以下、本発明の保全時期演算装置、及び、保全時期演算プログラムを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態>
図1は、保全時期演算システム300を示す図である。保全時期演算システム300は、保全時期演算装置100と通信端末200とを含む。保全時期演算装置100と通信端末200は、ネットワーク50を介してデータ通信が可能である。ネットワーク50は、一例として、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、又は公衆通信網等である。
通信端末200は、一例として、プラント等に配備される設備10に取り付けられている。設備10は、プラント等に配備される様々な機械、ロボット、電子機器、光ファイバ等の通信機器、センサ等のあらゆるものであってよい。
通信端末200は、設備10の利用実績データをネットワーク50を介して保全時期演算装置100に送信する。通信端末200は、利用実績データを含む稼働実績等の動作ログを設備10から取得して、ネットワーク50を介して保全時期演算装置100に送信できる端末装置であればよい。
利用実績データは、通信端末200が利用実績データを保全時期演算装置100に送信する日付、通信端末200のID(Identifier)、設備10の利用時間の実績値を含む。通信端末200のIDは、各通信端末200の固有の識別子である。1つの設備10には1つの通信端末200が取り付けられるため、通信端末200のIDは各設備10の識別にも利用可能である。
設備10の利用時間とは、設備10が利用される(設備10が稼働する)時間である。利用時間の実績値とは、過去の所定時(所定日)からの設備10が利用された時間であり、保全時期演算装置100が保全時期の演算処理を行う時点よりも過去に設備10が利用された時間の実績値を表す。
ここで、設備10の保全とは、設備10の点検又は交換等を行うことをいい、メンテナンスとして捉えることもできる。点検では設備10の一部の部品等の修理又は交換を行う場合がある。また、設備10自体を丸ごと交換する場合もある。また、一例として利用時間の実績値は、1日毎の利用時間を時間単位で表す。
なお、設備10が利用実績データを収集する機能を有し、定期的に通信端末200に出力する形態であってもよい。
図2は、保全時期演算装置100を実現するコンピュータシステム20の斜視図である。図2に示すコンピュータシステム20は、本体部21、ディスプレイ22、キーボード23、マウス24、及びモデム25を含む。
本体部21は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)、及びディスクドライブ等を内蔵する。ディスプレイ22は、本体部21からの指示により画面22A上に処理結果等を表示する。ディスプレイ22は、例えば、液晶モニタであればよい。キーボード23は、コンピュータシステム20に種々の情報を入力するための入力部である。マウス24は、ディスプレイ22の画面22A上の任意の位置を指定する入力部である。モデム25は、外部のデータベース等にアクセスして他のコンピュータシステムに記憶されているプログラム等をダウンロードする。
コンピュータシステム20に保全時期演算装置100としての機能を持たせる保全時期演算プログラムは、ディスク27等の可搬型記録媒体に格納されるか、モデム25等の通信装置を使って他のコンピュータシステムの記録媒体26からダウンロードされ、コンピュータシステム20に入力されてコンパイルされる。
コンピュータシステム20に保全時期演算装置100としての機能を持たせる保全時期演算プログラムは、コンピュータシステム20を保全時期演算装置100として動作させる。この保全時期演算プログラムは、例えばディスク27等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ディスク27、ICカードメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体に限定されるものではない。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、モデム25又はLAN等の通信装置を介して接続されるコンピュータシステムでアクセス可能な各種記録媒体を含む。
図3は、コンピュータシステム20の本体部21内の要部の構成を説明するブロック図である。本体部21は、バス30によって接続されたCPU31、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等を含むメモリ部32、ディスク27用のディスクドライブ33、及びハードディスクドライブ(HDD)34を含む。
なお、コンピュータシステム20は、図2及び図3に示す構成のものに限定されず、各種周知の要素を付加してもよく、又は代替的に用いてもよい。
図4は、保全時期演算装置100の構成を示す図である。保全時期演算装置100は、制御装置110及び通信部120を有する。
制御装置110は、主制御部111、データ管理部112、モデル作成部113、暫定保全日受付部114、総利用時間計算部115、非故障率導出部116、保全日計算部117、及びメモリ118を有する。制御装置110は、図2に示すコンピュータシステム20の本体部21によって実現される。
