JP7363606B2 - 光測距装置 - Google Patents

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Description

本開示は、光測距装置に関する。
特許文献1には、車両前方に光ビームを照射し、反射光を受光することにより車両前方に存在する障害物を検出するレーダ装置が開示されている。このレーダ装置は、発光部から発光した光ビームをポリゴンミラーで反射させて、窓を通して外部に照射している。
特開2014-29317号広報
発光部から発光した光ビームの一部が、窓で反射し、さらに、ポリゴンミラーで反射して窓を透過して本来の照射方向と異なる方向を照射する場合がある。この本来の照射方向と異なる方向を照射する光ビームは弱いが、その照射先に反射率の高い高反射率物体が存在すると、光ビームが高反射率物体に当たって返ってくる反射光を受光部で検出してしまう。その結果、本来の照射方向には物体が存在しないにも拘らず物体が存在すると、誤認識する恐れがあった。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の一形態によれば、光測距装置(10)が提供される。この光測距装置は、ケース(60)に収納された、光軸が平行な複数の発光部(20a、20b)と、前記複数の発光部が発光した複数の照射光を反射するミラー(26)と前記ミラーで反射した前記複数の照射光を外部に透過する窓(28)とを含む光学系(25)を備え、前記ミラーの角度を変えることで、予め定められた走査範囲内を前記複数の照射光により走査するスキャナ(22)と、前記スキャナにより前記走査範囲を前記複数の照射光により走査する際、前記走査範囲に存在する物標に反射した反射光を、前記ケース内で検出する受光部(30)と、前記複数の発光部による前記複数の照射光の発光と物標からの反射光の前記受光部による検出とを用いて、前記物標までの距離を算出する距離算出部(48)と、前記複数の発光部の発光と前記スキャナの動作とを制御する制御部であって、前記複数の発光部の1つからの照射光を、前記スキャナによって、前記走査範囲内の1つの照射方向に射出した際に、前記1つの照射方向とは異なる方向から前記受光部に戻った反射光が検出される場合、前記1つの照射方向とは異なる方向から前記受光部に戻った反射光に対応する発光部の発光を一時的に停止する制御部(50)と、を備える。この形態によれば、照射方向とは異なる方向から受光部に戻った反射光が検出される場合、反射光に対応する発光部の発光を一時的に停止するので、1つの照射方向とは異なる方向に高反射率の物標が存在しても、この高反射率の物標に照射光が当たらないので、多重反射光に起因する高反射率の物標が照射方向に存在するとの誤認識を抑制できる。
光測距装置が搭載された、車両を示す説明図である。 光測距装置の構成を示す説明図である。 測定部の構成を示す説明図である。 ヒストグラムの例を示す説明図である。 ミラーの角度が第1角度の時の照射光と反射光を示す。 ミラーの角度θが第2角度の時の照射光と反射光を示す。 照射光の走査範囲と、ミラーの回転範囲の関係を簡単に示す説明図である。 制御部が実行する発光部の発光制御、及びミラーの回転制御のフローチャートである。 ミラーの回転角θと、第1発光部、第2発光部の発光と、物標の認識の関係を示す説明図である。 ミラーの回転角が45°未満のときの、照射光の間隔と、ミラーの有効径と、ミラーの表面の中心と窓との間隔と、ゴーストの発生との関係を示す説明図である。 ミラーの回転角が45°よりも大きいときの、照射光の間隔と、ミラーの有効径と、ミラーの表面の中心と窓との間隔と、ゴーストの発生との関係を示す説明図である。 第3実施形態における第1発光部、第2発光部の発光シーケンスを示す説明図である。 第1発光部、第2発光部の両方を発光したときと、第2発光部のみを発光したときの受光部30の受光強度を示すグラフである。
・第1実施形態:
図1に示すように、光測距装置10は、車両100に搭載されており、対象物である物標200までの距離Lを測定する。具体的には、光測距装置10は、走査範囲内に発光ビームILを発光する。走査範囲内に物標200が存在すれば、発光ビームILが物標200に当たり、物標200から反射光RLが返ってくる。光測距装置10は、発光ビームILを発光してから物標200に当たって返ってくる反射光RLを受光するまでの時間TOFを用いて物標200までの距離Lを測定する。cを光速とすると、L=c・TOF/2である。
図2に示すように、光測距装置10は、発光部20と、スキャナ22と、受光部30と、測定部40と、制御部50とを備える。本実施形態では、発光部20は、第1発光部20a、第2発光部20bの2つの発光部を有する。第1発光部20a、第2発光部20bは、例えば半導体レーザダイオードで構成されており、光軸が平行である。第1発光部20a、第2発光部20bは、制御部50からの指示を受けて、互いに平行な照射光ILA、ILBをスキャナ22のミラー26に向けて発光する。照射光ILA、ILBは、例えば、パルスレーザ光である。
