JP7307357B2 - 異常判断装置、異常判断方法、プログラム - Google Patents

異常判断装置、異常判断方法、プログラム Download PDF

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Description

本開示は、異常判断装置等に関する。
例えば、電気的特徴量から電気設備の電気的な異常に関する診断を行う技術が知られている(特許文献1参照)。
特許598518号公報
ところで、電気的特徴量から電気駆動される回転機械の機械要素の劣化やストレス等の異常に関する判断を行うことが考えられる。
しかしながら、例えば、回転機械の機械要素の劣化やストレス等の異常が電気的特徴として現れる場合に、回転機械の運転状態によってその現れ方が変動する場合がある。そのため、例えば、回転機械の運転状態に依らず、電気的特徴量から同じ基準で異常に関する判断を行うと、異常に関する判断の精度が低下し、異常に関する判断を適切に行うことができない可能性がある。
本開示は、回転機械の機械要素の異常に関する判断をより適切に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
本開示に係る一実施形態では、
電気駆動される回転機械の電気的特徴量に基づき、前記回転機械を搭載する機器の機械要素の異常に関する判断を行う判断部を備え、
前記電気的特徴量は、前記回転機械を駆動する電動機の電流と相関のある信号の特定の周波数成分であり、
前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の所定の正の整数倍の成分であり、
前記判断部は、前記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記回転機械の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、前記判断を行う、
異常判断装置が提供される。
本実施形態によれば、異常判断装置は、電気的特徴量に基づく回転機械の異常に関する判断に際して、回転機械の回転周波数の変化による、機械要素の異常と回転機械の電気的特徴量との関係の変動を考慮することができる。そのため、異常判断装置は、回転機械の異常に関する判断の精度を向上させることができる。
また、上述の実施形態において、
前記変動は、前記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係の所定の基準状態からのズレであり、
前記所定の基準状態は、特定の回転周波数での前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係であってもよい。

また、上述の実施形態において、
前記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係の前記所定の基準状態からのズレを補正する補正部を更に備え、
前記判断部は、前記補正部によりズレが補正された、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係に基づき、前記判断を行ってもよい。
また、上述の実施形態において、
正常時における前記回転機械の運転状態と前記電気的特徴量との関係に基づき、前記電気的特徴量から前記判断を行うための判断基準を生成する生成部を更に備え、
前記補正部は、前記回転機械の回転周波数の変化による、前記回転機械の異常と前記判断基準との間の関係のズレを補正するように、前記電気的特徴量又は前記判断基準を補正し、
前記判断部は、前記補正部による補正後に、前記電気的特徴量と前記判断基準とを比較することで前記判断を行ってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記生成部は、前記回転機械の回転周波数が前記特定の回転周波数であるときの前記判断基準を生成し、
前記補正部は、前記回転機械の回転周波数が前記特定の回転周波数であるときに相当する状態に前記電気的特徴量を補正し、
前記判断部は、前記補正部により補正された前記電気的特徴量と、前記判断基準とを比較することで前記判断を行ってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記生成部は、前記回転機械の回転周波数が前記特定の回転周波数であるときの前記判断基準を生成し、
前記補正部は、前記回転機械の回転周波数に合わせて、前記判断基準を補正し、
前記判断部は、前記電気的特徴量と、前記補正部により補正された前記判断基準とを比較することで前記判断を行ってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記補正部は、前記回転機械の回転周波数の変化に合わせて補正する量を変化させてもよい。
また、上述の実施形態において、
前記回転機械は、圧縮機であり、
前記回転機械の運転状態には、前記圧縮機の低圧側の圧力状態又はその圧力状態に相関する信号、及び高圧側の圧力状態又はその圧力状態に相関する信号の双方が含まれてもよい。
また、上述の実施形態において、
前記電気的特徴量についての前記回転機械の異常と正常との境界に関する情報を保持し、
前記境界は、前記回転機械の回転周波数の変化に合わせて変化し、
前記判断部は、前記電気的特徴量が前記境界の正常側にあるか異常側にあるかにより、前記判断を行ってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記判断部は、前記機械要素の機械的特性に基づく前記変動を考慮して、前記判断を行ってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記機械的特性には、前記機械要素のイナーシャが含まれてもよい。
また、上述の実施形態において、
前記判断部は、前記異常が前記電気的特徴量に現れるまでの伝達特性に基づく前記変動を考慮して、前記判断を行ってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記判断部は、理論式による計算、及び、前記回転機械の電気信号の測定結果の少なくとも一方によって予め規定される、前記伝達特性を表す関数に基づく前記変動を考慮して、前記判断を行ってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記機械要素の異常は、前記回転機械の回転周波数が大きくなるほど、その異常時に発生する前記電気的特徴量の変化が相対的に小さくなる種類の異常であってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の電流と相関のある直流信号であり、
前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の1倍成分であり、
前記機械要素の異常は、前記回転機械の圧縮室の油シール性の低下、又は、前記圧縮室に液冷媒が入り込み、前記液冷媒が圧縮される状態であってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の電流と相関する交流信号であり、
前記特定の周波数成分は、前記交流信号の基本波周波数に対して、前記回転機械の回転周波数の1倍成分だけずれた周波数成分であり、
前記機械要素の異常は、前記回転機械の圧縮室の油シール性の低下、又は、前記圧縮室に液冷媒が入り込み、前記液冷媒が圧縮される状態であってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記判断部は、前記特定の周波数成分の低下に基づき、油シール性の低下があると判断してもよい。
また、上述の実施形態において、
前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の電流と相関のある直流信号であり、
前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の2倍成分又は3倍成分であり、
前記機械要素の異常は、前記回転機械の軸受の摩耗であってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の電流と相関する交流信号であり、
前記特定の周波数成分は、前記交流信号の基本波周波数に対して、前記回転機械の回転周波数の2倍成分又は3倍成分だけずれた周波数成分であり、
前記機械要素の異常は、前記回転機械の軸受の摩耗であってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の少なくとも2相以上の電流値に基づき演算され、
前記少なくとも2相以上の電流値は、それぞれ、前記少なくとも2相以上の電流値の全てと相関のある、所定の電流を検出する単一の電流検出部の出力に基づき取得されてもよい。
また、本開示の他の実施形態において、
容積式圧縮機を搭載する機器の異常に関する判断を行う判断部を備え、
前記容積式圧縮機は、圧縮機構と電動機とが機械的に接続され、圧縮過程で生じる第1のトルクと前記電動機が発する第2のトルクとが相関を持つ構造を有すると共に、圧縮室に隙間を有し、前記圧縮室を油でシールする構造を有し、
前記判断部は、前記第1のトルクにおける前記電動機の駆動周波数の成分の低下に基づき、前記異常があると判断する、
異常判断装置が提供される。
また、上述の実施形態において、
前記判断部は、前記電動機の電流と相関のある信号の特定の周波数成分の低下によって、前記第1のトルクにおける前記駆動周波数の成分の低下を判断してもよい。
また、上述の実施形態において、
前記信号は、前記電動機の電流に相関する直流信号であり、
前記特定の周波数成分は、前記駆動周波数の成分であってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記信号は、前記電動機の電流に相関する交流信号であり、
前記特定の周波数成分は、前記交流信号の基本波周波数に対して、前記駆動周波数の分だけずれた周波数成分であってもよい。
また、上述の実施形態において、
前記判断部は、前記容積式圧縮機の振動又は音の特定の周波数成分の低下によって、前記第1のトルクにおける前記駆動周波数の成分の低下を判断してもよい。
また、本開示の更に他の実施形態では、
異常判断装置が、電気駆動される回転機械の電気的特徴量に基づき、前記回転機械を搭載する機器の機械要素の異常に関する判断を行う判断ステップを含み、
前記電気的特徴量は、前記回転機械を駆動する電動機の電流と相関のある信号の特定の周波数成分であり、
前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の所定の正の整数倍の成分であり、
前記判断ステップでは、前記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係の変動を考慮して、前記判断を行う、
