JP7342121B2 - 被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する方法 - Google Patents

被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する方法に関する。
出生時の体重が2500g未満の児(低出生体重児)は、糖尿病、高血圧、冠動脈疾患、ストレス応答経路の亢進、精神神経発達の障害等のリスクが高いことが知られている。日本において、出生体重は男女ともに1970年代をピークに減少を続けている。日本において、低出生体重児の割合は1970年代から男女ともに増加し、2010年代に入って出生数の10%程度で高止まりしており、OECD加盟国の中でも非常に高い。その背景には若年女性のやせや低栄養があることが指摘されており、社会的な課題となっている。
出生体重低下のリスクを反映するマーカーとしては、ガレクチン-3が知られている(特許文献1)。
血清アルブミン値または血漿アルブミン値は、栄養マーカーとして広く用いられている(非特許文献1)。
アルブミンは、還元型と酸化型の2つの形態を取る。健常なヒトにおいては、血清中の総アルブミン量(還元型アルブミンと酸化型アルブミンの総量)に対する還元型アルブミン量の比率は70%以上である(非特許文献2)。加齢、疾病、激しい運動等により、還元型アルブミン比率が減少し、酸化型アルブミン比率が増加することが知られている(非特許文献2)。このアルブミンの酸化還元バランスのシフトには、酸化ストレスが関与すると考えられている(非特許文献2)。
健康な成長期のラットを低たんぱく質飼料で維持すると、アルブミン酸化還元バランスが酸化型優位にシフトすることが知られている(非特許文献3)。このアルブミンの酸化還元バランスのシフトは、肝臓におけるアルブミンの合成速度の減少と相関する(非特許文献3)。
国際公開2016/024627
Quinlan (2005) HEPATOLOGY, 41, 1211-1219 Karl Oettl (2010) Methods in Enzymology, 474, 181-195 Wada(2017) Nutr Res, 37, 46-57
本発明は、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意研究を進めた結果、妊婦の血液中のアルブミンの酸化還元状態が同妊婦の栄養状態および/または同妊婦の子の出生体重と相関することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の通り例示できる。
[1]
女性被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する方法であって、
前記被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを指標として該被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する工程
を含む、方法。
[2]
さらに、前記工程の前に、前記データを測定する工程を含む、前記方法。
[3]
前記被検者が、妊婦である、前記方法。
[4]
前記血液試料が、全血、血漿、または血清である、前記方法。
[5]
前記血液試料が、在胎24週~30週の期間に前記被検者から分離されたものである、前記方法。
[6]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が低い場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、前記方法。
[7]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が85%以下である場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、前記方法。
[8]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が82%以下である場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、前記方法。
[9]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が78%以下である場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、前記方法。
[10]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が75%以下である場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、前記方法。
[11]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が低下している場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、前記方法。
[12]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が過去の値と比較して低い場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定され、
前記過去の値が、総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した、妊娠前~在胎16週の期間に前記被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値である、前記方法。
[13]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が前記過去の値と比較して3パーセンテージポイント以上低い場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、前記方法。
[14]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が前記過去の値と比較して7パーセンテージポイント以上低い場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、前記方法。
[15]
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が前記過去の値と比較して10パーセンテージポイント以上低い場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、前記方法。
[16]
前記データの値が、前記血液試料の保存期間の長さおよび保存温度に応じて補正された値である、前記方法。
[17]
前記被検者が、低栄養および/または低体重児出生のリスク因子を有する、前記方法。
[18]
前記リスク因子が、多胎妊娠、早産の経験、流産の経験、出生前管理の欠如、低栄養、やせ、肥満、体重増加不良、体重増加過多、ストレス、低年齢妊娠、高年齢妊娠、貧血、喫煙、飲酒、糖尿病、高血圧、感染症、炎症、胎盤機能不全、胎盤形成不全、子宮の障害、および子宮頚の障害から選択される1種またはそれ以上の因子である、前記方法。
[19]
女性被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを測定するための試薬を含む、女性被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクの判定用キット。
[20]
女性被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクのマーカーとしての、前記被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの使用。
[21]
女性の血液における総アルブミン量に対する還元型アルブミンの比率を増加させる機能を有する、女性における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減するための栄養組成物。
[22]
前記栄養組成物を女性に投与することを含む、女性における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減する方法。
還元型アルブミンおよび酸化型アルブミンをHPLC分析した際のクロマトグラムを示す図である。 ラットにおけるカロリー制限が血清アルブミン濃度に与える影響を示す図である。 ラットにおけるカロリー制限が血清の還元型アルブミン比率に与える影響を示す図である。 ラットにおける母獣の血清の還元型アルブミン比率と仔の出生体重との相関を示す図である。 ラットにおける母獣の血清の還元型アルブミン比率の減少量と仔の出生体重との相関を示す図である。 ヒト血漿を4℃で保存した場合の還元型アルブミン比率の変動を示す図である。 ヒト血漿を4℃で保存した場合の還元型アルブミン比率の減少率を示す図である。 ヒト血漿を-25℃で保存した場合の還元型アルブミン比率の変動を示す図である。 ヒト血漿を-25℃で保存した場合の還元型アルブミン比率の減少率を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>本発明の方法
本発明においては、血液中のアルブミンの酸化還元状態を、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定するために利用することができる。本発明においては、血液中のアルブミンの酸化還元状態を、特に、低体重出生リスクを判定するために利用することができる。すなわち、血液中のアルブミンの酸化還元状態を指標として、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定することができる。具体的には、被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを指標として、該被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定することができる。言い換えると、血液中のアルブミンの酸化還元状態(具体的には、被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータ)は、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定するためのマーカーとして使用することができる。
すなわち、本発明は、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する方法であって、被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを指標として該被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する工程を含む方法を提供する。同工程を「判定工程」ともいう。同方法は、判定工程の前に、さらに、前記データを測定する工程を含んでいてもよい。同工程を「測定工程」ともいう。すなわち、同方法は、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する方法であって、被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを測定する工程、および前記データを指標として前記被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する工程を含む方法であってもよい。
