(センサシステムの概要)
図1は、実施形態に係るセンサシステム1の構成を示すブロック図である。
センサシステム1は、無線端末の一例としての工作機械3と、工作機械3と無線通信を行う無線通信機器5とを有している。工作機械3と無線通信機器5との間で無線通信を行うことにより、例えば、工作機械3の状態の情報を無線通信機器5に蓄積して、この蓄積した情報を工作機械3の保守管理及び/又は制御等に利用することができる。
工作機械3は、基体7と、基体7に取り付けられた1又は複数の無線通信センサ9とを有している。図3に示す一例のように工作機械3は、複数の無線通信センサ9を有してもよい。複数の無線通信センサ9は、例えば、それぞれ、所定の物理量の検出を行う。また、複数の無線通信センサ9は、それぞれ、無線通信機器5と無線通信を行う。例えば、各無線通信センサ9は、上記の物理量の検出結果を無線通信機器5へ送信する。
また、工作機械3は、例えば、基体7の姿勢(別の観点では無線通信センサ9の姿勢)を変化させる駆動力を生じる駆動源11と、当該駆動源11を制御する制御装置13とを有している。この他、工作機械3は、例えば、無線通信センサ9とは別に、無線通信機器5と無線通信を行う通信部(不図示)を備えていてもよい。なお、本実施形態の説明では、駆動源11及び制御装置13を含む工作機械3の全体を無線端末の一例として挙げている。ただし、工作機械の一部(基体7及び無線通信センサ9)により(駆動源11及び制御装置13を除いて)無線端末が定義されても構わない。
無線通信機器5は、無線通信センサ9との無線通信を直接的に担う通信部15と、通信部15を制御する制御部17と、通信部15を介して得られる情報を記憶する記憶部19とを有している。なお、本実施形態の説明では、無線通信機器5を工作機械3とは別の機器として捉えている。ただし、無線通信機器5を含んで工作機械が定義されても構わない。
(工作機械の概略構成)
図2は、実施形態に係る工作機械3の要部を示す斜視図である。
図2には、便宜上、A1軸、A2軸及びA3軸からなる直交座標系を付している。この座標系は、実質的に絶対座標系であるものとし、また、この座標系と、鉛直方向及び水平方向との相対関係は任意であるものとする。
また、図2には、B1軸、B2軸及びB3軸からなる直交座標系を付している。この座標系は、各無線通信センサ9(ここでは不図示)に固定的な相対座標系であるものとする。座標系B1-B2-B3は、無線通信センサ9の数と同じ数で定義されるが、ここでは、一つのみ示している。各軸の向きについては後述する。
工作機械3は、例えば、ターニングセンタ(旋盤の一種)として構成されている。工作機械3は、例えば、A1軸に平行な軸回りに回転する被削材(ここでは不図示)に対して、切削工具21としての旋削工具(バイト等)を当接させることによって被削材を切削する。また、工作機械3は、被削材の回転を停止した状態で、切削工具21としての転削工具(ドリル又はエンドミル等)を回転させて被削材を切削可能であってもよい。
工作機械3は、切削工具21を保持するための構成として、例えば、タレット23を有している。タレット23は、直接的に切削工具21を保持可能であってもよいし(後述する図3(a)参照)、タレット23に取り付けられるツールブロック25(工具保持具)を介して間接的に切削工具21を保持可能であってもよいし(図2の例)、双方が可能であってもよい。
タレット23は、その外周に沿って直接的に又は間接的に複数の切削工具21を保持可能である(図2では1つの切削工具21のみを例示。)。そして、タレット23は、例えば、被削材の回転軸から偏心している回転軸R1回りの回転によって、被削材の切削に供される切削工具21を交換することに寄与する。これにより、切削に供される切削工具21の種類及び/又は向きを短時間で変更することができ、ひいては、多様な加工を効率的に行うことができる。
なお、切削工具21の構成、タレット23の構成及びツールブロック25の構成等は適宜なものとされてよい。例えば、タレット23が保持可能な切削工具21(又はツールブロック25。本段落において、以下、同様。)の数は任意である。なお、図示の例では、タレット23が正12角形で構成されていることから理解されるように、タレット23は、12個の切削工具21を保持可能である。また、例えば、タレット23は、+A1側の面において切削工具21を保持してもよいし、回転軸R1回りの外周面において切削工具21を保持してもよい。ツールブロック25は、2以上の切削工具21を保持可能なものであってもよい。
(無線通信センサの位置の例)
図3(a)~図3(c)は、無線通信センサ9の取付位置の例を示す模式図である。この図は、タレット23を+A1側から見た図となっている。
図3(a)の例では、タレット23は、複数の切削工具21を直接的に保持している。そして、複数の無線通信センサ9は、複数の切削工具21に個別に設けられている。この場合において、タレット23及び複数の切削工具21(そのうちの無線通信センサ9を除く本体部分)は、基体7を構成している。
図3(b)の例では、タレット23は、複数のツールブロック25を介して間接的に複数の切削工具21を保持している。そして、複数の無線通信センサ9は、複数のツールブロック25に個別に設けられている。この場合において、タレット23及び複数のツールブロック25(そのうちの無線通信センサ9を除く本体部分)は、基体7を構成している。なお、この例においても、図3(a)と同様に、基体7の定義に切削工具21が含まれても構わない。
図3(c)の例では、複数の無線通信センサ9は、タレット23のうち、複数の切削工具21(ここでは図示省略)が直接的に又は間接的に保持される部分に設けられている。この場合において、タレット23(そのうちの無線通信センサ9を除く本体部分)は、基体7を構成している。なお、この例においても、他の例と同様に、基体7の定義に切削工具21及び/又はツールブロック25が含まれても構わない。
これらの例から理解されるように、複数の無線通信センサ9は、タレット23に直接又は間接に保持される複数の切削工具21(及び/又はツールブロック25。本段落において以下同様。)に対して個別に設けられている。これにより、例えば、各切削工具21の状態を検出する(基体7の状態を切削工具21毎に検出する)ことが可能となっている。
なお、図3(a)~図3(c)の例は、適宜に組み合わされてよい。例えば、タレット23の複数(図示の例では12個)の取付位置のうち、一部の取付位置に対しては図3(a)~図3(c)のいずれか1つの例が適用され、他の一部の取付位置に対しては図3(a)~図3(c)の他の例が適用されてもよい。また、例えば、無線通信センサ9が設けられた切削工具21がツールブロック25を介して間接的にタレット23に保持されてもよい。
以下では、基本的に、無線通信センサ9が切削工具21に設けられている態様を例に取って、図示及び説明を行う。ただし、図3(b)及び図3(c)を参照して説明した他の態様が以下の説明に適用されてよいことはもちろんである。
(無線通信センサ)
図4(a)は、無線通信センサ9の一例である無線通信センサ9Aの構成を示すブロック図である。図4(b)は、無線通信センサ9の他の例である無線通信センサ9Bの構成を示すブロック図である。
無線通信センサ9Aは、物理量の検出を直接に担う兼用センサ27Aと、無線通信を直接に担う無線通信モジュール29と、これらを制御するコントローラ31と、これらに電力を供給するバッテリ33とを有している。無線通信センサ9Bは、無線通信センサ9Aにおいて、兼用センサ27Aに代えて、姿勢センサ27B及び状態センサ27Cが設けられた構成とされている。なお、以下の説明では、兼用センサ27A、姿勢センサ27B及び状態センサ27Cを区別せずに、単に「センサ27」ということがある。また、無線通信センサ9Aと無線通信センサ9Bとを区別しないこともある。
(センサ)
センサ27は、物理量を電気信号に変換するトランスデューサーの部分だけであってもよいし(狭義のセンサであってもよいし)、トランスデューサーに加えて増幅器等を含んでいてもよい。また、センサ27は、例えば、測定された物理量に対して種々の処理(例えばエッジ処理)を行うことが可能なマイクロコンピューターを含んでもよい。また、センサ27は、電力を消費するものであってもよいし、電力を消費しないものであってもよい。なお、本開示の説明では、基本的に、センサ27として、電力を消費するものを例に取る。
(姿勢センサ)
姿勢センサ27Bは、例えば、自機(自己が属する無線通信センサ9B)の姿勢を検出することに寄与する。本実施形態では、無線通信センサ9は、基体7に固定されており、回転軸R1回りに回転する。従って、ここでは、自機の姿勢は、回転軸R1に直交する平面(A2-A3平面)における向きである。なお、自機の姿勢は、基体7の姿勢(基体7の回転軸R1回りの回転位置)と対応している。
自機の姿勢としてのA2-A3平面内における向きは、自機内の任意の部位(任意の方向)を基準として定義されてよい。以下の説明では、便宜上、各無線通信センサ9に固定的な相対座標系B1-B2-B3(図2)を用いて無線通信センサ9の向きを説明することがある。B1軸は、A1軸(回転軸R1)に平行な軸であるものとする。B2軸は、回転軸R1と無線通信センサ9とを結ぶ線(タレット23の半径)に平行な軸であるものとする。B3軸は、タレット23の回転の接線方向に平行な軸であるものとする。
自機の姿勢を検出するために検出される具体的な物理量としては、例えば、加速度及び磁気を挙げることができる。換言すれば、姿勢センサ27Bは、加速度センサ若しくは磁気センサ又はこれらの組み合わせによって構成されてよい。
例えば、タレット23の回転及び切削工具21による切削等によって外部から加速度が加えられていない状態においては、最も加速度が大きい方向は、重力の方向とみなすことができる。従って、姿勢センサ27Bとしての加速度センサによって加速度を検出することによって、自機の姿勢(例えば重力の方向に対するB2軸の傾斜角等)を特定することができる。また、加速度の測定結果を一定期間分平均化処理(あるいはローパスフィルタ処理)することによって、加速度の直流成分である重力の方向を検出してもよい。なお、加速度に基づいて自機の姿勢を特定する演算は、姿勢センサ27Bではなく、コントローラ31によってなされてもよい。この場合であっても、加速度センサは、自機の姿勢を検出するセンサであるといってよい。加速度センサは、例えば、静電容量型の半導体センサ又はピエゾ抵抗型の半導体センサ等の適宜なものとされてよい。
