JP7303673B2 - 資機材運搬方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、型枠や支保工といった資機材の運搬方法に関する技術であり、より具体的には、自昇機能を有する昇降装置を用いて資機材を下階から上階まで運搬する方法に関するものである。
集合住宅やオフスビルなど多層階の建造物は、一般的に下層階から順に構築されていく。例えばRC(Reinforced Concrete)造やSRC(Steel Reinforced Concrete)造の多層階建造物を構築する場合、まず1階部分のコンクリート造を構築し、その後、2階部分、3階部分・・・と構築していくわけである。
RC造やSRC造の建造物を構築するにあたっては、仮設材を含む様々な材料(以下、これらをまとめて「資機材」という。)が使用される。具体的には、コンクリートの打ち込みに使用する型枠、型枠を組み立てるための支保工、足場等に利用される単管(一般構造用炭素鋼鋼管)や継ぎ手材料(クランプ等)や足場板、そのほか木枠や金具類など、まさに多種多様な資機材が使用される。そして、上記したとおり下層階から順に構築していく場合、これら資機材は、下層階の施工が終わるたびに上層階まで順次持ち上げられていくこととなる。
従来、下層階から上層階まで資機材を運搬するには、上層階の床部に設けられた開口部を通じて作業員が手渡しする手法や、本階段や外部足場階段まで水平移動したうえで別搬器により運搬する手法、外部エレベーターまで水平移動したうえで運搬する手法などが用いられていた。しかしながらいずれの手法も、作業員にかかる負担が大きく、運搬に相当の作業時間を要し、また長い距離を水平移動する場合は間仕切り部の乗り越し作業が生じるなど、種々の問題を抱えていた。
特に、最も一般的な「開口部を通じて作業員が手渡しするケース」では、作業員の負担のほか安全面においても問題が指摘されており、しかも運搬に係る作業時間は全体工期に大きな影響を及ぼすほど看過できない問題であった。例えば、床面積300m2程度の標準的な建造物を構築する場合、1階あたり2,350点の仮設材等と3,600kgの雑材等が上層階に運搬される。仮設材等は1回あたり1点ずつ運搬し、雑材等は1回あたり20kg分だけ運搬し、さらに1回の運搬作業を15秒とすれば、資機材を上層階に運搬するには10.5時間を要することとなる。ここで計算した運搬時間は1階あたり(例えば2階~3階など)のものであり、したがって全体工期で考えれば資機材の運搬に(N-1)×10.5時間(Nは建造物の全階数)を要することとなるわけである。
そこでこれまでにも、資機材を運搬するための種々の改良技術が提案されてきた。例えば特許文献1では、パンタグラフ機構を具備する懸垂式の楊重装置を利用して資材を運搬する方法を提案している。
特開平05-113034号公報
特許文献1は、各階のスラブ(床面)を貫通するシャフトに懸垂式の楊重装置を設置して資材を運搬する方法である。そのため、全階を貫通するシャフトが設けられない建造物では利用することができない。また特許文献1で用いる楊重装置は、パンタグラフ機構を具備することからその製造に相当のコストが掛かるという問題を指摘することができる。さらに、パンタグラフ機構を具備する楊重装置は、その重量が比較的大きいことから取扱いに相当な労力を要するうえに、懸垂式であることから落下するおそれがあり相応の安全対策を要する、といった問題も指摘することができる。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち従来に比して資機材の運搬時間を短縮するとともに、作業者の労力を軽減することができる資機材運搬方法を提供することである。