また、本発明は、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定するための指標として用いられるデータを取得する方法であって、被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを測定する工程を含む方法を提供する。同工程については、測定工程についての記載を準用できる。同方法においては、測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定するための指標として用いられるデータとみなしてよい。言い換えると、測定工程を実施することにより、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定するための指標として用いられるデータを取得することができる。「データの測定」または「データの取得」は、「データの製造」と読み替えてもよい。
これらの方法を総称して、「本発明の方法」ともいう。
「被検者」とは、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクの判定の対象とするヒト個体を意味する。ここでいう被検者を、後述する対照被検者と区別して、「標的被検者」ともいう。被検者は、女性被検者である。被検者は、妊婦であってもよく、そうでなくてもよい。被検者は、妊娠前の個体であってもよい。「妊娠前の個体」とは、妊娠していない個体であって、将来的に妊娠の可能性がある個体を意味してよい。被検者は、特に、妊婦であってよい。被検者は、健常者であってもよく、そうでなくてもよい。被検者は、例えば、IUGR(子宮内胎児発育遅延)を現在発症していない、および/または将来的に発症しない個体であってよい。被検者は、低栄養および/または低体重児出生のリスク因子を有していてもよく、いなくてもよい。被検者は、特に、低栄養および/または低体重児出生のリスク因子を有していてよい。そのようなリスク因子としては、例えば、多胎妊娠、早産の経験、流産の経験、出生前管理の欠如、低栄養、やせ、肥満、体重増加不良、体重増加過多、ストレス、低年齢妊娠、高年齢妊娠、貧血、喫煙、飲酒、糖尿病、高血圧、感染症、炎症、胎盤機能不全、胎盤形成不全、子宮の障害、および子宮頚の障害が挙げられる。被検者は、1種または2種以上のリスク因子を有していてもよい。
「血液試料」とは、血中アルブミンを含有する試料を意味する。血液試料としては、例えば、血清および血漿等の全血の処理物ならびに全血が挙げられる。血液試料としては、特に、血清および血漿が挙げられる。血清または血漿は、例えば、全血を静置または遠心分離することにより得られる。血液試料は、そのまま測定工程に用いてもよく、適宜前処理に供してから測定工程に用いてもよい。血液試料は、例えば、適宜、希釈または濃縮してから測定工程に用いてもよい。血液試料は、被検者から分離された後、直ちに測定工程に用いてもよく、そうでなくてもよい。血液試料は、例えば、被検者から分離された後、所定の期間が経過してから測定工程に用いてもよい。所定の期間の経過を、「血液試料の保存」ともいう。また、所定の期間を、「保存期間」ともいう。
血液試料が被検者より分離される時期は、特に制限されない。血液試料が被検者より分離される時期は、被検者の低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する目的等の諸条件に応じて、適宜設定できる。血液試料が被検者より分離される時期としては、妊娠前の期間や妊娠中の期間が挙げられる。妊娠中の期間は、例えば、妊娠開始以降、在胎4週以降、在胎8週以降、在胎12週以降、在胎16週以降、在胎20週以降、在胎24週以降、在胎28週以降、または在胎32週以降の期間であってもよく、出産時まで、在胎40週まで、在胎34週まで、在胎30週まで、在胎26週まで、在胎22週まで、または在胎18週までの期間であってもよく、それらの組み合わせの期間であってもよい。妊娠中の期間としては、特に、在胎24週~30週の期間が挙げられる。なお、「血液試料が或る期間に被検者より分離される」とは、血液試料が当該或る期間中のいずれかの時点で被検者より分離されることを意味してよい。「妊娠前の期間」とは、妊娠していない期間であって、将来的に妊娠の可能性がある期間を意味してよい。「妊娠前の期間」は、例えば、妊娠開始の5年前、4年前、2年前、1年前、9月前、6月前、4月前、3月前、2月前、または1月前から妊娠開始までの期間であってもよい。
<測定工程>
測定工程は、被検者から分離した血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを測定する工程である。なお、ここで測定されるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値を、後述する過去の値と区別して、「現在の値」ともいう。
アルブミンの酸化還元状態を反映するデータは、酸化型アルブミン量と還元型アルブミン量との比率を反映するものであれば、特に制限されない。アルブミンの酸化還元状態を反映するデータとしては、下記(A)および(B)に記載の比率が挙げられる:
(A)酸化型アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率、総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率、酸化型アルブミン量に対する総アルブミン量の比率;
(B)還元型アルブミン量に対する酸化型アルブミン量の比率、総アルブミン量に対する酸化型アルブミン量の比率、還元型アルブミン量に対する総アルブミン量の比率。
総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率を、「還元型アルブミン比率」ともいう。
アルブミンの酸化還元状態を反映するデータを測定する手段は、特に制限されない。アルブミンの酸化還元状態を反映するデータは、データの種類に応じた適切な手法により測定することができる。
例えば、上記例示したような成分量の比率は、いずれも、酸化型アルブミン量、還元型アルブミン量、および総アルブミン量から選択される少なくとも2つの成分量を測定し、算出することができる。なお、総アルブミン量は、還元型アルブミン量と酸化型アルブミン量の総量として算出できる。各成分量を測定する手段は、特に制限されない。各成分量は、成分の種類に応じた適切な手法により測定することができる。各成分量は、例えば、化合物を定量する公知の手法により測定することができる。そのような手法としては、HPLC、UPLC、LC/MS、GC/MS、MALDI-TOF/MS、CE/MS、NMR等が挙げられる。これらの手法は、単独で、あるいは、適宜組み合わせて用いることができる。複数の成分量を測定する場合、それら成分量は、それぞれ別個に測定してもよく、まとめて測定してもよい。なお、「或る成分量を測定する」とは、当該或る成分量を反映するデータを、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータを算出するために利用できる任意の形態で取得することを意味してよい。或る成分量を反映するデータとしては、上記例示したような各成分量を測定する手法により得られる生データやそれを加工したデータが挙げられる。
血液試料が被検者から分離された後、所定の期間が経過してから測定工程に用いられる場合、例えば、所定の期間の長さ(保存期間の長さ)や保存温度等の諸条件に応じて、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値を適宜補正して予測工程に用いてよい。
例えば、還元型アルブミン比率は、血液試料の保存中に減少し得る。すなわち、還元型アルブミン比率は、例えば、保存温度が0~10℃(例えば、4℃)等の冷蔵温度である場合、血液試料が被検者から分離された後の保存日数(X1)に応じて下記式(I)で算出される還元型アルブミン比率の減少率(Y1)を示してよい。また、例えば、保存温度が-35℃~-15℃(例えば、-25℃)等の冷凍温度である場合、血液試料が被検者から分離された後の保存日数(X2)に応じて下記式(II)で算出される還元型アルブミン比率の減少率(Y2)を示してよい。また、血液試料の保存中に保存温度が変動する場合、還元型アルブミン比率は、各温度での保存日数に基づき適宜算出できる。例えば、0~10℃(例えば、4℃)等の冷蔵温度でX1の日数保存しY1の還元型アルブミン比率の減少率を得た血液試料は、-35℃~-15℃(例えば、-25℃)等の冷凍温度でY1の還元型アルブミン比率の減少率を得るまでの日数(X2’とする)保存した血液試料と等しい。従って、例えば、血液試料を0~10℃(例えば、4℃)等の冷蔵温度でX1の日数保存した後に、-35℃~-15℃(例えば、-25℃)等の冷凍温度でX2の日数保存した血液試料は、-35℃~-15℃(例えば、-25℃)等の冷凍温度でX2’+X2の日数保存した血液試料と等しい。従って、この場合の血液試料の還元型アルブミン比率の減少率Yは、式(II)のX2に保存日数(X2’+X2)を代入して算出できる。「還元型アルブミン比率の減少率」とは、血液試料が被検者から分離された時点での還元型アルブミン比率の値に対する保存による還元型アルブミン比率の減少値の比率を意味する。その他の保存温度の場合についても、保存日数(X)と減少率(Y)の関係式を作成し、還元型アルブミン比率の減少率(Y)を算出することができる。また、還元型アルブミン比率は、例えば、保存温度が-70℃超(例えば、0~10℃)で保存日数が19日以上の場合、28%の減少率を示してよい。また、還元型アルブミン比率は、例えば、保存温度が-70℃超(例えば、-35℃~-15℃)で保存日数が56日以上の場合、28%の減少率を示してよい。また、還元型アルブミン比率は、例えば、保存温度が-70℃以下である場合には、保存日数によらず、0%の減少率を示してよい(すなわち、補正は不要であってよい)。よって、還元型アルブミン比率の実測値を減少率で補正することで、予測工程に用いることができる還元型アルブミン比率の補正値(すなわち、血液試料が被検者から分離された時点での還元型アルブミン比率)を算出することができる。すなわち、予測工程に用いることができる還元型アルブミン比率の補正値(すなわち、血液試料が被検者から分離された時点での還元型アルブミン比率)は、還元型アルブミン比率の実測値と還元型アルブミン比率の減少率(Y)に基づき、下記式(III)で算出することができる。血液試料の保存中に保存温度が変化する場合は、各保存温度における減少率を算出し、その合計値を減少率として補正に用いることができる。なお、保存履歴(例えば、保存日数や保存温度)が不明な血液試料については、例えば、-70℃超の保存温度(例えば、0~10℃)で還元型アルブミン比率の減少が停止するまで血液試料をさらに保存し、還元型アルブミン比率の減少が停止した時点での減少率を28%として補正を実施することができる。また、保存履歴(例えば、保存日数や保存温度)が不明な血液試料については、例えば、-70℃超の保存温度(例えば、0~10℃)で血液試料をさらに保存しても還元型アルブミン比率の減少が認められない場合に、還元型アルブミン比率の減少は完了しているものと判断し、減少率を28%として補正を実施することができる。具体的には、例えば、-70℃超の保存温度(例えば、0~10℃)で1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、6日以上、または7日以上血液試料を保存しても還元型アルブミン比率の減少が認められない場合に、還元型アルブミン比率の減少は完了していると判断してよい。