また、姿勢センサ27Bの位置における磁場が基本的に地磁気によるものである場合において、磁気センサ(換言すれば地磁気センサ)としての姿勢センサ27Bによって、自機の姿勢を特定できることは明らかである。なお、加速度センサの場合と同様に、磁気に基づいて自機の姿勢を特定する演算は、姿勢センサ27Bではなく、コントローラ31によってなされてもよい。この場合であっても、地磁気センサは、自機の姿勢を検出するセンサであるといってよい。地磁気センサは、ホールセンサ又は磁気抵抗効果センサ等の適宜なものとされてよい。
(状態センサ)
状態センサ27Cは、切削工具21の状態(別の観点では、基体7の状態。以下、同様。)を測定することに寄与する。切削工具21の状態としては、例えば、温度、加速度、振動、ひずみ、内部応力及び損耗などの物理量が挙げられる。別の観点では、状態センサ27Cは、加速度センサ、地磁気センサ、角速度センサ、AE(アコースティックエミッション)センサ、温度センサ、および歪応力センサのいずれかとされてよい。切削工具21の状態を測定するとは、切削工具21における上記に代表される物理量の少なくともいずれか1つの情報を測定することを意味する。また、測定の対象は、静的な状態での情報に限定されず、動的な状態での情報、すなわち、状態の変化であってもよい。
例えば、測定対象の情報を温度とする。また、切削加工前の切削工具21の温度が20°であって、切削加工時に切削工具21の温度が80°に上昇したとする。このとき、切削加工前の切削工具21の温度である20°が、温度に関する静的な状態での情報である。また、20°から80°への切削工具21の温度の上昇が、温度に関する動的な状態での情報である。これらの情報のいずれか一方が測定されてもよく、また、両方が測定されてもよい。
例えば、状態センサ27Cが熱電対を含む場合には、切削工具21の温度を測定することが可能である。状態センサ27Cがピエゾ素子を用いた圧電センサを含む場合にも、加速度、振動、ひずみ及び内部応力などを測定することが可能である。また、状態センサ27Cは、センサとして機能する配線回路を含んでいてもよい。具体的には、ブロック本体45の損耗に伴って配線回路が損耗し、この回路の抵抗値が変化した場合に、この抵抗値の変化によってブロック本体45の損耗状態を測定してもよい。
なお、状態センサ27Cで測定され得る切削工具21の状態は上記の物性値に限定されない。また、状態センサ27Cは上記の具体例に限定されるものではなく、上に例示した物性値を測定できる特に記載していない他の素子を用いてもよい。例えば、カメラ及びマイクが挙げられる。
(兼用センサ)
兼用センサ27Aは、上記の姿勢センサ27B及び状態センサ27Cを兼ねるものである。すなわち、兼用センサ27Aは、自機(兼用センサ27Aが属する無線通信センサ9A)の姿勢の検出に寄与するとともに、自機に対応する切削工具21の状態の検出に寄与する。
従って、まず、上記の姿勢センサ27Bについての説明は、兼用センサ27Aに援用されてよい。すなわち、兼用センサ27Aは、例えば、加速度センサ若しくは地磁気センサ又はこれらの組み合わせによって構成されてよい。
状態センサ27Cによって検出される物理量として、温度、加速度、振動、ひずみ、内部応力及び損耗等の種々のものを例示した。ただし、兼用センサ27Aは、上記のように、自機の姿勢を検出することにも兼用されるものであるから、ここでの物理量は、例えば、加速度及び/又は振動である。
加速度センサとしての兼用センサ27Aによって加速度を検出できることは明らかである。また、加速度を継続的に検出すれば、振動状態を検出することができる。なお、継続的な検出は、実際には、一定のサンプリング周期での検出であってよいことは当然である。また、基体7が振動すれば、無線通信センサ9Aの向き(姿勢)も微小ながら繰り返し変化する。従って、地磁気センサとしての兼用センサ27Aによっても振動状態を検出することができる。
(無線通信モジュール)
無線通信モジュール29は、例えば、センサ27が検出した物理量(及び/又は当該物理量に基づく情報。以下、同様。)を無線通信センサ9の外部(無線通信機器5)へ無線で送信することに寄与する。また、無線通信モジュール29は、例えば、外部(無線通信機器5)からの信号を無線で受信することに寄与する。無線通信機器5からの信号は、例えば、無線通信センサ9の動作を制御することに利用される情報を含む。
無線通信モジュール29が行う無線通信としては、例えば、電波を用いたものが挙げられる。この場合、無線通信モジュール29は、例えば、アンテナ29aを有している。そして、無線通信モジュール29は、例えば、コントローラ31からの電気信号(センサ27からの電気信号とすることも可能)に対して変調及び周波数の引き上げ(搬送波周波数を有する高周波信号への変換)を行い、その後、アンテナ29aによって高周波信号を電波に変換して送信する。また、無線通信モジュール29は、例えば、アンテナ29aによって無線信号としての電波を受信し、受信した電波をアンテナ29aによって電気信号に変換する。電気信号は、例えば、無線通信モジュール29によって復調及び周波数の引き下げがなされ、コントローラ31へ出力される。なお、無線通信は、上記に限定されず、例えば、光を用いたものであってもよい。
また、無線通信モジュール29が送信する無線信号が届く範囲(無線通信モジュール29が直接に無線通信を行う範囲)は、狭くてもよいし、広くてもよい。例えば、上記範囲は、工作機械3の周囲をカバーできる範囲であってもよいし、1つの工場(建屋)をカバーできる範囲であってもよいし、複数の工場が建てられている1つの敷地をカバーできる範囲であってもよいし、市町村等の地域をカバーできる範囲であってもよいし、それよりも広い範囲であってもよい。
(コントローラ)
コントローラ31は、例えば、コンピュータを含んで構成されている。コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及び外部記憶装置を含んでもよい。そして、CPUがROM及び/又は外部記憶装置に記録されているプログラムを実行することによって、種々の処理を実行する種々の機能部が構築される。コントローラ31の動作については後述する。
(バッテリ)
バッテリ33の種類、蓄電可能な電力量、形状及び寸法等は適宜に設定されてよい。例えば、バッテリ33の種類としては、リチウムイオン電池を挙げることができる。また、バッテリ33が蓄電可能な電力量は、無線通信センサ9を駆動可能な時間に換算して、1時間未満であってもよいし、1時間以上であってもよいし、1日以上であってもよいし、1週間以上であってもよい。
(無線通信機器)
図1に戻る。無線通信機器5は、工作機械3に対して比較的近くに配置されてもよいし、比較的遠くに配置されてもよい。また、無線通信機器5は、複数の場所に分散して配置された複数のハードウェアによって構成されていてもよい。例えば、無線通信機器5の一部又は全部は、工作機械3に隣接して配置されていてもよいし、工作機械3が配置されている工場(建屋)内で工作機械3から離れて配置されていてもよいし、前記工場が建てられている敷地と同一の敷地内の別の建物に配置されていてもよいし、前記敷地がある地域と同一の地域内の別の地域に配置されていてもよいし、前記地域とは異なる地域又は国に配置されていてもよい。
また、無線通信機器5は、無線信号を無線通信センサ9との間で直接に送信及び/又は受信することなどにより無線通信センサ9と通信を行ってもよいし、無線信号を無線通信センサ9との間で送信及び/又は受信する他の機器及び/又は通信網を介して無線通信センサ9と通信を行ってもよい。通信網としては、例えば、インターネットを挙げることができる。なお、上記のように、分散して配置された複数のハードウェアを無線通信機器5と捉える場合においては、上記の他の機器及び/又は通信網は、無線通信機器5の一部として捉えられてもよい。
無線通信機器5は、例えば、コンピュータを含んで構成されている。コンピュータは、CPU、RAM、ROM及び外部記憶装置を含む。そして、CPUがROM及び/又は外部記憶装置に記録されているプログラムを実行することによって、種々の処理を実行する種々の機能部が構築される。図1では、機能部として、既述の通信部15及び制御部17が示されている。また、RAM及び/又は外部記憶装置は、既述の記憶部19として機能する。記憶部19は、例えば、センサ27(27A又は27C)が出力した信号に基づく情報(例えば切削工具21の状態)を蓄積する。
既述の説明から理解されるように、通信部15は、無線通信センサ9との間で無線信号を直接に送信及び/又は受信するものであってもよいし、他の機器及び/又は通信網を介して無線通信センサ9との間で信号を送信及び/又は受信するものであってもよい。通信部15の構成は、上記の受信態様に応じて適宜なものとされてよい。例えば、通信部15は、無線信号としての電波を送信及び/又は受信するアンテナを有していてもよいし、入力された高周波信号を復調する復調装置を有していてもよい。
制御部17が実行する処理は、適宜なものとされてよい。例えば、制御部17は、通信部15を介して得られる、センサ27(27A又は27C)が出力した信号に含まれる情報を記憶部19に蓄積する処理を行ってよい。また、例えば、制御部17は、センサ27から得られる情報及び/又は記憶部19に蓄積した情報に基づいて、切削工具21の状態を評価する処理を行ってもよい。また、例えば、制御部17は、上記の評価結果に基づいて、工作機械3に対して加工条件の変更を指示する信号を出力したり、ディスプレイに評価結果に基づく画像を表示させたりしてもよい。なお、情報の蓄積では、例えば、無線通信センサ9から順次送信される切削工具21の状態に係る情報が順次記憶部19に記憶されて、時系列データが生成される。
無線通信機器5は、複数の工作機械3(その無線通信センサ9)と通信可能とされ、複数の工作機械3から情報を受信してもよい。そして、無線通信機器5は、情報の蓄積によって、いわゆるビッグデータを生成してもよい。なお、逆に、1つの工作機械3から複数の無線通信機器5へ情報が送信されてもよい。
(通信状態等の変更の概要)
図5は、無線通信センサ9における無線通信の状態等の変更の概要を説明するための模式図であり、図3(a)と同様に、工作機械3の一部を+A1側から見た図である。
図5では、回転軸R1は、被削材101の回転軸R2に対して、+A3側に偏心している。もちろん、回転軸R1が偏心する方向は、他の方向であっても構わない。ただし、以下の説明では、便宜上、図5に示すように、回転軸R1に対して-A3側に位置する切削工具21が被削材の切削に供されるものとする。
