JP7309049B2 - 磁気ギアードモータ - Google Patents

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Description

本願は、磁気ギアードモータに関する。
風力発電装置の発電機として磁気減速機とモータとを一体化させた磁気ギアードモータが用いられている。磁気ギアードモータは、低速回転子と、低速回転子と同軸状に設けられた高速回転子と、固定子コイルおよび永久磁石を有する固定子とで構成されている。磁気ギアードモータが風力発電装置の発電機として用いられる場合、低速回転子は風車に連動して回転し、低速回転子の回転で固定子コイルに誘起電力が発生して発電が行われる。
低速回転子は、複数の磁極片が周方向に配置されている。1つの磁極片は複数の薄板状の電磁鋼板が軸方向に積層されて構成されている。この磁極片を軸方向に固定する方法として、複数の磁極片の間に金属製の棒状の締結部材を周方向に配置し、軸方向の両端に金属製の端板を設ける方法が開示されている。両端の端板を締結部材で軸方向に締結することで、磁極片を軸方向に固定している。このように構成された低速回転子においては、金属製の締結部材と端板との間を還流する電流ループが形成され、回転時にはこの電流ループに誘起電流が発生する。とくに高速回転時にはこの誘起電流が増大し、磁気ギアードモータにおける電力損失が増大する。
このような問題に対して、従来の磁気ギアードモータにおいて、締結部材と一方の端板との間に絶縁部材を配置して締結部材と端板との間を還流する電流ループを遮断する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5286373号公報
しかしながら、従来の磁気ギアードモータにおいては、締結部材の内部に誘起される渦電流は、軸方向に長い締結部材全体を流れる1つの大きなループを形成する。そのため、締結部材内部を流れる渦電流に起因する電力損失を抑制することができないという問題があった。
本願は上述のような課題を解決するためになされたもので、締結部材内部を流れる渦電流を抑制して電力損失を低減することができる磁気ギアードモータを提供することを目的とする。
本願の磁気ギアードモータは、固定子コイルおよび固定子永久磁石を備えた固定子と、固定子と第1の空隙を介して固定子に対して回転可能に設けられ、周方向に並んで配置された複数の磁極片および複数の磁極片の間にそれぞれ配置された非磁性金属の複数のスペーサを備えた第1回転子と、第1回転子と第2の空隙を介して第1回転子と同軸状に設けられ、周方向に並んで配置された複数の回転子永久磁石を備えた第2回転子とを有している。そして、スペーサは、軸方向に間隔を有して配置された複数の分割スペーサと複数の分割スペーサを軸方向に締結する複数の締結具とで構成されており、分割スペーサと締結具とは電気的に絶縁されている。
本願の磁気ギアードモータは、軸方向に間隔を有して配置された複数の分割スペーサと、複数の分割スペーサを軸方向に締結する複数の締結具とで構成したスペーサを有しており、分割スペーサと締結具とは電気的に絶縁されている。締結部材であるスペーサと締結具とは互いに電気的に絶縁されているため、締結部材内部を流れる渦電流が複数に分割される。その結果、締結部材内部を流れる渦電流を抑制して電力損失を低減することができる。
実施の形態1に係る磁気ギアードモータの断面模式図である。 実施の形態1に係る低速回転子の側面図である。 実施の形態1に係る低速回転子の上面図である。 実施の形態2に係る低速回転子の模式図である。 実施の形態3に係る低速回転子の側面図である。 実施の形態3に係る低速回転子の側面図である。 実施の形態4に係る低速回転子の模式図である。 実施の形態5に係る低速回転子の側面図である。
以下、本願を実施するための実施の形態に係る磁気ギアードモータについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一符号は同一もしくは相当部分を示している。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る磁気ギアードモータの断面模式図である。図1は、磁気ギアードモータの軸方向に垂直な面の断面模式図である。本実施の形態の磁気ギアードモータ1は、固定子10と、この固定子10と空隙を介して固定子10に対して回転可能に設けられた低速回転子20と、この低速回転子20と空隙を介して同軸状に設けられた高速回転子30とを備えている。固定子10、低速回転子20および高速回転子30は、円筒状の形状であり、同軸状に配置されている。本実施の形態の磁気ギアードモータ1は、外径側から固定子10、低速回転子20および高速回転子30の順に配置されている。
