JP7363583B2 - 絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁回路基板の製造方法に関する。
金属板と、セラミックス基板とを接合してなる回路基板として、例えば、特許文献1及び2に記載の絶縁回路基板が知られている。これら特許文献1及び2に記載の絶縁回路基板は、AIN(窒化アルミニウム)、Al(アルミナ)、又はSi(窒化ケイ素)等からなるセラミックス基板を備えており、このセラミックス基板の一方の面に第1金属板が接合されて形成された回路層が設けられるとともに、他方の面に第2金属板が接合されて形成された放熱層が設けられている。
このような絶縁回路基板では、回路層が溝により複数に分断されることにより、複数の回路パターンを形成しているため、回路層のパターン形状と放熱層のパターン形状とが異なっている。
特許第3211856号公報 特開2014-172802号公報
ところで、上記特許文献1及び2に開示されている絶縁回路基板は、第1金属板、セラミックス基板及び第2金属板を重ねた積層体を積層方向に加圧しながら加熱することにより接合される。しかしながら、これらの接合時に、回路層となる第1金属板の形状や厚さと、放熱層となる第2金属板の形状や厚さとが異なると、絶縁回路基板に反り(回路層を上側とする凸状の反り)が発生する。特に、第1金属板が複数の金属板からなり、第2金属板が1枚の金属板からなる場合には、反りが大きくなり、また、反りの方向(回路層側に凸となるか凹となるか)がバラバラとなる。
この反りの低減及び反りの方向制御のため、加圧の際に所定の曲率半径を有する押圧板を用いて接合を行うが、この場合、第1金属板のセラミックス基板に対する位置ずれが生じる。この反りが大きい場合や、位置ずれが生じていると、回路層上への半導体素子等の実装時に位置ずれが発生しやすくなるため、絶縁回路基板は、その反り量が小さいものが望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、接合時の位置ずれを抑制でき、かつ、反り量を低減でき、反りの方向を統一した絶縁回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の絶縁回路基板の製造方法は、セラミックス基板の一方の面に第1金属板を配置するとともに、前記セラミックス基板の他方の面に第2金属板を配置して、これら積層体を積層方向に押圧した状態で接合する接合工程を有し、
前記接合工程では、前記第1金属板を押圧する凸曲面を有する第1押圧板と前記第2金属板を押圧する凹曲面を有する第2押圧板とを用い、前記第1金属板の前記セラミックス基板とは反対側の面である第1面を平板からなる第1接触板を介して前記凸曲面で押圧するともに、前記第2金属板の前記セラミックス基板とは反対側の面である第2面を平板からなる第2接触板を介して前記凹曲面で押圧することにより、前記積層体を前記第1接触板及び前記第2接触板との間に挟持して変形させた状態で加熱し、
前記第1押圧板及び前記第2押圧板は、ヤング率が100GPa以上の板材からなるとともに、前記第1接触板及び前記第2接触板は、ヤング率が1GPa以上70GPa以下、厚さが0.5mm以上50mm以下に設定されている。
なお、第1接触板及び第2接触板のヤング率と厚さは25℃における値である。
本発明では、絶縁回路基板の接合後に生じ得る反りの方向とは逆方向に反らせながら第1金属板、セラミックス基板及び第2金属板の積層体を押圧することで、絶縁回路基板の接合後の反りを抑制でき、反りの方向を統一できる。
ここで、第1押圧板の凸曲面により第1金属板の第1面を直接押圧するとともに、第2押圧板の凹曲面により第2金属板の第2面を直接押圧する場合、まず、凸曲面の先端が第1面の中央に接触し、徐々に第1面への接触範囲が中央から外周側に拡大して押圧されていく。一方、凹曲面では、その外周端が第2面の外周縁に接触し、第2面への接触範囲が外周縁から中央側に拡大して押圧されていく。この場合、凸曲面及び凹曲面のそれぞれは、第1金属板の第1面及び第2金属板の第2面の全領域を最初から押圧することができないため、この凸曲面及び凹曲面の押圧力により、第1金属板及び第2金属板がセラミックス基板上で滑って位置ずれが生じる場合がある。
