JP7331473B2 - シーラント層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いたシーラントフィルム、積層フィルム及び包装材 - Google Patents
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Description
本実施形態に係る積層フィルムは、基材と、該基材上に設けられたシーラントフィルムと、を備えるものである。図1は、本実施形態に係る積層フィルムの概略図である。本実施形態に係る積層フィルムは、図1に示す積層フィルム1のように、シーラント層11からなるシーラントフィルム10と、基材14とが、接着剤13を介して積層された構造を有するものであってもよい。
シーラント層11は、加熱によりヒートシール性を発現することができる層である。ヒートシール性とは、一例として、100~200℃、0.1~0.3MPa、1~3秒間の条件にてヒートシールが可能である性質をいう。ヒートシールの条件は、積層フィルムのヒートシールに要する条件に応じて容易に変更することが可能である。
本発明の一実施形態に係るシーラント層形成用樹脂組成物は、(A)ポリプロピレン系樹脂(以下、「(A)成分」ともいう)と、(A)成分に対して非相溶である(B)エチレン系エラストマー(以下、「(B)成分」ともいう)と、(A)成分に対して相溶する部位及び(B)成分に対して相溶する部位を有する(C)相溶化剤(以下、「(C)成分」ともいう)と、を含み、(A)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比((B)成分の質量/(A)成分の質量)が0.10以上0.85以下である。
(A)成分は、プロピレンを主成分として含む重合単量体から得られた樹脂である。
(B)成分は、エチレンを主成分として含む重合単量体から得られ、(A)成分に対して非相溶であるエラストマーである。
(C)成分は、(A)成分に対して相溶する部位及び(B)成分に対して相溶する部位を有する。そのため、(C)成分は、ポリプロピレンの性質とポリエチレンの性質とを併せ持つ。(C)成分は、樹脂の性質及びエラストマーの性質を有しない低分子量の化合物である。
上述したシーラント層11により、シーラントフィルム10が形成される。シーラントフィルム10は、加熱によりヒートシール性を発現することができる。シーラントフィルム10は、基材14の表面の一部又は全部を覆うように形成されている。なお、シーラントフィルム10は、用途に応じて基材14と積層せずにシーラントフィルム10を単独で使用してもよい。
基材14は、支持体となる物であれば特に制限はなく、例えば紙、樹脂フィルム、金属箔等が挙げられる。紙としては、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙、クラフト紙等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、ポリオレフィン(例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、酸変性ポリオレフィン、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、セルロースアセテート、セロファン樹脂、ナイロンの少なくとも一種を含むフィルムが挙げられる。このフィルムは延伸フィルムでもよいし、非延伸フィルムでもよい。金属箔としては、例えばアルミ箔、ニッケル箔等が挙げられる。基材14は、材質の異なる複数の基材を積層したものであってもよい。
接着剤によるラミネート方法としては、ドライラミネート、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート等の各種公知のラミネート方法を用いることができる。これらのラミネート方法に用いられる接着剤13としては以下のものが挙げられる。
接着剤13は、シーラントフィルム10と基材14とを接着するものである。接着剤13としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カーボネートポリオール等の主剤に対し、2官能以上のイソシアネート化合物を作用させたポリウレタン樹脂等が挙げられる。上述した各種ポリオールは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
熱処理によるラミネート方法としては、大きく以下の方法が挙げられる。
(1)あらかじめ製膜したシーラントフィルム10を接着性樹脂と共に基材14上に押出ラミネートする方法。
(2)シーラントフィルム10を構成する樹脂層と接着性樹脂とを基材14上に押出ラミネートする方法。
(3)上記(1)もしくは(2)の方法で得られたラミネート基材を、更に熱ロールで加熱・加圧することにより接着させる方法。
(4)上記(1)もしくは(2)の方法で得られたラミネート基材を、更に高温雰囲気下で保管する、あるいは高温雰囲気下の乾燥・焼付け炉を通過させる方法。
本実施形態に係る包装材は、上述した積層フィルムを用いて形成されたものである。包装材として具体的には、ヨーグルト、ゼリー、シロップ等の容器の蓋材、お粥、スープ、カレー、パスタソース等のレトルト食品包装材(レトルトパウチ)等が挙げられる。
本実施形態に係る容器は、上述したシーラント層形成用樹脂組成物を用いて形成されたシーラント層を有する容器である。容器として具体的には、食品、化学品及び医薬品等の固体、半固体、ゲル状物質及び液体等の保存容器等が挙げられる。本実施形態に係る容器は、上述した積層フィルムを用いることで、冷蔵又は冷蔵条件等の低温領域で用いられたとしても、耐衝撃性に優れる。
<シーラントフィルム形成用樹脂組成物の調整>
シーラントフィルム形成用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)を調整するために、下記に示す材料を準備した。
h-PP1:ホモポリプロピレン(商品名「E111G」、密度0.91g/cm3、MFR0.5/10分、株式会社プライムポリマー社製)
r-PP:ランダムポリプロピレン(プロピレン-エチレンランダム共重合体、商品名「ノバテックFX4E」、密度0.90g/cm3、MFR5.3/10分、日本ポリプロ株式会社製)