異常判断方法が提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
異常判断装置が、容積式圧縮機を搭載する機器の異常に関する判断を行う判断ステップを含み、
前記容積式圧縮機は、圧縮機構と電動機とが機械的に接続され、圧縮過程で生じる第1のトルクと前記電動機が発する第2のトルクとが相関を持つ構造を有すると共に、圧縮室に隙間を有し、前記圧縮室を油でシールする構造を有し、
前記判断ステップでは、前記第1のトルクにおける前記電動機の駆動周波数の成分の低下に基づき、前記異常があると判断する、
異常判断方法が提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
異常判断装置に、
電気駆動される回転機械の電気的特徴量に基づき、前記回転機械を搭載する機器の機械要素の異常に関する判断を行う判断ステップを実行させ、
前記電気的特徴量は、前記回転機械を駆動する電動機の電流と相関のある信号の特定の周波数成分であり、
前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の所定の正の整数倍の成分であり、
前記判断ステップでは、前記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係の変動を考慮して、前記判断を行う、
プログラムが提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
異常判断装置に、
容積式圧縮機を搭載する機器の異常に関する判断を行う判断ステップを実行させ、
前記容積式圧縮機は、圧縮機構と電動機とが機械的に接続され、圧縮過程で生じる第1のトルクと前記電動機が発する第2のトルクとが相関を持つ構造を有すると共に、圧縮室に隙間を有し、前記圧縮室を油でシールする構造を有し、
前記判断ステップでは、前記第1のトルクにおける前記電動機の駆動周波数の成分の低下に基づき、前記異常があると判断する、
プログラムが提供される。
上述の実施形態によれば、回転機械の機械要素の異常に関する判断をより適切に行うことが可能な技術を提供することができる。
異常判断システムの一例を示す図である。 圧縮機の負荷トルクから電動機の出力トルクへの伝達特性を表すボード線図である。 圧縮機の機械要素の異常判断に関する機能構成の第1例を示す機能ブロック図である。 圧縮機の機械要素の異常判断に関する機能構成の第2例を示す機能ブロック図である。 圧縮機の機械要素の異常判断に関する機能構成の第3例を示す機能ブロック図である。 圧縮機の機械要素の異常判断に関する機能構成の第4例を示す機能ブロック図である。 異常判断方法を説明する図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[異常判断システムの概要]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る異常判断システム1の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係る異常判断システム1の一例を示す概要図である。
図1に示すように、異常判断システム1は、圧縮機10と、電動機20と、電動機駆動装置30と、制御装置40と、通信装置50とを含む。異常判断システム1は、例えば、空気調和機に搭載される。
圧縮機10(回転機械の一例)は、例えば、空気調和機に搭載され、冷媒を圧縮する。
圧縮機10は、例えば、容積式圧縮機である。容積式圧縮機は、例えば、圧縮室に隙間を有し、前記圧縮室を油でシールする構造を有する。また、容積式圧縮機は、例えば、圧縮機構と電動機20とが機械的に接続され、圧縮過程で生じる圧縮トルク(第1のトルクの一例)と電動機20が発するモータトルク(第2のトルクの一例)とが相関を持つ構造を有する。
また、圧縮機10には、例えば、圧縮機10の運転状態を検出する各種センサが内蔵され、各種センサの検出信号は、制御装置40に取り込まれる。圧縮機10の運転状態には、例えば、圧縮機10の圧力、温度、圧縮機10の回転周波数、圧縮機10の入力電流(電動機20の3相の相電流)等が含まれる。冷媒の圧力には、例えば、圧縮機10の冷媒の吐出圧力や吸入圧力等が含まれる。入力電流(3相の相電流)は、例えば、ホールCT(Current Transformer)などの電流センサで検出されてよい。この際、電動機20の3相の全ての相電流のそれぞれが電流センサで検出されてよい。また、電動機20の3相のうちの任意の2相のそれぞれの相電流が電流センサで検出され、残りの1相の相電流は、制御装置40によって、3相の相電流の関係(3相の相電流の和がゼロになる関係)を用いて、取得(演算)されてもよい。また、入力電流(3相の相電流)は、電動機駆動装置30において、シャント抵抗等の単一の電流検出部により直流リンクの電流が検出されると共に、制御装置40において、インバータ回路部のスイッチングパターンに基づき取得(演算)されてもよい。この際、制御装置40は、2相分の相電流を当該方法で取得(演算)し、残り1相分を、3相の相電流の上記の関係を用いて、取得(演算)してもよい。
電動機20は、圧縮機10を駆動する。電動機20は、例えば、圧縮機10(の筐体)の内部に搭載される。
電動機駆動装置30は、商用電源系統から供給される交流電力に基づき、電動機20を駆動する。電動機駆動装置30は、例えば、入力される交流電力を整流し直流電力を出力する整流回路部と、整流回路部から出力される直流電力を平滑化する平滑回路部と、平滑回路部で平滑化された直流電力から電動機20を駆動する三相交流電力を生成するインバータ回路部とを含む。
制御装置40は、圧縮機10に関する制御を行う。
制御装置40の機能は、任意のハードウェア、或いは、任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。制御装置40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置(主記憶装置)、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置、及び外部との入出力用のインタフェース装置を含むコンピュータを中心に構成されてよい。例えば、制御装置40は、補助記憶装置にインストールされるプログラムをメモリ装置にロードしCPU上で実行することにより各種機能を実現する。プログラムは、例えば、圧縮機10を搭載する空気調和機の生産ラインの工程において、所定の専用ツール(記録媒体)から所定のケーブル等を通じて、制御装置40(補助記憶装置)にインストールされる。また、プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の汎用のまた、プログラムは、例えば、通信装置50を通じて、外部装置からダウンロードされることによりインストールされてもよい。
制御装置40は、例えば、圧縮機10から入力される運転状態に関する検出信号に基づき、電動機駆動装置30を制御し、電動機20に供給される電力を調整することにより、電動機20の駆動制御を行う。また、制御装置40は、例えば、センサ等からの検出信号を用いる代わりに、圧縮機10の運転状態に関する情報の一部又は全部を算出したり、センサレス制御により推定したりしながら、電動機20の駆動制御を行ってもよい。
また、制御装置40(異常判断装置の一例)は、例えば、圧縮機10の機械要素の異常に関する判断(以下、「異常判断」)を行う。圧縮機10の機械要素には、例えば、固定部、及び電動機20によって動く可動部等が含まれる。異常に関する判断には、異常の有無の判断が含まれる。また、異常に関する判断には、圧縮機10の機械要素の正常状態からの乖離具合を表す異常度合い(以下、「異常度」)の判断が含まれる。
機械要素の異常には、例えば、機械要素の劣化が含まれる。機械要素の劣化には、例えば、圧縮機10の軸受の摩耗(以下、「軸受摩耗」)が含まれる。また、機械要素の異常には、例えば、機械要素のストレスが含まれる。機械要素のストレスには、例えば、圧縮機10の圧縮室の油シール性の低下が含まれる。また、機械要素のストレスには、例えば、圧縮機10の内部の圧縮室に液冷媒が入り込み、液冷媒が圧縮される状態(以下、「液圧縮」)が含まれる。
通信装置50は、所定の通信回線を通じて、異常判断システム1の外部、即ち、異常判断システム1が搭載される空気調和機等の外部と通信を行う。所定の通信回線には、例えば、基地局を末端とする移動体通信網、インターネット網等の広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)が含まれてよい。また、所定の通信回線には、例えば、空気調和機が設置される場所の無線や有線によるローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)が含まれてよい。また、所定の通信回線には、例えば、WiFiやブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信回線が含まれてもよい。
[圧縮機の異常判断の概要]
次に、図2を参照して、制御装置40による圧縮機10の異常判断の概要を説明する。
図2は、圧縮機10の負荷トルクから電動機20の出力トルクへの伝達特性の一例を表すボード線図(ゲイン線図)である。具体的には、図2は、後述する式(1)に対応する負荷トルクから出力トルクへの伝達特性を表すゲイン線図である。
例えば、PI(Proportional-Integral)制御を前提とする電動機20のdqベクトル制御における電動機20の出力トルクτeと負荷トルクτLとの間の関係は、近似的に、以下の式(1)で表される。
Figure 0007307357000001
式(1)のJは、圧縮機10の回転部分のイナーシャを表す。また、式(1)のPnは、電動機20に固有の定数である極対数を表す。また、式(1)のKp,Kiは、それぞれ、電動機20の駆動周波数指令と現在の駆動周波数の偏差を制御するPI制御における制御定数(比例ゲイン及び積分ゲイン)を表す。
また、例えば、電動機20のdqベクトル制御における電動機20の出力トルクτeと電流(d軸電流id及びq軸電流iq)との間の関係は、以下の式(2)で表される。
Figure 0007307357000002
式(2)のΛaは、電動機20に固有の定数である磁石磁束を表す。また、式(2)のLd,Lqは、それぞれ、電動機20に固有の定数であるd軸インダクタンス及びq軸インダクタンスを表す。
例えば、圧縮機10の機械要素に異常が発生すると、正常状態に対して負荷トルクτLが変化する可能性がある。そのため、式(1)に示すように、圧縮機10の異常に対応する負荷トルクτLの変化に応じて、制御装置40は、電動機20の出力トルクτeを変化させる。この場合、式(2)に示すように、圧縮機10に発生する異常に対応する出力トルクτeの変化によって、電動機20の電流が正常状態に対応する範囲から変化する。よって、制御装置40は、圧縮機10(電動機20)の電気的特徴量を用いて、圧縮機10の機械要素の異常に関する判断を行うことができる。
