JP7327403B2 - 粘性流体の分解剤および該分解剤の製造方法 - Google Patents

粘性流体の分解剤および該分解剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水圧破砕法において使用される粘性流体の分解剤および該分解剤の製造方法に関する。本発明はまた、上記分解剤を使用した粘性流体の分解方法にも関する。本発明はさらに、上記分解剤を含む水圧破砕法において使用される粘性流体にも関する。
従来、原油、天然ガス等の在来型資源の採掘において水圧破砕法が用いられてきたが、近年の技術革新により、水圧破砕法を用いて非在来型資源(シェールガス、シェールオイル等)を採掘することが可能になった。水圧破砕法は、地下の採掘層に水を主成分とする流体を高圧で注入して、採掘層に割れ目(フラクチャー)を形成し、フラクチャーを介して資源を回収する方法である。注入される流体には、フラクチャーが閉塞するのを防ぐために砂等の粒状物質である支持材(プロパント)が含まれ、さらには、プロパントをフラクチャーに確実に送り込むべくゲル化剤が含まれる。すなわち、水圧破砕法で使用される流体は、プロパントを含む粘性流体である。このような粘性流体においては、採掘層に十分なフラクチャーを形成でき、且つ、プロパントをフラクチャー内に送達し得る粘度を有することが求められる。
一方、フラクチャーの形成後、シェールオイル等の資源を回収する際には、フラクチャー内にゲルが存在していては資源の回収効率が悪くなるため、粘性流体のゲル部分をフラクチャーから回収する必要がある。回収方法としては、粘性流体を分解して粘度を低下させて回収する方法が一般的に使用される。粘性流体の分解は、フラクチャー形成後にゲル分解剤(ゲルブレーカー)をフラクチャーに送り込むことにより行ってもよいが、予め粘性流体中にゲルブレーカーを混在させておき、フラクチャー形成後の所望のタイミングでゲルブレーカーが作用して粘性流体の粘度が低下するような手段を用いることが作業効率の向上の点で好ましい。すなわち、粘性流体は、フラクチャー形成時には十分に高い粘度を有し、ゲルの回収時には粘度が低下するように設計されることが望まれる。例えば、特許文献1には、ポリアルキレンオキシドと粘度低下剤とを含む錠剤である、水圧破砕法において使用される粘性流体の粘度制御剤が開示されている。そして、この粘度制御剤を使用することにより、フラクチャーの形成時には粘性流体を高粘度に維持することができ、ゲル回収時には流体の粘度を低下させられることが記載されている。
上述したような所望の特性を有する粘性流体を提供すべく、ゲル化剤およびゲルブレーカーの種類や組合せ、ならびにゲルブレーカーの活性化剤に関する研究も進められている。例えば、特許文献2~4には、ゲルブレーカーと活性化剤を組み合わせて使用することが開示されており、使用可能なゲルブレーカーとして、過硫酸塩、過酸化物、過ホウ酸塩、オキソ酸等が挙げられている。非在来型資源の採掘は発展途上にあり、水圧破砕法に適した特性を有する粘性流体を開発すべく、組成や構成材料を検討することがさらに求められている。特に、所望のタイミングで粘度が急激に低下する粘性流体であることが、作業効率等の観点から好ましい。
特許第5745705号 特開2017-206569号公報 米国特許出願公開第2006/0148658号明細書 米国特許出願公開第2009/0221453号明細書
本発明は、水圧破砕法に適した特性を有する粘性流体の分解剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、ゲルブレーカーとして過硫酸塩を使用し、活性化剤として鉄塩を使用する場合、各々を所定の膜厚で被覆して粘性流体の分解剤として使用することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。本発明は、例えば以下のとおりである。
[1] 過硫酸塩および該過硫酸塩の活性化剤としての鉄塩を含み、
前記過硫酸塩および前記鉄塩は、それぞれ被覆されており、
前記過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する前記鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲である、
水圧破砕法において使用される粘性流体の分解剤。
[2] 前記過硫酸塩が、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムまたは過硫酸カリウムである[1]に記載の分解剤。
[3] 前記鉄塩が水溶性鉄塩である[1]または[2]に記載の分解剤。
[4] 前記水溶性鉄塩が、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸アンモニウム鉄(II)またはこれらの水和物である[3]に記載の分解剤。
[5] 過硫酸塩を被覆して、被覆された過硫酸塩を得ることと、
鉄塩を被覆して、被覆された鉄塩を得ることと、
前記被覆された過硫酸塩および前記被覆された鉄塩を混合することと
を含む、水圧破砕法において使用される粘性流体の分解剤の製造方法。
[6] 前記過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する前記鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲である、[5]に記載の方法。
[7] 前記過硫酸塩が、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムまたは過硫酸カリウムである[5]または[6]に記載の方法。
[8] 前記鉄塩が水溶性鉄塩である[5]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 前記水溶性鉄塩が、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸アンモニウム鉄(II)またはこれらの水和物である[8]に記載の方法。
[10] 粘性流体に、被覆された過硫酸塩および該過硫酸塩の活性化剤としての被覆された鉄塩を添加することを含み、
前記過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する前記鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲である、
水圧破砕法において使用される粘性流体の分解方法。
[11] 溶媒と、ゲル化剤と、[1]~[4]のいずれかに記載の分解剤とを含む、水圧破砕法において使用される粘性流体。
[12] 過硫酸塩および該過硫酸塩の活性化剤としての鉄塩を含み、
前記過硫酸塩および前記鉄塩は、それぞれ被覆されており、
前記過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する前記鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲である、
粘性流体の分解剤を、水圧破砕法において用いる、使用。
本発明によれば、水圧破砕法に適した特性を有する粘性流体の分解剤を提供することができる。
実施例1~3および比較例1~5のゲル粘度測定結果を示す図。 実施例4、5および比較例6~8のゲル粘度測定結果を示す図。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する材料、構成等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本発明の分解剤(以下、ゲル分解剤とも称する)は、水圧破砕法において使用される粘性流体を分解するために使用されるものである。水圧破砕法によって採掘される資源は特に限定されないが、本発明の分解剤はタイトオイル、シェールオイル、シェールガス等の採掘に好適に使用され、シェールオイルの採掘に特に好適に使用される。本発明の分解剤は、過硫酸塩および該過硫酸塩の活性化剤としての鉄塩を含み、過硫酸塩および鉄塩は、それぞれ被覆されている。そして、過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲である。
上述したとおり、水圧破砕法においては、フラクチャーの形成後、粘性流体の粘度を低下させてゲル部分をフラクチャーから回収する。その際、粘性流体の粘度低下のためにゲル分解剤を使用する。ゲル分解剤の添加は、フラクチャーの形成後にゲル分解剤をフラクチャーに送り込むことにより行ってもよいが、予めゲル分解剤を混在させた粘性流体を用いてフラクチャーを形成してもよい。作業効率の向上の観点から、予め粘性流体中にゲル分解剤を混在させておくことが好ましいが、支持材(プロパント)をフラクチャー内に送り込む際には粘性流体に高い粘性が要求されるため、フラクチャー形成時には粘性流体の粘度が維持され、フラクチャー形成後にゲル分解剤が作用して粘性流体の粘度が低下するようゲル分解剤を設計する必要がある。