被削材101が切削されているとき、複数の切削工具21のうち一つが切削に供され、他の切削工具21は待機状態とされている。回転軸R1回りの角度範囲のうち、切削に供される切削工具21を含む範囲を第1範囲G1とする。残りの範囲を第2範囲G2とする。第1範囲G1及び第2範囲G2は、無線通信センサ9の姿勢の範囲と捉えることもできる。より具体的には、第1範囲G1及び第2範囲G2は、B2軸(図2)の正側が収まる範囲である。
各無線通信センサ9は、例えば、センサ27(27A又は27B)が検出する自機の姿勢及び/又は他の情報に基づいて、自機の姿勢が第1範囲G1及び第2範囲G2のいずれにあるか判定可能である。各無線通信センサ9は、自機の姿勢が第1範囲G1にあるときは、例えば、切削工具21の状態の検出をONにするとともに無線通信の状態をONにする。一方で、各無線通信センサ9は、自機の姿勢が第2範囲G2にあるときは、例えば、切削工具21の状態の検出をOFFにするとともに無線通信の状態をOFFにする。
センサ27(27A又は27C)によって検出される切削工具21の状態に係る情報は、一般に、切削加工中における情報が有用である。従って、上記のように、無線通信センサ9の姿勢が第1範囲G1にあるときにのみ、通信の状態及び/又は切削工具21の状態の検出をONにすることによって、消費電力を低減することができる。
センサ27(27A又は27B)による姿勢の検出は、自機が第1範囲G1及び第2範囲G2にあるか否かに関わらずにONとされていてもよいし、いずれか一方にあるときにのみONとされていてもよい。図5では、姿勢の検出は、自機が第2範囲G2にあるときにONとされ、自機が第1範囲G1にあるときはOFFとされている。
第1範囲G1の大きさは、例えば、タレット23に取付可能な切削工具21(又はツールブロック25)の数で360°を割った角度(図示の例では360°/12=30°)とされてよい。また、第1範囲G1の大きさは、そのような角度よりも大きく、又は小さくされてもよい。例えば、第1範囲G1の大きさは、タレット23の回転方向の位置決め精度に近い大きさ(例えば1°以下)とされても構わない。第1範囲G1の中心は、例えば、切削に供される切削工具21が位置決めされたときに、その切削工具21に対応する無線通信センサ9の姿勢(B2軸の方向)と概ね一致する。ただし、ずれていてもよい。
(ON及びOFFの内容)
上述の説明では、通信状態、姿勢の検出、及び切削工具21の状態の検出について、ON及びOFFの語を用いた。ただし、これは、説明を容易にするための便宜上のものである。例えば、OFFは、電力が全く消費されない状態だけでなく、電力が消費されるものの、ONに比較して消費電力が低減された状態を含んでよい。換言すれば、ON及びOFFは、例えば、OFFがONに比較して消費電力が小さい関係にあれば、それぞれ適宜な状態とされてよい。
例えば、通信状態のOFFとONとの組み合わせは、第1状態と、第1状態よりも無線通信モジュール29の消費電力が大きい第2状態との組み合わせであるということができる。ここで、消費電力は、通信の負荷又は通信量の語に置き換えられてもよい(以下、同様。)。消費電力は、第1状態と第2状態とで単位時間当たりの値が比較される。
単位時間は、適宜に設定されてよい。例えば、単位時間は、一定の周期でデータの送信及び/又は受信が行われる場合は、上記の周期以上の長さとされてよい。また、単位時間は、各切削工具21が切削に供される時間長さ以下の長さとされてよい。以下、同様である。
より詳細には、第1状態及び第2状態の組み合わせとしては、例えば、通信が切断された状態と、通信が確立された状態とを挙げることができる。通信が確立された状態は、例えば、無線通信センサ9と無線通信機器5との間で互いに認証が完了し、無線通信センサ9が無線通信機器5との間でデータの送信及び/又は受信を行うことが可能な状態である。通信が切断された状態は、上記のような認証がなされていない状態であり、別の観点では、全く通信が行われていない状態である。通信が確立された状態では、例えば、センサ27の検出結果を含むデータが送信されるから、及び/又は通信が確立された状態を維持するための信号が送受信されるから、通信が切断された状態よりも消費電力が大きくなる。
なお、上記において、通信が切断された状態は、無線通信モジュール29の駆動が休止された状態(無線通信モジュール29に全く電力が供給されない状態)であってもよいし、無線通信モジュール29に電力が供給されている状態であってもよい。後者の状態としては、例えば、無線通信モジュール29のRAMに記憶した情報を保持させるために電力が供給されている状態を挙げることができる。
また、第1状態及び第2状態の組み合わせは、例えば、通信状態が不活性化(ディアクティベート又はスリープと呼ばれることもある。)された状態と、通信状態が活性化された状態との組み合わせとされてもよい。通信状態が不活性化された状態は、例えば、上記の通信の確立はなされているものの、通信状態が活性化された状態に比較して、単位時間当たりの通信量(ひいては消費電力)が少ない状態である。
通信状態が活性化された状態と、通信状態が不活性化された状態との間の通信量の相違は、例えば、センサ27による検出結果を含むデータの送信の有無又は頻度によって生じるものであってもよいし、通信の確立を維持するための信号の送受信の有無又頻度によって生じるものであってもよい。不活性化といわれる状態には、種々の態様(レベル)があるが、第1状態は、そのいずれであってもよい。
姿勢の検出、及び切削工具21の状態の検出のON及びOFFについても、通信状態と同様に、種々の態様を挙げることができる。例えば、検出のONは、センサ27による検出が行われている状態であり、本実施形態では、センサ27に電力が供給されている(センサ27が駆動されている)ことが前提となる。また、例えば、検出のOFFとしては、センサ27が駆動されていない状態(センサ27に電力が供給されていない状態)、及びセンサ27が不活性化されている状態を挙げることができる。センサ27が不活性化されている状態としては、例えば、センサ27に電力(例えばRAMに情報を保持させるための電力)が供給されているが、センサ27による検出が行われていない状態、及びセンサ27による検出が行われているが、ONに比較してサンプリングレートが低い状態を挙げることができる。
上記のように、通信が活性化された状態と通信が不活性化された状態との間の通信量の相違は、センサ27による検出結果を含むデータの送信の有無又は頻度によって生じるものであってよい。このデータの送信の有無又は頻度は、センサ27による検出に係るON及びOFFと連動していてよい。従って、通信状態のON及びOFFは、検出のON及びOFFと密接に関係しており、必ずしも概念的に区別できない。換言すれば、両者は常に区別可能である必要は無い。ただし、以下の説明では、便宜上、両者が密接に関係している場合も含めて、通信状態のON及び検出のONを併記したり、通信状態のOFF及び検出のOFFを併記したりすることがある。
(通信状態等の変更の契機の第1の例)
図6(a)~図6(d)は、通信状態等の変更の契機(トリガ)の概要を説明するための模式図である。
これらの図では、基体7の一部及び無線通信機器5が示されている。基体7については、より詳細には、タレット23の外周に沿う方向において互いに隣り合う2つの切削工具21が示されている。ここでは、図6(a)に示すように、紙面左側の切削工具21が切削に供され(第1範囲G1に位置決めされ)、その後、図6(b)~図6(d)に示すように、紙面右側の切削工具21が切削に供される場合を例に取る。
図6(a)において切削に供される位置(第1範囲G1)に位置している切削工具21においては、図5を参照して説明したように、通信状態はONとされ、切削工具21の状態の検出はONとされ、姿勢の検出はOFFとされている。ここでは、線Ln1によって、通信が確立されていることが示され、矢印Ar1によって、切削工具21の状態についての検出結果を含むデータが送信されていることが示されている。
一方、図6(a)において切削に供されない位置(第2範囲G2)に位置している切削工具21においては、図5を参照して説明したように、通信状態はOFFとされ、切削工具21の状態の検出はOFFとされ、姿勢の検出はONとされている。姿勢の検出は、例えば、一定のサンプリング周期(第1周期)で行われている。通信状態のOFFは、既述のように種々の態様とされてよいが、ここでは、通信の確立を示す線Ln1に対応する線が描かれていないことによって示されているように、通信状態のOFFとして、通信が切断されている状態を例に取る。
その後、図6(b)に示すように、工作機械3の制御装置13は、予め設定された加工手順(プログラム)に基づいて、又は不図示の入力装置に対する入力に基づいて、タレット23を所定角度だけ回転させるように駆動源11を制御する。これにより、第2範囲G2に位置していた右側の切削工具21は第1範囲G1に移動し、第1範囲G1に位置していた左側の切削工具21は第2範囲G2へ移動する。
第2範囲G2から第1範囲G1へ遷移した右側の無線通信センサ9は、自機の姿勢を周期的に検出しているから、その検出結果に基づいて、自機の姿勢が第1範囲G1にあるか否かを判定することができる。そして、右側の無線通信センサ9は、自機の姿勢が第1範囲G1にあると判定すると、通信状態をONにし、切削工具21の状態の検出をONとし、姿勢の検出をOFFとする。
例えば、右側の無線通信センサ9は、矢印付の線Ln2によって示されているように、通信を確立するための要求を無線通信機器5へ送信する。その後、図6(c)において線Ln3によって示されているように、右側の無線通信センサ9と無線通信機器5との接続が確立される。そして、矢印Ar2で示されているように、右側の無線通信センサ9は、切削工具21の状態の検出結果を含むデータの無線通信機器5への送信を開始する。
なお、通信状態をONにするための処理、切削工具21の状態の検出をONにするための処理、及び姿勢の検出をOFFにするための処理は、いずれが先に開始されてもよい。また、いずれかの処理は、他の処理が開始又は完了したことを条件として開始されてもよい。換言すれば、自機の姿勢が第1範囲G1に遷移したことは、各種の処理を開始する間接的な契機となっていてもよい。例えば、通信状態をONにする処理が完了したこと(例えば通信が確立したこと)を契機として、切削工具21の状態の検出をONとする処理が開始されてもよい。
