以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る電子機器の一例としての撮像装置であるデジタルカメラ600の説明図である。撮像装置であるデジタルカメラ600は、レンズ交換式のデジタルカメラであり、カメラ本体601を備える。カメラ本体601には、レンズを含むレンズ鏡筒であるレンズユニット602が着脱可能となっている。カメラ本体601は、筐体611と、筐体611内に配置された電子モジュールの一例であるプリント回路板300,700と、を備えている。プリント回路板300とプリント回路板700とはケーブル950で電気的に接続されている。
プリント回路板300は、電子部品の一例であるイメージセンサ100と、イメージセンサ100が実装されるプリント配線板200と、を有する。プリント回路板700は、電子部品の一例である画像処理装置800と、画像処理装置800が実装されるプリント配線板900と、を有する。
イメージセンサ100は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。イメージセンサ100は、レンズユニット602を介して入射した光を電気信号に変換する機能を有する。
画像処理装置800は、例えばデジタルシグナルプロセッサである。画像処理装置800は、イメージセンサ100から電気信号を取得し、取得した電気信号を補正する処理を行い、画像データを生成する機能を有する。
図2は、第1実施形態に係るプリント回路板300の断面図である。イメージセンサ100は、LGAのパッケージである。なお、イメージセンサ100がLCCのパッケージであってもよい。イメージセンサ100は、半導体素子であるセンサ素子101と、第1基部である絶縁基板102と、を有する。絶縁基板102は、イメージセンサ100の底面となる主面111を有する。イメージセンサ100は、絶縁基板102の主面111に配置された複数の第1ランドであるランド130を有する。センサ素子101は、絶縁基板102の主面111とは反対側の面112に配置されている。ランド130は、導電性を有する金属、例えば銅で形成された電極であり、例えば信号電極、電源電極、グラウンド電極、又はダミー電極である。主面111に沿う面内方向をXY方向、主面111に垂直な面外方向をZ方向とする。
図3(a)は、イメージセンサ100を主面111側から視た平面図である。ランド130は、平面視で丸形状であるが、これに限定するものではない。ランド130は、平面視で多角形状又は+形状であってもよい。絶縁基板102は、例えばアルミナ等のセラミックで形成されている。
図2に示すように、プリント配線板200は、第2基部である絶縁基板202を有する。絶縁基板202は、プリント配線板200の主面となる主面211を有する。プリント配線板200は、絶縁基板202の主面211に配置された複数の第2ランドであるランド230を有する。ランド230は、導電性を有する金属、例えば銅で形成された電極であり、例えば信号電極、電源電極、グラウンド電極、又はダミー電極である。絶縁基板202は、エポキシ樹脂等の絶縁材料で形成されている。
プリント配線板200は、ソルダーレジストの膜であるソルダーレジスト層240を有する。ソルダーレジスト層240は、主面211上に設けられている。本実施形態では、ランド230は、SMD(solder mask defined)のランドである。即ち、ランド230とは、図2に示すように、絶縁基板202の主面211上に形成された導体パターンにおいて、ソルダーレジスト層240に形成された開口550から露出する部分をいう。なお、ランド230は、NSMD(non-solder mask defined)のランドであってもよい。図3(b)は、プリント配線板200を主面211側から視た平面図である。ランド230は、平面視で丸形状であるが、これに限定するものではない。ランド230は、多角形状又は+形状であってもよい。
本実施形態では、イメージセンサ100において、絶縁基板102の主面111上にソルダーレジスト層が存在しないので、パッケージ基板の表面は、絶縁基板102の主面111ということになる。また、プリント配線板200において、絶縁基板202の主面211上にソルダーレジスト層240が存在するので、プリント配線板200の表面は、ソルダーレジスト層240の表面241ということになる。
図2に示すように、複数のランド130の各々と複数のランド230の各々とは、はんだを含む複数のはんだ接合部400で接合されている。各はんだ接合部400において、ランド130,230及びソルダーレジスト層240に接する部分以外の部分は、アンダーフィルである樹脂部450で覆われている。樹脂部450は、熱硬化性樹脂を熱硬化させた樹脂物である硬化物を主に含んで形成されている。本実施形態では、複数のはんだ接合部400が一体の樹脂部450で覆われている。なお、複数のはんだ接合部400は、一体の樹脂部450で覆われているのが好ましいが、これに限定するものではなく、互いに分離した複数の樹脂部で覆われていてもよい。
図3(a)に示すように、主面111は、第1領域である領域R1と、領域R1を囲む第3領域である領域R3と、を含む。複数のランド130は、領域R3に互いに間隔を空けて配置されている。領域R1は、複数のランド130の最内周に位置するランド130で囲まれた領域のうち、最大の大きさの矩形領域である。領域R1は、主面111の中心を含む領域である。図3(b)に示すように、主面211は、第2領域である領域R2と、領域R2を囲む第4領域である領域R4と、を含む。複数のランド230は、領域R4に互いに間隔を空けて配置されている。領域R2は、複数のランド230の最内周に位置するランド230で囲まれた領域のうち、最大の大きさの矩形領域である。各ランド230は、各ランド130に対向する位置に配置されている。
領域R1と領域R2とは互いに対向している。領域R3と領域R4とは互いに対向している。ソルダーレジスト層240には、領域R2上に、プリント配線板200の凹部として開口500が形成されている。即ち、ソルダーレジスト層240の開口500が、プリント配線板200の主面211に設けられた凹部となっている。この凹部は、プリント配線板200においてイメージセンサ100が搭載される表面、即ち図2に示すソルダーレジスト層240の表面241よりも凹んだ部分である。ソルダーレジスト層240の開口500は、図3(b)に示すように、環状に形成されている。開口500は、第1実施形態では貫通孔であり、主面211の領域R2に設けられた導体パターン235を露出させている。
