JP7354501B2 - 水性印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水性印刷インキ組成物に関する。
生活用品や産業資材等の段ボールを中心とした包装容器の印刷分野においては、水性フレキソ凸版印刷が行われている。近年、環境に対する取り組みが活発化しており、包装業界においても、植物性由来及び動物性由来の原料等の化石燃料に由来しない原材料を使用して、二酸化炭素の排出量を削減(カーボンニュートラル)可能なインキを実現することが、要求されるようになってきている。本出願人は、この要求より前に、バインダー樹脂として、ポリ(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーの存在下で、ポリ乳酸樹脂を水性媒体中に分散させてなるポリ乳酸樹脂水性分散液を使用することを提案した(例えば、特許文献1参照)。しかしながらこれでは印刷適性、塗膜物性が不十分であるという問題を有していた。さらに食品パッケージの薄紙用途では、印刷適性、耐水耐摩擦性、耐熱性、耐油耐摩擦性等の塗膜物性が不十分であるという問題を有していた。さらに例えば紙製食品用容器への印刷を行う際には、紙製食品用容器が使用される環境、つまり、水や油が付着する環境では、上記の性質の他に耐結露性、耐ヘキサン性を必要とするが、その性質を備えた印刷インキ組成物は存在しなかった。また、カーボンニュートラル可能な原材料を多く使用すると、従来のインキ塗膜物性、印刷適性が低下するという問題を有していた。
また、特許文献2には、コア部樹脂が、炭素数2以上18以下の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を、コア部樹脂を構成する構成単位中、40質量%以上有し、コアシェル型樹脂粒子(A)の酸価が50mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である、2層からなるコアシェル型樹脂粒子とグリコールエーテルを含有する、保存安定性及び基材密着性に優れたグラビア印刷用の樹脂粒子分散体が記載されている。
特開2008-013657号公報 特開2019-116535号公報
上記特許文献1の記載によれば、カーボンニュートラル可能な原材料を多く使用した水性フレキソ印刷インキ組成物であっても、耐水耐摩性、耐摩性、耐油耐摩性、洗浄性をバランス良く向上させることまでを考慮していなかった。
上記特許文献2の記載によれば、その樹脂粒子分散体をグラビア印刷用インキ組成物に配合した場合、インキ組成物の保存安定性及び基材密着性を向上させる点において寄与することは予測できる。しかしながら、そのようなインキ組成物皮膜に関して、その耐水耐摩性、耐摩性、耐油耐摩性、洗浄性をバランス良く向上させることまでを考慮していなかった。
そこで、本発明は、インキ組成物皮膜において、耐水耐摩性、耐摩性、耐油耐摩性、洗浄性を共に向上させることができる水性印刷インキ組成物を得ることを課題とする。
本発明者らは、水性印刷インキ組成物中の樹脂分として、特定のコアシェル構造エマルジョン型樹脂を採用することにより、上記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.着色剤、顔料分散用樹脂、コア層とシェル層の間に中間層を有する平均粒子径30~200nmのコアシェル構造エマルジョン型樹脂、水性媒体を含む水性印刷インキ組成物。
2.中間層が澱粉、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、及びポリエステル樹脂からなる1種以上を含有する1に記載の水性印刷インキ組成物。
3.1又は2に記載の水性印刷インキ組成物が印刷されてなる印刷層。
本発明によれば、水性印刷インキ組成物により形成したインキ組成物皮膜において、生物由来の材料を使用した比率であるバイオマス度を向上させることができる。加えて、耐水耐摩性、耐摩性、耐油耐摩性、洗浄性をバランス良く向上させることができる。
本発明の水性印刷インキ組成物は、着色剤、アルカリ可溶型水溶性樹脂、コア層とシェル層の間に中間層を有する平均粒子径30~200nmのコアシェル構造エマルジョン型樹脂、水性媒体を含む水性印刷インキ組成物であり、以下に具体的に説明する。
本発明の水性印刷インキ組成物は、バイオマス由来のカーボンニュートラル可能な原材料成分を含むものであり、カーボンニュートラル可能な原材料成分を水性印刷インキ組成物の固形分中に10質量%以上含有させることが好ましい。また本発明の水性印刷インキ組成物は、紙製容器等用、食品パッケージの薄紙用途にも印刷されうる。
なお、本発明の水性印刷インキ組成物は、フレキソ印刷用及びグラビア印刷用、又はその他の用途のいずれの用途にも使用できる。以下の説明は、これらの各印刷方式に共通である。
<着色剤>