Y1 (%) = 4.9694ln(X1) + 13.918 (R2 = 0.9556)・・・(I)
Y2 (%) = 6.1728ln(X2) + 2.1133 (R2 = 0.962)・・・(II)
補正値 = 実測値 * 100/(100-Y)・・・(III)
<判定工程>
判定工程は、被検者から分離した血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値を指標として該被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する工程である。
「被検者における低栄養リスク」としては、被検者における、低栄養をきたす可能性の有無および程度や、低栄養の程度が挙げられる。
「被検者において低栄養リスクがある」とは、例えば、被検者が現在低栄養をきたしている可能性があること、および/または被検者が将来低栄養をきたす可能性があることを意味してよい。「被検者において低栄養リスクがない」とは、例えば、被検者が現在低栄養をきたしている可能性がないこと、および/または被検者が将来低栄養をきたす可能性がないことを意味してよい。「被検者において低栄養リスクが高い」とは、例えば、被検者が現在低栄養をきたしている可能性が高いこと、被検者が将来低栄養をきたす可能性が高いこと、および/または被検者が低栄養をきたした際の低栄養の重症度が大きいことを意味してよい。「被検者において低栄養リスクが低い」とは、例えば、被検者が現在低栄養をきたしている可能性が低いこと、被検者が将来低栄養をきたす可能性が低いこと、および/または被検者が低栄養をきたした際の低栄養の重症度が小さいことを意味してよい。「被検者が将来低栄養をきたす」こととしては、現在妊娠していない被検者が将来妊娠した場合に低栄養をきたすことや、現在妊娠している被検者が妊娠を継続した場合に低栄養をきたすことが挙げられる。
「被検者における低体重児出生リスク」としては、被検者の子における、低体重で生まれる可能性の有無および程度や、低体重の程度が挙げられる。
「被検者において低体重児出生リスクがある」とは、例えば、被検者の子が低体重で生まれる可能性があることを意味してよい。「被検者において低体重児出生リスクがない」とは、例えば、被検者の子が低体重で生まれる可能性がないことを意味してよい。「被検者において低体重児出生リスクが高い」とは、例えば、被検者の子が低体重で生まれる可能性が高いこと、および/または被検者の子が低体重で生まれた際の低体重の重症度が大きいことを意味してよい。「被検者において低体重児出生リスクが低い」とは、例えば、被検者の子が低体重で生まれる可能性が低いこと、および/または被検者の子が低体重で生まれた際の低体重の重症度が小さいことを意味してよい。被検者の子としては、被検者が現在妊娠している子や被検者が将来妊娠する子が挙げられる。
「現在」とは、血液試料が被検者より分離された時点を意味してよい。
「将来」とは、現在より後の期間を意味してよい。「将来」としては、現在より後であって、出産までの期間が挙げられる。
本発明の方法においては、例えば、IUGRには該当しない程度の低体重児出生のリスクが判定されてもよい。
判定工程は、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値の高低(すなわち、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が高いか低いか)を指標として実施できる。アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値の高低は、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値を所定の閾値と比較することにより決定できる。言い換えると、判定工程は、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値を閾値と比較することにより実施できる。すなわち、「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が高い」とは、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して高いことを意味してよい。「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して高い」とは、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値以上であること、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値超であること、またはアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値よりも統計学的に有意に高いことを意味してよい。「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して高い」とは、具体的には、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値の1.01倍以上、1.02倍以上、1.03倍以上、1.05倍以上、1.07倍以上、1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、または1.5倍以上であることを意味してもよい。また、「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が低い」とは、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して低いことを意味してよい。「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して低い」とは、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値以下であること、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値未満であること、またはアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値よりも統計学的に有意に低いことを意味してよい。「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して低い」とは、具体的には、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値の0.99倍以下、0.98倍以下、0.97倍以下、0.95倍以下、0.93倍以下、0.9倍以下、0.85倍以下、0.8倍以下、または0.7倍以下であることを意味してもよい。
アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値は、例えば、閾値を基準に、危険範囲に区分されてよい。アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値は、例えば、閾値を基準に、非危険範囲に区分されてよい。アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値は、具体的には、例えば、閾値を基準に、危険範囲と非危険範囲とに区分されてもよい。「危険範囲」とは、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値について、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある可能性が高い範囲をいう。「非危険範囲」とは、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値について、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない可能性が高い範囲をいう。すなわち、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が危険範囲にあれば、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある可能性が高いと判定してよい。一方、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が非危険範囲にあれば、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない可能性が高いと判定してよい。
例えば、上記比率(A)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が低い場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。例えば、上記比率(A)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して低い場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。この場合、閾値と比較して低いとみなされる範囲が危険範囲であってよい。具体的には、例えば、還元型アルブミン比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が、85%以下、84%以下、83%以下、82%以下、81%以下、80%以下、79%以下、78%以下、77%以下、76%以下、75%以下、74%以下、73%以下、72%以下、71%以下、または70%以下である場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。特に、還元型アルブミン比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が、85%以下、82%以下、78%以下、または75%以下である場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。また、上記比率(A)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が低いほど、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定してもよい。