スキャナ22は、モータ24と光学系25とを備える。光学系25は、ミラー26と、窓28とを備える。ミラー26は、第1発光部20a、第2発光部20bから発光された照射光ILA、ILBを、照射光ILA1、ILB1として窓28に向けて反射する。窓28は、ミラー26で反射して生じた照射光ILA1、ILB1を窓28の外部に透過する。本実施形態では、物標200に当たるまでの光を「照射光」と呼び、物標200で反射して返ってくる光を「反射光」と呼ぶ。モータ24は、制御部50から指示を受けて、ミラー26を回転させる。照射光ILA、ILBがミラー26に当たる角度が変わるので、照射光ILA1、ILB1の向きも変わる。ミラー26を徐々に回転させれば、照射光ILA1、ILB1により、予め定められた走査範囲内を走査できる。すなわち、スキャナ22は、制御部50から指示を受けて、予め定められた走査範囲内を複数の照射光ILA1、ILB1を用いて走査する。本実施形態では、モータ24を用いてミラー26の角度を変えているが、強制・共振型MEMS(Micro Electro Mechanical System)を有し、強制・共振型MEMSを駆動することで、ミラー26の角度を変えても良い。また、モータ24の代わりに、ロータリーソレノイドを用いても良い。
制御部50は、第1発光部20a、第2発光部20bにおける発光と、スキャナ22の動作を制御する。具体的には、制御部50は、スキャナ22の走査を制御し、このとき、ミラー26の角度を検出し、この検出結果に基づいて、第1発光部20a、第2発光部20bからの照射光ILA、ILBの発光を制御する。制御部50は、複数の発光部20a、20bの1つからの照射光を、スキャナ22によって、走査範囲内の1つの照射方向に射出した際に、1つの照射方向とは異なる方向から受光部30に戻った反射光が検出されるミラー26の回転角及び対応する発光部20a、20bを予め保持する記憶部52を有する。
受光部30は、n×m(n、mは、2以上の自然数)の二次元に配列された受光素子アレイ34とデコーダ36を備える。受光素子アレイ34は、複数の受光素子32を二次元行列状に配列することで構成されている。受光素子32は、シングルフォトンアバランシフォトダイオード(SPAD:Single Photon Avalanche Diode)で構成されており、受光素子アレイ34は、SPADアレイである。受光素子32は、その受光面に反射光等の光が入射すると、検出信号を出力する。受光素子32の構成については、後述する。
デコーダ36は、受光素子32を選択するための回路である。デコーダ36は、受光素子アレイ34を構成する複数の受光素子32により構成される行列の列毎に設けられた選択制御線CLを備える。選択制御線CLは、対応する列に配置されている受光素子32の全てに接続される。デコーダ36は、選択制御線CLに選択制御電圧を印加することにより、受光素子32は、列単位で選択される。列単位で選択された受光素子32のデータは、それぞれの行に設けられたデータ線DLに出力される。
測定部40は、第1発光部20a、20bがパルスレーザ光を照射した時刻Ltと、受光部30が反射光を検出した時刻との差に基づいて、物標200までの距離を計測する処理を行う。測定部40は、受光素子アレイ34の行毎に設けられているデータ線DLに接続されている。測定部40の構成とデータ処理についての詳細は後述する。
図3に示すように、受光素子32は、アバランシェフォトダイオード32dと、クエンチング抵抗器32rと、インバータ回路32iを含む周知の回路によって構成されている。より具体的には、受光素子32は、電源と接地ラインとの間に直列にクエンチング抵抗器32rとアバランシェフォトダイオード32dとが接続され、その接続点にインバータ回路32iの入力側が接続されることにより構成されている。クエンチング抵抗器32rは電源側に接続され、アバランシェフォトダイオード32dは、逆バイアスとなるように接地ライン側に接続されている。受光素子32は、ガイガーモードで動作し、物体200から反射された反射光(1つ以上のフォトン)が入射されると、その反射光が入射したことを示すパルス信号を一定の確率でデータ線DLに出力する。
測定部40は、加算部42と、ヒストグラム生成部44と、ピーク検出部46と、距離算出部48と、を備える。
加算部42は、受光部30に含まれる複数の受光素子32から略同時に出力されたパルス信号の数を加算して加算値を求める。加算部42は、求めた加算値をヒストグラム生成部44に出力する。加算部42は、予め定められた期間ごとに1個の受光素子32から出力されたパルス信号の数を加算して加算値を求める構成としてもよい。