本発明者らが検討したところ、ゲルブレーカーとして過硫酸塩を使用する場合、そのまま(被覆せずに)使用した場合には、添加直後にゲル分解作用を発現してしまい、水圧破砕法に使用される粘性流体に予め混合しておくには不適切であることが分かった。これに活性化剤としての鉄塩を組み合わせて使用した場合にも同様の問題が生じた。ゲル分解剤の作用発現を遅らせるために過硫酸塩を樹脂等で被覆して使用してみたところ、所定の時間、粘度を維持することには成功したが、ゲル分解後にゲル残渣が多く残ってしまうという新たな問題が生じた。ゲル残渣が存在することにより、プロパントにゲル残渣が付着して、シェールオイル等の資源を回収する際の効率が低下するため、粘性流体分解後のゲル残渣量は少ないことが望まれる。本発明者らはさらに研究した結果、過硫酸塩を単独で使用するよりも、過硫酸塩の活性化剤としての鉄塩を組み合わせて使用した方が、ゲル残渣量が減少することを見出した。一方、被覆されていない鉄塩を被覆された過硫酸塩と組み合わせて使用した場合、過硫酸塩が作用を発現するまでの間に鉄塩が水酸化鉄となり沈殿してしまい、過硫酸塩の活性化剤として作用できないことが分かった。
そこで、本発明者らは、過硫酸塩と鉄塩をそれぞれ樹脂等で被覆したものを使用することを検討した。その結果、ゲル残渣を減少させることができたが、過硫酸塩と鉄塩の組み合わせにおいては、過硫酸塩の作用が先に発現する傾向があることをさらに見出した。ゲル分解作用を最大限発揮するためには、過硫酸塩と鉄塩が同じタイミングで作用を発現することが望ましい。これに対して本発明者らは、過硫酸塩と鉄塩の被覆膜厚比を所定の範囲とすることによって上記課題を解決するに至った。具体的には、過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲であり、好ましくは0.4~0.9の範囲であり、より好ましくは0.4~0.7の範囲であり、特に好ましくは0.4~0.5の範囲である。被覆膜厚比を上記のような範囲とすることにより、過硫酸塩と鉄塩をほぼ同じタイミングで作用させることができる。作用発現までの時間は、上記被覆膜厚比の範囲内で過硫酸塩および鉄塩の各被覆膜厚を変化させることにより制御することができる。ここで、被覆膜厚は、過硫酸塩および鉄塩の被覆粒子から被膜のみを採取してSEM画像等を利用して測長することができ、複数個の被覆粒子の被膜について測長した膜厚の平均値を意味する。
また、本発明によると、ゲル残渣率を低くすることができる。ここで、ゲル残渣率とは、粘性流体分解前のゲル量に対する粘性流体分解後に残存したゲル量の割合であり、後述する実施例の試験例1で示す方法により算出される。
また、作業効率を考えると、ゲル分解開始から終了までの時間が短い方が好ましい、すなわち、粘性流体の粘度が急激に低下することが好ましいが、本発明によるとこの課題も解決することができる。具体的には、本発明のゲル分解剤を使用した場合、ゲル分解剤の添加から分解終了までの間のいずれかの1時間における粘度低下率が65%以上(例えば65~90%、65~80%)、70%以上(例えば70~90%、70~80%)または75%以上(例えば75~90%、75~80%)である。ここで、ゲル分解剤添加から分解終了までの間のいずれかの1時間は、通常、全測定時間のうち粘度低下量が最大となった1時間である。粘度低下率は、初期粘度(分解剤添加前の粘度)に対するゲル分解剤添加から分解終了までの間のいずれかの1時間における粘度低下量の割合を意味する。すなわち、分解剤を添加してからx時間後からx+1時間後における粘度低下率は、以下の式で算出される。ここで、xは、分解剤の添加から分解終了までのいずれかの時点を意味する。
粘度低下率(%)={(x時間後の粘度)-(x+1時間後の粘度)/分解剤添加前の粘度}×100
以下、本発明の分解剤等の構成について詳細に説明する。
1.過硫酸塩
本発明で使用される過硫酸塩は、ゲルブレーカーとして使用され得るものであれば特に限定されないが、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムが挙げられ、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムが好ましく、過硫酸アンモニウムがより好ましい。これらのうち1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
被覆前の過硫酸塩の粒径(メジアン径)は、100~1000μmであることが好ましく、200~900μmであることがより好ましく、300~800μmであることが特に好ましい。プロパントの粒径に近い粒径を有する過硫酸塩を使用することにより、過硫酸塩をフラクチャー内部により均一に分散させることができる。プロパントとして、粒径(メジアン径)が100~2000μmの範囲の粒子を使用することが多いが、フラクチャー内により均一に送り込むためには、粒径が均一であることが好ましい。プロパントの粒径(メジアン径)は、100~1500μmであることが好ましく、100~1000μmであることがより好ましく、200~800μmであることが特に好ましい。
なお、本明細書において、粒子のメジアン径は、以下の方法で算出したものである。まず、粒子を目開き355μm、425μm、600μm、850μm、1000μm、および1180μmの篩で分級する。各篩について、篩を通過した粒子の質量百分率を求め、重量基準メジアン径(D50)を下記式から算出する。
Z=logX+(logX-logY)×(50-N(X))/(N(Y)-N(X))
50=10
50:重量基準メジアン径
X:ふるいを通過した全粒子の比率が50%以下となった最大の篩径(μm)
Y:ふるいを通過した全粒子の比率が50%以上となった最小の篩径(μm)
N(X):Xのときの積算分布(%)
N(Y):Yのときの積算分布(%)
上述したような過硫酸塩をコーティング材料で被覆するが、コーティング材料としては過硫酸塩の溶出を遅延させることができる材料であれば使用することができ、高分子化合物が好適に使用される。過硫酸塩が所望のタイミングで最大限の作用を発揮するためには、過硫酸塩の表面の全部が被覆されていることが好ましい、すなわち、過硫酸塩が表面に露出していないことが好ましい。使用可能な高分子化合物としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリレート(例えば、DIC株式会社製「ボンコート」)、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルフィド、ポリブタジエン、ナイロン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、セルロース、ゼラチン、ポリオールのイソシアネート付加物、塩化ビニリデン-アクリル酸メチル共重合体(例えば、旭化成株式会社製「サランラテックス」)、スチレン-ブタジエン共重合体等が挙げられる。他に、ワックス、乾燥オイル等も使用可能である。これらのうち、塩化ビニリデン-アクリル酸メチル共重合体またはポリアクリレートであることが好ましい。ポリアクリレートとしては、スチレン、α-メチルスチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸2-エチルへキシルおよびアクリル酸を用いて製造される樹脂であることが特に好ましい。通常、これらのコーティング材料を水等の媒質に溶解または分散させてコーティング液としたものを使用する。コーティング材料は、1種のみを使用してもよく、2種以上を組みあわせて使用してもよい。
コーティング液には、上記のコーティング材料の他、コーティング液が通常含み得る添加剤が添加されていてもよい。そのような材料としては、シリカ、タルク、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等が挙げられ、これらのうちの2種以上を含んでいてもよい。
被覆方法は、過硫酸塩の表面を被覆することができれば特に限定されるものではなく、スプレーコーティング等を使用することができる。スプレーコーティングにて被覆する場合、スプレー速度、スプレー時間等を調節することにより被覆膜厚を制御することができる。例えば、流動層装置を用いて、流動層底部からの熱風によって、流動層容器内で粒子を流動させて流動層を形成しつつ、スプレーノズルからスプレー液を塗布してコーティングを行うことができる。
