JP7293085B2 - 電力系統の系統切替検出装置、太陽光発電出力推定装置及び方法 - Google Patents

電力系統の系統切替検出装置、太陽光発電出力推定装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の系統切替を検出する装置及び方法に係り、特に電力系統に設置された開閉器の情報に頼らずに系統切替を検出することを可能とする電力系統の系統切替検出装置、太陽光発電出力推定装置及び方法に関する。
電力系統を管理運用する装置、システムとして太陽光発電量推定装置がある。太陽光発電量推定装置は、予め求めた電力系統の負荷特性と現時点で計測している電力量との関係から、電力系統に多数設置された太陽光発電装置による発電量を推定し、電力系統の管理運用に活用する。
太陽光発電量推定装置の主たる入力は、電力系統各所で検知した電力量の情報であり、また過去に計測した電力量の情報を用いて電力系統の負荷特性を推定している。然るに電力系統の切替があった場合に、負荷特性は新たな系統構成を反映した新たな負荷特性とする必要があるが、そのためには電力系統の切替が発生したこと自体を何らかの手法により知る必要がある。
電力系統の切替を検知するための一般的な手法は、電力系統の開閉器情報(なおここでは遮断器を含めて開閉器と称するものとする)を用いることである。電力系統の系統切替を考慮し、負荷等を推定する方法に関して、特許文献1では、「電力系統の各計測地点で計測された潮流値、および開閉器の状態等のオンライン情報を取り込んでその潮流値が関係する負荷設備を自動検出して負荷推定グループを求めるグループ検出部と、このグループ検出部によって求められた各負荷推定グループについて、当該負荷設備を構成する各負荷設備の負荷値をそれぞれ算出する負荷推定部と、を備えたことを特徴とする電力系統の負荷推定装置。」としている。
特開2001-177991号公報
特許文献1の方式では、系統切替の発生を知る方法として、開閉器の制御に関する信号を用いている。同方式では、開閉器の制御信号の入力を必要とするため、制御システム側で同信号を出力する改造が必要となる。加えて、系統の接続関係を示す情報も必要であるため、常に実体に即した設備情報に更新し続ける必要がある。更に、ある開閉器の開閉動作に関連し、接続先が変更となる系統は、当該開閉器配下に階層的に設置されている全ての開閉器の状態に応じて変化する。
よって、着目した開閉器の開閉動作に対応し、関連して切り替わる系統を確定するには、設備情報から、開閉器配下の接続関係を再帰的に辿る動作が必要となり、システムが肥大化する点が課題であった。
以上のことから本発明においては、電力系統に設置された開閉器の情報に頼らずに系統切替を検出することを可能とする電力系統の電力系統の系統切替検出装置、太陽光発電出力推定装置及び方法を提供することを目的とする。
以上のことから本発明においては、太陽光発電装置を含む電力系統における系統切替検出装置であって、電力系統の計測点において計測した電力を入力する入力部と、計測した電力のうち電力系統の上流側計測点で計測した上流側電力と、電力系統の下流側の複数の下流側計測点において計測した下流側電力の合計を比較して電力系統の切り替えを検知する比較部と、下流側計測点ごとに当該計測点において計測した下流側有効電力の合計が所定値以下であることを判断する略零判断部とを備え、下流側有効電力の合計が所定値以下である計測点が存在するとき、比較部は上流側無効電力と複数の下流側無効電力の合計を比較し、下流側有効電力の合計が所定値以下である計測点が存在しないとき、比較部は上流側有効電力と複数の下流側有効電力の合計を比較して電力系統の切替を検知することを特徴とする。
また本発明は、系統切替検出装置からの系統切替検知信号を入手する太陽光発電量推定装置であって、太陽光発電量推定装置は、有効電力―無効電力平面における所定の負荷特性と、入力部を介して入力した有効電力と無効電力における有効電力―無効電力平面上の座標から太陽光発電量を推定するとともに、系統切替検出装置からの系統切替検知信号を得て、負荷特性を修正することを特徴とする。
また本発明は、系統切替検出方法による系統切替検知信号を入手する太陽光発電量推定方法であって、有効電力―無効電力平面における所定の負荷特性と、入力した有効電力と無効電力における前記有効電力―無効電力平面上の座標から太陽光発電量を推定するとともに、系統切替の検知時に、負荷特性を修正することを特徴とする。
