以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[ファブリペロー干渉フィルタ及びダミーフィルタの構成]
一実施形態の光検査装置及び光検査方法の説明に先立って、それらの検査対象であるウェハから切り出されたファブリペロー干渉フィルタ及びダミーフィルタの構成について説明する。
図1、図2及び図3に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ1は、基板11を備えている。基板11は、互いに対向する第1表面11a及び第2表面11bを有している。第1表面11aには、反射防止層21、第1積層体22、中間層23及び第2積層体24が、この順序で積層されている。第1積層体22と第2積層体24との間には、枠状の中間層23によって空隙(エアギャップ)Sが画定されている。
第1表面11aに垂直な方向から見た場合(平面視)における各部の形状及び位置関係は、次の通りである。基板11の外縁は、例えば矩形状である。基板11の外縁及び第2積層体24の外縁は、互いに一致している。反射防止層21の外縁、第1積層体22の外縁及び中間層23の外縁は、互いに一致している。基板11は、中間層23の外縁よりも空隙Sの中心に対して外側に位置する外縁部11cを有している。外縁部11cは、例えば、枠状であり、第1表面11aに垂直な方向から見た場合に中間層23を囲んでいる。空隙Sは、例えば円形状である。
ファブリペロー干渉フィルタ1は、その中央部に画定された光透過領域1aにおいて、所定の波長を有する光を透過させる。光透過領域1aは、例えば円柱状の領域である。基板11は、例えば、シリコン、石英又はガラス等からなる。基板11がシリコンからなる場合には、反射防止層21及び中間層23は、例えば、酸化シリコンからなる。中間層23の厚さは、例えば、数十nm~数十μmである。
第1積層体22のうち光透過領域1aに対応する部分は、第1ミラー部31として機能する。第1ミラー部31は、固定ミラーである。第1ミラー部31は、反射防止層21を介して第1表面11aに配置されている。第1積層体22は、複数のポリシリコン層25と複数の窒化シリコン層26とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。ファブリペロー干渉フィルタ1では、ポリシリコン層25a、窒化シリコン層26a、ポリシリコン層25b、窒化シリコン層26b及びポリシリコン層25cが、この順で反射防止層21上に積層されている。第1ミラー部31を構成するポリシリコン層25及び窒化シリコン層26のそれぞれの光学厚さは、中心透過波長の1/4の整数倍であることが好ましい。なお、第1ミラー部31は、反射防止層21を介することなく第1表面11a上に直接に配置されてもよい。
第2積層体24のうち光透過領域1aに対応する部分は、第2ミラー部32として機能する。第2ミラー部32は、可動ミラーである。第2ミラー部32は、第1ミラー部31に対して基板11とは反対側において空隙Sを介して第1ミラー部31と対向している。第1ミラー部31と第2ミラー部32とが互いに対向する方向は、第1表面11aに垂直な方向に平行である。第2積層体24は、反射防止層21、第1積層体22及び中間層23を介して第1表面11aに配置されている。第2積層体24は、複数のポリシリコン層27と複数の窒化シリコン層28とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。ファブリペロー干渉フィルタ1では、ポリシリコン層27a、窒化シリコン層28a、ポリシリコン層27b、窒化シリコン層28b及びポリシリコン層27cが、この順で中間層23上に積層されている。第2ミラー部32を構成するポリシリコン層27及び窒化シリコン層28のそれぞれの光学厚さは、中心透過波長の1/4の整数倍であることが好ましい。
なお、第1積層体22及び第2積層体24では、窒化シリコン層の代わりに酸化シリコン層が用いられてもよい。また、第1積層体22及び第2積層体24を構成する各層の材料としては、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、フッ化カルシウム、シリコン、ゲルマニウム、硫化亜鉛等が用いられてもよい。また、ここでは、第1ミラー部31の空隙S側の表面(ポリシリコン層25cの表面)と、第2ミラー部32の空隙S側の表面(ポリシリコン層27aの表面)とは、空隙Sを介して直接的に対向している。ただし、第1ミラー部31の空隙S側の表面、及び、第2ミラー部32の空隙S側の表面に、(ミラーを構成しない)電極層、保護層等が形成されていてもよい。この場合、第1ミラー部31と第2ミラー部32とは、それらの層を間に介在させた状態において、空隙Sを介して互いに対向することになる。換言すれば、このような場合であっても、第1ミラー部31と第2ミラー部32との空隙Sを介した対向は実現され得る。
第2積層体24において空隙Sに対応する部分(第1表面11aに垂直な方向から見た場合に空隙Sと重なる部分)には、複数の貫通孔24bが形成されている。各貫通孔24bは、第2積層体24の中間層23とは反対側の表面24aから空隙Sに至っている。複数の貫通孔24bは、第2ミラー部32の機能に実質的に影響を与えない程度に形成されている。複数の貫通孔24bは、エッチングによって中間層23の一部を除去して空隙Sを形成するために用いられる。
第2積層体24は、第2ミラー部32に加えて、被覆部33と、周縁部34と、を更に有している。第2ミラー部32、被覆部33及び周縁部34は、互いに同じ積層構造の一部を有し且つ互いに連続するように、一体的に形成されている。被覆部33は、第1表面11aに垂直な方向から見た場合に第2ミラー部32を囲んでいる。被覆部33は、中間層23の基板11とは反対側の表面23a、並びに、中間層23の側面23b(外側の側面、つまり、空隙S側とは反対側の側面)、第1積層体22の側面22a及び反射防止層21の側面21aを被覆しており、第1表面11aに至っている。すなわち、被覆部33は、中間層23の外縁、第1積層体22の外縁及び反射防止層21の外縁を被覆している。
周縁部34は、第1表面11aに垂直な方向から見た場合に被覆部33を囲んでいる。周縁部34は、外縁部11cにおける第1表面11a上に位置している。周縁部34の外縁は、第1表面11aに垂直な方向から見た場合に基板11の外縁と一致している。周縁部34は、外縁部11cの外縁に沿って薄化されている。すなわち、周縁部34のうち外縁部11cの外縁に沿う部分は、周縁部34のうち外縁に沿う部分を除く他の部分と比べて薄くなっている。ファブリペロー干渉フィルタ1では、周縁部34は、第2積層体24を構成するポリシリコン層27及び窒化シリコン層28の一部が除去されていることで薄化されている。周縁部34は、被覆部33に連続する非薄化部34aと、非薄化部34aを囲む薄化部34bと、を有している。薄化部34bにおいては、第1表面11a上に直接に設けられたポリシリコン層27a以外のポリシリコン層27及び窒化シリコン層28が除去されている。
第1表面11aから非薄化部34aの基板11とは反対側の表面34cまでの高さは、第1表面11aから中間層23の表面23aまでの高さよりも低い。第1表面11aから非薄化部34aの表面34cまでの高さは、例えば100nm~5000nmである。第1表面11aから中間層23の表面23aまでの高さは、例えば500nm~20000nmである。薄化部34bの幅(第1表面11aに垂直な方向から見た場合における非薄化部34aの外縁と外縁部11cの外縁との間の距離)は、基板11の厚さの0.01倍以上である。薄化部34bの幅は、例えば5μm~400μmである。基板11の厚さは、例えば500μm~800μmである。
第1ミラー部31には、第1表面11aに垂直な方向から見た場合に光透過領域1aを囲むように第1電極12が形成されている。第1電極12は、ポリシリコン層25cに不純物をドープして低抵抗化することで形成されている。第1ミラー部31には、第1表面11aに垂直な方向から見た場合に光透過領域1aを含むように第2電極13が形成されている。第2電極13は、ポリシリコン層25cに不純物をドープして低抵抗化することで形成されている。第1表面11aに垂直な方向から見た場合に、第2電極13の大きさは、光透過領域1aの全体を含む大きさであることが好ましいが、光透過領域1aの大きさと略同一であってもよい。
第2ミラー部32には、第3電極14が形成されている。第3電極14は、空隙Sを介して第1電極12及び第2電極13と対向している。第3電極14は、ポリシリコン層27aに不純物をドープして低抵抗化することで形成されている。
一対の端子15は、光透過領域1aを挟んで対向するように設けられている。各端子15は、第2積層体24の表面24aから第1積層体22に至る貫通孔内に配置されている。各端子15は、配線12aを介して第1電極12と電気的に接続されている。各端子15は、例えば、アルミニウム又はその合金等の金属膜によって形成されている。
一対の端子16は、光透過領域1aを挟んで対向するように設けられている。各端子16は、第2積層体24の表面24aから第1積層体22に至る貫通孔内に配置されている。各端子16は、配線13aを介して第2電極13と電気的に接続されていると共に、配線14aを介して第3電極14と電気的に接続されている。端子16は、例えば、アルミニウム又はその合金等の金属膜によって形成されている。一対の端子15が対向する方向と一対の端子16が対向する方向とは、直交している(図1参照)。
第1積層体22の表面22bには、複数のトレンチ17,18が設けられている。トレンチ17は、配線13aにおける端子16との接続部分を囲むように環状に延在している。トレンチ17は、第1電極12と配線13aとを電気的に絶縁している。トレンチ18は、第1電極12の内縁に沿って環状に延在している。トレンチ18は、第1電極12と第1電極12の内側の領域(第2電極13)とを電気的に絶縁している。各トレンチ17,18内の領域は、絶縁材料であっても、空隙であってもよい。
第2積層体24の表面24aには、トレンチ19が設けられている。トレンチ19は、端子15を囲むように環状に延在している。トレンチ19は、端子15と第3電極14とを電気的に絶縁している。トレンチ19内の領域は、絶縁材料であっても、空隙であってもよい。
基板11の第2表面11bには、反射防止層41、第3積層体42、中間層43及び第4積層体44が、この順序で積層されている。反射防止層41及び中間層43は、それぞれ、反射防止層21及び中間層23と同様の構成を有している。第3積層体42及び第4積層体44は、それぞれ、基板11を基準として第1積層体22及び第2積層体24と対称の積層構造を有している。反射防止層41、第3積層体42、中間層43及び第4積層体44は、基板11の反りを抑制する機能を有している。
第3積層体42、中間層43及び第4積層体44は、外縁部11cの外縁に沿って薄化されている。すなわち、第3積層体42、中間層43及び第4積層体44のうち外縁部11cの外縁に沿う部分は、第3積層体42、中間層43及び第4積層体44のうち外縁に沿う部分を除く他の部分と比べて薄くなっている。ファブリペロー干渉フィルタ1では、第3積層体42、中間層43及び第4積層体44は、第1表面11aに垂直な方向から見た場合に薄化部34bと重なる部分において第3積層体42、中間層43及び第4積層体44の全部が除去されていることで薄化されている。
第3積層体42、中間層43及び第4積層体44には、第1表面11aに垂直な方向から見た場合に光透過領域1aを含むように開口40aが設けられている。開口40aは、光透過領域1aの大きさと略同一の径を有している。開口40aは、光出射側に開口している。開口40aの底面は、反射防止層41に至っている。
第4積層体44の光出射側の表面には、遮光層45が形成されている。遮光層45は、例えばアルミニウム等からなる。遮光層45の表面及び開口40aの内面には、保護層46が形成されている。保護層46は、第3積層体42、中間層43、第4積層体44及び遮光層45の外縁を被覆すると共に、外縁部11c上の反射防止層41を被覆している。保護層46は、例えば酸化アルミニウムからなる。なお、保護層46の厚さを1~100nm(好ましくは、30nm程度)にすることで、保護層46による光学的な影響を無視することができる。