図2に示すように、領域R3と領域R4との間には樹脂部450が充填されている。樹脂部450は、複数のはんだ接合部400と接している。領域R1と領域R2との間、特に開口500上には、樹脂部450がない空間SP1が、樹脂部450で形成されている。
プリント回路板300の製造方法について説明する。図4(a)、図4(b)、図4(c)、図5(a)、図5(b)及び図5(c)は、図2に示すプリント回路板300を製造する方法の各工程の説明図である。
図4(a)に示すように、ランド230が設けられた絶縁基板202を用意する(工程S1)。次に、主面111及び主面211のうち一方又は両方、本実施形態では主面211上に、ソルダーレジスト層240を形成する(工程S2)。工程S2では、ソルダーレジスト層240において、領域R1及び領域R2のうち一方又は両方に対応する位置、本実施形態では主面211上にソルダーレジスト層240が形成されているので領域R2に対応する位置に、開口500を形成する。なお、この工程S2では、ソルダーレジスト層240においてランド230に対応する位置にも、ランド230を露出させる開口を形成する。開口500の形成方法、即ちソルダーレジスト層240の形成方法は特に限定されないが、例えばプリント配線板の製造工程中のフォトリソグラフィーによる形成方法が経済的であり好ましい。
本実施形態では、ソルダーレジスト層240に開口500を設けることで、絶縁基板202の主面211の領域R2上に配置された導体パターン235が露出する。この導体パターン235の用途は、特に限定されるものではなく、例えばグラウンドラインであってもよい。以上の工程S1,S2によりプリント配線板200を製造することで、プリント配線板200を用意する。また、別の製造工程で製造されたイメージセンサ100も用意する。
次に、図4(c)に示すように複数のランド230の各々の上に、ペーストPを配置する(工程S3)。ペーストPは、はんだ粉末及び未硬化の熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂は、熱硬化性のエポキシ樹脂が好ましく、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。ペーストPは、はんだ付けに必要なフラックス成分を更に含有していてもよい。
工程S3では、スクリーン印刷やディスペンサーでペーストPをプリント配線板200に供給する。なお、図4(c)に示すように各々のランド230全体を覆うようにはんだペーストPを供給してもよいし、図示は省略するが各々のランド230の一部を覆うようにはんだペーストPを供給するようにしてもよい。
次に、図5(a)に示すように、ランド130とランド230とでペーストPを挟むようにプリント配線板200上にイメージセンサ100を載置する(工程S4)。本実施形態では、工程S4では、不図示のマウンターを用いて、イメージセンサ100をプリント配線板200上に載置する。このとき、イメージセンサ100を、ランド130とランド230とが対向する位置に位置合わせしてプリント配線板200上に載置する。
次に、図5(b)に示すように、プリント配線板200上にイメージセンサ100が載置された状態で、これらをリフロー炉1000に搬送する。そして、図5(b)に示す工程S5-1及び図5(c)に示す工程S5-2において、リフロー炉1000における加熱温度を調整しながら、ペーストPを加熱し、イメージセンサ100とプリント配線板200とをはんだ接合する。
まず、図5(b)に示す工程S5-1について説明する。工程S5-1では、ペーストPに含まれるはんだ粉末が溶融する温度以上の第1温度T1に、リフロー炉1000内の温度を調整する。これにより、ペーストPのはんだ粉末が溶融して、ペーストPが溶融はんだ401と、未硬化の熱硬化性樹脂451とに分離する。具体的には、溶融はんだ401の周囲に熱硬化性樹脂451が移動する。第1温度T1は、経過時間に対して一定であるのが好ましいが、変動していてもよい。
その後、図5(c)に示す工程S5-2において、はんだの融点よりも低い第2温度T2(<T1)にリフロー炉1000内の温度を調整することで、溶融はんだ401を固化させる。これにより、ランド130とランド230とを接合するはんだ接合部400が形成される。このようにして製造されたプリント回路板300は、図1に示す筐体611内に設けられる。
第2温度T2は、熱硬化性樹脂451が硬化する温度でもあり、リフロー炉1000内の温度は、熱硬化性樹脂451が硬化するのに要する所定時間以上、第2温度T2に維持される。これにより、熱硬化性樹脂451が徐々に硬化して、図2に示す樹脂部450が形成される。第2温度T2は、経過時間に対して一定であるのが好ましいが、変動していてもよい。
図2に示す樹脂部450により、はんだ接合部400、より具体的にははんだ接合部400とランド130との接触部分、及びはんだ接合部400とランド230との接触部分が補強され、はんだ接合部400における接合の信頼性が向上する。
なお、図5(b)に示す工程S5-1と図5(c)に示す工程S5-2とを同じリフロー炉1000で引き続き行う場合について説明したが、これに限定するものではない。リフロー炉1000のサイズが小さく工程S5-2の時間を十分にとることができない場合には、工程S5-1におけるリフロー炉1000による加熱後に不図示の加熱炉に中間品を移動させて、熱硬化性樹脂451を第2温度T2に加熱して硬化させてもよい。
工程S5-1においては、はんだが凝集した溶融はんだ401と、溶融はんだ401の周囲に流動した未硬化の熱硬化性樹脂451とに分離する。このとき、未硬化の熱硬化性樹脂451は、ペースト状態の時よりも表面積が小さくなり、見かけ上の粘度が低下して流動性が高まる。流動性が高まった熱硬化性樹脂451は、毛細管現象により、間隙が狭い部分へ流動しようとする。
