中継管(5)を備え、シリンダから排気を排出する。排気タービンハウジング(4a)にはタービンホイール(図示せず)が収容されている。図3に示すように、排気マニホルド(3)は、吸気マニホルド(16)が配置された横一側とは反対側のシリンダヘッド(6)の横他側に取り付けられている。
図2に示す排気中継管(5)の排気下流側には、排気マフラまたは排気ダクトが接続されるが、排気後処理装置(図示せず)を接続してもよい。排気後処理装置は、後処理ケース内の排気上流側にDOCが収容され、排気下流側にDPFが収容される。DOCはディーゼル酸化触媒の略称、DPFはディーゼル・パティキュレート・フィルタの略称である。
図1(B)~(F),図4(A)~(E),図5(A)~(E)に示すように、排気装置は、鉄系金属の排気通路構成部品(1)と、排気通路構成部品(1)を他の部品と締結する締結具(2)を備え、排気通路構成部品(1)が、締結具(2)の締付力を受け止める受圧面(1a)を備えている。
排気通路構成部品(1)の具体例については、後述する。
図1(B)~(F)に示すように、排気通路構成部品(1)の受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
このため、この排気装置では、次の効果が得られる。
すなわち、防錆樹脂皮膜に比べ、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)は塑性変形し難く、締結具(2)の締付力が低下し難い。
また、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)の防錆作用で、排気通路構成部品(1)の受圧面(1a)での排気熱による赤錆の発生が防止される。
図1(B)~(F),図4(A),図5(A)に示すように、受圧面(1a)以外の排気通路構成部品(1)の外面(1c)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
このため、この排気装置では、次の効果が得られる。
すなわち、防錆樹脂皮膜に比べ、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)は耐熱性に優れ、排気通路構成部品(1)の外面(1c)でのひび割れや変色が起こり難い。
また、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)で、受圧面(1a)を除く排気通路構成部品(1)の外面(1c)での排気熱による赤錆の発生も防止される。
図4(A)(B)(E),図5(B)~(D)に示すように、排気通路構成部品(1)の内面(1d)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
このため、この排気装置では、次の効果が得られる。
すなわち、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)で、排気通路構成部品(1)の内面(1d)での排気熱による赤錆の発生も防止される。
この実施形態では、図1(A),図2,図4(A)~(E)に示すように、排気通路構成部品(1)の第1の具体例は、排気マニホルド(3)である。
このため、この排気装置では、次の効果が得られる。
すなわち、図1(B)(D)(E)に示す排気マニホルド(3)の受圧面(1a)で受け止められる締結具(2)の締付力が低下し難いため、この締結具(2)で締結される排気マニホルド(3)と他の部品(シリンダヘッド(6)や過給機(4)の排気タービンハウジング(4a)や排気中継管(5))との密着性が高く維持される。
図1(B)に示すように、排気マニホルド(3)の受圧面(1a)は、排気入口フランジ(3a)の表裏面に形成されている。排気入口フランジ(3a)は、シリンダヘッド(6)の横壁(6a)に締結具(2)で締結される。
この締結具(2)は頭付きボルト(2a)で、ボルト頭部(2b)とオネジ部(2c)を備え、オネジ部(2c)が排気入口フランジ(3a)のボルト挿通孔(3b)を貫通し、シリンダヘッド(6)の横壁(6a)のメネジ孔(6b)にネジ嵌合され、ボルト頭部(2b)とシリンダヘッド(6)との間に座金(2d)や第1ガスケット(3c)と共に排気入口フランジ(3a)が挟み付けられ、排気入口フランジ(3a)の表裏面に形成された受圧面(1a)に頭付きボルト(2a)の締付力がかかる。
この受圧面(1a)に、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(C)に示すように、排気マニホルド(3)の受圧面(1a)は、排気出口フランジ(3d)の上面にも形成されている。排気出口フランジ(3d)には過給機(4)の排気タービンハウジング(4a)の排気入口フランジ(4b)が締結具(2)で締結される。
この締結具(2)は植込ボルトナット(2e)で、植込ボルト(2f)とナット(2g)を備え、植込ボルト(2f)が排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)のメネジ孔(3e)にネジ嵌合され、この植込ボルト(2f)が過給機(4)の排気タービンハウジング(4a)の排気入口フランジ(4b)のボルト挿通孔(4c)を貫通し、この植込ボルト(2f)にナット(2g)がネジ嵌合され、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)とナット(2g)との間に座金(2d)や第2ガスケット(4d)と共に排気タービンハウジング(4a)の排気入口フランジ(4b)が挟み付けられ、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)の上面に形成された受圧面(1a)に植込ボルトナット(2e)の締付力がかかる。