本発明によれば、開閉器の切替情報や、系統の接続関係に関連する情報を用いず、潮流計測値のみから、系統切替の発生を検出することができるため、系統切替に際しても太陽光発電量推定の精度を確保できる。
本実施例で前提とする系統構成例を示す図。 太陽光発電装置PVの出力推定手法の原理を説明する図。 接続状態が変更されたときに負荷特性も変更され、太陽光発電装置の発電出力推定の誤差発生となることを示す図。 接続状態xの接続を示す図。 接続状態yの接続を示す図。 図4、図5の電力系統各所で計測する電力の一例を示す図。 上流側計測値と、下流側計測値を用いた系統切替(接続状態xから接続状態yへ切替)の検出例を示す図。 接続状態yから接続状態xへの切替が発生したケースを示す図。 系統切替判定が要注意となる場合の例を示す図。 系統切替判定が要注意となる原因について分析した結果を示す図。 系統切替判定要注意となるケースに対する対策を示す図。 本実施例のブロック図。
以下本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本実施例で前提とする系統構成例を示す図である。電力の主要な流れとしては、発電所101にて発電された電力は送電線104を経由し、いくつかの電圧階級の変電所102を経て、配電系統105に送電される。このうち、送電線や変電所送り出し点などの計測点103で、有効電力Pや無効電力Qなどを計測している。
配電系統105には、大口、小口需要家107、106などの負荷の他に、近年では多くの太陽光発電装置PVが設置されるようになってきている。然るに、系統事故が発生した場合、太陽光発電装置PVは自動で解列されるため、需要家106、107の負荷のみが連系された状態となる。よってこの場合に、太陽光発電装置PVの発電出力分により相殺されていない負荷の量(以降実負荷と記載)を正確に把握していないと、再閉路時に過負荷となる可能性がある。前述した太陽光発電量推定装置は、太陽光発電量を把握し、もって実負荷を正確に把握可能とするために用いられる。
次に図2を用い、今回使用を前提としている太陽光発電装置PVの出力推定手法の原理を説明する。同図は、横軸に潮流の有効電力値P、縦軸に同じく無効電力値Qをとった平面(以降P-Q平面と表記)である。
同図で、Lは負荷特性で、太陽光発電装置PVの連系がなく負荷のみと仮定した場合の潮流の軌跡であり、その傾きをaとする。ここでは、傾きaの負荷特性LとQ軸との交点656を、以降負荷特性LのQ切片Q01と記すものとする。また、潮流計測点103等で計測した潮流計測値657を、P-Q平面上に表記すると、その座標が(P、Q)であるものとする。
次に、P-Q平面上の座標(P、Q)を通り、太陽光発電装置PVの発電出力の力率に相当する傾きaの直線をもって、負荷特性Lに下ろした交点672の座標を(P、Q)とする。このときP-Pが、太陽光発電装置PVの発電出力の推定値Ppvとなる。上記太陽光発電装置PVの発電出力推定手法では、傾きa、傾きa、及びQ切片Q01を、推定用の諸定数として使用する。
以上、図2では、系統の接続関係がある状態(接続状態xとする)の場合の負荷特性を示した。
次に系統切替が発生し、潮流計測点103配下で、系統の接続関係が変わったとする。変わった後の系統の接続状態を接続状態yとする。
図3は、接続状態xにおける負荷特性L1が、接続状態yでは負荷特性L2に変わった場合の、太陽光発電装置PVの発電出力推定の誤差の発生の様子を示している。この場合に太陽光発電装置PVの発電出力の力率に相当する傾きaの直線をもって、負荷特性L1、L2に下ろした交点672-1、672-2の座標をそれぞれ(PX1、QX1)、(PX2、QX2)とする。この場合に、系統切替が発生し、負荷特性がL1からL2に変化したことを感知できず、系統切替前の負荷特性L1を用い続けた場合、実際の太陽光発電装置PVの発電出力がPpv2であるにもかかわらず、Ppv1を太陽光発電装置PVの発電出力と誤認してしまうことになる。よって、(Ppv1-Ppv2)分の推定誤差を生じることになる。以上から、系統切替の発生を適切に検出し、負荷特性を切り替えることは、高精度な太陽光発電装置PVの発電出力推定のために重要な機能である。
