JP7360154B2 - Δ4デサチュレースによるドコサヘキサエン酸合成 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なΔ4デサチュレースに関する。本発明のΔ4デサチュレースを利用して、ドコサへキサエン酸を製造することが可能である。
ドコサへキサエン酸は、様々な生理作用を持ち、機能性食品などに利用されており、その需要は非常に高い。Δ4デサチュレースはドコサペンタエン酸をドコサへキサエン酸に変換する酵素であり、ドコサへキサエン酸の生合成において重要な役割を果たす。Δ4デサチュレースは幾つかの生物から単離されており、例えば、Pavlova salina由来のΔ4デサチュレース(GenBank ID: AY926606)、Euglena gracilis由来のΔ4デサチュレース(GenBank ID: AY278558、非特許文献1)、Thraustochytrium aureum由来のΔ4デサチュレース(GenBank ID: AF391546)などが知られている。
Meyer,A., Cirpus,P., Ott,C., Schlecker,R., Zahringer,U. and Heinz,E., Biosynthesis of docosahexaenoic acid in Euglena gracilis: biochemical and molecular evidence for the involvement of a Delta4-fatty acyl group desaturase, Biochemistry 42 (32), 9779-9788 (2003)
上記のように、Δ4デサチュレースは既に幾つか知られているが、ドコサへキサエン酸の高い需要を考えると、より多くの生物からこの酵素を得ることが望まれる。本発明は、このような背景の下になされたものであり、新規なΔ4デサチュレースを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、サルシノクリシス・マリナ(Sarcinochrysis marina)という藻類が、既知のΔ4デサチュレースとは大きくアミノ酸配列が異なるΔ4デサチュレースを有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)~(4)を提供する。
(1)下記の(a)、(b)、又は(c)のタンパク質、
(a)配列番号2、4、6、又は8で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b)配列番号2、4、6、又は8で表されるアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸残基が置換、付加又は欠失したアミノ酸配列からなり、かつΔ4デサチュレース活性を有するタンパク質、
(c)配列番号2、4、6、又は8で表されるアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつΔ4デサチュレース活性を有するタンパク質。
(2)(1)に記載のタンパク質をコードする遺伝子。
(3)(2)に記載の遺伝子を有し、この遺伝子が発現することにより、Δ4デサチュレースを生産できる組換え細胞。
(4)(3)に記載の組換え細胞を、ドコサペンタエン酸を含む培地中で培養し、前記組換え細胞にドコサヘキサエン酸を生産させ、生産されたドコサヘキサエン酸を採取することを特徴とするドコサヘキサエン酸の製造方法。
本発明は、新規なΔ4デサチュレースを提供する。Δ4デサチュレースは、ドコサペンタエン酸をドコサへキサエン酸へと変換するので、本発明のΔ4デサチュレースを利用して、ドコサへキサエン酸を製造することが可能である。
デサチュレースの分子系統樹1。 デサチュレースの分子系統樹2。 分子系統解析に用いた生物種。 アライメント解析。 ドメイン構造。 GC-FID解析。 イオンクロマトグラム(g5079.t1)。 イオンクロマトグラム(g1444.t1)。 イオンクロマトグラム(g4596.t1)。 Rt = 35.758 のマススペクトル。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)タンパク質
本発明のタンパク質は、(a)配列番号2、4、6、若しくは8で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、(b)配列番号2、4、6、若しくは8で表されるアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸残基が置換、付加若しくは欠失したアミノ酸配列からなり、かつΔ4デサチュレース活性を有するタンパク質、又は(c)配列番号2、4、6、若しくは8で表されるアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつΔ4デサチュレース活性を有するタンパク質である。