本発明の水性印刷インキ組成物において使用される着色剤は特に限定されない。着色剤は、通常、水性印刷インキ組成物で使用される公知の顔料及び染料であってもよい。一例として、着色剤は無機顔料であってもよく、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等が例示される。また着色剤は有機顔料であってもよく、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等が例示される。
着色剤の含有量は特に限定されない。着色剤の含有量は、印刷時において水性印刷インキ組成物中4~11質量%であることが好ましい。含有量が4質量%未満である場合、所望の印刷濃度の印刷物が得られにくい可能性がある。一方、含有量が11質量%を超える場合、得られる水性印刷インキ組成物の粘度が高くなり、取り扱いにくい傾向がある。
<顔料分散用樹脂>
本発明の水性印刷インキ組成物で使用してもよい顔料分散用樹脂は、アルカリ可溶型水溶性樹脂が好ましく、さらに、(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーを併用することが好ましい。
<アルカリ可溶型水溶性樹脂>
アルカリ可溶型水溶性樹脂は、ビヒクル及び/又は着色剤の分散性を向上させるために配合される。アルカリ可溶型水溶性樹脂は特に限定されない。アルカリ可溶型水溶性樹脂は、従来公知のものであって、塩基性化合物の存在下で水性媒体中に溶解できるものであればよい。それらの中でも、アルカリ可溶型水溶性樹脂は、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン基(-P(=O)(OH))などの酸基を1種以上含む樹脂であって、塩基性化合物の存在下で、水性媒体中に溶解できるものが好ましい。
アルカリ可溶型水溶性樹脂の酸価は、40mgKOH/g以上であることが好ましく、60mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、アルカリ可溶型水溶性樹脂の酸価は、300mgKOH/g以下であることが好ましく、200mgKOH/g以下であることがより好ましい。
アルカリ可溶型水溶性樹脂の酸価が40mgKOH/g未満である場合、顔料の水性分散液の分散安定性が低下する傾向がある。一方、アルカリ可溶型水溶性樹脂の酸価が300mgKOH/gを超える場合、親水性が高くなり過ぎるため、インキ組成物の貯蔵安定性、耐水性が低下する傾向がある。なお、ここで、酸価は、たとえば共重合体1gを得るために理論上必要な各エチレン性不飽和単量体の量に対して、KOHの理論上の中和量を求め、その中和量の総和のmg数を共重合体の酸価(理論酸価)とみなすことにより算出し得る。なお、アルカリ可溶型水溶性樹脂としては、酸価が50mgKOH/g未満のものと、50mgKOH/g以上のものの混合物ではないほうが好ましい。
また、アルカリ可溶型水溶性樹脂の分子量は、重量平均分子量が3,000以上であることが好ましく、7,000以上であることがより好ましい。また、アルカリ可溶型水溶性樹脂の分子量は、重量平均分子量が200,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましい。
なお本明細書では、重量平均分子量は、カラムクロマトグラフィー法によって測定することができる。一例としては、Water 2690(ウォーターズ社製)で、PLgel 5μm MIXED-D(Polymer Laboratories社製)を使用して行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量として求めることができる。
そのようなアルカリ可溶型水溶性樹脂として、具体的には、アクリル酸あるいはメタクリル酸とそのアルキルエステル、あるいはスチレン等を主なモノマー成分として共重合した水溶性アクリル系樹脂、水溶性スチレン-アクリル系樹脂、水溶性スチレン-マレイン酸系樹脂、水溶性スチレン-アクリル-マレイン酸系樹脂、水溶性ポリウレタン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂等の各種バインダー樹脂が好適な例として例示できる。
アルカリ可溶型水溶性樹脂は、分散安定性や耐汚染性の観点から、酸基含有エチレン性不飽和単量体と、炭素数8~20の長鎖アルキル基、脂環族または芳香族の環状炭化水素基等の疎水性基を有している単量体、その他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との混合物を通常のラジカル発生剤(たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等)の存在下、溶媒中で重合して得られるものが好適に使用される。
酸基含有エチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、2-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2-カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、スルホエチルメタクリレート、ホスホノエチルメタクリレート等が例示される。