本願発明は、アウトリガーを具備する基礎部と、この基礎部に固定された支柱、支柱に沿って昇降可能な荷台を有する「昇降装置」を用いて資機材を運搬し、しかも上層階に荷台を固定した状態で基礎部と支柱を上層階に持ち上げる、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の資機材運搬方法は、昇降装置を用いて、上階の床面に設けられた開口部を通じて下階から上階に資機材を運搬する方法であり、昇降装置配置工程と基礎部支持工程、荷揚げ工程、荷台支持工程、基礎部上昇工程を備えた方法である。なお昇降装置は、アウトリガーを具備する「基礎部」と、基礎部に固定された1又は2以上の「支柱」、支柱に沿って昇降可能な「荷台」を有するものである。昇降装置配置工程では、開口部の下方であって下階の床面上に昇降装置を配置し、基礎部支持工程では、アウトリガーによって基礎部を下階の床面上で支持する。また荷揚げ工程では、開口部を通じて支柱を上階まで伸ばすとともに下階に置かれた荷台に資機材を収容したうえで開口部を通じて荷台を上階まで上昇させて上階で荷台から資機材を降ろす。そして荷台支持工程では、上階まで上昇した荷台を上階の床面で支持し、基礎部上昇工程では、アウトリガーを解除して基礎部を上階まで上昇させる。
本願発明の資機材運搬方法は、昇降装置水平移動工程をさらに備えた方法とすることもできる。この場合、基礎部が移動車輪を具備する昇降装置が用いられ、開口部には開閉蓋が設けられる。昇降装置水平移動工程では、開閉蓋を閉じるとともに、閉じられた開閉蓋の上で昇降装置を水平移動する。
本願発明の資機材運搬方法は、次のような支柱固定工程と基礎部上昇工程を備えた方法とすることもできる。すなわち支柱固定工程では、作業者を載せた荷台を上昇させながら延長用支柱を継ぎ足していくことで支柱を上階まで伸ばし、基礎部上昇工程では、延長用支柱を取り外しながら基礎部を上階まで上昇させる。
本願発明の資機材運搬方法は、支柱が伸縮自在である昇降装置を用いた方法とすることもできる。この場合、支柱固定工程では、支柱を伸長することで支柱を上階まで伸ばし、基礎部上昇工程では、支柱を縮めながら基礎部を上階まで上昇させる。
本願発明の資機材運搬方法は、資機材を上階から下階に降ろす方法とすることもできる。この場合、昇降装置配置工程では、開口部の上方であって上階の床面上に昇降装置を配置し、荷台支持工程では、荷台を上階の床面で支持する。また基礎部下降工程では、支柱を下方に伸ばしながら基礎部を下階まで下降させ、基礎部支持工程では、アウトリガーによって基礎部を下階の床面上で支持する。そして荷降し工程では、荷台の支持を解除するとともに荷台に資機材を収容したうえで開口部を通じて荷台を下階まで下降させ下階で荷台から資機材を降ろす。
本願発明の資機材運搬方法には、次のような効果がある。
(1)昇降装置を用いて上層階まで資機材を運搬することから、従来に比して資機材の運搬時間を短縮することができる。
(2)同じく昇降装置を用いて上層階まで資機材を運搬することから、従来に比して作業者の労力を軽減することができるうえ、運搬作業に伴う危険を回避することができる。
(3)昇降装置が自昇することから、作業者が昇降装置を運搬する必要がなく、作業者の労力を軽減できるうえ、昇降装置の運搬作業に伴う危険を回避することができる。
(4)パンタグラフ機構など比較的大規模な揚重機構を必要としないことから、昇降装置の製造にコストが掛からず、しかも昇降装置を軽量化することができるためその取扱いも容易である。
(5)全階のスラブを貫通するシャフトが設けられない建造物でも実施することができる。
(a)は本願発明の資機材運搬方法で用いる昇降装置を示す側面図、(b)は本願発明の資機材運搬方法で用いる昇降装置を示す背面図、(c)は本願発明の資機材運搬方法で用いる昇降装置を示す平面図。 荷揚げ式資機材運搬方法の主な工程を示すフロー図。 (a)は昇降装置を配置する工程を示すステップ図、(b)は基礎部を下階の床面上で支持する工程を示すステップ図、(c)は支柱を上階の床面に固定する工程を示すステップ図、(d)は資機材を荷台に接近させる工程を示すステップ図。 (e)は資機材を荷台に収容する工程を示すステップ図、(f)は資機材を収容した荷台を上階まで上昇させる工程を示すステップ図、(g)は上階で荷台から資機材を降ろす工程を示すステップ図、(h)は上階の床面に設置した立馬などの架台で荷台を支持する工程を示すステップ図。 (i)は基礎部を上階まで上昇させる工程を示すステップ図、(j)は立馬を取り除いて閉じられた開閉蓋上に昇降装置を載置する工程を示すステップ図、(k)は開閉蓋上で昇降装置が水平移動する工程を示すステップ図、(l)はさらに上階の床スラブを構築する工程。 (a)は開閉蓋を上方から見た平面図、(b)は開閉蓋の断面図、(c)は枠材の詳細を示す部分断面図。 荷台を利用して上方に移動しながら、作業員が延長用支柱を順次継ぎ足すことによって支柱を伸ばしていく状況を示す側面図。 (a)は立馬を示す斜視図、(b)は開口部に設置され立馬を示す断面図。 上階の床面に立った作業員が、上階まで上昇してくる延長用支柱を順次取り外すことによって支柱を短くしていく状況を示す側面図。 荷降し式資機材運搬方法の主な工程を示すフロー図。
本願発明の資機材運搬方法の実施形態の一例を図に基づいて説明する。なお、本願発明の資機材運搬方法は、下階から上階に資機材を運搬する方法(以下、「荷揚げ式資機材運搬方法」という。)と、上階から下階に資機材を運搬する方法(以下、「荷降し式資機材運搬方法」という。)に大別することができる。また、本願発明の荷揚げ式資機材運搬方法、荷降し式資機材運搬方法ともに、「昇降装置」を用いる方法である。そこで、まずはこの「昇降装置」について説明し、その後に「荷揚げ式資機材運搬方法」と「荷降し式資機材運搬方法」について詳しく説明することとする。
1.昇降装置
図1は、本願発明の資機材運搬方法で用いる昇降装置100を示す図であり、(a)は側面図、(b)は背面図、(c)は上方から見た平面図である。この図に示すように昇降装置100は、基礎部110と支柱120、荷台130を含んで構成される。
このうち基礎部110は、アウトリガー111を含むものであり、さらに昇降装置100を水平移動させるための車輪(以下、「移動車輪112」という。)を含むものとすることもできる。アウトリガー111は、複数組(この図では4組)の脚体を有しており、そしてこの脚体は、水平方向に伸縮するアームと、そのアーム先端に設けられるジャッキ部を具備するものである。アウトリガー111のアームを伸ばし、さらにジャッキ部でジャッキアップすることにより、昇降装置100を床面上で支持することができる。移動車輪112は、水平軸周りに回転するタイヤ車輪や、任意方向に回転するボール(球体)であり、エンジンなどの駆動装置によって回転する形式とすることもできるし、駆動装置を設けず人が押す(引く)ことで回転させる形式とすることもできる。
支柱120は、図1に示すように、略鉛直(鉛直含む)方向に延びる柱状のものであり、その下端部において基礎部110に固定される。支柱120を基礎部110に固定するには、直接アウトリガー111に固定することもできるし、アウトリガー111に取り付けられる底板などに固定することもできる。また、1本(1列)の支柱120を基礎部110に固定することもできるし、2本(2列)以上の支柱120を基礎部110に固定することもできる。
また支柱120は、その延長を変更することができるものである。例えば、支柱120を複数に分割した支柱(以下、「延長用支柱121」という。)を用意し、基礎部110に固定された支柱120の上端に必要数の延長用支柱121を順次継ぎ足すことによって支柱120を伸ばしていき、必要数の延長用支柱121を取り外すことによって支柱120を縮めていくことができる。あるいは、支柱120を複数の分割体からなる構成にするとともに各分割体を中空とし、下方の分割体が上方の分割体を収容する構造とすることもできる。この場合、手動によって、もしくは油圧や電力を利用して機械的に、収容された各分割体を引き出すことで支柱120を伸ばしていき、各分割体を収容することで支柱120を縮めていくことができる。
荷台130は、図1に示すように、底板と手摺を含んで構成されるもので、資機材や人を載せることができるものである。また荷台130は、支柱に沿って上下に移動できる(昇降可能な)構造とされる。なお荷台130を昇降させるには、油圧や電力を利用した機械式とすることもできるし、チェーンブロック等を用いた手動式とすることも、電動ドリルの回転を利用した手動式とすることもできる。