以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ1においては、一対の端子15,16を介して第1電極12と第3電極14との間に電圧が印加されると、当該電圧に応じた静電気力が第1電極12と第3電極14との間に発生する。当該静電気力によって、第2ミラー部32が、基板11に固定された第1ミラー部31側に引き付けられ、第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離が調整される。このように、ファブリペロー干渉フィルタ1では、第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離が静電気力によって変化する。
ファブリペロー干渉フィルタ1を透過する光の波長は、光透過領域1aにおける第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離に依存する。したがって、第1電極12と第3電極14との間に印加する電圧を調整することで、透過する光の波長を適宜選択することができる。このとき、第2電極13は、第3電極14と同電位である。したがって、第2電極13は、光透過領域1aにおいて第1ミラー部31及び第2ミラー部32を平坦に保つための補償電極として機能する。
ファブリペロー干渉フィルタ1では、例えば、ファブリペロー干渉フィルタ1に印加する電圧を変化させながら(すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ1において第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離を変化させながら)、ファブリペロー干渉フィルタ1の光透過領域1aを透過した光を光検出器によって検出することで、分光スペクトルを得ることができる。
図4に示されるように、ダミーフィルタ2は、第2積層体24に複数の貫通孔24bが形成されていない点、及び中間層23に空隙Sが形成されていない点で、上述したファブリペロー干渉フィルタ1と相違している。ダミーフィルタ2では、第1ミラー部31と第2ミラー部32との間に中間層23が設けられている。つまり、第2ミラー部32は、空隙S上に浮いておらず、中間層23の表面23aに配置されている。
[ウェハの構成]
次に、一実施形態の光検査装置及び光検査方法の検査対象であるウェハの構成について説明する。図5及び図6に示されるように、ウェハ100は、基板層110を備えている。基板層110は、例えば、円板状の形状を呈しており、その一部にオリエンテーションフラットOFが形成されている。基板層110は、例えば、シリコン、石英又はガラス等からなる。以下、基板層110の厚さ方向から見た場合に基板層110の中心を通り且つオリエンテーションフラットOFに平行な仮想直線を第1直線3といい、基板層110の厚さ方向から見た場合に基板層110の中心を通り且つオリエンテーションフラットOFに垂直な仮想直線を第2直線4という。
ウェハ100には、有効エリア101及びダミーエリア102が設けられている。ダミーエリア102は、基板層110の外縁110c(すなわち、ウェハ100の外縁100a)に沿ったエリアである。有効エリア101は、ダミーエリア102の内側のエリアである。ダミーエリア102は、基板層110の厚さ方向から見た場合に有効エリア101を囲んでいる。ダミーエリア102は、有効エリア101に隣接している。
有効エリア101には、二次元に配置された複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aが設けられている。複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aは、有効エリア101の全体に設けられている。ダミーエリア102には、二次元に配置された複数のダミーフィルタ部2Aが設けられている。複数のダミーフィルタ部2Aは、ダミーエリア102のうち一対のエリア102aを除くエリアに設けられている。一方のエリア102aは、オリエンテーションフラットOFに沿ったエリアである。他方のエリア102aは、基板層110の外縁110cのうちオリエンテーションフラットOFとは反対側の部分に沿ったエリアである。有効エリア101とダミーエリア102との境界部分において、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aとダミーフィルタ部2Aとは、隣接している。基板層110の厚さ方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの外形とダミーフィルタ部2Aの外形とは、同一である。複数のファブリペロー干渉フィルタ部1A及び複数のダミーフィルタ部2Aは、互いに直交する第1直線3及び第2直線4のそれぞれについて対称となるように、配置されている。なお、複数のダミーフィルタ部2Aは、ダミーエリア102の全体に設けられていてもよい。また、複数のダミーフィルタ部2Aは、ダミーエリア102のうちいずれか一方のエリア102aを除くエリアに設けられていてもよい。
複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aは、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数のファブリペロー干渉フィルタ1になる予定の部分である。複数のダミーフィルタ部2Aは、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数のダミーフィルタ2になる予定の部分である。基板層110の厚さ方向から見た場合に、複数のライン5は、オリエンテーションフラットOFに平行な方向に沿うように延在しており、複数のライン5は、オリエンテーションフラットOFに垂直な方向に沿うように延在している。一例として、基板層110の厚さ方向から見た場合に各フィルタ部1A,2Aが矩形状を呈するときには、各フィルタ部1A,2Aは、二次元マトリックス状に配置され、複数のライン5は、隣り合うフィルタ部1A,1A間、隣り合うフィルタ部1A,2A間、及び隣り合うフィルタ部2A,2A間を通るように格子状に設定される。
図7の(a)は、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの断面図であり、図7の(b)は、ダミーフィルタ部2Aの断面図である。図7の(a)及び(b)に示されるように、基板層110は、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の基板11になる予定の層である。基板層110は、互いに対向する第1表面110a及び第2表面110bを有している。基板層110の第1表面110aには、反射防止層210が設けられている。反射防止層210は、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の反射防止層21になる予定の層である。基板層110の第2表面110bには、反射防止層410が設けられている。反射防止層410は、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の反射防止層41になる予定の層である。
反射防止層210上には、デバイス層200が設けられている。デバイス層200は、第1ミラー層220と、中間層230と、第2ミラー層240と、を有している。第1ミラー層220は、複数の第1ミラー部31を有する層であって、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の第1積層体22になる予定の層である。複数の第1ミラー部31は、反射防止層210を介して基板層110の第1表面110aに二次元に配置されている。中間層230は、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の中間層23になる予定の層である。第2ミラー層240は、複数の第2ミラー部32を有する層であって、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の第2積層体24になる予定の層である。複数の第2ミラー部32は、中間層23を介して第1ミラー層220上に二次元に配置されている。
反射防止層410上には、応力調整層400が設けられている。つまり、応力調整層400は、反射防止層410を介して基板層110の第2表面110bに設けられている。応力調整層400は、複数の層420,430,440を有している。層420は、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の第3積層体42になる予定の層である。層430は、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の中間層43になる予定の層である。層440は、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の第4積層体44になる予定の層である。
応力調整層400上には、遮光層450及び保護層460が設けられている。遮光層450は、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の遮光層45になる予定の層である。保護層460は、ウェハ100が各ライン5に沿って切断されることで、複数の保護層46になる予定の層である。
図7の(a)に示されるように、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aでは、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間に空隙Sが形成されている。つまり、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aでは、中間層23が空隙Sを画定しており、第2ミラー部32が空隙S上に浮いている。各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aには、上述したファブリペロー干渉フィルタ1の構成と同様に、第1電極12、第2電極13、第3電極14、複数の端子15,16、及び開口40a等に関する構成が設けられている。したがって、複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aがウェハ100の状態のままであっても、一対の端子15,16を介して各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに電圧が印加されると、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離が静電気力によって変化する。
図7の(b)に示されるように、各ダミーフィルタ部2Aでは、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間に中間層23が設けられる。つまり、ダミーフィルタ部2Aでは、中間層23が空隙Sを画定しておらず、第2ミラー部32が中間層23の表面23aに配置されている。したがって、各ダミーフィルタ部2Aには、上述したダミーフィルタ2の構成と同様に、第1電極12、第2電極13、第3電極14、複数の端子15,16、及び開口40a等に関する構成が設けられているものの、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離は変化しない。なお、各ダミーフィルタ部2Aには、第1電極12、第2電極13、第3電極14、複数の端子15,16(各端子15,16を構成するアルミニウム等の金属膜、各端子15,16を配置するための貫通孔等)及び開口40a等に関する構成が設けられていなくてもよい。
図6及び図7の(a)に示されるように、デバイス層200には、基板層110とは反対側に開口する第1溝290が形成されている。第1溝290は、各ライン5に沿って形成されている。第1溝290は、各ファブリペロー干渉フィルタ部1A及び各ダミーフィルタ部2Aにおいて、第1ミラー部31、中間層23及び第2ミラー部32を囲んでいる。各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aにおいて、第1ミラー部31、中間層23及び第2ミラー部32は、環状に連続する第1溝290によって囲まれている。同様に、各ダミーフィルタ部2Aにおいて、第1ミラー部31、中間層23及び第2ミラー部32は、環状に連続する第1溝290によって囲まれている。隣り合うフィルタ部1A,1A、隣り合うフィルタ部1A,2A、及び隣り合うフィルタ部2A,2Aに着目すると、第1溝290は、一方のフィルタ部の周縁部34及び他方のフィルタ部の周縁部34上の領域に対応している。第1溝290は、有効エリア101及びダミーエリア102において繋がっており、第1ミラー部31と第2ミラー部32とが互いに対向する方向(以下、単に「対向方向」という)から見た場合に基板層110の外縁110cに至っている。なお、第1溝290は、各ファブリペロー干渉フィルタ部1A及び各ダミーフィルタ部2Aにおいて、少なくとも第2ミラー部32を囲んでいればよい。