図6(c)において、線Ln1及び矢印Ar1で示されているように、第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移した左側の切削工具21の無線通信センサ9は、通信状態のON、切削工具21の状態の検出のON、及び姿勢の検出のOFFを維持している。無線通信機器5は、右側の無線通信センサ9との通信状態がONになることを契機として、矢印Ar3で示すように、通信状態をOFFにするための信号(第1データ)を左側の無線通信センサ9へ送信する。
なお、通信状態がONになることを契機とする場合、通信状態がONになったことが契機とされてもよいし、通信状態をONにするための要求を受信したこと(完全にONになる前の事象)が契機とされてもよい。以下で、通信状態又はセンサ27による検出がON又はOFFになることを契機として等という場合も同様に、ON又はOFFへの移行が完了したことが契機とされてもよいし、それよりも前の事象が契機とされてもよい。
その後、図6(d)に示されているように、左側の無線通信センサ9は、図6(c)において矢印Ar3で示された第1データを受信したことを契機として、通信状態をOFFとし、切削工具21の状態の検出をOFFとし、及び姿勢の検出をONとする。ここでは、図6(c)の線Ln1及び矢印Ar1が描かれていないことによって、通信が切断されたことが示されている。
なお、通信状態をOFFにするための処理、切削工具21の状態の検出をOFFにするための処理、及び姿勢の検出をONにするための処理は、いずれが先に開始されてもよい。また、いずれかの処理は、他の処理が開始又は完了したことを条件として開始されてもよい。換言すれば、第1データ(矢印Ar3)を受信したことは、各種の処理を開始する間接的な契機となっていてもよい。例えば、通信状態をOFFにする処理が完了したこと(例えば通信が切断されたこと)を契機として、姿勢の検出をONとする処理が開始されてもよい。
(第1データの内容)
図6(c)において矢印Ar3で示された第1データは、通信状態をOFFにすることを明示的に要求するものであってもよいし、暗示的に要求するものであってもよい。
明示的に通信状態のOFFを要求するものとしては、例えば、通信規格において通信状態をOFFにすることを要求するデータ(信号)として定められているものを挙げることができる。この場合、例えば、無線通信センサ9は、第1データを受信すると、基本的に、通信規格で定められている手順に従った処理を開始し、通信状態をOFFにする。換言すれば、この場合の第1データは、一般的な、通信状態のOFF(切断等)の要求ということができる。なお、明示的に通信状態のOFFを要求するものは上記に限定されず、例えば、機器やシステムのメーカが独自に定義したデータ(信号)であってもよい。
また、暗示的に通信状態のOFFを要求するものとしては、例えば、通信規格に従っていないものを挙げることができる。この場合、例えば、無線通信センサ9は、第1データを受信することによって、他の無線通信センサ9が第1範囲G1に位置したこと、換言すれば、自機の姿勢が第2範囲G2に遷移したことを認識することができる。その後、通信状態をOFFにするか否か、及び通信状態をOFFにするタイミング等は、無線通信センサ9の裁量とされてよい。そして、通信状態をOFFにするときは、例えば、無線通信センサ9から無線通信機器5へ通信状態をOFFにするための要求(例えば通信規格に従ったもの)を送信してよい。
(フローチャート)
以上に概要を説明したセンサシステム1の動作を実現するための処理の手順を示すフローチャートの例を以下に説明する。なお、以下で説明するフローチャートは、処理の手順を概念的に把握しやすいように描かれており、実際の手順を必ずしも正確に反映していない。
(無線通信センサのメイン処理)
図7は、無線通信センサ9のコントローラ31が実行するメイン処理の手順の概要の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、少なくとも工作機械3が稼働している期間において実行される。
ステップST1では、コントローラ31は、初期動作の一部として、自機の姿勢を検出する。ここでの姿勢の検出は、例えば、姿勢を1回だけ検出するだけのものであってもよいし、一定の周期(第1周期)で繰り返し姿勢を検出するものであってもよい。ただし、本実施形態の説明では、基本的に後者を例にとるものとする。そして、ステップST1では、周期的な姿勢の検出が開始されたものとする。
ステップST2では、コントローラ31は、検出された自機の姿勢が所定条件を満たしたか否か判定する。所定条件は、例えば、自機の姿勢が第1範囲G1内に位置していることを含む。そして、コントローラ31は、肯定判定のときは、ステップST3に進む。また、否定判定のときは、コントローラ31は、継続して検出されている姿勢に基づいて、ステップST2を繰り返す(所定条件が満たされるまで待機する。)。
ステップST3では、コントローラ31は、切削工具21の状態の検出をONにするとともに、無線通信モジュール29における無線通信の状態をONにする。また、ステップST4では、姿勢の検出をOFFにする。ステップST3及びST4は、図6(b)及び図6(c)の紙面右側の無線通信センサ9の動作に対応している。なお、ステップST3及びST4の順番は逆であってもよい。
ステップST5では、コントローラ31は、第1データ(図6(c)の矢印Ar3)を受信したか否か判定する。そして、コントローラ31は、肯定判定のときはステップST6に進み、否定判定のときはステップST5を繰り返す(第1データを受信するまで待機する。)。
ステップST6では、コントローラ31は、切削工具21の状態の検出をOFFにするとともに、無線通信モジュール29における無線通信の状態をOFFにする。また、ステップST7では、姿勢の検出をONにする。例えば、第1周期での姿勢の検出が開始される。ステップST6及びST7は、図6(d)の紙面左側の無線通信センサ9の動作に対応している。なお、ステップST6及びST7の順番は逆であってもよい。
その後、コントローラ31は、ステップST2に戻る。
(無線通信機器のメイン処理)
図8は、無線通信機器5の制御部17が実行するメイン処理の手順の概要の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、少なくとも工作機械3が稼働している期間において実行される。
ステップST11では、制御部17は、無線通信センサ9から、通信状態をONにするための要求があったか否か判定する。なお、通信状態のON及びOFFの具体的な態様によっては、ここで受信の有無が判定されるデータは、通信状態をONにするための要求ではなく、通信状態がONになることを暗示的に知らせるデータであってもよい。ただし、本実施形態の説明では、基本的に、通信状態をONにする要求である態様を例にとる。
制御部17は、ステップST11で肯定判定をした場合は、ステップST12に進む。肯定判定がなされる状況は、図6(b)において線Ln2で示される要求が無線通信機器5へ送信された状況に対応している。否定判定の場合は、制御部17は、ステップST12及びST13をスキップしてステップST14に進む。
ステップST12では、制御部17は、ステップST11の要求に応じる処理を行う。これにより、図6(c)において線Ln3で示したように、要求を送信した無線通信センサ9と無線通信機器5との通信状態がONとなる。
ステップST13では、制御部17は、直前のステップST12で通信状態をONにした無線通信センサ9よりも前に通信状態をONにした無線通信センサ9に対して第1データ(図6(c)の矢印Ar3)を送信する。なお、特に図示しないが、該当する無線通信センサ9が存在しない場合(例えば工作機械3の稼働開始時)においては、ステップST13はスキップされる。ステップST12及びST13の順序は逆であってもよい。
ステップST14では、制御部17は、通信状態がONとなっている無線通信センサ9から切削工具21の状態の検出結果を含むデータを受信したか否か判定する。そして、制御部17は、肯定判定の場合は、ステップST15に進み、否定判定の場合は、ステップST11に戻る。
ステップST15では、制御部17は、受信したデータに含まれる切削工具21の状態の情報を記憶部19に記憶させる。その後、制御部17は、ステップST11に戻る。
なお、ここでは、理解を容易にするために、ステップST11~ST13と、ステップST14~ST15とが直列的に実行されて、両者が同一の周期で行われている。実際には、これらは、並列的に実行されたり、及び/又は互いに異なる周期で実行されたりしてよい。通常、切削工具21の状態の検出の周期は、切削に供される切削工具21をタレット23の回転によって交換する間隔よりも短いからである。
また、図6(c)から理解されるように、第1データが送信された後、新たに通信状態がONとなった無線通信センサ9から無線通信機器5へ切削工具21の状態を示すデータが送信されるとともに、第1データの送信先の無線通信センサ9からも無線通信機器5へ切削工具21の状態を示すデータが送信されても構わない。無線通信機器5は、その双方の状態を示すデータを記憶部19に記憶して構わない。記憶に際してデータが送信元の無線通信センサ9に応じて分類されてよいことはもちろんである。
(条件判定)
図7のステップST2では、自機の姿勢の1回の検出結果に基づいて自機の姿勢が第1範囲G1内にあるか否か判定されるものであってもよいし、繰り返し検出される自機の姿勢に基づいて、自機の姿勢が第1範囲G1内に所定の期間(第1時間)に亘ってあるか否か判定されるものであってもよい。以下では、後者の一例に係るフローチャートを示す。
図9は、図7のステップST2で実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップST21では、コントローラ31は、自機の姿勢が第1範囲G1内にあるか否か判定する。このとき判定に用いられる自機の姿勢は、例えば、第1周期で繰り返し検出された姿勢のうちステップST21の直前に検出された姿勢である。そして、コントローラ31は、肯定判定の場合は、ステップST22に進み、否定判定の場合は、ステップST24に進む。
ステップST22では、コントローラ31は、図9に示す条件判定処理が開始されてから第1時間が経過したか否か判定する。第1時間の具体的な長さの例については後述する。そして、コントローラ31は、否定判定の場合は、ステップST21に戻り、肯定判定の場合は、ステップST23に進む。