主制御部111、データ管理部112、モデル作成部113、暫定保全日受付部114、総利用時間計算部115、非故障率導出部116、保全日計算部117は、制御装置110が実行するプログラムの機能(ファンクション)を機能ブロックとして示したものである。また、メモリ118は、制御装置110のメモリを機能的に表したものである。
主制御部111は、制御装置110の処理を統括する処理部であり、データ管理部112、モデル作成部113、暫定保全日受付部114、総利用時間計算部115、非故障率導出部116、保全日計算部117が実行する処理以外の処理を実行する。
データ管理部112は、設備10の通信端末200から送信される利用実績データと、利用予定データとをメモリ118に格納する。また、データ管理部112は、メモリ118に格納されている利用予定データと利用実績データを読み出す。
利用予定データは、過去及び今後の設備10の利用予定時間と、設備10に取り付けられる通信端末200のIDとを含む。設備10の利用予定時間は、設備10を利用する前に設備10の利用者が計画する(予定する)設備10の利用時間を表す。
ここで、過去とは、保全時期演算装置100が保全時期の演算処理を行う時点よりも過去であることをいい、今後とは、保全時期演算装置100が保全時期の演算処理を行う時点よりも後(将来)であることをいう。このため、利用予定データは、保全時期演算装置100が保全時期の演算処理を行う時点を基準として、過去のものと今後のものとに区分される。
過去の設備10の利用予定時間とは、利用者が過去に計画した過去の所定時からの設備10の利用予定時間であり、今後の設備10の利用予定時間とは、保全時期演算装置100が保全時期の演算処理を行う時点よりも前(過去)に利用者が計画した、保全時期演算装置100が保全時期の演算処理を行う時点よりも後(将来)の設備10の利用予定時間である。
利用予定データは、例えば、利用時間の実績値の平均値、又は、利用時間の実績値が示す傾向から予測される時間(予測時間)に設定することができる。このような平均値又は予測時間は、例えば、データ管理部112が計算してメモリ118に格納すればよい。
また、利用予定データは、キーボード23又はマウス24(図2参照)を介して利用者によって入力されるか、又は、利用者のPC(Personal Computer)等からネットワーク50を介して保全時期演算装置100に入力され、データ管理部112がメモリ118に格納してもよい。
利用実績データに含まれる日付、通信端末200のID、及び利用時間の実績値と、利用予定データに含まれる利用予定時間及び通信端末200のIDは、データ管理部112によって収集され、互いに関連付けられてメモリ118に格納される。データ管理部112は、データ収集部の一例である。
モデル作成部113は、過去の所定時からの設備10の利用時間の実績値と、過去に計画した過去の所定時からの設備10の利用予定時間との差分を求め、求めた差分の確率分布を近似する予実時間差モデルを作成する。
暫定保全日受付部114は、利用者から入力される暫定保全日を受け付け、メモリ118に格納する。暫定保全日は、暫定保全時期の一例である。利用者は、キーボード23又はマウス24(図2参照)を操作して暫定保全日を入力する。ここで、暫定保全日は、利用者が過去の実績又は経験等に基づいて判断して暫定的に決める保全日(保全の候補日)である。暫定保全日は、総利用時間を計算する際に目安として利用される。暫定保全日は、暫定保全時期の一例である。
総利用時間計算部115は、メモリ118から設備10の今後の利用予定時間を読み出し、読み出した今後の利用予定時間と、モデル作成部113によって作成される予実時間差モデルとを用いて、暫定保全日受付部114によって受け付けられた設備10の暫定保全日までの総利用時間の複数の標本値を計算する。
非故障率導出部116は、総利用時間計算部115によって計算される総利用時間の複数の標本値と、設備10の非故障率の時間変化を表す非故障率モデルとに基づき、総利用時間の経過時における設備10の非故障率の確率分布を求める。ここで、非故障率とは、設備10が故障しない確率である。
非故障率モデルは、一例として設備10の非故障率をワイブル分布で表すモデルであり、数式で表される。非故障率モデルを表す数式に総利用時間の複数の標本値を代入することによって、複数の非故障率を求めることができる。複数の非故障率は、非故障率の確率分布を表す。総利用時間の複数の標本値から標本値と同一数の非故障率が導出される。
保全日計算部117は、非故障率導出部116によって導出される非故障率の確率分布と、利用者によって入力される条件とに基づき、設備10の保全日を計算する。保全日計算部117は、保全時期計算部の一例である。保全日は、保全時期の一例であり、設備10の保全を行う日である。
保全日計算部117によって計算される保全日は、予実時間差モデルと、設備10の今後の利用予定時間とから求まる総利用時間を非故障率モデルに代入することによって導出される非故障率の確率分布とに基づいて決定される保全日である。
保全日計算部117によって計算される保全日は、予実時間差モデルと、予実時間差モデルを用いて計算される総利用時間の複数の標本値と、総利用時間の複数の標本値から導出される非故障率の確率分布とを用いて、利用者によって指定されるリスク許容条件を満たす最も遅い(先の)暫定保全日として求められる。このため、設備10の寿命を考慮して可能な限り、設備10の保全時期を遅らせることができる。