例えば、上記比率(A)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が高い場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない、または低いと判定してよい。例えば、上記比率(A)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して高い場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない、または低いと判定してよい。この場合、閾値と比較して高いとみなされる範囲が非危険範囲であってよい。また、上記比率(A)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が高いほど、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが低いと判定してもよい。
例えば、上記比率(B)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が高い場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。例えば、上記比率(B)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して高い場合に被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。この場合、閾値と比較して高いとみなされる範囲が危険範囲であってよい。また、上記比率(B)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が高いほど、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定してもよい。
例えば、上記比率(B)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が低い場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない、または低いと判定してよい。例えば、上記比率(B)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が閾値と比較して低い場合に被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない、または低いと判定してよい。この場合、閾値と比較して低いとみなされる範囲が非危険範囲であってよい。また、上記比率(B)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が低いほど、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが低いと判定してもよい。
なお、「或る成分量の比率が或る基準を満たす(例えば、低いまたは高い、閾値と比較して低いまたは高い、或る範囲にある)」または「或る成分量の比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が或る基準を満たす(例えば、低いまたは高い、閾値と比較して低いまたは高い、或る範囲にある)」とは、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が、当該或る成分量の比率が当該或る基準を満たす(例えば、低いまたは高い、閾値と比較して低いまたは高い、或る範囲にある)とみなされる範囲にあることを意味し、実際に当該或る成分量の比率が判定に用いられたことを要求しない。
すなわち、例えば、「還元型アルブミン比率が或る基準を満たす(例えば、低いまたは高い、閾値と比較して低いまたは高い、或る範囲にある)」または「還元型アルブミン比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が或る基準を満たす(例えば、低いまたは高い、閾値と比較して低いまたは高い、或る範囲にある)」とは、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が、還元型アルブミン比率が当該或る基準を満たす(例えば、低いまたは高い、閾値と比較して低いまたは高い、或る範囲にある)とみなされる範囲にあることを意味し、実際に還元型アルブミン比率が判定に用いられたことを要求しない。
なお、「或る指標(例えば、或る成分量の比率、或る成分量の比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値、またはアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値)が或る基準を満たす(例えば、低いまたは高い、閾値と比較して低いまたは高い、或る範囲にある)場合に被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、ない、高い、または低いと判定する」とは、少なくとも当該基準を満たす範囲において被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、ない、高い、または低いと判定されることを意味し、当該基準を満たさない範囲において被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが判定されることを要求しない。しかし、一態様においては、「或る指標(例えば、或る成分量の比率、或る成分量の比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値、またはアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値)が或る基準を満たす(例えば、低いまたは高い、閾値と比較して低いまたは高い、或る範囲にある)場合に被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、ない、高い、または低いと判定する」場合、当該基準を満たさない範囲において、それぞれ、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない、ある、低い、または高いと判定してもよい。
閾値は、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの種類や所望の判定精度等の諸条件に応じて、当業者が適宜設定することができる。閾値を決定する手段は、特に制限されない。閾値は、例えば、集団を2群に区分するためのデータ解析に利用される公知の手法に従って決定することができる。
閾値は、例えば、対照被検者について測定された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値に基づいて決定することができる。対照被検者について測定された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを、「対照データ」ともいう。対照データは、閾値の決定に用いられることにより、判定工程に用いられてよい。対照データは、具体的には、閾値の決定に用いられることにより、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータとの比較に用いられてよい。言い換えると、判定工程は、例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータを対照データと比較する工程を含んでいてよい。
対照被検者としては、陽性対照や陰性対照が挙げられる。「陽性対照」とは、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定され得る被検者を意味してよい。「陰性対照」とは、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない、または低いと判定され得る被検者を意味してよい。陽性対照としては、その血液試料が分離される前に低栄養をきたした経験がある個体、その血液試料が分離された時点で低栄養をきたしていた個体、その血液試料が分離された後に低栄養をきたした個体、その血液試料が分離される前に低体重児を出産した経験がある個体、その血液試料が分離された後に低体重児を出産した個体、それらの組み合わせの性質を有する個体が挙げられる。陰性対照としては、その血液試料が分離される前に低栄養をきたした経験がない個体、その血液試料が分離された時点で低栄養をきたしていなかった個体、その血液試料が分離された後に低栄養きたさなかった個体、その血液試料が分離される前に低体重児を出産した経験がない個体、その血液試料が分離された後に低体重児を出産しなかった個体、それらの組み合わせの性質を有する個体が挙げられる。閾値は、陽性対照について測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値のみに基づいて決定してもよく、陰性対照について測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値のみに基づいて決定してもよく、陽性対照と陰性対照の両方について測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値に基づいて決定してもよい。閾値は、通常、陽性対照と陰性対照の両方について測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値に基づいて決定してよい。陽性対照と陰性対照の人数は、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクの判定が所望の精度で可能となる閾値が得られる限り、特に制限されない。陽性対照と陰性対照の人数は、それぞれ、1人であってもよく、2人またはそれ以上であってもよい。陽性対照と陰性対照の人数は、それぞれ、通常、複数名であってよい。陽性対照と陰性対照の人数は、それぞれ、例えば、5人以上、10人以上、20人以上、または50人以上であってもよい。陽性対照と陰性対照の人数は、それぞれ、例えば、10000人以下、1000人以下、または100人以下であってもよい。
陽性対照について測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値のみに基づいて閾値を決定する場合には、例えば、陽性対照の複数個体で測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値の上限から下限までの範囲から選択される値、例えば平均値、を閾値として設定してもよい。また、例えば、陽性対照の複数個体で測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値の分布において、陽性対照の所定の割合が危険範囲に含まれるように閾値を決定してもよい。所定の割合とは、例えば、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上、または100%であってよい。
