JP7363583B2 - 絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
このような絶縁回路基板では、回路層が溝により複数に分断されることにより、複数の回路パターンを形成しているため、回路層のパターン形状と放熱層のパターン形状とが異なっている。
この反りの低減及び反りの方向制御のため、加圧の際に所定の曲率半径を有する押圧板を用いて接合を行うが、この場合、第1金属板のセラミックス基板に対する位置ずれが生じる。この反りが大きい場合や、位置ずれが生じていると、回路層上への半導体素子等の実装時に位置ずれが発生しやすくなるため、絶縁回路基板は、その反り量が小さいものが望まれている。
前記接合工程では、前記第1金属板を押圧する凸曲面を有する第1押圧板と前記第2金属板を押圧する凹曲面を有する第2押圧板とを用い、前記第1金属板の前記セラミックス基板とは反対側の面である第1面を平板からなる第1接触板を介して前記凸曲面で押圧するともに、前記第2金属板の前記セラミックス基板とは反対側の面である第2面を平板からなる第2接触板を介して前記凹曲面で押圧することにより、前記積層体を前記第1接触板及び前記第2接触板との間に挟持して変形させた状態で加熱し、
前記第1押圧板及び前記第2押圧板は、ヤング率が100GPa以上の板材からなるとともに、前記第1接触板及び前記第2接触板は、ヤング率が1GPa以上70GPa以下、厚さが0.5mm以上50mm以下に設定されている。
なお、第1接触板及び第2接触板のヤング率と厚さは25℃における値である。
なお、第1接触板及び第2接触板が平板により形成されているので、これら第1接触板及び第2接触板により挟まれた積層体を凸曲面及び凹曲面の間に配置する際にも、これらを水平に配置でき、積層体の配置時に生じる位置ずれを抑制できる。
第1金属板が複数の金属板からなる場合、凸曲面の押圧により複数の金属板が位置ずれする可能性が大きくなる。この場合でも、凸曲面での押圧時に第1接触板が複数の金属板の全面に接触して押圧する状態が維持される。つまり、本発明は、第1金属板が複数の金属板からなる場合に、特に有効であり、セラミックス基板に対する第1金属板及び第2金属板の位置ずれを抑制できる。
凸曲面及び凹曲面の曲率半径が100mm未満では、曲率半径が小さすぎて絶縁回路基板に割れ等が生じるおそれがあるとともに、接合後に第1金属板を凹状とする変形が残りやすい。一方、5000mmを超えると、曲率半径が大きすぎて、絶縁回路基板の接合後の反りを抑制する効果に乏しい。
そして、このヒートシンク付絶縁回路基板1の表面に半導体素子30等が搭載されることにより、図1に示すように、電子部品が製造される。半導体素子30としては、パワー半導体素子や、LED素子、熱電変換素子などが挙げられる。本実施形態では、半導体素子30としてパワー半導体素子を用いたパワーモジュール100(電子部品)で説明する。
なお、ヒートシンク20を備えるパワーモジュール100は、例えば冷却器等に取り付けられた状態で使用される。
絶縁回路基板10は、セラミックス基板11と、セラミックス基板11の一方の面に積層された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面に積層された放熱層13とを備える。
セラミックス基板11は、回路層12と放熱層13の間の電気的接続を防止する絶縁材であって、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si3N4)等により形成され、その板厚は0.2mm~1.2mmである。また、セラミックス基板11の平面サイズは、例えば、30~160mm×30~160mmに設定されている。
放熱層13は、セラミックス基板11の他方の面に形成されており、1枚の無酸素銅等の純銅、又は、ジルコニウム添加銅合金等の銅合金により形成された銅板からなる。つまり、回路層12の形状と放熱層13の形状とは異なっている。
また、回路層12及び放熱層13の厚さは0.4mm~1.6mmに設定されており、セラミックス基板11よりも若干小さく形成されている。
次に、本実施形態の絶縁回路基板10の製造方法について説明する。
その製造方法は、セラミックス基板11の一方の面に回路層12に対応する(2つの小回路層120a,120bに対応する)第1金属板121,122をろう材箔14を介して配置するとともに、セラミックス基板11の他方の面に放熱層13となる第2金属板130をろう材箔14を介して配置して、絶縁回路基板の製造装置60(以下、製造装置60という)によりこれらを積層方向に押圧した状態で加熱してろう付けにより接合する接合工程を有している。
