JP7364351B2 - 一重項酸素消去剤及び皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
発明者らは以下の方法により、サルフェン硫黄は一般的な抗酸化作用(フリーラジカル消去作用)のほか、一重項酸素消去作用を有していることを見出した。
分子内に硫黄分子を有する化合物である、サルフェン硫黄(Sodium Disulfide、またはSodium Trisulfide、またはSodium Tetrasulfide;すべて和光純薬製)、システイン(和光純薬)、還元型グルタチオン(和光純薬)に精製水を加え、任意の濃度の溶液を調製し、それを希釈したものを被験物質とした。なお、対照物質には精製水を用いた。
ヒドロキシラジカル消去試験は、以下の要領で行った。なお、用いた試薬類はすべて和光純薬より入手した。
<ビスエチレンジアミン銅硫酸塩水溶液の調製>
硫酸銅五水和物とエチレンジアミンをモル比が1:2となるように精製水50 mLに溶解し、95%エタノール水溶液を適量加え、紫色の結晶を析出させた。吸引濾過により結晶を取り出した後、結晶を99.5%エタノールにて2回洗浄した。濾紙上で結晶を一晩乾燥させることで、ビスエチレンジアミン銅硫酸塩二水和物([Cu(C2H8N2)2]SO4・2H2O)を得た。これを精製水に溶解し、1mMビスエチレンジアミン銅硫酸塩水溶液を調製した。
<ヒドロキシラジカル消去試験の実施>
試験管に1mMビスエチレンジアミン銅硫酸塩水溶液を20μL、0.05Mリン酸バッファー(pH7.4)を90μL加えた。ここに、30mM過酸化水素水または精製水を20μLずつ加え、40度で1時間反応させた。ここで被験物質を任意の濃度になるよう精製水で希釈したものを20μLずつ添加した。さらに45mM2-デオキシーD-リボース水溶液を50μL加え、40度で1時間反応させた。0.07N水酸化ナトリウム溶液に溶解した70mMチオバルビツール酸水溶液を1.2mL加えたのち、1M塩酸水溶液を100μL加えた。試験管上部に蓋をし、沸騰水浴で30分間加熱し、その後直ちに30分間水冷した。得られた反応液を100μLずつ96穴プレートに移し、蛍光マイクロプレートリーダー(TECAN)にて540nmの吸光度を測定した。次に示す数式を用いて、ヒドロキシルラジカル消去率を算出した。
一重項酸素消去試験は、以下の要領で行った。なお、用いた試薬類はすべて和光純薬より入手した。
<DPBF反応溶液の調製>
DPBF反応溶液は、以下に示す各成分を、(A):(B):(C)=8:1:1容量の割合で混合し調製する。
(A)1、3-ジフェニルイソベンゾフラン(DPBF)を99.5%エタノールに完全に溶解させた後、等量の精製水と混合することで調製した、0.2mMDPBF溶液
(B)ローズベンガルを50%エタノールに溶解して調製した、0.016mMローズベンガル水溶液
(C)〔0024〕で調製した任意の濃度の被験物質
<Blank反応溶液の調製>
Blank反応溶液は、以下に示す各成分を、(A):(B):(C)=8:1:1容量の割合で混合し調製する。
(A)50%エタノール水溶液
(B)ローズベンガルを50%エタノールに溶解して調製した、0.016mMローズベンガル水溶液
(C)〔0024〕で調製した任意の濃度の被験物質
<一重項酸素消去試験の実施>
DPBF反応溶液またはBlank反応溶液100μLを96穴プレ-トに添加し、蛍光マイクロプレートリーダーにて415nmの吸光度を測定した。UVランプFL20S・BLB(東芝社)にてUV-Aをプレートに550mJ/cm2照射した後、再度415nmの吸光度を測定した。式2に示す数式からUV-A照射後の吸光度の減少量を算出し、さらに式3に示す数式を用いて、一重項酸素消去率を算出した。
