JP7366033B2 - 支援装置、支援方法、支援プログラム、及び、ボイラシステム - Google Patents

支援装置、支援方法、支援プログラム、及び、ボイラシステム Download PDF

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Description

本発明は、反応炉へ供給する気体の供給圧力の制御を支援する支援装置、支援方法及び支援プログラムに関する。
反応炉へ供給する反応空気は、反応炉の運転負荷に応じた適切な気体流量を設定することが重要である。例えば、特許文献1には、燃焼炉へ供給する空気流量比率とプラントの計測信号の正規分布を用いることによって、プラントの運転に伴う蓄積データが少ない場合であっても、信頼性を低下させることなく、燃焼炉へ供給する空気流量を制御できるプラントの制御装置が開示されている。
特開2007-272361号公報
従来より、反応炉へ供給する気体流量を制御するための反応気体の供給圧力の設定値は、試運転を行うこと等で反応炉の静特性と動特性を確認及び評価した上で、設計者が決めている。しかしながら、初期設定値の誤りや、試運転後の運転状態・条件の変化に伴って供給圧力の設定値を見直す必要が生じることが少なくなく、設計者は、多大な労力と時間をかけて見直し作業を行っている。
この点、特許文献1のプラントの制御装置においても、燃焼空気の供給圧力を適切に設定することについては十分に対処されているとはいえない。
本発明のある態様の例示的な目的の一つは、人手による労力と時間を抑制しつつ、反応気体の供給圧力を適切に設定することを可能にする支援装置、支援方法及び支援プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のある態様の支援装置は、反応炉へ供給する気体の供給圧力の制御を支援する支援装置であって、所定の供給圧力と反応炉へ供給する気体量の関係を示す第1の運転支援データを記憶する記憶部と、第1の運転支援データに基づいて反応炉を運転することによって、供給する気体の流量を調整する調整部の第1のデータを取得し、調整部の所定の範囲内で第1のデータとは異なる第2のデータを取得し、調整部の第2のデータに基づいて、第1の運転支援データとは異なる供給圧力と気体量の関係を示す第2の運転支援データを算出する、制御部と、第2の運転支援データを表示する表示部とを備える。
これによれば、第1の運転支援データに基づいて反応炉を運転することに伴って得られた調整部の第2のデータに基づいて、第1の運転支援データとは異なる第2の運転支援データを算出して表示する。第2の運転支援データは、反応炉を運転することに伴って得られたものであるため、人手による労力と時間を抑制することができ、実際の反応炉の状態に応じたより適切な運転が可能となる。
本発明の別の態様は、支援方法である。この方法は、反応炉へ供給する気体の供給圧力の制御を支援する支援方法であって、所定の供給圧力と反応炉へ供給する気体量の関係を示す第1の運転支援データに基づいて反応炉を運転すること、供給する気体の流量を調整する調整部の第1のデータを取得すること、調整部の所定の範囲内で第1のデータとは異なる第2のデータを取得すること、調整部の第2のデータに基づいて、第1の運転支援データとは異なる供給圧力と気体量の関係を示す第2の運転支援データを算出すること、及び、第2の運転支援データを表示することを含む。
本発明のさらなる別の態様は、支援プログラムである。このプログラムは、反応炉へ供給する気体の供給圧力の制御を支援するためにコンピュータで実行される支援プログラムであって、コンピュータに、所定の供給圧力と反応炉へ供給する気体量の関係を示す第1の運転支援データに基づいて反応炉を運転すること、供給する気体の流量を調整する調整部の第1のデータを取得すること、調整部の所定の範囲内で第1のデータとは異なる第2のデータを取得すること、調整部の第2のデータに基づいて、第1の運転支援データとは異なる供給圧力と気体量の関係を示す第2の運転支援データを算出すること、及び、第2の運転支援データを表示することを実行させる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、人手による労力と時間を抑制しつつ、反応気体の供給圧力を適切に設定することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る支援装置が適用されるボイラ1の全体を示す図である。 ボイラ1の空気供給機構を示す図である。 