ヒストグラム生成部44は、加算部42から出力された加算値に基づきヒストグラムを生成する。図4に、ヒストグラムの例を示す。ヒストグラムの階級(横軸)は、第1発光部20a、20bから光が照射された時刻Ltから反射光が受光されるまでの光の飛行時間を示している。この時間のことを、TOF(TOF:Time Of Flight)ともいう。ヒストグラムの度数(縦軸)は、加算部42によって算出された加算値であり、物標200から反射してきた反射光RLの強度を示している。ヒストグラム生成部44は、第1発光部20a、20bから照射されるパルスレーザ光の周期に同期した記録タイミングに従って、加算部42から出力された加算値を予め定められた時間間隔ごとに記録することによってヒストグラムを生成する。第1発光部20a、第2発光部20bによって光が照射される範囲に物標200が存在すれば、その物標200からの反射光RLA、RLBが入射する時刻に対応する階級の度数が大きくなる。つまり、ヒストグラムにおいて大きな度数を有する階級が存在すれば、その階級に対応する時刻に基づいて、物標200までの距離を算出することができる。このように、距離算出部は、複数の第1発光部20a、第2発光部20bの発光のタイミングLtからの経過時間に沿った検出結果を重ね合わせたヒストグラムを用いて物標200までの距離を算出する。なお、1つのヒストグラムを生成するにあたり、光を複数回照射して度数を積算してもよい。こうすることにより、SN比を向上させることができる。
ピーク検出部46は、ヒストグラムからピークを検出する。本実施形態において、ピークとは、予め定めた閾値TLを超える度数を有する階級のことをいう。距離算出部48は、ピークに対応する時刻tpから、TOFを取得し、物標200までの距離を算出する。
以上、光測距装置10の概略について説明したが、本実施形態では、光源として2つの発光部20a、20bを備える。この2つの発光部20a、20bを用いた光測距装置10について、以下に説明する。
図5は、ミラー26の角度θが第1角度θ1の時の照射光と反射光を示す説明図である。第1発光部20aと、第2発光部20bと、ミラー26と、受光部30は、ケース60に収納されている。ケース60の1つの面には、窓28が設けられている。ミラー26は、中心26o周りに回転可能である。ミラー26の角度θは、第1発光部20aあるいは第2発光部20bの光軸とミラー26の表面26sとの為す角度である。なお、照射光ILAと照射光ILBは、平行である。照射光ILAと照射光ILBは、ミラー26の表面26sで反射してそれぞれ照射光ILA1と、照射光ILB1になる。照射光ILA1と、照射光ILB1は、窓28を透過し、目的の照射方向を照射する。
照射光ILA1と、照射光ILB1は、窓28を通過すると共に、それぞれその一部は、窓28で反射し、それぞれ照射光ILA2と照射光ILB2となる。図5に示す例では、照射光ILA2は、さらに、ミラー26の表面26sで反射して照射光ILA3となり、窓28を透過し、目的の照射方向と異なる方向を照射する。照射光ILB2は、ケース60の内側で反射を繰り返し、吸収され、減衰していく。
図5の例では、照射光ILA3の照射方向に高反射率物体である物標202が存在しているケースを想定している。照射光ILA3が物標202に当たったときの反射光RLA3は、窓28を透過し、ミラー26の表面26sで反射し、窓28で反射し、ミラー26の表面26sで反射て受光部30に当たり、検知される。この場合、照射光ILA1の本来の照射方向に物標が存在しなくても、あたかも物標202が本来の照射方向に存在するように誤検知される。この誤検知したものを「ゴースト202g」と呼ぶ。
図6は、ミラー26の角度θが第2角度θ2の時の照射光と反射光を示す。図5の場合と同様に、照射光ILAと照射光ILBは、ミラー26の表面26sで反射してそれぞれ照射光ILA1と、照射光ILB1になる。照射光ILA1と、照射光ILB1は、窓28を透過し、目的の照射方向を照射する。
また、照射光ILA1と、照射光ILB1は、窓28を通過すると共に、それぞれその一部は、窓28で反射し、それぞれ照射光ILA2と照射光ILB2となる。図6に示す例では、照射光ILA2は、さらに、ミラー26の表面26sで反射して照射光ILA3となるが、窓28を透過せず、ケース60の内側で反射を繰り返し、吸収され、減衰していく。一方、照射光ILB2は、さらに、ミラー26の表面26sで反射して照射光ILB3となり、窓28を透過し、目的の照射方向と異なる方向を照射する。
図6の例では、照射光ILB3の照射方向に高反射率物体である物標204が存在している。照射光ILB3が物標204に当たったときの反射光RLB3は、窓28を透過し、ミラー26の表面26sで反射し、窓28で反射し、ミラー26の表面26sで反射て受光部30に当たり、検知される。この場合、照射光ILB1の本来の照射方向に物標が存在しなくても、あたかも物標204が本来の照射方向に存在するように誤検知される。すなわち、ゴースト204gを検知する。