ここで、絶縁回路基板10は、回路層12(2つの小回路層120a,120b)となる第1金属板121,122の大きさと第2金属板130の大きさとが異なるため、接合後に回路層12を上側とする凸状の反りが発生する傾向がある。この反りを抑制するため、本実施形態では、製造装置60を用いて回路層12を上側とする凹状に変形させながら、接合後に生じる反りの方向とは反対方向に変形させながら)セラミックス基板11と第1金属板121,122及び第2金属板130との接合を実行する。
また、製造装置60は、第1押圧板61及び第2押圧板62により積層体40を押圧する際に、凸曲面611と第1面121A,122Aとの間に配置される第1接触板71と、凹曲面621と第2面130Aとの間に配置される第2接触板72と、を備えている。
この第1押圧板61の凸曲面611は、曲率半径Rが100mm以上5000mm以下とされる凸状の曲面である。また、第2押圧板62の凹曲面621は、凸曲面611に対応する曲率半径Rが100mm以上5000mm以下とされる凹状の曲面である。具体的には、凸曲面611は、図3に示す絶縁回路基板10の中心を厚さ方向に延びて通過する仮想線C1から周縁にかけて下り勾配となる凸状の曲面であり、凹曲面621は、上記仮想線C1から周縁にかけて上り勾配となる凹状の曲面である。
これら第1接触板71及び第2接触板72のヤング率が1GPa未満で、かつ、厚さw1が0.5mm未満であると、凸曲面611の先端が第1接触板71の中央に接触して、第1接触板71にたわみが生じたとしても第1金属板121,122の周縁部への押圧力が弱く、位置ずれが生じる。一方、第1接触板71及び第2接触板72のヤング率が70GPaを超え、かつ、厚さw1が50mmを超えると、これをたわませるのに過大な力が必要になり、接合時にかかる荷重で変形しにくくなるため、反りを抑制できない可能性がある。
このため、本実施形態では、第1接触板71及び第2接触板72のヤング率を1GPa以上70GPa以下、厚さw1を0.5mm以上50mm以下としている。
このような製造装置60を用いて絶縁回路基板10を製造するには、まず、図2に示すように、第1金属板121,122、セラミックス基板11、第2金属板130を、それぞれ活性金属ろう材(例えば、Ag-Cu-Ti系等)のろう材箔14を介して積層し、積層体40を形成する。
なお、本実施形態では、ろう材箔14を用いることとしたが、これに限らず、ろう材ペーストを用いてもよい。この場合、ろう材ペーストは、セラミックス基板11に塗布してもよいし、第1金属板121,122及び第2金属板130に塗布してもよい。
このときの接合条件は、必ずしも限定されるものではないが、真空雰囲気中で、積層方向の加圧力が0.1MPa~1.0MPa、加熱温度は800℃~930℃の加熱温度に20分以上120分以下保持するのが好適である。
なお、第1接触板71及び第2接触板72が平板により形成されているので、これら第1接触板71及び第2接触板72により挟まれた積層体40を凸曲面611及び凹曲面621の間に配置する際にも、これらを水平に配置でき、積層体40の配置時に生じる位置ずれを抑制できる。
例えば、上記実施形態では、第1金属板は、2枚の金属板121,122からなることとしたが、第1金属板は1枚の金属板により形成されてもよいし、3枚以上の金属板により形成されてもよい。なお、第1金属板を製造する方法に限定はないが、特に好ましくはプレス法で第1金属板を製造するとよい。
また、回路層12の組成と放熱層13の組成とが異なっていてもよい。つまり、絶縁回路基板10が接合した際に反る可能性のある絶縁回路基板に本発明を適用可能である。
製造装置の第1押圧板及び第2押圧板のヤング率、並びに、第1接触板及び第2接触板のヤング率及び厚さについては、表1に示す通りとした。また、第1押圧板及び第2押圧板の厚さは20mmとし、これらの凸曲面及び凹曲面の曲率半径Rは2000mmとし、セラミックス基板と第1金属板及び第2金属板の接合には、厚さ10μmのAg-Cu-Ti系ろう材箔を用いた。また、製造手順は、上記実施形態と同様であり、セラミックス基板の一方の面にろう材箔を介して第1金属板を配置するとともに、他方の面にろう材箔を介して第2金属板を配置して積層体を形成し、この積層体を第1及び第2接触板で挟んだ状態で第1及び第2押圧板間に配置し、これらを加圧しながら加熱して接合した。このときの接合条件は、真空雰囲気中で、積層方向の加圧力が0.5MPaで、810℃の加熱温度に70分保持した。なお、各試料は、30個ずつ作成した。