陰性対照について測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値のみに基づいて閾値を決定する場合には、例えば、陰性対照の複数個体で測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値の上限から下限までの範囲から選択される値、例えば平均値、を閾値として設定してもよい。また、例えば、陰性対照の複数個体で測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値の分布において、陰性対照の所定の割合が非危険範囲に含まれるように閾値を決定してもよい。所定の割合とは、例えば、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上、または100%であってよい。
陽性対照について測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値と陰性対照について測定されたアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値の両方に基づいて閾値を決定する場合には、例えば、陽性対照の所定の割合が危険範囲に含まれ、且つ、陰性対照の所定の割合が非危険範囲に含まれるように閾値を決定してもよい。陽性対照の内の危険範囲に含まれるものの割合、および、陰性対照の内の非危険範囲に含まれるものの割合は、いずれも高い方が好ましい。これらの割合は、それぞれ、例えば、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上、または100%であってよい。これらの割合の両方を高くすることが難しい場合は、例えば、本発明の方法による判定結果の利用目的等の諸条件に応じて、いずれかの割合が優先的に高くなるように閾値を設定してもよい。例えば、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高い被検者にできる限り漏れなくリスク軽減処置を実施することを目的とする場合は、偽陰性率を下げるために、陽性対照の内の危険範囲に含まれるものの割合が優先的に高くなるように閾値を設定してよい。
閾値の決定は、例えば、ソフトウェアを用いて実施してもよい。例えば、統計解析ソフトウェアを用い、陰性対照と陽性対照とを統計学的に最も適切に判別できるような閾値を決定してもよい。そのようなソフトウェアとしては、「R」等の統計解析ソフトウェアが挙げられる。
また、対照被検者としては、標的被検者自体も挙げられる。すなわち、例えば、被検者における血液中のアルブミンの酸化還元状態の変動を指標として、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定してもよい。「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が高い」ことには、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が増大した場合が包含されてよい。「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が増大した」とは、具体的には、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が過去の値と比較して高いことを意味してよい。また、「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が低い」ことには、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が低下した場合が包含されてよい。「アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が低下した」とは、具体的には、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が過去の値と比較して低いことを意味してよい。すなわち、閾値としては、過去の値も挙げられる。
例えば、上記比率(A)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が低下した場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。例えば、上記比率(A)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が過去の値と比較して低い場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。また、上記比率(A)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値の低下の程度が大きいほど、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定してもよい。
例えば、上記比率(B)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が増大した場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。例えば、上記比率(B)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値が過去の値と比較して高い場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。また、上記比率(B)から選択される比率に換算したアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値の増大の程度が大きいほど、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定してもよい。
「過去の値」とは、標的被検者から過去に(すなわち、過去の或る時点に)分離した血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値を意味する。過去の或る時点は、測定工程に用いられる血液試料の分離時期等の諸条件に応じて、適宜設定できる。アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの測定間隔(すなわち、過去の値を測定するための血液試料を分離した時点と現在の値を測定するための血液試料を分離した時点の間隔)は、例えば、1週間以上、2週間以上、4週間以上、8週間以上、12週間以上、16週間以上、20週間以上、24週間以上、28週間以上であってもよく、5年以下、4年以下、2年以下、1年以下、40週間以下、36週間以下、32週間以下、28週間以下、24週間以下、20週間以下、または16週間以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。過去の或る時点としては、妊娠前の期間や妊娠中の期間が挙げられる。過去の或る時点として採用される妊娠中の期間は、例えば、妊娠開始以降、在胎4週以降、在胎8週以降、在胎12週以降、在胎16週以降、在胎20週以降、または在胎24週以降の期間であってもよく、在胎28週まで、在胎24週まで、在胎20週まで、在胎16週まで、在胎12週まで、または在胎8週までの期間であってもよく、それらの組み合わせの期間であってもよい。過去の或る時点として採用される妊娠中の期間としては、特に、妊娠開始から在胎16週までの期間が挙げられる。過去の或る時点としては、特に、妊娠前~在胎16週の期間が挙げられる。具体的には、例えば、妊娠前~在胎16週の期間に被検者から分離した血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値(過去の値)と在胎24週~30週の期間に被検者から分離した血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値(現在の値)とを比較することができる。過去の或る時点における標的被検者は、例えば、陽性対照であってもよく、陰性対照であってもよい。
例えば、還元型アルブミン比率が、過去の値と比較して、3パーセンテージポイント以上、4パーセンテージポイント以上、5パーセンテージポイント以上、6パーセンテージポイント以上、7パーセンテージポイント以上、8パーセンテージポイント以上、9パーセンテージポイント以上、または10パーセンテージポイント以上低い場合に、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定してよい。
被検者における血液中のアルブミンの酸化還元状態の変動を指標とする場合、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクの増減が判定されてもよい。「低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高い」ことには、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが増大した場合が包含されてよい。「低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが増大した」とは、具体的には、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが過去の或る時点と比較して高いことを意味してよい。また、「低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない、または低い」ことには、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが低下した場合が包含されてよい。「低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが低下した」とは、具体的には、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが過去の或る時点と比較して低いことを意味してよい。
いずれの場合にも、判定に用いられる測定値や閾値等の数値は、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの種類に応じて、適宜補正して用いることができる。例えば、還元型アルブミン比率がX%である場合、総アルブミン量に対する酸化型アルブミン量の比率(%)は、100-Xで算出される。
本発明の方法による判定結果は、被検者に対して低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減するための処置(以下、「リスク軽減処置」ともいう)を実施するかを決定するための指標として用いることができる。言い換えると、本発明の方法を実施することにより、被検者に対してリスク軽減処置を実施するかを決定するための指標が得られる。すなわち、例えば、本発明の方法により被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定された場合に、被検者に対してリスク軽減処置を実施すると決定してよい。妊娠前の被検者に対しては、例えば、将来的な妊娠に備えて(すなわち、将来的な妊娠の際の低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減するために)、リスク軽減処置を実施してよい。妊娠中の被検者に対しては、例えば、現在の妊娠における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減するために、リスク軽減処置を実施してよい。また、例えば、本発明の方法により被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない、または低いと判定された場合に、被検者に対してリスク軽減処置を実施しないと決定してよい。リスク軽減処置は、医療行為であってもよく、非医療行為であってもよい。リスク軽減処置としては、栄養介入が挙げられる。栄養介入は、例えば、後述する本発明の組成物を利用して実施することができる。本発明の組成物の利用については、後述する本発明のリスク低減方法についての記載を準用でできる。