各被験物質はすべて分子内に硫黄分子を有しており、システイン、還元型グルタチオンは分子内に各1つの硫黄分子、Sodium Disulfideは分子内に2つの連結した硫黄分子、Sodium Trisulfideは3つの連結した硫黄分子、Sodium Tetrasulfideは4つの連結した硫黄分子を有する。図1からすべての被験物質は40~60%程度のヒドロキシラジカル消去力を有することが確認された。しかしながら、図2では、サルフェン硫黄(Sodium Disulfide、またはSodium Trisulfide、またはSodium Tetrasulfide)のみ一重項酸素消去能を有することが確認された。システイン、還元型グルタチオンはヒドロキシラジカル消去能を有していた一方、一重項酸素消去能については有していなかったことから、ヒドロキシラジカル消去能と一重項酸素消去能には関係がないことが示唆された。これより、硫黄分子を複数連結した構造を有するサルフェン硫黄は、硫黄分子を1つのみ有するシステインや還元型グルタチオン分子とは全く異なる作用を有することが示され、一重項酸素消去という特徴的な作用を有することが確認された。
サルフェン硫黄合成酵素の遺伝子発現量確認の試験は、以下の要領で行った。
<被験物質の調製>
乾燥させた植物原体に10倍の質量の精製水を加えて60℃、4時間加熱抽出した。抽出物の乾燥残分に対して、精製水を質量比で1:100(10,000ppm)となるように加えて希釈したものを被験物質とした。なお用いた植物原体は、サチャインチ(Plukenetia volubilis L.)種子圧搾残渣のほか、セロシア(Celosia argentea)種子、グリーンコーヒー(Coffea)種子(豆)、カロブ(Ceratonia siliqua)種子である。
ヒト真皮線維芽細胞を、牛胎児血清10.0%を加えたダルベッコMEM(D-MEM)培地に懸濁し、5×104cells/mLになるように細胞懸濁液を調製し24穴培養プレートに500μLずつ播種した。37℃、5%CO2/95%空気の加湿条件で3~4日間培養し、被験物質を終濃度30ppmになるように培地に加えた。なお、対照物質として、それぞれの被験物質の溶媒の精製水を終濃度30ppmになるように加えた。37℃、5%CO2/95%空気の加湿条件で24時間培養後、Total RNA Purification Kit(Jena Bioscience)を用いて、Total RNAを抽出した。その後、PrimeScript RT Reagent Kit(TaKaRa)を用いて逆転写を行い、cDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型として、サルフェン硫黄合成酵素CSEおよびGAPDH(グリセルアルデヒド3-リン酸 デヒドロゲナー ゼ;ハウスキーピング遺伝子として使用)の発現量を以下のプライマー及び酵素を用いて、リアルタイムPCR(7500 Real Time PCR System、アプライドバイオシステムズ)にて測定した。プライマーには、CSE用センスプライマー(5’-GAATGGCAGTTGCCCAGTTC-3’)、アンチセンスプライマー(5’-GGGCAGCCCAGGATAAATAAC-3’)、GAPDH用センスプライマー(5’-CCACATCGC TCAGACACCAT-3’)、アンチセンスプライマー(5’-TGACCAGGC GCCCAATA-3’)を用いた。PCRの反応にはPower SYBR Green Master Mix(アプライドバイオシステムズ)を使用し、遺伝子発現の解析は比較Ct法にて行った。つまり、被験物質添加による遺伝子発現量の変化は、コントロール群のCSEのCt値をGAPDHのCt値で補正した値を100とし、それに対する相対量(%)として求めた。
サルフェン硫黄発現量確認の試験は、以下の要領で行った。
<被験物質の調製>
〔0032〕と同様に行った。
<SSP4反応溶液の調製>
SSP4反応溶液は、以下に示す各成分を、(A):(B)=1:250容量の割合で混合し調製する。
(A)サルフェン硫黄検出試薬SSP4(同仁化学研究所)1mgにジメチルスルホキシド(DMSO)を165μL加えて溶解した。
(B)Cethyltrimethylammonium bromide(CTAB)36.4mgを精製水1mLにて溶解した。ダルベッコMEM(D-MEM)培地にて200倍希釈した。
<サルフェン硫黄発現量の確認>
