JP7300951B2 - 構造物の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物の構築方法に関する。
一般に、橋脚等の鉄筋コンクリート構造物を施工する際には、まず、足場を組み立て、基礎に鉄筋を組み立て、鉄筋を囲むように型枠を組み立て、型枠内にコンクリートを打ち込み、コンクリートの養生、硬化後に型枠を解体する。しかしながら、鉄筋コンクリート構造物などコンクリートを用いた構造物を施工するにあたり、型枠の組み立て及び解体は、煩雑な作業であり、コンクリート構造物の施工における生産性向上を妨げる一因であった。
そこで、近年ではセメント系材料を、付加製造装置を用いて所定箇所に押出しまたは吹き付けて積層することにより構造物を構築する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2018-069661号公報
しかしながら、未硬化状態のセメント系材料を一層ずつ積み上げて施工すると、表面(側面)に凹凸形状や縞模様が生じてしまう。つまり、表面を平滑に仕上げるためには、一層ずつ積み上げて施工した後に、表面を研磨するなどの後処理が必要であった。なお、特許文献1では、側面部材を用いることにより表面の凹凸形状が形成されないようにしているが、この方法では側面部材の製作および撤去などの工程が増えるため、施工に時間がかかるとともに施工作業が煩雑となる問題があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、付加製造装置を用いてセメント系材料を積層する際に、容易に表面を平滑に仕上げることができる構造物の構築方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の構造物の構築方法は、付加製造装置から水硬性混合物を吐出し、該水硬性混合物を積層して構造物を構築する構造物の構築方法において、前記水硬性混合物を吐出すると同時、または吐出後10分以内に、吐出された前記水硬性混合物の側面に、吹付け装置を用いて仕上げ材料を吹き付けて前記側面を平滑面に仕上げることを特徴としている。
本発明によれば、付加製造装置から吐出された水硬性混合物に対して、その側面に仕上げ材料を即時に付着させることで当該側面を平滑面に仕上げることができる。つまり、容易に構造物の表面を平滑に仕上げることができる。なお、「水硬性混合物」とは、種々のセメント系材料(例えば、セメントペースト、モルタル、コンクリートなど)、およびジオポリマー組成物などを含む材料のことである。
また、水硬性混合物が吐出された後、10分以内に仕上げ材料を吹き付ける構成にした。積層された水硬性混合物が硬化し始める前に仕上げ材料を吹き付けることで、積層された水硬性混合物と仕上げ材料との付着性、一体性の向上を図ることができる。
また、本発明の構造物の構築方法は、前記吹付け装置から吐出される前記仕上げ材料は、水硬性混合物または樹脂系材料であることが好ましい。
本発明によれば、仕上げ材料として水硬性混合物または樹脂系材料を用いることにより、硬化前の積層された水硬性混合物の形状安定性を高めることができる。
また、本発明の構造物の構築方法は、前記吹付け装置から吐出される前記仕上げ材料は、コンクリート改質材を用いてもよい。
本発明によれば、仕上げ材料としてコンクリート改質材を用いることにより、防水効果を高めることができ、構造物の耐久性の向上を図ることができる。
また、本発明の構造物の構築方法は、前記吹付け装置から吐出される前記仕上げ材料は、短繊維入り水硬性混合物または樹脂系材料であってもよい。
本発明によれば、仕上げ材料として繊維補強モルタルを用いることにより、硬化後の構造体の耐荷力や靭性の向上を図ることができる。
さらに、本発明の構造物の構築方法は、前記仕上げ材料の吹き付け厚さは、1mm以上20mm以下であることが好ましい。
本発明によれば、積層された水硬性混合物の側面に形成される凹凸形状をカバーして仕上げ材料でより確実、かつ容易に平滑面に仕上げることができる。