図7は、照射光IL1の走査範囲(-θ~+θ)と、ミラー26の回転範囲(θstからθen)の関係を簡単に示す説明図である。なお、本実施形態では、上述したように、発光部20は、第1発光部20a、第2発光部20bの2つあるため、照射光も、ILA、ILBの2つがあるが、図7では、説明を簡単にするために、1つの照射光ILとして説明する。照射光IL1の走査範囲を、0を中心として角度-φから+φの範囲とすると、スキャンの開始時、すなわちミラー26の回転角θがθstのときには、2*θst+φ=90°を満たすので、θst=(90-φ)/2である。また、スキャンの終了時、すなわちミラー26の回転角θがθenのときには、2*θen=φ+90°を満たすので、θen=(φ+90°)/2である。このように、照射光IL1の走査範囲(-φ~+φ)を決めることで、ミラー26の回転範囲(θstからθen)を決定できる。例えば、照射光IL1の走査範囲を-30°~+30°とすると、ミラー26の回転範囲は、30°から60°となる。なお、ミラー26の回転角θを45°とすると、照射光IL1は、0°の方向に照射される。
図8は、制御部50が実行する第1発光部20a、第2発光部20bの発光制御、及びミラー26の回転制御のフローチャートである。ステップS100では、制御部50は、ミラー26の回転角θが初期値θstとなるようミラー26の回転角θを設定する。ステップS110では、制御部50は、ミラー26の回転角θを取得する。ミラー26の回転角θは、例えば、ミラー26を回転させるモータ24に接続されたエンコーダを用いて取得可能である。モータ24は、ミラー26を360°回転させるのではなく、回転角θstから後述する回転角θenまで反復回転させる。
ステップS120では、制御部50は、ミラー26の回転角θがθaよりも大きく、かつ、θb未満であるかを判断する。ミラー26の回転角θがθaよりも大きく、かつ、θb未満である場合には、制御部50は処理をステップS130に移行する。ミラー26の回転角θがθaよりも大きく、かつ、θb未満である場合には、図5で説明したように、照射光ILA3が目的の照射方向と異なる方向を照射する。そして、照射光ILA3の照射方向に高反射率物体である物標202が存在している場合には、照射光ILA3が物標202に当たったときの反射光RLA3も強いため、照射光ILA1の本来の照射方向に物標202が存在しなくても、あたかも物標202が本来の照射方向に存在するように、ゴースト202gを誤検知する可能性がある。そのため、ステップS130では、制御部50は、第2発光部20bのみ発光させる。ミラー26の回転角θがθa以下、あるいは、θb以上の場合には、制御部50は処理をステップS140に移行する。
ステップS140では、制御部50は、ミラー26の回転角θがθcよりも大きく、かつ、θd未満であるかを判断する。なお、θcは、θbよりも大きな値である。ミラー26の回転角θがθcよりも大きく、かつ、θd未満である場合には、制御部50は処理をステップS150に移行する。ミラー26の回転角θがθcよりも大きく、かつ、θd未満である場合には、図6で説明したように、照射光ILB3が目的の照射方向と異なる方向を照射する。そして、照射光ILB3の照射方向に高反射率物体である物標204が存在している場合には、照射光ILB3が物標204に当たったときの反射光RLB3も強いため、照射光ILB1の本来の照射方向に物標204が存在しなくても、あたかも物標204が本来の照射方向に存在するようにゴースト204gを誤検知する可能性がある。そのため、ステップS150では、制御部50は、第1発光部20aのみ発光させる。ミラー26の回転角θがθc以下、あるいは、θd以上の場合には、制御部50は処理をステップS160に移行し、第1発光部20a及び第2発光部20bの両方を発光させる。
ステップS170では、制御部50は、ミラー26をΔθだけ回転させる。ステップS180では、制御部50は、ミラー26の回転角θが、θed以上であるか否かを判断する。ミラー26の回転角θがθed以上である場合には、制御部50は、処理をステップS190に移行し、回転角θが、ミラー26の回転角θがθed未満である場合には、制御部50は、処理をステップS110に移行し、ステップS110以降の処理を繰り返す。ステップS190では、制御部50は、処理を終了するか否かを判断する。例えば、車両100のスイッチがオフにされた場合には、制御部50は、処理を終了する。制御部50は、処理を終了しない場合には、処理をステップS100に移行し、ステップS100以降の処理を繰り返す。
図9は、ミラー26の回転角θと、第1発光部20a、第2発光部20bの発光と、物標の認識と、の関係を示す説明図である。第1サイクルでは、制御部50は、ミラー26の回転角がθstからθenまでの全区間において、第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光させる。この場合、ミラー26の回転角θと物標の認識とは、以下の関係にある。
(1)θst≦θ≦θa:物標を認識せず。