尚、電動機20の制御態様は、dqベクトル制御に限定されず、他の制御態様であってもよい。例えば、電動機20の制御態様として、一次磁束制御(例えば、特許第5494760号公報等参照)が適用されてもよい。この場合についても、同様に、制御装置40は、圧縮機10(電動機20)の電気的特徴量を用いて、圧縮機10の機械要素の異常に関する判断を行うことができる。
一方、図2に示すように、周波数によって、負荷トルクから出力トルクまでの伝達特性のゲインが異なる。特に、本例では、式(1)に考慮されているイナーシャJの影響により、周波数が相対的に大きい範囲(約10Hzを超える範囲)では、ゲインが相対的に小さくなっている。一方で、後述の電気的特徴量は、電動機20の電流と相関する信号の特定の周波数成分であり、特定の周波数成分は、圧縮機10(電動機20)の回転周波数の所定の正の整数倍成分である。そのため、圧縮機10の回転周波数が相対的に大きい範囲つまり、特定の周波数成分が相対的に大きくなる範囲では、ゲインが相対的に小さくなり、異常による負荷トルクの変化の大きさは、電気的特徴量には相対的に小さく現れる。その結果、圧縮機10の回転周波数によって、圧縮機10の機械要素の異常が圧縮機10(電動機20)の電気的特徴として現れる際の現れ方に変動が生じうる。よって、例えば、圧縮機10の回転周波数に依らず、電気的特徴量から同じ基準で異常に関する判断を行うと、異常に関する判断の精度が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、制御装置40は、回転周波数の変化による、圧縮機10の機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との間の関係の変動を考慮して、圧縮機10の異常に関する判断を行う。以下、具体的な異常判断の方法について詳述する。
[圧縮機の異常判断の第1例]
次に、図3を参照して、制御装置40による圧縮機10の機械要素の異常判断の第1例について説明する。
本例では、制御装置40は、圧縮機10の軸受摩耗に関する異常判断を行う。
図3は、圧縮機10の機械要素の異常判断に関する機能構成の第1例を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、制御装置40は、電気的特徴量算出部401と、補正部402と、異常判断部403とを含む。
電気的特徴量算出部401は、圧縮機10から取り込まれる電動機20の電気的な運転状態を表す検出信号に基づき、圧縮機10の異常判断に用いる電気的特徴量を算出する。電気的特徴量の算出のベースとなる検出信号は、例えば、電流、電圧、電力等に関する検出信号である。
電気的特徴量は、電動機20の電流と相関のある物理量を表す信号の特定の周波数成分(例えば、高調波成分)である。電動機20の電流と相関のある物理量を表す信号の高調波成分は、電動機20の電流と相関のある物理量を表す信号における電動機20の回転周波数の正の整数倍の成分を意味する。電気的特徴量算出部401は、圧縮機10から取り込まれる電動機20の電気的な運転状態を表す検出信号を用いて、電動機20の電流と相関する信号を演算し、その信号の周波数成分を算出する。
例えば、電気的特徴量は、電動機20の電流の振幅に相関する物理量を表す信号、即ち、電動機20の電流に相関する直流信号の特定の周波数成分であってよい。また、例えば、電気的特徴量は、電動機20の電流に相関して交番する物理量を表す信号、即ち、電動機20の電流に相関する交流信号における、電動機20の基本周波数から特定の周波数の分だけずれた周波数成分であってもよい。
電動機20の電流に相関する交流信号は、例えば、電動機20の相電流や相電圧や線電流や線間電圧である。また、電動機20の電流に相関する交流信号は、例えば、相電流や相電圧や線電流や線間電圧を3相2相変換した2相の交流電流(例えば、α軸電流及びβ軸電流)や2相の交流電圧であってもよい。また、電動機20の電流に相関する交流電流は、例えば、商用電源系統と電動機駆動装置30の整流回路部との間を流れる電流であってもよい。
電動機20の電流に相関する直流信号は、例えば、電動機20の電流ベクトル振幅(電流ベクトルの大きさ)や電圧ベクトル振幅等である。また、電動機20の電流に関する直流信号は、例えば、電動機20の電流ベクトル振幅や電圧ベクトル振幅等の2乗値であってもよい。また、電動機20の電流に関する直流信号は、電動機20の相電流振幅や相電流実効値や相電圧振幅や相電圧実効値や瞬時電力や瞬時虚電力や皮相電力や有効電力や無効電力であってもよい。
電動機20の電流ベクトルの大きさは、電動機20の3相の相電流のそれぞれの2乗値の総和の平方根で表される。
電動機20の相電流振幅Iは、相電流i及び相電流の位相ωtを用いて、以下の式(3)で表される。
Figure 0007307357000003
電動機20の相電流実効値Irmsは、相電流振幅Iを用いて、以下の式(4)で表される。
Figure 0007307357000004
電動機20の瞬時電力は、3相の相電流i,i,i及び相電圧v,v,v、2相の相電流及び相電圧(α軸電流iα、β軸電流iβ、α軸電圧vα、及びβ軸電圧vβ或いはd軸電流i、q軸電流i、d軸電圧v、及びq軸電圧v)を用いて、以下の式(5)で表される。
Figure 0007307357000005
瞬時虚電力qは、α軸電流iα、β軸電流iβ、α軸電圧vα、及びβ軸電圧vβを用いて、以下の式(6)で表される。
Figure 0007307357000006
皮相電力Sは、相電流実効値Irms、及び相電圧実効値Vrmsを用いて、以下の式(7)で表される。
Figure 0007307357000007
有効電力Pは、相電流実効値Irms、相電圧実効値Vrms、及び相電流と相電圧の位相差Φを用いて、以下の式(8)で表される。
Figure 0007307357000008
無効電力Qは、相電流実効値Irms、相電圧実効値Vrms、及び相電流と相電圧の位相差Φを用いて、以下の式(9)で表される。
Figure 0007307357000009
また、電動機20の電流に相関する直流信号は、例えば、電動機20の相電流や相電圧や線電流や線間電圧を3相2相変換し、更に、回転座標変換を施した直流信号であってもよい。この直流信号は、例えば、電動機20の相電流を3相2相変換したα軸電流及びβ軸電流を電動機20の回転子(ロータ)の磁極の向きに基づく角度で回転座標変換したd軸電流及びq軸電流である。また、この直流信号は、例えば、α軸電流及びβ軸電流を、電動機20の回転子の一次磁束の向きに基づく角度で回転座標変換したM軸電流及びT軸電流である。また、この直流信号は、以下の式(10)を用いて、3相の相電流i,i,iを相電流或いは相電圧の位相ωtで回転座標変換して得られる電流iγ,iδであってもよい。
Figure 0007307357000010
また、電動機20の電流に相関する直流信号は、電動機駆動装置30の整流回路部に入力される電力や整流回路部から出力される電力や平滑回路部から出力される電力や整流回路部と平滑回路部との間を流れる電流や平滑回路部とインバータ回路部の間を流れる電流等である。
例えば、電気的特徴量算出部401は、電動機20の3相の相電流(検出値)に基づき、電流と相関する信号を算出してよい。例えば、電流と相関する信号として、電流ベクトル振幅(電流ベクトルの大きさ)を演算する。この際、電動機20の3相の相電流は、上述の如く、電動機20の3相のうちの少なくとも2相のそれぞれの相電流を検出する電流センサによって検出されてよい。また、電動機20の3相の相電流は、上述の如く、シャント抵抗等の直流リンクの電流を検出する単一の電流検出部の出力と、インバータ回路部のスイッチングパターンとに基づき、算出されてもよい。特に、後者の場合、単一の電流検出器の出力のみを用いて、電動機20の3相の相電流を取得することができる。そのため、例えば、電流ベクトル振幅のような、2相以上の電流値に基づき演算される信号について、複数の電流センサの出力を用いる場合に、電流センサごとの個体差の影響によって、最終的に演算される電流ベクトル振幅に実際には存在しない周波数成分が現れるような事態を抑制することができる。その結果、制御装置40は、単一の電流検出器の出力のみを用いて電気的特徴量を取得(演算)することで、圧縮機10の機械要素の異常に関する誤判断を抑制し、圧縮機10の機械要素の異常に関する判断をより適切に行うことができる。
本例では、電気的特徴量は、電動機20の電流と相関のある物理量を表す信号の2次以上の高調波成分(例えば、2次及び3次の高調波成分の少なくとも一方)であってよい。2次及び3次の高調波成分は、それぞれ、電動機20の回転周波数の2倍の周波数成分及び3倍の成分を意味する。軸受摩耗が進行すると、該当する高調波成分が正常時(即ち、軸受摩耗が相対的に進行していない場合)に対して相対的に大きくなることがあるからである。
以下、電気的特徴量が電動機20の電流ベクトルの大きさの信号の特定の周波数成分(高調波成分)である場合を中心に説明する。
本例では、電気的特徴量算出部401は、圧縮機10から取り込まれる電動機20の電流に関する検出信号に基づき、電動機20の電流ベクトルの大きさの高調波成分(以下、便宜的に「電流高調波」)を算出する。具体的には、電気的特徴量算出部401は、上述の如く、2次及び3次の電流高調波を算出する。上述の如く、軸受摩耗が進行すると、2次以上の電流高調波が正常時(軸受摩耗が相対的に進行していない場合)と比較して大きさが変化する(具体的には、大きくなる)ことがあるからである。ここで、電流ベクトルの大きさは、電動機20の三相の相電流のそれぞれの二乗値の総和の平方根である。また、電流ベクトルの大きさの2次とは、電流ベクトルの大きさの周波数成分のうち、回転周波数の2倍の周波数成分を表し、電流ベクトルの大きさの3次とは、回転周波数の3倍の周波数成分を表す。
尚、電気的特徴量算出部401は、電動機20の電流と相関のある物理量を表す信号の2次及び3次の高調波成分(例えば、2次及び3次の電流高調波)のうちの何れか一方だけを算出してもよい。また、電気的特徴量算出部401は、電動機20の電流と相関のある物理量を表す信号の2次及び3次の1次の高調波成分(例えば、1次の電流高調波)を算出してもよいし、4次以上の高調波成分(例えば、4次以上の電流高調波)を算出してもよい。
補正部402は、圧縮機10から取り込まれる電動機20の回転周波数に関する検出信号に基づき、圧縮機10の回転周波数の変化による、電気的特徴量と判断対象の異常との間の関係の所定の基準状態に対するズレを補正する。また、補正部402は、制御装置40内で生成される電動機20の回転周波数に関する制御指令値、推定値等に基づき、圧縮機10の回転周波数の変化による、電気的特徴量と判断対象の異常との間の関係の所定の基準状態に対するズレを補正してもよい。