一方、イメージセンサ100の主面111及びプリント配線板200の主面211のうち一方又は両方は、第1温度T1に加熱されることで、幾何学的な平面とはならない。即ち、イメージセンサ100及びプリント配線板200のうち一方又は両方は、加熱によって反りが生じている。これらの反り状態によっては、イメージセンサ100の中央側におけるイメージセンサ100とプリント配線板200との間隙が、イメージセンサ100の外周側に対して相対的に狭くなることがある。イメージセンサ100の中央側は、ランドがない領域であるため、ペーストPは供給されていない。イメージセンサ100の小型化により、ランド130のピッチが狭くなっているため、はんだ接合部400も微細化する必要があり、その結果、イメージセンサ100とプリント配線板200との間隔が狭くなっており、毛細管現象が生じやすくなっている。
そこで本実施形態では、イメージセンサ100の中央側に位置する領域R1に対向する領域R2上に、ソルダーレジストの無い部分である開口500が設けられている。この開口500により、開口500がない状態、即ちソルダーレジストがある状態よりも空間が広くなるため、毛細管現象に起因する樹脂の流動が抑制される。
図6(a)は、図2に示すプリント回路板300をはんだ接合部400及び樹脂部450において面内方向であるXY方向に切断したときのイメージセンサ100の模式図である。図6(b)は、図2に示すプリント回路板300をはんだ接合部400及び樹脂部450において面内方向であるXY方向に切断したときのプリント配線板200の模式図である。
図6(a)及び図6(b)に示すように、開口500により中央側に流動するのが抑制された状態で硬化した樹脂部450が形成される。樹脂部450は、図6(b)に示すように、凹部である開口500から離間している。即ち、開口500、及び開口500よりも内側には樹脂部450がない。このように、樹脂部450は、凹部を形成する部分には接していない。樹脂部450は、開口500全体から離間しているのが好ましい。これにより、各はんだ接合部400、特に、複数のはんだ接合部400のうち、接合強度が要求される外周に位置するはんだ接合部4001の周囲おいて、樹脂部450の樹脂量が不足するのが防止されている。即ち、はんだ接合部のないイメージセンサ100の中央側に樹脂が流動するのを防止することができるので、はんだ接合部400、特にはんだ接合部4001の周囲に留めさせておく樹脂の量を多くすることが可能となる。また、外周部に位置するはんだ接合部4001のうち、特に接合強度が要求される角部に位置するはんだ接合部40011の周囲においても、留めさせておく樹脂の量を多くすることが可能となる。
デジタルカメラ600の使用環境、即ち温度が変化すると、イメージセンサ100とプリント配線板200との線膨張係数の違いによってはんだ接合部400には応力が生じる。また、デジタルカメラ600が落下したときには、はんだ接合部400に衝撃力が加わる。本実施形態では、各はんだ接合部400が樹脂部450で補強されているので、温度変化による応力又は落下時の衝撃力が加わっても、はんだ接合部400が断線するのを抑制することができ、はんだ接合部400における接合の信頼性が向上する。ここで、はんだ接合部400が断線するとは、はんだ接合部400自体が破断すること、はんだ接合部400がランド130から剥がれること、又ははんだ接合部400がランド230から剥がれることである。各はんだ接合部400において接合の信頼性が高まるので、長期間に亘って電気的及び機械的な接続が維持される。よって、プリント回路板300、ひいてはデジタルカメラ600の寿命を延ばすことができる。
熱硬化性樹脂入りのペーストPを用いてプリント回路板300を製造することで、加熱工程(S5-1,S5-2)だけではんだ接合とアンダーフィルの形成を同時に行うことができる。このため、プリント回路板300の製造が容易となる。
ここで、イメージセンサ100の主面111の面積をS
p、複数のランド130の総面積をS
s、複数のはんだ接合部400の数、即ち端子数をnとする。また、樹脂部450の体積m
1と複数のはんだ接合部400の総体積m
2との和の体積に対する樹脂部450の体積m
1の割合である混合比、即ちm
1/(m
1+m
2)をmとする。また、複数のランド230のうち最内周のランド230で囲まれた領域R2の面積をS
i、開口500の外周により囲まれた領域の面積をS
gとする。図4(b)に示す工程S2において形成される開口500の外形は、熱硬化性樹脂を、はんだ接合部400のまわりに過不足なく充填できる大きさとなっていることが好ましい。即ち、開口500の外周により囲まれた領域の面積S
gは、以下の式(1)を満たすのが好ましい。
即ち、面積Sgが、式(1)を満たすことにより、熱硬化性樹脂をはんだ接合部400のまわりに過不足なく充填することができる。特に工程S2では、最内周に位置するランド230と開口500の外周との最短距離Dが、0.5[mm]以上5.0[mm]以下となるように、主面211上にソルダーレジスト層240を形成するのが好ましい。より好ましくは、最短距離Dは2.0[mm]以下である。これにより、熱硬化性樹脂をはんだ接合部400のまわりに過不足なく充填することができる。
(変形例1)
図7(a)は、変形例1のプリント回路板300Aの断面図である。上述の第1実施形態では、プリント配線板200のソルダーレジスト層240の開口500に対応する位置に、導体パターン235が存在する場合について説明したが、これに限定するものではない。図7(a)に示すように、開口500に対応する位置に導体パターンが無く、プリント配線板200Aの基材である絶縁基板202の主面211の一部が、ソルダーレジスト層240の開口500によって露出するようにしてもよい。
(変形例2)
図7(b)は、変形例2のプリント回路板300A-1の断面図である。上述の第1実施形態では、ソルダーレジスト層240の開口500が貫通孔である場合について説明したが、これに限定するものではない。図7(b)に示すように、プリント配線板200A-1は、絶縁基板202の主面211に設けられたソルダーレジスト層240A-1を有する。ソルダーレジスト層240A-1には、第1実施形態で説明した貫通孔である開口500の代わりに、有底穴である開口500A-1が形成されている。
(変形例3)