本発明の方法は、リスク軽減処置の実施前に実施してもよく、リスク軽減処置の実施中に実施してもよく、リスク軽減処置の実施後に実施してもよい。本発明の方法は、特に、リスク軽減処置の実施前に実施してよい。本発明の方法をリスク軽減処置の実施前に実施することにより、例えば、リスク軽減処置を開始するかを決定するための指標が得られる。また、本発明の方法をリスク軽減処置の実施中に実施することにより、例えば、リスク軽減処置を継続するかを決定するための指標が得られる。また、本発明の方法をリスク軽減処置の実施後に実施することにより、例えば、リスク軽減処置を再度実施するかを決定するための指標が得られる。すなわち、例えば、本発明の方法により被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定された場合に、リスク軽減処置を開始、継続、または再度実施すると決定してよい。また、例えば、本発明の方法により被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがない、または低いと判定された場合に、リスク軽減処置を開始、継続、または再度実施しないと決定してよい。
<2>本発明のキット
本発明は、本発明の方法を実施するために用いることのできるキットを提供する。同キットを、「本発明のキット」ともいう。
本発明のキットとしては、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定するためのキットや、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定するための指標として用いられるデータを取得するためのキットが挙げられる。本発明のキットは、例えば、被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを測定することができるように(例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの算出に用いられるデータを測定することができるように)構成されていてよい。すなわち、本発明のキットは、具体的には、例えば、被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを測定するための(例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの算出に用いられるデータを測定するための)構成要素を含むキットであってよい。アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの算出に用いられるデータとしては、酸化型アルブミン量、還元型アルブミン量、総アルブミン量を反映するデータが挙げられる。そのような構成要素としては、試薬や器具が挙げられる。そのような構成要素として、具体的には、サンプル調製用試薬や検出用試薬が挙げられる。サンプル調製用試薬としては、血液試料からデータ(例えば、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの算出に用いられるデータ)の測定に用いられるサンプルを調製するための試薬が挙げられる。サンプル調製用試薬として、具体的には、血液試料を希釈するための緩衝液が挙げられる。検出用試薬としては、酸化型アルブミン量、還元型アルブミン量、総アルブミンをそれぞれ検出するための試薬が挙げられる。検出用試薬として、具体的には、HPLCの移動相として用いられる液体が挙げられる。そのような構成要素は、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータを測定する手段等の諸条件に応じて適宜設定できる。
<3>本発明のプログラム
本発明は、本発明の方法に含まれる工程をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。同プログラムを、「本発明のプログラム」ともいう。
すなわち、本発明においては、本発明の方法に含まれる工程をコンピュータが実行してもよい。コンピュータは、本発明の方法に含まれる工程の一部または全部を実施してよい。コンピュータは、例えば、測定工程および/または判定工程を実施してよい。
具体的には、例えば、医療関係者は、被験体から血液試料を分離し、必要により前処理を行い、測定装置にセットすることができる。コンピュータは、測定装置に血液試料中のアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値を測定させ(例えば、酸化型アルブミン量、還元型アルブミン量、総アルブミン量等の成分量を測定させ、アルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値を算出させ)、測定結果を取得することができる。コンピュータは、さらに、測定結果に基づいて被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定することができる。コンピュータは、さらに、そのようにして得られた判定結果を出力することができ、以て医療関係者は判定結果を取得することができる。
本発明のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録され、提供されてよい。「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、データやプログラム等の情報が電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用等により蓄積され、さらに蓄積された情報をコンピュータから読み取ることのできる記録媒体をいう。そのような記録媒体としては、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD-ROM、DVD-R/W、DVD-RAM、DAT、8mmテープ、メモリカード、ハードディスク、ROM(リードオンリーメモリ)、SSDが挙げられる。また、本発明のプログラムは、コンピュータにより実行される各ステップが別個のプログラムとして記録されていてもよい。
<4>本発明の組成物
本発明の組成物は、対象の血液における還元型アルブミン比率を増大させる機能を有する組成物である。
本発明の組成物が対象の血液における還元型アルブミン比率を増大させる機能を有することは、例えば、本発明の組成物を対象に投与し、対象の血液における還元型アルブミン比率を測定し、同比率が投与前と比較して増大したかを確認することにより、確認できる。
本発明の組成物を利用することにより、具体的には本発明の組成物を対象に投与することにより、当該対象において低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減することができる。すなわち、本発明の組成物は、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減するための組成物であってよい。
本発明の組成物が投与される対象については、本発明の方法における被検者の記載を準用できる。本発明の組成物が投与される対象は、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定され得る対象であってもよく、そうでなくてもよい。本発明の組成物が投与される対象は、特に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定され得る対象であってよい。
本発明の組成物は、例えば、飲食品組成物または医薬組成物であってよい。本発明の組成物は、特に、飲食品組成物であってもよい。
本発明の組成物(例えば、飲食品組成物または医薬組成物)は、具体的には、栄養組成物であってよい。「栄養組成物」とは、栄養の摂取に有効な組成物を意味してよい。本発明の組成物は、例えば、栄養バランスが調整されていてよい。本発明の組成物は、具体的には、例えば、妊娠期および/または授乳期に必要な栄養がバランスよく配合されていてよい。また、本発明の組成物は、例えば、栄養が強化されていてもよい。本発明の組成物は、具体的には、例えば、妊娠期および/または授乳期に必要な栄養が強化されていてもよい。栄養の強化には、カロリーの強化も包含されてよい。栄養としては、タンパク質、糖、脂質が挙げられる。例えば、栄養バランスの調整または栄養の強化により対象の栄養状態が改善され、以て、当該対象において低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが低減されてもよい。
飲食品組成物は、例えば、飲食品そのものであってもよく、飲食品の製造に利用される素材であってもよい。素材としては、例えば、調味料、食品添加物、およびその他の飲食品原料が挙げられる。飲食品組成物として、具体的には、小麦粉製品、即席食品、農産加工品、水産加工品、畜産加工品、乳製品(発酵乳、チーズ、乳児用調製乳等)、油脂類、基礎調味料、複合調味料、冷凍食品、菓子類、飲料、およびこれら以外の市販の飲食品が挙げられる。飲食品組成物として、具体的には、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、等)、栄養補助食品、および医薬用部外品も挙げられる。飲食品組成物は、例えば、サプリメントであってもよく、具体的には、タブレット状のサプリメントであってもよい。飲食品組成物として、具体的には、妊娠期および/または授乳期に必要な栄養がバランスよく配合された調製乳や、タンパク質、糖、脂質、カロリー等の栄養が強化された成分調整乳が挙げられる。成分調整乳において、栄養は、例えば、通常の1.25倍以上に強化されていてよい。
飲食品組成物は、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクの低減等の用途(保健用途を含む)が表示された飲食品として提供および販売することが可能である。また、飲食品組成物は、その摂取対象として、「妊娠中の方」、「授乳中の方」等と表示して提供および販売することが可能である。
「表示」には、需要者に対して前記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起または類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物および媒体等の如何に拘わらず、全て「表示」に該当する。表示は、特に、需要者が前記用途を直接的に認識できるような表現により行われることが好ましい。
表示として、具体的には、飲食品組成物に係る商品又は商品の包装に前記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為が挙げられる。表示としては、特に、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等への表示が挙げられる。