これに対し、本発明では、凸曲面と第1面との間に第1接触板が配置され、凹曲面と第2面との間に第2接触板が配置された状態で、積層体の押圧が開始されると、まず、凸曲面の先端が第1接触板の中央に接触する。この第1接触板は、ヤング率が1GPa以上70GPa以下、厚さが0.5mm以上50mm以下に設定されているため、凸曲面の先端部の押圧力によりたわむことから、凸曲面の先端部が接触していない第1接触板の外周部でも第1金属板が押圧される。つまり、第1接触板の中央のみが押圧されている場合でも、第1金属板の全面を押圧した状態が維持される。そして、凸曲面の押圧が進むと、第1接触板の中央から外周側に拡大して押圧されるが、この場合においても第1接触板が適切にたわんで第1金属板の全面を押圧した状態が維持される。また、第2接触板においても同じであり、凹曲面により押圧されている間、第2接触板が第2金属板の全面を押圧した状態が維持される。このため、接合工程におけるセラミックス基板に対する第1金属板及び第2金属板の位置ずれの発生を抑制できる。
なお、第1接触板及び第2接触板が平板により形成されているので、これら第1接触板及び第2接触板により挟まれた積層体を凸曲面及び凹曲面の間に配置する際にも、これらを水平に配置でき、積層体の配置時に生じる位置ずれを抑制できる。
なお、第1接触板及び第2接触板のヤング率が1GPa未満であり、かつ、厚さが0.5mm未満であると、凸曲面の先端が第1接触板の中央に接触して、第1接触板にたわみが生じたとしても第1金属板の周縁部への押圧力が低く、位置ずれが生じるおそれがある。一方、第1接触板及び第2接触板のヤング率が70GPaを超え、かつ、厚さが50mmを超えると、これをたわませるのに過大な力が必要になり、接合時にかかる荷重で変形しにくくなるため、反りを抑制できない可能性がある。
本発明の絶縁回路基板の製造方法において、前記第1金属板は、前記セラミックス基板の面方向に並べて配置される複数の金属板からなるものとすることができる。
第1金属板が複数の金属板からなる場合、凸曲面の押圧により複数の金属板が位置ずれする可能性が大きくなる。この場合でも、凸曲面での押圧時に第1接触板が複数の金属板の全面に接触して押圧する状態が維持される。つまり、本発明は、第1金属板が複数の金属板からなる場合に、特に有効であり、セラミックス基板に対する第1金属板及び第2金属板の位置ずれを抑制できる。
本発明の絶縁回路基板の製造方法の好ましい態様としては、前記凸曲面及び前記凹曲面の曲率半径は、100mm以上5000mm以下であるとよい。
凸曲面及び凹曲面の曲率半径が100mm未満では、曲率半径が小さすぎて絶縁回路基板に割れ等が生じるおそれがあるとともに、接合後に第1金属板を凹状とする変形が残りやすい。一方、5000mmを超えると、曲率半径が大きすぎて、絶縁回路基板の接合後の反りを抑制する効果に乏しい。
本発明によれば、セラミックス基板に対する第1金属板及び前記第2金属板の接合時の位置ずれを抑制でき、かつ、反り量を低減し、反りの方向を統一できる。
本発明の一実施形態に係る絶縁回路基板を用いたパワーモジュールを示す断面図である。 図1に示す絶縁回路基板の製造方法を説明する断面図であり、セラミックス基板の両面に金属板を配置した状態を示す断面図である。 図1に示す絶縁回路基板の製造方法を説明する断面図であり、接合装置内に積層体を配置し、その両面に接触板を配置した状態を示す断面図である。 図1に示す絶縁回路基板の製造方法を説明する断面図であり、接合装置により積層体を押圧している途中の状態を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る絶縁回路基板の製造方法により製造される絶縁回路基板10にヒートシンク20が接合されてヒートシンク付絶縁回路基板1が形成される。