本例では、補正部402は、圧縮機10の負荷トルクから電動機20の電気信号(電流)までの伝達特性に基づき、電気的特徴量算出部401で算出された2次及び3次の電流高調波に対応する周波数ωにおけるゲインを算出する。そして、補正部402は、算出したゲインで電気的特徴量算出部401により算出された2次及び3次の電流高調波を除算することにより、異常判断に用いられる2次及び3次の電流高調波を補正する。電気的特徴量算出部401で算出された2次及び3次の電流高調波に対応する周波数ωとは、それぞれ、2次及び3次の電流高調波の算出に用いられた電流の検出信号が取得されたときの圧縮機10の回転周波数の2倍及び3倍の周波数である。圧縮機10の負荷トルクから電動機20の電気信号までの伝達特性は、圧縮機10の機械要素の異常が電気的特徴量に現れるまでの伝達特性に相当する。以下、ゲインで除算され、負荷トルクの次元に補正された電流高調波を「補正済み電流高調波」と称する場合がある。これにより、圧縮機10の回転周波数の変化による異常の現れ方の違い(変動)を抑制する形で電気的特徴量(電流高調波)を補正した補正済み電流高調波(負荷トルクの次元)を異常判断に用いることができる。
具体的には、補正部402は、圧縮機10の負荷トルクから電動機20の電気信号までの伝達特性を表す伝達関数H(s)に基づき、電気的特徴量算出部401で算出された電流高調波に対応する周波数ωのゲインH(ω)を算出する。そして、補正部402は、電気的特徴量算出部401で算出された電流高調波をゲインH(ω)で除算することにより、補正済み電流高調波を算出してよい。この場合、補正部402は、ゲインが1のときを基準状態として、圧縮機10の回転周波数の変化による、電気的特徴量と判断対象の異常との間の関係の基準状態に対するズレを補正することになる。また、補正部402は、電気的特徴量算出部401で算出された電流高調波を、基準となる特定の周波数ωのときを基準とするゲインH(ω)/H(ω)で除算することにより、補正済み電流高調波を算出してもよい。この場合、補正部402は、周波数ωのときを基準状態として、圧縮機10の回転周波数の変化による、電気的特徴量と判断対象の異常との間の関係の基準状態に対するズレを補正することになる。以下、後述の第2例の場合についても、同様に、何れの補正方法が採用されてもよい。
伝達関数H(s)は、例えば、上述の式(1)、(2)等のように、理論式による計算に基づき、予め規定されてよい。この場合、理論式には、式(1)のイナーシャJのように、圧縮機10の機械要素の機械的特性を表す物理量(定数)が含まれてよい。これにより、制御装置40は、圧縮機10の回転周波数の変化による、圧縮機10の機械要素の異常と電気的特徴量(電流高調波)との間の関係の変動の要因として、圧縮機10の機械要素の機械的特性を考慮することができる。また、例えば、回転部のイナーシャJに代えて、或いは、加えて、回転部に対して回転方向とは反対に作用する力に相当するダンパ(例えば、粘性抵抗等)や回転部のねじり剛性等の圧縮機10の機械要素の機械的特性が考慮されてもよい。
また、伝達関数H(s)は、例えば、圧縮機10の負荷トルク及び電気信号の測定結果に基づき、近似式として予め規定されてもよい。この場合、測定結果には、圧縮機10の機械要素の機械的特性が自ずと反映されることになる。これにより、制御装置40は、圧縮機10の回転周波数の変化による、圧縮機10の機械要素の異常と電気的特徴量(電流高調波)との間の関係の変動の要因として、圧縮機10の機械要素の機械的特性を考慮することができる。
また、伝達関数H(s)は、理論式による計算、及び圧縮機10の電気信号の測定結果の両方を用いて、予め規定されてもよい。
以下、伝達関数H(s)の内容や規定方法は、後述の第2例、第3例の場合についても同様であってよい。
異常判断部403(判断部の一例)は、圧縮機10の機械要素の異常判断を行う。
本例では、異常判断部403は、補正部402から出力される補正済み電気的特徴量に基づき、軸受摩耗に関する異常判断を行う。
異常判断部403は、例えば、補正部402から出力される、2次及び3次の電流高調波に対応する補正済み電気的特徴量に基づき、異常と判断可能な程度に軸受摩耗が進行している否か、即ち、異常状態としての軸受摩耗の有無を判断してよい。異常状態としての軸受摩耗に該当するか否かは、例えば、軸受摩耗の異常状態と判断可能な、2次及び3次のそれぞれの電流高調波に対応する補正済み電気的特徴量の限界値(下限値)を用いて、補正部402により出力される補正済み電気的特徴量が下限値以上か否かにより判断されてよい。軸受摩耗の異常状態と判断可能な補正済み電気的特徴量の限界値(下限値)は、例えば、実験(測定)やシミュレーション等を通じて予め規定されてよい。
また、異常判断部403は、例えば、通信装置50を通じて、圧縮機10の異常に関する情報を通知する信号(以下、「異常通知信号」)を所定の外部装置に送信してもよい。
送信先の外部装置は、例えば、圧縮機10を含む空気調和機の稼働状態等を管理(監視)する管理装置であり、管理装置は、異常通知信号を受信すると、例えば、該当する空気調和機のユーザやサービス担当者にその内容を通知する態様であってよい。管理装置は、例えば、ユーザやサービス担当者の電子メールのアドレスやSNS(Social Networking Service)のアカウントに向けて通知内容を送信してもよい。また、管理装置は、例えば、サービス担当者が所持するユーザ端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末)にプッシュ通知を送信してもよい。管理装置は、管理センタ等に設置されるサーバ装置(クラウドサーバ)であってよい。また、管理装置は、例えば、圧縮機10を含む空気調和機から相対的に近い場所(例えば、空気調和機がある施設等の敷地内や近隣の基地局や局舎等の通信施設等)に設けられるエッジサーバであってもよい。また、管理装置は、圧縮機10を含む空気調和機のユーザやサービス担当者等が所持するユーザ端末であってもよい。ユーザ端末は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末であってもよし、デスクトップ型のコンピュータ端末等の定置型の端末装置であってもよい。
このように、本例では、異常判断部403は、圧縮機10の2次以上の電流高調波(算出値)に基づき、圧縮機10の軸受摩耗に関する異常判断を行う。具体的には、異常判断部403は、補正済み電流高調波(負荷トルクの次元)を用いることにより、圧縮機10の回転周波数の変化による、圧縮機10の軸受摩耗と圧縮機10の2次以上の電流高調波との関係の変動を考慮して、異常判断を行う。
これにより、制御装置40は、圧縮機10の軸受摩耗に関する異常判断の精度を向上させることができる。
[圧縮機の異常判断の第2例]
次に、図4を参照して、制御装置40による圧縮機10の機械要素の異常判断の第2例について説明する。
本例では、制御装置40は、圧縮機10のストレス(油シール性の低下、液圧縮等)に関する異常判断を行う。
図4は、圧縮機10の機械要素の異常判断に関する機能構成の第2例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、制御装置40は、電気的特徴量算出部401と、補正部402と、異常判断部403と、判断基準生成部406と、異常度推定部407とを含む。
本例では、電気的特徴量算出部401は、電動機20の電流と相関のある物理量を表す信号の1次の高調波成分を算出する。圧縮室の油シール性の低下が起こると、圧縮室の気密性が不足し冷媒ガスが漏れることで、1次の高調波成分が正常時(圧縮室の油シール性が十分な場合)に対して相対的に変化することがあるからである。また、液圧縮が発生すると圧縮室の異常昇圧が発生し、1次の電流高調波が正常時(液圧縮が発生していない場合)に対して相対的に変化することがあるからである。
具体的には、電気的特徴量算出部401は、上述の第1例の場合と同様、圧縮機10から取り込まれる電動機20の電流に関する検出信号に基づき、電流高調波を算出する。より具体的には、電気的特徴量算出部401は、1次の電流高調波を算出する。圧縮室の油シール性の低下が起こると、圧縮室の気密性が不足し冷媒ガスが漏れることで1次の電流高調波が正常時(圧縮室の油シール性が十分な場合)に対して相対的に小さくなることがあるからである。また、液圧縮が発生すると圧縮室の異常昇圧が発生し、1次の電流高調波が正常時(液圧縮が発生していない場合)に対して相対的に大きくなることがあるからである。
本例では、補正部402は、上述の第1例の場合と同様、電気的特徴量算出部401により算出される電気的特徴量(1次の電流高調波)を補正し、1次の電流高調波に対応する補正済み電流高調波を算出する。
判断基準生成部406は、異常判断に関する判断基準を生成し、判断基準を表す基準情報を出力する。
本例では、判断基準生成部406は、正常時の圧縮機10の運転状態(例えば、温度や圧力等)に関する検出信号に基づき、正常時における負荷トルクの次元の1次の高調波成分(以下、「正常時補正済み電流高調波」)を推定する。例えば、制御装置40の補助記憶装置等の内部メモリには、正常時補正済み電流高調波に相当する基準情報と圧縮機10の運転状態(例えば、温度や圧力等)に関する検出信号との関係が式やマップとして予め格納されている。これにより、判断基準生成部406は、この式やマップと、圧縮機10の運転状態に関する検出信号とに基づき、正常時補正済み電流高調波を推定することができる。
圧縮機10の運転状態に関する検出信号は、例えば、圧縮機10の高圧側の圧力状態に関する検出信号、及び圧縮機10の低圧側の圧力状態に関する検出信号のうちの何れか一方のみを含む。圧縮機の圧力状態に関する検出信号は、例えば、圧力や温度の検出信号である。また、圧縮機10の運転状態に関する検出信号は、例えば、圧縮機10の高圧側の圧力状態に関する検出信号、及び圧縮機10の低圧側の圧力状態に関する検出信号の双方を含んでもよい。この場合、例えば、制御装置40の補助記憶装置等の内部メモリには、正常時補正済み電流高調波に相当する基準情報と、圧縮機10の低圧側の圧力状態に関する検出信号、及び圧縮機10の高圧側の圧力状態に関する検出信号との関係が式やマップ等で格納される。これにより、制御装置40は、圧縮機10の高圧側及び低圧側の双方の圧力状態を考慮して、基準情報(正常時補正済み電流高調波)を生成することができる。そのため、制御装置40は、圧縮機10の異常に関する判断の精度を向上させることができる。
判断基準生成部406は、例えば、伝達関数H(s)のゲインが1のときを基準とした正常時補正済み電流高調波、即ち、伝達関数H(s)のゲインが1の周波数(帯域)にあるときを基準とした正常時補正済み電流高調波を推定してよい。また、判断基準生成部406は、例えば、特定の周波数ωのときを基準とした正常時補正済み電流高調波を推定してもよい。また、例えば、推定される正常時補正済み電流高調波は、ある程度の幅を有する範囲として規定されてもよい。
