JP7355657B2 - 雨水流出抑制設備 - Google Patents

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本発明は、雨水流出抑制設備に関する。
従来、集中豪雨が発生すると、下水道の排水能力や処理能力を超える雨水によって、合流式下水道における雨天時越流水や内水氾濫が生じている。
このような集中豪雨時における対策としては、例えば特許文献1に示されるように、地下に埋設され、雨水を一時的に貯留する雨水貯留施設や雨水浸透ます等を設置することで、下水道へ侵入する雨水量を削減したり、雨水の流出のタイミングをずらすことが行われている。
特開2011-236692号公報
しかしながら、上述したような従来の雨水貯留施設は、降雨時には有効活用されているが、無降雨時においては降雨時の雨水を貯留し、その貯留水を排出した後には、有効な使用用途がない現状である。そのため、降雨時だけでなく有効的に利用できる雨水貯留施設が求められており、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、降雨時には雨水貯留施設として有効利用しながら、無降雨時には生活排水や汚水を貯留して、その生活排水や汚水から熱を回収して有効利用することができる雨水流出抑制設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る雨水流出抑制設備は、路盤に埋設されて熱エネルギーを路面に供給する雨水流出抑制設備であって、地中に設置されて雨水流入部及び生活排水流入部を有し、流入した雨水や生活排水からなる排水が貯留される貯留設備と、前記貯留設備内で、前記雨水流入部側の第1領域と、前記生活排水流入部側の第2領域との間で水を透過させずに区画する区画手段と、前記貯留設備内の排水と前記路盤との間で熱エネルギーを伝達可能に配置された熱交換装置と、を備えていることを特徴としている。
本発明に係る雨水流出抑制設備では、降雨時の雨水を貯留設備に流入させて貯留することにより、雨水が下水道施設へ直接流入させることを防ぐことができる。これにより、下水道施設の負荷を低減することができ、下水道施設より雨水が流出することを抑制することができる。そして、本発明では、貯留設備の内部を第1領域と第2領域に区画する区画手段が設けられ、無降雨時には汚水を含む生活排水を生活排水流入部から流入させて第2領域に貯留し、降雨時には第2領域内の生活排水を排出し、雨水を雨水流入部から入流させて第1領域に貯留することができる。
このように、無降雨時には貯留設備内の生活排水の量を安定的に貯留しておくことができる。そのため、本発明では、貯留設備に溜まった生活排水を利用し、その水の熱エネルギーを熱交換装置を通じで回収し、所定領域の路面に対して熱供給することができる。例えば、冬季であれば外気よりも温かい貯留水の熱エネルギーを回収し路面に供給して暖めることで路面の積雪や凍結を防止することができ、夏季であれば外気より低温の貯留水の熱エネルギーにより路面を冷却することができる。このように、貯留設備には降雨時の雨水だけでなく、生活排水を貯留することができることから、無降雨時にも有効利用することができる。
また、本発明に係る雨水流出抑制設備は、前記区画手段は、柔軟性を有するシート状の区画膜であることを特徴としてもよい。
この場合には、区画膜で区画された第1領域に溜まった雨水の水圧や、第2領域に溜まった生活排水の水圧に応じて区画膜が揺動し、区画膜の位置に応じて第1領域や第2領域の体積を変化させることができる。そのため、降水時には貯留設備が雨水で貯留されるように第1領域側のみに雨水を流入させて貯留することができ、無降雨時には貯留設備が生活排水で貯留されるように第2領域側のみに生活排水を流入させて貯留することができる。このとき、区画膜の柔軟性として一方の領域が貯留設備の体積と同程度になる膜材を使用することで、雨水を貯留設備全体に溜めることができる。
また、本発明に係る雨水流出抑制設備は、前記熱交換装置は、前記貯留設備の壁面に沿って配置されていることを特徴としてもよい。