[パワーモジュールの構成]
そして、このヒートシンク付絶縁回路基板1の表面に半導体素子30等が搭載されることにより、図1に示すように、電子部品が製造される。半導体素子30としては、パワー半導体素子や、LED素子、熱電変換素子などが挙げられる。本実施形態では、半導体素子30としてパワー半導体素子を用いたパワーモジュール100(電子部品)で説明する。
なお、ヒートシンク20を備えるパワーモジュール100は、例えば冷却器等に取り付けられた状態で使用される。
[絶縁回路基板の構成]
絶縁回路基板10は、セラミックス基板11と、セラミックス基板11の一方の面に積層された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面に積層された放熱層13とを備える。
セラミックス基板11は、回路層12と放熱層13の間の電気的接続を防止する絶縁材であって、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si)等により形成され、その板厚は0.2mm~1.2mmである。また、セラミックス基板11の平面サイズは、例えば、30~160mm×30~160mmに設定されている。
回路層12は、セラミックス基板11の一方の面に形成されており、2つの回路パターン(小回路層120a,120b)に分断されている。この回路層12は、無酸素銅等の純銅、又は、ジルコニウム添加銅合金等の銅合金により形成された2枚の銅板からなる。
放熱層13は、セラミックス基板11の他方の面に形成されており、1枚の無酸素銅等の純銅、又は、ジルコニウム添加銅合金等の銅合金により形成された銅板からなる。つまり、回路層12の形状と放熱層13の形状とは異なっている。
また、回路層12及び放熱層13の厚さは0.4mm~1.6mmに設定されており、セラミックス基板11よりも若干小さく形成されている。
[絶縁回路基板の製造方法]
次に、本実施形態の絶縁回路基板10の製造方法について説明する。
その製造方法は、セラミックス基板11の一方の面に回路層12に対応する(2つの小回路層120a,120bに対応する)第1金属板121,122をろう材箔14を介して配置するとともに、セラミックス基板11の他方の面に放熱層13となる第2金属板130をろう材箔14を介して配置して、絶縁回路基板の製造装置60(以下、製造装置60という)によりこれらを積層方向に押圧した状態で加熱してろう付けにより接合する接合工程を有している。
(絶縁回路基板の製造装置の構成)
ここで、絶縁回路基板10は、回路層12(2つの小回路層120a,120b)となる第1金属板121,122の大きさと第2金属板130の大きさとが異なるため、接合後に回路層12を上側とする凸状の反りが発生する傾向がある。この反りを抑制するため、本実施形態では、製造装置60を用いて回路層12を上側とする凹状に変形させながら、接合後に生じる反りの方向とは反対方向に変形させながら)セラミックス基板11と第1金属板121,122及び第2金属板130との接合を実行する。
この製造装置60は、図3及び図4に示すように、セラミックス基板11の面方向に並べて配置される第1金属板121,122、セラミックス基板11及び第2金属板130の積層体40を積層方向に押圧する第1押圧板61及び第2押圧板62を備えている。第1押圧板61は、第1金属板121,122のセラミックス基板11とは反対側の面である第1面121A,122Aを押圧可能な凸曲面611を有している。また、第2押圧板62は、第2金属板130のセラミックス基板11とは反対側の面である第2面130Aを押圧可能な凹曲面621を有している。
また、製造装置60は、第1押圧板61及び第2押圧板62により積層体40を押圧する際に、凸曲面611と第1面121A,122Aとの間に配置される第1接触板71と、凹曲面621と第2面130Aとの間に配置される第2接触板72と、を備えている。