2.荷揚げ式資機材運搬方法
図2は、荷揚げ式資機材運搬方法の主な工程を示すフロー図であり、図3~図5は、荷揚げ式資機材運搬方法の主な工程を示すステップ図である。なお、図3では昇降装置100を配置する工程から資機材を荷台130に接近させる工程までを示し、図4では資機材EQを荷台130に収容する工程から荷台130を上階の床面FUに固定する工程までを示し、図5では基礎部110を上階まで上昇させる工程からさらに上階の床スラブDCを構築する工程までを示している。以下、図2~図5を参照しながら荷揚げ式資機材運搬方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、下階(図ではN階)の任意位置に置かれた昇降装置100を、上階(図ではN+1階)の床面FUに設けられた開口部APの下方まで移動させる(図2のStep101)。このとき、基礎部110に設けられた移動車輪112を利用して、下階の床面FL上を水平移動させるとよい。なお、上階(N+1階)の開口部APと下階(N階)の開口部APは上下に連通することがなく、すなわち上階(N+1階)の開口部APの直下の床面FLには開口部APは設けられていない。
作業員の転落や工具等の落下を防止するため、開口部APには図6に示すような開閉蓋210が設置されることがある。図6(a)は開閉蓋210を上方から見た平面図であり、図6(b)は開閉蓋210の断面図(図6(a)のX-X矢視図)、図6(c)は枠材の詳細を示す部分断面図(図6(b)に示す「Y部」の詳細図)である。一般的な開閉蓋210は、図6(a)に示すように左右2枚で構成されており、図6(b)に示すようにそのうち一辺が蝶番などを用いて回転可能に固定されている。また開閉蓋210の周囲には枠材220が配置されている。この枠材220は、図6(c)に示すように山形鋼などが用いられる。このような開閉蓋210が開口部APに設置されている場合は、図3(a)に示すようにあらかじめ開閉蓋210を開いて開口部APを開放しておく。なお、昇降装置100の支柱120を配置した状態で開閉蓋210の開閉を行う場合は、図6(a)に示すように、支柱120を収容するための「切り欠き部」をそれぞれの蓋板に設けるとよい。
昇降装置100を所定位置(上階の開口部APの下方であって下階の床面FL上)に配置すると、図3(b)に示すように、アウトリガー111によって基礎部110を下階の床面FL上で支持する(図2のStep102)。具体的には、既述したとおりアウトリガー111のアームを伸ばし、さらにジャッキ部でジャッキアップすることにより、基礎部110(すなわち昇降装置100)を下階の床面FL上で支持する。
アウトリガー111によって基礎部110を下階の床面FL上で支持すると、図3(c)に示すように、開口部APを通じて支柱120を上階まで伸ばし、その支柱120を上階の床面FUに固定する(図2のStep103)。具体的には、図7に示すように、作業員が荷台130を利用して上方に移動しながら、延長用支柱121を順次継ぎ足すことによって支柱120を伸ばしていく。あるいは、支柱120が伸縮自在のものであれば、手動もしくは油圧や電力によって、収容された各分割体を引き出すことで支柱120を伸ばしていく。
開口部APを通過して上階の所定高さまで支柱120を伸ばすと、固定冶具DFを用いて支柱120を上階の床面FUに固定する。例えば、上階の床面FUに設置した溝形鋼(固定冶具DF)と、支柱120をボルトで縫い付けることによって、支柱120を固定することができる。なお、溝形鋼などの固定冶具DFを上階の床面FUに設置するにあたっては、図6に示す山形鋼の枠材220を利用するとよい。
支柱120を上階の床面FUに固定すると、図3(d)に示すように、資機材EQを荷台130の近くまで接近させる。このとき、支保工や単管、クランプ等といったばらばらの資機材EQを搬送用カゴCGにまとめて収容し、さらに搬送用カゴCGを台車TRに搭載して荷台130の近くまで接近させるとよい。そして、図4(e)に示すように、資機材EQを収容した搬送用カゴCGを、台車TRとともに荷台130に移設する(図2のStep104)。