燃焼炉へ供給する供給圧力と空気量との関係を示す運転支援データの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る支援装置100の構成を示す図である。 支援装置100が、燃焼炉へ供給する空気の供給圧力の制御を支援する支援方法の一例を示すフローチャートである。 支援装置100による支援方法を説明するための図である。 支援装置100による支援方法を説明するための図である。 支援装置100による支援方法を説明するための図である。 支援装置100による支援方法を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るボイラ1の全体を示す図である。ボイラ1は、反応炉の一態様である燃焼炉10、サイクロン等のセパレータ11、煙道12、過熱器13、エコノマイザ14、集塵機16、ポンプ17、煙突18、及び、気体供給機構の一態様である空気供給機構20を備える。本実施形態に示すボイラ1は、循環流動層(CFB:Circulating Fluidized Bed)ボイラである。以下、燃焼炉10へ供給する気体の一態様として、燃焼炉10へ空気を供給する場合を説明する。
燃焼炉10は、炉外から燃料及び燃焼空気が供給される。燃焼空気は、空気供給機構20を介して燃焼炉10へ供給される。空気供給機構20は、燃焼炉10へ供給される燃焼空気を排ガスの余熱を用いて予熱する空気予熱器21を含む。セパレータ11は、燃焼炉10から排出された高温の排ガスから固体成分を分離させて排ガスを煙道12に送る。過熱器13は煙道12に設けられ、高温の排ガスの熱を受けてボイラ1の蒸気を過熱する。エコノマイザ14は煙道12の過熱器13より後段に設けられ排ガスの余熱を利用して温水を予熱する。集塵機16は、バグフィルタ及び電気集塵機等であり、低温の排ガスからダストを捕集する。ポンプ17及び煙突18は排ガスを空中に排出させる。
図2は、ボイラ1の空気供給機構20を示す図である。空気供給機構20は、図1に示す空気予熱器21のほか、圧力計22、吸い込みダンパ23、ファン24、流量計25、流量調整ダンパ26を備える。流量調整ダンパ26は、供給する空気の流量を調整する調整部の一例である。
圧力計22は、流量調整ダンパ26を通過する空気の供給圧力を計測する。吸い込みダンパ23及びファン24は、外部から空気を吸い込むための機器の一例である。吸い込みダンパ23及びファン24により吸い込まれた空気は、空気予熱器21によって加熱され、高温の空気が流量調整ダンパ26へ送られる。流量調整ダンパ26を通過する空気の供給圧力は、燃焼に必要とされる空気量に見合ったものとなることが要求され、この要求に応じて、吸い込みダンパ23のダンパ開度と、ファン24を駆動する駆動部の出力(例えばモータのインバータの出力)と、が決められる。この場合、圧力計22によって計測された圧力値が設定圧力となるように、吸い込みダンパ23の開度と、ファン24の駆動部が制御される。
流量計25は、流量調整ダンパ26を通過する空気の流量を計測する。流量計25は例えば流量調整ダンパ26の上流側に配置される。流量調整ダンパ26を通過する空気の流量は、圧力計22が示す供給圧力に基づいて決定される。具体的には、圧力計22の圧力値が大きいと流量調整ダンパ26の開度が小さくなり、他方で、圧力計22の圧力値が小さいと流量調整ダンパ26の開度が大きくなる。このように流量調整ダンパ26は供給圧力に応じてそのダンパ開度の値が変化し、これにより供給圧力に基づいて流量調整ダンパ26を通過する空気の流量が調整される。流量調整ダンパ26を通過した空気は、燃焼炉10へ供給される。
図2に示すような空気供給機構20においては、燃焼空気の供給圧力が低すぎると、燃焼炉10における適切な燃焼状態を保持できず、最悪の状況においては、異常燃焼防止のためのインターロックが動作して燃焼炉10の運転が緊急停止する場合がある。また、燃焼空気の供給圧力が低すぎるために、燃焼炉10の負荷変化が求められたときに適切な圧力が維持できず、必要な空気量を供給できなくなる場合がある。他方で、燃焼空気の供給圧力が高すぎると、空気の流量を調整する流量調整ダンパ26が十分な制御性を有しない範囲で適用されることとなる。また、燃焼空気の供給圧力が必要以上に高いと、供給圧力を増加させるためのファン24等を必要以上に稼働させることとなり、装置全体において無駄な駆動エネルギーを消費することとなる。このように空気供給機構20においては、燃焼空気の供給圧力を適切に設定することが求められている。