図7の(b)に示されるように、応力調整層400には、基板層110とは反対側に開口する第2溝470が形成されている。第2溝470は、各ライン5に沿って形成されている。つまり、第2溝470は、第1溝290に対応するように形成されている。ここで、第2溝470が第1溝290に対応するとは、対向方向から見た場合に第2溝470が第1溝290と重なること意味する。したがって、第2溝470は、有効エリア101及びダミーエリア102において繋がっており、対向方向から見た場合に基板層110の外縁110cに至っている。
[ウェハの製造方法]
次に、ウェハ100の製造方法について、図8~図13を参照して説明する。図8~図13において、(a)は、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対応する部分の断面図であり、(b)は、ダミーフィルタ部2Aに対応する部分の断面図である。
まず、図8に示されるように、基板層110の第1表面110aに反射防止層210を形成すると共に、基板層110の第2表面110bに反射防止層410を形成する。続いて、各反射防止層210,410上に、複数のポリシリコン層及び複数の窒化シリコン層を交互に積層することで、反射防止層210上に第1ミラー層220を形成すると共に、反射防止層410上に層420を形成する。
第1ミラー層220を形成する際には、エッチングによって、反射防止層210の表面が露出するように、第1ミラー層220のうち各ライン5に沿った部分を除去する。また、不純物ドープによって、第1ミラー層220における所定のポリシリコン層を部分的に低抵抗化することで、基板11に対応する部分ごとに、第1電極12、第2電極13及び配線12a,13aを形成する。更に、エッチングによって、基板11に対応する部分ごとに、第1ミラー層220の表面にトレンチ17,18を形成する。
続いて、図9に示されるように、第1ミラー層220上、及び露出した反射防止層210の表面に、中間層230を形成すると共に、層420上に層430を形成する。各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対応する部分では、中間層230は、空隙S(図3参照)に対応する除去予定部50を含んでいる。続いて、エッチングによって、基板層110の第1表面110aが露出するように、中間層230及び反射防止層210のうち各ライン5に沿った部分を除去する。また、当該エッチングによって、基板11に対応する部分ごとに、中間層230のうち各端子15,16(図3参照)に対応する部分に空隙を形成する。
続いて、図10に示されるように、基板層110の第1表面110a側及び第2表面110b側のそれぞれにおいて、複数のポリシリコン層及び複数の窒化シリコン層を交互に積層することで、中間層230上、及び露出した基板層110の第1表面110aに、第2ミラー層240を形成すると共に、層430上に層440を形成する。
第2ミラー層240を形成する際には、ライン5に沿って互いに対向する中間層230の側面230a、第1ミラー層220の側面220a及び反射防止層210の側面210aを、第2ミラー層240で被覆する。また、不純物ドープによって、第2ミラー層240における所定のポリシリコン層を部分的に低抵抗化することで、基板11に対応する部分ごとに、第3電極14及び配線14aを形成する。
続いて、図11に示されるように、エッチングによって、第2ミラー層240が含むポリシリコン層27a(図3参照)(すなわち、最も第1表面110a側に位置するポリシリコン層)の表面が露出するように、第2ミラー層240のうち各ライン5に沿った部分を薄化する。また、当該エッチングによって、基板11に対応する部分ごとに、第2ミラー層240のうち各端子15,16(図3参照)に対応する部分に空隙を形成する。続いて、基板11に対応する部分ごとに、当該空隙に各端子15,16を形成し、各端子15と配線12aとを接続すると共に、各端子16と配線13a及び配線14aのそれぞれとを接続する。
ここまでで、基板層110の第1表面110aに、反射防止層210及びデバイス層200が形成されると共に、デバイス層200に第1溝290が形成される。第1溝290は、デバイス層200が各ライン5に沿って部分的に薄化された領域である。
続いて、図12の(a)に示されるように、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対応する部分では、エッチングによって、第2積層体24の表面24aから除去予定部50に至る複数の貫通孔24bを第2積層体24に形成する。このとき、図12の(b)に示されるように、各ダミーフィルタ部2Aに対応する部分では、複数の貫通孔24bを第2積層体24に形成しない。続いて、図12に示されるように、層440上に遮光層450を形成する。続いて、エッチングによって、反射防止層410の表面が露出するように、遮光層450及び応力調整層400(すなわち、層420,430,440)のうち各ライン5に沿った部分を除去する。また、当該エッチングによって、基板11に対応する部分ごとに、開口40aを形成する。続いて、遮光層450上、露出した反射防止層410の表面、及び開口40aの内面、第2溝470に臨む応力調整層400の側面に、保護層460を形成する。
ここまでで、基板層110の第2表面110bに、反射防止層410、応力調整層400、遮光層450及び保護層460が形成されると共に、応力調整層400に第2溝470が形成される。第2溝470は、応力調整層400が各ライン5に沿って部分的に薄化された領域である。
続いて、図13の(a)に示されるように、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対応する部分では、複数の貫通孔24bを介したエッチング(例えばフッ酸ガスを用いた気相エッチング)によって、中間層230から複数の除去予定部50を一斉に除去する。これにより、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対応する部分では、基板11に対応する部分ごとに、空隙Sを形成する。このとき、図13の(b)に示されるように、各ダミーフィルタ部2Aに対応する部分では、複数の貫通孔24bが第2積層体24に形成されていないため、中間層230に空隙Sが形成されない。
以上により、有効エリア101においては、図7の(a)に示されるように、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間に空隙Sが形成されることで、複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aが構成される。一方、ダミーエリア102においては、図7の(b)に示されるように、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間に中間層23が設けられることで、複数のダミーフィルタ部2Aが構成される。
[第1実施形態の光検査装置の構成]
次に、第1実施形態の光検査装置の構成について説明する。図14に示されるように、第1実施形態の光検査装置500は、ウェハ支持部510と、光出射部520と、光検出部530と、電圧印加部540と、撮像部550と、制御部560と、を備えている。ウェハ支持部510、光出射部520、光検出部530、電圧印加部540及び撮像部550は、暗箱(図示省略)内に配置されている。光検査装置500の検査対象は、ウェハ100である。
ウェハ支持部510は、ウェハ100の対向方向(すなわち、第1ミラー部31と第2ミラー部32とが互いに対向する方向)が基準線RLに平行となるようにウェハ100を支持する。ただし、ウェハ支持部510は、ウェハ100の対向方向が基準線RLに沿うようにウェハ100を支持すればよい。つまり、ウェハ支持部510は、ウェハ100の対向方向が基準線RLに完全に平行となるようにウェハ100を支持する必要はない。ウェハ支持部510は、ステージ511を有している。ステージ511は、基準線RLに垂直な平面に沿って(少なくとも、当該平面に平行であり且つ互いに直交する2方向のそれぞれに沿って)移動可能に構成されている。なお、ステージ511は、基準線RLに平行なラインを中心線として回転可能に構成されていてもよい。
図15に示されるように、ステージ511は、互いに対向する第1表面511a及び第2表面511bを有している。一例として、第1表面511aは、鉛直方向における上側の表面であり、第2表面511bは、鉛直方向における下側の表面である。ステージ511には、第1表面511a及び第2表面511bに開口する開口513が形成されている。第1表面511aには、開口513における第1表面511a側の部分が拡幅されることで、段差部514が形成されている。段差部514には、ウェハ100のダミーエリア102が載置され、例えば吸引によって保持される。段差部514にウェハ100のダミーエリア102が載置された状態で、開口513は、有効エリア101に臨む。具体的には、基準線RLに平行な方向から見た場合に、開口513は、有効エリア101を含んでいる。開口513は、基準線RLに沿って光L1を通過させる光通過領域512として機能する。つまり、ウェハ支持部510は、光通過領域512として開口513を有している。
図14に示されるように、光出射部520は、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに基準線RLに沿って入射する光L1を出射する。光出射部520は、白色光源521と、レンズ522と、絞り部材523と、を有している。白色光源521は、白色光である光L1を出力する。レンズ522は、白色光源521から出力された光L1を絞り部材523のピンホールに集光する。絞り部材523は、レンズ522によって集光された光L1をピンホールによって絞る。このように、光出射部520は、複数の波長の光L1を同時に出射するように構成されている。光出射部520から出射された光L1は、ミラー501によって反射される。ミラー501によって反射された光L1は、凹面ミラー502によって、基準線RL上を進行するように反射されると共に、集光される(或いはコリメートされる)。凹面ミラー502によって反射されると共に集光された光L1は、ハーフミラー503を透過する。ハーフミラー503を透過した光L1は、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに基準線RLに沿って入射する。
光検出部530は、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを基準線RLに沿って透過した光L1を検出する。光検出部530は、レンズ531と、光ファイバ532と、分光器533と、を有している。レンズ531は、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを基準線RLに沿って透過した光L1を光ファイバ532の光入射端に集光する。光ファイバ532は、レンズ531によって集光された光L1を導光する。分光器533は、光ファイバ532によって導光された光L1を波長ごとに検出して、検出信号を制御部560に出力する。このように、光検出部530は、複数の波長の光L1を波長ごとに検出するように構成されている。
電圧印加部540は、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離が変化するように各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに電圧を印加する。電圧印加部540は、ステージ541と、一対のアーム542と、一対のプローブ針543と、ソースメジャーユニット544と、を有している。ステージ541は、基準線RLに平行な方向に沿って移動可能に構成されている。一対のアーム542は、ステージ541に取り付けられている。一対のプローブ針543は、一対のアーム542に取り付けられている。一対のアーム542及び一対のプローブ針543は、マイクロマニピュレータとして構成されている。一対のプローブ針543の先端間の距離は、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aにおける一対の端子15,16間の距離に調整されている。ソースメジャーユニット544は、一対のプローブ針543に電位差を生じさせる。なお、ウェハ支持部510においてステージ511が基準線RLに平行な方向に沿って移動可能に構成されている場合には、ステージ541は移動可能に構成されていなくてもよい。また、電圧印加部540には、マイクロマニピュレータに代えて、プローブカードが適用されてもよい。