これらのうち、第1押圧板61及び第2押圧板62は、第1接触板71及び第2接触板72よりも平面サイズが大きいことが好ましい。また、第1押圧板61及び第2押圧板62は、ヤング率が100GPa以上の板材(例えば、ステンレス鋼材、窒化アルミニウム等のセラミックス)により形成されている。これら第1押圧板61及び第2押圧板62の厚さは、5mm以上100mm以下とすることが好ましい。
この第1押圧板61の凸曲面611は、曲率半径Rが100mm以上5000mm以下とされる凸状の曲面である。また、第2押圧板62の凹曲面621は、凸曲面611に対応する曲率半径Rが100mm以上5000mm以下とされる凹状の曲面である。具体的には、凸曲面611は、図3に示す絶縁回路基板10の中心を厚さ方向に延びて通過する仮想線C1から周縁にかけて下り勾配となる凸状の曲面であり、凹曲面621は、上記仮想線C1から周縁にかけて上り勾配となる凹状の曲面である。
なお、これら凸曲面611及び凹曲面621の曲率半径Rが100mm未満では、曲率半径が小さすぎて絶縁回路基板10に割れなどが生じるおそれがあるとともに、接合後に第1金属板121,122を凹状とする変形が残りやすい。一方、5000mmを超えると、曲率半径が大きすぎて、絶縁回路基板10の接合後の反りを抑制する効果に乏しい。
第1接触板71及び第2接触板72は、それぞれ第1金属板121,122及び第2金属板130よりも平面サイズが同じか、または、大きく形成されていることが好ましい。また、第1接触板71及び第2接触板72は、ヤング率が1GPa以上70GPa以下、厚さw1が0.5mm以上50mm以下に設定され、例えば、カーボン板やカーボンコンポジットの他、グラファイトシート等からなる。なお、第1接触板71及び第2接触板72のヤング率と厚さは25℃における値である。
これら第1接触板71及び第2接触板72のヤング率が1GPa未満で、かつ、厚さw1が0.5mm未満であると、凸曲面611の先端が第1接触板71の中央に接触して、第1接触板71にたわみが生じたとしても第1金属板121,122の周縁部への押圧力が弱く、位置ずれが生じる。一方、第1接触板71及び第2接触板72のヤング率が70GPaを超え、かつ、厚さw1が50mmを超えると、これをたわませるのに過大な力が必要になり、接合時にかかる荷重で変形しにくくなるため、反りを抑制できない可能性がある。
このため、本実施形態では、第1接触板71及び第2接触板72のヤング率を1GPa以上70GPa以下、厚さw1を0.5mm以上50mm以下としている。
(製造装置を用いた絶縁回路基板の製造方法)
このような製造装置60を用いて絶縁回路基板10を製造するには、まず、図2に示すように、第1金属板121,122、セラミックス基板11、第2金属板130を、それぞれ活性金属ろう材(例えば、Ag-Cu-Ti系等)のろう材箔14を介して積層し、積層体40を形成する。
なお、本実施形態では、ろう材箔14を用いることとしたが、これに限らず、ろう材ペーストを用いてもよい。この場合、ろう材ペーストは、セラミックス基板11に塗布してもよいし、第1金属板121,122及び第2金属板130に塗布してもよい。
そして、図3に示すように、積層体40の第1金属板121,122側に第1接触板71を配置するとともに、第2金属板130側に第2接触板72を配置し、これらで積層体40を挟んだ状態で凸曲面611と凹曲面621との間に配置する。その後、第1押圧板61及び第2押圧板62によりこれらを積層方向に押圧する。