図4、図5は、それぞれ接続状態x及び接続状態yの時の電力系統の接続関係を示す図である。ここでは、系統PL1、系統PL2及び系統PL3の各系統が、開閉器Dを介して接続されているものとする。切り替え前の接続状態xを図示する図4では、系統PL1と系統PL3が開閉器Dにより直列接続され、系統PL2はこの直列系統には接続されていない。切り替え後の接続状態yを図示する図5では、系統PL2と系統PL3が開閉器Dにより直列接続され、系統PL1はこの直列系統には接続されていない。
なお図示の開閉器Dでは、系統PL3の接続先を、系統PL1もしくは系統PL2に切り替える機能を担う開閉器群を、簡易的にまとめてc接点スイッチで示している。このことは、下流側の系統PL3が切替によって上流側(電源側)の別系統に接続されて運転継続する運用であることを表しており、切替によって上流側から遮断されてしまう運用とすることではないことを表している。また図4、図5において、SS1、SS2、SS3は系統PL1、系統PL2、系統PL3に設けられた変電所であり、変圧器Trから各フィーダーを介して需要家に電力供給されている。
図4の接続状態xの場合、上流側計測点103-1で計測される潮流値には、系統PL1と系統PL3の潮流が含まれ、上流側計測点103-2で計測される潮流値には、系統PL2の潮流が含まれる。図5の接続状態yの場合、上流側計測点103-1で計測される潮流値には、系統PL1の潮流が含まれ、上流側計測点103-2で計測される潮流値には、系統PL2と系統PL3の潮流が含まれる。
ここで、上流側計測点103-1に着目すると、接続状態xのとき、上流側計測点103-1からみた負荷特性は、L1となる。一方、接続状態yのときは、系統PL3の分の潮流が減るため、負荷特性はL2のように変化することになる。
尚、上記では、発電機101を、系統毎に分けて101-1、101-2として示しているが、これらは、便宜上のものであり、より上位で、一般には同一の系統に接続されている。
図6は、図4、図5の電力系統各所で計測する電力の一例を示す図である。図6を用い、系統上の電力の計測値について説明する。本発明で利用する系統上の電力の計測値の一つは、上流側計測値PU(系統PL1についてPU1、系統PL2についてPU2)である。例えば送電線送り出し点などの上流側計測点103-1で、有効電力P、無効電力Qを、例えば、秒単位など、比較的短い周期で計測している。
本発明で利用する系統上の電力の計測値の他の一つは、各系統PL1、PL2、PL3の変電所SS(SS1、SS2、SS3)で計測する下流側計測値(系統PL1についてPAk、系統PL2についてPBk、系統PL3についてPCk)である。下流側では、例えば有効電力Pの積算値を、30分など、比較的長い周期で計測している。下流側計測値は、変電所毎の全てのバンク単位などで、網羅的に計測している。
よって、下流側計測値には、配電用変電所の計測値のみならず、特別高圧の需要家、特別高圧の太陽光発電装置PVの発電出力計測値を含んでいるものとする。したがって、下流側計測値の合算は、対応する上流側計測値と、損失分や計測誤差分を除き、ほぼ一致する関係となっている。尚、特別高圧の需要家、特別高圧の太陽光発電装置PVの発電出力計測値は、簡略化のため以降では省略する。上流側計測値と対応する下流側計測値の合算との差の具体例として、1.5%などがある。これらは損失や計測誤差の絶対値の和ではなく、符号を含んだ和である。さらに、損失や計測誤差は、潮流値やセンサ類の非線形性、温度特性などにより変わるため、潮流値等からあらかじめ誤差分を算出し、補正してもよい。また、誤差分を固定値として補正してもよく、また、まったく補正しなくてもよい。これは、1.5%程度であれば、系統切替の検出に大きな影響を与えにくいためである。
ここで、上記網羅性を利用すると、接続状態xのとき、上流側計測値PU1を用いた計測値と、下流側計測値PAkと下流側計測値PCkを用いた計測値を(1)式により関連付けることが出来る。なお、以降の式において、各計測値を30分平均値で取り扱うことがあり、この場合に各記号の上部に横棒を付して表記している。
Figure 0007293085000001
ここで、(1)式は、上流側計測値の有効電力PAkの30分平均値が、下流側計測値(系統PL1についてPAk、系統PL2についてPBk、系統PL3についてPCk)の30分積算値から換算した有効電力の30分平均値の和と、あるマージンLx1、Lx2の範囲内で、一致することを表している。マージンLx1、Lx2とは、上流側計測点と、下流側計測点間の経路上に存在する損失の差や、各々の計測システムの計測誤差などである。また、上流側計測値PU2に関しても同様である。