図7(c)は、変形例3のプリント回路板300Bの断面図である。上述の第1実施形態及び変形例1では、開口500が環状の場合について説明したが、これに限定するものではない。図7(c)に示すように、開口500Bの最外周で囲まれた内側の部分全体にソルダーレジストが存在していなくてもよい。この場合、図7(c)に示すように、開口500Bに対応する位置に導体パターンが無く、プリント配線板200Bの基材である絶縁基板202の主面211の一部が、ソルダーレジスト層240Bの開口500Bによって外部に露出するようにしてもよい。また、図示は省略するが、第1実施形態のように、開口500Bに対応する位置に導体パターンがあってもよい。また、開口500Bが、貫通孔である場合に限らず、変形例2のように有底穴であってもよい。
(変形例4)
図8(a)は、変形例4のプリント回路板におけるプリント配線板200Cの平面図である。図8(a)のように、プリント配線板200Cが、複数のランド230のほか、更に熱硬化性樹脂を補充するためのランド237を有していてもよい。図8(a)には、ランド237は、L字形状となっているが、これに限定するものではなく、例えば長方形や円形など、任意の形状であってよい。また、ランド237は、熱硬化性樹脂が欠乏しやすいプリント配線板のコーナー部近傍に配置するのが好ましいが、これに限定するものではなく、プリント配線板のサイドに配置してもよい。ランド237にも熱硬化性樹脂入りはんだペーストを印刷することで、電子部品とプリント配線板200Cとの間の熱硬化性樹脂の量を増やすことができる。
(変形例5)
図8(b)は、変形例5のプリント回路板におけるプリント配線板200Dの平面図である。開口の数は、1つに限らず、複数あってもよい。図8(b)に示すプリント配線板200Dのソルダーレジスト層240Dは、4つの開口500Dを有する。各開口500Dは、領域R2に対応する位置に配置され、最内周のランド230に沿って延びる細長形状となっている。この場合、式(1)における面積Sgは、複数の開口500D同士を包絡線で結んだ内側の領域R21の面積とすればよい。
(実施例1)
実施例1として、上述の第1実施形態で説明した製造方法により図2に示すプリント回路板300を製造した場合について説明する。実施例1のイメージセンサ100は、LGAタイプのパッケージであり、底面の面積が900[mm2]、ランド130の総面積が150[mm2]、はんだで形成される有効端子数が300個である。イメージセンサ100の絶縁基板102の材質はアルミナセラミックである。
プリント配線板200の絶縁基板202はFR-4である。絶縁基板202の外形のサイズは約50.0[mm]×50.0[mm]である。ソルダーレジスト層240の厚さは約0.02[mm]である。ランド230の材質はCuである。ランド230の径は、1.0[mm]であり、1.6[mm]ピッチでグリッド状に配置されている。
ソルダーレジスト層240には、ランド230を露出させる開口が形成されている。複数のランド230のうち最内周のランドに囲まれた面積を180[mm2]、開口500の最外周に囲まれた面積を170[mm2]とした。また、はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の混合比を、60[vol%]とした。よって、開口500の外形は、式(1)を満たす関係となっている。
図4(c)に示す工程S3において、ランド230にペーストPをスクリーン印刷した。スクリーン印刷には厚さ0.02[mm]の印刷版を使用した。ペーストPは、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型のエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂と反応する硬化剤とを含んでいる。はんだ粉末の合金組成は、融点139[℃]のスズ-58ビスマスの共晶組成であり、平均粒径は40[μm]である。ペーストPにおけるはんだ粉末の添加量は約40[vol%]であり、残部に熱硬化性樹脂および硬化剤、その他はんだ接合性を確保するためのフラックス成分が微量添加されている。
図5(a)に示す工程S4において、マウンターを用いて、ペーストPが供給されたプリント配線板200の上にLGAタイプのイメージセンサ100を搭載した。このとき、ランド130は、接合されるプリント配線板200のランド230と対向する位置に合わせられている。
次に、図5(b)に示す工程S5-1及び図5(c)に示す工程S5-2において、図5(a)に示すペーストPを加熱した。このときのリフロー炉1000内の温度のプロファイルを図9に示す。図9は、実施例におけるリフロー炉1000の内部の温度を示すグラフである。工程S5-1において、図9に示すように、はんだの融点139[℃]以上の温度にリフロー炉1000の内部の温度を調整して、ペーストP中のはんだを溶融させた。これにより、溶融はんだ401と熱硬化性樹脂451とに分離させた。
この際に、はんだと分離した熱硬化性樹脂は流動性が高まり、毛細管現象によりプリント配線板200とイメージセンサ100との間隙が狭い部分に流動した。実施例1のプリント配線板200の中央部にはソルダーレジスト層240に形成された開口500があるため、中央部への樹脂の流動が抑制され、はんだ接合部400の周りに熱硬化性樹脂451を留まらせることができた。
その後、工程S5-2において、図9に示すように、はんだの融点139[℃]よりも低い温度であって熱硬化に必要な温度にリフロー炉1000の内部の温度を調整して、熱硬化性樹脂451を硬化させた。
以上の製造方法で製造したプリント回路板300を、図6(a)及び図6(b)のように、イメージセンサ100とプリント配線板200とに分解した。イメージセンサ100及びプリント配線板200のそれぞれにおいて、熱硬化性樹脂を観察した。プリント配線板200における開口500の内側には樹脂が流動していないことが確認された。また、イメージセンサ100の外側に樹脂が流出していないことが確認された。各はんだ接合部400は全て樹脂部450で覆われていることが確認された。実施例1によれば、はんだ接合部400が樹脂部450で覆われているので、プリント回路板300の接合強度が向上する。
(比較例)
図16(a)は、比較例のプリント回路板300Xの断面図である。プリント回路板300Xは、実施例のように開口500を有していない。比較例では、実施例1における工程S1,S2,S3,S4,S5-1,S5-2と同様の工程を行ってプリント回路板300Xを製造した。