尚、正常時補正済み電流高調波に相当する基準情報と、圧縮機10の運転状態に関する検出信号との関係を表す式やマップ等は、例えば、実験やシミュレーション等を通じて予め規定されていてもよい。以下、後述の第3例の場合についても同様であってよい。
異常度推定部407は、判断基準生成部406から出力される基準情報と、補正部402から出力される補正済み電流高調波とに基づき、圧縮機10のストレスに関する異常度を推定する。
異常度推定部407は、例えば、基準情報としての正常時補正済み電流高調波に対して、補正部402から出力される補正済み電流高調波がどの程度乖離しているかに基づき、異常度を推定してよい。具体的には、異常度推定部407は、基準情報としての正常時補正済み電流高調波と、補正部402から出力される補正済み電流高調波との差分に基づき、異常度を推定してよい。また、異常度推定部407は、基準情報としての正常時補正済み電流高調波と、補正部402から出力される補正済み電流高調波との間の比に基づき、異常度を推定してもよい。
また、異常度推定部407は、例えば、基準情報としての正常時補正済み電流高調波に対して、補正部402から出力される補正済み電流高調波が大きい方向に乖離しているか小さい方向に乖離しているかにより、異常度に対応するストレスの内容を判断する。具体的には、異常度推定部407は、補正部402から出力される補正済み電流高調波が正常時補正済み電流高調波に対して大きい方向に乖離している場合、液圧縮に関する異常度を推定し、小さい方向に乖離している場合、油シール性の低下に関する異常度を推定してよい。
本例では、異常判断部403は、異常度推定部407の推定結果(異常度)に基づき、圧縮機10のストレスに関する異常判断を行う。
異常判断部403は、例えば、異常度推定部407により推定された異常度が所定閾値以上である場合に、圧縮機10のストレスが異常状態(例えば、故障直前の状態)に該当すると判断してよい。
また、本例では、異常判断部403は、通信装置50を通じて、圧縮機10のストレスに関する異常判断の結果に相当する異常通知信号を外部装置に送信する。
異常判断部403は、例えば、圧縮機10のストレスが異常状態に該当すると判断する場合に、通信装置50を通じて、その旨を表す異常通知信号を外部装置に送信する。以下、後述の第3例の場合についても同様であってよい。
このように、本例では、異常判断部403は、圧縮機10の1次の電流高調波(算出値)に基づき、圧縮機10のストレス(油シール性の低下、液圧縮等)に関する異常判断を行う。具体的には、異常判断部403は、補正済み電流高調波(負荷トルクの次元)を用いることにより、圧縮機10の回転周波数の変化による、圧縮機10のストレスに関する異常と圧縮機10の1次の電流高調波との関係の変動を考慮して、異常判断を行う。
これにより、制御装置40は、圧縮機10のストレス(油シール性の低下、液圧縮等)に関する異常判断の精度を向上させることができる。
[圧縮機の異常判断の第3例]
次に、図5を参照して、制御装置40による圧縮機10の機械要素の異常判断の第3例について説明する。
本例では、制御装置40は、上述の第2例の場合と同様、圧縮機10のストレス(油シール性の低下、液圧縮等)に関する異常判断を行う。以下、上述の第2例と異なる部分を中心に説明を行い、上述の第2例と同じ内容については説明を省略する場合がある。
図5は、圧縮機10の機械要素の異常判断に関する機能構成の第3例を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、制御装置40は、電気的特徴量算出部401と、補正部402と、異常判断部403と、判断基準生成部406と、異常度推定部407とを含む。
本例では、補正部402は、上述の第2例の場合と異なり、判断基準生成部406により生成される基準情報を補正することにより、圧縮機10の回転周波数の変化による、電気的特徴量と判断対象の異常との間の関係の所定の基準状態に対するズレを補正する。補正部402は、圧縮機10の回転周波数の変化による、電気的特徴量と判断対象の異常との間の関係の変動を考慮する形で補正された基準情報(以下、「変動考慮基準情報」)を出力する。
補正部402は、例えば、圧縮機10の負荷トルクから電動機20の電気信号(電流)までの伝達特性に基づき、電気的特徴量算出部401で算出された1次の電流高調波に対応する周波数ωにおけるゲインを算出する。そして、補正部402は、算出したゲインを、判断基準生成部406により生成された正常時補正済み電流高調波に乗算することにより、異常判断に用いられる正常時補正済み電流高調波を補正する。以下、ゲインが乗算され、電流の次元に補正された正常時補正済み電流高調波を「正常時電流高調波」と称する場合がある。これにより、圧縮機10の回転周波数の変化による異常の現れ方の違い(変動)を抑制する形で基準情報(正常時補正済み電流高調波)を補正した正常時電流高調波(電流の次元)を異常判断に用いることができる。
具体的には、補正部402は、伝達関数H(s)のゲインが1のときを基準とした正常時補正済み電流高調波に、電気的特徴量算出部401で算出された電流高調波に対応する周波数ωのゲインH(ω)を乗算することにより、正常時電流高調波を算出してよい。また、補正部402は、特定の周波数ωのときを基準とした正常時補正済み電流高調波に、特定の周波数ωのときを基準としたゲインH(ω)/H(ω)を乗算することにより、正常時電流高調波を算出してもよい。これにより、補正部402は、基準情報としての正常時補正済み電流高調波(トルクの次元)を変動考慮基準情報としての正常時電流高調波(電流の次元)に補正し、電流高調波と同じ電流の次元に揃えることができる。これらの場合、補正部402は、電気的特徴量算出部401で算出された電流高調波に対応する周波数ωのときを基準状態として、圧縮機10の回転周波数の変化による、電気的特徴量と判断対象の異常との間の関係の基準状態に対するズレを補正することになる。
異常度推定部407は、補正部402から出力される変動考慮基準情報(正常時電流高調波)と、電気的特徴量算出部401により算出される1次の電流高調波とに基づき、圧縮機10のストレスに関する異常度を推定する。
異常度推定部407は、例えば、変動考慮基準情報としての正常時電流高調波に対して、補正部402から出力される電流高調波がどの程度乖離しているかに基づき、異常度を推定してよい。具体的には、異常度推定部407は、変動考慮基準情報としての正常時電流高調波と、電気的特徴量算出部401で算出される電流高調波との差分に基づき、異常度を推定してよい。また、異常度推定部407は、変動考慮尾基準情報としての正常時電流高調波と、電気的特徴量算出部401で算出される電流高調波との間の比に基づき、異常度を推定してもよい。これにより、回転周波数の変化による影響を抑制し、異常判断の精度を向上させることができる。
また、異常度推定部407は、例えば、変動考慮基準情報としての正常時電流高調波に対して、電気的特徴量算出部401により算出される電流高調波が大きい方向に乖離しているのか小さい方向に乖離しているのかにより、異常度に対応するストレスの内容を判断する。具体的には、異常度推定部407は、電気的特徴量算出部401により算出される電流高調波が正常時電流高調波に対して大きい方向に乖離している場合、液圧縮に関する異常度を推定し、小さい方向に乖離している場合、油シール性低下に関する異常度を推定してよい。
本例では、異常判断部403は、上述の第2例の場合と同様、異常度推定部407の推定結果(異常度)に基づき、圧縮機10のストレスに関する異常判断を行う。
このように、本例では、異常判断部403は、圧縮機10の1次の電流高調波(算出値)に基づき、圧縮機10のストレス(油シール性の低下、液圧縮等)に関する異常判断を行う。具体的には、異常判断部403は、電流の次元に補正された変動考慮基準情報(正常時電流高調波)を用いることにより、圧縮機10の回転周波数の変化による、圧縮機10のストレスに関する異常と圧縮機10の1次の電流高調波との関係の変動を考慮して、異常判断を行う。
これにより、制御装置40は、圧縮機10のストレス(油シール性の低下、液圧縮等)に関する異常判断の精度を向上させることができる。
[圧縮機の異常判断の第4例]
次に、図6、図7を参照して、制御装置40による圧縮機10の機械要素の異常判断の第4例について説明する。
本例では、制御装置40は、上述の第2例、第3例の場合と同様、圧縮機10のストレス(油シール性の低下、液圧縮等)に関する異常判断を行う。以下、上述の第2例、第3例と異なる部分を中心に説明を行い、上述の第2例、第3例と同じ内容については説明を省略する場合がある。
図6は、圧縮機10の機械要素の異常判断に関する機能構成の第4例を示す機能ブロック図である。図7は、本例に係る異常判断方法を説明する図である。
図6に示すように、制御装置40は、電気的特徴量算出部401と、異常判断部403とを含む。
本例では、異常判断部403は、電気的特徴量算出部401で算出される電流高調波と、圧縮機10から取り込まれる電動機20の回転周波数に関する検出信号とに基づき、圧縮機10のストレスに関する異常判断を行う。また、異常判断部403は、電気的特徴量算出部401で算出される電流高調波と、圧縮機10から取り込まれる電動機20の回転周波数に関する検出信号及び運転状態に関する検出信号とに基づき、圧縮機10のストレスに関する異常判断を行ってもよい。
異常判断部403は、例えば、圧縮機10の1次の電流高調波と回転周波数とを変数とする2変数の座標系上での正常か異常かを区分する境界に関する情報(以下、「異常判断用境界情報」)を用いて、異常判断を行う。具体的には、異常判断部403は、電気的特徴量算出部401で算出される電流高調波と、当該電流高調波に対応する回転周波数とにより規定される座標が、異常判断用境界情報で規定される境界より異常側にあるか正常側にあるかにより異常判断を行ってよい。
異常判断用境界情報は、例えば、いわゆる教師ありの機械学習により予め規定(生成)される。また、制御装置40によって、機械学習が行われ、異常判断用境界情報が生成されてもよい。異常判断用境界情報の生成のために適用される機械学習の手法は、例えば、SVM(Support Vector Machine)である。また、異常判断用境界情報の生成のために適用される機械学習の手法は、例えば、k近傍法や混合ガウス分布モデルであってもよい。