b-PP:ブロックポリプロピレン(ホモポリプロレン、エチレン-プロピレン共重合体(エチレンプロピレンゴム)及びポリエチレン、商品名「ノバテックBC5FA」、密度0.90g/cm3、MFR3.5/10分、日本ポリプロ株式会社製)
EPR1:エチレン-プロピレン共重合体(エチレン-プロピレンゴム)
EBR:エチレン-1-ブテン共重合体(エチレンブテンゴム)
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(商品名「特殊エチレン系エラストマー エクセレンFX」、住友化学株式会社製)
PP-PE ブロック共重合体:プロピレンとエチレンとのブロック共重合体
PE-Et/Bu ブロック共重合体:エチレンとエチレン/ブチレン共重合体とのブロック共重合体
3層共押出し機を用いて、樹脂組成物を押出し製膜し、厚さ60μmのシーラントフィルムを得た。次いで、基材として、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「エステルフィルム E5102」、東洋紡株式会社製)、及び厚さ15μmの二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム(商品名「ボニールQC」、興人フィルム&ケミカルズ株式会社製)を準備した。二軸延伸ナイロンフィルムは、一方の主面が易接着コート面であり、もう一方の主面がコロナ処理されてなる面である。二軸延伸ナイロンフィルムにおけるコロナ処理されてなる面と、ポリエチレンテレフタレートフィルムとを、ポリウレタン系接着剤(三井化学株式会社製)を用いてドライラミネートした。次いで、二軸延伸ナイロンフィルムにおける易接着コート面と、得られたシーラントフィルムとを、ポリウレタン系接着剤(三井化学株式会社製)を用いてドライラミネートし、50℃で4日間エージングして、積層フィルムを得た。
ロータリーミクロトーム(商品名「RM2045」、Leica社製)を用いて得られたシーラントフィルムを切断し、断面を露出させた。露出させた断面について走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名「JSM-7001F」、日本電子社製)を用いて観察した。観察範囲において、(B)成分からなる粒子を無作為に10個選び、それぞれの粒子の粒径を測定した。粒径として、それぞれの粒子の長軸を測定した。測定した10個の粒子の粒径の値の平均を(B)成分の平均分散粒径とした。結果を表1~表4に示した。
(衝撃吸収エネルギー)
得られたシーラントフィルムを切断し、100mm×100mmサイズの試験片を得た。得られた試験片について、落錘衝撃試験装置(商品名「CEAST9350」、CEAST社製)を用いて衝撃吸収エネルギーを測定した。シーラントフィルムにおける基材が設けられた面が錘と対向するように落錘衝撃試験装置に試験片を設置した。錘を落下させる高さは、試験片の主面から垂直方向に130cmとした。落下させる錘の質量は、6.5kgとした。評価温度は、-10℃又は23℃とした。測定した衝撃吸収エネルギーを下記の評価基準に従い評価した。評価結果を表1~表4に示した。
◎:衝撃吸収エネルギーが0.35J以上
○:衝撃吸収エネルギーが0.25J以上0.35J未満
△:衝撃吸収エネルギーが0.15J以上0.25J未満
×:衝撃吸収エネルギーが0.15J未満
{評価温度が23℃の場合}
◎:衝撃吸収エネルギーが0.50J以上
○:衝撃吸収エネルギーが0.35J以上0.50J未満
△:衝撃吸収エネルギーが0.20J以上0.35J未満
×:衝撃吸収エネルギーが0.20J未満
積層フィルムを縦150mm×横138mmにカットしたサンプル200を2枚用意した。2枚のサンプル200を、それぞれのシーラント層が内側となるように重ね、縦方向端部の1辺と横方向両端部の2辺とを、ヒートシーラーで190℃、0.03MPa、2秒の条件で10mm幅にわたって熱封緘してシール部151を形成し、縦方向端部の一辺が開口しているパウチを作製した(図2の(a)参照)。次に、パウチの開口部から内容物154として180gの水を充填した(図2の(b)参照)。その後、開口部をヒートシーラーで190℃、0.03MPa、2secの条件で10mm幅にわたって熱封緘してシール部151を形成し、パウチを密閉した(図2の(c)参照)。
△:10回の水平落下後には、5つのパウチ全てに破袋が確認されないが、合計20回の水平落下後には、1つ以上のパウチに破袋が確認される
×:10回の水平落下後に、1つ以上のパウチに破袋が確認される
Claims (6)
- (A)ポリプロピレン系樹脂と、前記(A)ポリプロピレン系樹脂に対して非相溶である(B)エチレン系エラストマーと、前記(A)ポリプロピレン系樹脂に対して相溶する部位及び前記(B)エチレン系エラストマーに対して相溶する部位を有する(C)相溶化剤と、を含み、
前記(A)ポリプロピレン系樹脂の含有量に対する前記(B)エチレン系エラストマーの含有量の質量比((B)エチレン系エラストマーの質量/(A)ポリプロピレン系樹脂の質量)が0.10以上0.85以下であり、
前記(B)エチレン系エラストマーの平均分散粒径が1.00μm以上2.00μm以下である、シーラント層形成用樹脂組成物。 - 前記(C)相溶化剤が、プロピレンとエチレンとのブロック共重合体、及び、エチレンとエチレン/ブチレン共重合体とのブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも一種を含み、
前記(B)エチレン系エラストマーの含有量に対する前記(C)相溶化剤の含有量の質量比((C)相溶化剤の質量/(B)エチレン系エラストマーの質量)が0.05以上2.00以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。 - 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を用いて形成されたシーラント層を備えるシーラントフィルム。
- 基材と、前記基材上に設けられた請求項3に記載のシーラントフィルムと、を備える、積層フィルム。
- 請求項4に記載の積層フィルムを用いて形成された包装材。
- 80℃以上の加熱処理を施す用途に用いられる、請求項5に記載の包装材。
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