JP7325434B2 - 対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのデバイス、システム及び方法 - Google Patents

対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのデバイス、システム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのデバイス、システム及び方法に関する。更に、本発明は、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出することを可能にする検出信号を取得するためのデバイスに関する。
人間のバイタルサイン、例えば、心拍数(HR)、呼吸数(RR)又は(抹消又は拍動)血中酸素飽和度(SpO2:動脈血中酸素飽和度SaO2の推定値をもたらす)は、人間の現在の状態の指標として、及び深刻な医療事象の強力な予測因子として役立つ。このため、入院患者及び外来患者のケア施設において、自宅で、又は更なる健康、レジャー、フィットネス施設において、バイタルサインが広範囲にモニタリングされる。
バイタルサインを測定する1つの方法はプレチスモグラフィである。プレチスモグラフィは、一般的に、臓器又は身体部位の容積変化の測定を指し、特に、心拍ごとに対象者の身体を通って移動する心血管パルス波(cardio-vascular pulse wave)による容積変動の検出を指す。
フォトプレチスモグラフィ(PPG)は、関心領域又は容積の光の反射率又は透過率における経時変化を評価する光学測定技術である。PPGは、血液が周囲の組織よりも光を吸収するため、心拍ごとの血液量における変動が、それに応じて透過率又は反射率に影響を与えるという原理に基づく。脈拍数(心拍数)に関する情報の他に、PPG波形(PPG信号とも呼ばれる)は、呼吸等の更なる生理現象に起因し得る情報を含むことができる。異なる波長(典型的には赤色及び赤外線)における透過率及び/又は反射率を評価することによって、血中酸素飽和度を決定することができる。
対象者の心拍数及び(動脈)血中酸素飽和度を測定するための従来のパルスオキシメーター(本明細書において接触PPGデバイスとも呼ばれる)は、患者の皮膚、例えば指先、耳たぶ又は額に取り付けられる。したがって、これらは「接触」PPGデバイスと呼ばれる。接触PPGは基本的には非侵襲性の技術とみなされるが、接触PPG測定は、パルスオキシメーターが対象者に直接取り付けられ、かつケーブルが移動の自由を制限し、ワークフローを妨害し得るため、不快で邪魔なものとして経験されることが多くある。
この10年で、邪魔にならない測定のための非接触リモートPPG(rPPG)デバイス(カメラベースのデバイス又はビデオヘルスモニタリングデバイスとも呼ばれる)が提案されている。リモートPPGは、関心のある対象者から離して配置された光源、又は一般に、放射源を利用する。同様に、検出器、例えばカメラ又は光検出器も、関心のある対象者から離して配置することができる。したがって、リモートフォトプレチスモグラフィシステム及びデバイスは、邪魔にならず、医学的及び非医学的な日常的用途に適したものとみなされる。
PPG技術を使用して、バイタルサインを測定することができる。バイタルサインは、拍出血液量によってもたらされる皮膚における微小な光吸収の変化、すなわち、血液量パルス(blood volume pulse)によって生じるヒトの皮膚の周期的色変化によって明らかにされる。この信号は非常に小さく、かつ、照明の変化及び動きに起因するはるかに大きな変動において隠れているため、根本的に低い信号対雑音比(SNR)を改善することに一般的関心がある。特に、より重要なヘルスケア用途のために、バイタルサイン測定デバイス及び方法の改善されたロバスト性及び精度が要求される、激しい動き、困難な環境照射条件、又は厳しい精度要件を有する要求水準の高い状況が依然として存在している。
(例えば、心拍数、呼吸数、SpO2、アクチグラフィー、せん妄等をモニタリング又は検出するための)ビデオヘルスモニタリングは、有望な新興分野である。その固有の邪魔にならない特性は、弱い皮膚を有するか、NICU患者等の長期バイタルサインモニタリングを必要とする患者、広範囲熱傷を有する患者、接触センサを取り外す精神障害者、又は睡眠中に自宅でモニタリングされなくてはならないCOPD患者にとって明確な利点を有する。一般病棟又は緊急治療室等の他の施設においても、非接触モニタリングの快適性は依然として魅力的な特徴である。
重要なバイタルサインのうちの1つ、血中酸素飽和度(SpO2)の測定は、近年、カメラに基づくrPPGを用いて達成可能であることが示されている。SpO2測定は、相対拍動性、すなわち、異なる波長チャネルにおける拍動性信号(AC/DC)の正規化された振幅の正確な検出を必要とする。リモート測定の精度に対し、2つの大きな脅威が存在する。第1の脅威は、拍動性が、ノイズと比較して低いことであり、第2の脅威は、心弾動図記録法(BCG)の動きにより各チャネルにおける相対拍動性が変更されることである。
酸素飽和度の次に、同じ(幾分適合された)技法を用いて、他の動脈血ガス及び血液種、例えばHBCO、MetHB、HBCO2、ビリルビンの飽和度が取得され、本発明が解決しようとする脅威と同じ脅威を被る。動脈血のみが心臓活動の調律で拍動することが想定されるため、動脈血成分がこの技法により選択される。同様に、呼吸サイクルは、静脈系における容積変動を生じさせることが仮定され、静脈血成分を分析し、例えば静脈酸素飽和度(SvO2)を推定するために、異なる波長における呼吸調律での拍動の相対強度が用いられることを暗に意味する。
このため、有望な新たな分野であるが、多くの課題が克服されなくてはならない。システムを、患者の運動に対しロバストであるように設計することは、現時点における主要な課題のうちの1つである。これらの課題のうちの1つは、バイタルサインカメラを用いたモーションロバストなSpO2測定を達成し、改善されたモーションロバストなパルス信号及び呼吸信号、改善されたパルス数及び呼吸数、及び例えばロバストなCOレベル及び改善された血清ビリルビン推定を得ることである(すなわち、本質的に全てのPPGベースの情報がよりロバストにされる)。
米国特許出願公開第2016/0120482A1号は、対象者から反射された、検出された電磁放射から、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのデバイス、システム及び方法を開示している。デバイスは、対象者の皮膚領域から反射された、検出された電磁放射から導出された検出データのデータストリームを受信するための入力インタフェースであって、検出された電磁放射は、偏光放射検出器の偏光角度が変更されている間に偏光放射検出器によって検出される、入力インタフェースと、検出データからフォトプレチスモグラフィ(PPG)信号を抽出するためのPPG抽出ユニットと、偏光放射検出器の偏光角度の異なる設定についてPPG信号から品質メトリックを決定するための信号品質決定ユニットと、決定された品質メトリックから最適な品質メトリック値を選択し、後続の放射検出のために、偏光放射検出器によって、偏光角度を、最適な品質メトリック値が得られた角度値に設定するために用いるための偏光制御情報を生成するための選択ユニットと、PPG信号から、少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を導出するためのプロセッサとを備える。
結論として、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを決定し、ノイズ及び/又は動きがある場合であっても、より高い信頼性を有する結果を取得するための改善されたデバイス、システム及び方法が必要とされている。
本発明の目的は、ノイズ及び/又は動きがある場合であっても高い精度を有する結果を達成することができる、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのデバイス、システム及び方法を提供することである。
本発明の第1の態様において、
- 対象者の皮膚領域から反射された電磁放射から少なくとも3つの検出信号を導出するように構成された前処理ユニットであって、少なくとも2つの検出信号は、異なる波長チャネルにおける波長依存反射情報を含み、少なくとも2つの検出信号は、異なる偏光方向を有する異なる偏光チャネルにおける反射情報を含み、前処理ユニットは、同じ波長チャネル内であるが、異なる偏光チャネル内の波長依存反射情報を含む、少なくとも3つの検出信号のうちの2つを導出し、かつ/又は第1の波長チャネル、及び第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける第1の反射情報と、第1の波長チャネル、及び第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける第2の反射情報との間の差分を表す差分検出信号として、少なくとも3つの検出信号のうちの1つを導出するように更に構成される、前処理ユニットと、
- 異なる所与のシグネチャベクトルを用いて少なくとも3つの検出信号から少なくとも2つのパルス信号を計算するように構成されたパルス信号計算ユニットであって、各パルス信号の計算のために、異なる所与のシグネチャベクトルが用いられ、所与のシグネチャベクトルは、少なくとも3つの検出信号におけるそれぞれのパルス信号の予測相対拍動性を表し、パルス信号の計算は、重みを用いて少なくとも3つの検出信号の加重結合を計算することを伴い、結果として、元の検出信号との積がそれぞれのシグネチャベクトルによって表される相対拍動性に等しいパルス信号が得られる、パルス信号計算ユニットと、
- それぞれのパルス信号の特性を示すパルス信号の品質インジケータ値を計算するように構成された品質インジケータ計算ユニットと、
- 結果として最良の品質インジケータ値を有するパルス信号をもたらすシグネチャベクトルから、及び/又は最良の品質インジケータ値を有するパルス信号自体から、少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を導出するように構成された処理ユニットと
を備えるデバイスが提示される。
本発明の更なる態様において、