プリント回路板300Xは、イメージセンサ100Xのランド130Xと、プリント配線板200Xのランド230Xとがはんだ接合部400Xで接合されている。イメージセンサ100Xとプリント配線板200Xとの間には、樹脂部450Xが配置されている。外周のはんだ接合部400Xの外側には、樹脂部450Xが配置されていなかった。比較例では、流動性のある未硬化の熱硬化性樹脂の動きを制御できず、未硬化の熱硬化性樹脂がはんだ接合部400Xの周囲に留まらずに流出してしまっていた。熱硬化性樹脂がはんだ接合部400Xの周囲から流出してしまうと、はんだ接合部400Xを十分に補強することができない。
図16(b)は、比較例のプリント回路板300Xを、はんだ接合部400X及び樹脂部450XにおいてXY方向に切断したときのイメージセンサ100Xの模式図である。熱硬化性樹脂は、イメージセンサ100Xの底面の中央側に広がり、複数のはんだ接合部400Xのうち、最外周に位置するはんだ接合部400X1の周囲から流出していた。はんだ接合部400X1は、一部又は全部が樹脂部450Xで覆われていない状態であった。特に角部に位置するはんだ接合部400X11の周囲には、樹脂部450Xがほとんど形成されていなかった。
(プリント回路板の評価)
上述の製造方法により製造された実施例1のプリント回路板について、X線透過観察装置ではんだ接合部の検査を行った結果、隣接するはんだ接合部同士のはんだブリッジなどの接合不良はみられなかった。また、電気チェックによるはんだ接合部の検査においても導通不良は確認されなかった。
実施例1において、樹脂を熱硬化させる工程S5-2を、はんだ融点よりも低い130[℃]の低温で行った。このため、イメージセンサの熱変形量が少なく、内蔵するセンサ素子の光学性能を十分に保証できるものであった。
次に、イメージセンサ100とプリント配線板200を引き剥がし、はんだ接合部400と樹脂部450の状態を確認した。はんだ接合部400は、イメージセンサ100のランド130およびプリント配線板200のランド230に濡れ広がった状態で接合されており、樹脂部450がはんだの接合を阻害した形跡は確認されなかった。
剥離後の樹脂部450の状態を目視により確認した。ソルダーレジスト層240と樹脂部450との接着部分は、大部分が剥離せず、ソルダーレジスト層240と絶縁基板202とが剥離していた。つまり、熱硬化性樹脂451が十分に硬化し、ソルダーレジスト層240と強い接着力で接着されていることが確認できた。
[第2実施形態]
第2実施形態にかかる電子機器の一例であるデジタルカメラのプリント回路板について説明する。図10は、第2実施形態に係るプリント回路板300Eの断面図である。第2実施形態のデジタルカメラは、図1に示すプリント回路板300の代わりに、電子モジュールの一例である図10に示すプリント回路板300Eを備えている。
図10に示すように、プリント回路板300Eは、電子部品の一例であるイメージセンサ100Eと、イメージセンサ100Eが実装されるプリント配線板200Eと、を有する。イメージセンサ100Eは、例えばCMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサである。イメージセンサ100Eは、図1のレンズユニット602を介して入射した光を電気信号に変換する機能を有する。
イメージセンサ100Eは、LGAのパッケージである。なお、イメージセンサ100EがLCCのパッケージであってもよい。イメージセンサ100Eは、半導体素子であるセンサ素子101と、第1基部である絶縁基板102Eと、を有する。絶縁基板102Eは、イメージセンサ100Eの底面となる主面111Eを有する。イメージセンサ100Eは、絶縁基板102Eの主面111Eに配置された複数の第1ランドであるランド130を有する。センサ素子101は、絶縁基板102Eの主面111Eとは反対側の面112Eに配置されている。ランド130は、導電性を有する金属、例えば銅で形成された電極であり、例えば信号電極、電源電極、グラウンド電極、又はダミー電極である。主面111Eに沿う面内方向をXY方向、主面111Eに垂直な面外方向をZ方向とする。
図11(a)は、イメージセンサ100Eを主面111E側から視た平面図である。ランド130は、平面視で丸形状であるが、これに限定するものではない。ランド130は、平面視で多角形状又は+形状であってもよい。絶縁基板102Eは、例えばアルミナ等のセラミックで形成されている。
図10に示すように、プリント配線板200Eは、第1実施形態と同様、第2基部である絶縁基板202を有する。絶縁基板202は、プリント配線板200Eの主面となる主面211を有する。プリント配線板200Eは、絶縁基板202の主面211に配置された複数の第2ランドであるランド230を有する。ランド230は、導電性を有する金属、例えば銅で形成された電極であり、例えば信号電極、電源電極、グラウンド電極、又はダミー電極である。絶縁基板202は、エポキシ樹脂等の絶縁材料で形成されている。
プリント配線板200Eは、ソルダーレジストの膜であるソルダーレジスト層240Eを有する。ソルダーレジスト層240Eは、主面211上に設けられている。本実施形態では、ランド230は、SMDのランドである。なお、ランド230は、NSMDのランドであってもよい。図11(b)は、プリント配線板200Eを主面211側から視た平面図である。ランド230は、平面視で丸形状であるが、これに限定するものではない。ランド230は、平面視で多角形状又は+形状であってもよい。
図10に示すように、複数のランド130の各々と複数のランド230の各々とは、はんだを含む複数のはんだ接合部400で接合されている。はんだ接合部400において、ランド130,230及びソルダーレジスト層240Eに接する部分以外の部分は、アンダーフィルである樹脂部450Eで覆われている。樹脂部450Eは、熱硬化性樹脂を熱硬化させた樹脂物である硬化物を主に含んで形成されている。本実施形態では、複数のはんだ接合部400が一体の樹脂部450Eで覆われている。なお、複数のはんだ接合部400は、一体の樹脂部450Eで覆われているのが好ましいが、これに限定するものではなく、互いに分離した複数の樹脂部で覆われていてもよい。
