JP7325421B2 - Msms信頼度を改良するためのdm-swath取り込み - Google Patents

Msms信頼度を改良するためのdm-swath取り込み Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が参照することによって全体として本明細書に組み込まれる2018年1月17日に出願された米国仮特許出願第62/618,283号の利益を主張する。
(技術分野)
本明細書における教示は、類似した質量を有しかつ滞留時間挙動におけるわずかな差異を有する化合物またはペプチドを判別するために、微分移動度分光法(DMS)デバイスおよびタンデム質量分析計を動作させることに関する。より具体的に、本明細書における教示は、前駆体イオンの微分移動度が、連続して増加させられるにつれて、広い質量範囲の前駆体イオンの生成イオンを連続して取り込むためのシステムおよび方法に関する。前駆体イオンの微分移動度は、DMSデバイスの補償電圧(CoV)を連続して漸進することによって、ステップ毎に増加させられる。各ステップにおいて、同じ単一の広い前駆体イオン質量範囲が、選択され、生成イオンスペクトルを生成するタンデム質量分析計によって、フラグメント化される。
従来の連続的窓化取り込み型タンデム質量分析法(SWATH-MS)において、各生成イオンスペクトルは、前駆体イオン質量範囲にわたる前駆体イオン質量選択窓の連続的増加に伴って、連続して取り込まれる。本明細書に説明されるシステムおよび方法において、各生成イオンスペクトルが、微分移動度(DM)の連続的増加に伴って連続して取り込まれるので、この新しいタイプの取り込みは、DM-SWATH取り込みと称され得る。
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、限定ではないが、液体クロマトグラフィ(LC)デバイス等の追加かつ先行するサンプル分離デバイスを使用して実施されることもできる。本明細書に開示されるシステムおよび方法は、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または図1のコンピュータシステム等のコンピュータシステムと併せて実施される。
(生物学的特性評価)
従来の生物学的特性評価において、ユーザは、タンデム質量分析法、すなわち、質量分析法/質量分析法MS/MS(生成イオンに結び付けられたシーケンス)によって同定されたペプチドの確認のみを伴い、質量分析法(MS)(例えば、飛行時間質量分析法(TOF-MS))を介して広範なシーケンス適用範囲を取得することを目標とする。MS/MS確認のために、ユーザは、典型的に、情報依存分析(IDA)MS/MSデータ収集(すなわち、1amuにおける前駆体選択を伴うMS/MSのための自動化された前駆体選択)、または連続的窓化(SWATH)分析に依拠する。MS/MSモードにおいて確認されるペプチドのパーセンテージは、両アプローチ間で変動し、IDAは、最低であり(典型的な50~65%)、SWATHは、最高である(典型的に、75~85%)。SWATHによってもたらされる利得は、MS/MSシーケンス情報に連結され得る前駆体イオンの非確率論的サンプリングに依拠する。
従来のSWATHは、(例えば、第1の四重極(Q1)における)前駆体イオンフィルタ処理を広い窓に分け、したがって、所与のペプチドに関連付けられた個々の電荷状態が個々にフラグメント化されることを確実にすることによって、生成イオンを分離することができ、滞留時間(例えば、液体クロマトグラフィ(LC)分離における)が、追加の分離を提供することにおいて重要な役割を果たす。したがって、類似した質量を伴いかつ滞留挙動(共溶出)においてわずかな差異を伴うペプチドは、判別されないこともある。その結果、追加のシステムおよび方法が、類似した質量を有しかつ滞留時間挙動におけるわずかな差異を有するペプチドを判別するために必要とされる。
(質量分析法技法に関する背景技術)
質量分析計は、多くの場合、サンプルからの溶出する既知の着目化合物を同定し、特性評価するために、クロマトグラフィまたは他の分離システムと結合される。そのような結合されたシステムにおいて、溶出する溶媒は、イオン化され、一連の質量スペクトルが、滞留時間と呼ばれる規定された時間間隔において、その溶出する溶媒から取得される。これらの滞留時間は、例えば、1秒~100分またはそれを上回る時間に及ぶ。一連の質量スペクトルは、クロマトグラフまたは抽出イオンクロマトグラフ(XIC)を形成する。
XICに見出されるピークは、サンプル中の既知のペプチドまたは化合物を同定または特性評価するために使用される。より具体的に、ピークの滞留時間および/またはピークの面積が、サンプル中の既知のペプチドまたは化合物を同定または特性評価(定量化)するために使用される。
従来の分離結合質量分析法システムにおいて、既知の化合物のフラグメントまたは生成イオンが、分析のために選択される。タンデム質量分析法または質量分析法/質量分析法(MS/MS)走査が、次いで、生成イオンを含む質量範囲のための分離の各間隔において実施される。各MS/MS走査に見出される生成イオンの強度が、経時的に収集され、スペクトルの集合、または、例えば、XICとして分析される。
一般に、タンデム質量分析またはMS/MSは、化合物を分析するための周知の技法である。タンデム質量分析は、サンプルからの1つ以上の化合物のイオン化、1つ以上の化合物の1つ以上の前駆体イオンの選択、1つ以上の前駆体イオンのフラグメントまたは生成イオンへのフラグメント化、および生成イオンの質量分析を伴う。
タンデム質量分析は、定質的および定量的情報の両方を提供することができる。生成イオンスペクトルは、着目分子を同定するために使用されることができる。1つ以上の生成イオンの強度は、サンプル中に存在する化合物の量を定量化するために使用されることができる。
多数の異なるタイプの実験方法またはワークフローが、タンデム質量分析計を使用して実施されることができる。これらのワークフローの3つの広いカテゴリは、標的化取り込み、情報依存取り込み(IDA)またはデータ依存取り込み(DDA)、および、データ非依存取り込み(DIA)である。
標的化取り込み方法において、生成イオンへの前駆体イオンの1つ以上の遷移が、着目化合物に関して事前定義される。サンプルがタンデム質量分析計の中に導入されるにつれて、1つ以上の遷移が、複数の期間またはサイクルのうちの各期間またはサイクル中、調べられ、または監視される。言い換えると、質量分析計は、各遷移の前駆体イオンを選択し、フラグメント化し、遷移の生成イオンに関してのみ標的化質量分析を実施する。その結果、強度(生成イオン強度)が、各遷移に関して生成される。標的化取得方法は、限定ではないが、多重反応監視(MRM)および選択反応監視(SRM)を含む。
IDA方法において、ユーザは、サンプルがタンデム質量分析計の中に導入されている間、生成イオンの非標的化質量分析を実施するための基準を規定することができる。例えば、IDA方法において、前駆体イオンまたは質量分析(MS)調査走査が、前駆体イオンピークリストを生成するために実施される。ユーザは、ピークリストにおける前駆体イオンの一部に関してピークリストをフィルタ処理するための基準を選択することができる。そして、MS/MSは、前駆体イオンの一部の各前駆体イオンに実施される。生成イオンスペクトルが、各前駆体イオンのために生成される。MS/MSは、サンプルがタンデム質量分析計の中に導入されるにつれて、前駆体イオンの一部の前駆体イオンに繰り返し実施される。
しかしながら、プロテオミクスおよび多くの他のサンプルタイプにおいて、化合物の複雑性およびダイナミックレンジは、非常に大きい。これは、従来的な標的化およびIDA方法に課題を提起し、広範囲の検体を同定すること、および定量化することの両方を行うために、サンプルを徹底的に調べるための超高速MS/MS取り込みを要求する。
その結果、タンデム質量分析の第3の広いカテゴリであるDIA方法が、開発された。これらのDIA方法は、複雑なサンプルからのデータ収集の再現性および包括性を増加させるために使用されてきた。DIA方法は、非特異的フラグメント化方法と呼ばれることもできる。従来的なDIA方法において、タンデム質量分析計の動作は、前の前駆体または生成イオン走査において取り込まれたデータに基づいて、MS/MS走査間で変動させられない。代わりに、前駆体イオン質量範囲が、選択される。そして、前駆体イオン質量選択窓が、前駆体イオン質量範囲にわたって漸進させられる。前駆体イオン質量選択窓の中の全ての前駆体イオンが、フラグメント化され、前駆体イオン質量選択窓の中の全ての前駆体イオンの全ての生成イオンが、質量分析される。
質量範囲を走査するために使用される前駆体イオン質量選択窓は、窓内の複数の前駆体の可能性が小さいように、非常に狭くあり得る。このタイプのDIA方法は、例えば、MS/MSALLと呼ばれる。MS/MSALL方法において、約1amuの前駆体イオン質量選択窓が、質量範囲全体にわたって走査され、または漸進させられる。生成イオンスペクトルが、各1amu前駆体質量窓に関して生成される。質量範囲全体を1回分析または走査するために要する時間は、1走査サイクルと称される。しかしながら、各サイクル中に広い前駆体イオン質量範囲にわたって狭い前駆体イオン質量選択窓を走査することは、いくつかの器具および実験のために実用的ではない。
その結果、より大きい前駆体イオン質量選択窓またはより大きい幅を伴う選択窓が、前駆体質量範囲全体にわたって漸進させられる。このタイプのDIA方法は、例えば、SWATH取り込みと呼ばれる。SWATH取得において、各サイクル内で前駆体質量範囲にわたって漸進させられる前駆体イオン質量選択窓は、5~25amu、またはより大きい幅さえ有し得る。MS/MSALL方法のように、各前駆体イオン質量選択窓の中の全ての前駆体イオンが、フラグメント化され、各質量選択窓の中の全ての前駆体イオンの全ての生成イオンが、質量分析される。
米国特許第8,809,770号は、SWATH取得が着目化合物の前駆体イオンについての定量的および定性的情報を提供するために使用され得る方法を説明する。特に、前駆体イオン質量選択窓をフラグメント化することから見出される生成イオンが、着目化合物の既知の生成イオンのデータベースと比較される。加えて、前駆体イオン質量選択窓をフラグメント化することから見出される生成イオンのイオントレースまたはXICが、定量的および定性的情報を提供するために分析される。
図2は、データ非依存取り込み(DIA)SWATHワークフローのために10個の前駆体イオン質量選択窓に分割された前駆体イオン質量/電荷比(m/z)範囲の例示的略図200である。図2に示されるm/z範囲は、200m/zである。用語「質量」および「m/z」は、本明細書において、同義的に使用されることに留意されたい。概して、質量分析法測定は、m/zにおいて行われ、それは、電荷によって乗算することによって質量に変換される。
10個の前駆体イオン質量選択または分離窓の各々は、20m/zの幅に及び、または、それを有する。10個の前駆体イオン質量選択窓のうちの3つ、すなわち、窓201、202、および210が、図2に示される。前駆体イオン質量選択窓201、202、および210は、同じ幅を伴う非重複窓として示される。前駆体イオン質量選択窓は、重複することも、および/または、可変幅を有することもできる。
図2は、例示的SWATH取り込みの単一サイクルにおいて使用される非可変および非重複前駆体イオン質量選択窓を描写する。SWATH取り込み方法を実施し得るタンデム質量分析計は、例えば、1つ以上の化合物をサンプルから経時的に分離する、サンプル導入デバイスとさらに結合されることができる。サンプル導入デバイスは、限定ではないが、注入、液体クロマトグラフィ、ガスクロマトグラフィ、またはキャピラリー電気泳動を含む技法を使用して、サンプルをタンデム質量分析計に導入することができる。分離された1つ以上の化合物は、イオン源によってイオン化され、イオン源は、タンデム質量分析計によって選択され、フラグメント化される1つ以上の化合物の前駆体イオンのイオンビームを生成する。