図3は、燃焼炉10へ供給する供給圧力と空気量との関係を示す運転支援データの一例を示す図である。図3に示すように運転支援データは例えばグラフである。図3の運転支援データの供給圧力は例えば機器に設定する設定圧力(入力)である。また、図3の空気量は例えばボイラ負荷に相当する。なお、空気量は空気流速であってもよい。
図3に示すとおり、燃焼炉10に供給される空気量が大きいと、燃焼炉10へ供給する供給圧力は大きい。図3の運転支援データは、燃焼炉の試運転を行うこと等でボイラの各構成についての静特性と動特性を確認及び評価した上で、設計者によって生成される。例えば、図3に示すように、設計者がいくつかのプロットを算出し、それらのプロットに基づいてグラフを作成してもよい。あるいは、運転支援データは、設計者によって生成されるものに限らず、ボイラ1を実際に運転することによって得られる運転データに基づいて生成したものであってもよい。
図4は、本発明の一実施形態に係る支援装置100の構成を示す図である。支援装置100は、制御部110、記憶部120、操作部130及び表示部140を備える。制御部110は、圧力計22、流量計25及び流量調整ダンパ26等のボイラ1の各構成との間で信号の送受信が可能なように接続されており、燃焼炉10へ供給する空気の供給圧力の制御を支援するために必要な処理を行う。支援装置100は、気体の供給圧力の制御を支援する装置である。なお、支援装置100は、気体の供給圧力を制御する装置とは別個の装置であってもよいし、あるいは、気体の供給圧力の制御する装置と一体となった装置であってもよい。
制御部110は、制御情報を入力するための操作部130及び制御情報を出力するための表示部140に接続されている。これにより作業者が表示部140によって画面を認識しながら操作部130によって必要な制御情報を入力できるようになっている。また、制御部110は、燃焼炉10へ供給する空気の供給圧力の制御を支援するために必要な各種データを記憶する記憶部120に接続されている。記憶部120には、ボイラ1を運転するために必要な制御を行う運転プログラムや、ボイラ1の運転に関わる各種データが記憶されている。制御部110は、記憶部120から取得したデータを読み出して必要な制御を行い、また、新たに取得又は算出したデータを記憶部120に格納する。
支援装置100は、CPU及びメモリ等を備えるコンピュータ装置であり、メモリには、予め、燃焼炉10へ供給する空気の供給圧力の制御を支援するために必要な処理を行うための支援プログラムや、制御部110における後述する各構成要素が処理した各種データ等が格納される。制御部110は、後述する燃焼炉10へ供給する空気の供給圧力の制御の支援を行うにあたって必要な動作を制御するように構成されている。言い換えれば、制御部110は、後述の各動作をコンピュータに実行させるための支援プログラムを備える。なお、後述の本実施形態に係る支援方法を規定したプログラムがコンピュータに働きかけてCPUに行わせる処理は、それぞれ本実施形態の支援装置100又は支援方法における対応する要素の機能及び動作と同一である。
制御部110は、調整データ取得部111、調整データ判定部112、運転支援データ算出部113及び運転見直し判定部114を備える。調整データ取得部111は、流量調整ダンパ26の流量調整に関わるパラメータに基づくデータ(例えばダンパ開度に基づくダンパ開度の度数分布)を取得する。調整データ判定部112は、流量調整ダンパ26の流量調整に関わるパラメータを変更可能であるか否かを判定する。また、運転支援データ算出部113は、調整データ判定部112によってパラメータが変更された場合、変更後のパラメータに基づいて新たな運転支援データを算出する。運転見直し判定部114は、運転支援データ算出部113によって算出された新たな運転支援データに基づいて、ボイラ1の運転の仕様を見直すか否かを判定する。運転見直し判定部114は、例えば、ボイラ1の運転開始から所定の期間経過後に実行される。調整データ取得部111、調整データ判定部112、運転支援データ算出部113及び運転見直し判定部114は、処理の全てをコンピュータで実行するものに限定されるものではなく、操作部130の入力によって人手作業を介在させて実行する場合を含む。なお、制御部110の各種の構成の具体的な動作については後述の支援方法において詳述する。
記憶部120は、運転支援データデータベース(以下、データベースを「DB」という。他の符号も同様である。)121及び運転データDB122を備える。運転支援データDB121は、燃焼炉10へ供給する供給圧力と空気量との関係を示す運転支援データを記憶する。例えば、運転支援データは、設計者によって生成されたデータ、ボイラ1を実際に運転することによって得られる運転データに基づいて生成されたデータ、又は、制御部110が新たに取得又は算出したデータである。