- 対象者の皮膚領域から反射された電磁放射を受光するように構成された受光部と、
- 受光した電磁放射から、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するための、本明細書に開示されるデバイスと
を備える、システムが提示される。
本発明のまた更なる態様において、対応する方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項において定義されている。請求される方法及びシステムは、請求されるデバイス、特に従属請求項に定義され、本明細書に開示されるものと類似、及び/又は、同一の好ましい実施形態を有するものと理解されるべきである。
通常、PPG信号は、皮膚における血液量の変動から結果として生じる。このため、その変動は、反射され/透過された光の異なるスペクトル成分において見た場合に、特徴的な拍動性「シグネチャ」を与える。この「シグネチャ」は、基本的に、血液の吸収スペクトルと無血皮膚組織の吸収スペクトルとのコントラスト(差異)として結果として生じている。検出器、例えば、カメラ又はセンサが、離散数(discrete number)のカラーチャネルを有し、それぞれが光スペクトルの特定の部分を検出している場合には、これらのチャネルにおける相対的な拍動性は、「正規化された血液量ベクトル」PBVとも呼ばれる「シグネチャベクトル」の中に配置され得る。このシグネチャベクトルが既知であれば、カラーチャネル及びシグネチャベクトルに基づいたモーションロバストなパルス信号の抽出が可能であることが、参照により本明細書に援用される、G. de Haan及びA. van Leest「Improved motion robustness of remote-PPG by using the blood volume pulse signature」Physiol. Meas. 35 1913, 2014において示されている。パルス信号の品質については、それでもシグネチャベクトルが正しいことが不可欠である。そうでなければ、既知の方法は、シグネチャベクトルによって示されるようにパルスベクトルと正規化されたカラーチャネルとの所定の相関を達成するために、ノイズを出力パルス信号へと混合するからである。
PBV法の詳細及び正規化血液量ベクトル(「基準生理学的情報を示す設定された向きを有する所定のインデックス要素」と呼ばれるもの)の使用も、米国特許出願公開第2013/271591A1号において説明されており、その詳細も、WO2017/121834A1と共に参照により本明細書に援用される。
PPG信号の特徴的な波長依存性は、血液の組成が変化するときに変動する。特に、動脈血の酸素飽和度は、620nm~780nmの波長範囲における光吸収に対し強力な影響を有する。異なるSpO2値のこの変化するシグネチャにより、動脈血中酸素飽和度に依拠する相対的なPPG拍動性が導かれる。この依存性を用いて、モーションロバストなリモートSpO2モニタリングシステムを実現することができる。これは適応PBV法(APBV)と称され、M. van Gastel、S. Stuijk及びG. de Haan「New principle for measuring arterial blood oxygenation, enabling motion-robust remote monitoring」Nature Scientific Reports, Nov. 2016に詳細に記載されている。この文書におけるAPBV法の詳細の記載も、参照により本明細書に援用される。
PBV法は、異なる波長チャネルにおける相対拍動性を反映するPBVベクトルが正確であるときに、最もクリーンなパルス信号を与える。このベクトルは実際のSpO2値に依拠するため、SpO2値の範囲に対応する異なるPBVベクトルを用いてPBV法を試験すると、結果として、SpO2値は、最も高いSNRを有するパルス信号を与えるPBVベクトルに対応するものとなる。
既知のPBV法及びAPBV法によれば、モーションロバスト性は、PBVベクトルが1ベクトルにより類似する(すなわち、全ての波長において等しい拍動性の場合、動きが引き起こすものに類似している)とき、低減する。これは、SpO2値が低値に降下するときに生じる。モーションロバスト性は依然として存在するが、より高いSpO2値の場合のモーションロバスト性と比較して低減される。
本発明は、シグネチャが、常に、すなわちSpO2値が低い場合であっても低拍動性を有するチャネルを含むようにAPBV法の更なる適合を提供する着想に基づく。適切な波長は自然には存在しないが、偏光された光、及び少なくとも1つの波長について異なる偏光(すなわち、例えば一方が平行偏光を有し、他方が交差偏光を有する異なる偏光方向)を有する2つのチャネルが利用可能であるカメラを用いることが提案される。更に、拍動性PPG信号を大きく抑制し、動きにより引き起こされた歪みのみを含有する差分チャネルが用いられる。常に低拍動性のチャネルをシステムに加えるか、又は既存のチャネルをそのような低拍動性のチャネルと置き換えることにより、上記で説明したモーションロバスト性低減の問題が解決する。
本発明によるPBV法又はAPBV法を用いる手法は、色空間における定義された線に沿った品質ガイドウォーク(quality guided walk)としても理解され、ここで、線は、光学フィルタ(波長)の選択に依拠する。この線は湾曲していてもよく、すなわち、単位球面上の線分であってもよい。これは、PBVシグネチャベクトルが全て単位長を有する(すなわち、それらが単位球面上に位置する)ときに自動的に生じる。シグネチャベクトルは、各特定の測定における動きの影響を更に低減するために、色空間において動的に適合される。
様々な偏光チャネル及び様々な波長チャネルにおいて様々な検出信号をどのように導出するかの様々なオプションが存在する。
1つの実施形態によれば、前処理ユニットは、受光した電磁放射に第1の偏光を適用して、第1の偏光放射を生成し、受光した電磁放射に、第1の偏光と異なる第2の偏光を適用するか、又は偏光を適用せず、第2の偏光放射又は非偏光放射を生成するように構成された、偏光ユニットと、第1の波長チャネルにおける第1の偏光放射から少なくとも1つの検出信号を導出し、第1の波長チャネル及び第2の波長チャネルにおける第2の偏光放射又は非偏光放射から、少なくとも2つの検出信号を導出するように構成されたセンサユニットとを備える。この実施形態において、受光した放射は、まず先に偏光され、次に異なる波長チャネルに分割される。センサユニットは、異なる形で偏光放射をフィルタリングして、それぞれの波長チャネルにおける検出信号を取得するように構成されたフィルタユニットを備える。
代替的な実施形態によれば、前処理ユニットは、受光した電磁放射をフィルタリングして、第1の波長チャネルにおける第1のフィルタリングされた放射及び第2の波長チャネルにおける第2のフィルタリングされた放射を生成するように構成された、フィルタユニットと、第1のフィルタリングされた放射に第1の偏光を適用して、第1の偏光放射を生成し、第1のフィルタリングされた放射及び第2のフィルタリングされた放射に、第1の偏光と異なる第2の偏光を適用するか、又は偏光を適用せず、第2の偏光放射又は非偏光放射及び第3の偏光放射又は非偏光放射を生成するように構成された偏光ユニットと、第1の偏光放射並びに第2及び第3の偏光放射又は非偏光放射の各々から少なくとも1つの検出信号を導出するように構成されたセンサユニットとを備える。この実施形態において、受光した放射は、異なる偏光が適用される前に、まず異なる波長チャネルに分割される。
これらの実施形態のうちの1つの選択は、波長選択フィルタ及び偏光子の相対的価格によって決まる。例えば、最も高価なものを最初に置き、次により安価なフィルタを用いて光学経路を更に分割することが好ましい。
前処理ユニットは、直交偏光方向を有する2つの異なる偏光チャネルにおける反射情報を含む少なくとも2つの検出信号を導出するように構成される。2つの検出信号は、好ましくは、対象者の皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の偏光方向に平行な第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける反射情報を含む第1の検出信号と、対象者の皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の偏光方向に対し直交する第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける反射情報を含む第2の検出信号とである。このようにして、交差偏光方向を用いて鏡面反射成分を抑制することによって、受光した放射の散乱反射成分を選択することが可能である。更に、平行偏光子は、鏡面反射を通過させる。拡散(鏡面)反射は、優先的な位相を有することなく全ての方向を含むため、チャネルにおける絶対拍動性は、偏光方向に依拠しない。したがって、平行偏光子を装備したセンサ信号と、直交偏光子を有するセンサ信号との差は、ほとんどいかなる散乱反射も含まず、非拍動性の鏡面反射のみを含む。すなわち、このため、所望の低拍動性チャネルが、PBV又はAPBV法において用いるために提供される。
検出信号及び偏光/波長チャネルの様々な組合せを様々な好ましい実施形態において利用することができる。
1つの実施形態において、前処理ユニットは、
- 第1の波長チャネル、及び対象者の皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の偏光方向に平行な第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける反射情報を含む第1の検出信号と、
- 第1の波長チャネル及び第2の非偏光の偏光チャネルにおける反射情報を含む第2の検出信号と、
- 第1の波長チャネルと異なる第2の波長チャネル、及び第2の非偏光の偏光チャネルにおける反射情報を含む第3の検出信号と
を導出するように構成される。
別の実施形態において、前処理ユニットは、
- 第1の波長チャネル、及び対象者の皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の偏光方向に平行な第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける反射情報を含む第1の検出信号と、