このように、設備10の寿命を考慮して可能な限り設備10の保全(点検又は交換)を行う時期を遅らせることができれば、設備10を寿命の直前まで有効活用することができ、設備10の交換回数を低減でき、点検又は交換等の作業の回数を低減することにより、コストの低減と故障リスクの軽減を図ることができる。
例えば、同一種類の複数の設備10を過去の平均寿命又は故障が生じる時期の最頻値等に基づいて点検又は交換するような場合には、すべての設備10を一括して取り扱うことになり、まだ寿命が十分にある設備10まで交換される場合がある。
また、複数種類の設備10を過去の平均寿命又は故障が生じる時期の最頻値等に基づいて点検又は交換するような場合においても、すべての設備10を一括して取り扱うことになり、まだ寿命が十分にある設備10まで交換される場合がある。
これらの場合に比べて、可能な限り設備10の保全時期を遅らせることができれば、コストの低減と故障リスクの軽減を図ることができる。
メモリ118は、主制御部111、データ管理部112、モデル作成部113、暫定保全日受付部114、総利用時間計算部115、非故障率導出部116、及び保全日計算部117が処理を実行する際に用いるプログラム及びデータ等を格納する。
通信部120は、ネットワーク50に接続するモデム等である。
図5は、保全時期演算装置100の制御装置110が実行する処理を示す図である。図5には、制御装置110が実行する処理の全体像を表す概略的なフローを示す。前提条件として、利用実績データ及び利用予定データは、データ管理部112によってメモリ118に格納されていることとする。
制御装置110は、処理がスタートすると、利用実績データ及び利用予定データをメモリ118から読み出す(ステップS1)。具体的には、ステップS1の処理はデータ管理部112によって行われる。
制御装置110は、予実時間差モデルを作成する(ステップS2)。具体的には、ステップS2の処理はモデル作成部113によって行われる。
制御装置110は、暫定保全日の入力を受け付ける(ステップS3)。具体的には、ステップS3の処理は暫定保全日受付部114によって行われる。
制御装置110は、総利用時間の複数の標本値を計算する(ステップS4)。具体的には、ステップS4の処理は総利用時間計算部115によって行われる。
制御装置110は、総利用時間の経過時における設備10の非故障率の確率分布を求める(ステップS5)。具体的には、ステップS5の処理は非故障率導出部116によって行われる。
制御装置110は、設備10の保全日を計算する(ステップS6)。具体的には、ステップS6の処理は保全日計算部117によって行われる。
以上で制御装置110による一連の処理が終了する(エンド)。
図6は、データ管理部112によって収集されるデータを示す図である。図6には、日付、ID、利用時間の実績値、及び利用予定時間を示す。日付、ID、及び利用時間の実績値は、利用実績データに含まれるデータであり、利用予定時間及びIDは、利用予定データに含まれるデータである。
日付は通信端末200が利用実績データを保全時期演算装置100に送信する日付であり、IDは通信端末200のIDである。また、図6に示す利用予定時間は、利用時間の実績値に関連付けられており、過去の利用予定データに含まれる利用予定時間である。なお、利用時間の実績値が空欄になっているところは、設備10の利用実績がない(設備10が利用されなかった)ことを表す。
データ管理部112によって利用実績データと利用予定データとがメモリ118に格納され、図6に示すように、利用時間の実績値と、過去の利用予定データに含まれる利用予定時間とが、日付及びIDと関連付けられる。
図7は、データ管理部112によって収集されるデータに利用時間の実績値と過去の利用予定時間との差分を加えたデータを示す図である。図7では、最右列に差分の項目を設け、過去の利用予定時間から利用時間の実績値を減算して得る差分を示す。このような差分は、モデル作成部113によって求められる。
次に、図8及び図9を用いて、図5のステップS2の処理(予実時間差モデルを作成する処理)について説明する。
図8は、差分の確率分布と予実時間差モデルを示す図である。図8では、横軸は差分[時間/日]を表し、縦軸は確率を表す。図8において、ヒストグラムは、過去の利用予定時間から利用時間の実績値を減算した差分の確率分布を示し、曲線は、予実時間差モデルの数式が示す曲線である。曲線はヒストグラムにフィットしている。
モデル作成部113は、例えば、次式(1)を用いて差分の確率分布を正規分布で近似する予実時間差モデルE(x;μ,σ)を作成する。
式(1)において、xは確率変数であり、μは差分の平均値であり、σは差分の標準偏差である。平均値μと標準偏差σを決定するには、正規分布の最尤推定を行えばよい。
すべての差分をe={e1,・・・,en}と表すと、平均値μと標準偏差σは、それぞれ、式(2)、(3)で表される。なお、nは2以上の整数である。
以上のようにして、モデル作成部113は、過去の所定時からの設備10の利用時間の実績値と、過去に計画した過去の所定時からの設備10の利用予定時間との差分e={e1,・・・,en}を求め、差分e={e1,・・・,en}の確率分布を近似する予実時間差モデルE(x;μ,σ)を作成する。なお、過去の所定時は、図6における2015-08-29(西暦2015年08月29日)における設備10の利用開始時である。