本発明の構造物の構築方法によれば、付加製造装置を用いてセメント系材料を積層して打設する際に、容易に表面を平滑に仕上げることができる。
本発明の第一実施形態に係る構造物の構築方法を説明するための正面図であり、鉄筋組み立て工程を説明する図である。 本発明の第一実施形態に係る構造物の構築方法を説明するための正面図であり、モルタル枠形成工程を説明する図である。 本発明の第一実施形態に係る構造物の構築方法を説明するための縦断面図であり、モルタル枠が形成された状態を示す図である。 図3のX-X線に沿う断面図である。 本発明の第一実施形態に係る構造物の構築方法を説明するための図であり、モルタル枠形成工程における部分拡大斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る構造物の構築方法を説明するための図であり、モルタル枠の部分断面図である。 本発明の第一実施形態に係る構造物の構築方法を説明するための縦断面図であり、コンクリート芯形成工程を説明する図である。 図7のY-Y線に沿う断面図である。 本発明の第二実施形態に係る構造物の構築方法を説明するための図であり、繊維入りモルタル施工工程を説明する斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る構造物の構築方法を説明するための概略図であり、繊維入りモルタル施工工程の途中段階を説明する図である。 本発明の実施形態に係る仕上げ材料を付着させるさらに別の態様を示す概略斜視図である。
(第一実施形態)
以下、本発明に係る構造物の構築方法の第一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、本発明に係る構造物の構築方法を用いて鉄筋コンクリート柱を施工する場合の説明を行う。また、セメント系材料(水硬性混合物)として、繊維入りモルタルを用いた場合の説明を行う。
本実施形態の構造物の構築方法は、新設の鉄筋コンクリート柱(構造物)を施工する方法であって、鉄筋組み立て工程と、繊維入りモルタル生成工程と、モルタル枠形成工程と、コンクリート芯形成工程と、を備える。以下、各工程について説明する。
[鉄筋組み立て工程]
図1に示すように、鉄筋組み立て工程では、コンクリート構造物の施工現場の基礎部(床部)S上の所定箇所に鉄筋10を組み立てる。鉄筋10は、複数の軸方向鉄筋(主筋)12と、複数のせん断補強鉄筋(帯筋)14と、を備える。複数の軸方向鉄筋12は、コンクリート構造物の大きさ及び平面視形状に沿って並ぶように平面視において所定の間隔をあけて配置され、各々の軸方向鉄筋12の長手方向が鉛直方向に沿う状態で立ち上がっている。それぞれの軸方向鉄筋12は、基礎部Sを貫通している。本工程では、部材(柱)の大きさによって、長手方向に沿って基礎部Sから立ち上がっている軸方向鉄筋12aの上端と別の軸方向鉄筋12bの下端とを接合するなどして、所定の長さを有する軸方向鉄筋12を構築している。なお、図1では、鉄筋継手を省略し、軸方向鉄筋12a,12bの境界部分を簡略化して示している。
続いて、複数の軸方向鉄筋12を束ねるように複数のせん断補強鉄筋14を設ける。複数のせん断補強鉄筋14は、高さ方向において所定の間隔をあけて設けている。
[繊維入りモルタル生成工程]
繊維入りモルタル生成工程では、モルタル材料32に複数の繊維34を混入させて繊維入りモルタル30を生成する(図10参照)。本実施形態で使用するモルタル材料32は、未硬化状態で適度な流動性を有するモルタルであり、公知のものを使用できるが、例えば積層造形が適切に行えるように、形状保持性やチキソトロピー性を有し、さらに積層プロセスにおいて適度に硬化して短時間で高い強度を発現する材料であることが好ましい。なお、モルタルの代わりにコンクリートを用いてもよい。