過硫酸塩の被覆膜厚は、10~100μmであることが好ましく、15~80μmであることがより好ましく、20~60μmであることが特に好ましい。鉄塩の被覆膜厚との比も考慮して、上記範囲内で過硫酸塩の被覆膜厚を変化させることにより過硫酸塩の溶出時間をより適切に制御することができ、結果としてゲル分解剤の作用発現時間をより適切に制御することができる。ここで、被覆膜厚は、過硫酸塩の被覆粒子から被膜のみを採取してSEM画像等を利用して測長することができ、複数個の被覆粒子の被膜について測長した膜厚の平均値を意味する。
過硫酸塩およびコーティング材料は、質量比(過硫酸塩の質量:コーティング液中の固形分の質量)で好ましくは25:2~2:1、より好ましくは25:3~5:2、特に好ましくは25:4~10:3の割合で使用される。
また、過硫酸塩の被覆粒子のメジアン径に対する、過硫酸塩の被覆膜厚の割合(被覆膜厚/被覆粒子のメジアン径)は、好ましくは0.001~0.300、より好ましくは0.005~0.200、更に好ましくは0.010~0.100、より更に好ましくは0.015~0.090、特に好ましくは0.020~0.080である。
2.鉄塩
鉄塩は、過硫酸塩の活性化剤として添加される。上述したように、鉄塩を併用することにより粘性流体分解後に残存するゲル残渣量を減少させることができる。その結果として、目的とする資源を効率的に回収することができる。鉄塩としては、過硫酸塩の活性化剤として作用するものであれば使用することができ、水溶性鉄塩であることが好ましい。水溶性鉄塩としては、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸アンモニウム鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硝酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、クエン酸鉄アンモニウム(III)、グルコン酸鉄(II)、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)ナトリウムまたはこれらの水和物が挙げられ、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸アンモニウム鉄(II)またはこれらの水和物であることが好ましく、硫酸第一鉄またはその水和物(例えば、硫酸第一鉄七水和物)であることがより好ましい。これらのうち1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
被覆前の鉄塩の粒径(メジアン径)は、100~1000μmであることが好ましく、200~900μmであることがより好ましく、300~800μmであることが特に好ましい。プロパントの粒径に近い粒径を有する鉄塩を使用することにより、フラクチャー内部に鉄塩をより均一に分散させることができる。なお、メジアン径の算出方法は、過硫酸塩について上述したとおりである。
鉄塩を被覆するコーティング材料としては、鉄塩の溶出を遅延させることができる材料であれば使用することができ、過硫酸塩のコーティング材料と同様のものを使用することができる。添加剤や被覆方法についても、過硫酸塩の場合と同様である。過硫酸塩と鉄塩のコーティング材料の種類は同一であっても異なってもよいが、同一であることが好ましい。
鉄塩の被覆膜厚は、10~100μmであることが好ましく、10~60μmであることがより好ましく、12~50μmであることが特に好ましい。過硫酸塩の被覆膜厚との比も考慮して、上記範囲内で鉄塩の被覆膜厚を変化させることにより鉄塩の溶出時間をより適切に制御することができ、結果としてゲル分解剤の作用発現時間をより適切に制御することができる。ここで、被覆膜厚は、鉄塩の被覆粒子から被膜のみを採取してSEM画像等を利用して測長することができ、複数個の被覆粒子の被膜について測長した膜厚の平均値を意味する。
鉄塩およびコーティング材料は、質量比(鉄塩の質量:コーティング液の固形分の質量)で好ましくは25:2~2:1、より好ましくは25:2~10:3、特に好ましくは25:3~25:7の割合で使用される。
また、鉄塩の被覆粒子のメジアン径に対する、鉄塩の被覆膜厚の割合(被覆膜厚/被覆粒子のメジアン径)は、好ましくは0.001~0.300、より好ましくは0.005~0.200、更に好ましくは0.010~0.100、より更に好ましくは0.015~0.090、特に好ましくは0.020~0.080である。
3.分解剤
上述したような被覆された過硫酸塩および被覆された鉄塩を組み合わせて、水圧破砕法において使用される粘性流体の分解剤として使用し得る。本発明の一実施形態によると、過硫酸塩を被覆して、被覆された過硫酸塩を得ることと、鉄塩を被覆して、被覆された鉄塩を得ることと、被覆された過硫酸塩および被覆された鉄塩を混合することとを含む、水圧破砕法において使用される粘性流体の分解剤の製造方法が提供される。このように、本発明においては、過硫酸塩の被覆と鉄塩の被覆をそれぞれ別々に行ってから、両者を組み合わせて使用することが好ましい。上述したとおり、過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲となるように被覆することが好ましいが、このような比を満たすように被覆するためには、過硫酸塩と鉄塩とで異なる条件で被覆操作を行うことが好ましい場合があるからである。
被覆された過硫酸塩と被覆された鉄塩を混合して分解剤を製造するが、ここでいう「混合」には、被覆された過硫酸塩と被覆された鉄塩を予め混合してから粘性流体に添加する態様、被覆された過硫酸塩と被覆された鉄塩を別々に粘性流体に添加する態様であって、混合状態が粘性流体中で初めて達成される態様のいずれもが含まれる。粘性流体に添加する前に予め混合する場合、その混合方法は特に限定されず、別々に添加する場合、その添加順は特に限定されない。本発明の別の実施形態によると、粘性流体に、被覆された過硫酸塩および該過硫酸塩の活性化剤としての被覆された鉄塩を添加することを含む、水圧破砕法において使用される粘性流体の分解方法が提供される。
過硫酸塩と鉄塩は、これらの被覆前の質量比(被覆前の過硫酸塩の質量:被覆前の鉄塩の質量)で、200:1~1:1、より好ましくは100:1~4:3、特に好ましくは20:1~2:1の割合で使用される。このような割合で使用することにより、ゲル残渣の減少、粘度の急激な低下等の本発明の効果がより発揮される。
5.粘性流体
本発明の他の実施形態によると、溶媒と、ゲル化剤と、ゲル分解剤とを含む、水圧破砕法において使用される粘性流体が提供される。ゲル分解剤については、上述したとおりである。粘性流体には、さらにプロパントが含まれていてもよい。粘性流体の溶媒としては、淡水、塩水、海水等が使用され、淡水であることが好ましい。
ゲル化剤としては、水圧破砕法において使用され得るものであれば限定されず、例えば、ポリサッカライド、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドコポリマー、ポリアルキレンオキシド等の水和性高分子化合物が挙げられる。ポリサッカライドとしては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルグアー、ヒドロキシプロピルグアー、カルボキシメチルヒドロキシグアー、カルボキシメチルグアー、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらのうち1種のみを使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
粘性流体は、さらに当該分野で通常使用される添加剤を含んでいてもよく、例えば架橋剤、界面活性剤、pH調整剤、膨潤防止剤、鉄分制御剤、摩擦低減剤、殺生物剤、スケール防止剤、腐食防止剤等が挙げられる。架橋剤の具体例としては、ホウ酸塩、クロム(III)、アルミニウム(III)、チタン(IV)、ジルコニウム(IV)等の多価金属イオンが挙げられる。界面活性剤の具体例としては、イソプロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。pH調整剤の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。膨潤防止剤の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等が挙げられる。鉄分制御剤の具体例としては、クエン酸等が挙げられる。摩擦低減剤の具体例としては、ポリアクリルアミド、グリセリン等が挙げられる。殺生物剤の具体例としては、グルタルアルデヒド、塩化アンモニウム、メタノール等が挙げられる。スケール防止剤の具体例としては、エチレングリコール等が挙げられる。腐食防止剤の具体例としては、N,N-ジメチルホルムアルデヒド等が挙げられる。粘性流体は、上述したような材料を混合することにより容易に製造することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