ヒト真皮線維芽細胞を、牛胎児血清10.0%を加えたダルベッコMEM(D-MEM)培地に懸濁し5×104cells/mLになるように細胞懸濁液を調製し、96穴培養プレートに100μLずつ播種した。37℃、5%CO2/95%空気の加湿条件で2日間培養したのち、被験物質を終濃度30ppmになるように培地に加えた。なお、陰性対照として、それぞれの被験物質の溶媒の精製水を終濃度30ppmになるように加えた。37℃、5%CO2/95%空気の加湿条件で24時間培養後、培地を除去し、SSP4反応溶液を各ウェルに50μLずつ添加した。37℃、5%CO2/95%空気の加湿条件で15分間インキュベートしたのち、溶液を除去し、PBS(-)で各ウェルを洗浄後100μLを添加し、蛍光顕微鏡(キーエンス)を用いて蛍光像を取得した。
サチャインチ抽出物(1,3ブチレングリコール50v/v%溶媒・60℃・4時間抽出) 0.1
レゾルシン 0.5
パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 4.0
ブチルメトキシベンゾイルメタン 4.0
ステアリルアルコール 18.0
モクロウ 20.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 0.3
ワセリン 33.0
香料 適量
防腐剤・酸化防止剤 適量
精製水 残部
合 計 100.0
サチャインチ抽出物 (エタノール50v/v%水溶液溶媒・25℃・3日抽出) 5.0
卵殻カルシウム 10.0
乳糖 20.0
澱粉 7.0
デキストリン 8.0
硬化油 5.0
セルロース 残部
合計 100.0
サチャインチ抽出物(水・60℃・4時間抽出) 1.0
タウリン 3.0
ピリドキシン塩酸塩 0.02
チアミン硫化物 0.01
リボフラビン 0.003
無水カフェイン 0.05
精製白糖 5.0
D-ソルビトール液 2.0
クエン酸無水物 0.2
香料 適量
精製水 残部
合計 100.0
サチャインチ抽出物(エタノール溶媒・5℃・1日抽出) 0.01
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.) 1.5
1,3-ブチレングリコール 4.5
グリセリン 3.0
エタノール 2.0
ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 5.0
エデト酸三ナトリウム 0.1
防腐剤 適量
pH調整剤 適量
精製水 残部
合計 100.0
サチャインチ抽出物(エタノール溶媒・25℃・1日抽出) 0.05
タルク 5.0
セリサイト 8.0
酸化チタン 5.0
色顔料 適量
モノイソステアリン酸ポリグリセリル 3.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.5
イソノナン酸イソトリデシル 10.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
酸化防止剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残部
合 計 100.0
Claims (6)
- サチャインチ種子の水抽出物を有効成分として含有する一重項酸素消去剤。
- サチャインチ種子の水抽出物を有効成分として含有するサルフェン硫黄発現増強剤。
- サチャインチ種子の水抽出物を有効成分として含有する、システインパースルフィド、システインポリスルフィド、グルタチオンパースルフィド、グルタチオンポリスルフィド、から選択される少なくとも1種以上の発現増強剤。
- サチャインチ種子の水抽出物を有効成分として含有するシスタチオニンγリアーゼの遺伝子発現量及び/またはタンパク質発現量の増強剤。
- サチャインチ種子の水抽出物を有効成分として含有するシワ、 たるみ抑制用皮膚外用剤。
- サルフェン硫黄の発現を増強するための、サチャインチ種子水抽出物の使用(人間を手術、治療または診断する方法を除く)。
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