モルタル材料32に混入させる繊維34は、化学的に合成された高分子からできた繊維、または無機質からなる繊維である。前者としては、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維などがある。後者としては、ガラス繊維、鋼繊維、炭素繊維、岩石繊維(バサルトなど)、セラミック繊維、シリカ繊維などがある。本発明で使用される繊維34の直径に制限はないが、短繊維の直径は例えば0.005mm以上1.0mm以下であることが好ましい。複数の繊維34の平均長さは、例えば3mm以上30mm以下であることが好ましい。
繊維34は、モルタル材料32に対して、例えば0.1容量%以上5.0容量%以下で混入されることが好ましい。詳しくは、繊維入りモルタル30が空気中で形状を維持可能な程度、かつ繊維入りモルタル30の乾燥収縮ひび割れを抑制できる程度に、モルタル材料32における繊維34の割合を調整する。繊維入りモルタル30の硬化後に、外力に抗して繊維補強モルタル体31の引張靭性を発揮させるためには、繊維34がモルタル材料32に対して1.0容量%以上で混入されることが好ましい。
[モルタル枠形成工程]
図2に示すように、モルタル枠形成工程では、鉄筋10の周囲に未硬化状態の繊維入りモルタル(第1のコンクリート)30を付加製造装置40から押し出し、図3及び図4に示すモルタル枠20を形成する。
モルタル枠形成工程では、繊維入りモルタル30を付加製造装置40に供給し、付加製造装置40のノズル42から鉄筋10の周囲に押し出す。付加製造装置40は、ノズル42と、リフター部44と、自走部46と、を備えている。リフター部44は、ノズル42及びノズル42に未硬化状態の繊維入りモルタル30を供給する供給部(ホース)48を支持し、ノズル42を所定の高さまで昇降させる。自走部46は、リフター部44と連結されており、鉄筋10の周囲を自走し、リフター部44と連動してノズル42を繊維入りモルタル30の押し出し位置に移動させる。
図2、図3に示すように、ノズル42から繊維入りモルタル30を押し出しつつ、ノズル42を鉄筋10の周囲で鉄筋コンクリート柱(コンクリート構造物)の輪郭をなぞるように周回させ、最下層の繊維補強モルタル体31-1を施工する。繊維入りモルタル30は前述のように形状保持性を有するため、基礎部Sの上に押し出された形状を保持して硬化し始める。続いて、硬化した繊維補強モルタル体31-1の直上の高さと同程度にノズル42を上昇させ、繊維補強モルタル体31-1の上面をなぞるように周回させ、2層目の繊維補強モルタル体31-2を施工する。最上層の繊維補強モルタル体31-kが所定の高さに到達するまで、同様の作業を繰り返す。kは、任意の自然数である。繊維補強モルタル体31(31-1~31-k)をなす繊維入りモルタル30は、互いに同じ材料で構成され、接しているため、硬化時には良好に一体化する。繊維補強モルタル体31を完全に硬化させ、図3に示すようにモルタル枠20を形成する。
ここで、本実施形態においては、繊維入りモルタル30を付加製造装置40のノズル42から押し出して施工すると同時、または直後に、当該繊維入りモルタル30の側面35に仕上げ材料36を吹き付ける。
図2、図5に示すように、仕上げ材料36は、付加製造装置40のノズル42の両側に配された仕上げ材料供給ホース92から吐出され、繊維入りモルタル30の両側面35,35に吹き付けて、当該側面35,35に仕上げ材料36を付着させている。
仕上げ材料36は、例えばモルタル材料32と同じもの(水硬性混合物)や樹脂系材料を用いている。このような材料を用いることにより、硬化前の積層された繊維入りモルタル30の形状安定性を高めることができる。仕上げ材料36を側面35に吹き付けることにより、仕上げ面38が平滑面として形成されている。