図9は、差分の確率分布と予実時間差モデルを示す図である。図9では、横軸は差分[時間/日]を表し、縦軸は確率を表す。図8では、1つのピークを有する(単峰性を有する)正規分布で近似する予実時間差モデルE(x;μ,σ)について説明したが、図9に示すように差分の確率分布が複数のピークを有する場合には、次のようにすればよい。
このような場合には、例えば、次式(4)で表されるように、混合正規分布で予実時間差モデルE(x;θ)を作成すればよい。混合正規分布では、1つの分布が複数の正規分布の重み付け線形和で表現される。
ただし、パラメータθは、次式(5)で表される。
式(5)に含まれるπ1,・・・,πkは、複数の正規分布の重みである。これらの重みを含むパラメータθは、例えばEMアルゴリズムを利用して、差分の確率分布にフィットするように最適な値に設定すればよい。
ここで、図8に示す単峰性を有する正規分布で近似する予実時間差モデルE(x;μ,σ)を用いる場合と、図9に示す混合正規分布で近似する予実時間差モデルE(x;θ)を用いる場合とで以降の処理に変わりはない。
このため、以下では図8に示す単峰性を有する正規分布で近似する予実時間差モデルE(x;μ,σ)を用いて説明する。
次に、図10を用いて、図5のステップS4の処理(総利用時間の複数の標本値を計算する処理)について説明する。
図10は、図5のステップS4の具体的な処理を表すフローチャートを示す図である。ここで、総利用時間計算部115が処理を実行する日付から、図5のステップS3で入力が受け付けられる暫定保全日までの残り日数をNd(日)とする。また、総利用時間の標本値の数をNとする。Ndは2以上の整数であり、Nも2以上の整数である。
データ管理部112は、処理を開始すると(スタート)、メモリ118に格納されている利用予定データから今後のNd日分の利用予定時間t={t1,・・・,tNd}を読み出す(ステップS41)。
総利用時間計算部115は、値jを1に設定する(ステップS42)。値jは、ステップS43からS46の処理を繰り返しながらN個の総利用時間の標本値を1個ずつ計算する際のj番目の総利用時間の標本値であることを表す値である。jは1以上の整数である。
総利用時間計算部115は、予実時間差モデルを用いて、今後のNd日分の差分e={e1,・・・,eNd}を生成する(ステップS43)。ここでは、今後のNd日分の差分eは、予実時間差モデルが表す確率分布に従う乱数として生成される。このため、ステップS43からS46の処理を繰り返しながらステップS43をN回行うと、今後のNd日分の差分eとしてN個の乱数が生成されることになる。
また、ステップS43において今後のNd日分の差分eを求めるのに過去の実績から求めた予実時間差モデルを用いるのは、今後生じる差分eも予実時間差モデルに従うとの考えに基づくものである。
総利用時間計算部115は、今後のNd日分の利用予定時間t={t1,・・・,tNd}と、今後のNd日分の差分e={e1,・・・,eNd}とを用いて、暫定保全日までの設備10の総利用時間の複数の標本値を計算する(ステップS44)。
j番目の総利用時間の標本値Ttjは、次式(6)で計算することができる。
式(6)の右辺の第1項はNd日分の利用予定時間の合計(総和)を表し、右辺の第2項はNd日分の差分eの合計(総和)を表す。総利用時間は、Nd日分の利用予定時間の合計と、Nd日分の差分eの合計との和で与えられる。
総利用時間計算部115は、値jがNより小さいかどうかを判定する(ステップS45)。
総利用時間計算部115は、値jがNより小さい(S45:YES)と判定すると、値jをインクリメント(j+1)する(ステップS46)。
総利用時間計算部115は、ステップS46の処理を終えるとフローをステップS43にリターンさせる。総利用時間の標本値の数(値j)がNに到達するまでステップS43及びS44の処理を繰り返すことで、N個の総利用時間の標本値を得るためである。
また、総利用時間計算部115は、値jがNより小さくない(S45:NO)と判定すると、一連の処理を終える(エンド)。この結果、N個の総利用時間の標本値Tt={Tt1,・・・,TtN}が得られる。
図11は、N個の総利用時間の標本値の確率分布を示す図である。図11では、横軸は総利用時間[時間]を表し、縦軸は確率を表す。図11では、一例として、総利用時間を1750時間~1775時間、1775時間~1800時間、・・・、1925時間~1950時間、1950時間~1975時間の9つの区間に区分した場合の確率分布をヒストグラムで示す。このような総利用時間の確率分布を求める場合は、総利用時間計算部115が計算すればよい。なお、このような総利用時間の確率分布を求めなくても、N個の総利用時間の標本値Tt={Tt1,・・・,TtN}が得られていればよい。
次に、図12,図13、及び式(7)を用いて、図5のステップS5における具体的な処理について説明する。
図12は、非故障率モデルを示す図である。図12では、横軸は利用時間[時間]を表し、縦軸は非故障率を表す。非故障率モデルは、時間Tの経過後に設備10が故障していない確率(非故障率)を出力するモデルであり、一例としてワイブル分布で表される。図12には、一例として、ワイブル係数mが3、尺度パラメータηが100の非故障率モデルを示す。
非故障率を求める式S(T)は、次式(7)で表すことができる。
時間TにN個の総利用時間の標本値Tt={Tt1,・・・,TtN}を代入すれば、N個の非故障率を導出することができる。すなわち、式(7)は、N個の総利用時間の標本値Tt={Tt1,・・・,TtN}をN個の非故障率に変換する変換式である。