位置精度の評価は、作成した各試料から20個を取り出し、株式会社ミツトヨ製の画像測定器(Quick Scope)を用いて、それぞれの絶縁回路基板に対し、2枚の第1金属板とセラミックス基板のそれぞれの接合予定位置から水平方向のいずれかにずれた距離を計測した。これらのずれた距離を、全て平均した値が±0.25mmより大きい場合を不可「B」と判定し、±0.25mm以内の場合を良好「A」と評価した。
反り量は、ダイヤルゲージ(Mitutoyo製)を用いて、中央一点式で測定する。回路層側を下面にし、定盤に設置する。放熱層側中央に測定子を接触させ、その点をゼロ点とする。その後、回路層側の2枚の第1金属板のそれぞれの中央部付近に測定子を接触させ、その値の平均値を反り量と定義する。
この際、反り量が-の場合は金属層側に凸、+の場合を回路層側に凸として反りの方向を決定した。
作成した各試料から20個を取り出し、上述の方法によってそれぞれの絶縁回路基板に対し、反りの方向と反り量を測定した。
各試料の反り量の平均値が30μm以下、かつ、反り方向が全ての絶縁回路基板で同一方向の場合を良好「A」と評価し、各試料の反り量の平均値が30μmを超えた場合や、反りの方向が一つでも異なる場合を不可「B」と評価した。
これら位置精度及び反りの評価は、表1に示した。
一方、比較例1及び4では、第1及び第2接触板のヤング率が0.5GPaと低かったことから、セラミックス基板に対する回路層及び放熱層の位置ずれが発生したため、位置精度評価が不可「B」であった。また、比較例2及び3では、第1及び第2接触板のヤング率が100GPaと高すぎたことから、絶縁回路基板に発生する反りとは反対方向の反りを十分に付与できなかったため、反り評価が不可「B」であった。
また、比較例5及び8では、第1及び第2接触板の厚さが0.3mmと薄すぎたことから、セラミックス基板に対する回路層及び放熱層の位置ずれが発生したため、位置精度評価が不可「B」であった。また、比較例6及び7では、第1及び第2接触板の厚さが60mmと厚すぎたことから、絶縁回路基板に発生する反りとは反対方向の反りを十分に付与できなかったため、反り評価が不可「B」であった。
さらに、比較例9~12では、第1及び第2押圧板のヤング率が50GPaと低かったため、絶縁回路基板を適切に押圧できず、かつ、上記反対方向の反りも付与できなかったため、位置精度評価及び反り評価のいずれもが不可「B」であった。
10 絶縁回路基板
11 セラミックス基板
12 回路層
13 放熱層
20 ヒートシンク
30 半導体素子
61 第1押圧板
62 第2押圧板
611 凸曲面
621 凹曲面
71 第1接触板
72 第2接触板
120a,120b 小回路層
121,122 第1金属板(複数の金属板)
121A,122A 第1面
130 第2金属板
130A 第2面
C1 仮想線
Claims (3)
- セラミックス基板の一方の面に第1金属板を配置するとともに、前記セラミックス基板の他方の面に第2金属板を配置して、これら積層体を積層方向に押圧した状態で接合する接合工程を有し、
前記接合工程では、前記第1金属板を押圧する凸曲面を有する第1押圧板と前記第2金属板を押圧する凹曲面を有する第2押圧板とを用い、前記第1金属板の前記セラミックス基板とは反対側の面である第1面を平板からなる第1接触板を介して前記凸曲面で押圧するともに、前記第2金属板の前記セラミックス基板とは反対側の面である第2面を平板からなる第2接触板を介して前記凹曲面で押圧することにより、前記積層体を前記第1接触板及び前記第2接触板との間に挟持して変形させた状態で加熱し、
前記第1押圧板及び前記第2押圧板はヤング率が100GPa以上の板材からなるとともに、前記第1接触板及び前記第2接触板は、ヤング率が1GPa以上70GPa以下、厚さが0.5mm以上50mm以下に設定されていることを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。 - 前記第1金属板は、前記セラミックス基板の面方向に並べて配置される複数の金属板からなることを特徴とする請求項1に記載の絶縁回路基板の製造方法。
- 前記凸曲面及び前記凹曲面の曲率半径は、100mm以上5000mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁回路基板の製造方法。
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