その結果、分離された化合物のサンプル導入の各時間ステップに関して、10個の前駆体イオン質量選択窓の各々が、選択され、次いで、フラグメント化され、m/z範囲全体に関して10個の生成イオンスペクトルを生成する。言い換えると、10個の前駆体イオン質量選択窓の各々が、選択され、次いで、複数のサイクルの各サイクル中、フラグメント化される。
図3は、DIAワークフローの各サイクル中、生成イオントレースまたはXICを各前駆体イオン質量選択窓から取得するためのステップを図式的に描写する例示的略図300である。例えば、図3において、前駆体イオン質量選択窓201、202、および210によって表される10個の前駆体イオン質量選択窓が、選択され、合計1,000サイクルの各サイクル中、フラグメント化される。
各サイクル中、生成イオンスペクトルが、各前駆体イオン質量選択窓に関して取得される。例えば、生成イオンスペクトル311は、サイクル1中、前駆体イオン質量選択窓201をフラグメント化することによって取得され、生成イオンスペクトル312は、サイクル2中、前駆体イオン質量選択窓201をフラグメント化することによって取得されることができ、生成イオンスペクトル313は、サイクル1000中、前駆体イオン質量選択窓201をフラグメント化することによって取得されることができる。
各前駆体イオン質量選択窓の各生成イオンスペクトルにおける生成イオンの強度を経時的にプロットすることによって、XICが、各前駆体イオン質量選択窓から各生成された生成イオンに関して計算されることができる。例えば、プロット320は、前駆体イオン質量選択窓201の1,000個の生成イオンスペクトルの各生成イオンに関して計算されたXICを含む。XICは、時間またはサイクルの観点からプロットされることができることに留意されたい。
プロット320におけるXICは、図3において、2次元でプロットされて示されている。しかしながら、各XICは、異なるXICが異なるm/z値に関して計算されるため、実際に、3次元である。
図4は、前駆体イオン質量選択窓に関して経時的に取得される生成イオンXICの3次元性を示す例示的略図400である。図4において、x軸は、時間またはサイクル数であり、y軸は、生成イオン強度であり、z軸は、m/zである。この3次元プロットから、より多くの情報が、取得される。例えば、XICピーク410および420の両方は、同じ形状を有し、同時または同じ滞留時間に生じる。しかしながら、XICピーク410と420とは、異なるm/z値を有する。これは、XICピーク410と420とが、同位体ピークであるか、または、同じ前駆体イオンからの異なる生成イオンを表すことを意味し得る。同様に、XICピーク430および440は、同じm/z値を有するが、異なる時間に生じる。これは、XICピーク430と440とが、同じ生成イオンであるが、それらが、2つの異なる前駆体イオンに由来することを意味し得る。
図2-4は、質量および滞留時間が、SWATHを使用して、ペプチド等の化合物を特性評価するために使用され得る方法を示す。しかしながら、上で説明されるように、追加のシステムおよび方法が、類似した質量を有しかつ滞留時間挙動におけるわずかな差異を有する化合物またはペプチドを判別するために必要とされる。
(微分移動度分光法(DMS)に関する背景技術)
図5は、例示的DMSデバイスの概略図500である。DMSデバイス500は、2つの平行な平坦プレート、すなわち、プレート510およびプレート520を含む。無線周波数(RF)電圧源530が、RF分離電圧(SV)をプレート510およびプレート520にわたって印加し、直流(DC)電圧源540が、DC補償電圧(CoV)をプレート510およびプレート520にわたって印加する。イオン550が、開口部560において輸送ガス中でDMSデバイス500に進入する。DMSデバイス500におけるイオン550の分離は、高対低電場下のそれらの移動率における差異に基づく。
従来のイオン移動度と異なり、イオン550は、それらがデバイスを横断するとき、時間的において分離されない。代わりに、イオン550は、印加されるRF電圧源530の高場部分と低場部分との間のそれらの移動度の差異に基づいて、軌道において分離される。高場が、短期間にわたってプレート510とプレート520との間に印加され、次いで、低場が、より長い期間にわたって反対方向に印加される。着目化合物のイオンの低場移動度と高場移動度との間の任意の差異が、それらをプレートのうちの1つに向かって移動させる。イオンは、全ての他のイオンを選択的にフィルタ除去するために使用され得る化合物特有のパラメータであるDC電圧源540のCoVとして知られる第2の電圧オフセットの印加によって、デバイスの中心線に向かって逆操向される。CoVの高速切り替えは、ユーザが、多くの異なる化合物を並行して監視することを可能にする。SVとCoVとの組み合わせによって選択されたイオン570は、DMSデバイス500から開口部580を通して質量分析計(図示せず)の残りへと向かう。DMSデバイス500は、例えば、イオン源(図示せず)と質量分析計の残りとの間に位置する。
一般に、DMSデバイス500は、2つの動作モードを有する。第1のモードにおいて、DMSデバイス500は、オンであり、SVおよびCoV電圧が、印加され、イオンが、分離される。これは、例えば、有効モードである。
第2の動作モードにおいて、DMSデバイス500は、オフであり、SVは、ゼロに設定され、イオン550は、単に、開口部560から開口部580に輸送される。これは、例えば、DMSデバイス500の無効または透過モードである。
有効モードにおいて、DMSデバイス500は、単一のMRM遷移に関するデータを25ミリ秒(ms)(例えば、20msの走査間一時停止時間を含む)以内に取り込むことができる。透過モードにおいて、DMSデバイス500を通した遅延は、無視可能である。
(DMS取り込みに関する背景技術)
標的化取り込み方法であるIDA方法およびDIA方法の両方において、微分移動度分光法(DMS)が、類似した質量を有しかつ滞留時間挙動におけるわずかな差異を有する化合物またはペプチドを判別するために使用されている。
MRMは、標的化取り込み方法である。米国特許第9,733,214号(「第‘214号特許」)は、MRM実験を展開するとき、化合物のためのDMSデバイスパラメータを予測する方法を対象とする。MRM実験を展開するとき、広範囲のDMSデバイスパラメータ値が、各化合物または検体に関して調べられ、注入毎に試験され得る化合物または検体の数を低減させなければならない。この問題に対処するために、第‘214号特許は、MRMトリガMRMの独特の方法を採用する。MRMトリガMRMは、例えば、米国特許第8,026,479号に説明される。第‘214号特許において、元のまたは一次MRM遷移が、CoV電圧ステップ等のDMSデバイスパラメータにおいて広いステップを用いて設定され、二次MRM遷移が、DMSパラメータにおけるより細かいステップを用いてトリガされる。
図6は、第‘214号特許に説明されるように、DMSデバイスパラメータを漸進させるMRMトリガMRM方法を示す例示的略図600である。この方法において、生成イオン遷移611への一次前駆体イオンが、例えば、液体クロマトグラフィ(LC)実験の複数のサイクルにおいて調べられる。一次遷移611に関して、DMSデバイスは、CoVを与えられる。一次遷移611の生成イオンの強度が、それが閾値Tを超えるかどうかを決定するために監視される。略図600に示されるように、サイクル3において、一次遷移611の生成イオンの強度は、閾値Tを超える。
その結果、一連の二次MRM遷移が、トリガされる。これらの各二次MRM遷移に関して、DMSデバイスのCoVパラメータが、その遷移のためのDMSデバイスの最良CoVパラメータを決定するために、小ステップずつ増加させられる。例えば、二次遷移621に関して、DMSデバイスのCoVパラメータは、CoVに設定される。同様に、二次遷移622に関して、DMSデバイスのCoVパラメータは、CoVに設定される。DMSデバイスのCoVパラメータのこの漸進は、複数回にわたって継続し、DMSデバイスのCoVパラメータが、LC分離の1つのサイクル内で変化させられることができる。
一次遷移611および二次遷移621、622の全ては、同じ生成イオンへの同じ前駆体イオンの遷移を表すことに留意されたい。これらの遷移間の差異のみが、DMSデバイスのCoVパラメータである。
米国特許出願第15/516,387号(「第387号出願」)は、その中でDMSデバイスパラメータが経時的に変動させられる前駆体イオン調査走査を実施することによって、IDAおよびDIA方法の両方を改良することを対象とする。例えば、複数のCoV間隔において、DMSデバイスによって伝送される前駆体イオンのm/z強度が、質量分析器を使用して、m/z範囲にわたって測定される。結果は、CoV空間における前駆体イオンの分布のスナップショットである。前駆体イオンのm/zとDMS伝送のためのその最適CoVとの間の関係が存在することを所与して、ワークフローは、別々のCoV値において存在するm/z値の一部からの前駆体イオンを含むように自動的に最適化されることができる。
図7は、第387号出願に説明されるように、DMSデバイスパラメータが経時的に変動させられる前駆体イオン調査走査を示す例示的略図700である。経時的に、DMSデバイスのCoVパラメータは、CoVからCoVに変動させられる。各CoVパラメータ値において、同じ広い前駆体イオン質量範囲が、選択され、分析される。各CoVパラメータ値において、前駆体イオン質量範囲は、質量分析され、したがって、前駆体イオンがフラグメント化されないことに留意されたい。結果は、一連の前駆体イオン質量スペクトル710-71nである。
第‘387号出願は、次いで、質量/電荷比(m/z)およびCoVの関数として前駆体イオン強度を描写するヒートマップに前駆体イオン質量スペクトル710-71nをまとめる。ヒートマップは、IDAおよびDIA方法分析のためのm/z部分範囲とCoV値とを決定するために使用される。フルタンデム質量分析法が、次いで、IDAおよびDIA方法分析を使用して、これらのm/z部分範囲に実施される。
第‘214号特許および第‘387号出願の方法は、標的化IDAおよびDIA取り込み方法における方法展開のために、DMSの判別能力を使用しているが、追加のシステムおよび方法が、類似した質量を有しかつ滞留時間挙動におけるわずかな差異を有する化合物またはペプチドを詳細かつ直接的に判別するために必要とされる。言い換えると、第‘214号特許および第‘387号出願に説明される技法は、LC時間スケールにおいてペプチドを検出するためのCoV値の広い適用範囲を可能にしない。
微分移動度分光法(DMS)デバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析するためのシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品が、開示される。全3つの実施形態は、以下のステップを含む。
プロセッサが、DMSデバイスのための複数の補償電圧(CoV)を受信し、タンデム質量分析計の質量フィルタのための前駆体イオン質量範囲が、受信される。DMSデバイスは、CoVに基づいて、前駆体イオンを分離するように構成される。タンデム質量分析計は、分離された前駆体イオンをDMSデバイスから受け取り、前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタおよびフラグメント化デバイスと、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器とを含む。