- 第1の波長チャネル、及び対象者の皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の偏光方向に対し直交する第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける反射情報を含む第2の検出信号と、
- 第1の波長チャネルと異なる第2の波長チャネル、及び第2の偏光チャネルにおける反射情報を含む第3の検出信号と
を導出するように構成される。
これによって、前処理ユニットは、第1の波長チャネル及び第2の波長チャネルと異なる第3の波長チャネル、並びに第2の偏光チャネルにおける反射情報を含む第4の検出信号を導出するように更に構成される。これにより、最終的なバイタルサインの信頼性が更に改善される。
更に別の実施形態において、前処理ユニット及び/又はパルス信号計算ユニットは、第1の波長チャネル、及び第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける第1の反射情報と、第1の波長チャネル、及び第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける第2の反射情報との間の差分を表す差分検出信号を導出するように構成され、パルス信号計算ユニットは、差分検出信号を、少なくとも2つのパルス信号を計算するための検出信号のうちの1つとして用いるように構成される。この差分検出信号(すなわち、差分チャネル)は、選択された波長又はSpO2レベルに関わらず、非常に低い拍動性を有し、このため、チャネルに常に低い拍動性を与えることによって、PBVベクトルとベクトル[1 1 1]との角度を大きく維持する。
更に、実施形態において、パルス信号計算ユニットは、異なるシグネチャベクトルの固定セット又は適合セットを用いるように構成され、処理ユニットは、結果として最も良好な品質インジケータ値を有するパルス信号をもたらすシグネチャベクトルの時系列をフィルタリングして、フィルタリングされたシグネチャベクトルを取得するように構成され、ここから生理学的情報が導出され、シグネチャベクトルの時系列は、パルス信号、及び少なくとも2つの検出信号の連続時間窓について計算された品質インジケータから取得される。この実施形態の1つのオプションによれば、異なるシグネチャベクトルのセットは固定され、すなわち、各シグネチャベクトルは離散バイタルサイン値、例えばSpO2値(例えば、10個のシグネチャベクトルによってカバーされた60%~100%の範囲)に対応する。更に、シグネチャベクトルがバイタルサイン値、例えばSpO2値に1対1で対応することを用いて、フィルタリングされたシグネチャベクトル(増大した分解能、例えばSpO2分解能を有する)を用いて出力バイタルサインを導出する。この実施形態の別のオプションによれば、異なるシグネチャベクトルのセットは、特に、並列ではなく再帰的なシグネチャベクトルの最適化が行われる場合に、異なるシグネチャベクトルの適合セットである。
また更に、シグネチャ適合ユニットは、いずれのパルス信号が最良の品質インジケータ値をもたらすかに依拠した方向において異なるシグネチャベクトルのうちの1つ又は複数を適合させるために提供される。この実施形態によれば、シグネチャ値は、いずれのパルス信号(シグネチャ値のうちの1つを用いて計算される)が最良の品質インジケータ値をもたらすかに依拠した方向において、シグネチャ値が適合(すなわち、更新)される(例えば、更新値が増減される)。このため、この実施形態によれば再帰的/反復的オプションが用いられる。通常、シグネチャベクトルの適合セットは、2つのみのシグネチャベクトルを含むが、更に多く含むことも可能である。
このため、この実施形態は、シグネチャが自動的に正しいシグネチャベクトルに収束するように、de Haan及びvan Leestの上記で引用した論文に開示されるようなPPGセンサにおけるシグネチャベクトルの適合方式を提供する。パルス信号のモーション及びノイズロバスト性を改善することに加えて、更なる利点は、瞬間的なシグネチャベクトルが、血液の(例えば、SpO2、CO、CO2、ビリルビンの)組成に関する全ての関連情報を保持することである。例えば、SpO2は、その瞬間のシグネチャベクトルによって決定される。並列な実施の場合、SpO2は、選択された(すなわち、瞬間的な)シグネチャベクトルによって決まる。
シグネチャ値のセットを部分的に適合させる場合、再帰的/反復的オプションは、常に試験される固定シグネチャベクトルで拡張される。このため、セットは2つの適合されたシグネチャベクトル、及び、例えば、再帰的手法が例えば過剰なノイズにより「脱線」した場合に回復を加速する1つ~3つの固定シグネチャベクトルを含む。
シグネチャ値のセットを部分的に適合させる場合、再帰的/反復的オプションは、常に試験される固定シグネチャベクトルで拡張される。このため、セットは2つの適合されたシグネチャベクトル、及び、例えば、再帰的手法が例えば過剰なノイズにより「脱線」した場合に回復を加速する1つ~3つの固定シグネチャベクトルを含む。好ましくは、全ての可能なシグネチャベクトルは、再帰的/反復的ではなく同時に試験される。
別の好ましい実施形態において、シグネチャ適合ユニットは、基準シグネチャベクトルを用いて、品質インジケータ値に基づいて少なくとも2つのシグネチャベクトルを取得するように構成され、パルス信号計算ユニットは、少なくとも2つのシグネチャベクトルのために検出信号からパルス信号を計算するように構成され、パルス信号と、少なくとも2つの検出信号との比が、対応するシグネチャベクトルによって決定される。基準シグネチャベクトルは好ましくは固定であり、予め決定される。基準シグネチャベクトルは、例えば、健常者(すなわち、97%付近の正常なSpO2を有する)に対し所与の構成(カメラ、光源)で一度測定される。このためにファントムを用いることも可能である。ファントムは、正常な皮膚において通常見られる色変動を有する表面を表示するコンピュータモニタとすることができる。コンピュータモニタは、正常な皮膚に類似した選択された波長チャネルにおけるEM放射変動を有する表面を表示するEM放射体(ピクセル)のアレイとすることができる。ただし、基準シグネチャベクトルは、健常者のシグネチャベクトルに対応する必要はない。例えば80%の別のSpO2値に対応するベクトルをとることも可能である。基準シグネチャベクトルは、発生し得る範囲(70%~100%のSpO2)内にある限り、初期推定値としての役割を果たし、本発明による方法は、モニタリングされる対象者の実際のシグネチャ値に向かって収束する。
上記で説明した実施形態は、良好に機能するシステムをもたらし、基準(REF)シグネチャベクトルは、例えば85%の(多かれ少なかれ範囲の中にある)SpO2値のシグネチャに対応するように選択される。しかしながら、REFベクトルは、この範囲外にある場合もある。しかしながら、要求される範囲、例えば100%~75%、又は110%~70%はカバーされることになる。これは、例えば、候補シグネチャベクトルを記述する以下の式:REF+n×UPDによって達成される。ここで、更新ベクトルUPDは、例えば100%~75%の差を記述するベクトルであり、nは、例えば1/25ずつの段階(シグネチャシーケンスのフィルタリング前の1%の分解能を与える)をとる。
基準シグネチャベクトルは、更には不可能なSpO2レベル、例えば120%×REF+n×UPDにある場合がある。ここで、0<n<30は選択される必要がないが、20<n<50(この例では1%のSpO2精度を仮定する)を選択することも可能である。
このため、REFベクトルを、UPDベクトル(の分数又は倍数)で変更して、REFベクトルが対応するものと異なるSpO2値に対応するシグネチャベクトルを取得することができる。
好ましくは、シグネチャ適合ユニットは、基準正規化血液量パルスベクトルを基準シグネチャベクトルとして適合させて、少なくとも2つのシグネチャベクトルを取得するように構成される。
品質インジケータ値を決定する異なるオプションが存在する。実施形態において、品質インジケータ計算ユニットは、正規化されたパルス信号のスペクトルを、特にスライディング時間窓にわたって計算し、範囲内の最も高いピークの、特に、典型的なパルス周波数の振幅をパルス信号のための品質インジケータとして用いるように構成される。別の実施形態では、品質インジケータ計算ユニットは、スライディング時間窓においてパルス信号を計算し、大きさスペクトルのパルス周波数の範囲における最も高いピークの振幅を、周波数範囲全体(可能なパルス周波数の範囲でもある)にわたるエネルギーで除算したものを、パルス信号のための品質インジケータとして定義するように構成される。更に別の実施形態において、品質インジケータは、パルス信号の大きさのスペクトルのスキューをそれらの品質のインジケータとして用いる。
シグネチャ適合ユニットは、品質インジケータ値を比較して、比較の符号に依拠してカウンタを増減させ、カウンタ値を所定の更新ベクトル及び基準シグネチャベクトルと共に用いて少なくとも2つのシグネチャベクトルを計算するように構成される。更新ベクトルは、一般的に所定である。例えば、100%のSpO2の場合の検出信号における相対拍動性を記述するシグネチャベクトルがPbv2として用いられ、そこから、例えば80%のSpO2の場合のシグネチャベクトルPbv3が減算される場合、この差分ベクトルの分数が更新ベクトルとして用いられる。
パルス信号計算ユニットは、少なくとも2つの検出信号のうちの1つ又は複数に、特に、1つ又は複数の正規化されたDCのない検出信号に、そこからパルス信号を計算する前に、ノイズを加えるように更に構成される。カラーチャネルにいくらかのノイズを加えることにより、特に、皮膚エリアが大きく、観察又は動きにより生じたノイズがほとんどない場合に、性能が改善する。有利な効果は、最適なシグネチャが外乱の存在時に最もクリアであるため、全てのバイタルサインの推定が、実際に、ノイズ(例えば動き)から利益を受けることである。非常にノイズのない状況において、ほとんど全てのシグネチャベクトル(PBV)によりクリーンなパルス信号が導かれ、最適値を求めることが困難となる。