図13は、図5のステップS5の具体的な処理を表すフローチャートを示す図である。
非故障率導出部116は、処理を開始すると(スタート)、値jを1に設定する(ステップS51)。値jは、図13に示す処理では、ステップS52からS54の処理を繰り返しながらN個の非故障率を1個ずつ計算する際のj番目の総利用時間の標本値Ttjであることを表す値である。
非故障率導出部116は、j番目の総利用時間の標本値Ttjを非故障率を求める式S(T)の時間Tに代入してj番目の非故障率Sjを求める(ステップS52)。
非故障率導出部116は、値jがNより小さいかどうかを判定する(ステップS53)。
非故障率導出部116は、値jがNより小さい(S53:YES)と判定すると、値jをインクリメント(j+1)する(ステップS54)。非故障率導出部116は、ステップS54の処理を終えると、フローをステップS52にリターンさせる。
非故障率導出部116は、値jがNより小さくない(S53:NO)と判定すると、一連の処理を終了する(エンド)。この結果、N個の非故障率S={S1,・・・,SN}の確率分布が得られる。
図14は、非故障率導出部116によって導出される非故障率の確率分布を示す図である。図14では、横軸は非故障率を表し、縦軸は確率を表す。図14に示すヒストグラムは、暫定候補日の終了時における設備10の非故障率の確率分布を示す。非故障率は、約0.991をピークとする分布になっている。
このような非故障率の確率分布は、利用者が保全日を決定する際の判断材料になるものである。すなわち、保全時期演算装置100は、利用者が保全日を決定する際の判断材料を提供可能である。
次に、図5のステップS6における具体的な処理について説明する。ステップS6では、制御装置110の保全日計算部117は、設備10の保全日を計算する。
保全日計算部117は、利用者によって指定されるリスク許容条件を満たす最も遅い日を数値探索によって決定し、保全日として出力する。リスク許容条件とは、保全日において設備10に故障が生じることを許容する条件であり、ここでは一例として、保全日における設備10の非故障率の確率分布において、確率が0.99(99%)以上になる割合が99%以上であることとする。99%以上とは、非故障率の確率分布において、確率が0.99以上の標本数(標本値の数)が、すべての標本数の99%以上であることをいう。
ここで、次のような目的関数f(a)を定義する。
f(a)=as-a
上式において、aは暫定保全日であり、asは利用時間の複数の実績値のうちのいずれか1つの値である。目的関数f(a)では、利用時間の実績値asと、利用時間の複数の実績値aとの差分が得られればよいため、利用時間の複数の実績値のうちのいずれか1つをasとして用いる。
また、リスク許容条件は次のように表すことができる。
Rs-100×R(a)≦0
Rsは、リスク許容条件において利用者が指定した割合(%)であり、ここでは99である。また、R(a)は、暫定保全日をaとした場合に式S(T)(式(7)参照)で得られるN個の非故障率のうち、確率が0.99(99%)以上になる標本数の割合である。
保全日における設備10の非故障率の確率分布において、確率が0.99(99%)以上になる割合が99%以上になる暫定保全日aを決定することは、目的関数f(a)を最小化する暫定保全日aを決定する制約付き最適化問題を解くことである。制約は、リスク許容条件であるRs-100×R(a)≦0が成立することである。
ここで、定数λ(>0)を用いて、目的関数f(a)を最小化する暫定保全日aを決定する制約付き最適化問題を、目的関数g(a)を最小化する保全日を求める制約なし最小化問題として定義する。目的関数g(a)は次のように表すことができる。
g(a)=(as-a)+λ×max(Rs-100×R(a),0)
ここで、max(Rs-100×R(a),0)は、Rs-100×R(a)又は0のうち大きい方の値をとる関数である。
目的関数g(a)の右辺の第2項は、制約を満たすときは0、満たさないときは0よりも大きな値をとる。λが0よりも十分に大きい場合に、目的関数g(a)を最小化する暫定保全日aのときには右辺の第2項は0になる。すなわち、制約を満たすことが期待される。
制約を満たすことができる適切なλを決定し、その上で制約なし最小化問題の目的関数g(a)の解として暫定保全日aを計算すれば、計算される暫定保全日aは、制約つき最小化問題の目的関数f(a)の解(最終的に求める保全日)と同一になる。
制約なし最小化問題は、準ニュートン法等の手法で解を求めることができる。
図15は、最小化問題の目的関数g(a)の解を求める処理を示す図である。図15に示す処理は、図5のステップS6の具体的な処理である。
保全日計算部117は、処理を開始すると(スタート)、最良暫定保全日apを-1に設定し、定数λを1に設定する(ステップS61)。最良暫定保全日apとは、図15の処理を繰り返し行う中で得られる最良の(最長の)暫定保全日である。
保全日計算部117は、準ニュートン法で目的関数g(a)を最小化する暫定保全日aを求める(ステップS62)。
保全日計算部117は、制約を満たしているかどうかを判定する(ステップS63)。具体的には、保全日計算部117は、リスク許容条件であるRs-100×R(a)≦0が成立するかどうかを判定する。