この場合には、貯留設備の内側に熱交換装置が介在しないため、貯留設備に他の設備を配置する際に干渉することなく熱交換装置を配置することができる。
本発明の雨水流出抑制設備によれば、降雨時には雨水貯留施設として有効的に利用しながら、無降雨時には生活排水を貯留して、生活排水から熱を回収して有効利用することができる。
本発明の実施形態による雨水流出抑制設備の構成を示す縦断面図である。 図1に示す雨水流出抑制設備において生活排水を貯水槽に貯留した状態を示す縦断面図である。 図1に示す雨水流出抑制設備において雨水を貯水槽に貯留した状態を示す縦断面図である。 変形例による雨水流出抑制設備の構成を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態による雨水流出抑制設備について、図面に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態による雨水流出抑制設備1は、マンションやオフィスビル等の建物10から出た汚水を含む生活排水(以下、生活排水Wという)や雨水Rを地下に貯水する機能と、貯留された生活排水Wから熱エネルギーを回収して路面11Aに熱エネルギーを供給するためのシステム、もしくは路面11Aから熱エネルギーを回収して貯留された生活排水Wに熱エネルギーを供給するためのシステムである。
ここで、図1及び図2において、符号15は下水管、符号18は私有地外の排水管をそれぞれ示している。
雨水流出抑制設備1は、地中に設置されて雨水流入管12(雨水流入部)及び生活排水流入管13(生活排水流入部)を有し、流入した雨水Rや生活排水Wが貯留される貯留槽2(貯留設備)と、貯留槽2内で、雨水流入口12A側の第1領域4Aと、生活排水流入口13A側の第2領域4Bとの間で水を透過させずに区画するシート状の区画膜4と、貯留槽2内の生活排水Wと路盤11との間で熱エネルギーを伝達可能に配置された熱交換装置3と、を備えている。
貯留槽2は、無降雨時に常に生活排水Wを一定量貯留しているため、生活排水Wの流量が少ない下水の幹線沿いでなくとも熱エネルギーを確保できる。さらに、生活排水Wを対象とすることで、低温の雨水の侵入がなく熱エネルギーの低下を防止することができる。ここで、本実施形態では、貯留槽2は建物10と下水管15との間に配置され、貯留槽2において建物10側を上流側、下水管15側を下流側とする。
貯留槽2は、底板21、側板22、及び天板23を有する箱型の槽である。貯留槽2には、天板23の下流寄りの位置から建物10及び建物10近傍の雨水Rを流入させるための雨水流入管12が雨水流入口12Aに設置され、上流側の側板22の上部から建物10の生活排水Wを流入させるための生活排水流入管13が生活排水流入口13Aに設置されている。
貯留槽2の側板22の上部には、貯留される雨水Rをオーバーフローさせて下水管15へ流出させるための流出管14が接続されている。なお、貯留槽2には、雨水排出ポンプ24が設けられ、貯留槽2内の雨水Rが流出管14へ強制的に排出されるようにもなっている。
ここで、生活排水流入管13側を上流とし、雨水流入管12側を下流として以下説明する。
貯留槽2の生活排水流入口13Aの下方には、生活排水Wを下水管15に排出する排出量を調整する排出制御装置16が設けられている。排出制御装置16は、貯留槽2の第2領域と下水管15とを連結する排出管17の開閉量を制御し、貯留槽2内の生活排水Wが一定水量以下となるように管理されている。
貯留槽2には、側板22に沿って路盤11に埋設されている熱交換装置3の一部が配置されている。熱交換装置3の先端部が配置され、熱交換装置3に生活排水Wの熱が効率よく伝達されるように構成されている。
区画膜4は、図2に示すように、外周縁4aの全周が貯留槽2の内周面に対してボルト等の適宜な固定手段により固定されている。区画膜4の外周縁4aの固定位置は、貯留槽2の長さ方向(紙面で左右方向)の略中央部となる。なお、区画膜4の外周縁4aの固定としては、全周が貯留槽2の内周面に対して液密に密着されているし、部分的に固定されて区画される左右の領域4A、4B同士が部分的に連通する隙間が形成されていてもよい。