上記で説明したように、本発明は、好ましくは既知のPBV又はAPBV法を利用する。実際の実施態様において、パルス信号計算ユニットは、時間窓にわたって正規化されたDCのない検出信号Cの共分散行列
Figure 0007325434000001
を計算することによってパルス信号S、Sを計算し、パルス信号
Figure 0007325434000002

Figure 0007325434000003
として計算するための重みWを求め、ここで、kは、
Figure 0007325434000004
及びx∈{1,2}となるように選択されるように構成される。ここで、重み及びPBVは、同じ検出信号Cから取得された2つのパルス信号について異なることに留意されたい。記述Q-1は、Qを反転させることができることを仮定することに更に留意すべきである。実際に、これが厳密に反転可能でない場合、不完全な(しかし依然としてLMSの意味で最も可能性の高い)Q-1を受容して、疑似逆、すなわちQの逆の最小平均二乗近似が用いられる。
対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するための提案されるシステムは、対象者の皮膚領域から反射された電磁放射を受光するように構成された受光部と、受光した電磁放射から、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するための、上記で説明したデバイスとを備える。
提案されるシステムの受光部は、特に異なる波長で検出信号を受光するために、好ましくは用途及びシステム構成の種類に依拠して、異なる方式で構成される。一般に、検出信号は、300nm~1000nmの波長間隔から選択され、特に、赤、緑及び青色光に対応する波長部分を表す。これは、PPG信号が(例えば従来の)ビデオカメラによって入手される画像信号から取得されるとき、及びリモートPPGの上述した原理が1つ又は複数のバイタルサインの導出に用いられるときに特に用いられる。他の実施形態では、別のカラーチャネルに加えて、又はその代わりに、赤外光も用いられる。例えば、夜間の用途の場合、これに加えて、又はこの代わりに1つ又は複数の赤外波長が用いられる。
受光部は、光学センサ、カメラ、例えばビデオカメラ、RGBカメラ又はウェブカメラ等の撮像ユニットの光学素子、例えばレンズとして構成される。
好ましくは、システムは、線形偏光された電磁放射、特に300nm~1000nmの波長範囲内の電磁放射を用いて対象者の皮膚領域を照明するように構成された光源(例えば、偏光子を有するLED)等の照明ユニットを更に備える。
提案されるシステムは、バイタルサインを出力するように構成された出力ユニットを更に備える。出力ユニットは、例えば、ディスプレイ、コンピュータ又はラウドスピーカのようなユーザインタフェースである。また更に、提案されるシステムは、バイタルサインに基づいて、アラームを発行し、生成されたアラーム制御信号を出力するように構成されたアラームユニットを制御するためのアラーム制御信号を生成するように構成された制御ユニットを備える。
更なる態様によれば、本発明は、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出することを可能にする検出信号を取得するためのデバイスを対象とする。デバイスは、対象者の皮膚領域から反射された電磁放射を受光するように構成された受光部と、対象者の皮膚領域から反射された電磁放射から少なくとも3つの検出信号を導出するように構成された前処理ユニットであって、少なくとも2つの検出信号は、異なる波長チャネルにおける波長依存反射情報を含み、少なくとも2つの検出信号は、異なる偏光方向を有する異なる偏光チャネルにおける反射情報を含む、前処理ユニットとを備え、前処理ユニットは、同じ波長チャネル内であるが、異なる偏光チャネル内の波長依存反射情報を含む、少なくとも3つの検出信号のうちの2つを導出し、かつ/又は第1の波長チャネル、及び第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける第1の反射情報と、第1の波長チャネル、及び第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける第2の反射情報との間の差分を表す差分検出信号として、少なくとも3つの検出信号のうちの1つを導出するように更に構成される。デバイスは、例えば、カメラ又は他の撮像ユニットとして実施される。
本発明のこれらの及び他の態様が、以下に記載の実施形態から明らかになり、以下に記載の実施形態を参照して解明される。
血液の吸収スペクトルの図を示す。 本発明によるシステムの実施形態の概略図を示す。 本発明による、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのデバイスの実施形態の概略図を示す。 本発明による、前処理ユニットの第1の実施形態を含む、検出信号を取得するためのデバイスの第1の実施形態の概略図を示す。 本発明による、前処理ユニットの第2の実施形態を含む、検出信号を取得するためのデバイスの第2の実施形態の概略図を示す。
以下において、SpO2のモーションロバストな検出の例を参照することによって本発明が説明される。他のバイタルサイン、例えば血液成分については、以下の説明の詳細がそれに応じて適合される必要がある場合がある。
図1は、血液の吸収スペクトルの図を示す。図1に示されるように、100%に近い動脈血中酸素濃度を有する健常者について、相対拍動性、すなわち、皮膚からの反射光のAC/DCが、個々の波長について知られる。例えば、3つの波長760nm、810nm及び905nm(SpO2感度と不可視性とのバランスをとる、近年のSpO2モニタリングにおいて用いられる波長の良好な選択肢である。EM(電磁)放射源の不可視性が問題でない場合、760nmは好ましくは660nmと交換される)において相対拍動性が知られる。3つの相対拍動性は、いわゆる単位長正規化血液量パルスベクトル(シグネチャベクトルとも呼ばれる)PBVの成分として書くことができる。PBVの安定した特性を用いて、血液量変化によって生じる色変動を、代替的な要因に起因した変動と区別することができることが、モーションロバストなパルス抽出のPBV法の本質である。
カメラ又はセンサが、図1に示すスペクトルを、例えば760nm、810nm及び905nm付近でサンプリングする場合、「シグネチャ」ベクトルPBVは、3つの成分を有し、これらはSpO2に依拠する。動脈血の酸素濃度が或るポイント(75%~80%付近の酸素濃度)まで降下する場合、PBVベクトルの3つの成分はより類似する。また、動きにより全ての成分について同一な変動が生じるため、SpO2測定のモーションロバスト性は低SpO2の場合に大幅に低減される。
以下において、RGB波長チャネルを例として用いて、PBV法に関するいくつかの基本的な検討事項が簡単に説明される。
心臓の鼓動は、心臓が血管床の抵抗に逆らって血液を送り出す際に、動脈において圧力変動を生じさせる。動脈は弾性的であるため、その直径は圧力変動と同期して変化する。これらの直径の変化は、皮膚のより小さな血管においてさえも発生し、血液量の変動が光の吸収の変化を生じさせている。
単位長正規化血液量パルスベクトル(シグネチャベクトルとも呼ばれる)は、PBVとして定義され、赤色、緑色、青色のカメラ信号における相対的なPPG強度を提供している。すなわち、
Figure 0007325434000005
であり、ここで、σは標準偏差を表す。
期待値を定量化するために、赤色、緑色、青色チャネルの応答Hred(w)、Hgreen(w)、Hblue(w)は、それぞれ、グローバルシャッターカラーCCDカメラの波長w、対象者の皮膚反射率ρ(w)の関数として測定され、絶対PPG振幅曲線PPG(w)を使用した。これらの曲線から、例えば、上記で引用したde Haan及びvan Leestの論文の図2において示されるように、血液量パルスベクトルPBVが、以下のように計算される。
Figure 0007325434000006
これは、白色ハロゲン照明スペクトルI(w)を使用すると、正規化されたPBV=[0.27,0.80,0.54]を導く。
使用されたモデルによって予測された血液量パルスは、白色照明条件下での複数の対象者に対する測定値を平均した後で得られる、実験的に測定された正規化血液量パルスベクトルであるPBV=[0.33,0.78,0.53]に適度に良好に対応している。この結果が与えられると、観察されるPPG振幅は、特には赤色、かつ、より小さな範囲では青色カメラチャネルにおいて、500nm~600nm間のインターバルにおける波長からのクロストークによって大部分が説明できることが判明した。正確な血液量パルスベクトルは、モデルが示すように、カメラのカラーフィルタ、光のスペクトル、及び皮膚反射率に依存する。実際には、波長チャネルのセットを与えられても、ベクトルは著しく安定であることがわかっている(ベクトルはRGBベースのベクトルと比較して赤外において異なることになる)。
白色照明下での赤色、緑色、及び青色チャネルにおける皮膚の相対反射率は、皮膚のタイプに大きく依存しないことが更にわかっている。これは、おそらく血液を含まない(blood-free)皮膚の吸収スペクトルがメラニン吸収によって支配されているからである。より高いメラニン濃度は絶対吸収をかなり増加させ得るが、異なる波長における相対吸収は同じままである。このことは、メラニンの増加は、皮膚を薄黒くするが、皮膚の正規化された色をほとんど変化させないことを暗に意味している。その結果、正規化された血液量パルスPBVも、また、白色照明下でかなり安定である。赤外波長においては、メラニンの最大吸収が短波長(UV光)について生じ、かつ、より長い波長について減少するので、メラニンの影響は更に減少する。
PBVベクトルがメラニンによる影響を大きく受けない主な理由は、メラニンが表皮内にあり、したがって、AC及びDCの双方において光学フィルタとして機能するためである。このため、PBVベクトルは拍動性を低減させるが、同時に反射のDC値も低減させる。このため、AC/DC(相対拍動性)は全く変化しない。
PBVの安定した特性を用いて、血液量変化によって引き起こされる色の変動を、別の原因による変動と区別することができ、すなわち、安定したPBVを血液量変化の「シグネチャ」として用いて、それらの色変動を区別することができる。このため、カラーチャネルPBVの既知の相対拍動性を用いて、パルス信号と歪みとを判別することができる。既知の方法を使用して結果として生じるパルス信号Sは、個々のDCのない正規化されたカラーチャネルの線形結合(いくつかの可能な「混合」方式のうち1つを表している)として記述することができる。