(2)θa<θ<θb:物標を認識。
(3)θb≦θ≦θc:物標を認識せず。
(4)θc<θ<θd:物標を認識。
(5)θd≦θ≦θen:物標を認識せず。
この物標を認識したとき、照射方向に存在する物標からの反射光か、照射方向とは異なる方向に存在する物標からの反射光による認識、すなわち、ゴーストの認識かが不明である。
第2サイクルでは、制御部50は、ミラー26の回転角θに応じて、図8に示したフローチャートに従って第1発光部20a、第2発光部20bを以下のように発光させる。この結果、第1発光部20a、第2発光部20bは、以下のように発光する。すなわち、
(6)θst≦θ≦θa:第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光する。
(7)θa<θ<θb:第1発光部20aを発光せず、第2発光部20bを発光する。
(8)θb≦θ≦θc:第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光する。
(9)θc<θ<θd:第1発光部20aを発光し、第2発光部20bを発光せず。
(10)θd≦θ≦θen:第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光する。
この場合、ミラー26の回転角θがθstからθenの範囲のどの値であっても、反射光を認識しない。したがって、第1サイクルでは、θa<θ<θbでは、第1発光部20aからの照射光が本来の照射方向とは異なる方向に照射され、異なる方向からの反射光を認識した、すなわち、ゴーストを認識したものと考えられる。また、第1サイクルでは、θc<θ<θdでは、第2発光部20bからの照射光が本来の照射方向とは異なる方向に照射され、異なる方向からの反射光を認識した、すなわち、ゴーストを認識したものと考えられる。
このように、第1サイクルでの受光部30が受光した反射光で物標を認識し、ゴーストが生じたか否か疑わしい場合、制御部50は次の第2サイクルで、ゴーストが生じたか否か疑わしい回転角で第1発光部20a、第2発光部20bのうちの一方の発光を停止する。このとき、発光を停止したときにゴーストが消えた場合には、第1サイクルにおいて、認識した物標は、ゴーストによるものと判断できる。制御部50は、このゴーストが発生した発光部と、回転角とを対応づけて記憶部52に格納する。このようにすれば、次のサイクルの距離測定において、当該方向で検出された物標がゴーストによるものか否かを見分けることができる。ゴーストが発生しないミラー26の回転角と対応する発光部20a、20bは対応関係を予め記憶部52に保持しておくことで、制御部50が動的に該当する発光部20a、20bの動作及び停止を切り替えることが可能である。
なお、図9では、第2サイクルにおいて、θa<θ<θbにおいて第1発光部20aを発光せず、θc<θ<θdにおいて第2発光部20bを発光していないが、第2サイクルにおいて第1発光部20aを発光せず、第3サイクルにおいて第2発光部20bを発光しないようにしてもよい。認識した反射光がゴーストによるものか否かを確実に認識できる。
以上説明したように、第1実施形態によれば、制御部50は、複数の発光部である第1発光部20a、第2発光部20bの1つからの照射光ILA1、ILB1を、スキャナ22によって、走査範囲内の1つの照射方向に射出する。このとき、制御部50は、照射方向とは異なる方向から受光部30に戻った反射光RLA3またはRLB3が検出された場合、照射光に対応する発光部の発光を、照射方向において一時的に停止する。上記の検出は、得られた照射方向の物標が予め登録された人物や物体の形状と乖離する等の認識アルゴリズムにより、該当方向においてゴーストの確率が一定以上存在すると判定された場合に実行される。光軸が平行にされた複数の発光部である第1発光部20a、第2発光部20bからの照射光ILA1、ILB1は、スキャナ22により同じ照射方向に存在する物標に照射される。このとき、前記判定によりゴーストが存在し得る照射方向にも照射光を照射する発光部を一時的に停止するので、1つの照射方向とは異なる方向、すなわちゴーストが発生し得る照射方向に高反射率の物標が存在しても、この高反射率の物標に照射光が当たらない。その結果、ゴーストが発生せず、高反射率の物標が照射方向に存在するとの誤認識を抑制できる。前記ゴーストが存在し得ると判定されたタイミングから、発光部の1つを一時的に停止して距離測定するまでの期間が十分長い場合、該当のゴースト対象とされた物標が車両の移動等により異なる照射方向に出現することを予測し、該当照射方向の発光部の1つを一時的に停止してもよい。
上記形態において、ミラー26の回転角θが、
θa未満である場合、
θb以上であり、かつ、θc以下である場合、
θd以上の場合、