撮像部550は、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100(具体的には、ウェハ100の表面)を撮像する。撮像部550は、カメラ551と、ズームレンズ552と、を有している。カメラ551は、観察用の光L2を出射し、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の表面で反射された光L2を検出し、得られた画像をディスプレイ(図示省略)に表示する。ズームレンズ552は、ウェハ100の表面の像を拡大する機能を有している。カメラ551から出射された光L2は、ハーフミラー503によって、基準線RL上を進行するように反射される。ハーフミラー503によって反射された光L2は、基準線RL上を進行し、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の表面で反射される。ウェハ100の表面で反射された光L2は、同一の光路上を逆に進行し、ズームレンズ552を介してカメラ551に入射する。
制御部560は、プロセッサ、メモリ、ストレージ及び通信デバイス等を含むコンピュータ装置として構成されている。制御部560では、プロセッサが、メモリ等に読み込まれた所定のソフトウェア(プログラム)を実行し、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込み等を制御することで、各種の機能が実現される。例えば、制御部560は、各部(ウェハ支持部510、光出射部520、光検出部530、電圧印加部540及び撮像部550)の動作を制御することで、後述する光検査方法を実現する。
以上のように構成された光検査装置500では、制御部560によって各部の動作が制御されることで、以下のように、光検査方法が実施される。まず、検査対象であるウェハ100が用意され、ウェハ支持部510によって支持される。このとき、ウェハ100は、対向方向が基準線RLに沿うようにウェハ支持部510によって支持される。続いて、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100が撮像部550によって撮像され、ウェハ100の画像がディスプレイに表示される。そして、例えば、ディスプレイに表示されたウェハ100の画像が目視され、所定の初期位置(所定の座標)からのウェハ100(例えばウェハ100の中心位置)のずれが補正される。これにより、制御部560は、所定の初期位置からの相対的な位置として、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100における各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの座標情報を取得することができる。なお、撮像部550が制御部560に接続され、制御部560が、撮像部550から出力された撮像データに基づいて、ウェハ100における各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの座標情報を取得してもよい。
続いて、座標情報に基づいてウェハ支持部510のステージ511が動作させられ、1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aが基準線RL上に位置させられる(以下、基準線RL上に位置させられた1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aを単に「1つのファブリペロー干渉フィルタ部1A」という)。続いて、電圧印加部540のステージ541が動作させられ、電圧印加部540の一対のプローブ針543が、1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aの一対の端子15,16に接触させられる。続いて、電圧印加部540のソースメジャーユニット544が動作させられ、一対の端子15,16に所定の電圧が印加される。これにより、1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aにおいて、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離が、印加された電圧に応じた距離に変化する。
続いて、光出射部520から光L1が出射させられる。これにより、基準線RLに沿って(すなわち、対向方向に沿って)光L1が1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aに入射する。1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aに光L1が入射すると、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離に応じた波長の光L1が1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過する。そして、1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過した光L1が光検出部530によって検出される。これにより、制御部560は、光検出部530から出力された検出信号に基づいて、1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧と透過する光の波長との関係を取得したり、1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aが良品であるか否かを判断したりすることができる。なお、この検査時に、ソースメジャーユニット544でファブリペロー干渉フィルタ部1Aに電圧を印加すると同時に、一対の端子15,16間のリーク電流を測定することで、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間に形成された空隙Sへの異物の混入の有無、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに設けられた配線の断線の有無等を測定してもよい。
1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aの検査が終了すると、電圧印加部540のステージ541が動作させられ、電圧印加部540の一対のプローブ針543が、1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aの一対の端子15,16から離される。続いて、次の1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aが基準線RL上に位置させられ、当該次の1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aの検査が同様に実施される。以下同様に、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの検査が順次実施される。これにより、制御部560は、ウェハ100における各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの座標情報に対応付けて、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに関する情報(検査結果)を記憶することができる。なお、光出射部520からの光L1の出射については、1つのファブリペロー干渉フィルタ部1AごとにON/OFFが切り替えられる場合に限定されず、複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aの検査の実施中、ONが維持されてもよい。また、事前の検査(目視検査、電気的検査等)で良品でないことが明らかとなっているファブリペロー干渉フィルタ部1Aについては一対のプローブ針543を一対の端子15,16に接触させずに(光透過検査を省略し)、次の1つのファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて光透過検査を実施することで、検査効率を高めてもよい。また、1枚のウェハ100における全てのファブリペロー干渉フィルタ部1Aのうち、所定割合の数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて光透過検査を実施することで、当該1枚のウェハ100として良品か否かを判断してもよい。つまり、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについての光透過検査は、必ずしも、1枚のウェハ100における全てのファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて実施しなくてもよい。
以上のように、第1実施形態の光検査装置500では、光出射部520が複数の波長の光L1を同時に出射するように構成されており、光検出部530が複数の波長の光L1を波長ごとに検出するように構成されている。したがって、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させ、各電圧において光L1の検出強度がピークとなる波長を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。
[第2実施形態の光検査装置の構成]
次に、第2実施形態の光検査装置の構成について説明する。図16に示されるように、第2実施形態の光検査装置500は、光出射部520の構成において、第1実施形態の光検査装置500と相違している。
第2実施形態の光検査装置500において、光出射部520は、白色光源521と、レンズ522と、光ファイバ524と、レンズ525と、を有している。白色光源521は、白色光である光L1を出力する。レンズ522は、白色光源521から出力された光L1を光ファイバ524の光入射端に集光する。光ファイバ524は、レンズ522によって集光された光L1を導光する。レンズ525は、光ファイバ524によって導光された光L1を、基準線RL上において集光する。
第2実施形態の光検査装置500では、ミラー501及び凹面ミラー502が設けられておらず、レンズ525によって集光された光L1は、ハーフミラー503を透過する。ハーフミラー503を透過した光L1は、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに基準線RLに沿って入射する。
第2実施形態の光検査装置500でも、第1実施形態の光検査装置500と同様に、光出射部520が複数の波長の光L1を同時に出射するように構成されており、光検出部530が複数の波長の光L1を波長ごとに検出するように構成されている。したがって、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させ、各電圧において光L1の検出強度がピークとなる波長を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。
[第3実施形態の光検査装置の構成]
次に、第3実施形態の光検査装置の構成について説明する。図17に示されるように、第3実施形態の光検査装置500は、光出射部520及び光検出部530の構成において、第1実施形態の光検査装置500と相違している。
第3実施形態の光検査装置500において、光出射部520は、白色光源521と、レンズ522Aと、モノクロメータ526と、レンズ522Bと、光ファイバ524と、レンズ525と、を有している。白色光源521は、白色光である光L1を出力する。レンズ522Aは、白色光源521から出力された光L1をモノクロメータ526に集光する。モノクロメータ526は、レンズ522Aによって集光された白色光のうち所定の波長の光L1を出力する。レンズ522Bは、モノクロメータ526から出力された光L1を光ファイバ524の光入射端に集光する。光ファイバ524は、レンズ522Bによって集光された光L1を導光する。レンズ525は、光ファイバ524によって導光された光L1を、基準線RL上において集光する。なお、光ファイバ524及びレンズ525に代えて、第1実施形態のように、絞り部材523、ミラー501、凹面ミラー502を用いてもよい。このように、各実施形態において、光源から出射された光L1を基準線RLに沿うようにする手段は、各実施形態において採用される種々の手段を互いに代用することができる。