S=WC
ここで、WW=1であり、3×N行列Cの3つの行の各々が、DCのない正規化された赤色、緑色、及び青色チャネル信号R、G、及びBのN個のサンプルをそれぞれに含んでいる。すなわち、
Figure 0007325434000007
である。ここで、演算子μは平均に対応している。異なる方法間での主要な差異は、重み付けベクトルWの計算におけるものである。1つの方法において、ノイズ及びPPG信号は、2つのカラーチャネルの線形結合として構築された2つの独立信号へと分離される。一方の結合はクリーンなPPG信号を近似し、他方の結合は動きによるノイズを含んでいた。最適化基準として、パルス信号におけるエネルギーが最小化される。別の方法では、3つのカラーチャネルの線形結合を用いてパルス信号が取得される。
PBV法は、基本的には米国特許出願公開第2013/271591A1号及び上記で引用したde Haan及びvan Leestの論文に記載されているように、一般的には血液量パルスベクトルを使用して混合係数を取得する。R、G、及びBのバンドパスフィルタリングされたバージョンが使用される場合に、最良の結果が得られる。この方法によれば、パルス信号と歪みとを判別するために、PBVの既知の方向が用いられる。これは、ビデオにおいてパルスが唯一の周期的成分であるという(初期の方法の)仮定を取り除くだけでなく、歪み信号の方向における仮定も排除する。この目的のために、以前と同様に、パルス信号は正規化されたカラー信号の線形結合として構築されることが仮定される。赤色、緑色、及び青色チャネルにおけるパルス信号の相対振幅がPBVによって与えられることが知られているので、カラーチャネルR、G及びBとの相関がPBVに等しいパルス信号Sを与える重みWPBVが探索され、
Figure 0007325434000008
結果として、混合を決定する重みは、
Figure 0007325434000009
によって決定され、WPBVが単位長を有するようにスカラーkが決定される。正規化された血液量パルスPBVにおいて反映されるように、PPG信号の特徴的な波長依存性を用いて、皮膚領域にわたり平均化された時系列のRGBピクセルデータからパルス信号を推定することができることが結論付けられる。このアルゴリズムは、PBV法と呼ばれる。
換言すれば、重みは、検出信号からパルス信号を抽出するために検出信号をどのように(線形)結合するべきかを示す。重みは未知であり、計算/選択される必要がある。
シグネチャベクトル(PBVベクトル)は、血液の吸収スペクトル、及び皮膚内への光の貫入によって生じる、異なる波長チャネル(すなわち、検出信号)における所与の(既知の又は予期される)相対拍動性を表す(光子が血液によってより吸収される場合、血液量変化により、血液がほぼ透過性であるときよりも大きな信号が導かれる)。この知識及び観測データ(すなわち、検出信号)を用いて、重み(例えば、重みベクトル)を決定することができる。結果として得られた重みは、データ依存性であり、すなわち検出信号に依存する。
パルス信号は、各波長チャネルにおいて異なる比AC/DC(これは相対的な信号強度/拍動性とも呼ばれる)を有するため、スペクトルは、異なる色について異なるピーク値を有するスペクトルにおけるパルスピークを示すことを見て取ることができる。このスペクトルは、フーリエ分析の結果であるが、基本的に、パルス周波数を有する正弦曲線が検出信号(この例では、RGBであり、SpO2の場合、NIR波長)と相関している(乗算される)場合、スペクトルにおけるピーク値が厳密に取得されることを意味し、これは定義ではシグネチャベクトル(PBVベクトル)と呼ばれ、これらのピーク値は、異なる検出信号におけるパルス信号の正規化された振幅の相対強度である。
この結果は、この事前知識(すなわち、シグネチャベクトル)を用いて、(パルス信号が検出信号の加重和の結果であると仮定して)クリーンパルス信号Sを取得することができるというものである。これを行う1つのオプションは、正規化された検出信号Cの共分散行列Qの逆を計算することである。このため、パルス信号Sを抽出するために検出信号を線形に混合するための重みWを、定数シグネチャベクトルPBVを用いて現在の分析窓における検出信号の共分散行列(Q、データに依拠し、すなわち経時的に連続して変化する)から計算することができる。
例えば、特に620nm~770nmのNIR光スペクトルにおいて、血液吸収スペクトルは、SpO2レベルに依拠して変化することが認識される。このために、異なるシグネチャベクトル(異なるPBVベクトル)を有するパルス信号を抽出することが提案される。ここで、各PBVベクトルは、特定のバイタルサイン値、例えばSpO2値について検出信号における相対拍動性と対応するように選択される。抽出されたパルス信号品質はPBVベクトルの正確性に依拠するため、異なる抽出されたパルス信号は、異なる品質を有することになる。最良品質のパルス信号を選択することによって、この好適なパルス信号を生じさせたシグネチャベクトルからバイタルサイン値(例えば、SpO2値)を導出することができる。
別の実施形態において、APBV法を用いて、3つの波長チャネルの2つ以上の異なる組合せから、例えば[λ1,λ2]から、[λ1,λ3]から、及び/又は[λ1,λ2,λ3]からSpO2値を抽出する。以下において、APBV法に関して、いくつかの基本的な検討事項が簡単に説明される。
PPG波形から特徴を抽出する代わりに、APBVは、SpO2「シグネチャ」を用いて抽出されたパルス信号の信号品質に基づいて間接的にSpO2を求める。この手順は、算術的に、以下のように記述することができる。
Figure 0007325434000010
ここで、Cは、DC正規化色変動を含み、スカラーkは、
Figure 0007325434000011
が単位長を有するように選択される。
Figure 0007325434000012
にまとめられたSpO2シグネチャは、生理学及び光学から導出することができる。同一のカメラを仮定して、N個のカメラのPPG振幅を以下によって求めることができる。
Figure 0007325434000013
ここで、PPG振幅スペクトルPPG(λ)は、動脈血における主発色団の2つの最も一般的な変形、すなわち、酸化ヘモグロビン(HbO2)及び還元ヘモグロビン(Hb)からの光吸収スペクトルの線形混合によって近似することができる。
Figure 0007325434000014
ここで、光路長差は、600nm<λ<1000nmかつSaO2∈[0,1]の場合に無視できると仮定される。散乱の波長依存効果により、この仮定が無効になり得ることが認識される。2つの波長を用いるとき、比の比(ratio-of-ratios)パラメータR及びAPBVの比パラメータ
Figure 0007325434000015
は一致する。波長選択は、3つの基準:1)臨床用途のために暗闇(λ>700nm)で酸素飽和度を測定することが望ましい、2)妥当なSpO2コントラストを有する、及び3)カメラのスペクトル感度以内の波長、に基づく。パルスオキシメトリにおいて用いられる一般的な2つの波長の代わりに3つを用いるという着想は、2倍改善されるSpO2測定のロバスト性によって動機付けられた。これは、カメラを用いて測定されるときに動きがどのようにPPG波形に影響を及ぼすかによって説明することができる。動きにより生じる強度変動は全ての波長について等しいため、これらのアーチファクトの抑制は、パルスシグネチャ
Figure 0007325434000016
がこの動きシグネチャに等しくない場合に、APBV法について可能である。この動きシグネチャは、等しい重みを有するベクトルとして記述することができる。
パルス品質が非常に良好である場合であっても、推定SpO2値に十分に信頼性があり、信用することができることを常に意味するわけではないことに留意されたい。これは特に、予期されない血液種(例えば、COHb)が利用可能であり、これによりSpO2検量線がシフトする場合、すなわち、パルス抽出のためにPBV法又はAPBV法を用いるときに異なるシグネチャベクトルが最適パルス品質を導く場合に生じる。
上記において、PBV法が、波長チャネルにおける相対拍動性が知られていることを仮定することが重要であり、これは、所望のバイタルサイン情報、例えばSpO2が知られていた場合に当てはまる。しかしながら、これは、SpO2モニタリングにおいて、SpO2が検索対象のパラメータであるため、本質的に当てはまらない場合がある。重みが正しく選択される場合、結果として得られるパルスと個々の検出信号Cとの相関は、厳密に、検出信号Cにおけるパルスのこれらの相対強度である。ここで、バイタルサイン情報(例えば、SpO2)が誤っているか又は未知である場合、結果は、比較的不良なSNR(すなわち、不良品質インジケータ)を有するパルス信号となる。
APBV法の本質は、異なるPBVベクトルと並列に複数のPBV法を実行することである。PBV法は、異なる波長チャネルにおける相対拍動性を反映するPBVベクトルが正確であるとき、最もクリーンなパルス信号を与える。このベクトルは実際のSpO2値に依拠するため、SpO2値の範囲に対応する異なるPBVベクトルを用いてPBV法を試験すると、SpO2値は、結果として、最高SNRを有するパルス信号を与えるPBVベクトルに対応する値となる。
APBV法は、モーションロバストなリモートSpO2測定を初めて可能にしたという点で画期的であるが、ロバスト性を制限する弱点が存在する。図1に示す図から見て取ることができるように、3つの波長チャネルにおける相対拍動性は、血中酸素濃度が降下するときに、より類似する。PBV法のモーションロバスト性は、PBVベクトルと、3波長チャネルにおける動きにより生じた信号成分の主要相対強度に対応するベクトル[1 1 1]との間の角度によって示される。この角度が小さいほど、モーションロバスト性が低くなる。
照明スペクトルのNIR部分を制限する複数の理由が存在する。例えば、睡眠中の患者のために(ただし、技術的理由もある)完全な暗闇でモニタリングすることが望ましい場合があるため、図1から、この問題を波長の別の選択によって解決するのが不可能であることが明らかである。