炭素数8~20の長鎖アルキル基、脂環族または芳香族の環状炭化水素基等の疎水性基を有している単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、それらの誘導体等のスチレン系単量体、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数8~20の長鎖アルキル基含有エチレン性不飽和単量体が例示される。
アルカリ可溶型水溶性樹脂に含まれ得るその他の単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシルなどの(メタ)アクリル酸の炭素数が8未満のアルキルエステル類等が例示される。
例えば、BASFジャパン社製、ジョンクリルHPD-671等を使用することができる。また、薄紙用途等で要求される塗膜物性及び再溶解性の点からは、揮発性及び不揮発性の塩基性化合物を使用することが望ましい。
顔料に対するアルカリ可溶型水溶性樹脂の使用量は、顔料100質量部に対して10~30質量部で、好ましくは12~28質量部である。
アルカリ可溶型水溶性樹脂には、後述する樹脂溶解用水性媒体中に溶解させるために、塩基性化合物が併用され得る。塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような無機塩基性化合物や、アンモニア、有機アミン、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。具体的に、上記有機アミンとしては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等を挙げることができる。上記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。その中でも紙製容器等で要求される乾燥性、耐結露性、耐ヘキサン性向上の点から沸点が低く揮発性が高いアミンが好ましく、沸点が150℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは、50℃以下、特に好ましくはアンモニア等の0℃以下のものである。これら塩基性化合物は、併用されてもよい。
塩基性化合物の配合量は、アルカリ可溶型水溶性樹脂を樹脂溶解用水性媒体中に溶解させ得る量であればよい。一例を挙げると、塩基性化合物の配合量は、一般に、中和量の80~120%の範囲である。配合量は、この範囲外の量であってもよい。
アルカリ可溶型水溶性樹脂を溶解する樹脂溶解用水性媒体としては、水、または、水と水混和性有機溶剤との混合物が好適に使用される。水混和性有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコールなどの低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテートなどの(ポリ)アルキレングリコールのモノ脂肪酸エステル類等が例示される。これら水混和性有機溶剤は、併用されてもよい。
(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマー
顔料分散用樹脂として(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーは、2以上のブロックを含み、それぞれのブロックは、ポリエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドで構成されても良い。
(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーは、公知の方法で合成することができる。例えば、ポリエチレンオキサイドポリマーがプロピレンオキサイドと反応し、ポリ(プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーを形成でき、別の方法として、ポリプロピレンオキサイドポリマーがエチレンオキサイドと反応し、ポリ(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド)ブロックポリマーを形成することができる。
なお、本発明で使用しても良い(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーは、重量平均分子量が5,000~100,000の範囲のものであり、市販品として、ADEKA社製、アデカプルロニックシリーズ等が挙げられる。
また、水を含有する溶剤の安定性の面から、(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーのHLB値は8~20であることが好ましい。