固定子10は、円筒状の固定子コア11と、固定子コイル12と、固定子永久磁石13とを備えている。固定子コア11は内周側に突出した12個のティース14を有し、ティース14の間には12個のスロット15が形成されている。固定子コイル12と固定子永久磁石13とは、スロット15に配置されている。
円筒状の低速回転子20は、周方向に並んで配置された複数の磁極片21と、複数の磁極片21の間にそれぞれ配置された複数の非磁性金属のスペーサ22とを備えている。磁極片21とスペーサ22とはそれぞれ17個ずつ配置されている。
高速回転子30は、円筒状の高速回転子コア31と、高速回転子コア31の外周側の表面に周方向に並んで配置された10個の回転子永久磁石32とを備えている。本実施の形態の磁気ギアードモータ1は、いわゆる10極12スロットの磁気ギアードモータである。また、磁極片数/極対数で決まる増速比は、17/5で3.4となっており、低速回転子20の回転数の3.4倍で高速回転子30が回転する。
図2は、本実施の形態の低速回転子20の側面図である。図2は、磁気ギアードモータ1を内径側から見た側面図である。図2において、縦方向は磁気ギアードモータ1の軸方向であり、横方向は周方向である。低速回転子20は、周方向に並んで配置された複数の磁極片21と非磁性金属のスペーサ22とを備えている。1つの磁極片21は、複数の薄板状の電磁鋼板が軸方向に積層されて構成されている。スペーサ22の材料としては、非磁性ステンレス、チタン、アルミニウム、真鍮、銅などを用いることができる。スペーサ22は、軸方向に間隔を有して配置された複数の分割スペーサ22aと複数の分割スペーサ22aを軸方向に締結する複数の締結具22bとで構成されている。締結具22bを用いて分割スペーサ22aを軸方向に締結する方法としては、例えばネジを用いて締結する方法などを用いることができる。複数の分割スペーサ22aは、磁極片21と周方向で接触している。低速回転子20の軸方向の両端には、円環状のクランパ23が配置されている。軸方向の両端の締結具22bは、クランパ23を介して複数の分割スペーサ22aを締結している。クランパ23は、磁極片21として積層された電磁鋼板を積層方向に固定する。
図3は、本実施の形態の低速回転子20の上面図である。ただし、図3において、クランパ23は省略されている。図3に示すように、低速回転子20は、周方向に並んで配置された複数の磁極片21とスペーサ22とで円筒状の形状となっている。
本実施の形態の低速回転子20において、分割スペーサ22aと締結具22bとは電気的に絶縁されている。分割スペーサ22aと締結具22bとを電気的に絶縁する方法としては、例えば、分割スペーサ22aと締結具22bとの接触面にシート状の絶縁部材を挿入する方法がある。シート状の絶縁部材としては、例えばシリコーンゴム製のフィルムを用いることができる。別の方法としては、分割スペーサ22aおよび締結具22bの少なくとも一方の表面に絶縁処理を行う方法がある。金属部材の表面に絶縁処理を行う方法としては、例えば金属部材の表面に絶縁ワニスを塗布する方法、金属部材の表面に絶縁性のセラミックまたは樹脂を溶射する方法などを用いることができる。
本実施の形態の低速回転子20においては、間隔を有して配置された複数の分割スペーサ22aと、複数の分割スペーサ22aを軸方向に締結する複数の締結具22bとでスペーサを構成している。そのため、複数の分割スペーサ22aの軸方向の長さの合計に対して、複数の締結具22bの軸方向の長さの合計の方が長くなる。
このように構成された磁気ギアードモータにおいては、締結部材であるスペーサ22の内部に誘起される渦電流は、分割スペーサ22aおよび締結具22bのそれぞれの内部に分割された渦電流となる。なぜなら、分割スペーサ22aと締結具22bとは電気的に絶縁されているからである。そのため、スペーサ22に誘起される渦電流は、軸方向に長い大きな1つのループを形成することはない。軸方向が同じ長さの締結部材において、軸方向に長い大きな1つのループを形成したときの渦電流の電流量に対して、複数に分割された短い複数のループを形成したときの渦電流の合計電流量の方が小さくなる。その結果、本実施の形態の磁気ギアードモータは、渦電流に起因する電力損失を抑制することができる。
なお、本実施の形態の磁気ギアードモータは、固定子10、低速回転子20および高速回転子30が外径側からこの順に設けられた構成としたが、この構成に限るものではない。また、本実施の形態の磁気ギアードモータは、10極12スロットの磁気ギアードモータに限るものではない。
また、本実施の形態の磁気ギアードモータにおいては、クランパ23を用いて磁極片21として積層された電磁鋼板を積層方向に固定している。別の固定方法として、積層された電磁鋼板をカシメを用いて積層方向に固定してもよい。その場合は、クランパ23を取り除くこともできる。
実施の形態2.