台車TRと搬送用カゴCGを荷台130に積載すると、図4(f)に示すように、搬送用カゴCG(つまり資機材EQ)を荷台130に積載した状態で、開口部APを通じて荷台130を上階まで上昇させる(図2のStep105)。そして、図4(g)に示すように、資機材EQを収容した搬送用カゴCGを、台車TRとともに荷台130から上階の床面FUに移設する(図2のStep106)。その後、いわば空荷となった状態の荷台130を、下階の床面FLまで下降させる(図2のStep107)。そして再び、資機材EQを収容した搬送用カゴCGを荷台130に移設し(図2のStep104)、荷台130を上階まで上昇させ(図2のStep105)、搬送用カゴCGを上階の床面FUに移設し(図2のStep106)、空荷の荷台130を下降させる(図2のStep107)。必要な資機材EQすべてが運搬されるまで、この一連の運搬工程(Step104~Step107)を繰り返し行う。
最後の資機材EQが上階まで運ばれると、図4(h)に示すように、搬送用カゴCGを降ろした後の荷台130を上階の床面FUで支持する(図2のStep108)。荷台130を支持するには、例えば図8(a)に示すような架台(以下、「立馬HS」という。)を利用するとよい。この立馬HSは、複数の支持脚SLと天板TBを含んで構成され、図8(b)に示すように開口部APの上を架け渡すように(跨いで)設置することができるものである。また、開口部APに立馬HSを設置したときに、天板TBが開閉蓋210の開閉の障壁とならない位置(高さ)となる形状にするとよい。立馬HSを利用して荷台130を支持するには、まず天板TB位置より少し高い位置まで荷台130を上昇させ、図8(b)に示すように立馬HSを設置し、その後、荷台130を降ろして天板TB上に接地させるとよい。
荷台130を上階の床面FUに設置された立馬HSで支持すると、支柱120の固定を解除したうえで、図5(i)に示すように、基礎部110を上階まで上昇させる(図2のStep109)。このとき、閉蓋210の開閉の障壁とならない位置(高さ)まで基礎部110を上昇させるとよい。もちろん基礎部110を上昇させるにあたっては、あらかじめアウトリガー111による支持を解除しておく(つまり、ジャッキ部をジャッキダウンし、アームを縮めておく)とよい。ところで、基礎部110を上昇させると、これに伴って支柱120も上昇していく。したがって、支柱120を短くしながら(縮めながら)、基礎部110を上昇させる。具体的には、図9に示すように、上階の床面FUに立った作業員が、上階まで上昇してくる延長用支柱121を順次取り外すことによって支柱120を短くしていく。あるいは、支柱120が伸縮自在のものであれば、手動もしくは油圧や電力によって、各分割体を収容していくことで支柱120を短くしていく。
基礎部110を上階の所定高さまで上昇させると、図5(j)に示すように、閉蓋210を閉じて開口部APを閉鎖する(図2のStep110)。そして、基礎部110を降ろして閉じられた開閉蓋210の上に載置し、立馬HSを取り除いたうえで荷台130を基礎部110まで降ろす。
昇降装置100を開閉蓋210上に載置すると、図5(k)に示すように、閉じられた開閉蓋210上で昇降装置100を水平移動させながら、上階の床面FUの任意位置まで運搬する(図2のStep111)。
昇降装置100を任意位置まで退避させると、図5(l)に示すように、開閉蓋210を閉じて開口部APを閉鎖した状態で、上階の床面FU上に支保工SHと型枠を組み立て、コンクリートを打ち込むことによって、さらに上階(N+2階)の床スラブDCを構築する(図2のStep112)。
3.荷降し式資機材運搬方法
続いて、荷降し式資機材運搬方法について図10を参照しながら説明する。なお、荷降し式資機材運搬方法は、ここまで説明した荷揚げ式資機材運搬方法の各工程を、その順を変えて行う方法であり、したがって荷揚げ式資機材運搬方法で説明した内容と重複する説明は避け、荷降し式資機材運搬方法に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.荷揚げ式資機材運搬方法」で説明したものと同様である。