運転データDB122は、ボイラ1を実際に運転することによって得られる運転データを記憶する。運転データは、流量調整ダンパ26のダンパ開度や空気の供給圧力などのボイラ1の各構成に関わるデータを含む。例えば、運転データDB122に記憶される運転データは、供給圧力に対する流量調整ダンパ26のダンパ開度の度数分布を示すデータ、及び、流量調整ダンパ26のダンパ開度に対応する供給圧力の度数分布を示すデータを含む。なお、運転支援データ及び運転データはいずれも、ボイラ1の運転時期や運転状況等に対応付けられてデータベースに記憶される。
図5は、支援装置100が、燃焼炉へ供給する空気の供給圧力の制御を支援する支援方法の一例を示すフローチャートである。また、図6から図9は、支援装置100による支援方法を説明するための図である。なお、図6から図9の内容は、表示部140に表示されてもよい。
以下、本発明の一実施形態に係る支援方法として、支援装置100を用いた動作の一例について説明する。なお、以下の例では、設計者による初期の運転支援データ(第1の運転支援データ)に基づいてボイラ1の運転を開始する場合について説明する。
図5において、まず、制御部110が運転支援データDB121から第1の運転支援データを取得し、当該第1の運転支援データに基づいてボイラ1の運転を行う(S10)。例えば、表示部140に第1の運転支援データ(図3参照)を表示し、作業者が表示部140を認識して第1の運転支援データに基づくボイラ1の運転を開始する。このとき、ボイラ1の空気供給機構20においては、圧力計22によって計測された計測値が、第1の運転支援データの供給圧力となるように、吸い込みダンパ23の開度と、ファン24の駆動部が制御される。
次に、調整データ取得部111が流量調整ダンパ26のダンパ開度を取得する(S11)。流量調整ダンパ26のダンパ開度は、燃焼炉10における燃焼に必要な空気量を示す指令値に応じて制御された、吸い込みダンパ23のダンパ開度と、ファン24の駆動部の出力とによって決められる。本例では、S11の時点で取得されるダンパ開度は20%である。S11で取得されたダンパ開度は表示部140に表示される。この場合、表示部140には、ダンパ開度の値とともに次のS11以降に移行するか否かの指示を作業者に促すための情報が表示されてもよい。
そして、調整データ取得部111は、流量調整ダンパ26のダンパ開度20%に対応する供給圧力におけるダンパ開度の度数分布を第1のデータとして取得する(S12)。任意の供給圧力に対応するダンパ開度の度数分布は、予め記憶部120に記憶されており、調整データ取得部111は、記憶部120から運転データを読み出して、実運転によって取得したダンパ開度の値に対応するダンパ開度の度数分布を取得する。本例では、ダンパ開度20%を最頻値として有するダンパ開度の度数分布を取得する。
ここで、図6には、第1の運転支援データと、第1の運転支援データにおける任意の供給圧力a1,a2,a3及びa4のプロットのそれぞれに対応する、流量調整ダンパ26のダンパ開度の度数分布とが示されている。流量調整ダンパ26のダンパ開度の度数分布は、例えば過去の試運転又は実運転から取得した統計値であり、運転データDB122に予め記憶されている。このような運転データは、操作部130による操作によって適宜表示部140に表示可能である。なお、ダンパ開度の度数分布を取得するときの空気の供給圧力の値は、設定圧力を用いてもよいし、圧力計22によって計測された計測値を用いてもよい。
図5に戻り、調整データ判定部112は、ダンパ開度20%に対応する供給圧力におけるダンパ開度の度数分布と、当該供給圧力において流量調整ダンパ26が空気を供給可能である流量調整ダンパ26のダンパ開度の所定の範囲とに基づいて、流量調整ダンパ26のダンパ開度を変更するか否かを判定する(S13)。この場合、例えば、図7に示すように、ダンパ開度20%に対応する供給圧力におけるダンパ開度の度数分布と、当該供給圧力において流量調整ダンパ26が空気を供給可能である流量調整ダンパ26のダンパ開度の所定の範囲と、が表示部140に表示される。なお、S13における流量調整ダンパ26の「所定の範囲」とは、流量調整ダンパ26が空気を供給可能なダンパ開度の上限と下限との間の任意の範囲を指し、例えば実運転に基づく流量調整ダンパ26の性能に基づいて決められる。