ステップST23では、コントローラ31は、ステップST2で述べた所定条件が満たされたと判定する。具体的な処理としては、例えば、所定条件が満たされたことを示すフラグを立てる。
一方、ステップST24では、コントローラ31は、ステップST2で述べた所定条件が満たされないと判定する。具体的な処理としては、例えば、所定条件が満たされたことを示すフラグを立てない(何も処理がなされなくてもよい。)。
以上のように、図9の例では、自機の姿勢が第1範囲G1にある状態が第1時間に亘って維持されたときに、所定条件が満たされたと判定され、その後、通信状態をONにする処理(図7のステップST3)等が行われる。このようにすると、例えば、切削に供される切削工具21を誤って特定する蓋然性が低減される。より詳細には、以下のとおりである。
切削に供される切削工具21をタレット23の回転によって交換するとき、次に切削に供される切削工具21は、それまでに切削に供されていた切削工具21の隣の切削工具21とは限らず、他の切削工具21を間に挟んで離れた切削工具21である場合がある。この場合、次に切削に供される切削工具21が第1範囲G1に位置するまでの間に、上記他の切削工具21が第1範囲G1を通過することになる。第1範囲G1に位置する状態が第1時間で継続されることをステップST2の肯定判定の条件とすることによって、上記の第1範囲G1を通過するだけの他の切削工具21が次に切削に供される切削工具21として誤って特定される蓋然性が低減される。
上記の効果の観点からは、第1時間は、例えば、タレット23が第1範囲G1に相当する角度を回転するのに要する時間よりも長く設定されてよい。また、第1周期で繰り返し検出されている自機の姿勢の検出結果(2回分以上の検出結果)を利用する観点からは、第1時間は、第1周期の2つ分以上の長さを有している。
(姿勢検出の開始の変形例)
図7のステップST7の説明では、第1周期での姿勢の検出が開始されることを述べた。ただし、第1周期での姿勢の検出は、契機となる事象(例えばステップST6における通信状態がONになる処理)が生じた直後に開始されなくてもよい。例えば、第1周期での姿勢の検出は、契機となる事象が生じた後、所定の期間(第2時間)が経過したときに開始されたり、及び/又は取得した情報が第1条件を満たしていないときに開始されたりしてよい。以下では、その一例に係るフローチャートを示す。
図10は、図7のステップST7で実行される処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップST31では、コントローラ31は、センサ27(27A又は27B)に自機の姿勢を検出させる。この検出は、周期的なものではなく、1回のみでよい。
ステップST32では、コントローラ31は、第2時間が経過したか否か判定する。第2時間の具体的な長さの例については後述する。そして、コントローラ31は、肯定判定の場合はステップST33に進み、否定判定の場合はステップST32を繰り返す(第2時間が経過するまで待機する。)。
ステップST33では、コントローラ31は、再度、センサ27(27A又は27B)に自機の姿勢を検出させる。この検出は、周期的なものではなく、1回のみでよい。
ステップST34では、コントローラ31は、所得した情報(例えば自機の姿勢に関する情報)が第1条件を満たすか否かを判定する。第1条件の具体例については後述する。そして、コントローラ31は、肯定判定の場合はステップST35に進み、否定判定の場合は、ステップST35をスキップしてステップST36に進む。
ステップST35では、コントローラ31は、第3時間が経過したか否か判定する。第3時間の具体的な長さの例については後述する。そして、コントローラ31は、肯定判定の場合はステップST36に進み、否定判定の場合はステップST35を繰り返す(第3時間が経過するまで待機する。)。
ステップST36及びST37は、第1周期での姿勢の検出を行う処理を示している。具体的には、ステップST36では、コントローラ31は、センサ27(27A又は27B)から自機の姿勢に係る検出値を取得する。ステップST37では、コントローラ31は、前回の自機の姿勢の検出から第1周期が経過したか否か判定する。そして、コントローラ31は、肯定判定の場合は、ステップST36に戻り、否定判定の場合は、ステップST37を繰り返す(第1周期が経過するまで待機する。)。
なお、ステップST31及び33においては、例えば、この姿勢の検出時のみセンサ27(27A又は27B)に電力が供給される(センサ27が駆動される。)。一方、ステップST37における検出は、例えば、このときだけセンサ27に電力を供給して(駆動して)検出値を得るものであってもよいし、継続的に電力が供給されているセンサ27からの検出値をこのときだけ保持する(例えばRAM等に記憶させる)ものであってもよい。
上記のように、第2時間が経過したことを条件として第1周期での姿勢の検出を開始すると、例えば、不必要な姿勢の検出によって電力が消費される蓋然性を低減することができる。具体的には、以下のとおりである。コントローラ31の処理がステップST7に進み、図10に示す処理が開始される時期は、当該処理を行っているコントローラ31が属する切削工具21とは異なる他の切削工具21が切削に供される状態になった時期であるということができる。その後、上記の他の切削工具21による切削が行われるから、図10に示す処理を開始した切削工具21が直ぐに第1範囲G1に戻る蓋然性は低い。従って、そのような、第1範囲G1にある蓋然性が低い期間(第2時間)において自機の姿勢の検出を行わないようにすることにより、例えば、消費電力を低減することができる。
また、第1条件が満たされたときは第3時間の経過後に第1周期での姿勢の検出を開始することによって、例えば、上記と同様に、消費電力を低減することができる。この効果に照らして、第1条件は、例えば、図10に示す処理を行っている切削工具21が、第1範囲G1に位置決めされる蓋然性が低い状況を特定する条件とされてよい。
第1条件の一例としては、ステップST31で検出した自機の姿勢と、ステップST33で検出した自機の姿勢とが同一の姿勢とみなせるという条件を挙げることができる。すなわち、第2時間の開始前と経過後とで自機の姿勢の変化が無いとみなせるという条件を挙げることができる。
第2時間の開始前と経過毎で自機の姿勢の変化が無い場合、例えば、現在、切削に供されている他の切削工具21による加工の種類は長時間を要するものであるという推測が成り立つ。そこで、第3時間の経過を待って、第1周期での姿勢の検出を開始することによって、不要な姿勢の検出が行われる蓋然性を低減することができる。第3時間は、このような効果に照らして、例えば、工作機械3で生じ得る長時間の加工の種類の時間に近い時間とされてよい。
第1条件の他の例としては、切削工具21の交換が回転軸R1回りの並び順に行われることを前提として、第2時間の開始前と経過後とで自機の姿勢の変化(角度の変化量)が所定の大きさ以下であることを挙げることができる。また、切削工具21の交換が回転軸R1回りの並び順に行われることを前提として、第2時間の経過後の自機の姿勢が所定の範囲内に収まっていることを挙げることができる。
なお、ステップST36及びST37のみを抜き出したフローチャートは、ステップST7で即座に姿勢の検出を開始する場合のフローチャートの一例となっている。また、ステップST31及びST33~ST35が省略され、第2時間経過後に第1周期での姿勢の検出が開始されてもよい。ステップST31及びST33は、第1条件が、第2時間の開始前の姿勢と第2時間の経過後の姿勢とを用いて判定する条件を含む場合に行われる処理であり、第1条件がそのような姿勢の検出結果を用いない場合においては、不要である。ステップST35の肯定判定の後、ステップST34に戻り、繰り返し、第1条件の判定と第3時間の待機とを行ってもよい。
(第1データの受信後の送信)
第1データ(図6(c)の矢印Ar3、図7のステップST5、図8のステップST13)が無線通信センサ9によって受信された後、通信状態がOFFにされるタイミング等は適宜に設定されてよいことを既に述べた。ここでは、第1データが受信された後、切削工具21の状態の検出結果を含むデータが無線通信センサ9から無線通信機器5へ送信される態様の一例に係るフローチャートを示す。
図11は、コントローラ31が実行する処理のうち、切削工具21の状態の検出及びその検出結果を含むデータの送信に係る処理の手順の一例を示すフローチャートである。この図は、図7のステップST3、ST5及びST6に対応している。
ステップST41では、コントローラ31は、無線通信を確立又は活性化する。すなわち、コントローラ31は、通信状態をONにするように無線通信モジュール29を制御する。ただし、活性化の態様によっては、センサ27(27A又は27C)による切削工具21の状態の検出がONとなることに起因して通信量が増加したことが活性化とみなされてよく、この場合は、ステップST41において特段の処理が行われなくてもよい。
ステップST42及びST43は、一定のサンプリング周期(第2周期)で切削工具21の状態を検出する処理となっている。
具体的には、ステップST42では、コントローラ31は、ステップST43が前回実行された時点(ステップST43が一度も実行されていないときはステップST41の実行直後等の適宜な時点)から第2周期が経過したか否か判定する。そして、コントローラ31は、肯定判定の場合は、ステップST43に進み、否定判定の場合は、ステップST43をスキップしてステップST44に進む。
ステップST43では、コントローラ31は、センサ27(27A又は27C)から切削工具21の状態に係る物理量の検出値を保持する(例えばRAM等に保持する。)。この処理は、例えば、このときだけセンサ27に電力を供給して(駆動して)検出値を得るものであってもよいし、継続的に電力が供給されているセンサ27からの検出値をこのときだけ保持するものであってもよい。
第2周期の長さは、検出の目的及び/又は検出される物理量の種類等に応じて適宜に設定されてよい。また、第2周期は、自機の姿勢を検出する第1周期と異なっていてよく、例えば、第1周期よりも短い。
ステップST44及びST45は、一定の周期(第3周期)で切削工具21の状態についての検出結果を含むデータを送信する処理となっている。