ここで、HLB値とは、界面活性剤の分野で利用されている、分子の親水性部分と親油性部分とのバランス(Hydrophile-Lipophile Balance)を表すものであり、上記HLB値は、下記に示すグリフィン式(一定の油に対する乳化効率の測定から求めた実験値と親水部の重量分率に基づく式)を適用して求めることができる。
〔グリフィン式〕HLB=(100/5)×親水基重量/(親水基重量+疎水性重量)
顔料に対する(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーの使用量は、顔料100質量部に対して0.5~10質量部、好ましくは0.5~8.0質量部である。
顔料に対する、アルカリ可溶型水溶性樹脂+(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーの合計量は、顔料100質量部に対して10~30質量部であることが好ましい。
また、顔料分散用樹脂として、上記顔料分散樹脂に代えて顔料分散剤を使用することができ、また上記顔料分散用樹脂と顔料分散剤とを併用することもできる。
<コアシェル構造エマルジョン型樹脂>
本発明の水性印刷インキ組成物で使用するコアシェル構造エマルジョン型樹脂は、コアとシェルの間に1層以上の中間層を有する。中間層として1層を有することが好ましい。
このコアシェル構造エマルジョン型樹脂は、例えば、水溶性アクリル系樹脂の高分子乳化剤を用いて得られる。
本発明の特定のコアシェル構造エマルジョン型樹脂の酸価は、3~100mgKOH/gであることが好ましい。
本発明において、特定のコアシェル構造エマルジョン型樹脂の表面張力が20~40mN/mであるものが好ましい(表面張力は、固形分が30%となるように水に希釈して測定)。
本発明における特定のコアシェル構造を有するエマルジョン樹脂の平均粒子径は30~200nmであり、好ましくは50~170nm、さらに好ましくは60~150nmである。
本発明における特定のコアシェル構造を有するエマルジョン樹脂の使用量は、水性印刷インキ組成物中に、エマルジョンの固形分で5~40質量部であることが望ましい。
(シェル部)
シェル部は、高分子乳化剤からなる。シェル部としては、例えば、シェル部中に、炭素数4~24の脂肪族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、オレフィン系化合物、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸ベンジル系単量体、(メタ)アクリル酸フェニル等に由来する構成単位を含有する。例として、シェル部100質量部中にブチルアクリレートに由来する構成単位を20~50質量部含有させることによって、表面張力を低下させた場合に、消泡剤や界面活性剤の使用量を少量としても、印版に対してインキが垂れ込んだり、ミスチングが発生することを防止できる効果が高い。
シェル部としては、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸基を有する構成単位を有し、そのシェル部の理論酸価は100~250mgKOH/gであることが好ましい。さらにそのカルボン酸基は、塩基性化合物によって中和されることが好ましい。
その塩基性化合物としては、アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン、モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等を使用することができ、アンモニア、トリエチルアミンを使用することが、耐薬品性をより一層向上するうえで好ましい。
但し、ポリエステル側鎖を有する(メタ)アクリレートを構成単位として含有しなくても良い。
(コア部)
コア部としては、下記のスチレン系モノマーからなる構成単位とアクリル系モノマーからなる構成単位を中心とする共重合体であることが好ましく、水分散性又は水溶性を備えるために下記の他のモノマーを有することが好ましい。
コア部100質量部中にスチレン系モノマーに由来する構成単位を70質量部以上、好ましくは90質量部以上含有するコアシェル構造を有するスチレン-アクリル系樹脂となるようにすることが望ましい。
このようなコアシェル構造を有するスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンを構成するスチレン-アクリル系樹脂は、コア部及びシェル部に共通して、スチレン系モノマーからなる構成単位とアクリル系モノマーからなる構成単位を中心とする共重合体であることが好ましい。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、α-エチルスチレン、α-ブチルスチレン、4-メトキシスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート等の、アクリル酸エステル類およびメタアクリル酸エステル類、3-エトキシプロピルアクリレート、3-エトキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート等の、アクリル酸エステル誘導体およびメタクリル酸エステル誘導体、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アリールエステル類およびアクリル酸アラルキルエステル類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンのような多価アルコールのモノアクリル酸エステル類が挙げられる。