プロセッサは、複数のCoVの各CoVに関して、反復的一連のステップを実施する。CoVは、DMSデバイスに印加され、前駆体イオンの群を選択する。質量フィルタは、前駆体イオン質量範囲内の群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように命令される。フラグメント化デバイスは、前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するように命令される。質量分析器は、生成イオンの群の強度およびm/zを測定し、複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように命令される。
さらに、これらの3つの実施形態のステップは、既知の化合物がサンプル中にあるかどうかを確認するために使用される。サンプル分離デバイスが、1つ以上の化合物をサンプルから経時的に分離する。イオン源が、分離された1つ以上の化合物をイオン化し、イオン化された前駆体イオンをDMSデバイスにイオンビームとして伝送する。
プロセッサは、DMSデバイスに、一連の時間サイクルにおいてイオンビームをサンプリングするように命令する。一連の各サイクルに関して、プロセッサは、いくつかのステップを実施する。第1のステップにおいて、プロセッサは、DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施し、前駆体イオンスペクトルを生成するように命令する。第2のステップにおいて、プロセッサは、DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に、上で説明されるように、複数のCoVの各CoVに関して、連続的微分移動度依存生成イオン走査をイオンビームに実施するように命令する。
プロセッサは、一連の時間サイクルにわたって測定された前駆体イオンスペクトルおよび生成イオンスペクトルを使用して、サンプル中の1つ以上の化合物の存在を確認する。具体的に、プロセッサは、一連の時間サイクルにわたって取り込まれた前駆体イオンスペクトルから、化合物に対応することが既知の前駆体イオンに関する前駆体イオン抽出イオンクロマトグラフ(XIC)を計算する。プロセッサは、一連の時間サイクルにわたって各CoVに関して取り込まれた生成イオンスペクトルから、化合物に対応することが既知の1つ以上の生成イオンに関する1つ以上の生成イオンXICを計算する。プロセッサは、前駆体イオンXICのXICピークの滞留時間が1つ以上の生成イオンXICのXICピークの滞留時間に合致する場合、化合物の存在を確認する。
本出願人の教示のこれらおよび他の特徴は、本明細書に記載される。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
微分移動度分光法(DMS)デバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析するためのシステムであって、前記システムは、
補償電圧(CoV)に基づいて、前駆体イオンを分離するように構成されたDMSデバイスと、
前記分離された前駆体イオンを前記DMSデバイスから受け取るタンデム質量分析計であって、前記タンデム質量分析計は、前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタおよびフラグメント化デバイスと、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器とを含む、タンデム質量分析計と、
前記DMSデバイスおよび前記タンデム質量分析計と通信しているプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
(a)前記DMSデバイスのための複数のCoVおよび前記質量フィルタのための前駆体イオン質量範囲を受信することと、
(b)前記複数のCoVの各CoVに関して、
前記各CoVを前記DMSデバイスに印加し、前駆体イオンの群を選択することと、
前記前駆体イオン質量範囲内にある前記群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、
前記前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、
前記生成イオンの群の強度および質量/電荷比(m/z)を測定し、前記複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと
を行う、システム。
(項目2)
前記DMSデバイスは、RF分離電圧(SV)に基づいて前駆体イオンを分離するようにも構成され、ステップ(a)において、前記プロセッサは、前記DMSデバイスのためのSVも受信し、ステップ(b)において、前記プロセッサは、前記SVも前記DMSデバイスに印加する、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記SVは、3,000Vより大きい、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記換算電場(E/N)は、100Tdより大きい、項目2に記載のシステム。
(項目5)
1つ以上の化合物をサンプルから経時的に分離するサンプル分離デバイスと、
前記分離された1つ以上の化合物をイオン化し、前記イオン化された前駆体イオンを前記DMSデバイスにイオンビームとして伝送するイオン源と
をさらに備え、
前記プロセッサは、
一連の時間サイクルにおいて前記イオンビームをサンプリングするように前記DMSデバイスに命令することと、
前記一連の各サイクルに関して、
ゼロのCoVを前記DMSデバイスに印加することによって、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、前記前駆体イオン質量範囲内にある前記イオンビームの前駆体イオンを選択し、フィルタ処理された前駆体イオンの群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、フラグメント化なしで前記フィルタ処理された前駆体イオンの群を前記質量分析器に伝送するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、前記フィルタ処理された前駆体イオンの前記群の強度およびm/zを測定し、前駆体イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと、
ステップ(b)を実施することによって、連続的微分移動度依存生成イオン走査を前記イオンビームに実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、
前記サンプル中の1つ以上の化合物の存在を確認することと
を行い、
前記確認することは、
前記一連の時間サイクルにわたって取り込まれた前駆体イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の前駆体イオンに関する前駆体イオン抽出イオンクロマトグラフ(XIC)を計算することと、
前記一連の時間サイクルにわたって各CoVに関して取り込まれた前記生成イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の1つ以上の生成イオンに関する1つ以上の生成イオンXICを計算することと、
前記前駆体イオンXICのXICピークの滞留時間が前記1つ以上の生成イオンXICのXICピークの滞留時間に合致する場合、前記化合物の存在を確認することと
による、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記DMSデバイスは、RF分離電圧(SV)に基づいて前駆体イオンを分離するようにも構成され、ステップ(a)において、前記プロセッサは、前記DMSデバイスのためのSVも受信し、ステップ(b)において、前記プロセッサは、前記SVも前記DMSデバイスに印加し、前記プロセッサは、ゼロのSVを前記DMSデバイスに印加することによって、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施するようにも前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令する、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記SVは、3,000Vより大きい、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記換算電場(E/N)は、100Tdより大きい、項目6に記載のシステム。
(項目9)
前記質量分析器は、飛行時間(TOF)質量分析器を備えている、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記1つ以上の化合物は、1つ以上のペプチドを含む、項目5に記載のシステム。
(項目11)
微分移動度分光法(DMS)デバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法であって、前記方法は、
(a)プロセッサを使用して、DMSデバイスのための複数の補償電圧(CoV)およびタンデム質量分析計の質量フィルタのための前駆体イオン質量範囲を受信することであって、前記DMSデバイスは、CoVに基づいて、前駆体イオンを分離するように構成され、前記タンデム質量分析計は、前記分離された前駆体イオンを前記DMSデバイスから受け取り、前記タンデム質量分析計は、前記前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタおよびフラグメント化デバイスと、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器とを含む、ことと、
(b)前記複数のCoVの各CoVに関して、
前記各CoVを前記DMSデバイスに印加し、前駆体イオンの群を選択することと、
前記前駆体イオン質量範囲内にある前記群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、
前記前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、
前記プロセッサを使用して、前記生成イオンの群の強度および質量/電荷比(m/z)を測定し、前記複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと
を含む、方法。
(項目12)
前記DMSデバイスは、RF分離電圧(SV)に基づいて前駆体イオンを分離するようにも構成され、ステップ(a)において、SVも、前記DMSデバイスのために受信され、ステップ(b)において、前記SVも、前記DMSデバイスに印加される、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記プロセッサを使用して、一連の時間サイクルにおいてイオンビームをサンプリングするように前記DMSデバイスに命令することであって、サンプル分離デバイスが、1つ以上の化合物をサンプルから経時的に分離し、イオン源が、前記分離された1つ以上の化合物をイオン化し、前記イオン化された前駆体イオンを前記DMSデバイスに前記イオンビームとして伝送する、ことと、
前記一連の各サイクルに関して、