この受圧面(1a)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
この実施形態では、図1(A),図2に示すように、排気通路構成部品(1)の第2の具体例は、過給機(4)の排気タービンハウジング(4a)である。
このため、この排気装置では、次の効果が得られる。
すなわち、図1(C)(D)に示す排気タービンハウジング(4a)の受圧面(1a)で受け止められる締結具(2)の締付力が低下し難いため、この締結具(2)で締結される過給機(4)の排気タービンハウジング(4a)と他の部品(排気マニホルド(3)や排気中継管(5))との密封性が高く維持される。
図1(C)に示すように、排気タービンハウジング(4a)の受圧面(1a)は、排気入口フランジ(4b)の上下表裏面に形成されている。前記の通り、排気入口フランジ(4b)は、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)に植込ボルトナット(2e)で締結される。
このため、排気タービンハウジング(4a)の排気入口フランジ(4b)の上下表裏面に形成された受圧面(1a)に植込ボルトナット(2e)の締付力がかかる。
この受圧面(1a)には、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(D)に示すように、排気タービンハウジング(4a)の受圧面(1a)は、排気出口部(4e)の後面にも形成されている。排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)は、排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)に締結具(2)で締結される。
この締結具(2)は頭付きボルト(2a)で、ボルト頭部(2b)とオネジ部(2c)を備え、オネジ部(2c)が排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)のボルト挿通孔(5b)を貫通し、排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)のメネジ孔(4f)にネジ嵌合され、ボルト頭部(2b)と、排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)との間に座金(2d)や第3ガスケット(4g)と共に排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)が挟み付けられ、排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)の後面に形成された受圧面(1a)に頭付きボルト(2a)の締付力がかかる。
この受圧面(1a)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
この実施形態では、図1(A),図2に示すように、排気通路構成部品(1)の第3の具体例は、排気中継管(5)である。
このため、この排気装置では、次の効果が得られる。
すなわち、図1(D)~(F)に示す排気中継管(5)の受圧面(1a)で受け止められる締結具(2)の締付力が低下し難いため、この締結具(2)で締結される排気中継管(5)と他の部品(排気タービンハウジング(4a)や排気マニホルド(3)や排気マフラや排気ダクト、或いは、排気後処理ケース)との密封性が高く維持される。
図1(D)に示すように、排気中継管(5)の受圧面(1a)は、排気入口フランジ(5a)の前後表裏面に形成されている。前記の通り、排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)は、排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)に頭付きボルト(2a)で締結される。
このため、排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)の前後表裏面に形成された受圧面(1a)に頭付きボルト(2a)の締付力がかかる。
この受圧面(1a)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(E)に示すように、排気中継管(5)の受圧面(1a)は、取付フランジ(5c)の上下表裏面にも形成されている。
排気中継管(5)の取付フランジ(5c)は、排気マニホルド(3)の上側に配置された取付座(3f)の上面に締結具(2)で締結される。
この締結具(2)は頭付きボルト(2a)で、ボルト頭部(2b)とオネジ部(2c)を備え、オネジ部(2c)が排気中継管(5)の取付フランジ(5c)のボルト挿通孔(5d)を貫通し、排気マニホルド(3)の取付座(3f)のメネジ孔(3g)にネジ嵌合され、ボルト頭部(2b)と、排気マニホルド(3)の取付座(3f)との間に座金(2d)と共に排気中継管(5)の取付フランジ(5c)が挟み付けられ、排気マニホルド(3)の取付座(3f)の上面及び取付フランジ(5c)の上下面(上下表裏面)に形成された受圧面(1a)に頭付きボルト(2a)の締付力がかかる。
この受圧面(1a)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(F)に示すように、排気中継管(5)の受圧面(1a)は、排気出口フランジ(5e)の前後表裏面にも形成されている。排気出口フランジ(5e)には、排気後処理ケースの排気入口フランジが排気出口フランジ(5e)のボルト挿通孔(5f)を貫通した締結具(図示しないが、ボルトナットが用いられる)で締結される。
