JP7301634B2 - 三次元造形装置、および三次元造形物の製造方法 - Google Patents
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Description
粉末積層溶融法(Powder Bed Fusion)は、ナイロン樹脂、セラミクス、金属等の原料粉末を層状に敷く工程と、レーザ光を照射して粉末層の一部を選択的に溶融させる工程とを繰り返し行なうことにより三次元造形物を形成する方法である。レーザ光の代わりに、電子ビーム等の他の加熱手段を用いて粉末層の一部を選択的に溶融させる場合もある。
金属粉末を層状に敷く粉敷きプロセスでは、スキージやローラ等の粉敷き部材(リコータ)を使って、造形ステージ上に粉末からなる層を形成する。一例として、リコータの往復動作の往き方向で、スキージ等で適量の粉末を造形ステージ上に運び、帰り方向で造形ステージと適切な間隔に調整したローラで一層分の厚みになるよう粉末をならす方法が挙げられる。粉末層の形成方法はこの例に限るものではないが、粉敷きプロセスの後に、ビーム照射プロセスが行われる。ビーム照射プロセスでは、作成したい造形物の形状に応じて粉末層上に前述のレーザビームや電子ビームを走査照射し、粉末を焼結あるいは溶融させる。ビーム照射後、造形ステージを1層分下降させ再び粉敷きプロセスを行う。以上の動作を繰り返すことで三次元立体形状物を造形する。
また、特許文献2には、レーザを入射する照射窓を加熱して、ヒュームの付着を防ぐ構成をとり、レーザの照射強度の安定性を確保する方法が記載されている。
かかる突起に起因する問題は、特許文献1や特許文献2に記載されたヒュームに対する対策技術では解決することができなかった。
図1は、実施形態1の三次元造形装置200において、粉末層18にレーザビーム12を照射している状態を示す模式図である。
まず、三次元造形装置200の構成について説明する。粉末積層溶融法による造形が可能な三次元造形装置200は、ガスを導入可能なチャンバー1を備えている。チャンバー1には、例えば窒素ガスを導入するガス導入口4と、ガス置換時にチャンバー内を排気するための真空ポンプ19が付設されている。
チャンバー1内には、三次元造形物を形成するための基台である造形プレート11、造形プレート11が着脱可能に装着される造形ステージ2、原料粉末を貯留する粉末供給槽3、粉末供給槽3を支持する粉末供給ステージ20、リコータ5が設けられている。造形ステージ2と粉末供給ステージ20は、互いに独立に上下動が可能である。
まず本実施形態で用いられ得る原料粉末について説明する。本実施形態では、例えば平均粒径Φ14.7μmの炭化ケイ素(SiC)粉末(大平洋ランダム製)と、平均粒径Φ3~6μmの二ホウ化クロム(CrB2)粉末(日本新金属製)の2種類の粉末を混合して使用することができる。炭化ケイ素と二ホウ化クロムの原子組成比が炭化ケイ素:二ホウ化クロム=70:30(at.%)となるようにそれぞれの粉末を計量し、計量した粉末をポリエチレン瓶に入れて混合する。上記混合した粉末を粉末供給槽3に充填する。
続けて、リコータ5をR方向に駆動し、造形ステージ2の右側までリコータ5を移動させ、造形ステージ2上に粉を敷く。
本発明者は、従来の三次元造形装置300において、炭化ケイ素と二ホウ化クロムの混合粉からなる粉末層18を形成した後、レーザビーム12を照射すると、照射された箇所の周辺の粉末が飛散してリコータ5にまで飛翔することを見出した。図11(a)に模式的に示すように、リコータ5にまで飛翔した粉末100は、リコータ5の側面に付着したり上面に積載されたりしていた。リコータ5の側面に付着したり上面に積載された粉末100を調べると、粉末層18に用いられている原料粉末と同様の組成であった。
まず、図2(b)に示すように、粉末供給槽3を支持する粉末供給ステージ20を上昇させて粉末を上部に押し出すとともに、造形ステージ2を降下させる。
次に、図2(c)に示すように、関節部81を回動させ、延伸姿勢だった遮蔽部材8を屈曲姿勢にする。すなわち、遮蔽部材8の下端がリコータ5の上端よりも高い位置にあるようにする。これにより、リコータ5を水平移動させても遮蔽部材8とは干渉しなくなる。そこで、スキージ6の下端面がローラ7の最下部と同じ高さになるように姿勢を調整したリコータ5をR方向に駆動し、粉敷きに必要な量の粉を造形ステージ2の左側まで運ぶ。
さらには、図3(b)に示すように、造形ステージ2を上昇させ、スキージ6の下端面がローラ7の最下部よりも高い位置になるよう姿勢を調整したリコータ5をL方向に駆動して、ローラ7で押圧しながら均一な厚みの粉末層を形成する。
図4に示すように、リコータ5が待機位置に戻ったら、次のレーザビームの照射時に飛翔する粉末からリコータ5を遮蔽するため、レーザビームの照射を開始する前に遮蔽部材8を延伸姿勢に戻す。
したがって、炭化ケイ素粉末と、炭化ケイ素の昇華温度よりも低い融点を持つホウ化金属粉末とを含む混合粉末を用いて、粉末層の形成とエネルギービームの照射を繰返して固化層を積層する際に、意図しない突起が形成されるのを抑制することが可能である。
図5(a)、図5(b)を参照して、実施形態2の三次元造形装置400について説明する。実施形態1と共通する部分については、説明を省略する。