保全日計算部117は、制約を満たしている(S63:YES)と判定すると、求めた暫定保全日aが最良暫定保全日apに対して変化しているかどうかを判定する(ステップS64)。具体的には、最良暫定保全日apから暫定保全日aを減算した差分の絶対値が所定値ε未満であるかどうかを判定する。すなわち、|ap-a|<εが成立するかどうかを判定する。なお、所定値εは所定の正の値であればよく、例えば1であればよい。所定値εは、利用者が任意に設定してもよい。
保全日計算部117は、暫定保全日aが最良暫定保全日apに対して変化していない(S64:NO)と判定すると、暫定保全日aが最良暫定保全日apよりも大きければ(ap<aであれば)、最良暫定保全日apをステップS62で求めた暫定保全日aに更新する(ステップS65)。すなわち、ap=aとなる。これにより、最良暫定保全日apは、より長い(より良い)暫定保全日aに更新される。
保全日計算部117は、定数λを更新する(ステップS66)。具体的には、定数λにΔλを加算することにより、λ=λ+Δλとする。Δλは目的関数g(a)を最小化する暫定保全日aを求める条件を変えるために定数λに加算される。Δλは、例えばλの5%から10%程度の値に設定すればよい。
保全日計算部117は、ステップS66の処理を終えるとフローをステップS62にリターンする。定数λを更新した条件下で目的関数g(a)を最小化する暫定保全日aを求めるためである。
保全日計算部117は、ステップS64において、暫定保全日aが最良暫定保全日apに対して変化している(S64:YES)と判定すると、暫定保全日aと最良暫定保全日apとのうちの大きい方を保全日として決定する(ステップS67)。
以上により、目的関数g(a)を最小化する解としての保全日が求まる。ステップS65の処理は、最良暫定保全日apよりも(時期が)遅い暫定保全日aに更新する処理であり、ステップS65の処理を繰り返すことにより、リスク許容条件を満たす最も遅い暫定保全日aを保全日として求めることになる。
なお、保全日計算部117は、ステップS63において、制約を満たしていない(S63:NO)と判定すると、フローをステップS66に進行させる。定数λを更新した上で目的関数g(a)を最小化する暫定保全日aを求める処理を行うためである。
なお、以上では、保全時期演算装置100が保全日を求める形態について説明したが、保全時期演算装置100は保全日を求めずに、非故障率の確率分布を利用者に提示するものであってもよい。非故障率の確率分布の提示は、ディスプレイ22(図2参照)への表示等によって行えばよい。この場合には、保全時期演算装置100が利用者に対して保全時期を決めるための判断材料を提供することにより、利用者が非故障率の確率分布から保全日を決定してもよい。
以上のように、実施の形態によれば、過去の利用予定時間から利用時間の実績値を減算した差分の確率分布を近似した予実時間差モデルと、今後の利用予定時間とから複数の総利用時間の標本値を求め、複数の総利用時間の標本値を非故障率モデルに代入して非故障率の確率分布を求める。
このため、過去の利用予定時間と利用時間の実績値との差分の確率分布を利用して、今後生じうる非故障率の確率分布を求めることができる。このような今後生じうる非故障率の確率分布は、保全日を決定する際における最適な判断材料である。
したがって、保全時期を決めるための判断材料を提供可能な保全時期演算装置100、及び、保全時期演算プログラムを提供することができる。
また、実施の形態によれば、非故障率の確率分布からリスク許容条件を満たす、最も遅い日を保全日に決定する。このような過去の実績から求まる保全日は、統計的な手法で設備10の寿命を考慮して得られる最適値である。
したがって、設備10の寿命を考慮して可能な限り遅らせた保全日を演算できる保全時期演算装置100、及び、保全時期演算プログラムを提供することができる。このため、可能な限り設備10の保全時期を遅らせることができ、コストの低減と故障リスクの軽減を図ることができる。
なお、以上では、暫定保全日を用いて日単位で保全日を求める形態について説明したが、週単位又は月単位で、暫定保全週又は暫定保全月を用いて保全週又は保全月を求めてもよい。保全時期演算装置100によって保全週が求められた場合には、例えば、保全週の利用日のうちの1日目に保全を行えばよい。保全時期演算装置100によって保全月が求められた場合には、例えば、保全月の利用日のうちの1日目に保全を行えばよい。
<第1変形例>
第1変形例では、式(7)を用いて非故障率を求める変わりに、利用時間T1,・・・,TLと非故障率S1,・・・,SLとを組にした離散値dの配列を用いて非故障率を求める。離散値dの配列は、次のように表すことができる。なお、Lは2以上の整数である。
d={(T1,S1),・・・(TL,SL)}
図16は、離散値dの配列を示す図である。図16では、横軸は利用時間[時間]を表し、縦軸は非故障率Sを表す。このような離散値dの配列を用いて、総利用時間に対応する非故障率Sを求め、求めた非故障率Sを用いて、保全日を決定すればよい。
<第2変形例>
図17は、第2変形例の保全時期演算装置100Aの構成を示す図である。保全時期演算装置100Aは、制御装置110A及び通信部120を有する。ここでは、実施の形態の保全時期演算装置100と同様の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