図7の例では、ダンパ開度20%に対応する供給圧力におけるダンパ開度の度数分布は、流量調整ダンパ26の所定の範囲内に存在しているものの、流量調整ダンパ26のダンパ開度の上限まで余裕があるため、現状よりもダンパ開度の値を大きくすることが可能である。そこで、本例では、調整データ判定部112は、流量調整ダンパ26のダンパ開度の変更が必要であると判定し(S13 YES)、流量調整ダンパ26のダンパ開度を20%から25%に変更する。このとき、調整データ取得部111は、流量調整ダンパ26のダンパ開度25%に対応する供給圧力におけるダンパ開度の度数分布を第2のデータとして取得する(S14)。言い換えれば、第2のデータとしてのダンパ開度の度数分布が、流量調整ダンパ26のダンパ開度の所定の範囲内に収まるようにダンパ開度の値を変更する。本例では、ダンパ開度25%を最頻値として有するダンパ開度の度数分布を取得する。これらの一連の処理は、例えば、図7に示すように、第1のデータと、流量調整ダンパ26の所定の範囲とを表示部140に表示し、作業者に対して第2のデータを取得する操作を促すことで行う。このとき、流量調整ダンパ36のダンパ開度の値を変更する必要がある場合には、作業者にダンパ開度の値の変更を促す情報(例えば「警告」など)が表示部140に表示されてもよい。また、ダンパ開度の変更は、流量調整ダンパ26の変更候補となるダンパ開度の値が表示部140に表示されて作業者がこれを選択することで行われてもよいし、あるいは、作業者が変更後のダンパ開度の値の入力を促すための情報が表示部140に表示されることで行われてもよい。また、取得可能な第2のデータを表示部140に表示してもよい。
このように、本例では、ダンパ開度を大きくすることによって、供給圧力を小さくすることができ、ファン24の駆動エネルギーを節約できるなど、供給圧力を生成するための駆動エネルギーの消費を抑えることができる。なお、第2のデータとしてのダンパ開度の度数分布も、第1のデータと同様に、運転データDB122に予め記憶されたデータを読み出すことで取得することができる。
なお、図7の例では、流量調整ダンパ26の所定の範囲は、当該供給圧力において流量調整ダンパ26が空気を供給可能なダンパ開度の上限と下限の範囲である例を示しているが、流量調整ダンパ26の所定の範囲は、必ずしもそのダンパが正常に動作可能である性能上の上限と下限で区別された範囲に限らず、上限及び下限よりも内側である設計者等が決めた任意の範囲であってもよい。ここで、流量調整ダンパ26の所定の範囲は、供給圧力の変化に依存しない固定の範囲である。また、図7の例とは異なり、第1のデータとしての現状のダンパ開度の度数分布が、流量調整ダンパ26の所定の範囲外に一部が存在しており、そこから所定の範囲内に収まるようにダンパ開度の値を変更してもよい。また、ダンパ開度の変更は、必ずしも供給圧力を小さくする態様に限らず、例えば運用上、供給圧力を大きくすることが許容され、そのほうが運転上適切である場合は、ダンパ開度の値を小さくするように変更してもよい。
図5に戻り、流量調整ダンパ26のダンパ開度の変更が必要ではないと判定したとき(S13 NO)はS10に戻る。図5のS14の後、図8に示すように、変更後のダンパ開度に対応する供給圧力を取得するために、調整データ取得部111が、ダンパ開度25%に対応する供給圧力の度数分布を取得し、運転支援データ算出部113が、第2の運転支援データを算出する(S15)。任意のダンパ開度に対応する供給圧力の度数分布は、予め記憶部120に記憶されており、調整データ取得部111は、調整データ判定部112の判定によって変更された後の、ダンパ開度の値に対応する供給圧力の度数分布を取得する。
ここで、図8には、流量調整ダンパ26の任意のダンパ開度に対応する供給圧力の度数分布と、それぞれの供給圧力の度数分布から算出される所定の供給圧力b1、b2、b3、b4のプロットを有する第2の運転支援データとが示されている。本例では、各供給圧力b1~b4は、それぞれの供給圧力の度数分布の最頻値である。供給圧力の度数分布は、例えば過去の試運転又は実運転から取得した統計値であり、運転データDB122に予め記憶されている。
こうして、第1の運転支援データによる運転したときの異なる供給圧力のそれぞれに対してS11~S15を繰り返し行い、図8に示すような、所定の供給圧力b1~b4のプロットを有するグラフである第2の運転支援データを算出することができる。算出された第2の運転支援データは、運転支援データDB121に記憶される。これにより第2の運転支援データを燃焼炉10の運転にフィードバックして活用することができる。