図11(a)に示すように、主面111Eは、第1領域である領域R1と、領域R1を囲む第3領域である領域R3と、を含む。複数のランド130は、領域R3に互いに間隔を空けて配置されている。領域R1は、複数のランド130の最内周に位置するランド130で囲まれた領域のうち、最大の大きさの矩形領域である。領域R1は、主面111Eの中心を含む領域である。図11(b)に示すように、主面211は、第2領域である領域R2と、領域R2を囲む第4領域である領域R4と、を含む。複数のランド230は、領域R4に互いに間隔を空けて配置されている。領域R2は、複数のランド230の最内周に位置するランド230で囲まれた領域のうち、最大の大きさの矩形領域である。各ランド230は、各ランド130に対向する位置に配置されている。
領域R1と領域R2とは互いに対向している。領域R3と領域R4とは互いに対向している。樹脂部450Eは、イメージセンサ100Eの底面である絶縁基板102Eの主面111Eに、鋭角に接触している。具体的には、樹脂部450Eは、主面111Eの領域R1に、鋭角に接触している。図10では、樹脂部450Eにおいて、イメージセンサ100Eの領域R1に接触する部分4511Eの角度を、θ11とする。部分4511Eは、樹脂部450Eにおいて内側の部分である。また、樹脂部450Eにおいて外側の部分の角度を、θ12とする。本実施形態では、いずれの角度θ11,θ12も鋭角である。
硬化前の液状の熱硬化性樹脂の流動を制御した結果、硬化後の樹脂部450Eの角度θ11,θ12が鋭角となり、図10に示すように、領域R3と領域R4との間には樹脂部450Eが充填される。樹脂部450Eは、複数のはんだ接合部400と接している。領域R1と領域R2との間には、樹脂部450Eがない空間SP2が、樹脂部450Eで形成される。
樹脂部450Eと絶縁基板102Eとの単位面積当たりの接着力は、樹脂部450Eとソルダーレジスト層240Eとの単位面積当たりの接着力よりも低い。角度θ11,θ12、特に角度θ11を鋭角にすることで、空間SP2を形成しつつ、樹脂部450Eと絶縁基板102Eとの接触面積を確保することができる。これにより、樹脂部450Eと絶縁基板102Eとの接触界面に応力が集中するのを防止することができ、樹脂部450Eと絶縁基板102Eとが剥離するのを防止することができ、はんだ接合部400にかかる応力を低減することができる。角度θ11,θ12、特に角度θ11を鋭角にするために、本実施形態では、イメージセンサ100Eの主面111Eに対する液状の熱硬化性樹脂の接触角が鋭角となるような絶縁基板102Eを用いる。具体的には、液状の熱硬化性樹脂の接触角を、例えばイメージセンサ100Eの表面である絶縁基板102Eの主面111Eの表面粗さ、及び/又は絶縁基板102Eの材料により制御することで、角度θ11,θ12を鋭角に設定する。イメージセンサ100Eに対する液状の熱硬化性樹脂の接触角をイメージセンサ100Eの表面粗さで制御することで、硬化した樹脂部450Eの角度θ11,θ12を鋭角に設定するのが、製造上容易であるため好ましい。また、液状の熱可塑性樹脂が濡れ拡がりやすいように、即ち接触角が鋭角となりやすいように、イメージセンサ100Eにおいて樹脂部450Eと接触する絶縁基板102Eの主面111Eの表面粗さは、100[nm]以上であるのが好ましい。また、液状の熱可塑性樹脂が濡れ拡がり過ぎないように絶縁基板102Eの主面111Eの表面粗さは500[nm]以下であるのが好ましい。この主面111Eの表面粗さは、算術平均粗さである。絶縁基板102Eの主面111Eの表面粗さが100[nm]以上500[nm]以下であれば、複数のランド130の内側に濡れ広がる樹脂は、複数のランド230の内側に濡れ広がる樹脂よりも1[mm]程度だけ、内側に濡れ広がる。これにより、主面111Eにおいて樹脂が濡れ広がり過ぎるのを防止することができ、複数のはんだ接合部400のうち最外周に位置するはんだ接合部400の周囲において、樹脂が不足することも防止することができる。
プリント回路板300Eの製造方法について説明する。図12(a)、図12(b)、図12(c)、図13(a)、図13(b)及び図13(c)は、図10に示すプリント回路板300Eを製造する方法の各工程の説明図である。
図12(a)に示すように、ランド230が設けられた絶縁基板202を用意する(工程S1E)。次に、主面111E及び主面211のうち一方又は両方、本実施形態では主面211上に、ソルダーレジスト層240Eを形成する(工程S2E)。なお、この工程S2Eでは、ソルダーレジスト層240Eにおいてランド230に対応する位置に、ランド230を露出させる開口が形成される。以上の工程S1E,S2Eによりプリント配線板200Eを製造することで、プリント配線板200Eを用意する。また、別の製造工程で製造されたイメージセンサ100Eも用意する。
次に、図12(c)に示すように複数のランド230の各々の上に、ペーストPを配置する(工程S3E)。ペーストPは、はんだ粉末及び未硬化の熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂は、熱硬化性のエポキシ樹脂が好ましく、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。ペーストPは、はんだ付けに必要なフラックス成分を更に含有していてもよい。
工程S3Eでは、スクリーン印刷やディスペンサーでペーストPをプリント配線板200Eに供給する。なお、図12(c)に示すように各々のランド230全体を覆うようにはんだペーストPを供給してもよいし、図示は省略するが各々のランド230の一部を覆うようにはんだペーストPを供給するようにしてもよい。
次に、図13(a)に示すように、ランド130とランド230とでペーストPを挟むようにプリント配線板200E上にイメージセンサ100Eを載置する(工程S4E)。本実施形態では、工程S4Eでは、不図示のマウンターを用いて、イメージセンサ100Eをプリント配線板200E上に載置する。このとき、イメージセンサ100Eを、ランド130とランド230とが対向する位置に位置合わせしてプリント配線板200E上に載置する。
次に、図13(b)に示すように、プリント配線板200E上にイメージセンサ100Eが載置された状態で、これらをリフロー炉1000に搬送する。そして、図13(b)に示す工程S5E-1及び図13(c)に示す工程S5E-2において、リフロー炉1000における加熱温度を調整しながら、ペーストPを加熱し、イメージセンサ100Eとプリント配線板200Eとをはんだ接合する。