区画膜4は、貯留槽2に固定された状態で袋状に形成され、その袋状の収容部4bが外周縁4aを基点にして左右に柔軟に動くことが可能で、収容部4bが反転可能になっている。
区画膜4が図2に示すように外周縁4aを支点にして下流側に位置したときには、収容部4bが上流側を向いた状態となる。つまり、生活排水流入口13Aから流入する生活排水W側の第2領域4Bの体積が大きくなり、雨水R側の第1領域4Aの体積が小さくなる。一方、区画膜4が図3に示すように外周縁4aを支点にして上流側に位置したときには、収容部4bが下流側を向いた状態となる。つまり、雨水流入口12Aから流入する雨水R側の第1領域4Aの体積が大きくなり、生活排水W側の第2領域4Bの体積が小さくなる。
区画膜4は、水分を通過させないシート状の膜部材から形成されている。区画膜4の材質としては、劣化しにくい部材が好ましく、例えばゴム製の部材を採用することができる。
熱交換装置3は、図2に示すように、環状に設けられ、管内に封入された不凍液をポンプ(図示省略)で循環させるものである。例えば路面に熱エネルギーを供給する場合では、熱交換装置3は、管の一部で貯留槽2内の生活排水Wに接する熱回収部3Bと、管の他の一部で路盤11に接する熱供給部3Aと、を有する。熱回収部3Bでは、管内部の不凍液が外部(生活排水W)との温度差により熱エネルギーを回収する。ポンプによって強制的に循環し、熱供給部3Aでは、不凍液が外部(路盤11)との温度差により熱エネルギーを供給する。ポンプ循環により、再び熱回収部3Bで熱エネルギーを回収するように還流する。
熱交換装置3の管内に封入される不凍液としては、一般的なものでよく、例えばプロピレングリコールやエチレングリコール、ジエチレングリコール、メチルアルコール、イソプロパノール等を混合した水などの液体が用いられる。
なお、熱交換装置3としては、本実施形態のように不凍液をポンプで循環させる形態であることに制限されることはなく、単に管内に不凍液が封入されただけのものやヒートパイプであってもかまわない。この場合には、路面に熱エネルギーを供給する場合を想定している。
次に、上述した雨水流出抑制設備1の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、図1に示すように、降雨時の雨水を貯留槽2に流入させて貯留することにより、雨水が下水管15へ直接流入させることを防ぐことができる。これにより、下水管15への負荷を低減することができ、雨天時越流水や内水氾濫を抑制することができる。
そして、本実施形態では、貯留槽2の内部を第1領域4Aと第2領域4Bに区画する区画膜4が設けられ、図2に示すように、無降雨時には汚水を含む生活排水Wを生活排水流入口13Aから流入させて第2領域4Bに貯留し、図3に示すように、降雨時には排出制御装置16により第2領域4B内の生活排水Wを排出し、雨水Rを雨水流入口12Aから入流させて第1領域4Aに貯留することができる。
このように、無降雨時には貯留槽2内の排水Wの量を安定的に貯留しておくことができる。そのため、本実施形態では、貯留槽2に溜まった生活排水Wを利用し、その水の熱エネルギーを熱交換装置3を通じで回収し、所定領域の路面11Aに対して熱供給することができる。例えば、冬季であれば外気よりも温かい生活排水Wの熱エネルギーを回収し路面11Aに供給して暖めることで路面11Aの積雪や凍結を防止することができ、夏季であれば外気より低温の生活排水Wの熱エネルギーにより路面11Aを冷却することができる。このように、貯留槽2には降雨時に雨水を貯留できるだけでなく、無降雨時には生活排水Wを貯留することができることから、無降雨時にも有効利用することができる。
また、本実施形態では、区画膜4が柔軟性を有するシート状をなしているので、区画膜4で区画された第1領域4Aに溜まった雨水Rの水圧や、第2領域4Bに溜まった生活排水Wの水圧に応じて区画膜4が揺動し、区画膜4の位置に応じて第1領域4Aや第2領域4Bの体積を変化させることができる。