第3実施形態の光検査装置500では、ミラー501及び凹面ミラー502が設けられておらず、レンズ525によって集光された光L1は、ハーフミラー503を透過する。ハーフミラー503を透過した光L1は、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに基準線RLに沿って入射する。
第3実施形態の光検査装置500において、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに入射する光L1は、白色光源521から出力された白色光のうち所定の波長の光である。モノクロメータ526は、出力する光L1の波長を切り替えることができる。これにより、光出射部520は、複数の波長の光L1を波長ごとに順次切り替えて出射するように構成されている。
第3実施形態の光検査装置500において、光検出部530は、レンズ531と、フォトダイオード534と、アンプ535と、ADコンバータ536と、を有している。レンズ531は、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを基準線RLに沿って透過した光L1をフォトダイオード534に集光する。フォトダイオード534は、白色光に対して感度を有している。フォトダイオード534は、レンズ531によって集光された光L1を検出して、アナログ信号をアンプ535に出力する。アンプ535は、フォトダイオード534から出力されたアナログ信号を増幅する。ADコンバータ536は、アンプ535によって増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換して、制御部560に出力する。このように、光検出部530は、光出射部520から出射される複数の波長の光L1に対して感度を有するように構成されている。
第3実施形態の光検査装置500では、第1実施形態の光検査装置500と異なり、光出射部520が複数の波長の光L1を波長ごとに出射するように構成されており、光検出部530が複数の波長の光L1に対して感度を有するように構成されている。したがって、出射する光L1の波長を変化させ、各波長においてファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させて光L1の検出強度がピークとなる電圧を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。或いは、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させ、各電圧において出射する光L1の波長を変化させて光L1の検出強度がピークとなる波長を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。
[第4実施形態の光検査装置の構成]
次に、第4実施形態の光検査装置の構成について説明する。図18に示されるように、第4実施形態の光検査装置500は、光出射部520及び光検出部530の構成において、第3実施形態の光検査装置500と相違している。
第4実施形態の光検査装置500において、光出射部520は、光源切替部527と、絞り部材523と、を有している。光源切替部527は、複数のレーザ光源527a,527b,527cを切り替える。各レーザ光源527a,527b,527cは、互いに異なる波長のレーザ光を出射する。レーザ光源の数は、必要な波長に応じて適宜変更することができる。絞り部材523は、光源切替部527から出射されたレーザ光である光L1をピンホールによって絞る。このように、光出射部520は、複数の波長の光L1を波長ごとに出射するように構成されている。光出射部520から出射された光L1は、ミラー504によって、基準線RL上を進行するように反射される。ミラー504によって反射された光L1は、ハーフミラー503を透過する。ハーフミラー503を透過した光L1は、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに基準線RLに沿って入射する。なお、レーザ光源527a,527b,527cから出射された光L1の強度がフォトダイオード534の測定可能な強度範囲を超える場合には、レーザ光源527a,527b,527cとフォトダイオード534との間の光路上の任意の位置に例えばNDフィルタを設けて、光L1を減衰させるようにしてもよい。
第4実施形態の光検査装置500において、光検出部530は、フォトダイオード534と、アンプ535と、ADコンバータ536と、を有している。フォトダイオード534は、光出射部520から出射される複数の波長のレーザ光に対して感度を有している。フォトダイオード534は、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを基準線RLに沿って透過した光L1を検出して、アナログ信号をアンプ535に出力する。アンプ535は、フォトダイオード534から出力されたアナログ信号を増幅する。ADコンバータ536は、アンプ535によって増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換して、制御部560に出力する。このように、光検出部530は、光出射部520から出射される複数の波長の光L1に対して感度を有するように構成されている。
第4実施形態の光検査装置500でも、第3実施形態の光検査装置500と同様に、光出射部520が複数の波長の光L1を波長ごとに出射するように構成されており、光検出部530が複数の波長の光L1に対して感度を有するように構成されている。したがって、出射する光L1の波長を変化させ、各波長においてファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させて光L1の検出強度がピークとなる電圧を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。或いは、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させ、各電圧において出射する光L1の波長を変化させて光L1の検出強度がピークとなる波長を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。
[第5実施形態の光検査装置の構成]
次に、第5実施形態の光検査装置の構成について説明する。図19に示されるように、第5実施形態の光検査装置500は、光出射部520の構成において、第4実施形態の光検査装置500と相違している。
第5実施形態の光検査装置500において、光出射部520は、光源切替部527と、レンズ522と、光ファイバ524と、レンズ525と、を有している。光源切替部527は、複数のレーザ光源527a,527b,527cを切り替える。各レーザ光源527a,527b,527cは、互いに異なる波長のレーザ光を出射する。レーザ光源の数は、必要な波長に応じて適宜変更することができる。レンズ522は、光源切替部527から出力された光L1を光ファイバ524の光入射端に集光する。光ファイバ524は、レンズ522によって集光された光L1を導光する。レンズ525は、光ファイバ524によって導光された光L1を、基準線RL上において集光する。このように、光出射部520は、複数の波長の光L1を波長ごとに出射するように構成されている。第5実施形態の光検査装置500では、ミラー504が設けられておらず、光出射部520から出射された光L1は、ハーフミラー503を透過する。ハーフミラー503を透過した光L1は、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに基準線RLに沿って入射する。
第5実施形態の光検査装置500でも、第4実施形態の光検査装置500と同様に、光出射部520が複数の波長の光L1を波長ごとに出射するように構成されており、光検出部530が複数の波長の光L1に対して感度を有するように構成されている。したがって、出射する光L1の波長を変化させ、各波長においてファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させて光L1の検出強度がピークとなる電圧を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。或いは、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させ、各電圧において出射する光L1の波長を変化させて光L1の検出強度がピークとなる波長を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。
[電圧印加方法]
次に、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得するために実施される電圧印加方法について説明する。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態の光検査装置500のように、光出射部520が複数の波長の光L1を同時に出射するように構成されており、光検出部530が複数の波長の光L1を波長ごとに検出するように構成されている場合には、次のように、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得すると、スティッキング(第2ミラー部32が第1ミラー部31に接触して動かなくなる現象)の発生を防止することができる。
まず、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過させる予定の波長範囲(設計上の波長範囲)の下限値に基づいて、基準下限値を設定する。基準下限値は、設計上の波長範囲の下限値から所定の値を差し引いた値である。例えば所定の値を10nmとすると、設計上の波長範囲が1550nm~1850nmである場合には、基準下限値は1540nmになる。続いて、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを段階的に増加させる。なお、電圧の大きさを段階的に増加させると、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離は段階的に小さくなり、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過する光の波長は段階的に短くなる。
ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを段階的に増加させるに際しては、各電圧において毎回、光L1の検出強度がピークとなる波長(以下、「ピーク波長」という)を取得する。このとき、所定の電圧からは、その電圧において取得されたピーク波長を基準下限値と比較する。そして、ピーク波長が基準下限値をよりも短かったら、その時点で、電圧の大きさの段階的な増加を終了し、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係の取得を終了する。一方、ピーク波長が基準下限値よりも長かったら、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを一段階増加させ、その電圧において取得されたピーク波長を基準下限値と比較する。