実施形態1は、関節部81により屈伸可能な遮蔽部材8を遮蔽部として備えていたが、本実施形態では、屈伸はしないがシャッタのように上下動が可能な遮蔽板9を遮蔽部として備える。また、実施形態1では、遮蔽部としての遮蔽部材8を、粉末供給槽3よりもリコータ5の待機位置に近い位置に設けたが、本実施形態では遮蔽部としての遮蔽板9を、粉末供給槽3の左側の回収溝21の上方に配置した。
遮蔽板9の上昇が完了したら、実施形態1と同様にリコータ5を用いて新たな粉末層を形成する。新たな粉末層の形成が完了し、リコータ5が待機位置に戻ったら、遮蔽板9を粉末100の飛翔軌道を遮る位置にまで再び下降させる。
図6(a)、図6(b)を参照して、実施形態2の変形例である実施形態3について説明する。実施形態2と共通する部分については、説明を省略する。
実施形態2では、上下動可能な遮蔽板9を粉末供給槽3の左側の回収溝21の上方に配置したが、本実施形態では上下動可能な遮蔽板9を粉末供給槽3の上に配置した。
本実施形態では、特に回収機構を設けなくとも、遮蔽板9に衝突した粉末100を粉末供給槽3の原料粉末に混入させて再利用することができる。
図7を参照して、実施形態4の三次元造形装置500について説明する。実施形態1と共通する部分については、説明を省略する。
実施形態1ないし実施形態3では、遮蔽部として可動部材を用いていたが、本実施形態では、遮蔽部として固定部材を用いる。すなわち、本実施形態では、リコータ5の待機位置の上方から造形プレートに向けてひさし状に延伸する遮蔽用天板49を設ける。遮蔽用天板49は、チャンバー1の天井に固定され、待機位置にあるリコータ5を、飛翔する粉末100から遮蔽する。リコータ5に向かって飛翔する粉末100を完全に遮蔽することが困難な場合もあるが、付着する飛散物の量は圧倒的にリコータ5の上部に多いため、従来装置と較べて、本実施形態の方が安定した造形ができる効果が得られる。
本実施形態では、遮蔽部としての遮蔽用天板49には可動部分がないため、三次元造形装置500の装置構造を単純にすることができる。
図8を参照して、実施形態5の三次元造形装置600について説明する。実施形態1と共通する部分については、説明を省略する。
実施形態1ないし実施形態4では、遮蔽部として固体部材を用いていたが、本実施形態では、遮蔽部として流体を用いる。すなわち、本実施形態では、待機位置にあるリコータ5に向かって飛翔する粉末100の軌道を気流の流れ(エアカーテン)で変更して、粉末100からリコータ5を遮蔽する。
図9(a)、図9(b)を、参照して、実施形態6の三次元造形装置700について説明する。実施形態1と共通する部分については、説明を省略する。
実施形態1ないし実施形態3では、遮蔽部として可動部材を用い、リコータ5を水平方向に移動させる時には、遮蔽部の一部または全部を動かしてリコータ5と接触しないように退避させていた。これに対して、本実施形態では、リコータ5を水平方向に移動させる時に遮蔽部がリコータ5と接触するが、リコータの移動にならって遮蔽部が容易に変形可能な構成とした。具体的には、遮蔽部として可撓性のカーテン59を設けた。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
リコータ5に粉末が到達するのを遮蔽する機構の種類と配置は、上記実施形態に例示したものに限られるわけではない。例えば、ある実施形態で例示した種類の遮蔽機構を、別の実施形態で示した位置に配置してもよい。要は、レーザビームが照射された粉末層からリコータに向けて飛翔する粉末の軌道を遮蔽する位置に遮蔽部を配置できればよい。リコータに向けて飛翔する粉末の軌道を遮蔽する位置とは、典型的には粉末層からリコータに至る放物線軌道を遮蔽する位置であるが、チャンバーの内壁等に衝突して反射されてリコータに向かう粉末の軌道を遮蔽する位置であってもよい。
Claims (18)
- 粉末層を形成する粉末層形成部と、
前記粉末層形成部が形成した粉末層にエネルギービームを照射するエネルギービーム源と、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時に前記粉末層から飛散する粉末が前記粉末層形成部に到達しないように遮蔽する遮蔽部と、を備え
前記遮蔽部は、位置または姿勢を変更可能であり、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時には延伸姿勢をとり、前記粉末層形成部が粉末層を形成する時には屈曲姿勢をとる、
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 粉末層を形成する粉末層形成部と、
前記粉末層形成部が形成した粉末層にエネルギービームを照射するエネルギービーム源と、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時に前記粉末層から飛散する粉末が前記粉末層形成部に到達しないように遮蔽する遮蔽部と、を備え
前記遮蔽部は、位置または姿勢を変更可能であり、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時には下端が前記粉末層形成部の上端よりも低い位置にあり、前記粉末層形成部が粉末層を形成する時には下端が前記粉末層形成部の上端よりも高い位置にある、
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 粉末層を形成する粉末層形成部と、