(中間層)
本発明中の特定のコアシェル構造エマルジョン型樹脂は、上記コア部と最外層のシェル部との間に中間層を有する。その中間層としては、バイオマス由来の原料を使用して得た下記の澱粉、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、ポリエステル樹脂等を含有する層を採用できる。
[澱粉]
澱粉としては、コーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等、及びこれらの澱粉を公知の手段により低度エステル化・エーテル化・酸化・酸処理化・デキストリン化、還元、酵素分解等してなる加工澱粉、から1種以上を使用できる。
[ロジン樹脂及び変性ロジン樹脂]
中間層を形成できるロジン樹脂としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等が挙げられる。一般的にロジン樹脂は松から得られる琥珀色、無定形の樹脂であり、天然から得られるため混合物であるが、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸という構成成分ごとに単離して用いても良く、本発明ではこれらもロジン樹脂と定義する。
中間層を形成できる変性ロジン樹脂は、上記のロジンを変性してなる化合物であり、具体的に以下に列挙する。
(1)水素化ロジン:共役二重結合に水素を付加(水素添加)させて、耐候性を向上させたロジンである。
(2)不均化ロジン: 不均化とは、二分子のロジンが反応し、共役二重結合を持った二
分子のアビエチン酸が、一方は芳香族を構成し、もう一方は単独二重結合の分子となる変性である。一般に水添ロジンよりは耐候性が劣るが、未処理よりは向上する。
(3)ロジン変性フェノール樹脂:オフセット印刷のインキには、メインバインダーとしてロジン変性フェノール樹脂が使われることが多い。ロジン変性フェノール樹脂は公知の製造法で得ることができる。
(4)ロジンエステル:ロジンから誘導されるエステル樹脂であり、古くから粘着・接着剤の粘着付与剤(タッキファイヤー)として用いられる。
(5)ロジン変性マレイン酸樹脂:ロジンに無水マレイン酸を付加反応させたもので、必要に応じてグリセリンなどの水酸基含有化合物を、無水酸基とエステル化させグラフトさせたものも含まれる。
(6)重合ロジン:天然樹脂のロジンから誘導される二量化された樹脂酸を含む誘導体である。
その他、公知のロジン、変性ロジン樹脂も用いることが可能であり、これらは単独だけでなく併用することができる。
[ポリエステル樹脂]
中間層を形成できるポリエステル樹脂としては、炭素数が2~4の短鎖ジオール化合物と、カルボン酸成分とを公知の方法により反応させたバイオポリエステルポリオール(バイオマスポリエステルポリオール)を採用できる。バイオポリオール成分は、短鎖ジオール化合物及びカルボン酸成分のうち、少なくともいずれか一方が植物由来であることがより好ましく、両方が植物由来であることがさらに好ましい。また、短鎖ジオール化合物及びカルボン酸成分それぞれの一部が植物由来でもよい。
植物由来の炭素数が2~4の短鎖ジオール化合物は特に限定されない。一例を挙げると、短鎖ジオール化合物は、以下の方法により植物原料から得られる、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール等であってもよい。これらは併用されてもよい。
1,3-プロパンジオールは、植物資源(たとえばトウモロコシ等)を分解してグルコースが得られる発酵法により、グリセロールから3-ヒドロキシプロピルアルデヒド(HPA)を経て製造され得る。上記発酵法のようなバイオ法で製造された1,3-プロパンジオール化合物は、EO製造法の1,3-プロパンジオール化合物と比較して、安全性の面から乳酸など有用な副生成物が得られ、しかも製造コストも低く抑えることが可能である。1,4-ブタンジオールは、植物資源からグリコールを製造し発酵することによって得られたコハク酸を得て、これを水添することにより製造され得る。また、エチレングリコールは、常法によって得られるバイオエタノールからエチレンを経て製造され得る。
植物由来のカルボン酸は特に限定されない。一例を挙げると、カルボン酸は、セバシン酸、コハク酸、乳酸、グルタル酸、ダイマー酸等である。これらは併用されてもよい。これらの中でも、カルボン酸成分は、セバシン酸、コハク酸及びダイマー酸からなる群から選択される少なくともいずれか1種を含むことが好ましい。またセバシン酸100質量部に対して、リンゴ酸を0.05~0.5質量部含有しても良い。