つまり、複数の波長の光L1をファブリペロー干渉フィルタ部1Aに同時に入射させ、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過した光L1の波長を検出することで、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさと、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過する光の波長との関係を取得するときに、実施される電圧印加方法であって、当該電圧印加方法は、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過させる予定の波長範囲の下限値に基づいて、基準下限値を設定するステップと、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを段階的に増加させ、各電圧において毎回、ピーク波長を取得し、所定の電圧からは、その電圧において取得されたピーク波長を基準下限値と比較するステップと、ピーク波長が基準下限値をよりも短かったら、その時点で、電圧の大きさの段階的な増加を終了し、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係の取得を終了し、ピーク波長が基準下限値よりも長かったら、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを一段階増加させ、その電圧において取得されたピーク波長を基準下限値と比較するステップと、を備える。これにより、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得する際にスティッキングが発生するのを防止することができる。この電圧印加方法は、ウェハ100の状態にあるファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対してだけでなく、個々のファブリペロー干渉フィルタ1に対して実施してもよい。
また、第3実施形態、第4実施形態及び第5実施形態の光検査装置500のように、光出射部520が複数の波長の光L1を波長ごとに出射するように構成されており、光検出部530が複数の波長の光L1に対して感度を有するように構成されている場合には、次のように、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得すると、スティッキングの発生を防止することができる。
まず、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに入射させる光L1の波長を段階的に変化させる。それに際しては、各波長において、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを第1ピッチ(例えば100mV)で変化させて、光L1の検出強度がピークとなる電圧(以下、「第1ピーク電圧」という)を取得する。続いて、第1ピーク電圧を含む電圧範囲(例えば、第1ピーク電圧±200mVの電圧範囲)において、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを第1ピッチよりも小さい第2ピッチ(例えば5mV)で変化させて、光L1の検出強度がピークとなる電圧(以下、「第2ピーク電圧」という)を取得する。第1ピーク電圧を含む電圧範囲の設定は、±「第1ピッチの所定の倍数(例えば2倍)」としてもよいし、第1ピッチに拠らずに±「所定の値(例えば±200mV)」としてもよい。このように、第1ピーク電圧の取得、及びそれに基づく第2ピーク電圧の取得を、各波長において実施することで、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得する。
つまり、複数の波長の光L1をファブリペロー干渉フィルタ部1Aに波長ごとに入射させ、各波長において、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過した光L1の検出強度がピークとなる電圧を検出することで、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさと、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過する光の波長との関係を取得するときに、実施される電圧印加方法であって、当該電圧印加方法は、第1波長の光L1をファブリペロー干渉フィルタ部1Aに入射させ、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを第1ピッチで変化させて第1ピーク電圧を取得し、第1ピーク電圧を含む電圧範囲において、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを第1ピッチよりも小さい第2ピッチで変化させて第2ピーク電圧を取得するステップと、第1波長とは異なる第2波長の光L1をファブリペロー干渉フィルタ部1Aに入射させ、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを第1ピッチで変化させて第1ピーク電圧を取得し、第1ピーク電圧を含む電圧範囲において、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを第1ピッチよりも小さい第2ピッチで変化させて第2ピーク電圧を取得するステップと、を備える。これにより、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得する際にスティッキングが発生するのを防止することができる。この電圧印加方法は、ウェハ100の状態にあるファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対してだけでなく、個々のファブリペロー干渉フィルタ1に対して実施してもよい。
なお、各波長において、印加する電圧の大きさを第1ピッチで変化させるに際しては、第1ピーク電圧が検出されると予測される電圧範囲を予め設定しておき、その電圧範囲において、印加する電圧の大きさを第1ピッチで変化させてもよい。また、印加する電圧の大きさを第1ピッチで段階的に増加させるに際し、光L1の検出強度がピークとなる電圧が取得されたら、その電圧から所定の電圧範囲内で、第1ピッチでの段階的な電圧の増加を終了させるように、制限を設けてもよい。
[ウェハ支持部の変形例の構成]
次に、第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500に適用し得るウェハ支持部510の変形例の構成について説明する。図20の(a)に示されるウェハ支持部510は、ステージ511の開口513内に光透過部材515が配置されている点で、図15に示されるウェハ支持部510と相違している。図20の(b)に示されるウェハ支持部510は、ステージ511の第1表面511aに段差部514が形成されていない点、及びステージ511の開口513内に光透過部材515が配置されている点で、図15に示されるウェハ支持部510と相違している。光透過部材515は、光L1を透過する材料によって形成されており、ウェハ100の有効エリア101に接触している。具体的には、基準線RLに平行な方向から見た場合に、光透過部材515は、有効エリア101を含んでいる。光透過部材515は、基準線RLに沿って光L1を通過させる光通過領域512として機能する。つまり、ウェハ支持部510は、光通過領域512として光通過領域512として有していてもよい。
[ファブリペロー干渉フィルタの製造方法]
次に、ウェハ100からファブリペロー干渉フィルタ1を切り出す方法(ファブリペロー干渉フィルタ1の製造方法)について、図21及び図22を参照して説明する。図21及び図22において、(a)は、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対応する部分の断面図であり、(b)は、ダミーフィルタ部2Aに対応する部分の断面図である。
まず、図21に示されるように、保護層460上に(すなわち、第2表面110b側に)エキスパンドテープ60を貼り付ける。続いて、第2表面110b側にエキスパンドテープ60が貼り付けられた状態で、エキスパンドテープ60とは反対側からレーザ光Lを照射し、レーザ光Lの集光点を基板層110の内部に位置させつつ、レーザ光Lの集光点を各ライン5に沿って相対的に移動させる。つまり、エキスパンドテープ60とは反対側から、第1溝290において露出したポリシリコン層の表面を介して、基板層110にレーザ光Lを入射させる。
そして、このレーザ光Lの照射によって、各ライン5に沿って基板層110の内部に改質領域7を形成する。改質領域7は、密度、屈折率、機械的強度、その他の物理的特性が周囲とは異なる状態になった領域であって、基板層110の厚さ方向に伸展する亀裂の起点となる領域である。改質領域7としては、例えば、溶融処理領域(一旦溶融後再固化した領域、溶融状態中の領域及び溶融から再固化する状態中の領域のうち少なくとも何れか一つを意味する)、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等があり、これらが混在した領域もある。更に、改質領域7としては、基板層110の材料において改質領域7の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域、格子欠陥が形成された領域等がある。基板層110の材料が単結晶シリコンである場合、改質領域7は、高転位密度領域ともいえる。なお、各ライン5に対して基板層110の厚さ方向に配列される改質領域7の列数は、基板層110の厚さによって適宜調整される。
続いて、図22に示されるように、第2表面110b側に貼り付けられたエキスパンドテープ60を拡張させることで、基板層110の内部に形成された改質領域7から基板層110の厚さ方向に亀裂を伸展させ、各ライン5に沿って基板層110を複数の基板11に切断する。このとき、第1溝290において第2ミラー層240のポリシリコン層が各ライン5に沿って切断されると共に、第2溝470において反射防止層410及び保護層460が各ライン5に沿って切断される。これにより、エキスパンドテープ60上において互いに離間した状態にある複数のファブリペロー干渉フィルタ1及び複数のダミーフィルタ2を得る。
[光検出装置の構成]
次に、ファブリペロー干渉フィルタ1を備える光検出装置10の構成について説明する。図23に示されるように、光検出装置10は、パッケージ71を備えている。パッケージ71は、ステム72と、キャップ73と、を有するCANパッケージである。キャップ73は、側壁74及び天壁75によって一体的に構成されている。ステム72及びキャップ73は、金属材料によって形成されており、互いに気密に接合されている。金属材料によって形成されたパッケージ71において、側壁74の形状は、ライン9を中心線とする円筒状である。ステム72及び天壁75は、ライン9に平行な方向において互いに対向しており、側壁74の両端をそれぞれ塞いでいる。
ステム72の内面72aには、配線基板76が固定されている。配線基板76の基板材料としては、例えば、シリコン、セラミック、石英、ガラス、プラスチック等を用いることができる。配線基板76には、光検出器(光検出部)77、及びサーミスタ等の温度検出器(図示省略)が実装されている。光検出器77は、ライン9上に配置されている。より具体的には、光検出器77は、その受光部の中心線がライン9に一致するように配置されている。光検出器77は、例えば、InGaAs等が用いられた量子型センサ、サーモパイル又はボロメータ等が用いられた熱型センサ等の赤外線検出器である。紫外、可視、近赤外の各波長域の光を検出する場合には、光検出器77として、例えば、シリコンフォトダイオード等を用いることができる。なお、光検出器77には、1つの受光部が設けられていてもよいし、或いは、複数の受光部がアレイ状に設けられていてもよい。更に、複数の光検出器77が配線基板76に実装されていてもよい。温度検出器は、ファブリペロー干渉フィルタ1の温度変化検出できるように、例えばファブリペロー干渉フィルタ1に近接した位置に配置されてもよい。
配線基板76上には、複数のスペーサ78が固定されている。各スペーサ78の材料としては、例えば、シリコン、セラミック、石英、ガラス、プラスチック等を用いることができる。複数のスペーサ78上には、ファブリペロー干渉フィルタ1が例えば接着剤によって固定されている。ファブリペロー干渉フィルタ1は、ライン9上に配置されている。より具体的には、ファブリペロー干渉フィルタ1は、光透過領域1aの中心線がライン9に一致するように配置されている。なお、スペーサ78は、配線基板76に一体的に構成されていてもよい。また、ファブリペロー干渉フィルタ1は、複数のスペーサ78によってではなく、1つのスペーサ78によって支持されていてもよい。