その後、運転見直し判定部114が、ボイラ1の運転の見直しが必要であるか否かを判定し(S16)、運転の見直しが必要であると判定したとき(S16 YES)、第2の運転支援データによる運転を行う(S17)。
運転見直し判定部114は、例えば、第1の運転支援データに基づくボイラ1の運転開始からの経過期間や運転状況の変化等に応じて運転見直しの要否を判定する。運転見直しの要否を判定するとき、表示部140に第2の運転支援データを表示して、作業者に対して操作部130による運転見直し要否の操作を促すことができる。例えば、図9のように、供給圧力a1~a4を有する第1の運転支援データと、供給圧力b1~b4を有する第2の運転支援データとを対比して表示部140に表示する。図9の例では、第2の運転支援データは、所定の空気量に対する供給圧力が第1の運転支援データよりも小さい。各運転支援データの対比表示の例は、図9に示すような供給圧力と空気量のグラフに限らず、例えば、供給圧力に代えて、ボイラ1の運転のために必要な駆動エネルギーやコスト等の他のパラメータに換算したものであってもよい。
S17において第2の運転支援データによる運転を行うことにより、実際の燃焼炉10の状態により適した運転ができる。また、記憶部120に記憶された第2の運転支援データを、燃焼炉10の運転にフィードバックするために用いることができる。すなわち、このようにして得られた運転支援データを出発点として、図5の各処理をさらに実行し、ボイラ1の運転開始からの経過期間や運転状況の変化等に適した運転支援データを更新することができる。
以上のとおり、上記実施形態によれば、第1の運転支援データに基づいて燃焼炉を運転することに伴って得られた調整部の第2のデータに基づいて、第1の運転支援データとは異なる第2の運転支援データを算出して表示する。第2の運転支援データは、燃焼炉を運転することに伴って得られたものであるため、実際の燃焼炉の状態に応じたより適切な運転が可能となる。また、第2の運転支援データは、燃焼炉の運転によって得られるデータであるため、人手による労力と時間を抑制することができる。よって、人手による労力と時間を抑制しつつ、燃焼空気の供給圧力を適切に設定することが可能となる。
特に、図9に示すように、第2の運転支援データが、所定の空気量に対する供給圧力が第1の運転支援データよりも小さい場合、ダンパ開度を大きくして供給圧力が小さい状態で所望の運転が可能となるため、ファン等を必要以上稼働させることなく、装置全体において無駄な駆動エネルギーの消費を抑えることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。
上記実施形態では、空気を燃焼する例を説明したが、燃焼炉10に供給される対象は空気に限らず、例えば酸素であってもよい。また、上記実施形態では、ボイラに適用する例を説明したが、本発明はボイラに適用される態様に限られるものではない。すなわち、熱を水蒸気等に換える熱交換機能を有する態様に限らず、燃焼炉へ空気を供給する態様に広く適用することができる。
さらに、本発明は、燃焼炉10へ気体を燃焼するためのシステムに限らず、反応炉へ供給する気体の供給圧力を制御する様々なシステムに適用可能である。例えば、天然ガスなどの原料ガスを反応炉で加熱し、一酸化炭素(CO)と水素(H2)を主成分とする合成ガスなどを生成する処理を含む化学プラントなどに適用してもよい。このような化学プラントは、例えば、液体燃料製品(ナフサ、灯油、軽油又はワックス等)を製造するGTLプラント(Gas to Liquids)であってもよい。なお、化学プラントの処理用途は特に限定されるものではなく、メタノール合成、オキソ合成、フィッシャー合成、アンモニア合成、水素化脱硫その他の用途に適用されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、流量調整ダンパに関するデータが度数分布である場合を説明したが、これらのデータは度数分布以外の態様であってもよい。また、運転支援データの態様やその表示も上記に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、流量調整ダンパ26のダンパ開度について第1のデータ及び第2のデータを得る例を説明したが、吸い込みダンパ23のダンパ開度について第1のデータ及び第2のデータを得てもよい。この場合、流量調整ダンパ26は所定のダンパ開度で固定された状態で用いることができる。また、供給する空気の流量を調整する調整部は、流量調整ダンパに限定されるものではなく、空気の流量を調整する機能を備えるものを含む。