<測定項目>
(1)メジアン径
以下の実施例および比較例において、メジアン径は以下のように算出した。
粒子を目開き355μm、425μm、600μm、850μm、1000μm、および1180μmの篩で分級した。各篩について、篩を通過した粒子の質量百分率を求め、重量基準メジアン径(D50)を下記式から算出した。
Z=logX+(logX-logY)×(50-N(X))/(N(Y)-N(X))
50=10
50:重量基準メジアン径
X:ふるいを通過した全粒子の比率が50%以下となった最大の篩径(μm)
Y:ふるいを通過した全粒子の比率が50%以上となった最小の篩径(μm)
N(X):Xのときの積算分布(%)
N(Y):Yのときの積算分布(%)
(2)被覆膜厚
被覆物を篩で分級して得られた600~850μmの粒子5粒をカッターナイフで切断し、水洗浄を行った。内部のコア物質(被膜以外の部分)を除去した後、真空乾燥器で1時間乾燥した。得られた被膜をSEM(KeyenceVE-9800)にて観察した。倍率200倍の画像から膜厚を測長した。粒子1粒につき10点測長し、50点平均を被覆膜厚とした。
<実施例1>
(1)コーティング液aの調製
ポリ塩化ビニリデンラテックスのサランラテックス(旭化成株式会社製グレードL820A)589gに蒸留水1411gを加えて攪拌し、過硫酸塩および鉄塩の粒子を被覆するためのコーティング液aを調製した。コーティング液a中の樹脂固形分濃度は15重量%とした。
(2)過硫酸アンモニウムの被覆粒子の調製
過硫酸アンモニウム(三菱瓦斯化学社製)を目開き425~1180μmの篩(東京スクリーン株式会社製)で分級し、425~1000μmの粒子を使用した。得られた粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が568μmであった。
得られた過硫酸アンモニウム1000gを流動層装置(フロイント産業株式会社製FLOW COATER)に投入して流動状態にした後、上記で調製したコーティング液aをスプレーで塗布した。条件は、給気温度70~80℃、排気温度30~40℃、スプレー速度15g/分とし、88分間塗布した。最終的に、過硫酸アンモニウムとコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が596μmであった。また、被覆膜厚は33μmであった。
(3)硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の調製
硫酸第一鉄七水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)を目開き425~1180μmの篩(東京スクリーン株式会社製)で分級し、425~1000μmの粒子を使用した。得られた粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が408μmであった。
得られた硫酸第一鉄七水和物1000gを流動層装置(フロイント産業株式会社製FLOW COATER)に投入して流動状態にした後、上記で調製したコーティング液aをスプレーで塗布した。条件は、給気温度70~80℃、排気温度30~40℃、スプレー速度15g/分とし、88分間塗布した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が490μmであった。また、被覆膜厚は31μmであった。
<実施例2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で71分間としたことを除き、実施例1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:4となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が476μmであった。また、被覆膜厚は17μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例1と同じものを使用した。
<実施例3>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で53分間としたことを除き、実施例1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:3となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が461μmであった。また、被覆膜厚は12μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例1と同じものを使用した。
<比較例1>
実施例1で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子を使用し、硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子は使用しなかった。
<比較例2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で107分間としたことを除き、実施例1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:6となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が496μmであった。また、被覆膜厚は39μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例1と同じものを使用した。
<比較例3>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で35分間としたことを除き、実施例1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:2となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が423μmであった。また、被覆膜厚は10μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例1と同じものを使用した。
<比較例4>
実施例1の過硫酸アンモニウム粒子を被覆せずに使用し、硫酸第一鉄七水和物は使用しなかった。
<比較例5>
実施例1の過硫酸アンモニウム粒子および硫酸第一鉄七水和物を、ともに被覆せずに使用した。
<試験例1:ゲル残渣率測定>
実施例1~3および比較例1~5で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子をゲルに添加することによりゲルを分解し、ゲル残渣率を比較した。具体的な方法は、以下のとおりである。
(1)ゲルの調製
2000mLビーカーに水850gとグアーガム(富士フイルム和光純薬株式会社製)3.2gを入れて、攪拌羽根により400rpmで2時間攪拌した。その後、四ホウ酸ナトリウム十水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)1.2gを水150gに溶解した水溶液を素早く加えた。攪拌速度を200rpmとし、適宜撹拌を停止しながら上層と下層を混合しつつ1時間攪拌し、試験に使用するゲルを得た。
(2)ゲルの分解
上記で調製したゲルを1000mLビーカーに500g採取した。実施例および比較例で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子(ゲル分解剤)を、表1に示す量でゲルに添加した(被覆粒子の量として表示)。ビーカーの上に時計皿を乗せ、50℃の恒温槽中に静置した。ゲル分解剤を添加してから3時間経過後、ビーカーを恒温槽から取り出した。
(3)ゲル残渣率の算出
桐山ロート(内径55mm)の底部にナイロンメッシュ(250μm)を敷き、その上に海砂80g(富士フイルム和光純薬株式会社製,粒径425~850μm)と水200gを含むスラリーを添加した。ここに、恒温槽から取り出したゲル分解物を流し込み、真空ポンプを用いて5分間減圧ろ過を行った。ゲル残渣率は、下記式から算出した。
ゲル残渣率(%)={(ろ過後の桐山ロートの重量(g))-(ゲル分解物添加前の桐山ロートの重量(g))/(使用したゲル量500g)}×100
得られた結果を以下の表1に示す。
Figure 0007327403000001
<試験例2:ゲル粘度測定>
試験例1で調製したゲルを250mLビーカーに100g採取した。実施例および比較例で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子(ゲル分解剤)を、表2に示す量でゲルに添加した(被覆粒子の量として表示)。ビーカーの上に時計皿を乗せ、50℃の恒温槽中に静置した。ゲル分解剤の添加から所定時間経過後のゲル粘度を測定した。