図2は、本発明によるシステム100の実施形態の概略図を示す。システム100は、対象者120の皮膚領域から反射された電磁放射を受光するための受光部(検出器とも呼ばれる)110を備える。システム100は、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を決定するか、又は受光した電磁放射から対象者の少なくとも1つのバイタルサインを決定するためのデバイス130を更に備える。対象者120、この例では患者は、例えば病院又は他のヘルスケア施設のベッド125に横たわっているが、例えば保育器内に横たわっている新生児若しくは早産児、又は自宅若しくは異なる環境における人物であってもよい。
システム100は、任意選択で、光、例えば所定の1つ又は複数の波長範囲(例えば、赤、緑及び/又は赤外波長範囲)内の光で、及び所定の偏光方向を有する所定の偏光で、患者の顔(例えば、頬又は額の一部)の皮膚等の関心領域142を直線偏光電磁放射(光)で照明するための、ランプ等の光源140(照明ユニットとも呼ばれる)を更に備える。照明に応じて関心領域142から反射された光は、受光部110、例えば、センサの正面のカメラのレンズ又は他の光学素子によって受光される。別の実施形態では、専用光源は設けられず、対象者120の照明のために周囲光が用いられる。反射光から、複数の所望の波長範囲における光(例えば、緑及び赤、若しくは赤外光、又は少なくとも2つの波長チャネルをカバーする十分に大きな波長範囲における光)のみが検出及び/又は評価される。
デバイス130は、決定された情報を表示し、かつ/又は医療関係者にデバイス130、受光部110、光源140及び/若しくはシステム100の任意の他のパラメータの設定を変更するためのインタフェースを提供するためのインタフェース150に更に接続される。そのようなインタフェース150は、様々なディスプレイ、ボタン、タッチスクリーン、キーボード又は他のヒューマンマシンインタフェース手段を備える。
図2に示されるシステム100は、例えば、病院、ヘルスケア施設、高齢者福祉施設等に配置される。患者のモニタリングとは別に、本発明は、新生児モニタリング、一般監視用途、セキュリティモニタリング、又はフィットネス機器、ウェアラブル、スマートフォンのようなハンドヘルドデバイス等のいわゆるライフスタイル環境等の他の分野においても適用される。デバイス130とインタフェース150との間の一方向又は双方向通信は、無線又は有線通信インタフェースを介して機能する。本発明の他の実施形態は、スタンドアロンで提供されるのではなく、カメラ又はインタフェース150に一体化されるデバイス130を含む。
通常、電磁放射は、パルス、呼吸及び血中酸素飽和測定について400nm~1000nmの範囲にあり、特に620nm~920nmの範囲にある。この特定の範囲は、SpO2測定に最も適しており、睡眠中(暗闇)の邪魔にならないモニタリングにとって魅力的であるが、パルス又は呼吸信号が必要とされる場合、スペクトルの可視部分が、より高い品質を可能にする(すなわち、NIRは必ずしも全ての事例において好ましいオプションではない)。検出信号は、フォトセンサ(アレイ)によって、かつ/又は対象者の皮膚をリモートで検知するビデオカメラを用いて取得される。
図3は、本発明による、対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのデバイス200の第1の実施形態の概略図を示す。デバイス200は、受光部110、例えばカメラに一体化されるか、又は一部が受光部110に一体化若しくは結合され、一部がデバイス130、例えばプロセッサ又はコンピュータによって実現される。
デバイス200は、対象者の皮膚領域から反射された電磁放射から少なくとも3つの検出信号Cを導出するように構成された前処理ユニット210を備える。少なくとも2つの検出信号は、異なる波長チャネルにおける波長依存の反射情報を含み、少なくとも2つの検出信号は、異なる偏光方向を有する異なる偏光チャネルにおける反射情報を含む。前処理ユニットは、プリズム、ビームスプリッタ、ダイクロイックミラー等の光学素子、及び1つ又は複数のセンサ又は検出器を含む。
デバイス200は、異なる所与のシグネチャベクトルPbv1、Pbv2を用いて、少なくとも3つの検出信号Cから少なくとも2つのパルス信号S、Sを計算するためのパルス信号計算ユニット220を更に備える。各パルス信号の計算のために、異なる所与のシグネチャベクトルが用いられる。所与のシグネチャベクトルは、少なくとも3つの検出信号におけるそれぞれのパルス信号の予測相対拍動性を表し、パルス信号の計算は、重みを用いて少なくとも3つの検出信号の加重結合を計算し、結果として、元の検出信号との積がそれぞれのシグネチャベクトルによって表される相対拍動性に等しいパルス信号を得ることを伴う。
デバイス200は、それぞれのパルス信号の特性を示すパルス信号S、Sのための品質インジケータ値Q、Qを計算するための品質インジケータ計算ユニット230を更に備える。
デバイス200は、結果として最良の品質インジケータ値Q、Qを有するパルス信号をもたらすシグネチャベクトルから、及び/又はパルス信号自体から、少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報Vを導出するための処理ユニット240を更に備える。
デバイス200のユニット220、230及び240は、本発明がどのように及びどこで適用されるかに依拠して、1つ又は複数のデジタル又はアナログプロセッサに含まれる。異なるユニットは、完全に又は部分的にソフトウェアで実施され、1つ又は複数の検出器に接続されたパーソナルコンピュータ上で実行される。必要な機能のうちのいくつか又は全ては、ハードウェアで、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)で、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)で実施することもできる。実施形態において、これらのユニットは、システム100のデバイス130の一部である。別の実施形態において、これらのユニットは受光部110に一体化される。
前処理ユニット210、特に任意の光学素子及び任意の検知素子が、受光部110と一体化又は結合され、例えば合わせて光学カメラを形成する。
本発明は、皮膚から反射された電磁放射(光)が、2つの成分、すなわち表面反射成分と、表面の下の半透明皮膚組織における散乱プロセスにより生じる成分とを有するという発見を利用する。散乱成分のみが、組織の内部で発生する血液量変化によって実際に変調されるのに対し、表面(又は鏡面)反射成分は、血液量変動によって変調されないままである(動きによって変調され得る)。
本発明の1つの着想は、鏡面反射のみが、光の偏光方向を保持するのに対し、散乱(拡散)反射成分は、全ての可能な方向においてこれを変化させるというものである。例えば、偏光された光と、例えば表面の正面に第2の偏光子を有するセンサと位置合わせされた波長チャネルとを用いることによって、交差偏光方向を用いて鏡面反射成分を抑制することにより散乱反射(の約半分)を選択することができるのみでなく、鏡面反射+散乱反射(の残りの約半分)を通過させる平行偏光子を用いて鏡面反射も選択することができる。
拡散反射は、優先的な位相を有することなく全ての偏光方向を含むので、チャネルにおける絶対拍動性は、偏光方向(偏光方向に関わらず散乱光の約半分)に依拠しない。したがって、平行偏光子を装備したセンサ信号と、直交偏光子を有するセンサ信号との差は、ほとんど一切散乱反射を含まず、非拍動性の鏡面反射のみを含む。この差分チャネルは、選択された波長又はSpO2レベルに関わらず、非常に低い拍動性を有し、結果として、常に低い拍動性をチャネルに与えることによって、PBVベクトルとベクトル[1 1 1]との角度を全ての環境下で大きく維持する手段を与えることになる。
図4は、本発明による、前処理ユニット315の第1の実施形態を含む検出信号を取得するためのデバイス300の第1の実施形態の概略図を示す。対象者の皮膚に対し、偏光された照明(偏光された光)が(照明ユニット140によって、図2を参照)放射される。皮膚から反射された光301が受光素子310、例えば光学レンズによって受光される。受光された光302は、光学素子320、例えば偏光ユニットに誘導され、偏光ユニットは、交差偏光ビーム303及び平行偏光ビーム304を分離し、これらを別個のセンサ330、340(共に、例えばセンサユニットを形成する)上に投射する。例示的な実施形態において、センサ330、340は、共に、各偏光方向について異なる波長チャネルを平行に取得するためのピクセレート(ベイヤー)フィルタを装備している。しかしながら、様々な代替形態が存在する。
この実施形態において、偏光ユニット320(例えば、プリズム又は偏光フィルタ)は、通常、受光した電磁放射302に第1の偏光を適用して、第1の偏光放射303を生成し、受光した電磁放射302に第1の偏光と異なる第2の偏光を適用するか、又は偏光を適用せず、第2の偏光放射又は非偏光放射304を生成するように構成される。更に、センサ330、340を備えるセンサユニットは、通常、第1の波長チャネルにおける第1の偏光放射303から少なくとも1つの検出信号305を導出し、第1の波長チャネル及び第2の波長チャネルにおける第2の偏光放射又は非偏光放射304から少なくとも2つの検出信号306、307を導出するように構成される。
更なる実施形態において、各センサ330、340が、2つ又は3つの波長チャネルにおいて2つ又は3つの検出信号を導出し、及び/又は光ビーム303、304が更に分割され、別個の波長選択フィルタが別個のセンサに対する各経路において用いられるものとする。