具体的には、ステップST44では、コントローラ31は、ステップST45が前回実行された時点(ステップST45が一度も実行されていないときはステップST41の実行直後等の適宜な時点)から第3周期が経過したか否か判定する。そして、コントローラ31は、肯定判定の場合は、ステップST45に進み、否定判定の場合は、ステップST45をスキップしてステップST46に進む。
ステップST45では、コントローラ31は、ステップST43によって保持した検出値を無線通信機器5へ送信するように無線通信モジュール29を制御する。ここで、図11に示す例では、第3周期は、例えば、第2周期の2つ分以上の長さを有している。従って、コントローラ31は、ステップST45が実行されるまでに、ステップST43を2回以上実行している。換言すれば、コントローラ31は、2回分以上の検出値を蓄積している。そして、ステップST45では、その蓄積していた検出値を含むデータを送信する。
なお、図示の例とは異なり、第2周期で検出値を含むデータが送信されても構わない。例えば、ステップST44が省略されるとともに、ステップST45がステップST43に入れ込まれてもよい。また、検出値を含むデータの送信はセンサ27からのデータ取得とは独立(非同期)、かつ非周期的に行われてもよい。
ステップST46は、図7のステップST5と同様のものである。すなわち、コントローラ31は、第1データを受信したか否か判定する。そして、コントローラ31は、肯定判定の場合は、ステップST47に進み、否定判定の場合は、ステップST42に戻る。ステップST42に戻ることから、第1データが受信されるまでは、第2周期での検出と、第3周期での送信とが繰り返される。
ステップST47では、コントローラ31は、ステップST43で検出及び保持した検出値であって、ステップST45で送信されていないものが存在すれば、当該検出値を含むデータを送信する。このような未送信の検出値は、例えば、第3周期が第2周期よりも長いことによって生じる。
ステップST48では、コントローラ31は、無線通信を切断又は不活性化する。すなわち、コントローラ31は、通信状態をOFFにするように無線通信モジュール29を制御する。ただし、ステップST41と同様に、不活性化の態様によっては、ステップST48において特段の処理が行われなくてもよい。
なお、以上の第1の例において、第1時間の長さ、第1範囲の大きさ、第2時間の有無及び長さ、第1条件の有無及びその内容、第3時間の長さ、第2周期の長さ、第3周期の長さ等は、複数の無線通信センサ9同士で同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、これらの値は、センサシステム1の製造者が設定してもよいし、センサシステム1のユーザが設定してもよい。
(通信状態等の変更の契機の第2の例)
以下では、通信状態等の変更の契機等について、図6(a)~図11を参照して説明した第1の例とは別の例(第2の例)について説明する。なお、以下では、基本的に、第1の例との相違部分について述べる。特に言及がない事項については、第1の例と同様とされたり、類推されたりしてよい。
図12(a)~図12(d)は、通信状態等の変更の契機の概要を説明するための模式図である。
これらの図では、基体7の一部及び無線通信機器5が示されている。基体7については、より詳細には、タレット23の外周に沿う方向において互いに隣り合う3つの切削工具21が示されている。ここでは、図12(a)に示すように、紙面左側の切削工具21が切削に供され(第1範囲G1に位置決めされ)、その後、図12(b)~図12(d)に示すように、紙面中央側の切削工具21が切削に供される場合を例に取る。
図12(a)において、切削に供される位置(第1範囲G1)にある切削工具21の状態は、図6(a)におけるものと同様である。すなわち、通信状態はONとされ、切削工具21の状態の検出はONとされ、姿勢の検出はOFFとされている。
また、図12(a)において、切削に供されない位置(第2範囲G2)にある切削工具21において、通信状態はOFFとされ、切削工具21の状態の検出はOFFとされている。これは、図6(a)と同様である。ただし、図6(a)とは異なり、第2範囲G2の切削工具21は、姿勢の検出もOFFとされている。すなわち、第2範囲G2の切削工具21においては、周期的な姿勢の検出は行われていない。
第2範囲G2の切削工具21において姿勢の検出が行われていない状態は、周期的に姿勢の検出を行う処理が当初から意図されていないことによるものであってよい。換言すれば、無線通信センサ9が第2範囲G2に位置する期間に亘ってコントローラ31が継続的に実行する処理にステップST36及びST37が組み込まれていないことによるものであってよい。また、第2範囲G2の切削工具21において姿勢の検出が行われていない状態は、周期的に姿勢の検出を行う処理が意図されているものの、既述の第2時間(ステップST32)及び第3時間(ステップST35)を設定した結果、偶発的に生じたものであってもよい。以下の説明では、基本的に前者を例に取る。
図12(b)に示すように、工作機械3は、紙面中央の切削工具21が第1範囲G1に位置するようにタレット23を回転させる。このとき、無線通信機器5は、切削工具21が交換された可能性があることを検知する。その方法は、後述するように種々のものとされてよい。ここでは、矢印Ar11で示されているように、第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移した紙面左側の無線通信センサ9から無線通信機器5へ所定のデータが送信される態様が例示されている。紙面左側の無線通信センサ9において、自機の姿勢が第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移したことを検知する方法も、後述するように種々のものとされてよい。
その後、図12(c)において矢印Ar12によって示されているように、無線通信機器5は、第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移した無線通信センサ9を除く他の無線通信センサ9へ姿勢の検出を指示するデータを送信する。なお、通信状態のOFFの態様によっては、データの送信に先立って、無線通信機器5は、上記の他の無線通信センサ9との通信状態をOFFでなくすための処理を行う。例えば、通信状態のOFFが、通信が切断されている状態であれば、通信を確立する。また、通信状態のOFFが、姿勢の検出の指示を送受信可能なレベルよりも通信量が低い不活性状態である場合には、レベルを引き上げる。
姿勢の検出を指示された無線通信センサ9は、自機の姿勢を検出する。これにより、無線通信センサ9は、自機の姿勢が第1範囲G1にあるか否かを判定することができる。そして、図12(d)に示すように、自機の姿勢が第1範囲G1にあると判定した無線通信センサ9は、通信状態をONにし、切削工具21の状態の検出をONとする。なお、ここでいう通信状態のONにする動作は、既に言及しているように、切削工具21の状態の検出がONにされることに起因するものであってもよい。一方、自機の姿勢が第1範囲G1にないと判定した無線通信センサ9は、通信状態をOFFにし、切削工具21の状態の検出をOFFとする(OFFの状態を維持する。)。
自機の姿勢の検出の指示(図12(c)の矢印Ar12)は、例えば、第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移した無線通信センサ9以外の他の無線通信センサ9の全てへ送信される。以下の説明では、基本的に、この態様を例に取る。ただし、適宜な情報(例えば第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移した無線通信センサ9の自機の姿勢の情報)に基づいて、第1範囲G1に位置する蓋然性が高い無線通信センサ9を特定し、他の無線通信センサ9の一部のみにデータが送信されてもよい。また、第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移した無線通信センサ9を含む全ての無線通信センサ9へデータが送信されてもよい。
(無線通信センサのメイン処理)
図13は、第2の例の動作を実現するために無線通信センサ9のコントローラ31が実行するメイン処理の手順の概要の一例を示すフローチャートである。この処理は、第1の例の図7に対応しており、例えば、少なくとも工作機械3が稼働している期間において実行される。
ステップST51では、コントローラ31は、自機の姿勢を検出する指示(図12(c)の矢印Ar12)を受信したか否か判定する。そして、コントローラ31は、肯定判定の場合は、ステップST52に進み、否定判定の場合は、ステップST51を繰り返す(指示を受信するまで待機する。)。なお、図示を省略しているが、既に述べたように、通信状態のOFFの態様によっては、肯定判定の前には、通信状態をOFFでなくすための処理が行われてよい。
ステップST52及びST53は、図7のステップST1及びST2と同様の処理である。すなわち、コントローラ31は、自機が第1範囲G1に位置しているか否か判定する。具体的には、例えば、ステップST53では、コントローラ31は、センサ27(27A又は27B)に自機の姿勢を検出させる、又は第1周期での自機の姿勢の検出を開始する。ステップST55では、所定条件が満たされたか否か判定する。
そして、コントローラ31は、肯定判定の場合は、ステップST54に進み、否定判定の場合は、ステップST51に戻る。なお、通信状態のOFFの態様によっては、ステップST51に戻る前に、ステップST51で肯定判定がなされる場合とは逆に、通信状態をOFFにするための処理が行われてよい。ステップST54に進む動作は、図12(c)の紙面中央の無線通信センサ9の動作に対応している。ステップST51に戻る動作は、図12(c)の紙面右側の無線通信センサ9の動作に対応している。
ステップST52に示す姿勢の検出は、1回のみであってもよい。そして、その1回のみの検出結果に基づいて、ステップST53において自機の姿勢が第1範囲G1にあるか否かが判定されてよい。また、ステップST52において第1周期での姿勢の検出が開始され、図9に示したように、第1範囲G1にある状態が第1時間に亘って継続されたか否かが判定されてもよい。いずれにせよ、ここでは、例えば、ステップST51で肯定判定がなされた後、ステップST53の判定が完了するまでの間においてのみ、センサ27(27A又は27B)が駆動される(電力が供給される。)。
ステップST54~ST56は、全体として、図7のステップST3、ST5及びST6に対応する処理となっている。