(a)のタンパク質は、サルシノクリシス・マリナ由来の新規なΔ4デサチュレースである。ここで、「Δ4デサチュレース」とは、Δ4デサチュラーゼ、Δ4不飽和化酵素、Δ4脂肪酸不飽和化酵素などとも呼ばれ、ドコサペンタエン酸をドコサへキサエン酸に変換する酵素である。配列番号2、4、6、及び8で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質は、それぞれg5079.t1_protein、g1444.t1_protein、g4596.t1_protein、及びg6961.t1_proteinという名称が付けられている。これら4種類のΔ4デサチュレースは、いずれも既知のΔ4デサチュレースとのアミノ酸配列の同一性が低く、例えば、Pavlova salina由来のΔ4デサチュレース(AY926606.1_protein)のアミノ酸配列に対する同一性は50%以下である。
(b)のタンパク質において、置換、付加又は欠失する1又は複数のアミノ酸残基の数は、1以上の整数であれば特に限定されない。例えば、1~数十程度、好ましくは1~15程度、より好ましくは1~10程度、さらに好ましくは1~5程度、特に好ましくは、1、2、3若しくは4程度とすることができる。
(c)のタンパク質において、配列番号2、4、6、又は8で表されるアミノ酸配列との同一性は、60%以上であれば特に限定されないが、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、更に好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95%以上である。同一性の値は更に高くてもよく、例えば、97%以上、98%以上、又は99%以上とすることもできる。
(b)及び(c)のタンパク質は、Δ4デサチュレース活性を有する。ここで、「Δ4デサチュレース活性を有する」とは、ドコサペンタエン酸をドコサへキサエン酸に変換する反応を触媒する活性を有することをいう。タンパク質がΔ4デサチュレース活性を有することは、例えば、酵母等の宿主細胞内で機能するプロモーターの下流にタンパク質をコードする遺伝子を連結した融合遺伝子を、Δ4デサチュレース遺伝子を持たない宿主細胞へ導入し、ドコサペンタエン酸存在下、導入した遺伝子が発現する条件で培養して、宿主細胞又は培養液中のドコサへキサエン酸の量をガスクロマトグラフィー解析等の方法を用いて測定することにより、確認することができる。
(2)遺伝子
本発明の遺伝子は、上記の本発明のタンパク質をコードする遺伝子である。
本発明の遺伝子には、(d)配列番号1、3、5、又は7で表される塩基配列からなる遺伝子、(e)配列番号1、3、5、又は7で表される塩基配列において1又は複数の塩基が置換、付加又は欠失した塩基配列からなる遺伝子、及び(f)配列番号1、3、5、又は7で表される塩基配列と60%以上の同一性を有する塩基配列からなる遺伝子が含まれる。
(d)の遺伝子は、サルシノクリシス・マリナ由来の新規なΔ4デサチュレース遺伝子である。配列番号1、3、5、及び7で表される塩基配列からなる遺伝子は、それぞれg5079.t1、g1444.t1、g4596.t1、及びg6961.t1という名称が付けられている。
(e)の遺伝子において、置換、付加又は欠失する1若しくは複数の塩基の数は、1以上の整数であれば特に限定されない。例えば、1~数十程度、好ましくは1~15程度、より好ましくは1~10程度、さらに好ましくは1~5程度、特に好ましくは、1、2、3若しくは4程度とすることができる。
(f)の遺伝子において、配列番号1、3、5、又は7で表される塩基配列との同一性は、60%以上であれば特に限定されないが、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、更に好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95%以上である。同一性の値は更に高くてもよく、例えば、97%以上、98%以上、又は99%以上とすることもできる。
なお、塩基配列の同一性は、例えば、リップマン-パーソン法(Lipman-Pearson法;Science, 227, 1435(1985))によって計算される。具体的には、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx-Win(Ver.5.1.1;ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search Homology) プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行うことにより算出される。アミノ酸配列の同一性は、NCBI(National Center of Biotechnology Information) から提供されているBLASTPのプログラムを用いて算出することができる。
(3)組換え細胞
本発明の組換え細胞は、上記の本発明の遺伝子を有し、この遺伝子が発現することにより、Δ4デサチュレースを生産できるものである。
本発明の組換え細胞は、適当な宿主細胞に、上記の本発明の遺伝子を導入することにより、作製できる。