更に、接続状態yの場合、上流側計測値と下流側計測値との関連は(2)式のようになる。尚、30分の電力積算値(Wh表記)と、平均電力との変換は、(3)式のようになる。
Figure 0007293085000002
Figure 0007293085000003
なお(1)(2)式において、PU1は、上流側系統1の、ある期間の有効電力の平均値、PAk、Bk、Ckは、変電所SS1、SS2、SS3のバンクの有効電力30分積算値(Wh表記)、Lx1、x2は、接続状態xのとき、上流側計測点と、下流側計測点間の経路上に存在する損失の差や、各々の計測システムの計測誤差、Ly1、y2は、接続状態yのとき、上流側計測点と、下流側計測点間の経路上に存在する損失の差や、各々の計測システムの計測誤差である。前記損失は、条件により変化するものの、他の項と比較し格段に小さいため、後述する判定の際には、変動範囲の最大値を用いれば足りる。また、前記損失は、条件の異なる別の系統に適用する場合でも、系統の抵抗やインダクタンス、変圧器の諸元などから、計算することもできる。
次に、図7を用いて、上流側計測値PU1を用いた計測値と、下流側計測値PAkと下流側計測値PCkを用いた計測値との関連を利用した、系統切替の検出例を示す。同図に示した系統切替発生タイミングの左側は、接続状態x、右側が接続状態yとなっている。同図のプロットのうち、点線で示した上流側計測値PU1は、(1)式の左辺であり、上流側計測点103-1で計測した有効電力について、下位側の計測周期にあわせ、例えば30分間平均したものである。同じく図7の実線で示した下流側計測値合算_接続状態x仮定とは、(1)式の右辺である。
ここで(1)式は、接続状態xに対応するため、系統切替発生タイミングの左側では、前記2つのプロットが、前述したマージンの範囲内で一致している。一方で、接続状態yとなる系統切替発生タイミングの右側では、上流側計測値PU1((1)式の左辺)と、下流側計測値合算_接続状態x仮定とのプロットに乖離を生じる。これは、(1)式の右辺による下流側計測値は、実際の接続状態yではなく、接続状態xを仮定しているためである。
以上から、仮定した接続関係(接続状態xか接続状態yか)による下流側計測値の合算値と、上流側計測値の乖離が、閾値を超過するか否かを判定することで、潮流計測値のみから、系統切替の発生を検出することが出来る。前記閾値の一例として、前述したマージンの1.5倍や2倍などがある。これら、マージンに対する倍数は、系統の条件により、誤判定の度合いをみつつ調整する。
図8は、接続状態yから接続状態xへの切替が発生したケースを示している。図中のプロットも、図7の場合と同様で、(1)式の左辺と右辺に対応している。よって、接続状態xを仮定しているため、系統切替(接続状態yから接続状態x)の発生前には、2種類のプロットに乖離がみられる。一方、系統切替の発生後には、仮定した接続状態xと一致するようになるため、前記2種類のプロットは、マージンの範囲内で一致する。ここで、マージンは、最大値のほぼ2%内であった。なお、前記マージンには、損失と逆方向の計測誤差が含まれている可能性もあるため、実際の損失が2%内ということを必ずしも意味しない。
次に、図9を用い、系統切替判定が要注意となる場合の例を示す。同図での2種類のプロットは前出の図7、図8と同一である。つまり(1)式の右辺と左辺に対応する。ここで、図9の全範囲は接続状態yに対応している。よって、同図の2種類のプロットに乖離が生じるはずである。しかし、図9に示すように、必ずしも全域にわたって、両プロットが乖離しているわけではない。例えば図示の系統切替判別要注意箇所と示したプロットでは、両プロットは、かなり近い範囲にある。よって、前述の系統切替判定のためのマージンの設定によっては、系統切替を誤判定してしまう可能性がある。
そこで、前述した系統切替判定が要注意となる原因について、分析した結果を図10に示す。接続状態yのとき、接続状態xを仮定して、(1)式の右辺を計算したところ、左辺とほぼ等しくなるということは、(1)式右辺と、(2)式右辺がほぼ等しいということに相当する。これから導き出されるのは、系統切替に際して接続先が変わる系統PL3の有効電力がほぼ0に等しいという結論である。太陽光発電装置PVが連系された系統では、太陽光発電装置PVの発電出力による逆潮流成分により、有効電力が0か、または負になることがある。図7、図8、図9の系統も、太陽光発電装置連系系統である。