図5は、本発明による、前処理ユニット415の第2の実施形態を含む検出信号を取得するためのデバイス400の第2の実施形態の概略図を示す。この実施形態において、受光した光ビーム401は、まず、異なる波長チャネルに分割されるが、1つ又は複数の波長チャネルのみが少なくとも1つの偏光子を装備する。特に、図5に示す実施形態において、通常、第1の波長チャネルにおいて第1のフィルタリングされた放射403を生成し、第2の波長チャネルにおいて第2のフィルタリングされた放射404を生成するように、受光部410によって受光された電磁放射402をフィルタリングするように構成されたフィルタユニット420(例えば、プリズム又は光学フィルタ)が提供される。例えば2つの別個の偏光子430、440を備える偏光ユニットが、第1のフィルタリングされた放射403に第1の偏光を適用して第1の偏光放射405を生成し、第1のフィルタリングされた放射403及び第2のフィルタリングされた放射404に対し、第1の偏光と異なる第2の偏光を適用するか又は偏光を適用せず、第2の偏光放射又は非偏光放射406及び第3の偏光放射又は非偏光放射407を生成するように構成される。例えば、2つ又は3つのセンサ素子450、460、470を備えるセンサユニットが、第1の偏光放射405、並びに第2及び第3の偏光放射又は非偏光放射406、407の各々から少なくとも1つの検出信号408、409、411を導出する。
通常、偏光子として、偏光フィルタが用いられる。しかしながら、このために、透過フィルタを用いることができるのみでなく、反射器及び/又はミラー(例えば偏光ミラー)を用いて同じ効果を達成してもよい。
各実施形態を用いて、ベクトル[1 1 1]との好ましい角度を有するPBVベクトルを取得するために、低い拍動性を有する単一のチャネルが提供される。他方で、他のチャネルのうちの1つ又は複数が、交差偏光子を用いることの利益を受ける。なぜなら、鏡面反射を抑制することにより、これらのチャネルにおける拍動性が増大するためである。これにより、SpO2測定の精度も改善する。しかしながら、実際には、NIRスペクトルにおける鏡面反射が、通常、皮膚の光学特性を仮定すると妥当に小さく維持され得るため、価格を考慮するとこの更なる改善は用いられない。
上記で説明したように、APBV法は少なくとも2つの波長を必要とするが、3つの波長を用いることは、モーションロバスト性を改善することが示されている。適切なSpO2測定のために、2つのチャネルにおける相対拍動性が必要とされるが、平行な偏光を用いるがPPG変調が僅かであるチャネルから良好なモーションロバスト性を取得することが好ましい。したがって、開示されるシステム及びデバイスの実施形態は、例えば、760nm(又は660nm)及び810nm(又は900nm)の波長を用い、ここで、これらの波長のうちの少なくとも1つは、平行偏光子を通じても入手可能であり、3つのチャネル、例えば、760n、810n及び810pをもたらす。ここで、インデックス「n」は「偏光子なし」を示し、「p」は平行偏光子の使用を示し、数は波長を示す。この場合、810pチャネルは低減された拍動性を有するが、鏡面反射はスペクトルのNIR部分においてあまり大きくない場合があるため、拍動性は依然として著しい場合がある。したがって、これはSpO2測定にとって好ましい実施形態ではないが、特に、皮膚からの鏡面反射がはるかに大きい青色チャネルにおいて平行偏光子が用いられる場合、スペクトルの可視部分における心拍抽出について良好に機能し得る。
別の実施形態は、760nm(又は660nm)及び810nm(又は900nm)を使用する。ここで、これらの波長のうちの少なくとも1つは、平行偏光子を通じて、及び交差偏光子を通じて利用可能にされ、以下の3つのチャネル、例えば、760c、(760p-760c)、810cを構築する。ここで、インデックス「n」は「偏光子なし」を示し、「p」は平行偏光子の使用を示し、インデックス「c」は交差偏光子の使用を示す。この場合、SpO2値は第1のチャネル及び最後のチャネル(760c及び810c)から既知となるのに対し、第2のチャネルは(760pチャネル及び760cチャネル間の差分の)差分チャネルであり、これは、概念のモーションロバスト性を改善するほぼ完全に抑圧された拍動性を有する。これは、第1のチャネル及び最後のチャネルが偏光子を用いないときにも機能するはずである。
モーションロバスト性を更に改善するために、かつ/又はより多くの血液種を測定するために、かつ/又は信頼性メトリックを定義するために、3つの波長(及び3つのチャネル)、例えば760c、(810p-810c)、905cが用いられる。この場合、ここでもまた、PBVベクトルが[1 1 1]と成す角度を改善するために、1つのチャネルのみが平行偏光子を用いて利用可能にされる。これはここでも選択肢であり、平行な偏光を有する更なるチャネルを含めることができる。
有利な実施形態において、波長依存反射情報は、NIR範囲(700nm~1000nm)の波長に関し、ここで、チャネルの各々は、10nm~100nmの帯域幅を有する。特に、多くの場合に主要素としてSiを含むセンサの感度の減少を補正するために、短い波長は、長い波長よりも狭い帯域幅を有する。
更なる実施形態、例えば、上記で論考した全てのオプションを可能にする精巧なシステム、すなわち、例えば(平行偏光及び交差偏光のために)2つの偏光チャネルの偏光チャネルごとに3つの波長チャネルを含む6つのチャネルを提供することが可能なシステムが提供される。
本発明を通じて、シグネチャベクトル(異なる波長チャネルの相対拍動性を示すPBVベクトル)が、SpO2値が低い場合であっても常に低い拍動性を有するチャネルを含むようなPBV又はAPBVの適合が提示される。このチャネルは、主に、動きにより生じる歪みを含む。この常に低拍動性のチャネルをPBVパルス抽出又はAPBV SpO2測定アルゴリズムに追加すること、又は既存のチャネルを置き換えることにより、既知のシステム及び方法のモーションロバスト性低減問題が解決する。
上記で説明した方法は、非接触センサを用いて取得された検出信号に対して適用することができる。例として、本発明は、健康管理の分野、例えば、邪魔にならないリモート患者モニタリング、一般的な監視、セキュリティモニタリング、及びフィットネス機器等のいわゆるライフスタイル環境等において適用することができる。用途は、酸素飽和度(パルスオキシメトリ)、心拍数、血圧、心拍出量、血液灌流の変化のモニタリング、自律機能の評価、呼吸、及び末梢血管疾患の検出を含む。本発明は、例として自動CPR(心肺蘇生法)中に、例えば、重症患者の迅速かつ信頼性あるパルス検出のために用いることができる。システムは、例えばNICUにおける、非常に敏感な皮膚を有する新生児のバイタルサインのモニタリングのために、及び損傷した(例えば熱傷した)皮膚を有する患者のために用いることができるが、一般病棟で用いられる接触センサよりも好便でもあり、モーションロバスト性に関してより良好な解決策を提供する。
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に示され、かつ、説明されてきたが、そうした図示及び説明は、説明的又は例示的であって、限定的なものではないとみなされるべきであり、本発明は開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変更は、図面、開示、及び添付の請求項の研究から、請求される発明の実施において当業者によって理解され、かつ、成され得るものである。
請求項において、単語「含む」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除しない。単一の要素又は他のユニットは、請求項において列挙されたいくつかの項目の機能を満たすことができる。所定の手段が相互に異なる従属請求項において列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないことを示すものではない。
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に、又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体等の、適切な非一時的媒体上に格納/配布されるが、インターネット、又は他の有線若しくは無線の電気通信システムを介するといった、他の形式おいて配布されてもよい。
請求項におけるいかなる参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのデバイスであって、前記デバイスは、
    前記対象者の皮膚領域から反射された電磁放射から少なくとも3つの検出信号を導出する前処理ユニットであって、少なくとも2つの検出信号は、異なる波長チャネルにおける波長依存反射情報を含み、少なくとも2つの検出信号は、異なる偏光方向を有する異なる偏光チャネルにおける反射情報を含み、前記前処理ユニットは更に、同じ波長チャネル内であるが、異なる偏光チャネル内の波長依存反射情報を含む、前記少なくとも3つの検出信号のうちの2つを導出し、かつ/又は第1の波長チャネル、及び第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける第1の反射情報と、前記第1の波長チャネル、及び前記第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける第2の反射情報との間の差分を表す差分検出信号として、前記少なくとも3つの検出信号のうちの1つを導出する、前処理ユニットと、
    異なる所与のシグネチャベクトルを用いて前記少なくとも3つの検出信号から少なくとも2つのパルス信号を計算するパルス信号計算ユニットであって、各パルス信号の計算のために異なる所与のシグネチャベクトルが用いられ、所与のシグネチャベクトルは、前記少なくとも3つの検出信号における前記それぞれのパルス信号の予測相対拍動性を表し、前記パルス信号の計算は、重みを用いて前記少なくとも3つの検出信号の加重結合を計算することを伴う、パルス信号計算ユニットと、
    前記それぞれのパルス信号の特性を示す前記パルス信号の品質インジケータ値を計算する品質インジケータ計算ユニットと、
    結果として最良の品質インジケータ値を有するパルス信号をもたらす前記シグネチャベクトルから、及び/又は前記最良の品質インジケータ値を有する前記パルス信号自体から、少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を導出する、処理ユニットと
    を備える、デバイス。
  2. 前記前処理ユニットは、
    受光した電磁放射に第1の偏光を適用して、第1の偏光放射を生成し、受光した前記電磁放射に、前記第1の偏光と異なる第2の偏光を適用するか、又は偏光を適用せず、第2の偏光放射又は非偏光放射を生成する、偏光ユニットと、