Figure 0007327403000002
粘度測定は、ブルックフィールド製RVDV-II+Pro,コーンプレートスピンドルCPE-52を用いて行った。ゲル分解剤の添加から所定時間経過後(30分毎)のゲル1mLを試料台に乗せて本体に設置し、そのまま2分間静置した後、12rpm(せん断速度24s-1)でスピンドルを回転させ、60秒時点の値を読み取った。
また、全測定時間のうち粘度低下量が最大となった1時間における粘度低下率を、以下の式を用いて算出した。
粘度低下率(%)={(x時間後の粘度)-(x+1時間後の粘度)/ゲル分解剤添加前の粘度}×100
実施例1についてはゲル分解剤を添加してから2.5時間後から3.5時間後、実施例2および3についてはゲル分解剤を添加してから2時間後から3時間後、比較例1および2についてはゲル分解剤を添加してから3時間後から4時間後の間における粘度低下率を、それぞれ算出した。結果を以下の表3および図1に示す。
Figure 0007327403000003
<実施例4>
(1)コーティング液bの調製
水性アクリル樹脂のボンコートEC-905EF(DIC株式会社製)602gに蒸留水1398gを加えて攪拌し、過硫酸塩および鉄塩の粒子を被覆するためのコーティング液bを調製した。コーティング液b中の樹脂固形分濃度は15重量%とした。
(2)過硫酸アンモニウムの被覆粒子の調製
過硫酸アンモニウム(三菱瓦斯化学社製)を目開き425~1180μmの篩(東京スクリーン株式会社製)で分級し、425~1000μmの粒子を使用した。得られた粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が568μmであった。
得られた過硫酸アンモニウム1000gを流動層装置(フロイント産業株式会社製FLOW COATER)に投入して流動状態にした後、上記で調製したコーティング液bをスプレーで塗布した。条件は、給気温度50~60℃、排気温度30~40℃、スプレー速度10g/分とし、133分間塗布した。最終的に、過硫酸アンモニウムとコーティング液b中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が585μmであった。また、被覆膜厚は32μmであった。
(3)硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の調製
硫酸第一鉄七水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)を目開き425~1180μmの篩(東京スクリーン株式会社製)で分級し、425~1000μmの粒子を使用した。得られた粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が408μmであった。
得られた硫酸第一鉄七水和物1000gを流動層装置(フロイント産業株式会社製FLOW COATER)に投入して流動状態にした後、上記で調製したコーティング液bをスプレーで塗布した。条件は、給気温度50~60℃、排気温度30~40℃、スプレー速度8g/分とし、167分間塗布した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液b中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が451μmであった。また、被覆膜厚は30μmであった。
<実施例5>
コーティング液bの塗布条件を、給気温度50~60℃、排気温度30~40℃、スプレー速度8g/分で100分間としたことを除き、実施例4と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液b中の樹脂固形分の質量比が25:3となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が443μmであった。また、被覆膜厚は14μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例4と同じものを使用した。
<比較例6>
実施例4で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子を使用し、硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子は使用しなかった。
<比較例7>
コーティング液bの塗布条件を、給気温度50~60℃、排気温度30~40℃、スプレー速度8g/分で67分間としたことを除き、実施例4と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液b中の樹脂固形分の質量比が25:2となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が422μmであった。また、被覆膜厚は10μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例4と同じものを使用した。
<比較例8>
コーティング液bの塗布条件を、給気温度50~60℃、排気温度30~40℃、スプレー速度8g/分で200分間としたことを除き、実施例4と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液b中の樹脂固形分の質量比が25:6となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が466μmであった。また、被覆膜厚は37μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例4と同じものを使用した。
<試験例3:ゲル残渣率測定>
実施例4、5および比較例6~8で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子をゲルに添加することによりゲルを分解し、ゲル残渣率を比較した。具体的な方法は、以下のとおりである。
(1)ゲルの調製
試験例1と同じゲルを使用した。
(2)ゲルの分解
試験例1と同様の方法で行った。過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の添加量は、以下の表4に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
(3)ゲル残渣率の算出
試験例1と同様の方法で算出した。得られた結果を以下の表4に示す。
Figure 0007327403000004
<試験例4:ゲル粘度測定>
試験例2と同様の方法で行った。過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の添加量は、表5に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
Figure 0007327403000005
実施例4および5についてはゲル分解剤を添加してから2時間後から3時間後、比較例6および8についてはゲル分解剤を添加してから2.5時間後から3.5時間後の間における粘度低下率を、それぞれ算出した。結果を以下の表6および図2に示す。
Figure 0007327403000006
<実施例I-1>
(1)コーティング液aの調製
実施例1で調製したコーティング液aと同じものを使用した。
(2)過硫酸カリウムの被覆粒子の調製
過硫酸カリウム(三菱瓦斯化学社製)を目開き425~1180μmの篩(東京スクリーン株式会社製)で分級し、425~1000μmの粒子を使用した。得られた粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が421μmであった。
得られた過硫酸カリウム1000gを流動層装置(フロイント産業株式会社製FLOW COATER)に投入して流動状態にした後、上記で調製したコーティング液aをスプレーで塗布した。条件は、給気温度70~80℃、排気温度30~40℃、スプレー速度15g/分とし、88分間塗布した。最終的に、過硫酸カリウムとコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が494μmであった。また、被覆膜厚は30μmであった。
(3)硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の調製
実施例1と同じ硫酸第一鉄七水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が408μm)を用いて、実施例1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が490μmであった。また、被覆膜厚は31μmであった。