そのため、図3に示すように、降水時には貯留槽2が雨水Rで貯留されるように排出制御装置16により第2領域4B内の生活排水Wを排出し、第1領域4Aのみに雨水Rを流入させて貯留することができ、図2に示すように、無降雨時には貯留槽2が生活排水Wで貯留されるように雨水排出ポンプ24により第1領域4A内の雨水Rを排出し、第2領域4B側のみに生活排水Wを流入させて貯留することができる。このとき、区画膜4の柔軟性として一方の領域が貯留槽2の体積と同程度になる膜材を使用することで、雨水を貯留槽2全体に溜めることができる。
また、本実施形態では、熱交換装置3が貯留槽2の壁面(側板22)に沿って配置されていて、貯留槽2の内側に熱交換装置3が介在しないため、貯留槽2に他の設備を配置する際に干渉することなく熱交換装置3を配置することができる。
上述のように本実施形態による雨水流出抑制設備1では、降雨時には雨水貯留施設として有効利用しながら、無降雨時には生活排水を貯留して、その生活排水から熱を回収して有効利用することができる。
以上、本発明による雨水流出抑制設備の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、図4に示す変形例による雨水流出抑制設備1Aのように、無降雨時において建物10から生活排水流入管13を通じて貯留槽2には流入される排水Wは生活排水のみとし、汚水Qを生活排水流入管13とは別で設けられる汚水排出管19を通じて貯留槽2を経由せずに直接、排出管17を介して下水管15に流出させる構成としてもよい。
また、貯留した雨水の排出先として下水管15ではなく、雨水管(不図示)であってもよい。つまり雨水と汚水を含む生活排水を同じ管路で下水処理場へ送付する合流式下水道でなく、雨水と汚水を含む生活排水を別の管路で処理する分流式下水道であってもよい。
また、上述した実施形態では、貯留槽2に設けられる区画手段としてシート状の区画膜を採用しているが、これに限定されることはない。例えば、鋼製の水門や堰のような区画壁を採用してもよい。
さらに、本実施形態では、熱交換装置3として、貯留槽2の壁面に沿って配置された構成としているが、このような配置であることに限定されることはない。
さらに、貯留槽2の形状、大きさ、地中の位置等の構成は、建物10から流入される排水量、建物10周囲のスペース等の条件を考慮して最適に設計すれば良い。
例えば、貯留槽2の底板21を下流から上流に向けて下向きとなる傾斜面を形成するようにしてもよい。これにより、生活排水流入管13から流入された固形物が下り傾斜面に沿って上流側に移動させ、上流側でその固形物を集め排出制御装置16を通して下水管15へ排出することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 雨水流出抑制設備
2 貯留槽(貯留設備)
3 熱交換装置
3A 熱供給部
3B 熱回収部
4 区画膜(区画手段)
4A 第1領域
4B 第2領域
10 建物
11 路盤
12 雨水流入管
12A 雨水流入口
13 生活排水流入管
13A 生活排水流入口
14 流出管
15 下水管
16 排出制御装置
17 排出管
R 雨水
W 排水

Claims (3)

  1. 路盤に埋設されて熱エネルギーを路面に供給する雨水流出抑制設備であって、
    地中に設置されて雨水流入部及び生活排水流入部を有し、流入した雨水や生活排水からなる排水が貯留される貯留設備と、
    前記貯留設備内で、前記雨水流入部側の第1領域と、前記生活排水流入部側の第2領域との間で水を透過させずに区画する区画手段と、
    前記貯留設備内の排水と前記路盤との間で熱エネルギーを伝達可能に配置された熱交換装置と、
    を備えていることを特徴とする雨水流出抑制設備。
  2. 前記区画手段は、柔軟性を有するシート状の区画膜であることを特徴とする請求項1に記載の雨水流出抑制設備。
  3. 前記熱交換装置は、前記貯留設備の壁面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の雨水流出抑制設備。
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