この状態で、積層体に対し、第1押圧板61及び第2押圧板62による押圧が開始されると、図4に示すように、まず、凸曲面611の先端が第1接触板71の中央に接触する。この第1接触板71は、ヤング率が1GPa以上70GPa以下、厚さが0.5mm以上50mm以下に設定されているため、凸曲面611の先端部の押圧力によりたわむことから、凸曲面611の先端部が接触していない第1接触板71の外周部でも第1金属板121,122が押圧される。つまり、第1接触板71の中央のみが押圧されている場合でも、第1金属板121,122の全面が押圧した状態が維持される。そして、凸曲面611の押圧が進むと、第1接触板71の中央から外周側に拡大して押圧されるが、この場合においても第1接触板71が適切にたわんで第1金属板121,122の全面を押圧した状態が維持される。また、第2接触板72においても同じであり、凹曲面621により押圧されている間、第2接触板72がたわんで第2金属板130の全面を押圧した状態が維持される。このため、接合工程におけるセラミックス基板11に対する第1金属板121,122及び第2金属板130の位置ずれの発生を抑制できる。
そして、この積層体40をさらに積層方向に加圧した状態で加熱した後、冷却することにより、セラミックス基板11の一方の面に第1金属板121,122が接合され、他方の面に第2金属板130が接合される。ろう材箔14は、加熱により溶融し、第1金属板121,122や第2金属板130中に拡散して、これらをセラミックス基板11と強固に接合する。
このときの接合条件は、必ずしも限定されるものではないが、真空雰囲気中で、積層方向の加圧力が0.1MPa~1.0MPa、加熱温度は800℃~930℃の加熱温度に20分以上120分以下保持するのが好適である。
この製造方法によれば、絶縁回路基板10の接合後に生じ得る反りの方向とは逆方向に反らせながら第1金属板121,122、セラミックス基板11及び第2金属板130の積層体40を押圧することで、絶縁回路基板10の接合後の反りを抑制し、反りの方向を統一できる。また、凸曲面611及び凹曲面621のそれぞれにより第1接触板71及び第2接触板72の一部が押圧された場合でも、これら第1接触板71及び第2接触板72がたわむので、第1面121A,122A及び第2面130Aの全面に接触して押圧した状態が維持されるので、接合工程におけるセラミックス基板11に対する第1金属板121,122及び第2金属板130の位置ずれの発生を抑制できる。
なお、第1接触板71及び第2接触板72が平板により形成されているので、これら第1接触板71及び第2接触板72により挟まれた積層体40を凸曲面611及び凹曲面621の間に配置する際にも、これらを水平に配置でき、積層体40の配置時に生じる位置ずれを抑制できる。
さらに、第1押圧板61の凸曲面611及び第2押圧板62の凹曲面621の曲率半径が100mm以上5000mm以下に設定されているので、絶縁回路基板10に割れ等が生じることを抑制しつつ、反りを低減できる。
本実施形態では、第1金属板121,122が複数の金属板からなるため、凸曲面611の押圧により複数の金属板121,122が位置ずれする可能性が大きくなるものの、凸曲面611での押圧時に第1接触板71が複数の金属板121,122の全面に接触した状態が維持される。つまり、本実施形態の製造方法は、第1金属板が複数の金属板121,122からなる場合に、特に有効であり、この場合でもセラミックス基板11に対する第1金属板121,122及び第2金属板130の位置ずれを抑制できる。
その他、細部構成は実施形態の構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、第1金属板は、2枚の金属板121,122からなることとしたが、第1金属板は1枚の金属板により形成されてもよいし、3枚以上の金属板により形成されてもよい。なお、第1金属板を製造する方法に限定はないが、特に好ましくはプレス法で第1金属板を製造するとよい。