このことから、系統切替判別要注意箇所では、系統PL3の潮流値が図10(ロ)の状態となっているものと考えられる。つまり、系統PL3の潮流を、P-Q平面上に表記すると、その座標(Pm3、Qm3)が無効電力Q軸上に存在し、有効電力が0になっている状態である。この場合、後述する無効電力を用いた系統切替の検出を適用する。更に、(ハ)の状態となっている場合に備え、太陽光発電装置PVの発電出力推定値が妥当であるかの判定を併用する。(ハ)の状態とは、系統PL3の潮流を、P-Q平面上に表記すると、その座標(Pm3、Qm3)が原点近傍に存在し、有効電力ばかりでなく、無効電力もが0になっている状態である。尚、系統切替判別要注意箇所とならない通常の状態では、系統3の潮流は、(イ)のようになっている。(イ)に示す通常の状態では、系統PL3の潮流はP-Q平面の第4象限にあることが多い。
次に、図11を用い系統切替判定要注意となるケースに対する対策を示す。この手順では、系統切替判別要注意とならない通常の状態では、系統切替を感度よく検出できる有効電力Pを用いた判定((1)式の関係等を用いた判定)を行う。しかし、前述のように、逆潮流により、負荷と太陽光発電装置PVの有効電力Pが相殺し、ほぼ0となっている系統の接続先が切り替わった場合、上位系統では、配下に前記系統が接続されたことを、有効電力Pの変化からは検出できない。また、配下から前記系統が離脱した場合も同様に検出できない。そこで、無効電力Qを用いた系統切替の検出を用いる。
尚、無効電力Qを用いた系統切替の検出は、前出の有効電力Pの場合のように、上位系統と、下位系統合算値との比較が出来ないことも考えられる。これは、下位系統では無効電力Qを計測していない場合があるためである。そこで、無効電力Qを用いた系統切替の検出には、上流側計測値PUの無効電力Q値の時間差分を用いる。上流側計測値PUの無効電力Q値が不連続に変化した場合、系統切替と判定する。これは、図10の(ロ)のように、系統PL3の無効電力Q値が0でない場合に適用できる。また、前記無効電力Q値の時間差分を用いた判定には、系統切替特有の性質も併用する。例えば、系統切替に際し、上流側計測値PU1の無効電力Q値の変化分と、絶対値が同じで反対方向に上流側計測値PU2の無効電力Q値が変化する点などである。また、系統切替では、切替前の接続先からの切断と、切替後の接続先への接続を時間的に同時に行うことは出来ないので、一旦両系統へ接続された状態を経た後、切替前の接続先から切断される。よって、無効電力Q値の時間変動も、ある短い期間で2回発生する。よって前記2段階の無効電力Q値の変化も、系統切替の特徴として利用できる。なお、系統切替に際し、接続または離脱する下位系統の有効電力Pが0でない場合では、前述した無効電力Qの時間差分を用いる方式を、有効電力Pに関しても全く同様に適用できる。
以上の処理を、図11のフローで説明する。まず処理ステップS431で、潮流計測値を取得する。これらは、上流側の潮流計測値PU、下流側の網羅的に計測した潮流計測値PAk、PBk、PCk(しばしばWhなどの、電力量)などである。
次に、処理ステップS432で、系統切替の単位となりうるブロック毎に、下流側の潮流計測値を合算する。系統切替の単位となりうるブロックとは、例えば図10などであれば、切替器配下の、系統PL3の30分間隔電力量PCkなどである。これらは、必ずしも変電所単位だけではなく、特高需要家や分散電源などが含まれる場合もある。
次に、処理ステップS433で前記合算値が、ほぼ0となるブロックの有無を判定する。ほぼ0とは、前述したマージン内で0とみなせる値という意味である。マージンは、前述のように、系統の諸元から計算しても、実測して決めてもよい。例えば、計測誤差を含め、潮流値変動幅の最大値の2%などである。
ほぼ0となるブロックが存在しない場合、処理ステップS434において(1)等を用い、比較的感度よく系統切替を検出できる有効電力を用いた検出法を適用するのがよい。ほぼ0となるブロックが存在する場合、処理ステップS435において無効電力を用いた系統切替の検出法を用いる。また、無効電力を用いた検出法でも検出できないケースに備え、処理ステップS436において太陽光発電装置PVの発電出力推定結果の妥当性を用いた系統切替の判定も併用する。