上記発明の実施形態を通じて説明された実施の態様は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施形態の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10…燃焼炉、26…流量調整ダンパ、100…支援装置、110…制御部、120…記憶部、140…表示部

Claims (10)

  1. 反応炉へ供給する気体の供給圧力の制御を支援する支援装置であって、
    所定の供給圧力と前記反応炉へ供給する気体量の関係を示す第1の運転支援データを記憶する記憶部と、
    当該第1の運転支援データに基づいて前記反応炉を運転することによって、供給する気体の流量を調整する調整部の第1のデータを取得すること前記調整部の実運転における気体の供給量の上限値と下限値の範囲を特定すること、前記調整部の実運転における気体の供給量の上限値と下限値の範囲内で前記第1のデータとは異なる第2のデータを取得すること及び、前記調整部の前記第2のデータに基づいて、前記第1の運転支援データとは異なる供給圧力と気体量の関係を示す第2の運転支援データを算出することを実行する、制御部と、
    前記第2の運転支援データを表示する表示部と
    を備える、支援装置。
  2. 前記第2の運転支援データは、所定の気体量に対する供給圧力が前記第1の運転支援データよりも小さい、請求項1記載の支援装置。
  3. 前記制御部は、前記第2の運転支援データに基づいて前記反応炉を運転する、請求項1又は2に記載の支援装置。
  4. 前記表示部は、前記第2のデータを取得する操作を促すように、前記調整部の前記第1のデータと、前記調整部の実運転における気体の供給量の上限値と下限値の範囲とを表示する、請求項1からのいずれか一項に記載の支援装置。
  5. 前記調整部は、流量調整ダンパであり、
    前記第1のデータ及び前記第2のデータは、流量調整ダンパにおけるダンパ開度の度数分布である、請求項1からのいずれか一項に記載の支援装置。
  6. 前記記憶部は、任意の供給圧力におけるダンパ開度の度数分布を示すデータと、任意のダンパ開度における供給圧力の度数分布を示すデータとをさらに記憶する、請求項記載の支援装置。
  7. 前記表示部は、前記第1の運転支援データと前記第2の運転支援データとを対比して表示する、請求項1からのいずれか一項に記載の支援装置。
  8. ボイラと、
    当該ボイラの運転を支援する、請求項1から7のいずれか一項に記載の支援装置と
    を備える、ボイラシステム。
  9. 反応炉へ供給する気体の供給圧力の制御を支援する支援方法であって、
    所定の供給圧力と前記反応炉へ供給する気体量の関係を示す第1の運転支援データに基づいて前記反応炉を運転すること、
    供給する気体の流量を調整する調整部の第1のデータを取得すること、
    前記調整部の実運転における気体の供給量の上限値と下限値の範囲を特定すること、
    前記調整部の運転における気体の供給量の上限値と下限値の範囲内で前記第1のデータとは異なる第2のデータを取得すること、
    前記調整部の前記第2のデータに基づいて、前記第1の運転支援データとは異なる供給圧力と気体量の関係を示す第2の運転支援データを算出すること、及び、
    前記第2の運転支援データを表示すること
    を含む、支援方法。
  10. 反応炉へ供給する気体の供給圧力の制御を支援するためにコンピュータで実行される支援プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    所定の供給圧力と前記反応炉へ供給する気体量の関係を示す第1の運転支援データに基づいて前記反応炉を運転すること、
    供給する気体の流量を調整する調整部の第1のデータを取得すること、
    前記調整部の実運転における気体の供給量の上限値と下限値の範囲を特定すること、
    前記調整部の運転における気体の供給量の上限値と下限値の範囲内で前記第1のデータとは異なる第2のデータを取得すること、
    前記調整部の前記第2のデータに基づいて、前記第1の運転支援データとは異なる供給圧力と気体量の関係を示す第2の運転支援データを算出すること、及び、
    前記第2の運転支援データを表示すること
    を実行させるための支援プログラム。
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