例えば、図7に示すように、縦軸及び横軸をそれぞれ1次の電流高調波及び回転周波数とする座標系上に、圧縮機10のストレスに関する正常状態を表す教師データ(四角)と異常状態を表す教師データ(丸)とがプロットされている。これらの教師データを用いて機械学習が行われることにより、圧縮機10の1次の電流高調波と回転周波数とを変数とする2変数の座標系上での正常か異常かを区分する境界801が生成される。境界801上の1次の電流高調波の値は、圧縮機10の回転周波数の変化に応じて、変動している。即ち、境界801には、圧縮機10の回転周波数の変化による、圧縮機10の機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量(本例では、1次の電流高調波)との間の関係の変動が考慮されている。
これにより、異常判断部403は、異常判断用境界情報を用いることで、回転周波数の変化による、圧縮機10の機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との間の関係の変動を考慮して、圧縮機10の異常に関する判断を行うことができる。
例えば、異常判断部403は、回転周波数が互いに異なるデータ802(白三角)及びデータ803(黒三角)が入力される場合であっても、境界801を用いて、前者の場合を正常状態と判断し、後者の場合を異常状態と判断することができる。
また、異常判断部403は、例えば、圧縮機10の1次の電流高調波と回転周波数とに加えて、他の運転状態に関するパラメータ(例えば、温度、吐出圧力、吸入圧力等)を加えた多変数の座標上で、圧縮機10のストレスに関する異常判断を行ってもよい。この場合、異常判断用境界情報には、圧縮機10の1次の電流高調波と回転周波数とに加えて、他の運転状態に関するパラメータを加えた多変数の座標上での正常か異常かを区分する境界を規定する。この場合についても、上述の機械学習の手法が適用されることにより、異常判断用境界情報が生成される。
これにより、異常判断部403は、圧縮機10の回転周波数以外の運転状態の変化による、圧縮機10の機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との間の関係の変動を考慮して、圧縮機10の異常に関する判断を行うことができる。
このように、本例では、異常判断部403は、圧縮機10の1次の電流高調波(算出値)に基づき、圧縮機10の内部のストレスに関する異常判断を行う。具体的には、異常判断部403は、異常判断用境界情報を用いることにより、圧縮機10の回転周波数の変化による、圧縮機10のストレスに関する異常と圧縮機10の1次の電流高調波との関係の変動を考慮して、異常判断を行う。
これにより、制御装置40は、圧縮機10のストレス(油シール性の低下、液圧縮等)に関する異常判断の精度を向上させることができる。
[圧縮機の異常判断の他の例]
次に、上述の第1例~第4例を参照して、制御装置40による圧縮機10の機械要素の異常判断の他の例について説明する。
上述の第1例~第4例の内容は、適宜、組み合わせることが可能である。
例えば、上述の第1例において、制御装置40(補正部402)は、電気的特徴量算出部401により算出される電気的特徴量を補正する代わりに、上述の第3例の場合と同様、基準情報を補正してもよい。この場合、上述の第1例における基準情報は、異常判断部403で用いられる異常判断用の閾値に相当する。
また、例えば、制御装置40(異常判断部403)は、上述の第4例の場合と同様の方法を用いて、圧縮機10の軸受摩耗に関する異常判断を行ってもよい。
また、上述の第1例~第4例の内容は、適宜、変更することが可能である。
例えば、圧縮機10が容積式圧縮機である場合、制御装置40(異常判断部403)は、圧縮機10の圧縮トルクにおける電動機20の駆動周波数の成分の低下に基づき、圧縮機10の圧縮室の油シール性の低下の異常があると判断してもよい。これにより、制御装置40は、例えば、圧縮機10の圧縮室をシールする油が無くなり、圧縮室の気密性がなくなった状態を比較的容易に把握(検知)することができる。
具体的には、制御装置40は、電動機20の電流と相関のある物理量を表す信号の特定の周波数成分の低下によって、圧縮機10の圧縮トルクにおける電動機20の駆動周波数の成分の低下を判断してよい。
電動機20の電流と相関のある物理量を表す信号は、例えば、上述の如く、電動機20の電流に相関する直流信号(例えば、電動機20の電流ベクトルの大きさ等)や交流信号(例えば、電動機20の相電流等)である。例えば、制御装置40は、電動機20の電流に相関する直流信号を利用する場合、特定の周波数成分として、電動機20の電流に相関する直流信号における電動機20の駆動周波数の成分の低下の有無を判断する。また、例えば、制御装置40は、電動機20の電流に相関する交流信号を利用する場合、特定の周波数成分として、電動機20の電流に相関する交流信号における、電動機20が電気駆動されるときの基本波周波数に対して電動機20の駆動周波数の分だけずれた周波数成分の低下の有無を判断する。
また、制御装置40は、圧縮機10或いはその近傍の機器(部材)の振動や圧縮機10の近傍の音の特定の周波数成分の低下によって、圧縮機10の圧縮トルクにおける電動機20の駆動周波数の成分の低下を判断してもよい。具体的には、制御装置40は、特定の周波数成分として、圧縮機10或いはその近傍の振動や音における、電動機20の駆動周波数と同じ周波数成分の低下によって、圧縮機10の圧縮トルクにおける電動機20の駆動周波数の成分の低下を判断してよい。この場合、圧縮機10或いは圧縮機10の近傍には、振動を検出する振動センサや集音を行うためのマイクロフォン等が設置され、その検出信号は、制御装置40に取り込まれる。
[作用]
次に、本実施形態に係る異常判断システム1(制御装置40)の作用について説明する。
本実施形態では、異常判断部403は、電気駆動される圧縮機10の電気的特徴量に基づき、圧縮機10の機械要素の異常判断を行う。具体的には、電気的特徴量は、圧縮機10を駆動する電動機20の電流と相関のある信号の特定の周波数成分であり、特定の周波数成分は、圧縮機10の回転周波数の所定の正の整数倍の成分である。そして、異常判断部403は、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、異常判断を行う。
これにより、制御装置40は、電気的特徴量に基づく圧縮機10の異常に関する判断に際して、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮することができる。そのため、制御装置40は、圧縮機10の異常に関する判断の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動は、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と電気的特徴量との関係の所定の基準状態からのズレであってよい。そして、所定の基準状態は、特定の回転周波数での機械要素の異常と電気的特徴量との関係であってよい。
これにより、制御装置40は、特定の回転周波数での機械要素の異常と電気的特徴量との関係を基準として、圧縮機10の実際の回転周波数の変化に合わせて機械要素の異常と電気的特徴量との関係のズレを考慮しながら、異常判断を行うことができる。
また、本実施形態では、補正部402は、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と電気的特徴量との関係の所定の基準状態からのズレを補正してよい。そして、異常判断部403は、補正部402によりズレが補正された機械要素の異常と電気的特徴量との関係に基づき、異常判断を行ってもよい。
これにより、制御装置40は、具体的に、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、異常判断を行うことができる。
また、本実施形態では、判断基準生成部406は、正常時における圧縮機10の運転状態と電気的特徴量との関係に基づき、電気的特徴量から判断を行うための判断基準を生成してよい。また、補正部402は、圧縮機10の回転周波数の変化による、圧縮機10の異常と判断基準との間の関係のズレを補正するように、電気的特徴量又は判断基準を補正してもよい。そして、異常判断部403は、補正部402による補正後に、電気的特徴量と判断基準とを比較することで異常判断を行ってもよい。
これにより、制御装置40は、具体的に、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、異常判断を行うことができる。
また、本実施形態では、判断基準生成部406は、圧縮機10の回転周波数が特定の回転周波数であるときの判断基準を生成してもよい。また、補正部402は、圧縮機10の回転周波数が特定の回転周波数であるときに相当する状態に電気的特徴量を補正してもよい。そして、異常判断部403は、補正部402により補正された電気的特徴量と、判断基準とを比較することで異常判断を行ってもよい。
これにより、制御装置40は、具体的に、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、異常判断を行うことができる。
また、本実施形態では、判断基準生成部406は、圧縮機10の回転周波数が特定の回転周波数であるときの判断基準を生成してもよい。また、補正部402は、圧縮機10の回転周波数に合わせて、判断基準を補正してもよい。そして、異常判断部403は、電気的特徴量と、補正部402により補正された判断基準とを比較することで異常判断を行ってもよい。
これにより、制御装置40は、具体的に、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、異常判断を行うことができる。
また、本実施形態では、補正部402は、圧縮機10の回転周波数の変化に合わせて補正する量を変化させてもよい。
これにより、補正部402は、圧縮機10の回転周波数の変化に合わせて、具体的に、機械要素の異常と電気的特徴量との関係の所定の基準状態からのズレを補正することができる。
また、本実施形態では、圧縮機10の運転状態には、圧縮機10の低圧側の圧力状態或いはその圧力状態に相関する状態(例えば、温度状態)、及び高圧側の圧力状態或いはその圧力状態に相関する状態の双方が含まれてもよい。
これにより、制御装置40は、圧縮機10の低圧側及び高圧側の何れか一方の圧力状態ではなく、双方の圧力状態を考慮して、判断基準を生成することができる。そのため、制御装置40は、異常判断の精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、制御装置40は、電気的特徴量についての圧縮機10の異常と正常との境界801に関する情報を保持してもよい。具体的には、境界801は、圧縮機10の回転周波数の変化に合わせて変化してよい。そして、異常判断部403は、電気的特徴量が境界の正常側にあるか異常側にあるかにより、判断を行ってもよい。