上記実施形態では、回路層12及び放熱層13は、いずれも無酸素銅等の銅又はジルコニウム添加銅合金等により形成されていることとしたが、これに限らず、アルミニウム又はアルミニウム合金により形成されていてもよい。この場合、回路層12及び放熱層13は、純度99質量%以上の純アルミニウム板、JIS規格では1000番台の純アルミニウム、特に1N90(純度99.9質量%以上:いわゆる3Nアルミニウム)又は1N99(純度99.99質量%以上:いわゆる4Nアルミニウム)により形成されることが好ましい。また、回路層12及び放熱層13は、2層構造であってもよく、この場合、第1層となる回路層及び放熱層を純アルミニウムにより形成し、第2層となる回路層及び放熱層を銅やA6063、A3003等のアルミニウム合金等により形成してもよい。
また、回路層12の組成と放熱層13の組成とが異なっていてもよい。つまり、絶縁回路基板10が接合した際に反る可能性のある絶縁回路基板に本発明を適用可能である。
上記実施形態では、第1金属板121,122、セラミックス基板11及び第2金属板130の積層体40を第1押圧板61及び第2押圧板62により押圧する例を示したが、これに限らず、例えば、複数の積層体40を重ねた状態で同時に押圧してもよい。
上記実施形態では、第1接触板71と第2接触板72とを備えている製造装置60を用いたが、これに限らず、第1接触板71及び第2接触板72を備えていない製造装置60に、別途に用意した第1接触板71及び第2接触板72を介して、第1押圧板61及び第2押圧板62の間に積層体40を配置し、接合してもよい。
実施例1~6、比較例1~12については、窒化珪素により形成された平面視で70mm×70mm、厚さ0.32mmのセラミックス基板と、無酸素銅により形成された2枚の第1金属板(平面視で33mm×68mm、厚さ0.8mmの1枚と、平面視で33mm×68mm、厚さ0.8mmの他の1枚)、無酸素銅により形成された1枚の第2金属板(平面視で68mm×68mm、厚さ0.8mm)とを、第1金属板、セラミックス基板及び第2金属板の順で積層して、上記実施形態の絶縁回路基板の製造装置を用いて接合した。なお、2枚の第1金属板は、セラミックス基板の表面に平面視で平行に、かつ、2mmの隙間を開けた状態で配置した。
製造装置の第1押圧板及び第2押圧板のヤング率、並びに、第1接触板及び第2接触板のヤング率及び厚さについては、表1に示す通りとした。また、第1押圧板及び第2押圧板の厚さは20mmとし、これらの凸曲面及び凹曲面の曲率半径Rは2000mmとし、セラミックス基板と第1金属板及び第2金属板の接合には、厚さ10μmのAg-Cu-Ti系ろう材箔を用いた。また、製造手順は、上記実施形態と同様であり、セラミックス基板の一方の面にろう材箔を介して第1金属板を配置するとともに、他方の面にろう材箔を介して第2金属板を配置して積層体を形成し、この積層体を第1及び第2接触板で挟んだ状態で第1及び第2押圧板間に配置し、これらを加圧しながら加熱して接合した。このときの接合条件は、真空雰囲気中で、積層方向の加圧力が0.5MPaで、810℃の加熱温度に70分保持した。なお、各試料は、30個ずつ作成した。
この手順にて製造した実施例1~6及び比較例1~12の絶縁回路基板について、位置精度及び反りを評価した。
位置精度の評価は、作成した各試料から20個を取り出し、株式会社ミツトヨ製の画像測定器(Quick Scope)を用いて、それぞれの絶縁回路基板に対し、2枚の第1金属板とセラミックス基板のそれぞれの接合予定位置から水平方向のいずれかにずれた距離を計測した。これらのずれた距離を、全て平均した値が±0.25mmより大きい場合を不可「B」と判定し、±0.25mm以内の場合を良好「A」と評価した。
また、反り評価は、下記の通りとした。
反り量は、ダイヤルゲージ(Mitutoyo製)を用いて、中央一点式で測定する。回路層側を下面にし、定盤に設置する。放熱層側中央に測定子を接触させ、その点をゼロ点とする。その後、回路層側の2枚の第1金属板のそれぞれの中央部付近に測定子を接触させ、その値の平均値を反り量と定義する。
この際、反り量が-の場合は金属層側に凸、+の場合を回路層側に凸として反りの方向を決定した。
作成した各試料から20個を取り出し、上述の方法によってそれぞれの絶縁回路基板に対し、反りの方向と反り量を測定した。