バイオポリオール成分は、植物由来の短鎖ジオール化合物と植物由来のカルボン酸とを、適宜縮合反応させて、100%植物由来のバイオポリエステルポリオールとして生成される。具体的には、植物由来のセバシン酸と、植物由来の1,3-プロパンジオールとを直接脱水縮合させて、ポリトリメチレンセバケートポリオールが得られる。また、植物由来のコハク酸と、植物由来の1,4-ブタンジオールとを直接脱水縮合して、ポリブチレンサクシネートポリオールが得られる。
これらの各バイオポリオール成分を1種以上使用してもよい。
<ロジン系樹脂>
本発明の水性印刷インキ組成物には、上記コアシェル型エマルジョンの他に配合されてもよいロジン系樹脂としては、酸価が0mgKOH/g及び/又は0~350mgKOH/gのロジン系樹脂であり、エマルジョン及び水溶性の何れでもよい。
ロジン系樹脂がエマルジョンであるときの酸価は、0mgKOH/g及び/又は0~150mgKOH/g、水溶性ロジン系樹脂であるときの酸価は、100~350mgKOH/gである。
ロジン系樹脂エマルジョンとしては、植物から抽出する等して得られた材料からなる、ロジンエステル等のロジン誘導体やロジンを、低分子乳化剤の存在下で、微細な粒子として水に分散させてなるものが利用できる。具体的には、ハリマ化成社製 ハリエスターSK218NS、SK370N、SK385NS、SK501NS、LAWTER社製 Snowpack XW-2442、XW-2551、XW-2561、XW-2582、SE780G、100G、荒川化学工業社製 スーパーエステル NS-121、NS-100H、E-865NT等が例示できる。
水溶性ロジン系樹脂としては、100~350mgKOH/gの酸価を有するロジン系樹脂の酸価の一部又は全部を塩基性化合物で中和して水中に溶解させたものを使用する。具体的には、日立化成社製 テスポール 150、154、158、ハリマ化成社製 ハリマックT-80、ハリエスター MSR-4、AS-5、荒川化学社製のマルキード31、32、33等が例示できる。
塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、有機アミン、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。具体的には、上記有機アミンとしては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等を挙げることができる。上記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。その中でも塗膜物性及び再溶解性の点からは、揮発性及び不揮発性の塩基性化合物を併用使用することが望ましい。
ロジン系樹脂の酸価の中でも好ましくは酸価が0~200mgKOH/gであるロジン系樹脂であり、耐水耐摩性が要求される場合は好ましくは酸価が0~100mgKOH/gであるロジン系樹脂エマルジョンである。
本発明の水性印刷インキ組成物中のロジン系樹脂の含有量は、カーボンニュートラル可能な原材料成分を水性印刷インキ組成物の固形分中に10質量%以上となるように含有させることが好ましい。なお、カーボンニュートラル可能な原材料成分とは、植物性の材料に由来して得た原材料成分を示す。
<スチレン-アクリル系樹脂エマルジョン>
本発明の水性印刷インキ組成物には、上記コアシェル型エマルジョンの他に、スチレン-アクリル系樹脂エマルジョンを配合することができる。そのようなスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンとしては、公知の方法で製造される酸価30~80mgKOH/g、ガラス転移温度-30~60℃のスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンが使用できる。ガラス転移温度の温度範囲の下限としては、好ましくは-20℃、さらに好ましくは-10℃であり、上限としては40℃さらに好ましくは20℃である。
このようなスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンのうち、水溶性アクリル系樹脂、好ましくはロジン系樹脂による印刷適性を向上させるために、酸価150~250mgKOH/gのアクリル系樹脂を塩基性化合物で中和した水溶性アクリル系樹脂を高分子乳化剤として用いて、スチレン系モノマー、必要に応じて(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを共重合して得られ、かつ常温で造膜するものが好適である。