図2に示すように、仕上げ材料36を供給する仕上げ材料供給装置90は、仕上げ材料36を吐出するノズル91と、ノズル91に連結された仕上げ材料供給ホース92と、ノズル91および仕上げ材料供給ホース92を所定位置に移動させるリフター部93と、自走部94と、を備えている。リフター部93は、ノズル91、および仕上げ材料供給ホース92を支持し、ノズル91を所定の高さまで昇降させる。自走部94は、リフター部93と連結されており、付加製造装置40と略同一のルートを自走し、リフター部93と連動してノズル91を繊維入りモルタル30の側面35に移動させる。なお、図2では繊維入りモルタル30の外側の側面35に仕上げ材料36を吐出する仕上げ材料供給装置90のみを図示しているが、繊維入りモルタル30の内側の側面35に仕上げ材料36を吐出する仕上げ材料供給装置(不図示)も配置されている。なお、一台の仕上げ材料供給装置を用いて繊維入りモルタル30の両側面35,35に仕上げ材料36を吐出するように構成してもよい。
図6に示すように、繊維入りモルタル30の側面35に仕上げ材料36を付着させ、側面を平滑面(仕上げ面38)に仕上げる。このとき、仕上げ材料36は、スプレー塗装のように(表面に被膜を形成させるように)、当該材料を何層にも分けて(1層1mm程度)高精度に吹き付ける装置を用いることでより高精度な平滑面に仕上げることができる。
仕上げ材料36の吹付け厚さは、繊維入りモルタル30の側面35の凹凸を埋める厚さであればよく、1mm~20mmであることが好ましい。
仕上げ材料36の吹き付けは、付加製造装置40で繊維入りモルタル30を施工すると同時または直後に実施することが好ましい。遅くとも付加製造装置40による施工後10分以内に仕上げ材料36を吹き付けることが好ましい。
なお、仕上げ材料36は、繊維入りモルタル30の側面35のみに付着するようにし、上面には付着しないようにすることで、上下に積層する繊維入りモルタル30,30同士を確実に一体化させることができる。また、繊維入りモルタル30の一方の側面35のみ(例えば、外周面のみ)に仕上げ材料36を付着させるだけでもよい。
仕上げ材料36は、例えばポンプ(不図示)を用いて供給する。ポンプは、仕上げ材料36を定量供給できるものを使用するのが好ましい。
また、仕上げ材料36の吹付け厚さや寸法精度を向上させるために、施工中の構造物の外形寸法を、3Dスキャナを用いて常時計測することが望ましい。計測データを仕上げ材料供給装置90にリアルタイム送信することにより、仕上げ材料36の吹付け位置や吹付け量をより高精度に制御することもできる。
[コンクリート芯形成工程]
図7、図8に示すように、コンクリート芯形成工程では、未硬化状態のフレッシュコンクリート(第2のコンクリート)62をモルタル枠20の内側の空間50に打ち込み、空間50を満たすコンクリート芯60を形成する。具体的には、昇降装置66を用いてフレッシュコンクリート62の供給管68をモルタル枠20の内側の空間50に挿入して、供給管68の先端から空間50にフレッシュコンクリート62を供給しつつ、供給管68を適宜上昇させる。フレッシュコンクリート62をモルタル枠20の上端と同じ高さまで空間50に充填し、養生して硬化させ、コンクリート芯60を形成する。このようにして、鉄筋10とモルタル枠20とコンクリート芯60とを備えた鉄筋コンクリート柱(構造物)70を施工することができる。
以上説明した本実施形態の構造物の構築方法は、上述の鉄筋組み立て工程と、繊維入りモルタル生成工程と、モルタル枠形成工程と、コンクリート芯形成工程と、を備える。本実施形態の構造物の構築方法では、型枠を用いずに、付加製造装置40を用いてモルタル枠20を形成し、モルタル枠20を型枠としてモルタル枠20の内側にフレッシュコンクリート62を打ち込むことができる。本実施形態の構造物の構築方法によれば、従来のように型枠の組み立て及び解体が不要になり、鉄筋コンクリート柱(構造物)70の施工効率を向上させることができる。
本実施形態の構造物の構築方法では、繊維入りモルタル30を吐出すると同時(または吐出直後)に、吐出された繊維入りモルタル30の両側面35,35に仕上げ材料36を吹き付けて付着させたため、当該繊維入りモルタル30を上下方向に積層するように施工しても容易に表面を平滑に仕上げることができる。
また、本実施形態では、仕上げ材料36の吹付け厚さを1mm以上20mm以下としたため、積層された繊維入りモルタル30の側面35に形成される凹凸形状をカバーして仕上げ材料36でより確実、かつ容易に平滑面(仕上げ面38)に仕上げることができる。