制御装置110Aは、主制御部111、データ管理部112、モデル作成部113、暫定保全日受付部114、暫定保全日導出部114A、総利用時間計算部115、非故障率導出部116、保全日計算部117、及びメモリ118を有する。制御装置110Aは、図4に示す制御装置110に暫定保全日導出部114Aを追加した構成を有し、図2に示すコンピュータシステム20の本体部21によって実現される。
暫定保全日導出部114Aは、予め決められている設備10の総利用時間の最大値Taを用いて、最大値Taへの複数の到達日数を求め、複数の到達日数のうち、ある到達日数よりも短い到達日数の標本数のすべての標本値に対する割合が所定割合以下になる最大の到達日数を暫定保全日として導出する。所定割合は、利用者によって設定される割合である。なお、総利用時間の最大値Taは、一例として、設備10を保有する企業の社内規則等によって決められている総利用時間の最大値である。暫定保全日導出部114Aは、暫定保全時期導出部の一例である。
図18は、保全時期演算装置100Aの制御装置110Aが実行する処理を示す図である。図18に示す処理は、図5に示す処理のステップS2の次にステップS2Aを追加し、ステップS2Aの後にステップS3A又はS3のいずれかを行うようにしたものである。ここでは図5に示す処理と同様の処理には同一のステップ番号を用いて説明する。
主制御部111は、ステップS2の処理を終えると、暫定保全日を直接入力するかどうかを利用者に選択させる表示をディスプレイ22に表示し、直接入力が選択されたかどうかを判定する(ステップS2A)。主制御部111は、直接入力が選択されるとフローをステップS3に進行させ、直接入力が選択されない場合はフローをステップS3Aに進行させる。
暫定保全日受付部114は、ステップS3において、暫定保全日の入力を受け付ける(ステップS3)。ステップS3の後は、ステップS4乃至S6が行われる。
また、暫定保全日導出部114Aは、ステップS3Aにおいて、暫定保全日を導出する処理を行う(ステップS3A)。ステップS3Aの後は、ステップS4乃至S6が行われる。ステップS3Aの具体的な処理については、図19を用いて説明する。
図19は、図18のステップS3Aの具体的な処理を示す図である。
暫定保全日導出部114Aは、処理を開始すると(スタート)、値jを1(j=1)に設定するとともに、メモリ118に格納されている利用予定データから今後のNd日分の利用予定時間t={t1,・・・,tNd}を読み出す(ステップS31A)。値jは、ステップS32AからS39Aの処理を繰り返しながらM個の到達日数Dj={D1,・・・,DM}の標本値を1個ずつ計算する際のj番目の到達日数の標本値であることを表す値である。jは1以上の整数である。
暫定保全日導出部114Aは、総利用時間Ttを0(Tt=0)、経過日数iを0(i=0)に設定する(ステップS32A)。ここで、経過日数iは、図19の処理を実行する日からの経過日数であり、最大値は、暫定保全日までの残り日数Nd(日)である。
暫定保全日導出部114Aは、予実時間差モデルを用いて差分eを生成する(ステップS33A)。差分eは、予実時間差モデルが表す確率分布に従う乱数として生成される。
暫定保全日導出部114Aは、総利用時間TtにステップS33Aで生成した差分eを加算する(ステップS34A)。
暫定保全日導出部114Aは、総利用時間Ttが総利用時間の最大値Ta以上であるかどうかを判定する(ステップS35A)。
暫定保全日導出部114Aは、総利用時間Ttが総利用時間の最大値Ta以上ではない(S35A:NO)と判定すると、経過日数iが残り日数Nd未満(i<Nd)であるかどうかを判定する(ステップS36A)。
暫定保全日導出部114Aは、経過日数iが残り日数Nd未満(i<Nd)である(S36A:YES)と判定すると、経過日数iに1日追加(i=i+1)する(ステップS37A)。暫定保全日導出部114Aは、ステップS37Aの処理を終えるとフローをステップS33Aにリターンする。1日追加した経過日数についてステップS33A以下の処理を行うためである。
暫定保全日導出部114Aは、ステップS35Aにおいて総利用時間Ttが総利用時間の最大値Ta以上である(S35A:YES)と判定した場合、又は、ステップS36Aにおいて経過日数iが残り日数Nd未満(i<Nd)ではない(S36A:NO)と判定した場合は、到達日数Dをi(D=i)に設定する(ステップS38A)。
暫定保全日導出部114Aは、値jが到達日数Djの標本数M以上(M≦j)であるかどうかを判定する(ステップS39A)。
暫定保全日導出部114Aは、値jが到達日数Djの標本数M以上(M≦j)ではない(S39A:NO)と判定すると、値jをインクリメント(j=j+1)する(ステップS40A)。暫定保全日導出部114Aは、ステップS40Aの処理を終えるとフローをステップS32Aにリターンする。インクリメントした値jを用いてステップS32A以下の処理を実行するためである。
また、暫定保全日導出部114Aは、ステップS39Aにおいて、値jが到達日数Djの標本数M以上(M≦j)である(S39A:YES)と判定すると、到達日数DjのM個の標本値D1,・・・,DMのうち、いずれか1つの到達日数Djよりも短い標本数のすべての標本数Mに対する割合が所定割合以下になる最大の標本値(到達日数Dj)を暫定保全日として導出する(ステップS41A)。
以上の処理により、総利用時間の最大値Taという制約の下で、最も遅い日にちの暫定候補日を求めることができる。暫定候補日を求めた後は、図18に示すステップS4以下が行われ、保全日が求められる。