宿主細胞は特に限定されず、原核細胞、真核細胞のいずれでもよい。原核細胞の例としては、細菌、放線菌が挙げられ、真核細胞の例としては、酵母、糸状菌、微細藻類が挙げられる。これらのうち、酵母が宿主細胞として特に好ましく用いられる。
宿主細胞に遺伝子を導入する方法は特に限定されず、宿主細胞の種類等によって適宜選択すればよい。例えば、宿主細胞に導入可能でかつ組み込まれた遺伝子を発現可能なベクターを用いることができる。ベクターは、上記の本発明の遺伝子のほか、プロモーターや転写終結配列などを含むものであることが好ましい。また、g1444.t1_proteinのように、シトクロームb5ドメイン構造を持たないΔ4デサチュレースの遺伝子を導入する場合は、シトクロームb5をコードする遺伝子を一緒に導入してもよい。
(4)ドコサへキサエン酸の製造方法
本発明のドコサヘキサエン酸の製造方法は、上記の本発明の組換え細胞を、ドコサペンタエン酸を含む培地中で培養し、組換え細胞にドコサヘキサエン酸を生産させ、生産されたドコサヘキサエン酸を採取することを特徴とするものである。
培養条件は、組換え細胞の宿主に応じて適宜選択することができ、その宿主に対して通常用いられる培養条件を使用できる。
組換え細胞において生産されたドコサヘキサエン酸を採取する方法としては、通常生体内の不飽和脂肪酸などを単離する際に用いられる方法、例えば、培養物や細胞から、ろ過、遠心分離、破砕、クロマトグラフィー、溶媒抽出などによりドコサヘキサエン酸を単離、回収する方法が挙げられる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕 Δ4デサチュレースの候補の特定
エイコサペンタエン酸やドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸といったω-3多価不飽和脂肪酸は栄養学的に有用であり、機能性食品等に用いられている。本件では、ドコサヘキサエン酸の生産に関与するタンパク質の探索を行った。
以下の手法でサルシノクリシス・マリナ(Sarcinochrysis marina)のゲノム配列を解析し、脂肪酸の不飽和化を担う酵素の一種であるΔ4デサチュレース(以下、「Δ4-DES」という場合がある。)の候補物質を特定した。また一般に、デサチュレースの基質特異性はその構造からは推測が難しいとされているため、候補は複数得た。
S. marinaのΔ4-DESを推定するために、デサチュレースの分子系統樹を作成した。様々な生物種のデサチュレースのアミノ酸配列を収集するために、JGI genomic database(https://jgi.doe.gov/)の54生物種のタンパク質配列及びS. marinaのタンパク質配列から、NCBI BLASTP(2.7.1+)により既知のΔ4デサチュレースのアミノ酸配列としてGenbank ID: AY926606(Pavlova salina), AY278558(Euglena gracilis), AF391546(Thraustochytrium aureum)をQueryとし、P-value 1e-15以下となる類似タンパク質を抽出した。これらのタンパク質配列は、MAFFT(v7.222)を用いて、アミノ酸配列のアライメントを行い、trimAl(v1.2)を用いて、系統学的推定に用いる領域を選定した。その結果抽出された91タンパク質の162領域を用いてAminosan(v1.0)によりアミノ酸置換モデルを推定した。その結果に基づいて置換モデルLG + F + G(8)(図1)及びLG + G(8)(図2)より、MEGA(version 7)を用いて最尤法により分子系統樹を作成した。図の中央上部の縦棒はアミノ酸置換距離を示し、各枝の数値はブーツストラップ法による500回の試行による枝の再現確率を示す。不飽和化部位が既知のデサチュレースは、その不飽和化部位を表記し、S. marinaのアミノ酸配列及びQueryに用いたΔ4デサチュレースは黒枠で囲んだ。図中に示される各生物種は図3に示した。
その結果、S. marinaのΔ4-DES遺伝子の候補としてg5079.t1(図1、2)及びg1444.t1(図1)及びg4596.t1(図1,2)及びg6961.t1(図2)を得た。g5079.t1遺伝子の塩基配列及びそれがコードするアミノ酸配列を、それぞれ配列番号1及び2に示した。g1444.t1遺伝子の塩基配列及びそれがコードするアミノ酸配列を、それぞれ配列番号3及び4に示した。g4596.t1遺伝子の塩基配列及びそれがコードするアミノ酸配列を、それぞれ配列番号5及び6に示した。g6961.t1遺伝子の塩基配列及びそれがコードするアミノ酸配列を、それぞれ配列番号7及び8に示した。
〔実施例2〕 Δ4-DESのアミノ酸配列のアライメント
図4にアミノ酸配列のアライメントを示す。アライメントの作成にはMultiple Sequence Alignment by CLUSTALW(https://www.genome.jp/tools-bin/clustalw)を用いて、各アミノ酸配列の全長を酵素活性が既知であるGenbank ID: AY926606(Pavlova salina)と比較した。