このため、排気中継管(5)の排気出口フランジ(5e)の前後表裏面に形成された受圧面(1a)に締結具の締付力がかかる。
この受圧面(1a)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図4(A)~(E)に示すように、排気マニホルド(3)は、前後方向に長いコレクタ部(3h)と、コレクタ部(3h)の横一側に配置された複数の排気入口フランジ(3a)と、コレクタ部(3h)の上側に配置された単一の排気出口フランジ(3d)と、コレクタ部(3h)の後部上側に配置された取付座(3f)を備え、これら各部の受圧面(1a)以外の外面(1c)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
コレクタ部(3h)の内部の排気通路と、図4(A)に示す排気入口フランジ(3a)のボルト挿通孔(3b)と、図4(B)に示す排気出口フランジ(3d)の排気出口(3j)の各内面(1d)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(A)に示すように、過給機(4)の排気タービンハウジング(4a)は、ハウジング本体(4h)と、ハウジング本体(4h)の前側に配置された排気入口フランジ(4b)と、ハウジング本体(4h)の下側に配置された排気出口部(4e)を備え、これら各部の受圧面(1a)以外の外面(1c)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
ハウジング本体(4h)の排気通路と、排気入口フランジ(4b)の排気入口(図示せず)と、排気出口部(4e)の排気出口(図示せず)の各内面にも、四酸化三鉄の酸化皮膜が形成されている。
図5(A)~(E)に示すように、排気中継管(5)は、管部(5g)と、管部(5g)の前側に配置された排気入口フランジ(5a)と、管部(5g)の後側に配置された排気出口フランジ(5e)と、排気出口フランジ(5e)の下側に配置された取付フランジ(5c)を備え、これら各部の受圧面(1a)以外の外面(1c)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
管部(5g)の内部の排気通路と、図5(B)に示す取付フランジ(5c)のボルト挿通孔(5d)と、図5(C)に示す排気入口フランジ(5a)の排気入口(5h)及びボルト挿通孔(5b)と、図5(D)に示す排気出口フランジ(5e)の排気出口(5i)及びボルト挿通孔(5f)の各内面(1d)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)の膜厚は、5μm~11μmとされていることが望ましい。
この場合、次の効果が得られる。
酸化皮膜(1b)の膜厚が5μm未満では、赤錆に対する酸化皮膜(1b)の防錆機能が不十分で、11μmを超えると、酸化皮膜(1b)を形成するための処理時間が長時間又は処理温度が高温となるのに対し、5μm~11μmでは、赤錆に対する酸化皮膜(1b)の防錆作用が十分で、処理時間が短時間又は処理温度が低温で済む。
鉄系金属の排気通路構成部品(1)の表面に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)を形成するには、鉄系金属の排気通路構成部品(1)を水蒸気雰囲気下で、水蒸気皮膜処理する。
四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)の膜厚は、11μmを超え、20μm以下であってもよい。
その理由は、次の通りである。
高負荷運転が長時間に亘って継続する産業用エンジンのように、エンジンの使用条件が過酷であり、燃焼熱による酸化皮膜(1b)の熱劣化速度が大きい場合や、振動による酸化皮膜(1b)の摩耗速度が大きい場合には、膜厚が11μm以下では酸化皮膜(1b)の耐用寿命が不十分となるおそれがある。他方、膜厚が20μmを超えると、酸化皮膜(1b)の処理時間が製造効率上の許容範囲を超える場合や、処理温度が製造設備保護上の許容範囲を超えるおそれがある。
これに対し、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)の膜厚が、11μmを超え、20μm以下である場合には、エンジンの使用条件が過酷な場合でも、十分な耐用寿命が得られ、処理時間も製造効率上の許容範囲に収まりやすく、処理温度も製造設備保護上の許容範囲に収まりやすい。
上記と同様の理由により、上記膜厚の下限値を10μmとし、膜厚の範囲を10μm~20μmとしてもよい。
上記実施形態では、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)は、表面処理がなされていない排気通路構成部品(1)の表面に形成されているが、表面処理がなされている排気通路構成部品(1)の表面に形成されていてもよい。
例えば、窒化の表面処理によって得られた排気通路構成部品(1)の窒素化合物層の表面に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されていてもよい。
この場合、次の効果が得られる。
窒素化合物層で受圧面の硬度を高めることができると共に、酸化皮膜(1b)で窒素化合物層の脱窒による軟化が抑制され、締結具(2)の締付力が低下し難い。
上記実施形態では、排気通路構成部品(1)の素材となる鉄系金属には、鋳鉄を用いたが、鋼を用いてもよい。
締結具(2)、座金(2d)、各ガスケット(3c)(4d)(4g)の素材には、鋼が用いられている。