前記プロセッサを使用して、ゼロのCoVを前記DMSデバイスに印加することによって、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、前記前駆体イオン質量範囲内にある前記イオンビームの前駆体イオンを選択し、フィルタ処理された前駆体イオンの群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、フラグメント化なしで前記フィルタ処理された前駆体イオンの群を前記質量分析器に伝送するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、前記フィルタ処理された前駆体イオンの前記群の強度およびm/zを測定し、前駆体イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと、
前記プロセッサを使用して、ステップ(b)を実施することによって、連続的微分移動度依存生成イオン走査をイオンビームに実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、
前記プロセッサを使用して、前記サンプル中の前記1つ以上の化合物の存在を確認することと
をさらに含み、
前記確認することは、
前記一連の時間サイクルにわたって取り込まれた前駆体イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の前駆体イオンに関する前駆体イオン抽出イオンクロマトグラフ(XIC)を計算することと、
前記一連の時間サイクルにわたって各CoVに関して取り込まれた前記生成イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の1つ以上の生成イオンに関する1つ以上の生成イオンXICを計算することと、
前記前駆体イオンXICのXICピークの滞留時間が前記1つ以上の生成イオンXICのXICピークの滞留時間に合致する場合、前記化合物の存在を確認することと
による、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記DMSデバイスは、RF分離電圧(SV)に基づいて前駆体イオンを分離するようにも構成され、ステップ(a)において、SVも、前記DMSデバイスのために受信され、ステップ(b)において、前記SVも、前記DMSデバイスに印加され、ゼロのSVを前記DMSデバイスに印加することによって、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施するようにも前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令する、項目11に記載の方法。
(項目15)
非一過性かつ有形のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記記憶媒体のコンテンツは、微分移動度分光法(DMS)デバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法を実施するためのプロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、前記方法は、
システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを備え、前記異なるソフトウェアモジュールは、データ入力モジュールと制御モジュールとを備えている、ことと、
(a)データ入力モジュールを使用して、DMSデバイスのための複数の補償電圧(CoV)およびタンデム質量分析計の質量フィルタのための前駆体イオン質量範囲を受信することであって、前記DMSデバイスは、CoVに基づいて、前駆体イオンを分離するように構成され、前記タンデム質量分析計は、前記分離された前駆体イオンを前記DMSデバイスから受け取り、前記タンデム質量分析計は、前記前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタおよびフラグメント化デバイスと、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器とを含む、ことと、
(b)前記複数のCoVの各CoVに関して、
前記各CoVを前記DMSデバイスに印加し、前駆体イオンの群を選択することと、
前記前駆体イオン質量範囲内にある前記群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、
前記前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、
前記制御モジュールを使用して、前記生成イオンの群の強度および質量/電荷比(m/z)を測定し、前記複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと
を含む、コンピュータプログラム製品。
当業者は、後述の図面が、例証目的にすぎないことを理解するであろう。図面は、本教示の範囲をいかようにも制限することを意図するものではない。
図1は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステムを図示するブロック図である。
図2は、データ非依存取り込み(DIA)SWATHワークフローのための10個の前駆体イオン質量選択窓に分割される前駆体イオン質量/電荷比(m/z)範囲の例示的略図である。
図3は、DIAワークフローの各サイクル中、生成イオントレースまたは抽出されるイオンクロマトグラフ(XIC)を各前駆体イオン質量選択窓から取得するためのステップを図式的に描写する例示的略図である。
図4は、前駆体イオン質量選択窓に関して経時的に取得される生成イオンXICの3次元性を示す例示的略図である。
図5は、例示的微分移動度分光法(DMS)デバイスの概略図である。
図6は、第‘214号特許に説明されるように、DMSデバイスパラメータを漸進させるMRMトリガMRM方法を示す例示的略図である。
図7は、第‘387号出願に説明されるように、DMSデバイスパラメータが経時的に変動させられる前駆体イオン調査走査を示す例示的略図である。
図8は、同定されたペプチドを確認するために設計される従来のSWATH LC-MS/MS実験の各滞留時間サイクル中の典型的取り込みのステップを示す例示的フローチャートである。
図9は、種々の実施形態による、同定されたペプチドを確認するために設計される微分移動度(DM)-SWATH LC-MS/MS実験の各滞留時間サイクル中の例示的取り込みのステップを示す例示的フローチャートである。
図10は、種々の実施形態による、DMSデバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析するためのシステムの概略図である。
図11は、種々の実施形態による、図10のDMSデバイスが、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの群を分離し、図10のタンデム質量分析計が、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法を示す例示的略図である。
図12は、種々の実施形態による、DMSデバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法を示すフローチャートである。
図13は、種々の実施形態による、DMSデバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法を実施する1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステムの概略図である。
本教示の1つ以上の実施形態が詳細に説明される前に、当業者は、本教示が、その用途において、以下の発明を行うための形態に記載され、または図面に図示される構造、構成要素の配列、およびステップの配列の詳細に限定されないことを理解するであろう。本明細書で使用される表現および専門用語は、説明の目的のためであり、限定的と見なされるべきではないことも理解されたい。
(コンピュータ実装システム)
図1は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステム100を図示するブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102または他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104とを含む。コンピュータシステム100は、プロセッサ104によって実行される命令を記憶するために、バス102に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスであり得るメモリ106も含む。メモリ106は、プロセッサ104によって実行される命令の実行中、一時的変数または他の中間情報を記憶するためにも使用され得る。コンピュータシステム100は、プロセッサ104のための静的情報および命令を記憶するために、バス102に結合された読み取り専用メモリ(ROM)108または他の静的記憶デバイスをさらに含む。磁気ディスクまたは光ディスク等の記憶デバイス110は、情報および命令を記憶するために提供され、バス102に結合される。
コンピュータシステム100は、情報をコンピュータユーザに表示するために、バス102を介して、ブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ112に結合され得る。英数字および他のキーを含む入力デバイス114は、情報およびコマンド選別をプロセッサ104に通信するために、バス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選別をプロセッサ104に通信し、ディスプレイ112上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御116である。この入力デバイスは、典型的に、デバイスが平面において位置を指定することを可能にする2つの軸、すなわち、第1の軸(すなわち、x)および第2の軸(すなわち、y)において、2自由度を有する。
コンピュータシステム100は、本教示を実施することができる。本教示のある実装によると、結果は、メモリ106内に含まれる1つ以上の連続した1つ以上の命令をプロセッサ104が実行することに応答して、コンピュータシステム100によって提供される。そのような命令は、記憶デバイス110等の別のコンピュータ読み取り可能な媒体から、メモリ106に読み込まれ得る。メモリ106に含まれる一続きの命令の実行は、プロセッサ104に本明細書に説明されるプロセスを実施させる。代替として、有線回路が、本教示を実装するためのソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、使用され得る。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の具体的組み合わせに限定されない。
種々の実施形態において、コンピュータシステム100は、ネットワークにわたって、コンピュータシステム100のような1つ以上の他のコンピュータシステムに接続され、ネットワーク化されたシステムを形成することができる。ネットワークは、プライベートネットワークまたはインターネット等のパブリックネットワークを含むことができる。ネットワーク化されたシステムにおいて、1つ以上のコンピュータシステムは、データを記憶し、他のコンピュータシステムにサービス提供することができる。データを記憶し、サービス提供する1つ以上のコンピュータシステムは、クラウドコンピューティングシナリオにおいて、サーバまたはクラウドと称され得る。1つ以上のコンピュータシステムは、例えば、1つ以上のウェブサーバを含むことができる。データをサーバまたはクラウドにおよびそこから送信ならびに受信する、他のコンピュータシステムは、例えば、クライアントまたはクラウドデバイスと称され得る。