図中の記号"*"では完全に一致している、":"では強い類似性のあるグループに属している、"."では,弱い類似性のあるグループに属していることを示している。g5079.t1_protein 及びg1444.t1_protein及びg4596.t1_protein 及びg6961.t1_proteinと、AY926606.1_proteinとの同一性はそれぞれ41.055%、20.2073%、 16.5548%、16.5877%である。
〔実施例3〕 Δ4-DESのドメイン構造
次にそれぞれのドメイン構造を図5に示す。ドメイン構造解析はHMMER(https://www.ebi.ac.uk/Tools/hmmer/)を用いて行った。図中の各ドメインは以下のものを指す。
「Cyt-b5」:Cytochrome b5-like Heme/Steroid binding domain
「FA_desaturase」:Fatty acid desaturase
デサチュレースは電子供与体としてシトクロームb5が必須であると考えられている(Mitchell and Martin 1995 ; Qiu et al. 2002)。g1444.t1_proteinでのみシトクロームb5ドメイン構造が見られないが、これはg1444.t1_proteinを導入した出芽酵母株において活性が確認されなかったことの大きな一因であると考えられる。
〔実施例4〕 Δ4-DES活性の確認
以下、出芽酵母を用いて行ったΔ4-DES活性の確認実験について述べる。
〔方法〕
出芽酵母における発現コンストラクトは、pYES2_NotI_V5His6ベクター上に作成した。このベクターは、pYES2.1/V5-His-TOPO (Invitorogen) のクローニングサイトにNotIサイトを付与させた改変ベクターで、本発明者の所属する研究室において作成したものである(未公開)。ベクターが導入された酵母は、ウラシルを含まない培地上で生育することができる。
(1)S. marina Δ4-DES候補を下記のプライマーセットを用いてPCRにより増幅し、上述のpYES2_NotI_V5His6のNotIサイトにIn-fusion HD Cloning Kitを用いて導入し、出芽酵母形質転換のためのコンストラクトを作製した。尚、V5-His6をC末端側に付与していない。
・g5079.t1
F:CTCGCCCTTGCGGCCATGTGCAAGCCCGACTTC(配列番号9)
R:CTCGCCCTTGCGGCCTTAGTCGAGCTTGGTCTCG(配列番号10)
・g1444.t1
F:CTCGCCCTTGCGGCCATGACCTGCGAAGCGCC(配列番号11)
R:CTCGCCCTTGCGGCCCTACAGCTCTTTGACGCGGG(配列番号12)
・g4596.t1
F:CTCGCCCTTGCGGCCATGGGCAAGGGAGGCCAGCG(配列番号13)
R:CTCGCCCTTGCGGCCTCACATGGCGGGGAAGTCGC(配列番号14)
その後、導入した塩基配列にエラーがないことをシークエンシングにより確認した。g5079.t1、g1444.t1、及びg4596.t1を導入したコンストラクトの塩基配列を、それぞれ配列番号15、16、及び17に示した。
(2)作成したS. marina Δ4-DES / pYES2ならびに、コントロールとしてpYES2.1/V5-His /LacZ (Invitrogen)をそれぞれ出芽酵母株(W303-1B, MATα{leu2-3,112 trp1-1 can1-100 ura3-1 ade2-1 his3-11,15, rad5-535})に酢酸リチウム法を用いて導入し、2%グルコースを含むウラシル欠乏合成培地 (SC-Ura medium; 6.7 g /L Yeast Nitrogen Base, 0.77 g /L SC-Ura; MP Biomedicals) 上で選抜した。その後、PCRを用いて形質転換が確実に行われていることを確認した。
(3)得られた形質転換酵母株を、2%ラフィノースを含むSC-Ura培地200 mLに懸濁し、30℃で一晩、前培養を行った。その後、2%ガラクトース、500μM Docosapentaenoic acid及び0.25% Sorbitan Monolaurateを含むSC-Ura培地250 mLに、初期細胞濃度がOD600=0.4となるよう前培養した細胞を懸濁し、30℃、120 rpmで培養を行った。
(4)培養24時間後、培養液20 mLを遠心分離により回収し、細胞を水で3回洗浄した。その後、Bligh&Dyer法による脂質抽出を行った。
(5)得られた総脂質500μgに100μL 1 mM C21:0ならびに400μL塩酸メタノールを加えて85℃ 1時間の反応を行った。その後、ヘキサンを用いて脂肪酸メチルエステルを抽出し、GCサンプルとしGC-FID及びGC-MS解析を行った。
<GC-FID条件>
分析装置:Nexis GC-2030(島津製作所製)
カラム:URBON-HR-SS-10(25m×0.25mmI.D df=0.25μm)
キャリアガス:高純度ヘリウム