これにより、制御装置40は、例えば、機械学習によって取得される、回転周波数の変化の影響が考慮された境界801に関する情報を用いることで、具体的に、圧縮機10の回転周波数の変化による、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、異常判断を行うことができる。
また、本実施形態では、異常判断部403は、機械要素の機械的特性に基づく上記の変動を考慮して、異常判断を行ってもよい。
これにより、制御装置40は、機械要素の機械的特性に起因して圧縮機10の回転周波数の変化に応じて生じる、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、異常判断を行うことができる。
また、本実施形態では、機械的特性には、機械要素のイナーシャが含まれてもよい。
これにより、制御装置40は、機械要素のイナーシャに起因して圧縮機10の回転周波数の変化に応じて生じる、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、異常判断を行うことができる。
また、本実施形態では、異常判断部403は、異常が電気的特徴量に現れるまでの伝達特性に基づく上記の変動を考慮して、異常判断を行ってもよい。
これにより、制御装置40は、異常が電気的特徴量に現れるまでの伝達特性に起因して圧縮機10の回転周波数の変化に応じて生じる、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を考慮して、異常判断を行うことができる。
また、本実施形態では、異常判断部403は、理論式による計算、及び、圧縮機10の電気信号の測定結果の少なくとも一方によって予め規定される、伝達特性を表す関数に基づく上記の変動を考慮して、異常判断を行ってもよい。
これにより、制御装置40は、異常が電気的特徴量に現れるまでの伝達特性に起因して圧縮機10の回転周波数の変化に応じて生じる、機械要素の異常と圧縮機10の電気的特徴量との関係の変動を具体的に考慮することができる。
また、本実施形態では、機械要素の異常は、圧縮機10の回転周波数が大きくなるほど、その異常時に発生する電気的特徴量の変化が相対的に小さくなる種類の異常であってもよい。
これにより、制御装置40は、圧縮機10の回転周波数が大きくなるほど、その異常時に発生する電気的特徴量の変化が相対的に小さくなる種類の異常に関する判断を行うことができる。
また、本実施形態では、圧縮機10を駆動する電動機20の電流と相関のある信号は、圧縮機10を電機駆動する電動機20の電流と相関のある直流信号であってもよい。また、特定の周波数成分は、圧縮機10の回転周波数の1倍成分であってもよい。そして、判断対象の機械要素の異常は、圧縮機10の圧縮室の油シール性の低下、或いは、圧縮室に液冷媒が入り込み、液冷媒が圧縮される状態(液圧縮)であってもよい。
これにより、制御装置40は、例えば、電流ベクトル等の電動機20の電流と相関のある直流信号を用いて、特定の機械要素の異常(油シール性の低下或いは液圧縮)に関する判断を行うことができる。
また、本実施形態では、圧縮機10を駆動する電動機20の電流と相関のある信号は、圧縮機10を電機駆動する電動機20の電流と相関する交流信号であってもよい。また、特定の周波数成分は、その交流信号の基本波周波数に対して、圧縮機10の回転周波数の1倍成分だけずれた周波数成分であってもよい。そして、判断対象の機械要素の異常は、圧縮機10の圧縮室の油シール性の低下、又は、圧縮室に液冷媒が入り込み、液冷媒が圧縮される状態(液圧縮)であってもよい。
これにより、制御装置40は、例えば、相電流等の電動機20の電流と相関のある交流信号を用いて、特定の機械要素の異常(油シール性の低下或いは液圧縮)に関する判断を行うことができる。
また、本実施形態では、異常判断部403は、直流信号の場合、圧縮機10の回転周波数の1倍成分であり、交流信号の場合、圧縮機10が電機駆動されるときの基本波周波数に対して、圧縮機10の回転周波数の1倍成分だけずれた周波数成分である、特定の周波数成分の低下に基づき、油シール性の低下があると判断してもよい。
これにより、制御装置40は、圧縮機10を駆動する電動機20の電流と相関のある信号の1次の高調波成分の低下によって、圧縮機10の油シールの低下を具体的に特定することができる。
また、本実施形態では、圧縮機10を駆動する電動機20の電流と相関のある信号は、圧縮機10を電機駆動する電動機20の電流と相関のある直流信号であってもよい。また、特定の周波数成分は、圧縮機10の回転周波数の2倍成分又は3倍成分であってもよい。そして、判断対象の機械要素の異常は、圧縮機10の軸受の摩耗であってもよい。
これにより、制御装置40は、例えば、電流ベクトル等の電動機20の電流と相関のある直流信号を用いて、特定の機械要素の異常(軸受の摩耗)に関する判断を行うことができる。
また、本実施形態では、圧縮機10を駆動する電動機20の電流と相関のある信号は、圧縮機10を電機駆動する電動機20の電流と相関する交流信号であってもよい。また、特定の周波数成分は、その交流信号の基本波周波数に対して、圧縮機10の回転周波数の2倍成分又は3倍成分だけずれた周波数成分であってもよい。そして、判断対象の機械要素の異常は、圧縮機10の軸受の摩耗であってもよい。
これにより、制御装置40は、例えば、相電流等の電動機20の電流と相関のある交流信号を用いて、特定の機械要素の異常(軸受の摩耗)に関する判断を行うことができる。
また、本実施形態では、圧縮機10を駆動する電動機20の電流と相関のある信号は、圧縮機10を電機駆動する電動機20の少なくとも2相以上の電流値に基づき演算されてもよい。そして、少なくとも2相以上の電流値は、それぞれ、その少なくとも2相以上の電流値の全てと相関のある、所定の電流を検出する単一の電流検出部の出力に基づき取得されてもよい。
これにより、制御装置40は、例えば、各相の相電流を検出する電流センサごとの個体差の影響によって、最終的に演算される電気的特徴量に実際には存在しない周波数成分が現れるような事態を抑制することができる。そのため、制御装置40は、単一の電流検出器の出力のみを用いて電気的特徴量を取得(演算)することで、圧縮機10の機械要素の異常に関する誤判断を抑制し、圧縮機10の機械要素の異常に関する判断をより適切に行うことができる。
また、本実施形態では、異常判断部403は、容積式圧縮機としての圧縮機10を搭載する機器の異常に関する判断を行ってもよい。また、圧縮機10(容積式圧縮機)は、圧縮機構と電動機20とが機械的に接続され、圧縮過程で生じる圧縮トルクと電動機20が発するモータトルクとが相関を持つ構造を有すると共に、圧縮室に隙間を有し、圧縮室を油でシールする構造を有してもよい。そして、異常判断部403は、圧縮トルクにおける電動機20の駆動周波数の成分の低下に基づき、異常があると判断してもよい。
これにより、制御装置40は、例えば、圧縮機10の圧縮室をシールする油が無くなり、圧縮室の気密性がなくなったような圧縮機10の機械要素の異常状態を比較的容易に把握(検知)することができる。
また、本実施形態では、異常判断部403は、電動機20の電流と相関のある信号の特定の周波数成分の低下によって、圧縮トルクにおける駆動周波数の成分の低下を判断してもよい。
これにより、制御装置40は、圧縮トルクにおける駆動周波数の成分の低下を把握し、具体的に、圧縮機10の機械要素の異常状態を把握(検知)することができる。
また、本実施形態では、電動機20の電流と相関のある信号は、電動機20の電流に相関する直流信号であってもよい。そして、特定の周波数成分は、電動機20の駆動周波数の成分であってもよい。
これにより、制御装置40は、例えば、電流ベクトル等の電動機20の電流と相関のある直流信号における、電動機20の駆動周波数に関する1次の高調波成分を用いて、具体的に、圧縮機10の機械要素の異常に関する判断を行うことができる。
また、本実施形態では、電動機20の電流と相関のある信号は、電動機20の電流に相関する交流信号であってもよい。そして、特定の周波数成分は、その交流信号の基本波周波数に対して、駆動周波数の分だけずれた周波数成分であってもよい。
これにより、制御装置40は、例えば、相電流等の電動機20の電流と相関のある交流信号における、駆動周波数に関する1次の高調波成分を用いて、具体的に、圧縮機10の機械要素の異常に関する判断を行うことができる。
また、本実施形態では、異常判断部403は、圧縮機10(容積式圧縮機)の振動或いは音の特定の周波数成分の低下によって、圧縮トルクにおける電動機20の駆動周波数の成分の低下を判断してもよい。
これにより、制御装置40は、圧縮トルクにおける駆動周波数の成分の低下を把握し、具体的に、圧縮機10の機械要素の異常状態を把握(検知)することができる。
[変形・変更]
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変形・変更が可能なことが理解されるであろう。
例えば、上述の実施形態では、圧縮機10の機械要素に関する異常判断が行われるが、圧縮機10以外の他の回転機械について、同様の方法で機械要素に関する異常判断が行われてもよい。
また、上述の実施形態及び変形・変更の例では、回転機械の電気的特徴量として、高調波電流が異常判断に用いられる場合を例示するが、機械要素の異常が電気的特徴として現れるのであれば、他の種類の電気的特徴量が用いられてもよい。
また、上述の実施形態及び変形・変更の例では、異常判断の対象の圧縮機10と異常判断を行う制御装置40とは、同じ空気調和機に搭載されるが、異常判断を行う機能は、圧縮機10を含む空気調和機と別の場所に設けられてもよい。例えば、圧縮機10の異常判断を行う機能は、通信装置50を通じて通信可能に接続される上述の管理装置(異常判断装置の一例)に設けられてもよい。この場合、電動機20の電流等に関する検出信号や圧縮機10の運転状態に関する検出信号等は、通信装置50を通じて、管理装置に送信(アップロード)される。
最後に、本願は、2020年8月3日に出願した特願2020-131881号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本願に参照により援用する。
1 異常判断システム
10 圧縮機(回転機械)
20 電動機
30 電動機駆動装置
40 制御装置(異常判断装置)
50 通信装置
401 電気的特徴量算出部
402 補正部
403 異常判断部(判断部)
406 判断基準生成部(生成部)
407 異常度推定部(推定部)
801 境界

Claims (28)

  1. 電気駆動される回転機械の電気的特徴量に基づき、前記回転機械を搭載する機器の機械要素の異常に関する判断を行う判断部を備え、
    前記電気的特徴量は、前記回転機械を駆動する電動機の電流と相関のある信号の特定の周波数成分であり、
    前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の所定の正の整数倍の成分であり、