のいずれかである場合には、第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光している。一般に、第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光することで、光量を2倍にでき、SN比を向上できる。なお、照射光ILA3、ILB3の照射方向に高反射率物体が存在しなければ、ゴーストは発生し難い。すなわち、第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光する期間を長くすることで、SN比の向上と、ゴーストの発生の抑制の両立が可能となる。
・第2実施形態:
図10は、ミラー26の回転角θが45°未満のときの、照射光ILA、ILBの間隔labと、ミラー26の有効径lmと、ミラー26の表面26sの中心と窓28との間隔dmwと、ゴーストの発生との関係を示す説明図である。照射光ILA2がミラーの端部P1に当たるときのミラー26の表面26sの中心と窓28との間隔をdmw1とする。ミラーの回転角θが45°未満のとき、間隔dmwがdmw1よりも短いと、一点破線で示すように、照射光ILA1が窓28で反射して生じた照射光ILA2がミラー28に当たる。一方、間隔dmwがdmw1よりもが長いと、破線で示すように、照射光ILA1が窓28で反射して生じた照射光ILA2がミラー28に当たらない。したがって、間隔dmwをdmw1より長くすれば、ゴーストは、発生しない。
次に、ミラー26の有効径lmと、間隔dmwと、をどのように決めるかを考える。ミラー26の有効径lmは、ミラー26の角度θが照射光ILA、ILBに対して最も浅いθstのときに、照射光ILA、ILBがいずれもミラー26に当たる必要があるため、lmは、
lm≧lab/sinθst
を満たすように決定することができる。
図10に示すようにミラー26の端部を点P1、P4とし、ミラー26の中点を点Pcとする。また、照射光ILA1が窓28の当たった位置から、照射光ILA1と照射光ILA2が為す角を2等分する線を引き、その線がミラー26に当たった位置を点P2とする。照射光ILAがミラーに当たる位置を点P3とする。距離lm1は、点P1と点P2の距離、距離lm2は、点P2と点P3の距離、距離lm3は、点P3と点P4の距離である。またlm4は、点Pcと点P3の距離である。距離lm1からlm3は以下のように表される。
lm1=[dmw1-(lm/2)*sinθ]*tanφ
lm2=[dmw1+(lab/2)]*tanφ
lm3=(lm*cosθ)/2-lm4
ここで、lm4=(lab/2)/tanθ
であるので、lm3は、
lm3=[(lm-lab/sinθ)*cosθ]/2
と示される。
図10からわかるように、ミラー26の回転角θが45°に近づくほど、照射光ILA3と窓28の為す角φ2が大きくなる。許容できるφ2を定め、φ2に対応する回転角θ1を求め、θ1<45°の範囲で距離dmwを、
lm1+lm2+lm3=lm*cosθ1
を満たすdmw1よりも大きくすればよい。すなわち、
[dmw1-(lm/2)*sinθ1]*tanφ+[dmw1+(lab/2)]*tanφ+=[(lm-lab/sinθ1)*cosθ1]/2=lm*cosθ1
を満たすdmw1よりも大きくすれば、照射光ILA2は、ミラー26に当たらす、ゴーストも発生しない。なお、φ=90-2θ1である。
図11は、ミラー26の回転角θが45°よりも大きいときの、照射光ILA、ILBの間隔labと、ミラー26の有効径lmと、ミラー26の表面26sの中心と窓28との間隔dmwと、ゴーストの発生との関係を示す説明図である。照射光ILB2がミラーの端部P5に当たるときのミラー26の表面26sの中心と窓28との間隔をdmw2とする。ミラーの回転角θが45°よりも大きいとき、間隔dmwがdmw2より短いと、一点破線で示すように、照射光ILB1が窓28で反射して生じた照射光ILB2がミラー28に当たる。一方、間隔dmwがdmw2よりもが長いと、破線で示すように、照射光ILB1が窓28で反射して生じた照射光ILB2がミラー28に当たらない。図11において、図10と同様に点P5、P6、P7、P8、及びlm5、lm6、lm7を定めると、lm5、lm6、lm7は以下のように表される。
lm5=[dmw+(lm/2)*sinθ]*tanφ
lm6=(dmw-(lab/2)*tanφ
lm7=[(lm-lab/sinθ)*cosθ]/2
ここで、θ>45°の範囲で、距離dmwを、
lm5+lm6+lm7=lm*cosθ
を満たすdmw2よりも大きくすれば、照射光ILB2は、ミラー26に当たらす、ゴーストも発生しない。なお、θ>45°の場合、照射光ILB2がミラー26に当たっても、照射光ILB3は、窓28から遠ざかる方向に反射する。従って、照射光IBL3が物標に当たることはないが、照射光IBL3がさらにケース60内の物に当たって生じる反射光が物標に当たることを考慮したものである。
距離dmwが、図10で求めたdmw1と、図11で求めたdmw2のうちの大きい方よりも大きい値であれば、スキャンの全範囲でゴーストの発生が抑制される。