オーブン温度:180℃ 保持17分→210℃(3℃/min昇温)→210℃保持7分→180℃(15℃/min降温)→180℃
注入口温度:250℃
注入方法:スプリット
スプリット比:40.0:1
注入量:2 .0μL
検出器温度:250℃
<GC-MS条件>
分析装置:GCMS-TQ8050 (島津製作所製)
1st カラム SH-Rtx-1614 15m×0.25mmI.D df=0.10μm
2nd カラム BPX50 2.5m×0.10mmI.D df=0.10μm
オーブン温度:40℃ 保持2分→160℃(30℃/min昇温)→270℃(2℃/min降温)→270℃ 保持5分
キャリアガス:高純度ヘリウム
気化室温度:250℃
注入方法:スプリット
スプリット比: 1:1
注入量:1.0μL
Modulation Period:12 sec
Hot Jet Duration:350 msec (325℃)
インターフェース温度:240 ℃
イオン源温度:230℃
イオン化モード:EI
測定モード:スキャン
質量範囲:m/z=45-1000
スキャン速度:20000 u/sec
〔結果〕
図6にGC-FID結果を示す。図6(A)は出芽酵母W303-1B株にコントロールとしてLacZ遺伝子を導入して得られた形質転換体の培養細胞から抽出した総脂質のガスクロマトグラフィー解析により得られたクロマトグラムである。図6(B)は出芽酵母W303-1B株にg5079.t1遺伝子を導入して得られた形質転換体の培養細胞から抽出した総脂質のガスクロマトグラフィー解析により得られたクロマトグラムである。図6(C)は出芽酵母W303-1B株にg1444.t1遺伝子を導入して得られた形質転換体の培養細胞から抽出した総脂質のガスクロマトグラフィー解析により得られたクロマトグラムである。図6(D)は出芽酵母W303-1B株にg4596.t1遺伝子を導入して得られた形質転換体の培養細胞から抽出した総脂質のガスクロマトグラフィー解析により得られたクロマトグラムである。
図6に示すように、g5079.t1遺伝子及びg4596.t1遺伝子を導入した形質転換体において、Δ4デサチュレースの生成物であるドコサヘキサエン酸(DHA,22:6)とみられるピークを確認した。そこで、ガスクロマトグラフ質量分析に供することにより図7、8に示す同定を行った。
図7Aは出芽酵母W303-1B株にg5079.t1遺伝子を導入して得られた形質転換体の培養細胞から抽出した総脂質の包括的2次元ガスクロマトグラフィー解析により得られた全イオンクロマトグラムである。図7Bは出芽酵母W303-1B株にg4596.t1遺伝子を導入して得られた形質転換体の培養細胞から抽出した総脂質の包括的2次元ガスクロマトグラフィー解析により得られた全イオンクロマトグラムである。図7CはDHAメチルエステルを含む標準物質の、包括的2次元ガスクロマトグラフィー解析により得られた全イオンクロマトグラムである。DHAメチルエステルの保持時間は35.758である。
図8は、DHAメチルエステルの保持時間35.758分のマススペクトルを比較した図である。g5079.t1及びg4596.t1導入酵母で得られたマススペクトルはDHAメチルエステルと一致していた。
本発明のタンパク質を利用して、機能性食品やサプリメントとして有用なドコサへキサエン酸を製造できるので、本発明は、食品や医薬に関連する産業分野において利用可能である。

Claims (4)

  1. 下記の(a)、(b)、又は(c)のタンパク質、
    (a)配列番号2又は6で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
    (b)配列番号2又は6で表されるアミノ酸配列において1~15のアミノ酸残基が置換、付加又は欠失したアミノ酸配列からなり、かつΔ4デサチュレース活性を有するタンパク質、
    (c)配列番号2又は6で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつΔ4デサチュレース活性を有するタンパク質。
  2. 請求項1に記載のタンパク質をコードする遺伝子。
  3. 請求項2に記載の遺伝子が導入されてなり、この遺伝子が発現することにより、Δ4デサチュレースを生産できる組換え細胞。
  4. 請求項3に記載の組換え細胞を、ドコサペンタエン酸を含む培地中で培養し、前記組換え細胞にドコサヘキサエン酸を生産させ、生産されたドコサヘキサエン酸を採取することを特徴とするドコサヘキサエン酸の製造方法。
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戦略的創造研究推進事業CREST研究領域「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」研究課題「植物栄養細胞をモデルとした藻類脂質生産系の戦略的構築 」研究終了報告書、研究期間 平成23年10月~平成29年3月,2017年,1-61
生物工学,2012年,90(7),392-395

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