スチレン-アクリル系樹脂エマルジョンにおいても、塩基性化合物が使用されている場合は、塩基性化合物として例えば、アンモニア、有機アミン等を挙げられる。具体的には、上記有機アミンとしては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等を挙げることができる。中でも、耐結露性、耐ヘキサン性の点から沸点が低く揮発性が高いアミンが好ましく、沸点が150℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは、50℃以下、特に好ましくはアンモニア等の0℃以下のものである。
このような樹脂として、BASFジャパン社製、ジョンクリル309(ガラス転移温度2℃、固形分46%)等を使用することができる。
<ワックス樹脂微粒子分散体>
本発明の水性印刷インキ組成物には、塗膜の耐摩擦性を向上させる目的で市販のコールターカウンター法による平均粒子径1~10μm、好ましくは2~5μmのワックス樹脂微粒子分散体を配合できる。ワックス樹脂微粒子分散体としては、好ましくは、ポリエチレンワックスで、具体的には、例えば、三井化学社製、ケミパールW100、W200、W300、W310、W306、W400、W410、W500、W800等が挙げられる。ワックス樹脂微粒子分散体の添加量は、塗膜物性における耐摩擦性向上と色相への悪影響のバランスを考慮して、水性印刷インキ組成物100質量%中、固形分換算で1~7質量%程度とすることが好ましい。
<その他の材料>
本発明の水性印刷インキ組成物には、必要に応じて各種添加剤を使用することができる。具体的には、乾燥性を向上させるために、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク等の体質顔料、防滑性を付与するために無機系微粒子及び粘着性樹脂(アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂)、レベリング性を向上させるためにレベリング剤、消泡性を付与するために消泡剤(サンノプコ社製、SNデフォーマー777)、再溶解性を付与するために苛性ソーダ等の塩基性化合物、造膜エマルジョン等の各種添加剤を挙げることができる。
(水性媒体)
本発明の水性印刷インキ組成物で使用する溶剤としては、水に加えて、本発明の水性印刷インキ組成物の性能低下をきたさない範囲で、水溶性有機溶剤を使用する。本発明の水性印刷インキ組成物に使用してもよい水以外の溶剤としては、水に相溶すること以外に特に制限がないが、環境に配慮する観点から、芳香族炭化水素系有機溶剤を含有しないことが好ましい。このような溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジピロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジブチルグリコール、グリセリン等のアルコールおよび多価アルコール系有機溶剤;が挙げられる。前記溶剤は、少なくとも1種を用いればよく、バインダー樹脂の溶解性や乾燥性などを考慮して、2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、本発明の水性印刷インキ組成物及び印刷物の製造方法について説明する。
本発明の水性印刷インキ組成物を従来法で製造する方法としては、顔料と、顔料分散用樹脂と、水を含有する溶剤とを混合した後、各種練肉機、例えば、ビーズミル、パールミル、サンドミル、ボールミル、アトライター、ロールミル等を利用して練肉し、さらに、ロジン系樹脂エマルジョン、スチレン-アクリル系樹脂エマルジョン等の所定の材料及び必要に応じて添加剤を混合する。
次いで、印刷時に希釈が必要な場合は、さらに水を含有する溶剤を加え水性印刷インキ組成物を得る。この水性印刷インキ組成物を用いた印刷物の製造方法としては、紙や樹脂の表面への印刷、特に、紙コップ、紙皿等の紙製容器等の紙器、又は表面が樹脂層で被覆された紙製容器、食品パッケージの薄紙又はそれらの材料に、上記水性印刷インキ組成物を用いて印刷機で印刷する方法が例示できる。
このとき、被印刷物としては、包み紙や紙袋等の食品パッケージ、表面にラミネートによるポリオレフィン等の樹脂層を有する紙製容器等の紙製品、表面にポリオレフィン等の樹脂コート層等の樹脂層を有する紙製容器等の紙製品、及び表面に樹脂層を有しない未コートの紙製容器等の紙製品等の何れでも良い。
ラミネート又はコートによるポリオレフィン等の樹脂層を有する紙の製造方法は公知の手段を採用できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものである。また、表中の各材料の分量の数字についても「質量部」である。酸価の単位はmgKOH/gである。
PB-15:3 : ピグメントブルー15:3
アルカリ可溶型水性アクリル樹脂 :(固形分25質量%)ジョンクリルHPD-671、BASF社製
EOPOブロックポリマー : ポリ(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマー:HLB値14、重量平均分子量16,000