この実施形態は、上記説明及び図面の記載から明らかな通り、次の構成を備えている。
図1(A)に示すように、排気通路構成部品(1)として、排気マニホルド(3)と、過給機(4) 排気タービンハウジング(4a)と、排気中継管(5)を備え、図4(A),(B),(E)に示すように、排気マニホルド(3)は、複数の排気入口フランジ(3a)と単一の排気出口フランジ(3d)を備えるコレクタ部(3h)を備え、図1(A),図4(B)に示すように、エンジンのクランク軸の方向を前後方向、前後方向と直交するエンジンの幅方向を横方向として、複数の排気入口フランジ(3a)はコレクタ部(3h)の横側に沿って前後方向に並んで配置され、単一の排気出口フランジ(3d)はコレクタ部(3h)の上側に配置され、図1(A)に示すように、過給機(4)は、排気タービンハウジング(4a)と、エアコンプレッサハウジング(4i)を備え、排気マニホルド(3)のコレクタ部(3h)の上側で、前後方向の一方を前として、前から順に、エアコンプレッサハウジング(4i)と排気タービンハウジング(4a)と排気中継管(5)が並んで配置されている。
図4(B)に示すように、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)はコレクタ部(3h)の前端よりも後端に近い位置にあり、コレクタ部(3h)は排気出口フランジ(3d)よりも後側に取付座(3f)を備え、図1(A)に示すように、排気マニホルド(3)の上側の排気出口フランジ(3d)に排気タービンハウジング(4a)の下側の排気入口フランジ(4b)が締結され、排気タービンハウジング(4a)の後側の排気出口部(4e)に排気中継管(5)の前側の排気入口フランジ(5a)が締結され、排気中継管(5)の下側の取付フランジ(5c)がコレクタ部(3h)の上側の取付座(3f)に締結されている。
図1(C)に示すように、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)に排気タービンハウジング(4a)の排気入口フランジ(4b)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)の上面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(C)に示すように、排気タービンハウジング(4a)の排気入口フランジ(4b)の上下面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(B)に示すように、シリンダヘッド(6)の横壁(6a)に排気マニホルド(3)の排気入口フランジ(3a)が締結され、シリンダヘッド(6)の横壁(6a)に排気マニホルド(3)の排気入口フランジ(3a)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、排気マニホルド(3)の排気入口フランジ(3a)の両横面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(D)に示すように、排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)に排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)の後面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(D)に示すように、排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)に排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)の前後面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(E)に示すように、コレクタ部(3h)の取付座(3f)に排気中継管(5)の取付フランジ(5c)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、コレクタ部(3h)の取付座(3f)の上面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
図1(E)に示すように、コレクタ部(3h)の取付座(3f)に排気中継管(5)の取付フランジ(5c)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、取付フランジ(5c)の上下面にネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている。
(1)…排気通路構成部品、(1a)…受圧面、(1b)…酸化皮膜、(1c)…外面、(1d)…内面、(2)…締結具、(3)…排気マニホルド、(4)…過給機、(5)…排気中継管。

Claims (13)

  1. 排気通路構成部品(1)として、排気マニホルド(3)と、過給機(4)の排気タービンハウジング(4a)と、排気中継管(5)を備え、排気マニホルド(3)は、複数の排気入口フランジ(3a)と単一排気出口フランジ(3d)を備えるコレクタ部(3h)を備え、エンジンのクランク軸の方向を前後方向、前後方向と直交するエンジンの幅方向を横方向として、複数の排気入口フランジ(3a)はコレクタ部(3h)の横側に沿って前後方向に並んで配置され、単一の排気出口フランジ(3d)はコレクタ部(3h)の上側に配置され、過給機(4)は、排気タービンハウジング(4a)と、エアコンプレッサハウジング(4i)を備え、排気マニホルド(3)のコレクタ部(3h)の上側で、前後方向の一方を前として、前から順に、エアコンプレッサハウジング(4i)と排気タービンハウジング(4a)と排気中継管(5)が並んで配置され、