風力発電装置の発電機として用いられる磁気ギアードモータは、直径が数メートルと大型になる。そのため、回転子を複数のセグメントに分離して製作し、据え付け時にそれらのセグメントを一体にして回転子を完成させる場合がある。
図4は、実施の形態2に係る低速回転子の模式図である。図4において、上の図は本実施の形態の低速回転子の側面図、下の図は上面図である。図4の上の図において、締結具およびクランパは省略されている。また、図4の下の図において、クランパは省略されている。本実施の形態の低速回転子20は、周方向に配置されたスペーサ22の中で、例えば90度ずつ離れた4箇所のスペーサ22が周方向に分離できるように構成されている。
図4の上の図に示すように、低速回転子20が周方向に分離できるように、1つのスペーサ22の軸方向に並んだ複数の分割スペーサ22aが周方向分割面22cで上下に分離できるように構成されている。このように構成された低速回転子20は、複数のセグメントに分離することができる。複数のセグメントは、図4の下の図に示すように、締結具22bを用いて周方向に締結されて低速回転子20となる。
このように構成された磁気ギアードモータにおいては、組立性が改善されると共に、分割されたセグメントに不具合がある場合、そのセグメントのみを取り換えることができる。また、大型の磁気ギアードモータの場合、分割されたセグメントで低速回転子を輸送することで輸送費が安くなる場合もある。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係る低速回転子の側面図である。本実施の形態の低速回転子20は、軸方向に複数のセグメントに分離できるように構成されている。図5に示すように、分割スペーサ22aが軸方向に分離できるように周方向に並んだ分割スペーサ22aが軸方向分割面22dで上下に分離できるように構成されている。この軸方向に分離できる分割スペーサ22aは、全てのスペーサ22に備えられている。同時に、磁極片21も軸方向分割面22dで軸方向に分離できるように構成されている。
このように構成された低速回転子20は、軸方向に2つのセグメントに分離することができる。2つのセグメントは、図5に示すように、第2締結具22eを用いて分離された分割スペーサ22a同士が軸方向に締結されて低速回転子20となる。
このように構成された磁気ギアードモータは、組立性が改善されると共に、分割されたセグメントに不具合がある場合、そのセグメントのみを取り換えることができる。また、大型の磁気ギアードモータの場合、分割されたセグメントで低速回転子を輸送することで輸送費が安くなる場合もある。
図6は、実施の形態3に係る別の低速回転子の側面図である。図6に示す低速回転子20においては、軸方向分割面22dで分離される分割スペーサ22aの一方に空洞22fが形成されている。この空洞22fを利用して、分離された分割スペーサ22aが第2締結具22eで締結される。
このように構成された磁気ギアードモータは、組立性が改善されると共に、分割されたセグメントに不具合がある場合、そのセグメントのみを取り換えることができる。また、大型の磁気ギアードモータの場合、分割されたセグメントで低速回転子を輸送することで輸送費が安くなる場合もある。
なお、本実施の形態においては、低速回転子を軸方向に2つのセグメントに分離する方法を説明した。軸方向に分離するセグメントは、3つ以上であってもよい。
実施の形態4.