    前記判断部は、前記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係の変動であって、前記機械要素の異常が前記電気的特徴量に現れるまでの伝達特性に基づく変動を考慮して、前記判断を行う、
    異常判断装置。
  2. 前記変動は、前記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係の所定の基準状態からのズレであり、
    前記所定の基準状態は、特定の回転周波数での前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係である、
    請求項1に記載の異常判断装置。
  3. 前記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係の前記所定の基準状態からのズレを補正する補正部を更に備え、
    前記判断部は、前記補正部によりズレが補正された、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係に基づき、前記判断を行う、
    請求項2に記載の異常判断装置。
  4. 正常時における前記回転機械の運転状態と前記電気的特徴量との関係に基づき、前記電気的特徴量から前記判断を行うための判断基準を生成する生成部を更に備え、
    前記補正部は、前記回転機械の回転周波数の変化による、前記回転機械の異常と前記判断基準との間の関係のズレを補正するように、前記電気的特徴量又は前記判断基準を補正し、
    前記判断部は、前記補正部による補正後に、前記電気的特徴量と前記判断基準とを比較することで前記判断を行う、
    請求項3に記載の異常判断装置。
  5. 前記生成部は、前記回転機械の回転周波数が前記特定の回転周波数であるときの前記判断基準を生成し、
    前記補正部は、前記回転機械の回転周波数が前記特定の回転周波数であるときに相当する状態に前記電気的特徴量を補正し、
    前記判断部は、前記補正部により補正された前記電気的特徴量と、前記判断基準とを比較することで前記判断を行う、
    請求項4に記載の異常判断装置。
  6. 前記生成部は、前記回転機械の回転周波数が前記特定の回転周波数であるときの前記判断基準を生成し、
    前記補正部は、前記回転機械の回転周波数に合わせて、前記判断基準を補正し、
    前記判断部は、前記電気的特徴量と、前記補正部により補正された前記判断基準とを比較することで前記判断を行う、
    請求項4に記載の異常判断装置。
  7. 前記補正部は、前記回転機械の回転周波数の変化に合わせて補正する量を変化させる、
    請求項5又は6に記載の異常判断装置。
  8. 前記回転機械は、圧縮機であり、
    前記回転機械の運転状態には、前記圧縮機の低圧側の圧力状態又はその圧力状態に相関する状態、及び高圧側の圧力状態又はその圧力状態に相関する状態の双方が含まれる、
    請求項4乃至7の何れか一項に記載の異常判断装置。
  9. 前記電気的特徴量についての前記回転機械の異常と正常との境界に関する情報を保持し、
    前記境界は、前記回転機械の回転周波数の変化に合わせて変化し、
    前記判断部は、前記電気的特徴量が前記境界の正常側にあるか異常側にあるかにより、前記判断を行う、
    請求項1に記載の異常判断装置。
  10. 前記判断部は、前記機械要素の機械的特性に基づく前記変動を考慮して、前記判断を行う、
    請求項1乃至9の何れか一項に記載の異常判断装置。
  11. 前記機械的特性には、前記機械要素のイナーシャが含まれる、
    請求項10に記載の異常判断装置。
  12. 前記判断部は、理論式による計算、及び、前記回転機械の電気信号の測定結果の少なくとも一方によって予め規定される、前記伝達特性を表す関数に基づく前記変動を考慮して、前記判断を行う、
    請求項1乃至11の何れか一項に記載の異常判断装置。
  13. 前記機械要素の異常は、前記回転機械の回転周波数が大きくなるほど、その異常時に発生する前記電気的特徴量の変化が相対的に小さくなる種類の異常である、
    請求項1乃至12の何れか一項に記載の異常判断装置。
  14. 前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の電流と相関のある直流信号であり、
    前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の1倍成分であり、
    前記機械要素の異常は、前記回転機械の圧縮室の油シール性の低下、又は、前記圧縮室に液冷媒が入り込み、前記液冷媒が圧縮される状態である、
    請求項1乃至13の何れか一項に記載の異常判断装置。
  15. 前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の電流と相関する交流信号であり、
    前記特定の周波数成分は、前記交流信号の基本波周波数に対して、前記回転機械の回転周波数の1倍成分だけずれた周波数成分であり、
    前記機械要素の異常は、前記回転機械の圧縮室の油シール性の低下、又は、前記圧縮室に液冷媒が入り込み、前記液冷媒が圧縮される状態である、
    請求項1乃至13の何れか一項に記載の異常判断装置。
  16. 前記判断部は、前記特定の周波数成分の低下に基づき、油シール性の低下があると判断する、
    請求項14又は15に記載の異常判断装置。
  17. 前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の電流と相関のある直流信号であり、
    前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の2倍成分又は3倍成分であり、
    前記機械要素の異常は、前記回転機械の軸受の摩耗である、
    請求項1乃至13の何れか一項に記載の異常判断装置。
  18. 前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の電流と相関する交流信号であり、
    前記特定の周波数成分は、前記交流信号の基本波周波数に対して、前記回転機械の回転周波数の2倍成分又は3倍成分だけずれた周波数成分であり、
    前記機械要素の異常は、前記回転機械の軸受の摩耗である、
    請求項1乃至13の何れか一項に記載の異常判断装置。
  19. 前記信号は、前記回転機械を電機駆動する電動機の少なくとも2相以上の電流値に基づき演算され、
    前記少なくとも2相以上の電流値は、それぞれ、前記少なくとも2相以上の電流値の全てと相関のある、所定の電流を検出する単一の電流検出部の出力に基づき取得される、
    請求項1乃至18の何れか一項に記載の異常判断装置。
  20. 容積式圧縮機を搭載する機器の異常に関する判断を行う判断部を備え、
    前記容積式圧縮機は、圧縮機構と電動機とが機械的に接続され、圧縮過程で生じる第1のトルクと前記電動機が発する第2のトルクとが相関を持つ構造を有すると共に、圧縮室に隙間を有し、前記圧縮室を油でシールする構造を有し、
    前記判断部は、前記第1のトルクにおける前記電動機の駆動周波数の成分の低下に基づき、前記異常があると判断する、
    異常判断装置。
  21. 前記判断部は、前記電動機の電流と相関のある信号の特定の周波数成分の低下によって、前記第1のトルクにおける前記駆動周波数の成分の低下を判断する、
    請求項20に記載の異常判断装置。
  22. 前記信号は、前記電動機の電流に相関する直流信号であり、
    前記特定の周波数成分は、前記駆動周波数の成分である、
    請求項21に記載の異常判断装置。
  23. 前記信号は、前記電動機の電流に相関する交流信号であり、
    前記特定の周波数成分は、前記交流信号の基本波周波数に対して、前記駆動周波数の分だけずれた周波数成分である、
    請求項21に記載の異常判断装置。
  24. 前記判断部は、前記容積式圧縮機の振動又は音の特定の周波数成分の低下によって、前記第1のトルクにおける前記駆動周波数の成分の低下を判断する、
    請求項20に記載の異常判断装置。
  25. 異常判断装置が、電気駆動される回転機械の電気的特徴量に基づき、前記回転機械を搭載する機器の機械要素の異常に関する判断を行う判断ステップを含み、
    前記電気的特徴量は、前記回転機械を駆動する電動機の電流と相関のある信号の特定の周波数成分であり、
    前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の所定の正の整数倍の成分であり、
    前記判断ステップでは、前記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係の変動であって、前記機械要素の異常が前記電気的特徴量に現れるまでの伝達特性に基づく変動を考慮して、前記判断を行う、
    異常判断方法。
  26. 異常判断装置が、容積式圧縮機を搭載する機器の異常に関する判断を行う判断ステップを含み、
    前記容積式圧縮機は、圧縮機構と電動機とが機械的に接続され、圧縮過程で生じる第1のトルクと前記電動機が発する第2のトルクとが相関を持つ構造を有すると共に、圧縮室に隙間を有し、前記圧縮室を油でシールする構造を有し、
    前記判断ステップでは、前記第1のトルクにおける前記電動機の駆動周波数の成分の低下に基づき、前記異常があると判断する、
    異常判断方法。
  27. 気駆動される回転機械の電気的特徴量に基づき、前記回転機械を搭載する機器の機械要素の異常に関する判断を行う機能コンピュータに実行させるプログラムであって
    前記電気的特徴量は、前記回転機械を駆動する電動機の電流と相関のある信号の特定の周波数成分であり、
    前記特定の周波数成分は、前記回転機械の回転周波数の所定の正の整数倍の成分であり
    記回転機械の回転周波数の変化による、前記機械要素の異常と前記電気的特徴量との関係の変動であって、前記機械要素の異常が前記電気的特徴量に現れるまでの伝達特性に基づく変動を考慮して、前記判断を行う前記機能をコンピュータに実行させる
    プログラム。
  28. 積式圧縮機を搭載する機器の異常に関する判断を行う機能コンピュータに実行させるプログラムであって
    前記容積式圧縮機は、圧縮機構と電動機とが機械的に接続され、圧縮過程で生じる第1のトルクと前記電動機が発する第2のトルクとが相関を持つ構造を有すると共に、圧縮室に隙間を有し、前記圧縮室を油でシールする構造を有し
    記第1のトルクにおける前記電動機の駆動周波数の成分の低下に基づき、前記異常があると判断する前記機能をコンピュータに実行させる
    プログラム。
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