本明細書で使用されるような用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、実行のために命令をプロセッサ104に提供する際に関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス110等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ106等の動的メモリを含む。伝送媒体は、バス102を備えている配線を含む同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。
コンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品の一般的形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD-ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク、任意の他の光学媒体、サムドライブ、メモリカード、RAM、PROM、およびEPROM、フラッシュ-EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、またはコンピュータが読み取ることができる任意の他の有形媒体を含む。
コンピュータ読み取り可能な媒体の種々の形態は、実行のために、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ104に搬送することに関わり得る。例えば、命令は、最初は、遠隔コンピュータの磁気ディスク上で搬送され得る。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリ内にロードし、モデムを使用して、電話回線を介して、命令を送信することができる。コンピュータシステム100にローカルのモデムは、データを電話回線上で受信し、赤外線送信機を使用して、データを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されるデータを受信し、データをバス102上に設置することができる。バス102は、データをメモリ106に搬送し、そこから、プロセッサ104は、命令を読み出し、実行する。メモリ106によって受信された命令は、随意に、プロセッサ104による実行の前後のいずれかにおいて、記憶デバイス110上に記憶され得る。
種々の実施形態によると、方法を実施するためにプロセッサによって実行されるように構成される命令は、コンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶される。コンピュータ読み取り可能な媒体は、デジタル情報を記憶するデバイスであることができる。例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、ソフトウェアを記憶するために、当技術分野において周知のように、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、実行されるように構成される命令を実行するために好適なプロセッサによってアクセスされる。
本教示の種々の実装の以下の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。それは、包括的でもなく、本教示を開示される精密な形態に限定するものでもない。修正および変形例が、上記の教示に照らして可能であるか、または、本教示の実践から取得され得る。加えて、説明される実装は、ソフトウェアを含むが、本教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして、またはハードウェア単独において、実装され得る。本教示は、オブジェクト指向および非オブジェクト指向両方のプログラミングシステムによって実装され得る。
(DM-SWATHのためのシステムおよび方法)
上で説明されるように、従来の生物学的特性評価において、ユーザは、タンデム質量分析法、すなわち、質量分析法/質量分析法MS/MS(生成イオンに結び付けられるシーケンス)によって同定されたペプチドの確認のみを伴い、質量分析法(MS)(例えば、飛行時間質量分析法(TOF-MS))を介して、広範なシーケンス適用範囲を取得することを目標とする。従来の連続的窓化取り込みタンデム質量分析法(SWATH-MS)は、前駆体イオンフィルタ処理(例えば、第1の四重極(Q1)における)を広い窓に分け、したがって、所与のペプチドに関連付けられた個々の電荷状態が個々にフラグメント化されることを確実にすることによって、生成イオンを分離することができ、(例えば、液体クロマトグラフィ(LC)分離の)滞留時間が、追加の分離を提供することにおいて重要な役割を果たす。したがって、類似した質量を有しかつ滞留挙動(共溶出)においてわずかな差異を有するペプチドは、判別されないこともある。その結果、追加のシステムおよび方法が、類似した質量を有しかつ滞留時間挙動におけるわずかな差異を有するペプチドを判別するために必要とされる。
種々の実施形態において、システムおよび方法は、類似した質量を有しかつ滞留時間挙動におけるわずかな差異を有する化合物またはペプチドを判別するために、微分移動度分光法(DMS)デバイスおよびタンデム質量分析計を動作させることを対象とする。より具体的に、これらのシステムおよび方法は、前駆体イオンの微分移動度が連続して増加させられるにつれて、前駆体イオンの広い質量範囲の生成イオンを連続して取り込むことを対象とする。
従来のSWATH-MSにおいて、各生成イオンスペクトルは、前駆体イオン質量範囲にわたる前駆体イオン質量選択窓の連続的増加に伴って、連続して取り込まれる。本明細書に説明されるシステムおよび方法において、各生成イオンスペクトルは、微分移動度(DM)の連続的増加に伴って連続して取り込まれるので、この新しいタイプの取り込みは、DM-SWATH取り込みと称され得る。
DM-SWATH取り込みにおいて、前駆体選択に先立って、ペプチドの直交分離が、ペプチドイオンの微分移動度次元(DMSガス相分離)を追加することによって提供される。このアプローチにおいて、従来のSWATH次元(単一の広いQl窓、m/z300~1,200)は、緩和されるが、LCおよびMSの両方に直交するDMSの次元が、追加される。このDMS次元は、MS/MS情報を捕捉するために適用され、MS/MS情報は、高分離電圧において(SV>3,000V:約100タウンゼント(Td)の換算電場(E/N)を表す)、ある範囲のCoV値にわたって(5~20、ステップは、器具分解能に対して調節される)取り込まれる。MS情報は、例えば、伝送モード(SV=CoV=0V)に設定されたDMSデバイスを用いて取り込まれる。DMS次元の全体的デューティサイクルは、従来のSWATH-MSのSWATH次元より高速である一方、直交性をデータに提供する(等圧ペプチドの分離)。
図8は、同定されたペプチドを確認するために設計される従来のSWATH LC-MS/MS実験の各滞留時間サイクル中の典型的取り込みのステップを示す例示的フローチャート800である。
ステップ810において、低衝突エネルギー(CE)飛行時間(TOF)質量分析法(MS)分析が、実施される。本質的に、前駆体イオン質量分析は、350~1,200m/zの広い前駆体イオン質量範囲にわたって実施される。この前駆体イオン質量分析から、前駆体イオン質量スペクトルが、生成される。液体クロマトグラフィ(LC)実験の複数のサイクルにわたって生成された前駆体イオン質量スペクトルの全てから、抽出イオンクロマトグラフ(XIC)が、各見出される前駆体イオンに関して計算される。
ステップ820において、TOF質量分析法/質量分析法(MS/MS)分析が、350~400m/zの狭い前駆体質量範囲にわたって、16eVのCEを用いて実施される。本質的に、350~400m/zのより狭い50m/z前駆体質量選択窓における前駆体イオンが、選択され、フラグメント化される。結果として生じる生成イオンは、次いで、質量分析される。この生成イオン質量分析から、生成イオン質量スペクトルが、生成される。
ステップ830において、50m/z前駆体質量選択窓は、本質的に、400~450m/zの前駆体イオン質量範囲に移動または漸進させられる。再び、この前駆体イオン質量範囲における前駆体イオンが、選択され、フラグメント化され、生成イオンが、次いで、質量分析され、生成イオン質量スペクトルが、生成される。このステップにおけるフラグメント化に関して、CEは、18eVまで増加させられる。
ステップ840において、50m/z前駆体質量選択窓は、再び、450~500m/zの前駆体イオン質量範囲に移動または漸進させられる。再び、この前駆体イオン質量範囲における前駆体イオンが、選択され、フラグメント化され、生成イオンが、次いで、質量分析され、生成イオン質量スペクトルが、生成される。このステップにおけるフラグメント化に関して、CEは、21eVまで増加させられる。
350~1,200m/zの広い前駆体質量範囲にわたって、より狭い50m/z前駆体質量選択窓を漸進させ、CEを増加させるプロセスは、追加の14個のステップにわたって継続する。ステップの総数は、17である。最後の2つのステップが、ステップ850および860として示される。
各サイクルにおける17個のステップの各々から、生成イオンスペクトルが、取得される。その結果、17個の生成イオンスペクトルが、各サイクルに関して取得される。LC実験の複数のサイクルにわたる各より狭い前駆体イオン質量範囲に関して生成された生成イオン質量スペクトルの全てから、XICが、各見出される生成イオンに関して計算される。
前駆体イオンによって表されるペプチドは、例えば、それらの対応する生成イオンを見出すことによって確認される。より狭い50m/z前駆体イオン質量範囲の対応する生成イオンは、それらのXICピークの滞留時間を前駆体イオンのXICピークの滞留時間に合致させることによって見出される。
図9は、種々の実施形態による、同定されたペプチドを確認するために設計されたDM-SWATH LC-MS/MS実験の各滞留時間サイクル中の例示的取り込みのステップを示す例示的フローチャート900である。
ステップ910において、低衝突エネルギー(CE)飛行時間(TOF)質量分析法(MS)分析が、従来のSWATH LC-MS/MSのように実施される。DMSデバイスは、補償電圧(CoV)およびRF分離電圧(SV)をゼロに設定することによって、オフに切り替えられる。前駆体イオン質量分析が、350~1,200m/zの広い前駆体イオン質量範囲にわたって実施される。この前駆体イオン質量分析から、前駆体イオン質量スペクトルが、生成される。液体クロマトグラフィ(LC)実験の複数のサイクルにわたって生成された前駆体イオン質量スペクトルの全てから、XICが、各見出される前駆体イオンに関して計算される。
ステップ920において、DMSデバイスが、5VのCoVおよび3000VのSV(またはE/N約100Td)を使用して、オンにされる。DMSデバイスによって選択された前駆体イオンに関して、TOF-MS/MS分析が、350~1,200m/zの広い前駆体イオン質量範囲全体にわたって実施される。したがって、DMSデバイスによって、350~1,200m/zの広い前駆体イオン質量範囲において選択される前駆体イオンが、選択され、フラグメント化される。結果として生じる生成イオンは、次いで、質量分析される。この生成イオン質量分析から、生成イオン質量スペクトルが、生成される。