    排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)はコレクタ部(3h)の前端よりも後端に近い位置にあり、コレクタ部(3h)は排気出口フランジ(3d)よりも後側に取付座(3f)を備え、排気マニホルド(3)の上側の排気出口フランジ(3d)に排気タービンハウジング(4a)の下側の排気入口フランジ(4b)が締結され、排気タービンハウジング(4a)の後側の排気出口部(4e)に排気中継管(5)の前側の排気入口フランジ(5a)が締結され、排気中継管(5)の下側の取付フランジ(5c)がコレクタ部(3h)の上側の取付座(3f)に締結され、
    排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)に排気タービンハウジング(4a)の排気入口フランジ(4b)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、排気マニホルド(3)の排気出口フランジ(3d)の上面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  2. 請求項1に記載されたエンジンの排気装置において、
    排気タービンハウジング(4a)の排気入口フランジ(4b)の上下面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたエンジンの排気装置において、
    シリンダヘッド(6)の横壁(6a)に排気マニホルド(3)の排気入口フランジ(3a)が締結され、シリンダヘッド(6)の横壁(6a)に排気マニホルド(3)の排気入口フランジ(3a)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、排気マニホルド(3)の排気入口フランジ(3a)の両横面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたエンジンの排気装置において、
    排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)に排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)の後面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載されたエンジンの排気装置において、
    排気タービンハウジング(4a)の排気出口部(4e)に排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、排気中継管(5)の排気入口フランジ(5a)の前後面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載されたエンジンの排気装置において、
    コレクタ部(3h)の取付座(3f)に排気中継管(5)の取付フランジ(5c)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、コレクタ部(3h)の取付座(3f)の上面がネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載されたエンジンの排気装置において、
    コレクタ部(3h)の取付座(3f)に排気中継管(5)の取付フランジ(5c)を締結するネジ式の締結具(2)を備え、取付フランジ(5c)の上下面にネジ式の締結具(2)の締結力を受ける受圧面(1a)を備え、この受圧面(1a)に四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載されたエンジンの排気装置において、
    受圧面(1a)以外の排気通路構成部品(1)の外面(1c)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載されたエンジンの排気装置において、
    排気通路構成部品(1)の内面(1d)にも、四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載されたエンジンの排気装置において、
    四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)の膜厚が5μm~11μmとされている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載されたエンジンの排気装置において、
    四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が窒素化合物層の表面に形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  12. 請求項1から請求項9のいずれかに記載されたエンジンの排気装置において、
    四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)の膜厚が11μmを超え、20μm以下とされている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
  13. 請求項12に記載されたエンジンの排気装置において、
    四酸化三鉄の酸化皮膜(1b)が窒素化合物層の表面に形成されている、ことを特徴とするエンジンの排気装置。
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