以上、第2実施形態によれば、走査範囲内(-φからφ)の同一の照射方向において、複数の発光部である第1発光部20a、第2発光部20bからの2以上の照射光ILA、ILBに対応して、照射方向とは異なる方向から受光部30に戻る2以上の反射光が検出されないように、ミラー26の有効径lmと、ミラー26と窓28の間隔dmwと、を採用した光学系25が配置されているので、照射光RLA3、RLB3によるゴーストの発生を抑制できる。
なお、第2実施形態で説明した光学系25は、第1発光部20a、第2発光部20bからの2以上の照射光ILA、ILBの向きを窓28と平行とし、ミラー26で45°反射させる方向を中心として-φから+φの範囲でスキャンする場合を例にとって説明した。照射光ILA、ILBの向きが異なる場合においても、同様の考え方でミラー26の有効径lmと、ミラー26と窓28の間隔dmwを求めることが可能である。
・第3実施形態:
第3実施形態のハード構成は、第1実施形態と同じであるが、スキャン及び第1発光部20a、第2発光部20bの発光の仕方が異なっている。具体的には、制御部50は、スキャナ22による複数の照射光ILA1、ILB1を1つの照射方向(θ)への射出するときに、第1発光部20a、第2発光部20bを複数回発光させ、複数回の発光には、第1発光部20a、第2発光部20bに一方を単独で発光させる第1の場合と、第1発光部20a、第2発光部20bの両方を同時に発光させる第2の場合とを含んでいる。
図12は、第3実施形態における第1発光部20a、第2発光部20bの発光シーケンスを示す説明図である。図12に示す例では、制御部50は、ミラー26の回転角θをθ11として、時刻t1において、第2発光部20bのみを発光し、時刻t2において、第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光する。次いで、制御部50は、ミラー26の回転角θをθ12として、時刻t3において、第2発光部20bのみを発光し、時刻t4において、第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光する。
図13は、ミラー26の回転角θがθ11の時の受光部30の受光強度を示すグラフである。図13では、第1発光部20aのみを照射した場合を参考に図示している。図13の横軸は、光測距装置10と物標までの距離である。第2発光部20bのみを発光した場合には、距離d1のところに1つの受光強度のピークが現れる。一方、第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光した場合には、距離d1のところに加え、距離d2のところにもう一つのピークが現れている。両者を比較すると、第1発光部20a、第2発光部20bの両方を発光した場合における距離d1のところのピークは、所望とする方向に照射光ILA1、ILB1を向けたときにおける物標200からの反射光RLA1、RLB1に起因するものであると判断できる。一方、距離d1のところのピークは、所望とする方向と異なる方向に照射された照射光RLA3が光反射率の物標202に当たり、その反射光RLA3に起因するピーク、すなわちゴーストと判断できる。距離演算部48は、これらの受光部30の検出結果を比較することで、照射方向から受光部30に戻る反射光RLA1、RLB1と照射方向とは異なる方向から受光部30に戻る反射光RLA3とを判別し、物標200までの距離の算出を行なうことができる。
以上、第3実施形態によれば、制御部50は、スキャナ22による複数の照射光の1つの照射方向への射出において、複数の発光部である第1発光部20a、第2発光部20bを複数回発光させ、複数回の発光には、複数の発光部のうちの1つを単独で発光させる第1の場合と、第1発光部20a、第2発光部20bのうちの2つ以上を同時に発光させる第2の場合とを含んでおり、距離演算部48は、第1の場合の受光部30の検出結果と、第2の場合の受光部30の検出結果とを比較して、照射方向から受光部30に戻る反射光RLA1、RLB1と照射方向とは異なる方向から受光部30に戻る反射光RLA3とを判別し、第2の場合の検出結果を用いて、物標200までの距離の算出を行なうことができる。
第3実施形態において、上記説明では、制御部50は、第1の場合には、第1発光部20aを発光せず、第2発光部20bを発光しているが、第1の場合に、第1発光部20aを発光し、第2発光部20bを発光しないようにしてもよい。
第3実施形態において、図14では、ゴースト(物標202)に対応する距離d2は、物標200に対応する距離d1よりも長くなっているが、距離d1、d2は、光測距装置と、物標200、202との距離に依存するので、距離d2が距離d1より短くなる場合もある。