ロジンエマルジョン : (バイオマス度89%、固形分50質量%、軟化点100℃、ノニオン性界面活性剤含有)ハリエスターSK218NS、ハリマ化成社製
スチレンアクリルエマルジョン : 酸価38mgKOH/g、ガラス転移温度9℃、固形分38.50質量%
検討エマルジョン :いずれも、コア及びシェルはアクリル系樹脂、それぞれの中間層は表1中に記載
実施例1、2のもの : 160nm、固形分41%、バイオマス度40%
実施例4のもの : 120nm、固形分40%、バイオマス度27%
実施例3のもの : 60nm、固形分40%、バイオマス度20%
実施例5のもの : 100nm、固形分45.4%、バイオマス度50%
ポリエチレンワックス : (固形分35質量%)ケミパールW-100、三井化学社製
消泡剤 : SNデフォーマー777、サンノプコ社製
(水性印刷インキ組成物)
PB-15:3、アルカリ可溶型水溶性樹脂(ジョンクリルHPD-671、BASFジャパン社製、固形分25%)、EOPOブロックポリマー、ジブチルグリコール、水の混合物をビーズミルで混練分散後、ロジン系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂エマルジョン、ポリエチレンワックス、消泡剤を表1の割合となるように加え混合して、水性印刷インキ組成物を得た。
(耐水耐摩性)
原紙(Kライナー)に200線ハンドプルーファーにて展色し、その展色物を、学振型摩擦堅牢度試験機を用いて評価した。
評価条件:200g×2回、当紙:カナキン布に水5滴を滴下したもの
◎:塗膜とられなし。
○:当紙にわずかにインキが付着。展色物のインキがわずかに取れているもの。
○△:当紙全面にインキ薄く付着。展色物のインキがわずかに取れているもの。
△:当紙全面にインキ薄く付着。展色物のインキが取れ、一部原紙が見える。
×:当紙全面にインキ濃く付着。展色物についてもインキが取れ、原紙の大部分が見える。
(耐摩性)
原紙(Kライナー)に200線ハンドプルーファーにて展色し、その展色物を、学振型摩擦堅牢度試験機を用いて評価した。
評価条件:200g×100回、当紙:カナキン布
◎:塗膜取られなし。
◎○:当紙に極わずかにインキが付着。展色物のインキが極わずかに取れている。
〇:当紙にわずかにインキが付着。展色物のインキがわずかに取れている。
〇△:当紙全面にインキが薄く付着。展色物のインキがわずかに取れている。
△:当紙全面にインキが付着。展色物のインキが取れ、一部原紙が見える。
×:当紙全面にインキが濃く付着。展色物についてもインキが取られ、原紙の大部分が見える。
(耐油耐摩性)
原紙(Kライナー)に200線ハンドプルーファーにて展色し、その展色物を、学振型摩擦堅牢度試験機を用いて評価した。
評価条件:200g×2回、当紙:カナキン布にサラダ油を5滴滴下したもの
◎:塗膜取られなし。
◎○:当紙に極わずかにインキが付着。展色物のインキが極わずかに取れている。
〇:当紙にわずかにインキが付着。展色物のインキがわずかに取れている。
〇△:当紙全面にインキが薄く付着。展色物のインキがわずかに取れている。
△:当紙全面にインキが付着。展色物のインキが取れ、一部原紙が見える。
×:当紙全面にインキが濃く付着。展色物についてもインキが取られ、原紙の大部分が見える。
(洗浄性)
φ0.10ワイヤーバーにて印刷版に展色後、15分後に水を浸み込ませた脱脂綿にて拭き取り、塗膜の取れ方を目視により評価した。
評価基準
◎:塗膜が取られ、印刷版の大部分が見える。
◎○:塗膜が取られ、インキが極わずかに印刷版に残っている。
〇:塗膜が取られ、インキがわずかに印刷版に残っている。
△:塗膜がわずかに取られ、インキの大部分が印刷版に残っている。
×:塗膜が取れない。
本発明に沿った例である実施例1~5の水性印刷インキ組成物によれば、中間層を有するために、優れた耐摩性を備えつつ、さらに耐油耐摩性と洗浄性にも優れた印刷部を形成できることがわかる。
一方、比較例1によれば、中間層を有しないので特に洗浄性に劣る結果となった。

Claims (4)

  1. 着色剤、顔料分散用樹脂、コア層とシェル層の間にバイオマス由来の原料から得た成分を含有する中間層を有する平均粒子径30~200nmのコアシェル構造エマルジョン型樹脂、水性媒体と、を含む水性印刷インキ組成物。
  2. 前記中間層が澱粉、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、及びポリエステル樹脂からなる1種以上を含有する請求項1に記載の水性印刷インキ組成物。
  3. 前記水性印刷インキ組成物は、バイオマス由来のカーボンニュートラル可能な原材料成分を水性印刷インキ組成物の固形分中に10質量%以上含有する、請求項1又は2に記載の水性印刷インキ組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の水性印刷インキ組成物が印刷されてなる印刷層。
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