前記粉末層形成部が形成した粉末層にエネルギービームを照射するエネルギービーム源と、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時に前記粉末層から飛散する粉末が前記粉末層形成部に到達しないように遮蔽する遮蔽部と、を備え、
前記遮蔽部は、可撓性を有する、
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 粉末層を形成する粉末層形成部と、
前記粉末層形成部が形成した粉末層にエネルギービームを照射するエネルギービーム源と、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時に前記粉末層から飛散する粉末が前記粉末層形成部に到達しないように遮蔽する遮蔽部と、を備え、
前記遮蔽部は、気流を供給するノズルを備える、
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 粉末層を形成する粉末層形成部と、
前記粉末層形成部が形成した粉末層にエネルギービームを照射するエネルギービーム源と、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時に前記粉末層から飛散する粉末が前記粉末層形成部に到達しないように遮蔽する遮蔽部と、を備え、
前記遮蔽部は、前記遮蔽部に到達した粉末を落下させる、
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 粉末層を形成する粉末層形成部と、
前記粉末層形成部が形成した粉末層にエネルギービームを照射するエネルギービーム源と、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時に前記粉末層から飛散する粉末が前記粉末層形成部に到達しないように遮蔽する遮蔽部と、を備え、
前記遮蔽部の下に、前記粉末層から前記遮蔽部まで飛散した粉末を回収する回収機構を備える、
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 粉末層を形成する粉末層形成部と、
前記粉末層形成部が形成した粉末層にエネルギービームを照射するエネルギービーム源と、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時に前記粉末層から飛散する粉末が前記粉末層形成部に到達しないように遮蔽する遮蔽部と、を備え、
前記遮蔽部は、原料粉末を貯留する粉末供給部の上に設けられている、
ことを特徴とする三次元造形装置。 - 前記粉末層形成部は、前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時には待機位置に配置され、
前記遮蔽部は、前記待機位置と前記粉末層との間に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の三次元造形装置。 - 前記遮蔽部は、位置または姿勢を変更可能であり、
前記エネルギービーム源が前記粉末層にエネルギービームを照射する時と、前記粉末層形成部が粉末層を形成する時とで、前記遮蔽部が位置または姿勢を変更する、
ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の三次元造形装置。 - 前記粉末層形成部が粉末層を形成する時には、前記遮蔽部は前記粉末層形成部と干渉しない位置または姿勢をとる、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の三次元造形装置。 - 前記遮蔽部は、前記待機位置と、原料粉末を貯留する粉末供給部の間に設けられている、
ことを特徴とする請求項8に記載の三次元造形装置。 - 前記粉末層形成部は、昇華性材料を含む粉末層を形成する、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の三次元造形装置。 - 前記昇華性材料が、炭化ケイ素である、
ことを特徴とする請求項12に記載の三次元造形装置。 - 粉末層形成部による粉末層の形成処理と、前記粉末層へのエネルギービームの照射処理と、を繰り返し行う三次元造形物の製造方法であって、
前記エネルギービームの照射処理において前記粉末層から飛散する粉末が、前記粉末層形成部に到達しないように遮蔽部で遮蔽し、
前記エネルギービームの照射処理において、前記遮蔽部に到達した粉末を落下させる、
ことを特徴とする三次元造形物の製造方法。 - 前記遮蔽部は位置または姿勢を変更可能であり、
前記粉末層の形成処理と、前記エネルギービームの照射処理とで、前記遮蔽部が位置または姿勢を変更する、
ことを特徴とする請求項14に記載の三次元造形物の製造方法。 - 前記粉末層の形成処理において、前記遮蔽部は前記粉末層形成部と干渉しない位置または姿勢をとる、
ことを特徴とする請求項14または15に記載の三次元造形物の製造方法。 - 前記粉末層の形成処理は、昇華性材料を含む粉末層を形成する処理である、
ことを特徴とする請求項14乃至16のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。 - 前記昇華性材料が、炭化ケイ素である、
ことを特徴とする請求項17に記載の三次元造形物の製造方法。
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