上記各実施形態では、受光部30としてSPADを用い、距離算出部48は、発光部である第1発光部20a、第2発光部20bの発光のタイミングからの経過時間に沿った検出結果を重ね合わせたヒストグラムを用いて距離を検出しているが、SPAD以外の受光部であってもよい。例えば、発光における位相と受光における位相との位相差を用いて、距離を検出してもよい。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…光測距装置、20…発光部、20a…第1発光部、20b…第2発光部、22…スキャナ、24…モータ、25…光学系、26…ミラー、26o…ミラーの中心、26s…ミラーの表面、28…窓、28a、28e…窓の端部、28b…位置、28c…窓の中央、28d…位置、30…受光部、32…受光素子、32d…アバランシェフォトダイオード、32i…インバータ回路、32r…クエンチング抵抗器、34…受光素子アレイ、36…デコーダ、40…測定部、42…加算部、44…ヒストグラム生成部、46…ピーク検出部、48…距離算出部、50…制御部、60…ケース、100…車両、200、202、204…物標、202g、204g…ゴースト

Claims (7)

  1. 光測距装置(10)であって、
    ケース(60)に収納された、光軸が平行な複数の発光部(20a、20b)と、
    前記複数の発光部が発光した複数の照射光を反射するミラー(26)と前記ミラーで反射した前記複数の照射光を外部に透過する窓(28)とを含む光学系(25)を備え、前記ミラーの角度を変えることで、予め定められた走査範囲内を前記複数の照射光により走査するスキャナ(22)と、
    前記スキャナにより前記走査範囲を前記複数の照射光により走査する際、前記走査範囲に存在する物標に反射した反射光を、前記ケース内で検出する受光部(30)と、
    前記複数の発光部による前記複数の照射光の発光と物標からの反射光の前記受光部による検出とを用いて、前記物標までの距離を算出する距離算出部(48)と、
    前記複数の発光部の発光と前記スキャナの動作とを制御する制御部であって、前記複数の発光部の1つからの照射光を、前記スキャナによって、前記走査範囲内の1つの照射方向に射出した際に、前記1つの照射方向とは異なる方向から前記受光部に戻った反射光が検出されるミラー角度において、前記1つの照射方向とは異なる方向から前記受光部に戻った反射光に対応する発光部の発光を一時的に停止する制御部(50)と、
    を備える光測距装置。
  2. 前記走査範囲内の同一の照射方向において、前記複数の発光部からの2以上の照射光に対応して、前記1つの照射方向とは異なる方向から前記受光部に戻る2以上の反射光が検出されないように、前記光学系が配置されている、請求項1記載の光測距装置。
  3. 前記制御部は、前記スキャナによる前記複数の照射光の前記1つの照射方向においては、
    前記1つの照射方向とは異なる方向から前記受光部に戻った反射光が検出された発光部を停止し、
    前記1つの照射方向とは異なる方向から前記受光部に戻った反射光が検出されなかった発光部を動作させる、
    請求項1または請求項2に記載の光測距装置。
  4. 前記制御部は、前記スキャナによる前記複数の照射光の前記1つの照射方向への射出において、前記複数の発光部を複数回発光させ、前記複数回の発光には、前記複数の発光部のうちの1つを単独で発光させる第1の場合と、前記複数の発光部のうちの2つ以上を同時に発光させる第2の場合とを含み、
    前記距離算出部は、前記第1の場合の前記受光部の検出結果と、前記第2の場合の前記受光部の検出結果とを比較して、前記1つの照射方向から前記受光部に戻る反射光と前記1つの照射方向とは異なる方向から前記受光部に戻る反射光とを判別し、前記第2の場合の検出結果を用いて、前記物標までの距離の算出を行なう、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光測距装置。
  5. 前記距離算出部は、前記複数の発光部による発光から前記受光部による検出までの経過時間から、前記物標までの距離を算出する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光測距装置。
  6. 前記受光部は、SPADであり、
    前記距離算出部は、前記複数の発光部の発光のタイミングからの経過時間に沿った検出結果を重ね合わせたヒストグラムを用いて前記物標までの距離を算出する、
    請求項5記載の光測距装置。
  7. 前記制御部は、前記複数の発光部の1つからの照射光を、前記スキャナによって、前記走査範囲内の1つの照射方向に射出した際に、前記1つの照射方向とは異なる方向から前記受光部に戻った反射光が検出されるミラーの回転角及び対応する発光部を予め保持する記憶部(52)を有する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光測距装置。
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