また、表示としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示等)が好ましい。また、表示としては、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品(例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、栄養補助食品、医薬用部外品等としての表示が挙げられる。行政等によって認可された表示としては、消費者庁によって認可される表示が挙げられる。消費者庁によって認可される表示としては、特定保健用食品やそれに類似する制度にて認可される表示が挙げられる。消費者庁によって認可される表示としては、具体的には、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク減少表示、科学的根拠に基づいた機能性の表示等が挙げられ、より具体的には、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令(平成二十一年八月三十一日内閣府令第五十七号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)及びこれに類する表示が挙げられる。
<5>本発明のリスク低減方法
本発明のリスク低減方法は、本発明の組成物を対象に投与する工程を含む、対象における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減する方法である。同工程を、「投与工程」ともいう。
本発明のリスク低減方法により、具体的には、本発明の組成物を対象に投与することにより、当該対象において低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減することができる。
なお、「本発明の組成物を対象に投与すること」は、「対象に本発明の組成物を摂取させること」と同義であってよい。摂取は、自発的なもの(自由摂取)であってもよく、強制的なもの(強制摂取)であってもよい。投与工程は、具体的には、本発明の組成物を対象に供給し、以て対象に本発明の組成物を自由摂取させる工程であってもよい。投与は、経口投与であってもよく、非経口投与であってもよい。非経口投与としては、例えば、経管投与や直腸内投与が挙げられる。
本発明の組成物の投与態様(例えば、投与対象、投与時期、投与期間、投与回数、投与量、その他投与に係る条件)は、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを低減する効果等の所望の効果が得られる限り、特に制限されない。本発明の組成物の投与態様は、本発明の組成物の種類や、投与対象の種類、年齢、および健康状態等の諸条件に応じて適宜設定することができる。
本発明の組成物が投与される対象については、本発明の方法における被検者の記載を準用できる。本発明の組成物が投与される対象は、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定され得る対象であってもよく、そうでなくてもよい。本発明の組成物が投与される対象は、特に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクがある、または高いと判定され得る対象であってよい。
本発明の組成物の投与期間は、例えば、1週間以上、2週間以上、4週間以上、8週間以上、12週間以上、16週間以上、20週間以上、24週間以上、28週間以上であってもよく、5年以下、4年以下、2年以下、1年以下、40週間以下、36週間以下、32週間以下、28週間以下、24週間以下、20週間以下、または16週間以下であってもよく、それらの矛盾しない組み合わせであってもよい。本発明の組成物は、例えば、1日当たり1回投与してもよく、1日当たり複数回に分けて投与してもよい。また、本発明の組成物は、例えば、毎日投与してもよく、数日に1回投与してもよい。本発明の組成物は、特に、毎日投与してよい。各投与時の本発明の組成物の投与量は、一定であってもよく、そうでなくてもよい。
以下、非限定的な実施例を参照して、本発明をさらに具体的に説明する。
<実施例1>ラットにおける母獣のアルブミン酸化還元バランスと仔の出生体重の関連性の評価
妊娠1日目のWistar系ラットを日本エスエルシーより購入した。体重に偏りがないように以下の3群に分け、通常の精製試料であるAIN-93Gを摂餌させて出産日まで維持した。
A: 自由摂取群、B: 20%カロリー制限群、C: 40%カロリー制限群
妊娠初期である妊娠9日目、中期である妊娠16日目、および後期である妊娠19日目に尾静脈より採血を行い、得られた血液を遠心分離に供し、血清を得た。得られた血清は、分析まで-80℃に保存した。母獣は妊娠21日または22日目に仔を出産した。出生仔の体重を出産後すみやかに計量し、出生体重とした。
アルブミン発色試薬(A/G B-テストワコー、富士フィルム和光純薬株式会社製)500 μLに保存後の血清2 μLを加え、混合液を得た。得られた混合液を620 nmの波長で吸光度を測定し、保存後の血清中の血清アルブミン値を算出した。
保存後の血清2 μLをPBS 58 μLで希釈し、Karl Oettl (2010) Methods in Enzymology, 474, 181-195の方法に準拠してHPLC分析に供し、還元型アルブミン比率を算出した。HPLC分析の条件は以下の通りとした。
装置:NANOSPACE S1-2(株式会社資生堂製)
カラム:Shodex Asahipak 502N 7Cカラム(昭和電工株式会社)
カラム温度:37℃
検出波長:励起波長280 nm、蛍光波長340 nm
移動相:A液(0.4 M硫酸ナトリウム、50 mM酢酸ナトリウム(pH4.85))
B液(0.4 M硫酸ナトリウム、50 mM酢酸ナトリウム(pH4.85)、10%エタノール)
移動相条件:A液/B液の混合比を100/0~20/80に80分間で変化させた。
流速:0.5 mL/分
サンプル注入量:15 μL
標品:ラット血清アルブミン(Sigma-Aldrich Co.製)とグルタチオン(富士フィルム和光純薬株式会社製)とを重量比1:10で混合して調製した。標品を上記条件でHPLC分析に供し、還元型アルブミンおよび酸化型アルブミンの保持時間を決定した(図1)。
各サンプルについて、HPLCのクロマトグラムにおける還元型アルブミンのピークと酸化型アルブミンのピークとの間の極小値の位置で垂線を引いてピークを分割し、アルブミンの全ピーク面積値に対する還元型アルブミンの面積値の比率を算出して還元型アルブミン比率とした。
母獣の血清アルブミン値は、妊娠19日目において、40%カロリー制限群ではコントロール群と比較して有意に低い値を示した(図2)。一方、母獣の還元型アルブミン比率は、妊娠16日目及び19日目のどちらにおいても、20%と40%のカロリー制限群ではコントロール群と比較して低い値を示した(図3)。妊娠19日目の母獣の還元型アルブミン比率と仔の出生体重との間には正の相関が認められた(図4)。妊娠9日目から19日目の間の母獣の還元型アルブミン比率の減少値と仔の出生体重との間には負の相関関係が認められた(図5)。
<実施例2>血液試料の保存に伴うアルブミン酸化還元バランスの経時変化
還元型アルブミンは-70℃以下では安定だが、血液試料の保存状態によっては還元型アルブミンの自然酸化が進み、血液試料の還元型アルブミン比率が減少する。例えば、臨床検査において、採血後の血漿または血清は、一時的に冷蔵保存された後、-30~-20℃で凍結保存される場合がある。そこで、血漿を4℃で冷蔵保存した際の還元型アルブミン比率の変動を調べた。
20~30歳代の成人女性6名の血漿を4℃に設定した冷蔵庫内で23日間保存した。保存後の2 μLをPBS 58 μLで希釈し、Karl Oettl (2010) Methods in Enzymology, 474, 181-195の方法に準拠してHPLC分析に供し、血漿の還元型アルブミン比率の経時変化を調べた。HPLC分析の条件は以下の通りとした。
装置:NANOSPACE S1-2(株式会社資生堂製)
カラム:Shodex Asahipak 502N 7Cカラム(昭和電工株式会社)
カラム温度:35℃
検出波長:励起波長280 nm、蛍光波長340 nm
移動相:A液(0.4 M硫酸ナトリウム、50 mM酢酸ナトリウム(pH4.85))
B液(0.4 M硫酸ナトリウム、50 mM酢酸ナトリウム(pH4.85)、10%エタノール)
移動相条件:A液/B液の混合比を0~5分は100/0に保ち、5~25分でA液/B液の混合比を100/0から40/60に変化させ、25~30分でA液/B液の混合比を40/60に保った。
流速:1.0 mL/分
サンプル注入量:15 μL
還元型アルブミン比率は保存18日目まで経時的に減少し、保存19日目以降はほぼ一定となった(図6)。すなわち、還元型アルブミン比率の減少率は、保存19日目以降はほぼ一定となった。保存19日目以降の還元型アルブミン比率の減少率は、約28%であった(表1)。還元型アルブミン比率の減少率は、以下の式で算出した:
還元型アルブミン比率の減少率=100-100×(保存後の還元型アルブミン比率/保存前の還元型アルブミン比率)
Figure 0007342121000001
4℃での保存日数(X)と還元型アルブミン比率の減少率(Y)との間には、以下の式(I)で表される関係が認められた(図7)。従って、4℃で保存した血液試料の還元型アルブミン比率の実測値を、式(I)で算出した減少率で補正することにより、保存前の還元型アルブミン比率を算出することができる。なお、式(I)は、血液試料を4℃で保存した場合に限られず、その周辺温度(例えば、0~10℃)で保存した場合にも適用でき得る。
Y (%) = 4.9694ln(X) + 13.918 (R2 = 0.9556) ・・・式(I)
さらに、自然酸化による還元型アルブミン比率の減少率(Y)は約28%でほぼ一定となるため、十分に自然酸化の進んだ血液試料の還元型アルブミン比率は、減少率を28%として補正することができる。
<実施例3>血液試料の保存に伴うアルブミン酸化還元バランスの経時変化
血漿を-25℃で冷凍保存した際の還元型アルブミン比率の変動を調べた。
30~40歳代の成人男性3名の血漿を-25℃に設定した冷凍庫内で60日間保存した。保存後の2 μLをPBS 58 μLで希釈し、Karl Oettl (2010) Methods in Enzymology, 474, 181-195の方法に準拠してHPLC分析に供し、血漿の還元型アルブミン比率の経時変化を調べた。HPLC分析の条件は以下の通りとした。
装置:NANOSPACE S1-2(株式会社資生堂製)
カラム:Shodex Asahipak 502N 7Cカラム(昭和電工株式会社)
カラム温度:35℃
検出波長:励起波長280 nm、蛍光波長340 nm
移動相:A液(0.4 M硫酸ナトリウム、50 mM酢酸ナトリウム(pH4.85))
B液(0.4 M硫酸ナトリウム、50 mM酢酸ナトリウム(pH4.85)、10%エタノール)