さらに、本実施形態では、仕上げ材料36を付加製造装置40から繊維入りモルタル30が吐出された後、10分以内に側面35に吹き付けるように構成したため、積層された繊維入りモルタル30が硬化し始める前に仕上げ材料36を吹き付けることができる。結果として、積層された繊維入りモルタル30と仕上げ材料36との付着性、一体性の向上を図ることができる。
以上、本発明の第一実施形態について詳述したが、本発明は上記第一実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では第1のコンクリートとして繊維入りモルタル30を用いたが、流動性及び形状保持性を有し、コンクリート芯60の側圧によって生じる引張力に抵抗できれば、繊維入りモルタル30に限定されない。
また、本実施形態では第2のコンクリートとしてフレッシュコンクリート62を用いたが、コンクリートの種類は特に限定されず、通常のコンクリート構造物の施工方法において木製等の従来の型枠の内側に打ち込み可能なコンクリート材料を全て含む。
また、本実施形態では鉄筋コンクリート柱70を施工する場合について説明したが、構造物の構成は鉄筋コンクリート柱以外のものにも採用できるのは言うまでもない。
また、本実施形態では、鉄筋組み立て工程の後に、モルタル枠形成工程を行ったが、鉄筋組み立て工程及びモルタル枠形成工程を行う順番は特に限定されない。即ち、モルタル枠形成工程の後に、鉄筋組み立て工程を行ってもよい。その場合は、例えば上述したようにモルタル枠20を形成した後に、鉄筋かごをクレーンで吊り上げ、モルタル枠20の内側に挿入することができる。なお、鉄筋かごは、複数の鉄筋を地組みして、番線などで固定し、一体化させたものである。
また、本実施形態では、鉄筋組み立て工程において、基礎部Sに鉄筋10のみを組み立てたが、先ず基礎部Sに鉄骨を立て、鉄骨の周囲に鉄筋10を組み立ててもよい。即ち、本発明の構造物の構築方法は、上述の鉄筋コンクリート造(RC造)のコンクリート構造物だけではなく、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)のコンクリート構造物の施工時にも用いることができる。
また、本実施形態では、仕上げ材料36をコンクリート材料32と同じ水硬性混合物または樹脂系材料としたが、これに限られない。例えば、仕上げ材料36としてコンクリート改質材を用いてもよい。コンクリート改質材を用いることにより、防水効果を高めることができ、構造物の耐久性の向上を図ることができる。また、仕上げ材料36として繊維補強モルタルを用いてもよい。繊維補強モルタルを用いることにより、硬化後の構造体の耐荷力や靭性の向上を図ることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明に係る構造物の構築方法の第二実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、本発明に係る構造物の構築方法を用いて既設の鉄筋コンクリート柱に補強用の繊維入りコンクリート(水硬性混合物)を施工した場合の説明を行う。また、第一実施形態と略同一の構成の箇所については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態の構造物の構築方法は、既設の鉄筋コンクリート柱80に対して補強を行う方法であって、繊維入りモルタル生成工程と、繊維入りモルタル施工工程と、を備える。以下、各工程について説明する。
[繊維入りモルタル生成工程]
繊維入りモルタル生成工程は、第一実施形態と略同一の方法にて繊維入りモルタル30を生成する。
[繊維入りモルタル施工工程]
図9に示すように、繊維入りモルタル施工工程では、繊維入りモルタル生成工程で生成された繊維入りモルタル30を付加製造装置40に供給し、繊維入りモルタル30を付加製造装置40のノズル42から所定の位置に押し出して繊維補強モルタル体31を施工する。具体的には、既設の鉄筋コンクリート柱80の外周面に沿って繊維入りモルタル30を配設し、繊維補強モルタル体31を施工する。