まず、図13(b)に示す工程S5E-1について説明する。工程S5E-1では、ペーストPに含まれるはんだ粉末が溶融する温度以上の第1温度T1に、リフロー炉1000内の温度を調整する。これにより、ペーストPのはんだ粉末が溶融して、溶融はんだ401と、未硬化の熱硬化性樹脂451Eとに分離する。具体的には、溶融はんだ401の周囲に熱硬化性樹脂451Eが移動する。第1温度T1は、経過時間に対して一定であるのが好ましいが、変動していてもよい。
その後、図13(c)に示す工程S5E-2において、はんだの融点よりも低い第2温度T2(<T1)にリフロー炉1000内の温度を調整することで、溶融はんだ401を固化させる。これにより、ランド130とランド230とを接合するはんだ接合部400が形成される。このようにして製造されたプリント回路板300Eは、図1に示す筐体611内に設けられる。
第2温度T2は、熱硬化性樹脂451Eが硬化する温度でもあり、リフロー炉1000内の温度は、熱硬化性樹脂451Eが硬化するのに要する所定時間以上、第2温度T2に維持される。これにより、熱硬化性樹脂451Eが徐々に硬化して、図10に示す樹脂部450Eが形成される。第2温度T2は、経過時間に対して一定であるのが好ましいが、変動していてもよい。
図10に示す樹脂部450Eにより、はんだ接合部400、より具体的にははんだ接合部400とランド130との接触部分、及びはんだ接合部400とランド230との接触部分が補強され、はんだ接合部400における接合の信頼性が向上する。
なお、図13(b)に示す工程S5E-1と図13(c)に示す工程S5E-2とを同じリフロー炉1000で引き続き行う場合について説明したが、これに限定するものではない。リフロー炉1000において工程S5E-2の時間を十分にとることができない場合には、工程S5E-1におけるリフロー炉1000による加熱後に、不図示の加熱炉に中間品を移動させて、熱硬化性樹脂451Eを第2温度T2に加熱して硬化させてもよい。
工程S5E-1においては、ペーストPは、はんだが凝集した溶融はんだ401と、溶融はんだ401の周囲に流動した未硬化の熱硬化性樹脂451Eとに分離する。このとき、未硬化の熱硬化性樹脂451Eは、ペースト状態の時よりも表面積が小さくなり、見かけ上の粘度が低下して流動性が高まる。
流動性が高まった熱硬化性樹脂451Eは、イメージセンサ100Eの底面である主面111E上を、接触角の形状を形成しつつ濡れ拡がっていく。本実施形態では、イメージセンサ100Eの底面である主面111Eの表面粗さは、プリント配線板200Eの主面211上に設けられるソルダーレジスト層240Eの表面241Eの表面粗さより粗い。表面粗さが粗い面の方が樹脂が濡れ広がりやすいため、熱硬化性樹脂451Eは、表面粗さがソルダーレジスト層240Eの表面241Eよりも粗い主面111Eの方が、表面241Eよりも濡れ広がる領域が大きくなる。その結果、熱硬化性樹脂451Eは、イメージセンサ100Eの主面111Eに対して鋭角の樹脂形状を形成する。このため、イメージセンサ100E及びプリント配線板200Eの反り状態に関わらず、接触角に応じた形状を形成することができる。即ち、樹脂部450Eがイメージセンサ100Eの主面111Eに対して鋭角に接触する。このため、イメージセンサ100Eの底面である主面111Eと、熱硬化性樹脂からなる樹脂部450Eとの接触界面に応力が集中しにくくなり、はんだ接合部400にかかる応力が低減される。これにより、はんだ接合部400における接合の強度及び接合の信頼性が向上する。また、絶縁基板102Eの主面111Eの表面粗さが100[nm]以上500[nm]以下であれば、複数のランド130の内側に濡れ広がる樹脂は、複数のランド230の内側に濡れ広がる樹脂よりも1[mm]程度だけ、内側に濡れ広がる。これにより、主面111Eにおいて樹脂が濡れ広がり過ぎるのを防止することができ、複数のはんだ接合部400のうち最外周に位置するはんだ接合部400の周囲において、樹脂が不足することも防止することができる。
図14(a)は、プリント回路板300Eをはんだ接合部400及び樹脂部450Eにおいて面内方向であるXY方向に切断したときのイメージセンサ100Eの模式図である。図14(b)は、プリント回路板300Eをはんだ接合部400及び樹脂部450Eにおいて面内方向であるXY方向に切断したときのプリント配線板200Eの模式図である。
図14(a)及び図14(b)に示すように、中央側に流動するのが抑制された状態で硬化した樹脂部450Eが形成される。これにより、各はんだ接合部400、特に、複数のはんだ接合部400のうち、接合強度が要求される外周に位置するはんだ接合部4001の周囲おいて、樹脂部450Eの樹脂量が不足するのが防止されている。即ち、はんだ接合部のないイメージセンサ100Eの中央側に樹脂が流動するのを防止することができるので、はんだ接合部400、特にはんだ接合部4001の周囲に留めさせておく樹脂の量を多くすることが可能となる。また、外周部に位置するはんだ接合部4001のうち、特に接合強度が要求される角部に位置するはんだ接合部40011の周囲においても、留めさせておく樹脂の量を多くすることが可能となる。
デジタルカメラの使用環境、即ち温度が変化すると、イメージセンサ100Eとプリント配線板200Eとの線膨張係数の違いによってはんだ接合部400には応力が生じる。また、デジタルカメラが落下したときには、はんだ接合部400に衝撃力が加わる。本実施形態では、各はんだ接合部400が樹脂部450Eで補強されているので、温度変化による応力又は落下時の衝撃力が加わっても、はんだ接合部400が断線するのを抑制することができる。ここで、はんだ接合部400が断線するとは、はんだ接合部400自体が破断すること、はんだ接合部400がランド130から剥がれること、又ははんだ接合部400がランド230から剥がれることである。各はんだ接合部400において接合の信頼性が高まり、長期間に亘って電気的及び機械的な接続が維持される。よって、プリント回路板300E、ひいてはデジタルカメラの寿命を延ばすことができる。