具体的には、ステップST54は、ステップST3と同様の処理となっている。すなわち、ステップST54では、コントローラ31は、切削工具21の状態の検出をONにするとともに、無線通信モジュール29における無線通信の状態をONにする。この動作は、図12(d)の紙面中央の無線通信センサ9の動作に対応している。
また、ステップST55は、ステップST5に対応する処理となっている。すなわち、ステップST55において、コントローラ31は、肯定判定がなされるまで待機して、切削工具21の状態の検出及び通信状態がONの状態を維持する。一方、否定判定がなされた場合は、コントローラ31は、ステップST56に進む。
また、ステップST56は、ステップST6と同様の処理となっている。すなわち、ステップST56では、コントローラ31は、切削工具21の状態の検出をOFFにするとともに、無線通信モジュール29における無線通信の状態をOFFにする。ステップST55及びST56は、図12(a)~図12(c)の紙面左側の無線通信センサ9の動作に対応している。
図11で示した処理は、ステップST5に対応するステップST46をステップST55に置き換えて、ステップST54~ST56に適用されてもよい。
ステップST55では、ステップST5とは異なり、無線通信機器5からの第1データの受信の有無ではなく、所定の終了条件が満たされたか否かが判定されている。終了条件は、例えば、無線通信センサ9の第1範囲G1から第2範囲G2への遷移に相関する条件とされている。
例えば、無線通信センサ9が属している切削工具21が切削に供されているときと、切削に供されていないときとでは、切削工具21の状態に係る物理量の大きさ及び/又は変化等が異なる。従って、終了条件は、検出された切削工具21の状態に係る物理量が所定の条件を満たすことを含んでよい。例えば、検出された加速度又は振動(振幅)が所定の値以下の状態が、所定の時間で継続されたときに、終了条件が満たされたと判定されてよい。
図12(b)の説明では、無線通信センサ9は、自機の姿勢が第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移したことを検知して、所定のデータ(図12(b)の矢印Ar11)を無線通信機器5へ送信することについて述べた。この検知は、例えば、ステップST55での肯定判定と同じとされてよい。そして、肯定判定がなされた時点に対して適宜なタイミングでデータ(矢印Ar11)が送信されてよい。
また、上記のデータ(矢印Ar11)は、単に自機の姿勢が第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移することを知らせるだけのものであってもよいし、ステップST56の通信状態のOFFを無線通信機器5へ要求するためのものであってもよい。通信状態をOFFにするデータは、既述の第1データ(図6(c)の矢印Ar3と同様に、暗示的なものであってもよいし、明示的なものであってもよい。
(無線通信機器のメイン処理)
図14は、第2の例の動作を実現するために無線通信機器5の制御部17が実行するメイン処理の手順の概要の一例を示すフローチャートである。この処理は、第1の例の図8に対応しており、例えば、少なくとも工作機械3が稼働している期間において実行される。
ステップST61~ST63は、複数の無線通信センサ9に姿勢の検出を指示する必要性が生じたか否か判定し、必要が生じた場合に、姿勢の検出を指示する処理となっている。この処理は、図12(b)及び図12(c)に対応している。
具体的には、ステップST61では、制御部17は、所定の第2条件が満たされたか否か判定する。そして、制御部17は、肯定判定の場合は、ステップST62に進み、否定判定の場合は、ステップST62及びST63をスキップしてステップST64に進む。第2条件の具体例については後述する。
ステップST62では、制御部17は、複数の無線通信センサ9のうち、例えば、姿勢の検出を指示する必要がある(第1範囲G1に位置している可能性がある)無線通信センサ9(図12(c)の例では紙面中央及び紙面右側の無線通信センサ9)との通信状態をONにする。なお、既に言及しているように、通信状態のOFF等の態様によっては、この処理は不要である。
ステップST63では、制御部17は、第1範囲G1に位置している可能性がある少なくとも1つの無線通信センサ9に対して姿勢の検出を指示するデータ(図12(c)の矢印Ar12)を送信する。
既述のように、図13のステップST53において否定判定がなされた場合には、無線通信センサ9は、通信状態をOFFにする処理を行ってよい。この場合、図14には図示していないが、無線通信機器5の制御部17は、無線通信センサ9からの通信状態をOFFにする要求に応じる処理を行ってよい。
ステップST64及びST65は、図8のステップST14及びST15と同様のものである。図示とは異なり、ステップST64及びST65が、ステップST61~ST63に対して、並列的に実行されたり、及び/又は異なる周期で実行されたりしてよいことも、図8と同様である。
ステップST61の第2条件は、例えば、無線通信センサ9の姿勢の変化と相関がある事象が生じたこととされてよい。また、第2条件は、必ずしもそのような事象としなくても有益である。例えば、何らかの不測のエラーによって、自機の姿勢が第1範囲G1にあると判断する無線通信センサ9が存在しなくなったり、逆に、2以上生じたりしたときに、再度、自機の姿勢を検出させることにより、自機の姿勢を判断させることができる。別の観点では、第2の例は、第1の例に組み合わせ可能である。
また、第2条件は、例えば、複数の無線通信センサ9の少なくとも1つからのデータおよび複数の無線通信センサ9との無線通信の状態の少なくとも一方に係る条件とされてよい。
より詳細には、例えば、第2条件は、図12(b)に示したように、第1範囲G1から第2範囲G2へ移動した切削工具21から、当該移動を知らせるデータ(図12の矢印Ar11)を受信したことを条件として含んでよい。既に述べたように、このデータは、通信状態をOFFにするための要求であっても構わない。換言すれば、第2条件は、通信状態がONの無線通信センサ9の無線通信センサの状態がOFFになることを条件として含んでよい。この条件は、OFFになる処理が開始されたことをもって満たされたと判定されてもよいし、OFFになる処理が完了したことをもって満たされたと判定されてもよい。
また、例えば、図13のステップST55の終了条件の説明で述べたように、切削に供されているときと、切削に供されていないときとで、切削工具21の状態に係る物理量の検出値は異なる。従って、第2条件は、終了条件と同様に、無線通信センサ9からのデータに含まれる切削工具21の状態に係る物理量の検出値が所定の条件(第3条件)を満たすことを含んでよい。
この他、例えば、既に言及したように、第2条件は、全ての無線通信センサ9との通信状態がOFFになったこと含んだり、2以上の無線通信センサ9との通信状態がONになったことを含んだりしてよい。
以上のとおり、本実施形態では、センサシステム1は、基体7と、基体7に取り付けられた、複数の無線通信センサ9と、複数の無線通信センサ9と無線通信する無線通信機器5と、を含む。無線通信センサ9は、自機の姿勢を検出するセンサ27(27A又は27B)と、無線通信機器5と無線通信する無線通信モジュール29と、センサ27および無線通信モジュール29を制御するコントローラ31と、を含む。コントローラ31は、センサ27が検出した自機の姿勢が所定条件を満たすと(ステップST2又はST53の肯定判定)、無線通信モジュール29と無線通信機器5との無線通信の状態を第1状態(OFF)から当該第1状態よりも無線通信モジュール29の消費電力が大きい第2状態(ON)へ変更する。
従って、例えば、無線通信センサ9は、無線通信機器5との通信の必要性が低いと予測される状況において、無線通信によって消費される電力を低減することができる。その結果、例えば、無線通信センサ9のランニングコストを低減できる。また、例えば、無線通信センサ9がバッテリ33を有している場合においては、バッテリ33を小型化したり、バッテリ33の充電の頻度を低くしたりすることができる。
また、本実施形態では、所定条件(ステップST2又はST53)は、例えば、自機の姿勢が第1範囲G1に含まれた状態が第1時間継続することを含む(ステップST22の肯定判定)。
この場合、例えば、図9の説明において述べたように、無線通信センサ9が一時的に第1範囲G1を通過するときに、無線通信センサ9が第1範囲G1に位置決めされたと誤って判定される蓋然性が低減される。
また、本実施形態では、コントローラ31は、例えば、センサ27(27A又は27B)に第1周期で自機の姿勢を検出させる(図10のステップST36及びST37)。
この場合、例えば、無線通信センサ9は、図6(a)~図6(d)を参照して説明した第1の例のように、第2範囲G2から第1範囲G1への遷移を自発的に(無線通信機器5からの指示によらずに)検出することができる。この場合、例えば、第1周期の長さにもよるが、第2の例に比較して、自機の姿勢が第2範囲G2から第1範囲G1に遷移したことを早期に特定することができる。
また、本実施形態では、コントローラ31は、例えば、無線通信の状態を第1状態(OFF)から第2状態(ON)へ変更することを契機に、センサ27(27A又は27B)に第1周期で自機の姿勢を検出させる制御を休止する(ステップST4)。
この場合、例えば、姿勢の検出の必要性が低い無線通信センサ9において、姿勢の検出によって消費される電力を低減することができる。また、例えば、切削に供されている切削工具21の無線通信センサ9は、切削に起因して生じる振動等が姿勢の検出に誤差を生じる蓋然性が高い。そのような状況で姿勢の検出を休止することは合理的である。
また、本実施形態では、例えば、姿勢を検出するセンサの一例である兼用センサ27A(図4(a))は、加速度センサおよび地磁気センサのいずれかである。コントローラ31は、第1周期と異なる第2周期で、兼用センサ27Aに基体7の状態としての振動状態を検出させる(ステップST42及びST43)。
すなわち、センサ27は、姿勢の検出と状態の検出とに兼用される。この場合、例えば、無線通信センサ9の小型化及びコスト削減が容易化される。
また、本実施形態では、例えば、無線通信センサ9B(図4(b))は、姿勢を検出するセンサの一例である姿勢センサ27Bに加えて、第2のセンサの一例である状態センサ27Cを含む。コントローラ31は、第1周期と異なる第2周期で、状態センサ27Cに基体7の状態を検出させる。