ステム72には、複数のリードピン81が固定されている。より具体的には、各リードピン81は、ステム72との間の電気的な絶縁性及び気密性が維持された状態で、ステム72を貫通している。各リードピン81には、配線基板76に設けられた電極パッド、光検出器77の端子、温度検出器の端子、及びファブリペロー干渉フィルタ1の端子のそれぞれが、ワイヤ82によって電気的に接続されている。なお、光検出器77、温度検出器及びファブリペロー干渉フィルタ1は、配線基板76を介して各リードピン81に電気的に接続されていてもよい。例えば、それぞれの端子と配線基板76に設けられた電極パッドとが電気的に接続され、電極パッドと各リードピン81とがワイヤ82によって接続されていてもよい。これにより、光検出器77、温度検出器、及びファブリペロー干渉フィルタ1のそれぞれに対する電気信号の入出力等が可能である。
パッケージ71には、開口71aが形成されている。より具体的には、開口71aは、その中心線がライン9に一致するようにキャップ73の天壁75に形成されている。ライン9に平行な方向から見た場合に、開口71aの形状は、円形状である。天壁75の内面75aには、開口71aを塞ぐように光透過部材83が配置されている。光透過部材83は、天壁75の内面75aに気密接合されている。光透過部材83は、ライン9に平行な方向において互いに対向する光入射面83a及び光出射面(内面)83b、並びに側面83cを有している。光透過部材83の光入射面83aは、開口71aにおいて天壁75の外面と略面一となっている。光透過部材83の側面83cは、パッケージ71の側壁74の内面74aに接触している。つまり、光透過部材83は、開口71a内及び側壁74の内面74aに至っている。このような光透過部材83は、開口71aを下側にした状態でキャップ73の内側にガラスペレットを配置し、そのガラスペレットを溶融させることで、形成される。つまり、光透過部材83は、融着ガラスによって形成されている。
光透過部材83の光出射面83bには、接着部材85によって、バンドパスフィルタ84が固定されている。つまり、接着部材85は、天壁75の内面75aに接合された光透過部材83を介して、天壁75の内面75aに対してバンドパスフィルタ84を固定している。バンドパスフィルタ84は、光透過部材83を透過した光のうち、光検出装置10の測定波長範囲の光(所定の波長範囲の光であって、ファブリペロー干渉フィルタ1の光透過領域1aに入射させるべき光)を選択的に透過させる(すなわち、当該波長範囲の光のみを透過させる)。バンドパスフィルタ84の形状は、四角形板状である。より具体的には、バンドパスフィルタ84は、ライン9と平行な方向において互いに対向する光入射面84a及び光出射面84b、並びに4つの側面84cを有している。バンドパスフィルタ84は、光透過性材料(例えば、シリコン、ガラス等)によって四角形板状に形成された光透過部材の表面に、誘電体多層膜(例えば、TiO2、Ta2O5等の高屈折材料と、SiO2、MgF2等の低屈折材料との組合せからなる多層膜)が形成されたものである。
接着部材85は、バンドパスフィルタ84の光入射面84aの全領域に配置された第1部分85aを有している。つまり、第1部分85aは、接着部材85のうち、互いに対向する光透過部材83の光出射面83bとバンドパスフィルタ84の光入射面84aとの間に配置された部分である。更に、接着部材85は、ライン9に平行な方向から見た場合にバンドパスフィルタ84の外縁から外側に突出した第2部分85bを有している。第2部分85bは、側壁74の内面74aに至っており、側壁74の内面74aに接触している。また、第2部分85bは、バンドパスフィルタ84の側面84cに接触している。
以上のように構成された光検出装置10においては、外部から、開口71a、光透過部材83及び接着部材85を介して、光がバンドパスフィルタ84に入射すると、所定の波長範囲の光が選択的に透過させられる。バンドパスフィルタ84を透過した光がファブリペロー干渉フィルタ1の光透過領域1aに入射すると、所定の波長範囲の光のうち所定の波長の光が選択的に透過させられる。ファブリペロー干渉フィルタ1の光透過領域1aを透過した光は、光検出器77の受光部に入射して、光検出器77によって検出される。すなわち、光検出器77は、ファブリペロー干渉フィルタ1を透過した光を電気信号に変換して出力する。例えば、光検出器77は、受光部に入射される光の強度に応じた大きさの電気信号を出力する。
[光検査装置及び光検査方法による作用及び効果]
第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500では、複数のファブリペロー干渉フィルタ1になる複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、ウェハ100の状態で光透過特性の検査が実施される。したがって、第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500は、複数のファブリペロー干渉フィルタ1を効率良く且つ歩留まり良く得ることを可能にする。その理由は、次のとおりである。ファブリペロー干渉フィルタ1は、ウェハ100から切り出されて例えば光検出装置10にアッセンブリされるまでの各工程を経る間に、特性が変化し易い素子である。そのため、最終段階のアッセンブリの際にファブリペロー干渉フィルタ1の特性を検査する必要があると考えられる。しかし、ウェハ100の状態で良品であったファブリペロー干渉フィルタ部1Aは、その後に特性が変化しても、不良品のファブリペロー干渉フィルタ1にはなり難いことが、本発明者らによって見出された。そこで、ウェハ100の状態で各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの光透過特性を検査することで、ウェハ100の状態で不良品であったファブリペロー干渉フィルタ1が最終段階のアッセンブリに至るような無駄を初期段階で排除しつつ、良品のファブリペロー干渉フィルタ1が最終段階のアッセンブリに至る確率を向上させることができる。
しかも、第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500によれば、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの光透過特性を効率良く且つ精度良く検査することができる。その理由は、次のとおりである。ファブリペロー干渉フィルタ1では、透過する光の波長が入射角によって変化する。そのため、個々のファブリペロー干渉フィルタ1について光透過特性の検査を実施しようとすると、ファブリペロー干渉フィルタ1ごとに支持角度を調整する必要が生じる。ウェハ100の状態で各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの光透過特性を検査することで、そのような調整の負担を減少させることができる。また、ファブリペロー干渉フィルタ1では、透過する光の波長が温度等の環境条件によっても変化する。そのため、個々のファブリペロー干渉フィルタ1について光透過特性の検査を実施すると、検査結果の前提となる環境条件がファブリペロー干渉フィルタ1間で異なり易くなる。ウェハ100の状態で各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの光透過特性を検査することで、安定した環境条件で検査結果を得ることができる。
また、第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500では、ウェハ支持部510が、ウェハ100の有効エリア101に臨む開口513を、光通過領域512として有している。これにより、ウェハ支持部510の構成を簡易化しつつ、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対して、基準線RLに沿って光を透過させることができる。
また、第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500では、ウェハ支持部510が、ウェハ100の有効エリア101に接触する光透過部材515を、光通過領域512として有していてもよい。これにより、ウェハ100の反りを抑制しつつ、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100の各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに対して、基準線RLに沿って光を透過させることができる。
また、第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500は、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離が変化するように各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに電圧を印加する電圧印加部540を備えている。これにより、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。
また、第1実施形態及び第2実施形態の光検査装置500では、光出射部520が、複数の波長の光L1を同時に出射するように構成されており、光検出部530が、複数の波長の光L1を波長ごとに検出するように構成されている。これにより、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させ、各電圧において光L1の検出強度がピークとなる波長を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。
また、第3実施形態、第4実施形態及び第5実施形態の光検査装置500では、光出射部520が、複数の波長の光L1を波長ごとに出射するように構成されており、光検出部530が、複数の波長の光L1に対して感度を有するように構成されている。これにより、出射する光L1の波長を変化させ、各波長においてファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させて光L1の検出強度がピークとなる電圧を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。或いは、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに印加する電圧の大きさを変化させ、各電圧において出射する光L1の波長を変化させて光L1の検出強度がピークとなる波長を取得することで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。
また、第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500は、ウェハ支持部510によって支持されたウェハ100を撮像する撮像部550を備えている。これにより、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの座標情報を取得し、取得した座標情報に基づいて各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを基準線RL上に位置させることができる。
また、第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500において実施される光検査方法は、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離が静電気力によって変化する複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aが構成されたウェハ100を用意するステップと、対向方向に沿って各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに入射する光を出射させるステップと、対向方向に沿って各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過した光を検出するステップと、を備えている。この光検査方法は、上述した第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500と同様の理由により、複数のファブリペロー干渉フィルタ1を効率良く且つ歩留まり良く得ることを可能にする。
また、上述した光検査方法は、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離が変化するように各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに電圧を印加するステップを更に備えている。これにより、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて、印加する電圧の大きさと透過する光の波長との関係を取得することができる。