<実施例I-2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で71分間としたことを除き、実施例I-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:4となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が476μmであった。また、被覆膜厚は17μmであった。
過硫酸カリウムの被覆粒子としては、実施例I-1と同じものを使用した。
<実施例I-3>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で53分間としたことを除き、実施例I-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:3となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が461μmであった。また、被覆膜厚は12μmであった。
過硫酸カリウムの被覆粒子としては、実施例I-1と同じものを使用した。
<比較例I-1>
実施例I-1で調製した過硫酸カリウムの被覆粒子を使用し、硫酸第一鉄七水和物の被
覆粒子は使用しなかった。
<比較例I-2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で107分間としたことを除き、実施例I-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:6となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が496μmであった。また、被覆膜厚は39μmであった。
過硫酸カリウムの被覆粒子としては、実施例I-1と同じものを使用した。
<比較例I-3>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で35分間としたことを除き、実施例I-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:2となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が423μmであった。また、被覆膜厚は10μmであった。
過硫酸カリウムの被覆粒子としては、実施例I-1と同じものを使用した。
<試験例I-1:ゲル残渣率測定>
実施例I-1~I-3および比較例I-1、I-2で調製した過硫酸カリウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子をゲルに添加することによりゲルを分解し、ゲル残渣率を比較した。具体的な方法は、以下のとおりである。
(1)ゲルの調製
試験例1と同じゲルを使用した。
(2)ゲルの分解
試験例1と同様の方法で行った。過硫酸カリウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の添加量は、以下の表7に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
(3)ゲル残渣率の算出
試験例1と同様の方法で算出した。得られた結果を以下の表7に示す。
Figure 0007327403000007
<試験例I-2:ゲル粘度測定>
試験例2と同様の方法で行った。過硫酸カリウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の添加量は、表8に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
Figure 0007327403000008
実施例I-1についてはゲル分解剤を添加してから2.5時間後から3.5時間後、実施例I-2およびI-3についてはゲル分解剤を添加してから2時間後から3時間後、比較例I-1およびI-2についてはゲル分解剤を添加してから3.5時間後から4.5時間後の間における粘度低下率を、それぞれ算出した。結果を以下の表9に示す。
Figure 0007327403000009
<実施例II-1>
(1)コーティング液aの調製
実施例1で調製したコーティング液aと同じものを使用した。
(2)過硫酸ナリウムの被覆粒子の調製
過硫酸ナトリウム(三菱瓦斯化学社製)を目開き425~1180μmの篩(東京スクリーン株式会社製)で分級し、425~1000μmの粒子を使用した。得られた粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が416μmであった。
得られた過硫酸ナトリウム1000gを流動層装置(フロイント産業株式会社製FLOW COATER)に投入して流動状態にした後、上記で調製したコーティング液aをスプレーで塗布した。条件は、給気温度70~80℃、排気温度30~40℃、スプレー速度15g/分とし、88分間塗布した。最終的に、過硫酸ナトリウムとコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が482μmであった。また、被覆膜厚は31μmであった。
(3)硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の調製
実施例1と同じ硫酸第一鉄七水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が408μm)を用いて、実施例1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が490μmであった。また、被覆膜厚は31μmであった。
<実施例II-2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で71分間としたことを除き、実施例II-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:4となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が476μmであった。また、被覆膜厚は17μmであった。
過硫酸ナトリウムの被覆粒子としては、実施例II-1と同じものを使用した。
<実施例II-3>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で53分間としたことを除き、実施例II-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:3となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が461μmであった。また、被覆膜厚は12μmであった。
過硫酸ナトリウムの被覆粒子としては、実施例II-1と同じものを使用した。
<比較例II-1>
実施例II-1で調製した過硫酸ナトリウムの被覆粒子を使用し、硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子は使用しなかった。
<比較例II-2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で107分間としたことを除き、実施例II-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:6となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が496μmであった。また、被覆膜厚は39μmであった。
過硫酸ナトリウムの被覆粒子としては、実施例II-1と同じものを使用した。
<比較例II-3>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で35分間としたことを除き、実施例II-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:2となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が423μmであった。また、被覆膜厚は10μmであった。
過硫酸ナトリウムの被覆粒子としては、実施例II-1と同じものを使用した。
<試験例II-1:ゲル残渣率測定>
実施例II-1~II-3および比較例II-1、II-2で調製した過硫酸ナトリウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子をゲルに添加することによりゲルを分解し、ゲル残渣率を比較した。具体的な方法は、以下のとおりである。