ステップ930において、DMSデバイスのCoVは、本質的に、6Vのより高い値に漸進させられる。DMSデバイスのSVは、3000V(またはE/N約100Td)に一定に保たれる。再び、このCoVにおいてDMSデバイスによって選択された前駆体イオンに関して、前駆体イオンが、350~1,200m/zの広い前駆体イオン質量範囲からさらに選択され、フラグメント化され、結果として生じる生成イオンが、質量分析され、生成イオン質量スペクトルが、生成される。
ステップ940において、DMSデバイスのCoVは、再び、7Vのより高い値に漸進または増加させられる。DMSデバイスのSVは、3000V(またはE/N約100Td)に一定に保たれる。再び、このCoVにおいてDMSデバイスによって選択された前駆体イオンに関して、前駆体イオンが、350~1,200m/zの広い前駆体イオン質量範囲からさらに選択され、フラグメント化され、結果として生じる生成イオンが、質量分析され、生成イオン質量スペクトルが、生成される。
DMSデバイスのCoV値を漸進させるプロセスは、追加の8つのステップにわたって継続する。ステップの総数は、11である。最後の2つのステップが、ステップ950および960として示される。DMSデバイスのSV値、タンデム質量分析計の前駆体イオン質量選択窓、およびタンデム質量分析計のCEの全ては、全11個のステップにわたって一定に保持される。
各サイクルにおける11個のステップの各々から、生成イオンスペクトルが、取得される。その結果、11個の生成イオンスペクトルが、各サイクルに関して取得される。LC実験の複数のサイクルにわたってDMSデバイスの各CoV値に関して生成された生成イオン質量スペクトルの全てから、XICが、各見出される生成イオンに関して計算される。
図9において、DMSデバイスのCoVは、各ステップにおいて、低値から開始し、より高い値に漸進または増加させられる。代替実施形態において、DMSデバイスのCoVは、各ステップにおいて、高値から開始し、より低い値に漸進または減少させられる。別の代替実施形態において、DMSデバイスのためのCoV値の所定のリストは、可変レベルの強度を有し得る。例えば、リスト上のCoV値は、複数回、増加および減少し得る。この場合、DMSデバイスのCoVは、各ステップにおいて、初期値から開始し、リストの次の値に漸進または移動させられる。言い換えると、リスト上のCoV値は、必ずしも、均一に増加または減少する必要はなく、ランダムに変動し得る。CoV値の連続した変動は、ランダムに変動し得るが、使用される値は、既知であり、反復可能である必要がある。
従来のSWATH LC-MS/MSにおけるように、前駆体イオンによって表されるペプチドは、例えば、その対応する生成イオンを見出すことによって確認される。より狭い50m/z前駆体イオン質量範囲の対応する生成イオンが、それらのXICピークの滞留時間を前駆体イオンのXICピークの滞留時間に合致させることによって見出される。
(DM-SWATHシステム)
図10は、種々の実施形態による、DMSデバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して、選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析するためのシステム1000の概略図である。システム1000は、DMSデバイス1010と、タンデム質量分析計1020と、プロセッサ1030とを含む。
DMSデバイス1010は、補償電圧(CoV)に基づいて、前駆体イオンを分離するように構成される。例示的DMSデバイスは、SCIEXによって生産されたSelexIONTMデバイスである。
タンデム質量分析計1020が、分離された前駆体イオンをDMSデバイス1010から受け取る。タンデム質量分析計1020は、前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタ1021およびフラグメント化デバイス1022と、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器1023とを含む。質量フィルタ1021は、四重極として示される。しかしながら、質量フィルタ1021は、任意のタイプの質量フィルタであることができる。フラグメント化デバイス1022は、四重極として示される。しかしながら、フラグメント化デバイス1022は、任意のタイプのフラグメント化デバイスであることができる。質量分析器1023は、飛行時間(TOF)質量分析器として示される。しかしながら、質量分析器1023は、任意のタイプの質量分析器であることができる。タンデム質量分析計の質量分析器は、限定ではないが、例えば、飛行時間(TOF)デバイス、四重極、イオントラップ、線形イオントラップ、オービトラップ、磁気式4セクタ質量分析器、ハイブリッド四重極飛行時間(Q-TOF)質量分析器、またはフーリエ変換質量分析器を含むことができる。
プロセッサ1030は、DMSデバイス1010およびタンデム質量分析計1020と通信する。プロセッサ1030は、限定ではないが、図1のシステム、コンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または制御信号およびデータをDMSデバイス1010およびタンデム質量分析計1020、および他のデバイスに送信し、それらから受信することが可能な任意のデバイスであることができる。
プロセッサ1030は、DMSデバイス1010のための複数の補償電圧(CoV)および質量フィルタ1021のための前駆体イオン質量範囲を受信する。複数のCoVおよび前駆体イオン質量範囲は、ユーザインターフェース(図示せず)を通してユーザから、またはメモリ(図示せず)から、受信され得る。複数のCoVおよび前駆体イオン質量範囲は、標準的取り込み方法の一部として、またはカスタマイズされた実験の一部として、定義され得る。
好ましい実施形態において、複数のCoVは、複数の増加するCoVである。代替実施形態において、複数のCoVは、複数の減少するCoVである。別の代替実施形態において、複数のCoVは、複数のランダムに変動するCoVである。
複数のCoVの各CoVに関して、プロセッサ1030は、いくつかのステップを実施する。第1のステップにおいて、プロセッサ1030は、CoVをDMSデバイス1010に印加し、前駆体イオンの群を選択する。プロセッサ1030は、例えば、CoV電圧源1011を制御することによって、CoVをDMSデバイス1010に印加する。
図11は、種々の実施形態による、図10のDMSデバイス1010が、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの群を分離し、図10のタンデム質量分析計1020が、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法を示す例示的略図1100である。
プロット1111、1112、および111nは、図10のDMSデバイス1010が、複数のCoV:CoV、CoV、およびCoVの各々に関して、前駆体イオンの群を選択する方法を示す。例えば、前駆体イオン1121が、CoVのために選択され、前駆体イオン1122が、CoVのために選択され、前駆体イオン112nが、CoVのために選択される。前駆体イオン1121、1122、および112nの選択は、m/zと互いに関係しないことに留意されたい。プロット1111、1112、および111nが例証目的のためだけのものであり、図10のDMSデバイス1010によって選択された前駆体イオンの群が質量分析されておらず、質量窓を使用して選択されていないことにも留意されたい。
図10に戻ると、プロセッサ1030は、前駆体イオン質量範囲内にある群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように質量フィルタ1021に、命令する。図11のプロット1131、1132、および113nは、図10の質量フィルタ1021が、前駆体イオン質量範囲内にある群の前駆体イオンを選択する方法を示す。例えば、前駆体イオン質量選択窓1140は、同じ前駆体イオン質量範囲内にある群の前駆体イオンを選択する。再び、プロット1131、1132、および113nが例証目的のためだけのものであり、同じ前駆体イオン質量範囲内にある群の前駆体イオンが質量分析されていないことに留意されたい。
図10に戻ると、プロセッサ1030は、前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するようにフラグメント化デバイス1022に命令する。図11のプロット1151、1152、および115nは、図10のフラグメント化デバイス1022によってフラグメント化される前駆体イオンの部分群を示す。再び、プロット1151、1152、および115nが例証目的のためだけのものであり、フラグメント化される前駆体イオンの部分群は、質量分析されていないことに留意されたい。
図10に戻ると、プロセッサ1030は、生成イオンの群の強度およびm/zを測定し、複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように質量分析器1023に、命令する。図11のプロット1161、1162、および116nは、図10の質量分析器1023によって測定された複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを示す。
図10に戻ると、プロセッサ1030は、例えば、1つ以上の電圧供給源(図示せず)を使用して、1つ以上の電圧をこれらのデバイスに印加することによって、質量フィルタ1021、フラグメント化デバイス1022、および質量分析器1023に命令する。
例えば、DMSデバイス1010は、プロセッサ1030によって受信されるRF SVに基づいて、前駆体イオンを分離するように構成されることもできる。プロセッサ1030は、複数のCoVの各CoVに関して、同じSVをDMSデバイスに印加する。プロセッサ1030は、例えば、SV電圧源1012を制御することによって、SVをDMSデバイス1010に印加する。種々の実施形態において、受信されるSVは、3,000Vを上回る(または100Tdより大きい、E/N)。
種々の実施形態において、図10のシステム1000は、既知の化合物がサンプル中にあるかどうかを確認するためにさらに使用される。システム1000は、サンプル分離デバイス1040と、イオン源1050とをさらに含む。サンプル分離デバイス1040は、限定ではないが、液体クロマトグラフィ、ガスクロマトグラフィ、キャピラリー電気泳動、またはイオン移動度を含む技法を使用する。イオン源1050は、限定ではないが、エレクトロスプレーイオン化(ESI)(例えば、ナノ噴霧)またはマトリックス支援レーザ脱離イオン化(MALDI)を含む技法を使用する。
サンプル分離デバイス1040は、1つ以上の化合物をサンプルから経時的に分離する。イオン源1050は、分離された1つ以上の化合物をイオン化し、イオン化された前駆体イオンをDMSデバイス1010にイオンビームとして伝送する。
プロセッサ1030は、一連の時間サイクルでイオンビームをサンプリングするようにDMSデバイス1010に、命令する。一連の各サイクルに関して、プロセッサ1030は、いくつかのステップを実施する。第1のステップにおいて、プロセッサ1030は、微分移動度選択を伴わずに前駆体調査走査を実施するようにDMSデバイス1010およびタンデム質量分析計1020に命令する。これは、ゼロのCoVをDMSデバイス1010に印加し、前駆体イオン質量範囲内にあるイオンビームの前駆体イオンを選択し、フィルタ処理された前駆体イオンの群を生成するように質量フィルタ1021に命令し、フラグメント化を伴わずにフィルタ処理された前駆体イオンの群を質量分析器1023に伝送するようにフラグメント化デバイス1022に命令し、フィルタ処理された前駆体イオンの群の強度およびm/zを測定し、前駆体イオンスペクトルを生成するように質量分析器1023に命令することによって実施される。