また、上述した光検査方法は、ウェハ100を撮像するステップを更に備えている。これにより、例えば基準線RLに沿って各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに光L1を入射させる場合に、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの座標情報を取得し、取得した座標情報に基づいて各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを基準線RL上に位置させることができる。
なお、ウェハ100では、複数のファブリペロー干渉フィルタ1になる複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aが有効エリア101に設けられている。その一方で、基板層110の外縁110cに沿い且つ有効エリア101を囲むダミーエリア102に複数のダミーフィルタ部2Aが設けられており、各ダミーフィルタ部2Aでは、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間に中間層23が設けられている。これにより、ウェハ100全体の強度が十分に確保される。そのため、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aについて上述した光検査方法を実施する際におけるウェハ100のハンドリングが容易になる。また、ウェハ100が反り難くなるため、ウェハ100の支持角度を過度に調整しなくても、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに適切な入射角で光L1を入射させることができる。更に、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの一対の端子15,16に一対のプローブ針543を確実に接触させることができる。
また、ウェハ100の製造方法では、複数のファブリペロー干渉フィルタ部1Aがウェハ100の状態のままで、各ファブリペロー干渉フィルタ部1Aにおいて空隙Sが形成される。これにより、空隙Sの形成が個々のチップレベルで実施される場合に比べ、極めて効率良く、第1ミラー部31と第2ミラー部32との間に空隙Sを形成することができる。しかも、有効エリア101では、二次元に配置された複数の除去予定部50に対して中間層230のエッチングが同時に実施される等、基板層110内の任意の基板11に対応する部分と、それを囲む周囲の基板11に対応する部分とで、同時にプロセスが進行するため、基板層110の面内での応力の偏りを少なくすることができる。よって、ウェハ100の製造方法によれば、品質の高いファブリペロー干渉フィルタ1を安定して量産することを可能にするウェハ100を得ることができる。
また、レーザ光Lの照射によって、各ライン5に沿って基板層110の内部に改質領域7を形成することで、各ライン5に沿ってウェハ100を切断することは、次の理由により、ファブリペロー干渉フィルタ1を製造する上で極めて有効である。すなわち、レーザ光Lを用いたウェハ100の切断では、水が不要であるため、空隙S上に浮いた第2ミラー部32が水圧によって破損したり、空隙S内に水が浸入してスティッキング(第2ミラー部32が第1ミラー部31に接触して動かなくなる現象)が発生したりすることがない。よって、レーザ光Lを用いたウェハ100の切断は、ファブリペロー干渉フィルタ1を製造する上で極めて有効である。
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。ウェハ100では、基板層110の厚さ方向から見た場合に、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aの外形とダミーフィルタ部2Aの外形とが同一でなくてもよい。また、ウェハ100から複数のファブリペロー干渉フィルタ1を切り出す際には、全てのダミーフィルタ部2Aを切り出さなくてもよい(つまり、全てのダミーフィルタ部2Aを個片化しなくてもよい)。また、ダミーエリア102の構成は、上述したものに限定されない。例えば、ダミーエリア102に対応する領域において、少なくとも第2ミラー部32が、環状に連続する第1溝290によって囲まれていなくてもよい(例えば、第1溝290が、ダミーエリア102に対応する領域を単に横切っていてもよい)し、デバイス層200に第1溝290が形成されていなくてもよい。また、ダミーエリア102に対応する領域において、デバイス層200の一部の層又はデバイス層200の全体が設けられていなくてもよい。つまり、本発明の検査対象となるウェハにおいてダミーエリアは必須の構成ではない。
第1実施形態~第5実施形態の光検査装置500、及び各光検査装置500において実施される光検査方法では、互いに対向する第1ミラー部31と第2ミラー部32との間の距離が変化するようにファブリペロー干渉フィルタ部1Aに電圧を印加し、その状態で、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過した光L1を検出したが、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aに電圧を印加しない状態で、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過した光L1を検出してもよい。その場合にも、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aを透過した光L1の検出結果に基づいて、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aにおいて第2ミラー部32が正常であるか否か等、ファブリペロー干渉フィルタ部1Aが良品であるか否かを判断することができる。
また、図21に示されるように、ウェハ100では、基板層110の内部に、第1溝290に対応するように改質領域7が形成されていてもよい。ここで、改質領域7が第1溝290に対応するとは、対向方向から見た場合に改質領域7が第1溝290と重なること意味し、特には、改質領域7が各ライン5に沿って形成されている状態を意味する。これにより、改質領域7から基板層110の厚さ方向に亀裂を伸展させて、ウェハ100から複数のファブリペロー干渉フィルタ1を容易に且つ精度良く切り出すことができる。この場合、基板層110の第2表面110b側にエキスパンドテープ60が貼り付けられていてもよい。このとき、ウェハ100に貼り付けられたエキスパンドテープ60の外縁部は、環状のフレームによって保持される。これにより、基板層110の内部に改質領域7が形成された状態であっても、ウェハ100を容易にハンドリングすることができる。なお、基板層110の内部に改質領域7が形成されたウェハ100では、改質領域7から不意に亀裂が伸展するおそれがある。ウェハ100では、ダミーエリア102のうち一対のエリア102aに、複数のダミーフィルタ部2A並びに第1溝290及び第2溝470が設けられていないため、亀裂の発生が抑制されると共に、仮に亀裂が進展したとしても亀裂の伸展が一対のエリア102aによって停止させられる。
また、図24に示されるように、第1ウェハ610と第2ウェハ620とが接合されることで構成されたウェハ600が検査対象とされてもよい。ウェハ600は、複数のファブリペロー干渉フィルタ部650Aを含んでいる。複数のファブリペロー干渉フィルタ部650Aは、第1ウェハ610及び第2ウェハ620のそれぞれに設定された各ライン5に沿ってウェハ600が切断されることで、複数のファブリペロー干渉フィルタ650になる予定の部分である。ウェハ600の厚さ方向から見た場合に、複数のファブリペロー干渉フィルタ部650Aは二次元に配置されている。
第1ウェハ610は、基板層611と、複数の第1ミラー部612と、複数の駆動電極613と、を備えている。基板層611は、互いに対向する表面611a及び表面611bを有している。基板層611は、光透過性材料によって形成されている。各第1ミラー部612は、例えば、金属膜、誘電体多層膜、又はそれらの複合膜である。各駆動電極613は、例えば金属材料によって形成されている。
第2ウェハ620は、基板層621と、複数の第2ミラー部622と、複数の駆動電極623と、を備えている。基板層621は、互いに対向する表面621a及び表面621bを有している。基板層621は、光透過性材料によって形成されている。各第2ミラー部622は、例えば、金属膜、誘電体多層膜、又はそれらの複合膜である。各駆動電極623は、例えば金属材料によって形成されている。
ウェハ600では、1つの第1ミラー部612、1つの駆動電極613、1つの第2ミラー部622及び1つの駆動電極623によって、1つのファブリペロー干渉フィルタ部650Aが構成されている。以下、1つのファブリペロー干渉フィルタ部650Aに着目して、ウェハ600の構成について説明する。
基板層611の表面611aには、凹部614が形成されている。凹部614の底面614aには、凸部615が設けられている。凸部615の高さは、凹部614の深さよりも小さい。つまり、凸部615の端面615aは、基板層611の表面611aに対して凹んだ状態にある。第1ミラー部612は、凸部615の端面615aに設けられている。駆動電極613は、凸部615を囲むように凹部614の底面614aに設けられている。駆動電極613は、例えば、基板層611に設けられた配線(図示省略)を介して、電極パッド(図示省略)と電気的に接続されている。当該電極パッドは、例えば、基板層611のうち外部からアクセス可能な領域に設けられている。
基板層621の表面621bは、例えばプラズマ重合膜等によって、基板層611の表面611aと接合されている。基板層621の表面621bには、第2ミラー部622及び駆動電極623が設けられている。第2ミラー部622は、空隙Sを介して第1ミラー部612と対向している。駆動電極623は、第2ミラー部622を囲むように基板層621の表面621bに設けられており、空隙Sを介して駆動電極613と対向している。駆動電極623は、例えば、基板層621に設けられた配線(図示省略)を介して、電極パッド(図示省略)と電気的に接続されている。当該電極パッドは、例えば、基板層621のうち外部からアクセス可能な領域に設けられている。
基板層621の表面621aには、ウェハ600の厚さ方向から見た場合に、第2ミラー部622及び駆動電極623を囲むように溝621cが形成されている。溝621cは、円環状に延在している。基板層621のうち溝621cに囲まれた部分は、溝621cが形成された部分をダイヤフラム状の保持部621dとして、ウェハ600の厚さ方向に変位可能である。なお、ダイヤフラム状の保持部621dは、ウェハ600の厚さ方向から見た場合に第2ミラー部622及び駆動電極623を囲む溝が、基板層621の表面621a及び表面621bの少なくとも一方に形成されることで、構成されていてもよい。また、ウェハ600の厚さ方向から見た場合に第1ミラー部612及び駆動電極613を囲む溝が、基板層611に形成されることで、基板層611においてダイヤフラム状の保持部が構成されていてもよい。また、ダイヤフラム状の保持部に代えて、放射状に配置された複数の梁によって保持部が構成されていてもよい。
以上のように各ファブリペロー干渉フィルタ部650Aが構成されたウェハ600では、各ファブリペロー干渉フィルタ部650Aにおいて、駆動電極613と駆動電極623との間に電圧が印加されると、当該電圧に応じた静電気力が駆動電極613と駆動電極623との間に発生する。当該静電気力によって、基板層621のうち溝621cに囲まれた部分が基板層611側に引き付けられ、第1ミラー部612と第2ミラー部622との間の距離が調整される。これにより、第1ミラー部612と第2ミラー部622との間の距離に応じた波長を有する光が透過する。本発明において検査対象となるウェハ(100,600)は、基板層(110,611)と、基板層(110,611)上に二次元に配置された複数対の第1ミラー部(31,612)及び第2ミラー部(32,622)と、を備え、互いに対向する第1ミラー部(31,612)と第2ミラー部(32,622)との間に空隙Sが形成されることで、互いに対向する第1ミラー部(31,612)と第2ミラー部(32,622)との間の距離が静電気力によって変化する複数のファブリペロー干渉フィルタ部(1A,650A)が構成されていればよい。