(1)ゲルの調製
試験例1と同じゲルを使用した。
(2)ゲルの分解
試験例1と同様の方法で行った。過硫酸ナトリウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の添加量は、以下の表10に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
(3)ゲル残渣率の算出
試験例1と同様の方法で算出した。得られた結果を以下の表10に示す。
Figure 0007327403000010
<試験例II-2:ゲル粘度測定>
試験例2と同様の方法で行った。過硫酸ナトリウムの被覆粒子および硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子の添加量は、表11に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
Figure 0007327403000011
実施例II-1についてはゲル分解剤を添加してから3時間後から4時間後、実施例II-2およびII-3についてはゲル分解剤を添加してから2時間後から3時間後、比較例II-1およびII-2についてはゲル分解剤を添加してから4時間後から5時間後の間における粘度低下率を、それぞれ算出した。結果を以下の表12に示す。
Figure 0007327403000012
<実施例III-1>
(1)コーティング液aの調製
実施例1で調製したコーティング液aと同じものを使用した。
(2)過硫酸アンモニウムの被覆粒子の調製
実施例1と同じ過硫酸アンモニウム(三菱瓦斯化学社製、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が568μm)を用いて、コーティング液aの塗布条件を、給気温度50~60℃、排気温度30~40℃、スプレー速度10g/分とし、133分間塗布したことを除き、実施例1と同様に過硫酸アンモニウムの被覆粒子を調製した。最終的に、過硫酸アンモニウムとコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が585μmであった。また、被覆膜厚は33μmであった。
(3)硫酸第二鉄n水和物の被覆粒子の調製
硫酸第二鉄n水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)を目開き425~1180μmの篩(東京スクリーン株式会社製)で分級し、425~1000μmの粒子を使用した。得られた粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が518μmであった。
得られた硫酸第二鉄n水和物1000gを流動層装置(フロイント産業株式会社製FLOW COATER)に投入して流動状態にした後、上記で調製したコーティング液aをスプレーで塗布した。条件は、給気温度70~80℃、排気温度30~40℃、スプレー速度15g/分とし、88分間塗布した。最終的に、硫酸第二鉄とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が548μmであった。また、被覆膜厚は32μmであった。
<実施例III-2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で71分間としたことを除き、実施例III-1と同様に硫酸第二鉄n水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第二鉄n水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:4となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が535μmであった。また、被覆膜厚は15μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例III-1と同じものを使用した。
<比較例III-1>
実施例III-1で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子を使用し、硫酸第二鉄n水和物の被覆粒子は使用しなかった。
<比較例III-2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で107分間としたことを除き、実施例III-1と同様に硫酸第二鉄n水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第二鉄n水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:6となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が571μmであった。また、被覆膜厚は38μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例III-1と同じものを使用した。
<比較例III-3>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で35分間としたことを除き、実施例III-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第二鉄n水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:2となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が423μmであった。また、被覆膜厚は10μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例III-1と同じものを使用した。
<試験例III-1:ゲル残渣率測定>
実施例III-1、III-2、比較例III-1、III-2で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸第二鉄n水和物の被覆粒子をゲルに添加することによりゲルを分解し、ゲル残渣率を比較した。具体的な方法は、以下のとおりである。
(1)ゲルの調製
試験例1と同じゲルを使用した。
(2)ゲルの分解
試験例1と同様の方法で行った。過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸第二鉄n水和物の被覆粒子の添加量は、以下の表13に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
(3)ゲル残渣率の算出
試験例1と同様の方法で算出した。得られた結果を以下の表13に示す。
Figure 0007327403000013
<試験例III-2:ゲル粘度測定>
試験例2と同様の方法で行った。過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸第二鉄n水和物の被覆粒子の添加量は、表14に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
Figure 0007327403000014
実施例III-1についてはゲル分解剤を添加してから2.5時間後から3.5時間後、実施例III-2についてはゲル分解剤を添加してから2時間後から3時間後、比較例III-1およびIII-2についてはゲル分解剤を添加してから3時間後から4時間後の間における粘度低下率を、それぞれ算出した。結果を以下の表15に示す。
Figure 0007327403000015
<実施例IV-1>
(1)コーティング液aの調製
実施例1で調製したコーティング液aと同じものを使用した。
(2)過硫酸アンモニウムの被覆粒子の調製
実施例1と同じ過硫酸アンモニウム(三菱瓦斯化学社製、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が568μm)を用いて、コーティング液aの塗布条件を、給気温度50~60℃、排気温度30~40℃、スプレー速度10g/分とし、133分間塗布したことを除き、実施例1と同様に過硫酸アンモニウムの被覆粒子を調製した。最終的に、過硫酸アンモニウムとコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が585μmであった。また、被覆膜厚は33μmであった。
(3)硫酸アンモニウム鉄六水和物の被覆粒子の調製
硫酸アンモニウム鉄六水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)を目開き425~1180μmの篩(東京スクリーン株式会社製)で分級し、425~1000μmの粒子を使用した。得られた粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が395μmであった。