図10は、荷降し式資機材運搬方法の主な工程を示すフロー図である。この図に示すように、まずは開口部APの上方であって上階(N+1階)の床面FU上に昇降装置100を配置する(図10のStep201)。なお開口部APに開閉蓋210が設けられているときは、あらかじめ開閉蓋210を開いて開口部APを開放しておく。
昇降装置100を所定位置に配置すると、例えば立馬HSを利用して昇降装置100を支持する(図10のStep202)。具体的には、荷台130を天板TB位置より少し高い位置まで上昇させ、図8(b)に示すように開口部APに立馬HSを設置し、その後、荷台130を降ろして天板TB上に接地させる。
荷台130を上階の床面FUで支持すると、支柱120を下方に伸ばしながら、基礎部110を下階(N階)まで下降させる(図10のStep203)。このとき、上階の床面FUに立った作業員が、延長用支柱121を順次継ぎ足していくことによって支柱120を下方に伸ばしていく。あるいは、支柱120が伸縮自在のものであれば、手動もしくは油圧や電力によって、収容された各分割体を引き出すことで支柱120を下方に伸ばしていく。
基礎部110を下階の床面FLまで下降させると、アウトリガー111によって基礎部110を下階の床面FL上で支持する(図10のStep204)。具体的には、既述したとおりアウトリガー111のアームを伸ばし、さらにジャッキ部でジャッキアップすることにより、基礎部110(すなわち昇降装置100)を下階の床面FL上で支持する。
アウトリガー111によって基礎部110を下階の床面FL上で支持すると、固定冶具DFを用いて支柱120を上階の床面FUに固定する(図10のStep205)。例えば、上階の床面FUに設置した溝形鋼(固定冶具DF)と、支柱120をボルトで縫い付けることによって、支柱120を固定することができる。なお、溝形鋼などの固定冶具DFを上階の床面FUに設置するにあたっては、図6に示す山形鋼の枠材220を利用するとよい。
支柱120を上階の床面FUに固定すると、資機材EQを収容した搬送用カゴCGを荷台130に移設し(図10のStep206)、搬送用カゴCG(つまり資機材EQ)を荷台130に積載した状態で開口部APを通じて荷台130を下階まで下降させる(図10のStep207)。そして、資機材EQを収容した搬送用カゴCGを、荷台130から下階の床面FLに移設し(図10のStep208)、その後、いわば空荷となった状態の荷台130を、上階の床面FUまで上昇させる(図10のStep209)。そして再び、資機材EQを収容した搬送用カゴCGを荷台130に移設し(図10のStep206)、荷台130を下階まで下降させ(図10のStep207)、搬送用カゴCGを下階の床面FLに移設し(図10のStep208)、空荷の荷台130を上昇させる(図10のStep209)。必要な資機材EQすべてが運搬されるまで、この一連の運搬工程(Step206~Step209)を繰り返し行う。最後の資機材EQが下階まで運ばれると、空荷の荷台130を下階(つまり基礎部110)上に置いた状態で、固定冶具DFによる支柱120の固定を解除し、支柱120を縮めていく。具体的には、作業員が延長用支柱121を順次取り外すことによって支柱120を短くしていく。あるいは、支柱120が伸縮自在のものであれば、手動もしくは油圧や電力によって、各分割体を収容していくことで支柱120を短くしていく。
本願発明の資機材運搬方法は、マンション等の集合住宅や戸建住宅といった居住用建築物、オフィスビルあるいは百貨店、ショッピングモールといった商用建築物で利用できるほか、校舎や病院など様々な多層階の建築物で利用することができる。
100 昇降装置
110 (昇降装置の)基礎部
111 (基礎部の)アウトリガー
112 (基礎部の)移動車輪
120 (昇降装置の)支柱
121 (昇降装置の)延長用支柱