繊維入りモルタル施工工程では、繊維入りモルタル30を所定の位置でノズル42の押出口51から押し出しつつ、所定の位置に所謂3次元プリントし、積層する。そして、上下方向に層状に繊維入りモルタル30を押し出す。この際、繊維入りモルタル30を、既設の鉄筋コンクリート柱80の形状に合わせて複数回にわたって押し出してもよく、形状をなぞるように1回で押し出してもよい。
繊維入りモルタル30は、所定の時間の経過と共に硬化し、隣接する繊維入りモルタル30の表面同士が接合し、繊維補強モルタル体31が施工される。既設の鉄筋コンクリート柱80の形状に合わせて押し出された繊維入りモルタル30を全て繊維補強モルタル体31として施工することによって、繊維入りモルタル施工工程が完了する。
なお、繊維入りモルタル生成工程と繊維入りモルタル施工工程は、並行して行ってもよい。
そして、本実施形態においては、繊維入りモルタル30を付加製造装置40のノズル42から押し出して施工すると同時、または直後に、当該繊維入りモルタル30の外側の側面35に仕上げ材料36を塗布する。仕上げ材料36は、付加製造装置40のノズル42の外側に配された仕上げ材料供給ホース92から吐出され、繊維入りモルタル30の外側の側面35に吹き付けて、当該側面35に付着させている。
繊維入りモルタル30の外側の側面35に仕上げ材料36を吹き付けて付着することにより、容易に表面を平滑面(仕上げ面38)に仕上げることができる。
本実施形態においても、第一実施形態と略同様の作用効果が得られる。
以上、本発明に係る構造物の構築方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、付加製造装置40を用いて繊維入りモルタル30を打設する場合の説明をしたが、繊維は混入していなくてもよく、また、モルタルでなくコンクリートを用いてもよい。
また、本実施形態では、付加製造装置40のノズル42と仕上げ材料供給ホース92とが別の設備としてそれぞれ駆動する場合の説明をしたが、図11に示すように、付加製造装置40のノズル42と仕上げ材料供給ホース92とを一体的に移動させる構成を採用してもよい。
また、仕上げ材料36を吹き付けるタイミングは、繊維入りモルタル30を1層施工するごとに吹き付けてもよいし、2~3層積層された後にまとめて仕上げ材料36を吹き付けてもよい。要するに、積層された繊維入りモルタル30と仕上げ材料36とが一体的に施工され、かつ、仕上げ面38が平滑面に仕上がるように構成されていればよい。
10 鉄筋
20 モルタル枠
30 繊維入りモルタル(水硬性混合物)
32 モルタル材料
34 繊維
35 側面
36 仕上げ材料
40 付加製造装置
90 仕上げ材料供給装置(吹付け装置)

Claims (5)

  1. 付加製造装置から水硬性混合物を吐出し、該水硬性混合物を積層して構造物を構築する構造物の構築方法において、
    前記水硬性混合物を吐出すると同時、または吐出後10分以内に、吐出された前記水硬性混合物の側面に、吹付け装置を用いて仕上げ材料を吹き付けて前記側面を平滑面に仕上げることを特徴とする構造物の構築方法。
  2. 前記吹付け装置から吐出される前記仕上げ材料は、水硬性混合物または樹脂系材料であることを特徴とする請求項1に記載の構造物の構築方法。
  3. 前記吹付け装置から吐出される前記仕上げ材料は、コンクリート改質材であることを特徴とする請求項1に記載の構造物の構築方法。
  4. 前記吹付け装置から吐出される前記仕上げ材料は、短繊維入り水硬性混合物または樹脂系材料であることを特徴とする請求項1に記載の構造物の構築方法。
  5. 前記仕上げ材料の吹き付け厚さは、1mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の構造物の構築方法。
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