なお、太陽光発電装置PVの発電出力推定結果の妥当性の判定手順は以下である。系統切替に際し負荷特性を変更しなかった場合、下位系統が新たに接続された系統と、当該下位系統が離脱した系統双方の上流側計測値からの、太陽光発電装置PVの発電出力の推定値誤差を生じる。前記誤差は、一般的に、逆方向(過大または過小)の継続的に発生し、しばしば漸増する。よって、前記太陽光発電装置PVの発電出力の推定値が、合理的でない誤差を生じた場合、系統切替が発生したと判定する。合理的でない誤差の判定は、日射量の時間変化や太陽光発電装置PVの定格値から合理的にとりうる範囲の外となったことをもって判定する。前記判定は、特に具体的日射量の値を入力せずとも、過去何日間かの太陽光発電装置PVの発電出力の時系列値の変化範囲の履歴から判定可能である。明らかに合理性判定の対象となるケースとしては、日没や日の出前の時間帯であるにも関わらず、PVの発電出力があるように推定された場合や、太陽光発電装置PVの発電出力が有意に負の値となった場合などである。
なお前述した実施例では、変電所毎のバンク数が3の場合を示したが、3以外の場合でも同様に適用できる。また、太陽光発電装置PVとは限らず風力その他の分散電源を含む系統に適用できる。系統毎の変電所の数は1つでなくてもよい。特別高圧需要家や太陽光発電装置PVなどだけが連系される系統でもよい。
図12は、本実施例のブロック図である。潮流データ入力・保持手段251は、系統設備からの計測値を取得、保存する。具体的には上流側計測値(有効電力P、無効電力Q)や下流側計測値(30分単位などの積算電力量)などを取得、保持する。
太陽光発電装置PVの発電出力または実負荷推定部252では、前述の上流側計測値である有効電力P値、無効電力Q値を用い、系統切替の状態(接続状態xか接続状態yかなど)に応じて適切に設定した負荷特性を用い、図2記述の手法等を用い、太陽光発電装置PVの発電出力または実負荷を推定する。
系統切替検出部253では、前段の計測値選択部254により選択された計測値の種類や方法を用い、系統切替を検出する。例えば、計測値選択部254の判定結果により、有効電力を用いた系統切替の検出を選択した場合、(1)式等を用い、上流側計測値と、下流側計測値の合算値の一致等にもとづき、系統切替を判断する。また、計測値選択部254の判定結果により、無効電力を用いた系統切替の検出を選択した場合、上流側計測値の無効電力Q値の時間変化を観察し、無効電力Q値が不連続的に変化した場合等を根拠とし、系統切替を判定する。
検出に使用する計測値の選択部254は、系統切替の単位となりうるブロック毎に合算値(系統PL3の合算値など)を常に算出し、当該合算値が、マージンの範囲内でほぼ0とみなせるものが存在するか否かを監視する。ほぼ0とみなせるものが存在しない場合、系統切替の検出に、有効電力を用いるよう、後段の系統切替検出部253に指示する。ほぼ0とみなせるものが存在する場合、系統切替の検出に、無効電力を用いるよう、後段の系統切替検出部253に指示する。
以上に説明した本発明に係る電力系統の系統切替検出装置は、「太陽光発電装置を含む電力系統における系統切替検出装置であって、電力系統の計測点において計測した電力を入力する入力部と、計測した電力のうち電力系統の上流側計測点で計測した上流側電力と、電力系統の下流側の複数の下流側計測点において計測した下流側電力の合計を比較して電力系統の切り替えを検知する比較部と、下流側計測点ごとに当該計測点において計測した下流側有効電力の合計が所定値以下であることを判断する略零判断部とを備え、下流側有効電力の合計が所定値以下である計測点が存在するとき、比較部は上流側無効電力と複数の下流側無効電力の合計を比較し、下流側有効電力の合計が所定値以下である計測点が存在しないとき、比較部は上流側有効電力と複数の下流側有効電力の合計を比較して電力系統の切替を検知することを特徴とする系統切替検出装置」である。
また本発明に係る太陽光発電量推定装置は、「系統切替検出装置からの系統切替検知信号を入手する太陽光発電量推定装置であって、有効電力―無効電力平面における所定の負荷特性と、入力部を介して入力した有効電力と無効電力における有効電力―無効電力平面上の座標から太陽光発電量を推定するとともに、系統切替検出装置からの系統切替検知信号を得て、負荷特性を修正することを特徴とする太陽光発電量推定装置。」である。
101:発電所
102:変電所
103:計測点
104:送電線
105:配電線
106:大口需要家
107:小口需要家
PV:太陽光発電装置