図20は、到達日数の標本数の分布を示す図である。図20において、横軸は到達日数を表し、縦軸は各到達日数の標本数を表す。
例えば、到達日数Dj={D1,・・・,DM}が266(日),・・・,274(日)であり、利用者によって設定される所定割合が0.01(%)であることとする。
この場合に、M個の到達日数(266(日),・・・,274(日))のすべての標本数に対する266(日)の標本数の割合が所定割合以下であり、かつ、M個の到達日数(266(日),・・・,274(日))のすべての標本数に対する266(日)及び267(日)の標本数の割合が所定割合よりも大きければ、暫定保全日は267(日)に決定される。
以上のように、第2変形例によれば、上述のようにして求めた暫定保全日を用いて非故障率の確率分布を求めることができる。
したがって、保全時期を決めるための判断材料を提供可能な保全時期演算装置100、及び、保全時期演算プログラムを提供することができる。
また、非故障率の確率分布を用いて、統計的な手法で設備10の寿命を考慮して得られる最適値としての保全日を求めることができる。
したがって、設備10の寿命を考慮して可能な限り遅らせた保全日を演算できる保全時期演算装置100A、及び、保全時期演算プログラムを提供することができる。このため、可能な限り設備10の保全時期を遅らせることができ、コストの低減と故障リスクの軽減を図ることができる。
なお、以上では、総利用時間の最大値Taが設備10を保有する企業の社内規則等によって決められている形態について説明したが、例えば、利用者が許容する最小の非故障率を設定し、非故障率モデルを用いて総利用時間の最大値を求めてもよい。
以上、本発明の例示的な実施の形態の保全時期演算装置、及び、保全時期演算プログラムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
過去の所定時からの設備の利用時間の実績値と、過去に計画した前記過去の所定時からの前記設備の利用予定時間との差分の確率分布を表す予実時間差モデルを作成するモデル作成部と、
前記設備の今後の利用予定時間と、前記予実時間差モデルとを用いて、前記設備の暫定保全時期までの総利用時間の複数の標本値を計算する総利用時間計算部と、
前記総利用時間の複数の標本値と、前記設備の非故障率の時間変化を表す非故障率モデルとに基づき、前記総利用時間の経過時における前記設備の非故障率の確率分布を求める非故障率導出部と
を含む、保全時期演算装置。
(付記2)
前記モデル作成部は、複数の前記差分の確率分布に重み付けをすることで前記予実時間差モデルを作成する、付記1記載の保全時期演算装置。
(付記3)
前記総利用時間計算部は、前記予実時間差モデルによる差分の前記暫定保全時期までの値と、前記設備の今後の前記暫定保全時期までの利用予定時間との和を前記総利用時間として計算することで、前記総利用時間の複数の標本値の各々を計算する、付記1又は2記載の保全時期演算装置。
(付記4)
前記非故障率導出部は、前記非故障率モデルで前記総利用時間の複数の標本値を前記設備の非故障率の確率分布に変換することによって、前記設備の非故障率の確率分布を求める、付記1乃至3のいずれか一項記載の保全時期演算装置。
(付記5)
前記非故障率モデルは、時間の経過に対する前記非故障率の変化をワイブル分布で表すモデル、又は、時間の経過に対する前記非故障率の変化を複数の時間と複数の前記非故障率とをそれぞれ組にした複数の離散値の配列で表すモデルである、付記1乃至4のいずれか一項記載の保全時期演算装置。
(付記6)
前記暫定保全時期は、利用者によって決められる時期である、付記1乃至5のいずれか一項記載の保全時期演算装置。
(付記7)
前記設備の今後の利用予定時間と、前記予実時間差モデルとを用いて、前記設備の今後の利用時間が前記総利用時間に設定される最大値に到達する複数の到達時期の標本数の分布を求め、前記複数の到達時期のうち、ある到達時期よりも短い到達時期の標本数のすべての標本数に対する割合が所定割合以下になる最大の到達時期を暫定保全時期として導出する暫定保全時期導出部をさらに含み、
前記総利用時間計算部は、前記暫定保全時期導出部によって導出される暫定保全時期までの総利用時間の複数の標本値を計算する、付記1乃至5のいずれか一項記載の保全時期演算装置。
(付記8)
前記暫定保全時期における前記設備の非故障率が所定値以上になる確率が所定確率以上になる暫定保全時期のうち最も遅い暫定保全時期を保全時期として求める保全時期計算部をさらに含む、請求項1乃至7のいずれか一項記載の保全時期演算装置。
(付記9)
前記利用時間の実績値と、前記過去に計画した利用予定時間とを表すデータを収集するデータ収集部をさらに含む、付記1乃至8のいずれか一項記載の保全時期演算装置。
(付記10)
過去の所定時からの設備の利用時間の実績値と、過去に計画した前記過去の所定時からの前記設備の利用予定時間との差分の確率分布を表す予実時間差モデルを作成することと、
前記設備の今後の利用予定時間と、前記予実時間差モデルとを用いて、前記設備の暫定保全時期までの総利用時間の複数の標本値を計算することと、
前記総利用時間の複数の標本値と、前記設備の非故障率の時間変化を表す非故障率モデルとに基づき、前記総利用時間の経過時における前記設備の非故障率の確率分布を求めることと
を含む処理をコンピュータに実行させる、保全時期演算プログラム。