第2のステップにおいて、プロセッサ1030は、上で説明されるように、複数のCoVの各CoVに関して、連続的微分移動度依存生成イオン走査をイオンビームに実施するようにDMSデバイス1010およびタンデム質量分析計1020に命令する。
プロセッサ1030は、一連の時間サイクルにわたって測定された前駆体イオンスペクトルと生成イオンスペクトルとを使用して、サンプル中の1つ以上の化合物の存在を確認する。具体的に、プロセッサ1030は、一連の時間サイクルにわたって取り込まれた前駆体イオンスペクトルから、化合物に対応することが既知の前駆体イオンに関する前駆体イオンXICを計算する。プロセッサ1030は、一連の時間サイクルにわたって各CoVに関して取り込まれた生成イオンスペクトルから、化合物に対応することが既知の1つ以上の生成イオンに関する1つ以上の生成イオンXICを計算する。プロセッサ1030は、前駆体イオンXICのXICピークの滞留時間が1つ以上の生成イオンXICのXICピークの滞留時間に合致する場合、化合物の存在を確認する。
上で説明されるように、例えば、DMSデバイス1010は、プロセッサ1030によって受信されるSVに基づいて、前駆体イオンを分離するように構成されることもできる。その結果、プロセッサ1030は、ゼロのSVをDMSデバイス1010に印加することによって、微分移動度選択を伴わずに前駆体調査走査を実施するようにDMSデバイス1010およびタンデム質量分析計1020に命令する。
種々の実施形態において、1つ以上の化合物は、1つ以上のペプチドであることができる。
(DM-SWATH方法)
図12は、種々の実施形態による、DMSデバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法1200を示すフローチャートである。
ステップ1210において、プロセッサを使用して、DMSデバイスのための複数のCoVが、受信され、タンデム質量分析計の質量フィルタのための前駆体イオン質量範囲が、受信される。DMSデバイスは、CoVに基づいて、前駆体イオンを分離するように構成される。タンデム質量分析計は、分離された前駆体イオンをDMSデバイスから受け取り、前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタおよびフラグメント化デバイスと、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器とを含む。
ステップ1220において、反復的一連のステップが、プロセッサを使用して、複数のCoVの各CoVに関して実施される。
ステップ1230において、CoVが、DMSデバイスに印加され、前駆体イオンの群を選択する。
ステップ1240において、質量フィルタは、前駆体イオン質量範囲内にある群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように命令される。
ステップ1250において、フラグメント化デバイスは、前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するように命令される。
ステップ1260において、質量分析器は、プロセッサを使用して、生成イオンの群の強度およびm/zを測定し、複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように命令される。
(DM-SWATHコンピュータプログラム製品)
種々の実施形態において、コンピュータプログラム製品は、有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み、そのコンテンツは、DMSデバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法を実施するためのプロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含む。方法は、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステムによって実施される。
図13は、種々の実施形態による、DMSデバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法を実施する、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステム1300の概略図である。システム1300は、入力データモジュール1310と、制御モジュール1320とを含む。
入力データモジュール1310が、DMSデバイスのための複数のCoVおよびタンデム質量分析計の質量フィルタのための前駆体イオン質量範囲を受信する。DMSデバイスは、CoVに基づいて、前駆体イオンを分離するように構成される。タンデム質量分析計は、分離された前駆体イオンをDMSデバイスから受け取り、前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタおよびフラグメント化デバイスと、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器とを含む。
制御モジュール1320は、複数のCoVの各CoVに関して、反復的一連のステップを実施する。各CoVは、DMSデバイスに印加され、前駆体イオンの群を選択する。質量フィルタは、前駆体イオン質量範囲内にある群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように命令される。フラグメント化デバイスは、前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するように命令される。質量分析器は、制御モジュールを使用して、生成イオンの群の強度および質量/電荷比(m/z)を測定し、複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように命令される。
本教示は、種々の実施形態と併せて説明されるが、本教示がそのような実施形態に限定されることは意図されない。対照的に、本教示は、当業者によって理解されるであろうように、種々の代替案、修正、および均等物を包含する。
さらに、種々の実施形態の説明において、本明細書は、ステップの特定の一続きとして、方法および/またはプロセスを提示し得る。しかしながら、方法またはプロセスが、本明細書に記載されるステップの特定の順序に依拠しないという点において、方法またはプロセスは、説明されるステップの特定の一続きに限定されるべきではない。当業者が理解するであろうように、ステップの他の一続きも可能であり得る。したがって、本明細書に記載されるステップの特定の順序は、請求項に関する限定として解釈されるべきではない。加えて、方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、それらのステップの実施を書かれた順序に制限されるべきではなく、当業者は、一続きが、変動させられ得、依然として、種々の実施形態の精神および範囲内に留まることを容易に理解することができる。

Claims (13)

  1. 微分移動度分光法(DMS)デバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析するためのシステムであって、前記システムは、
    補償電圧(CoV)に基づいて、前駆体イオンを分離するように構成されたDMSデバイスと、
    前記分離された前駆体イオンを前記DMSデバイスから受け取るタンデム質量分析計であって、前記タンデム質量分析計は、前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタおよびフラグメント化デバイスと、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器とを含む、タンデム質量分析計と、
    前記DMSデバイスおよび前記タンデム質量分析計と通信しているプロセッサであって、
    前記プロセッサは、
    (a)前記DMSデバイスのための複数のCoVおよび前記質量フィルタのための前駆体イオン質量範囲を受信することと、
    (b)前記複数のCoVの各CoVに関して、
    前記各CoVを前記DMSデバイスに印加し、前駆体イオンの群を選択することと、
    前記前駆体イオン質量範囲内にある前記群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、
    前記前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、
    前記生成イオンの群の強度および質量/電荷比(m/z)を測定し、前記複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと
    を行う、プロセッサと、
    1つ以上の化合物をサンプルから経時的に分離するサンプル分離デバイスと、
    前記分離された1つ以上の化合物をイオン化し、前記イオン化された前駆体イオンを前記DMSデバイスにイオンビームとして伝送するイオン源と
    を備え、
    前記プロセッサは、
    一連の時間サイクルにおいて前記イオンビームをサンプリングするように前記DMSデバイスに命令することと、
    前記一連の各サイクルに関して、
    ゼロのCoVを前記DMSデバイスに印加することによって、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、前記前駆体イオン質量範囲内にある前記イオンビームの前駆体イオンを選択し、フィルタ処理された前駆体イオンの群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、フラグメント化なしで前記フィルタ処理された前駆体イオンの群を前記質量分析器に伝送するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、前記フィルタ処理された前駆体イオンの前記群の強度およびm/zを測定し、前駆体イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと、
    ステップ(b)を実施することによって、連続的微分移動度依存生成イオン走査を前記イオンビームに実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、
    前記サンプル中の1つ以上の化合物の存在を確認することと
    を行い、
    前記確認することは、
    前記一連の時間サイクルにわたって取り込まれた前駆体イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の前駆体イオンに関する前駆体イオン抽出イオンクロマトグラフ(XIC)を計算することと、
    前記一連の時間サイクルにわたって各CoVに関して取り込まれた前記生成イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の1つ以上の生成イオンに関する1つ以上の生成イオンXICを計算することと、
    前記前駆体イオンXICのXICピークの滞留時間が前記1つ以上の生成イオンXICのXICピークの滞留時間に合致する場合、前記化合物の存在を確認することと
    による、システム。