SS:変電所
D:開閉器
251:潮流データ入力・保持手段
252:太陽光発電装置の発電出力もしくは実負荷推定部
253:系統切替検出部
254:検出に使用する計測値の選択部
L:負荷特性
656:負荷特性のQ切片
657:潮流計測値
a1:負荷の力率(負荷特性の傾き)
PPv:出力推定値

Claims (8)

  1. 太陽光発電装置を含む電力系統の系統切替検出装置であって、
    電力系統の計測点において計測した電力を入力する入力部と、計測した電力のうち電力系統の上流側計測点で計測した上流側電力と、前記電力系統の下流側の複数の下流側計測点において計測した下流側電力の合計を比較して電力系統の切り替えを検知する比較部と、下流側計測点ごとに当該計測点において計測した下流側有効電力の合計が所定値以下であることを判断する略零判断部とを備え、
    前記下流側有効電力の合計が所定値以下である計測点が存在するとき、前記比較部は上流側無効電力と複数の下流側無効電力の合計を比較し、
    前記下流側有効電力の合計が所定値以下である計測点が存在しないとき、前記比較部は上流側有効電力と複数の下流側有効電力の合計を比較して電力系統の切替を検知することを特徴とする電力系統の系統切替検出装置。
  2. 請求項1に記載の電力系統の系統切替検出装置であって、
    前記下流側計測点は、電力系統切り替え設備を有する変電所内に設定されていることを特徴とする電力系統の系統切替検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力系統の系統切替検出装置であって、
    前記入力部に得られる電力のうち、少なくとも前記電力系統の下流側の複数の下流側計測点において計測した下流側電力は、所定時間内の合計電力量であることを特徴とする電力系統の系統切替検出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力系統の系統切替検出装置であって、
    前記略零判断部における所定値は、当該電力系統の有効電力の最大変化幅の2%以下であることを特徴とする電力系統の系統切替検出装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力系統の系統切替検出装置であって、
    無効電力を用いた系統切替の検出をする際、無効電力の不連続的な変化が、所定時間内に2回発生したことを判定基準とすることを特徴とする電力系統の系統切替検出装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の系統切替検出装置からの系統切替検知信号を入手する太陽光発電出力推定装置であって、
    太陽光発電出力推定装置は、有効電力―無効電力平面における所定の負荷特性と、前記入力部を介して入力した有効電力と無効電力における前記有効電力―無効電力平面上の座標から太陽光発電量を推定するとともに、系統切替検出装置からの系統切替検知信号を得て、前記負荷特性を修正することを特徴とする太陽光発電出力推定装置。
  7. 太陽光発電装置を含む電力系統の系統切替検出方法であって、
    電力系統の計測点において計測した電力を入力し、計測した電力のうち電力系統の上流側計測点で計測した上流側電力と、前記電力系統の下流側の複数の下流側計測点において計測した下流側電力の合計を比較して電力系統の切り替えを検知し、下流側計測点ごとに当該計測点において計測した下流側有効電力の合計が所定値以下であることを判断するとともに、
    前記下流側有効電力の合計が所定値以下である計測点が存在するとき、上流側無効電力と複数の下流側無効電力の合計を比較し、
    前記下流側有効電力の合計が所定値以下である計測点が存在しないとき、上流側有効電力と複数の下流側有効電力の合計を比較して電力系統の切替を検知することを特徴とする電力系統の系統切替検出方法。
  8. 請求項7に記載の系統切替検出方法による系統切替の検知に応じた太陽光発電出力推定方法であって、
    有効電力―無効電力平面における所定の負荷特性と、入力した有効電力と無効電力における前記有効電力―無効電力平面上の座標から太陽光発電量を推定するとともに、前記系統切替の検知時に、前記負荷特性を修正することを特徴とする太陽光発電出力推定方法。
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