得られた硫酸アンモニウム鉄六水和物1000gを流動層装置(フロイント産業株式会社製FLOW COATER)に投入して流動状態にした後、上記で調製したコーティング液aをスプレーで塗布した。条件は、給気温度70~80℃、排気温度30~40℃、スプレー速度15g/分とし、88分間塗布した。最終的に、硫酸アンモニウム鉄六水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が5:1となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が428μmであった。また、被覆膜厚は32μmであった。
<実施例IV-2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で71分間としたことを除き、実施例IV-1と同様に硫酸アンモニウム鉄六水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸アンモニウム鉄六水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:4となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が421μmであった。また、被覆膜厚は16μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例IV-1と同じものを使用した。
<比較例IV-1>
実施例IV-1で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子を使用し、硫酸アンモニウム鉄六水和物の被覆粒子は使用しなかった。
<比較例IV-2>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で107分間としたことを除き、実施例IV-1と同様に硫酸アンモニウム鉄六水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸アンモニウム鉄六水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:6となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が496μmであった。また、被覆膜厚は37μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例IV-1と同じものを使用した。
<比較例IV-3>
コーティング液aの塗布条件をスプレー速度15g/分で35分間としたことを除き、実施例IV-1と同様に硫酸第一鉄七水和物の被覆粒子を調製した。最終的に、硫酸第一鉄七水和物とコーティング液a中の樹脂固形分の質量比が25:2となるようにした。得られた被覆粒子は、ふるいわけ法による重量基準メジアン径が423μmであった。また、被覆膜厚は11μmであった。
過硫酸アンモニウムの被覆粒子としては、実施例IV-1と同じものを使用した。
<試験例IV-1:ゲル残渣率測定>
実施例IV-1、IV-2、比較例IV-1~IV-3で調製した過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸アンモニウム鉄六水和物の被覆粒子をゲルに添加することによりゲルを分解し、ゲル残渣率を比較した。具体的な方法は、以下のとおりである。
(1)ゲルの調製
試験例1と同じゲルを使用した。
(2)ゲルの分解
試験例1と同様の方法で行った。過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸アンモニウム鉄六水和物の被覆粒子の添加量は、以下の表16に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
(3)ゲル残渣率の算出
試験例1と同様の方法で算出した。得られた結果を以下の表16に示す。
Figure 0007327403000016
<試験例IV-2:ゲル粘度測定>
試験例2と同様の方法で行った。過硫酸アンモニウムの被覆粒子および硫酸アンモニウム鉄六水和物の被覆粒子の添加量は、表17に示すとおりである(被覆粒子の量として表示)。
Figure 0007327403000017
実施例IV-1についてはゲル分解剤を添加してから2.5時間後から3.5時間後、実施例IV-2についてはゲル分解剤を添加してから2時間後から3時間後、比較例IV-1およびIV-2についてはゲル分解剤を添加してから3時間後から4時間後の間における粘度低下率を、それぞれ算出した。結果を以下の表18に示す。
Figure 0007327403000018
上記試験結果より、実施例の分解剤を使用すると、ゲル残渣を少なくすることができると言える。例えば、ゲル残渣率(粘性流体分解前のゲル量に対する粘性流体分解後に残存したゲル量の割合)を3%未満(例えば1%以上3%未満)、あるいは2%未満(1%以上2%未満)とすることができる。また、ゲル粘度を所定時間維持した後、急激にゲル粘度を低下させることができるため、水圧破砕法に特に好ましい特性を有していると言える。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (12)

  1. 過硫酸塩および該過硫酸塩の活性化剤としての鉄塩を含み、
    前記過硫酸塩および前記鉄塩は、それぞれ被覆されており、
    前記過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する前記鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲である、
    水圧破砕法において使用される粘性流体の分解剤。
  2. 前記過硫酸塩が、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムまたは過硫酸カリウムである請求項1に記載の分解剤。
  3. 前記鉄塩が水溶性鉄塩である請求項1または2に記載の分解剤。
  4. 前記水溶性鉄塩が、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸アンモニウム鉄(II)またはこれらの水和物である請求項3に記載の分解剤。
  5. 過硫酸塩を被覆して、被覆された過硫酸塩を得ることと、
    鉄塩を被覆して、被覆された鉄塩を得ることと、
    前記被覆された過硫酸塩および前記被覆された鉄塩を混合することと
    を含む、水圧破砕法において使用される粘性流体の分解剤の製造方法。
  6. 前記過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する前記鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記過硫酸塩が、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムまたは過硫酸カリウムである請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記鉄塩が水溶性鉄塩である請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記水溶性鉄塩が、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸アンモニウム鉄(II)またはこれらの水和物である請求項8に記載の方法。
  10. 粘性流体に、被覆された過硫酸塩および該過硫酸塩の活性化剤としての被覆された鉄塩を添加することを含み、
    前記過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する前記鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲である、
    水圧破砕法において使用される粘性流体の分解方法。
  11. 溶媒と、ゲル化剤と、請求項1~4のいずれか一項に記載の分解剤とを含む、水圧破砕法において使用される粘性流体。
  12. 過硫酸塩および該過硫酸塩の活性化剤としての鉄塩を含み、
    前記過硫酸塩および前記鉄塩は、それぞれ被覆されており、
    前記過硫酸塩の被覆膜厚(X)に対する前記鉄塩の被覆膜厚(Y)の比(Y/X)が0.35~1.0の範囲である、
    粘性流体の分解剤を、水圧破砕法において用いる、使用。
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