この場合、例えば、検出される基体7の状態は、振動状態に限定されず、無線通信センサ9の応用の幅が広がる。また、状態センサ27Cが姿勢の検出と同様の物理量を検出するもの(例えば加速度センサ又は地磁気センサ)である場合においては、姿勢センサ27B及び状態センサ27Cをそれぞれ姿勢の検出と振動状態とに適したものとし、検出精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、コントローラ31は、例えば、第1周期でセンサ27(27A又は27B)に自機の姿勢を検出させている期間の少なくとも一部において、無線通信モジュール29の駆動を休止する(ステップST6及びST7参照)。すなわち、電力供給を停止する。
この場合、例えば、無線通信を不活性化させる場合に比較して、無線通信によって消費される電力を低減することができる。第1周期で自機の姿勢を検出している態様においては、既述のように、自機の姿勢が第2範囲G2から第1範囲G1へ遷移したことを早期に検出できるから、無線通信モジュール29の駆動開始に必要な時間による遅延を補償することができる。
また、本実施形態では、例えば、第1状態(OFF)では、無線通信機器5との無線通信が切断されており、第2状態(ON)では、無線通信機器5との無線通信が確立されている。
この場合、例えば、通信状態がOFFの場合における消費電力を極力低減することができる。
また、本実施形態では、例えば、第1状態(OFF)では、無線通信機器5との無線通信が確立されているが、第2状態(ON)よりも単位時間当たりの通信量が少ない。
この場合、例えば、通信状態をOFFからONへ迅速に変更することができる。ひいては、例えば、加工の開始に遅れずにデータを送信することができる。
また、本実施形態では、無線通信機器5は、例えば、複数の無線通信センサ9のいずれかの無線通信の状態が第1状態(OFF)から第2状態(ON)になることを契機に、既に無線通信の状態が第2状態になっている他の無線通信センサ9へ第1データを送信する(ステップST13)。
この場合、例えば、第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移する無線通信センサ9は、第2範囲G2へ遷移したことを自ら検知しなくてもよい。その結果、例えば、第1範囲G1における自機の姿勢の検出をOFFにすることが許容されやすくなる。また、例えば、第1範囲G1にない無線通信センサ9が、誤って通信状態をONにしたままにする蓋然性が低減される。
また、本実施形態では、第1データ(ステップST13)は、例えば、通信状態を第2状態(ON)から第1状態(OFF)へ変更することを指示するデータである。
この場合、例えば、通信状態をOFFにするための要求を第1データとして利用できるから、通信状態をOFFにする手順を簡素化することができる。ひいては、通信の負荷を低減することができる。
また、本実施形態では、コントローラ31は、例えば、第1データを受信した後、無線通信の状態が第1状態(OFF)になる前に、基体7の状態についての検出結果を含むデータを無線通信モジュール29に送信させる(ステップST47)。
この場合、例えば、図11の説明において言及したように、第1データの受信時に未送信の検出値が存在すれば、当該検出値を含むデータを送信することができる。これにより、取得した検出値が無駄になる蓋然性を低減することができる。これは、別の観点では、基体7の状態についてのデータの蓄積に係る消費電力の節約と捉えることができる。
また、本実施形態では、コントローラ31は、例えば、無線通信の状態が第1状態(OFF)になることを契機に、第1周期でセンサ27(27A又は27B)に自機の姿勢を検出させる制御を開始する(ステップST6及びST7参照)。
この場合、例えば、無線通信センサ9は、通信状態がOFFになるときから自機の姿勢を継続的に検出する。この自機の姿勢の検出は、既に述べているように、通信状態をONにするための所定条件が満たされるか否かに利用される。従って、例えば、通信状態がOFFの期間に亘って比較的漏れなく自機の姿勢を検出して、通信状態をONにすべき状況を確実に検知することができる。
また、本実施形態では、コントローラ31は、例えば、無線通信の状態が第1状態(OFF)になると、第1周期でセンサ27(27A又は27B)に自機の姿勢を検出させる制御を第2時間の経過後に開始する(例えば図10においてステップST31及びST33~ST35を省略した態様)。
この場合、例えば、図10の説明で言及したように、第2範囲G2へ遷移した直後に第1範囲G1へ遷移する蓋然性は低いという推測のもと、第1範囲G1への遷移の蓋然性が低い期間において姿勢の検出が行われる蓋然性を低減することができる。その結果、消費電力を低減することができる。
また、本実施形態では、コントローラ31は、第2時間の経過後に自機の姿勢を検出し(ステップST33)、自機の姿勢が第1条件を満たすと(ステップST34の肯定判定)、第1周期でセンサ27(27A又は27B)に自機の姿勢を検出させる制御を第3時間の経過後に開始する(ステップST35~ST37)。
この場合、図10の説明で言及したように、種々の推測に基づいて、第1範囲G1への遷移の蓋然性が低い期間において姿勢の検出が行われる蓋然性を低減することができる。その結果、消費電力を低減することができる。
また、本実施形態では、コントローラ31は、例えば、無線通信の状態が第1状態(OFF)になることを契機に、自機の姿勢を検出し(ステップST31)、さらに第2時間の経過後に自機の姿勢を検出する(ステップST33)。第1条件(ステップST34)は、第2時間の開始前と経過後とで自機の姿勢の変化がないことを含む。
この場合、図10の説明で言及したように、現状維持の時間は長いという推測のもと、第1範囲G1への遷移の蓋然性が低い期間において姿勢の検出が行われる蓋然性を低減することができる。その結果、消費電力を低減することができる。
また、本実施形態では、無線通信機器5は、例えば、複数の無線通信センサ9の少なくとも1つからのデータおよび複数の無線通信センサ9との無線通信の状態の少なくとも一方についての第2条件が満たされると(ステップST61の肯定判定)、複数の無線通信センサ9の少なくとも1つへ自機の姿勢を検出させるための指示データを送信する(ステップST63)。
この場合、例えば、無線通信センサ9は、姿勢の検出を指示されたときのみ姿勢を検出してもよい。これにより、例えば、第1周期で姿勢を検出する態様に比較して、姿勢の検出に係る消費電力を低減することができる。また、例えば、図14を参照して説明したように、自機の姿勢が第1範囲G1にあると判断する無線通信センサ9がエラーによって多い(例えば2以上)、又は少ない(例えば1未満)状況を解消できる。
また、本実施形態では、例えば、コントローラ31は、姿勢を検出するセンサ27(27A又は27B)又は自機の他のセンサ27(27C)が検出したデータが所定の終了条件を満たすと(ステップST55の肯定判定)、無線通信モジュール29に無線通信の状態を第2状態(ON)から第1状態(OFF)へ変更させる。無線通信機器5が判定する上述の第2条件(ステップST61)は、無線通信の状態が第2状態である無線通信センサ9の無線通信の状態が第1状態に変更されることを含む。無線通信機器5は、無線通信の状態が第1状態に変更される無線通信センサ9以外の他の無線通信センサ9に自機の姿勢の検出を指示する指示データを送信する(ステップST63)。
この場合、例えば、通信状態がOFFになる無線通信センサ9によって、他の無線通信センサ9において姿勢の検出の必要性が生じたことが無線通信機器5へ確実に通知される。これにより、複数の無線通信センサ9へ姿勢を検出させるべき状況であるのに無線通信機器5から姿勢の検出の指示がなされないという状態が生じる蓋然性が低減される。また、無線通信機器5は、通信状態がOFFになる無線通信センサ9との通信状態自体を姿勢の検出の必要性の有無の判断材料とすることができる。従って、無線通信センサ9は、姿勢の検出の必要性が生じたことを知らせるデータの送信を通信状態をOFFにするための処理とは別個に行う必要が無い。
また、本実施形態では、上記の第2条件は、例えば、無線通信の状態が第2状態(ON)である無線通信センサからの、基体7の状態の検出結果を示すデータが第3条件を満たすことを含む。
この場合、例えば、第1範囲G1から第2範囲G2へ遷移する無線通信センサ9は、姿勢の検出の必要性が生じたことを知らせるデータを無線通信機器5へ送信しなくてもよい。従って、無線通信センサ9の処理を簡素化できる。
なお、以上の実施形態において、兼用センサ27A及び姿勢センサ27Bはそれぞれセンサの一例である。状態センサ27Cは第2のセンサの一例である。通信状態のOFF及びONは第1状態及び第2状態の一例である。工作機械3は無線端末の一例である。
本開示に係る技術は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
無線端末としての工作機械は、ターニングセンタ(旋盤)に限定されない。例えば、工作機械は、転削工具を保持する主軸と、主軸に保持される転削工具を交換する自動工具交換装置(ATC:Auto Tool Changer)とを有するものであってもよい。この場合、無線通信センサ9は、例えば、転削工具の非回転部分に設けられる。そして、無線通信センサ9は、主軸に保持されているときの姿勢と、ATCに保持されているときの姿勢との相違に基づいて、通信状態を切り換えてよい。また、通信端末は、工作機械に限定されない。例えば、回転する基体を有している遊具又は玩具であってもよい。
実施形態では、姿勢は、鉛直な平面内での向きとされたが、例えば、水平な平面内での向きであってもよいし、3次元空間での向きであってもよいし、地球以外の物(部材)に対する向きであってもよい。例えば、磁気センサは、水平な平面内での姿勢を検出することができる。また、磁場を形成する所定の部材を基体の近傍に配置すれば、磁気センサは、前記所定の部材に対する姿勢を検出することができる。
実施形態では、無線通信の状態は、基体7の状態の情報を無線通信センサ9から無線通信機器5へ送信することを主たる目的として第2状態へ変更された。ただし、第2状態への変更は、無線通信機器から無線通信センサへの情報の送信を主たる目的としてなされてもよい。例えば、無線通信センサが属する機器を制御するための情報を含む信号が無線通信機器から無線通信センサへ送信されてもよい。