各試料の反り量の平均値が30μm以下、かつ、反り方向が全ての絶縁回路基板で同一方向の場合を良好「A」と評価し、各試料の反り量の平均値が30μmを超えた場合や、反りの方向が一つでも異なる場合を不可「B」と評価した。
これら位置精度及び反りの評価は、表1に示した。
Figure 0007363583000001
表1から明らかなように、第1及び第2押圧板のヤング率が100GPa以上であり、かつ、第1及び第2接触板のヤング率が1GPa以上70GPa以下、厚さが0.5mm~50mmの実施例1~6では、位置精度評価及び反り評価のいずれもが良好「A」であり、セラミックス基板に対する回路層及び放熱層の位置ずれを抑制し、かつ、反りを低減できることが分かった。
一方、比較例1及び4では、第1及び第2接触板のヤング率が0.5GPaと低かったことから、セラミックス基板に対する回路層及び放熱層の位置ずれが発生したため、位置精度評価が不可「B」であった。また、比較例2及び3では、第1及び第2接触板のヤング率が100GPaと高すぎたことから、絶縁回路基板に発生する反りとは反対方向の反りを十分に付与できなかったため、反り評価が不可「B」であった。
また、比較例5及び8では、第1及び第2接触板の厚さが0.3mmと薄すぎたことから、セラミックス基板に対する回路層及び放熱層の位置ずれが発生したため、位置精度評価が不可「B」であった。また、比較例6及び7では、第1及び第2接触板の厚さが60mmと厚すぎたことから、絶縁回路基板に発生する反りとは反対方向の反りを十分に付与できなかったため、反り評価が不可「B」であった。
さらに、比較例9~12では、第1及び第2押圧板のヤング率が50GPaと低かったため、絶縁回路基板を適切に押圧できず、かつ、上記反対方向の反りも付与できなかったため、位置精度評価及び反り評価のいずれもが不可「B」であった。
1 ヒートシンク付絶縁回路基板
10 絶縁回路基板
11 セラミックス基板
12 回路層
13 放熱層
20 ヒートシンク
30 半導体素子
61 第1押圧板
62 第2押圧板
611 凸曲面
621 凹曲面
71 第1接触板
72 第2接触板
120a,120b 小回路層
121,122 第1金属板(複数の金属板)
121A,122A 第1面
130 第2金属板
130A 第2面
C1 仮想線

Claims (3)

  1. セラミックス基板の一方の面に第1金属板を配置するとともに、前記セラミックス基板の他方の面に第2金属板を配置して、これら積層体を積層方向に押圧した状態で接合する接合工程を有し、
    前記接合工程では、前記第1金属板を押圧する凸曲面を有する第1押圧板と前記第2金属板を押圧する凹曲面を有する第2押圧板とを用い、前記第1金属板の前記セラミックス基板とは反対側の面である第1面を平板からなる第1接触板を介して前記凸曲面で押圧するともに、前記第2金属板の前記セラミックス基板とは反対側の面である第2面を平板からなる第2接触板を介して前記凹曲面で押圧することにより、前記積層体を前記第1接触板及び前記第2接触板との間に挟持して変形させた状態で加熱し、
    前記第1押圧板及び前記第2押圧板はヤング率が100GPa以上の板材からなるとともに、前記第1接触板及び前記第2接触板は、ヤング率が1GPa以上70GPa以下、厚さが0.5mm以上50mm以下に設定されていることを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。
  2. 前記第1金属板は、前記セラミックス基板の面方向に並べて配置される複数の金属板からなることを特徴とする請求項1に記載の絶縁回路基板の製造方法。
  3. 前記凸曲面及び前記凹曲面の曲率半径は、100mm以上5000mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁回路基板の製造方法。
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