  2. 前記DMSデバイスは、RF分離電圧(SV)に基づいて前駆体イオンを分離するようにも構成され、ステップ(a)において、前記プロセッサは、前記DMSデバイスのためのSVも受信し、ステップ(b)において、前記プロセッサは、前記SVも前記DMSデバイスに印加する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記SVは、3,000Vより大きい、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記SVは、100Tdより大きい換算電場(E/N)を表す、請求項2に記載のシステム。
  5. 前記DMSデバイスは、RF分離電圧(SV)に基づいて前駆体イオンを分離するようにも構成され、ステップ(a)において、前記プロセッサは、前記DMSデバイスのためのSVも受信し、ステップ(b)において、前記プロセッサは、前記SVも前記DMSデバイスに印加し、前記プロセッサは、ゼロのSVを前記DMSデバイスに印加することによって、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施するようにも前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令する、請求項に記載のシステム。
  6. 前記SVは、3,000Vより大きい、請求項に記載のシステム。
  7. 前記SVは、100Tdより大きい換算電場(E/N)を表す、請求項に記載のシステム。
  8. 前記質量分析器は、飛行時間(TOF)質量分析器を備えている、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記1つ以上の化合物は、1つ以上のペプチドを含む、請求項に記載のシステム。
  10. 微分移動度分光法(DMS)デバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法であって、前記方法は、
    (a)プロセッサを使用して、DMSデバイスのための複数の補償電圧(CoV)およびタンデム質量分析計の質量フィルタのための前駆体イオン質量範囲を受信することであって、前記DMSデバイスは、CoVに基づいて、前駆体イオンを分離するように構成され、前記タンデム質量分析計は、前記分離された前駆体イオンを前記DMSデバイスから受け取り、前記タンデム質量分析計は、前記前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタおよびフラグメント化デバイスと、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器とを含む、ことと、
    (b)前記複数のCoVの各CoVに関して、
    前記各CoVを前記DMSデバイスに印加し、前駆体イオンの群を選択することと、
    前記前駆体イオン質量範囲内にある前記群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、
    前記前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、
    前記プロセッサを使用して、前記生成イオンの群の強度および質量/電荷比(m/z)を測定し、前記複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと、
    前記プロセッサを使用して、一連の時間サイクルにおいてイオンビームをサンプリングするように前記DMSデバイスに命令することであって、サンプル分離デバイスが、1つ以上の化合物をサンプルから経時的に分離し、イオン源が、前記分離された1つ以上の化合物をイオン化し、前記イオン化された前駆体イオンを前記DMSデバイスに前記イオンビームとして伝送する、ことと、
    前記一連の各サイクルに関して、
    前記プロセッサを使用して、ゼロのCoVを前記DMSデバイスに印加することによって、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、前記前駆体イオン質量範囲内にある前記イオンビームの前駆体イオンを選択し、フィルタ処理された前駆体イオンの群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、フラグメント化なしで前記フィルタ処理された前駆体イオンの群を前記質量分析器に伝送するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、前記フィルタ処理された前駆体イオンの前記群の強度およびm/zを測定し、前駆体イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと、
    前記プロセッサを使用して、ステップ(b)を実施することによって、連続的微分移動度依存生成イオン走査をイオンビームに実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、
    前記プロセッサを使用して、前記サンプル中の1つ以上の化合物の存在を確認することと
    を含み、
    前記確認することは、
    前記一連の時間サイクルにわたって取り込まれた前駆体イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の前駆体イオンに関する前駆体イオン抽出イオンクロマトグラフ(XIC)を計算することと、
    前記一連の時間サイクルにわたって各CoVに関して取り込まれた前記生成イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の1つ以上の生成イオンに関する1つ以上の生成イオンXICを計算することと、
    前記前駆体イオンXICのXICピークの滞留時間が前記1つ以上の生成イオンXICのXICピークの滞留時間に合致する場合、前記化合物の存在を確認することと
    による、方法。
  11. 前記DMSデバイスは、RF分離電圧(SV)に基づいて前駆体イオンを分離するようにも構成され、ステップ(a)において、SVも、前記DMSデバイスのために受信され、ステップ(b)において、前記SVも、前記DMSデバイスに印加される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記DMSデバイスは、RF分離電圧(SV)に基づいて前駆体イオンを分離するようにも構成され、ステップ(a)において、SVも、前記DMSデバイスのために受信され、ステップ(b)において、前記SVも、前記DMSデバイスに印加され、ゼロのSVを前記DMSデバイスに印加することによって、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施するようにも前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令する、請求項10に記載の方法。
  13. 非一過性かつ有形のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記記憶媒体のコンテンツは、微分移動度分光法(DMS)デバイスおよびタンデム質量分析計を制御し、異なる微分移動度を伴う前駆体イオンの別個の群を連続して選択し、質量フィルタ処理し、フラグメント化し、各群の結果として生じる生成イオンを質量分析する方法を実施するためのプロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、前記方法は、
    システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを備え、前記異なるソフトウェアモジュールは、データ入力モジュールと制御モジュールとを備えている、ことと、
    (a)データ入力モジュールを使用して、DMSデバイスのための複数の補償電圧(CoV)およびタンデム質量分析計の質量フィルタのための前駆体イオン質量範囲を受信することであって、前記DMSデバイスは、CoVに基づいて、前駆体イオンを分離するように構成され、前記タンデム質量分析計は、前記分離された前駆体イオンを前記DMSデバイスから受け取り、前記タンデム質量分析計は、前記前駆体イオンをフィルタ処理およびフラグメント化するための質量フィルタおよびフラグメント化デバイスと、結果として生じる生成イオンを質量分析するための質量分析器とを含む、ことと、
    (b)前記複数のCoVの各CoVに関して、
    前記各CoVを前記DMSデバイスに印加し、前駆体イオンの群を選択することと、
    前記前駆体イオン質量範囲内にある前記群の前駆体イオンを選択し、前駆体イオンの部分群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、
    前記前駆体イオンの部分群をフラグメント化し、生成イオンの群を生成するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、
    前記制御モジュールを使用して、前記生成イオンの群の強度および質量/電荷比(m/z)を測定し、前記複数のCoVの各CoVに関する生成イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと、
    前記プロセッサを使用して、一連の時間サイクルにおいてイオンビームをサンプリングするように前記DMSデバイスに命令することであって、サンプル分離デバイスが、1つ以上の化合物をサンプルから経時的に分離し、イオン源が、前記分離された1つ以上の化合物をイオン化し、前記イオン化された前駆体イオンを前記DMSデバイスに前記イオンビームとして伝送する、ことと、
    前記一連の各サイクルに関して、
    前記プロセッサを使用して、ゼロのCoVを前記DMSデバイスに印加することによって、微分移動度選択なしで前駆体調査走査を実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、前記前駆体イオン質量範囲内にある前記イオンビームの前駆体イオンを選択し、フィルタ処理された前駆体イオンの群を生成するように前記質量フィルタに命令することと、フラグメント化なしで前記フィルタ処理された前駆体イオンの群を前記質量分析器に伝送するように前記フラグメント化デバイスに命令することと、前記フィルタ処理された前駆体イオンの前記群の強度およびm/zを測定し、前駆体イオンスペクトルを生成するように前記質量分析器に命令することと、
    前記プロセッサを使用して、ステップ(b)を実施することによって、連続的微分移動度依存生成イオン走査をイオンビームに実施するように前記DMSデバイスおよびタンデム質量分析計に命令することと、
    前記プロセッサを使用して、前記サンプル中の1つ以上の化合物の存在を確認することと
    を含み、
    前記確認することは、
    前記一連の時間サイクルにわたって取り込まれた前駆体イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の前駆体イオンに関する前駆体イオン抽出イオンクロマトグラフ(XIC)を計算することと、
    前記一連の時間サイクルにわたって各CoVに関して取り込まれた前記生成イオンスペクトルから、前記化合物に対応することが既知の1つ以上の生成イオンに関する1つ以上の生成イオンXICを計算することと、
    前記前駆体イオンXICのXICピークの滞留時間が前記1つ以上の生成イオンXICのXICピークの滞留時間に合致する場合、前記化合物の存在を確認することと
    による、コンピュータプログラム製品。
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