130 (昇降装置の)荷台
210 開閉蓋
220 枠材
AP 開口部
CG 搬送用カゴ
DC 床スラブ
EQ 資機材
FL 下階の床面
FU 上階の床面
HS 立馬
SL (立馬の)支持脚
TB (立馬の)天板
RL レール
SH 支保工
TR 台車

Claims (5)

  1. 昇降装置を用い、上階の床面に設けられた開口部を通じて、下階から上階に資機材を運搬する方法であって、
    前記昇降装置は、アウトリガーを具備する基礎部と、該基礎部に固定された1又は2以上の支柱と、該支柱に沿って昇降可能な荷台と、を有し、
    前記開口部の下方であって下階の床面上に、前記昇降装置を配置する昇降装置配置工程と、
    前記アウトリガーによって、前記基礎部を下階の床面上で支持する基礎部支持工程と、
    前記開口部を通じて前記支柱を上階まで伸ばすとともに、下階に置かれた前記荷台に資機材を収容したうえで、前記開口部を通じて該荷台を上階まで上昇させ、上階で該荷台から資機材を降ろす荷揚げ工程と、
    複数の支持脚と天板を含む架台を、前記開口部の上に架け渡すように設置する架台設置工程と、
    上階まで上昇した前記荷台を前記天板の上に載置されるまで降ろし、該荷台を前記架台で支持する荷台支持工程と、
    前記アウトリガーを解除し、前記荷台を前記架台で支持した状態で前記支柱を短くしながら前記基礎部を上階まで上昇させる基礎部上昇工程と、を備えた、
    ことを特徴とする資機材運搬方法。
  2. 前記開口部に開閉蓋が設けられ、
    前記架台を前記開口部に設置したときに、前記天板は前記開閉蓋の開閉の障壁とならない位置とされ、
    前記荷揚げ工程の前に、前記開閉蓋を開いて前記開口部を開放する開口部開放工程と、
    前記基礎部上昇工程の後に、前記開閉蓋を閉じて前記開口部を閉鎖する開口部閉鎖工程と、をさらに備え、
    前記基礎部上昇工程では、前記開閉蓋の開閉の障壁とならない位置まで、前記基礎部を上階まで上昇させ、
    前記開口部閉鎖工程の後に、前記基礎部を降ろして閉じられた該開閉蓋の上に載置する、
    ことを特徴とする請求項1記載の資機材運搬方法。
  3. 前記昇降装置の前記基礎部が移動車輪を具備し、
    前記基礎部を前記開閉蓋の上に載置した後に、該開閉蓋の上で前記昇降装置を水平移動する昇降装置水平移動工程と、をさらに備えた、
    ことを特徴とする請求項2記載の資機材運搬方法。
  4. 前記荷揚げ工程では、前記支柱を上階まで伸ばした後、該支柱を上階の床面に固定し、
    前記基礎部上昇工程では、前記支柱と上階の床面との固定を解除したうえで、前記支柱を短くしながら前記基礎部を上階まで上昇させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の資機材運搬方法。
  5. 昇降装置を用い、上階の床面に設けられた開口部を通じて、上階から下階に資機材を運搬する方法であって、
    前記昇降装置は、アウトリガーを具備する基礎部と、該基礎部に固定された1又は2以上の支柱と、該支柱に沿って昇降可能な荷台と、を有し、
    上階の床面上に、前記昇降装置を配置する昇降装置配置工程と、
    複数の支持脚と天板を含む架台を、前記開口部の上に架け渡すように設置する架台設置工程と、
    前記天板より高い位置にある前記荷台を該天板の上に載置されるまで降ろし、該荷台を前記架台で支持する荷台支持工程と、
    前記荷台を前記架台で支持した状態で前記支柱を下方に伸ばしながら、前記基礎部を下階まで下降させる基礎部下降工程と、
    前記アウトリガーによって、前記基礎部を下階の床面上で支持する基礎部支持工程と、
    前記荷台の支持を解除するとともに、前記荷台に資機材を収容したうえで、前記開口部を通じて該荷台を下階まで下降させ、下階で該荷台から資機材を降ろす荷降し工程と、を備えた、
    ことを特徴とする資機材運搬方法。
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