    前記第1の波長チャネルにおける前記第1の偏光放射から少なくとも1つの検出信号を導出し、前記第1の波長チャネル及び第2の波長チャネルにおける前記第2の偏光放射又は非偏光放射から、少なくとも2つの検出信号を導出するセンサユニットと
    を備える、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記前処理ユニットは、
    受光した前記電磁放射をフィルタリングして、前記第1の波長チャネルにおける第1のフィルタリングされた放射及び第2の波長チャネルにおける第2のフィルタリングされた放射を生成する、フィルタユニットと、
    前記第1のフィルタリングされた放射に第1の偏光を適用して、第1の偏光放射を生成し、前記第1のフィルタリングされた放射及び前記第2のフィルタリングされた放射に、前記第1の偏光と異なる第2の偏光を適用するか、又は偏光を適用せず、第2の偏光放射又は非偏光放射及び第3の偏光放射又は非偏光放射を生成する、偏光ユニットと、
    前記第1の偏光放射並びに前記第2及び第3の偏光放射又は非偏光放射の各々から少なくとも1つの検出信号を導出するセンサユニットと
    を備える、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記前処理ユニットは、直交偏光方向を有する2つの異なる偏光チャネルにおける反射情報を含む少なくとも2つの検出信号を導出する、請求項1に記載のデバイス。
  5. 前記前処理ユニットは、
    前記対象者の前記皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の前記偏光方向に平行な第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける反射情報を含む第1の検出信号と、
    前記対象者の前記皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の前記偏光方向に対し直交する第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける反射情報を含む第2の検出信号と
    を導出する、請求項4に記載のデバイス。
  6. 前記前処理ユニットは、
    前記第1の波長チャネル、及び前記対象者の前記皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の前記偏光方向に平行な第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける反射情報を含む第1の検出信号と、
    前記第1の波長チャネル及び第2の非偏光の偏光チャネルにおける反射情報を含む第2の検出信号と、
    前記第1の波長チャネルと異なる第2の波長チャネル、及び前記第2の非偏光の偏光チャネルにおける反射情報を含む第3の検出信号と
    を導出する、請求項1に記載のデバイス。
  7. 前記前処理ユニットは、
    前記第1の波長チャネル、及び前記対象者の前記皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の前記偏光方向に平行な第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける反射情報を含む第1の検出信号と、
    前記第1の波長チャネル、及び前記対象者の前記皮膚領域を照明するために用いられる偏光電磁放射の前記偏光方向に対し直交する第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける反射情報を含む第2の検出信号と、
    前記第1の波長チャネルと異なる第2の波長チャネル、及び前記第2の偏光チャネルにおける反射情報を含む第3の検出信号と
    を導出する、請求項1に記載のデバイス。
  8. 前記前処理ユニットは、前記第1の波長チャネル及び前記第2の波長チャネルと異なる第3の波長チャネル、並びに前記第2の偏光チャネルにおける反射情報を含む第4の検出信号を導出する、請求項7に記載のデバイス。
  9. 前記前処理ユニット及び/又は前記パルス信号計算ユニットは、前記第1の波長チャネル、及び前記第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける第1の反射情報と、前記第1の波長チャネル、及び前記第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける第2の反射情報との間の差分を表す差分検出信号を導出し、
    前記パルス信号計算ユニットは、前記差分検出信号を、前記少なくとも2つのパルス信号を計算するための検出信号のうちの1つとして用いる、請求項1に記載のデバイス。
  10. 前記パルス信号計算ユニットは、時間窓にわたって正規化されたDCのない検出信号Cの共分散行列
    Figure 0007325434000017
    を計算することによって前記パルス信号S、Sを計算し、パルス信号
    Figure 0007325434000018

    Figure 0007325434000019
    として計算するための重みWを求め、ここで、kは、
    Figure 0007325434000020
    及びx∈{1,2}となるように選択され
    Figure 0007325434000021
    は前記シグネチャベクトルを表す、請求項1に記載のデバイス。
  11. 前記パルス信号計算ユニットは、異なるシグネチャベクトルの固定セット又は適合セットを用い、前記処理ユニットは、結果として最も良好な品質インジケータ値を有するパルス信号をもたらすシグネチャベクトルの時系列をフィルタリングして、フィルタリングされたシグネチャベクトルを取得し、ここから生理学的情報が導出され、前記シグネチャベクトルの時系列は、パルス信号、及び前記少なくとも2つの検出信号の連続時間窓について計算された品質インジケータから取得される、請求項1に記載のデバイス。
  12. 対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのシステムであって、前記システムは、
    前記対象者の皮膚領域から反射された電磁放射を受光する受光部と、
    受光した前記電磁放射から、前記対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するための、請求項1に記載のデバイスと
    を備える、システム。
  13. 線形偏光された電磁放射、特に300nm~1000nmの波長範囲内の電磁放射を用いて前記対象者の皮膚領域を照明する照明ユニットを更に備える、請求項12に記載のシステム。
  14. 対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出するためのデバイスの作動方法であって、前記デバイスは、前処理ユニットとパルス信号計算ユニットと品質インジケータ計算ユニットと処理ユニットとを備え、前記方法は、
    前記前処理ユニットが、前記対象者の皮膚領域から反射された電磁放射から少なくとも3つの検出信号を導出するステップであって、少なくとも2つの検出信号は、異なる波長チャネルにおける波長依存反射情報を含み、少なくとも2つの検出信号は、異なる偏光方向を有する異なる偏光チャネルにおける反射情報を含み、同じ波長チャネル内であるが、異なる偏光チャネル内の波長依存反射情報を含む、前記少なくとも3つの検出信号のうちの2つが導出され、かつ/又は第1の波長チャネル、及び第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける第1の反射情報と、前記第1の波長チャネル、及び前記第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける第2の反射情報との間の差分を表す差分検出信号として、前記少なくとも3つの検出信号のうちの1つが導出される、ステップと、
    前記パルス信号計算ユニットが、異なる所与のシグネチャベクトルを用いて前記少なくとも3つの検出信号から少なくとも2つのパルス信号を計算するステップであって、各パルス信号の計算のために、異なる所与のシグネチャベクトルが用いられ、所与のシグネチャベクトルは、前記少なくとも3つの検出信号における前記それぞれのパルス信号の予測相対拍動性を表し、前記パルス信号の計算は、重みを用いて前記少なくとも3つの検出信号の加重結合を計算することを伴う、ステップと、
    前記品質インジケータ計算ユニットが、前記それぞれのパルス信号の特性を示す前記パルス信号の品質インジケータ値を計算するステップと、
    前記処理ユニットが、結果として最良の品質インジケータ値を有するパルス信号をもたらす前記シグネチャベクトルから、及び/又は前記最良の品質インジケータ値を有する前記パルス信号自体から、少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を導出するステップと
    を有する、方法。
  15. 対象者の少なくとも1つのバイタルサインを示す生理学的情報を抽出することを可能にする検出信号を取得するためのデバイスであって、前記デバイスは、
    前記対象者の皮膚領域から反射された電磁放射を受光する受光部と、
    前記対象者の皮膚領域から反射された電磁放射から少なくとも3つの検出信号を導出する前処理ユニットであって、少なくとも2つの検出信号は、異なる波長チャネルにおける波長依存反射情報を含み、少なくとも2つの検出信号は、異なる偏光方向を有する異なる偏光チャネルにおける反射情報を含む、前処理ユニットと
    を備え、
    前記前処理ユニットは更に、第1の波長チャネル、及び第1の偏光方向を有する第1の偏光チャネルにおける第1の反射情報と、前記第1の波長チャネル、及び前記第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する第2の偏光チャネルにおける第2の反射情報との間の差分を表す差分検出信号として、前記少なくとも3つの検出信号のうちの1つを導出する、デバイス。
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