移動相条件:A液/B液の混合比を0~5分は100/0に保ち、5~25分でA液/B液の混合比を100/0から40/60に変化させ、25~30分でA液/B液の混合比を40/60に保った。
流速:1.0 mL/分
サンプル注入量:15 μL
還元型アルブミン比率は保存56日目まで経時的に減少し、保存56日目以降はほぼ一定となった(図8)。すなわち、還元型アルブミン比率の減少率は、保存56日目以降はほぼ一定となった。保存56日目以降の還元型アルブミン比率の減少率は、約28%であった(表2)。還元型アルブミン比率の減少率は、以下の式で算出した:
還元型アルブミン比率の減少率=100-100×(保存後の還元型アルブミン比率/保存前の還元型アルブミン比率)
Figure 0007342121000002
-25℃での保存日数(X)と還元型アルブミン比率の減少率(Y)との間には、以下の式(II)で表される関係が認められた(図9)。従って、-25℃で保存した血液試料の還元型アルブミン比率の実測値を、式(II)で算出した減少率で補正することにより、保存前の還元型アルブミン比率を算出することができる。なお、式(II)は、血液試料を-25℃で保存した場合に限られず、その周辺温度(例えば、-15~-35℃)で保存した場合にも適用でき得る。
Y (%) = 6.1728ln(X) + 2.1133 (R2 = 0.962)・・・式(II)
さらに、自然酸化による還元型アルブミン比率の減少率(Y)は約28%でほぼ一定となるため、十分に自然酸化の進んだ血液試料の還元型アルブミン比率は、減少率を28%として補正することができる。
<実施例4>妊婦のアルブミン酸化還元バランスと子の出生体重の関連性の評価
健康な妊婦54名から、妊娠27-30週の血清を得た。任意の3名の血清を選び、4℃に設定した冷蔵庫内で7日間保存した。保存後の血清を実施例2に記載の条件でHPLC分析に供し、血清の還元型アルブミン比率の経時変化を調べた。保存中の還元型アルブミン比率の変動は認められなかった(表3)。
Figure 0007342121000003
血清中の血清アルブミン値は、実施例1に記載の方法により測定した。血清の還元型アルブミン比率は、実施例2に記載の条件でHPLC分析により測定した。また、表3より本実施例で用いた血清では還元型アルブミンの自然酸化が十分に進んでいると判断し、減少率を28%として還元型アルブミン比率の実測値を補正し、血清を被検者から分離した時点での還元型アルブミン比率(以下、「還元型アルブミン比率の補正値」ともいう)を算出した。血清アルブミン値は4.4 ± 0.3 g/dL、還元型アルブミン比率の実測値は61.7 ± 3.4%、還元型アルブミン比率の補正値は85.7 ± 4.7%であった。ここで得られた還元型アルブミン比率の補正値は、実施例2で得られた成人女性の保存前の血漿の還元型アルブミン比率に近似した値であった。
対象者(すなわち、妊婦54名)を出生児の出生体重で四分位に分け、25%tile以下を出生体重低値群(2617.0±77.4 g; n=14)、残りを対照群(3236.4 ± 45.8 g; n=40)とした。対象者の背景因子(すなわち、年齢、身長、非妊娠時体重、および非妊娠時BMI)、血清アルブミン値、および還元型アルブミン比率について群間比較を行った。身長(p=0.008)、還元型アルブミン比率の実測値(p=0.039)、および還元型アルブミン比率の補正値(p=0.039)で有意な群間差が認められた(表4)。
Figure 0007342121000004
身長と還元型アルブミン比率の補正値との間に多重共線性が認められないことを確認した上で、多重ロジスティック回帰分析(ステップワイズ変数増減法)にて出生体重が25%tile以下となることを予測するモデルを作成した。身長と還元型アルブミン比率の補正値がそれぞれ有意で独立した従属変数となり、各因子の単位オッズ比は、身長0.79(95%信頼区間0.65-0.92)、還元型アルブミン比率の補正値0.79(95%信頼区間0.63-0.94))となった。
本モデルを用いてROC(recover operating characteristics)解析を行い、出生体重が25%tile以下となることを予測するためのカットオフ値として、身長158 cm、還元型アルブミン比率の補正値85.4%が得られた。
このように、血液中のアルブミンの酸化還元状態を指標として、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを鋭敏に判定できることが明らかとなった。特に、妊婦の場合、血液量の増加等の原因により既知の栄養マーカーである血清アルブミン値または血漿アルブミン値を指標としても被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを鋭敏に判定できないのに対し、血液中のアルブミンの酸化還元状態を指標とすれば被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを鋭敏に判定できる。
<実施例5>
多胎妊娠、早産の経験、流産の経験、出生前管理の欠如、低栄養、やせ、肥満、体重増加不良、体重増加過多、ストレス、低年齢妊娠、高年齢妊娠、貧血、喫煙、飲酒、糖尿病、高血圧、感染症、炎症、胎盤機能不全、胎盤形成不全、子宮の障害、または子宮頚の障害を有する妊娠24週~妊娠30週の妊婦について、妊婦健診の際に採取した血液より、実施例2に記載の方法を用いて還元型アルブミン比率を測定し、低体重児出生リスクを診断する。還元型アルブミン比率が85%以下、82%以下、78%以下、または75%以下であった妊婦に対して、例えば、妊娠期および/または授乳期の母親用ミルク(具体的には、妊娠および/または授乳期に必要な栄養がバランスよく配合された調製乳)、タンパク質、糖、脂質、カロリー等の栄養が強化された成分調整乳(例えば、栄養が1.25倍以上に強化されたもの)、成人向け調製乳等の栄養調整食品、または栄養補助食品を投与することにより、低体重児出生リスクを低減する。
本発明によれば、被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定することができる。

Claims (15)

  1. 女性被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する方法であって、
    前記被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータを指標として該被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクを判定する工程
    を含み
    (i)総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が85%以下である場合、又は(ii)総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が、総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した、妊娠前~在胎16週の期間に前記被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの値と比較して3パーセンテージポイント以上低い場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定され、
    少なくとも、低体重児出生リスクが判定され、
    ただし、虚血に起因する低体重児出生リスクを判定する方法を除く、方法。
  2. さらに、前記工程の前に、前記データを測定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記被検者が、妊婦である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記血液試料が、全血、血漿、または血清である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記血液試料が、在胎24週~30週の期間に前記被検者から分離されたものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が82%以下である場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  7. 総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が78%以下である場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  8. 総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が75%以下である場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  9. 総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が前記過去の値と比較して7パーセンテージポイント以上低い場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  10. 総アルブミン量に対する還元型アルブミン量の比率に換算した前記データの値が前記過去の値と比較して10パーセンテージポイント以上低い場合に、低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクが高いと判定される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記データの値が、前記血液試料の保存期間の長さおよび保存温度に応じて補正された値である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記被検者が、低栄養および/または低体重児出生のリスク因子を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記リスク因子が、多胎妊娠、早産の経験、流産の経験、出生前管理の欠如、低栄養、やせ、肥満、体重増加不良、体重増加過多、ストレス、低年齢妊娠、高年齢妊娠、貧血、喫煙、飲酒、糖尿病、高血圧、感染症、炎症、胎盤機能不全、胎盤形成不全、子宮の障害、および子宮頚の障害から選択される1種またはそれ以上の因子である、請求項12に記載の方法。
  14. 低栄養リスクおよび低体重児出生リスクが判定される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 女性被検者における低栄養リスクおよび/または低体重児出生リスクのマーカーとしての、前記被検者から分離された血液試料におけるアルブミンの酸化還元状態を反映するデータの使用であって、
    少なくとも、低体重児出生リスクのマーカーとしての使用であり、
    ただし、虚血に起因する低体重児出生リスクのマーカーとしての使用を除く、使用。
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邱 冬梅 ほか,低出生体重児の母体要因に関する疫学研究,厚生の指標,2014年,Vol.61, No.1,pp.1-8

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