図7は、実施の形態4に係る低速回転子の模式図である。図7において、上の図は本実施の形態の低速回転子の側面図、下の図は上面図である。図7に示すように、本実施の形態の低速回転子20においては、周方向に並んで配置される分割スペーサ22a同士が内径側および外径側で一体となっている。
このように構成された低速回転子20は、分割スペーサ22aと磁極片21との段差がなくなるので、低速回転子20の空気抵抗を低減することができる。その結果、低速回転子20の回転効率が向上すると共に、騒音を低減することもできる。また、分割スペーサ22aの剛性を大きくできるので、低速回転子20全体の剛性も大きくなる。さらに、磁気ギアードモータを組み立てるときには、低速回転子は固定子と高速回転子との間に挿入される。このとき、固定子永久磁石および回転子永久磁石の吸引力に起因して、低速回転子が固定子または高速回転子と接触する可能性がある。本実施の形態の分割スペーサ22a用いることで、固定子または高速回転子との接触による磁極片21の破損を防止することもできる。
なお、本実施の形態においては、分割スペーサ22a同士が内径側および外径側で一体となっている。これとは別の構成として、分割スペーサ22a同士の間に分割スペーサ22aとは別部品となる非磁性金属製の薄板を配置してもよい。このように構成された低速回転子20は、分割スペーサ22aと磁極片21との段差がなくなるので、低速回転子20の空気抵抗を低減することができる。なお、組立のときの固定子または高速回転子との接触による磁極片の破損を防止するという観点からは、組立後にこの非磁性金属製の薄板を取り外してもよい。
実施の形態5.
図8は、実施の形態5に係る低速回転子の側面図である。本実施の形態の低速回転子においては、スペーサが放熱部材を備えたものである。図8に示すように、本実施の形態の低速回転子20は、軸方向に間隔を有して配置された複数の分割スペーサ22aの間に非磁性の放熱部材24を備えたものである。放熱部材24は、磁極片21および分割スペーサ22aに接触している。放熱部材24の材料としては、非金属の材料である例えば高熱伝導性を有する樹脂などを用いることができる。
このように構成された低速回転子20は、分割スペーサ22a間の空隙がなくなるので、低速回転子20の空気抵抗を低減することができる。その結果、低速回転子20の回転効率が向上すると共に、騒音を低減することもできる。また、スペーサ22の剛性を大きくできるので、低速回転子20全体の剛性も大きくなる。さらに、放熱部材24を介して磁極片21および分割スペーサ22aで発生する熱を拡散させることができる。
なお、本実施の形態において、スペーサ22が放熱部材24を備えることで低速回転子20の重量が増加する。低速回転子20の重量が増加すると低速回転子20の回転効率が低下する。そのため、放熱部材24の材料は比重が小さい材料であることが好ましい。さらに、放熱部材24を軽量化するために、放熱部材24を中空構造あるい切り欠き部のある構造としてもよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
したがって、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 磁気ギアードモータ、10 固定子、11 固定子コア、12 固定子コイル、13 固定子永久磁石、14 ティース、15 スロット、20 低速回転子、21 磁極片、22 スペーサ、22a 分割スペーサ、22b 締結具、22c 周方向分割面、22d 軸方向分割面、22e 第2締結具、22f 空洞、23 クランパ、24 放熱部材、30 高速回転子、31 高速回転子コア、32 回転子永久磁石。

Claims (5)

  1. 固定子コイルおよび固定子永久磁石を備えた固定子と、
    前記固定子と第1の空隙を介して前記固定子に対して回転可能に設けられ、周方向に並んで配置された複数の磁極片および複数の前記磁極片の間にそれぞれ配置された非磁性金属の複数のスペーサを備えた第1回転子と、
    前記第1回転子と第2の空隙を介して前記第1回転子と同軸状に設けられ、周方向に並んで配置された複数の回転子永久磁石を備えた第2回転子とを有する磁気ギアードモータであって、
    前記スペーサは、軸方向に間隔を有して配置された複数の分割スペーサと前記複数の分割スペーサを軸方向に締結する複数の締結具とで構成されており、前記分割スペーサと前記締結具とは電気的に絶縁されていることを特徴とする磁気ギアードモータ。
  2. 複数の前記スペーサの少なくとも1つのスペーサに含まれる複数の前記分割スペーサは、周方向に分離できることを特徴とする請求項1に記載の磁気ギアードモータ。
  3. 複数の前記分割スペーサの少なくとも1つの分割スペーサは、軸方向に分離できることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ギアードモータ。
  4. 周方向に並んだ複数の前記分割スペーサ同士が一体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気ギアードモータ。
  5. 前記スペーサは、軸方向に間隔を有して配置された複数の前記分割スペーサの間に非磁性の放熱部材を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気ギアードモータ。
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