熱硬化性樹脂入りのペーストPを用いてプリント回路板300Eを製造することで、加熱工程(S5E-1,S5E-2)だけではんだ接合とアンダーフィルの形成を同時に行うことができる。このため、プリント回路板300Eの製造が容易となる。
[第3実施形態]
第3実施形態にかかる電子機器の一例であるデジタルカメラのプリント回路板について説明する。図15(a)は、第3実施形態に係るプリント回路板300Fの断面図である。第3実施形態のデジタルカメラは、図1に示すプリント回路板300の代わりに、電子モジュールの一例である図15(a)に示すプリント回路板300Fを備えている。
図15(a)に示すように、プリント回路板300Fは、電子部品の一例であるイメージセンサ100Fと、イメージセンサ100Fが実装されるプリント配線板200Fと、を有する。イメージセンサ100Fは、例えばCMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサである。イメージセンサ100Fは、図1のレンズユニット602を介して入射した光を電気信号に変換する機能を有する。
イメージセンサ100Fは、LGAのパッケージである。なお、イメージセンサ100FがLCCのパッケージであってもよい。イメージセンサ100Fは、半導体素子であるセンサ素子101と、第1基部である絶縁基板102Fと、を有する。絶縁基板102Fは、イメージセンサ100Fの底面となる主面111Fを有する。イメージセンサ100Fは、主面111Fに配置された複数の第1ランドであるランド130を有する。センサ素子101は、絶縁基板102Fの主面111Fとは反対側の面112Fに配置されている。ランド130は、導電性を有する金属、例えば銅で形成された電極であり、例えば信号電極、電源電極、グラウンド電極、又はダミー電極である。主面111Fに沿う面内方向をXY方向、主面111Fに垂直な面外方向をZ方向とする。
プリント配線板200Fは、第1実施形態と同様、第2基部である絶縁基板202と、絶縁基板202の主面211に配置された複数の第2ランドであるランド230と、を有する。ランド230は、導電性を有する金属、例えば銅で形成された電極であり、例えば信号電極、電源電極、グラウンド電極、又はダミー電極である。絶縁基板202は、エポキシ樹脂等の絶縁材料で形成されている。
主面211上には、ソルダーレジストの膜からなるソルダーレジスト層240Fが設けられている。本実施形態では、ランド230は、SMDのランドであるが、NSMDのランドであってもよい。
複数のランド130の各々と複数のランド230の各々とは、はんだを含む複数のはんだ接合部400で接合されている。はんだ接合部400において、ランド130,230及びソルダーレジスト層240Fに接する部分以外の部分は、アンダーフィルである樹脂部450Fで覆われている。樹脂部450Fは、熱硬化性樹脂を熱硬化させた樹脂物である硬化物を主に含んで形成されている。本実施形態では、複数のはんだ接合部400が一体の樹脂部450Fで覆われている。なお、複数のはんだ接合部400は、一体の樹脂部450Fで覆われているのが好ましいが、これに限定するものではなく、互いに分離した複数の樹脂部で覆われていてもよい。
樹脂部450Fは、イメージセンサ100Fの表面である絶縁基板102Fの主面111Fに、鋭角に接触している。特に、樹脂部450Fは、イメージセンサ100Fの領域R1における表面、即ち主面111Fにおいて領域R1の部分に、鋭角に接触している。図15(a)では、樹脂部450Fにおいて、イメージセンサ100Fの領域R1に接触する第1部分である部分451Fの角度をθ1とする。本実施形態では角度θ1が鋭角である。部分451Fは、樹脂部450Fにおいて内側の部分である。
更に、樹脂部450Fは、プリント配線板200Fにおける表面であるソルダーレジスト層240Fの表面241Fに、鋭角に接触している。特に、樹脂部450Fは、ソルダーレジスト層240Fの表面241Fにおいて領域R2上の部分に、鋭角に接触している。図15(a)では、樹脂部450Fにおいて、表面241Fにおける領域R2上の部分に接触する第2部分である部分452Fの角度をθ2とする。部分452Fは、樹脂部450Fにおいて内側の部分である。本実施形態では角度θ2が鋭角である。
硬化前の液状の熱硬化性樹脂の流動を制御した結果、硬化後の樹脂部450Fの角度θ1,θ2が鋭角となり、図15(a)に示すように、領域R3と領域R4との間には樹脂部450Fが充填される。樹脂部450Fは、複数のはんだ接合部400と接している。領域R1と領域R2との間には、樹脂部450Fがない空間SP3が、樹脂部450Fで形成される。
角度θ1を鋭角にするために、本実施形態では、液状の熱硬化性樹脂の接触角が鋭角となるような絶縁基板102Fを用いる。また、角度θ2を鋭角にするために、本実施形態では、液状の熱硬化性樹脂の接触角が鋭角となるようなソルダーレジスト層240Fを用いる。
イメージセンサ100F及びプリント配線板200Fのいずれに対しても、液状の熱硬化性樹脂の接触角が鋭角であるので、イメージセンサ100Fの側の樹脂形状、及びプリント配線板200Fの側の樹脂形状が共に鋭角となる。樹脂部450Fがイメージセンサ100Fに対して鋭角に接触するため、イメージセンサ100Fの底面である主面111Fと、熱硬化性樹脂からなる樹脂部450Fとの接触界面に応力が集中しにくくなり、はんだ接合部400にかかる応力も低減される。また樹脂部450Fがプリント配線板200Fに対して鋭角に接触するため、プリント配線板200Fの搭載面である表面241Fと熱硬化性樹脂からなる樹脂部450Fとの接触界面に応力が集中しにくくなり、はんだ接合部400にかかる応力も低減される。この樹脂部450Fの形状により、はんだ接合部400における接合強度が更に向上する。
イメージセンサ100Fに対する液状の熱硬化性樹脂の接触角を、例えばイメージセンサ100Fの表面である絶縁基板102Fの主面111Fの表面粗さ、及び/又は絶縁基板102Fの材料により制御する。プリント配線板200Fに対する液状の熱硬化性樹脂の接触角を、例えばプリント配線板200Fの表面であるソルダーレジスト層240Fの表面241Fの表面粗さ、及び/又はソルダーレジスト層240Fの材料により制御する。イメージセンサ100F及びプリント配線板200Fそれぞれに対する樹脂の接触角を、イメージセンサ100F及びプリント配線板200Fそれぞれの表面粗さで制御するのが、製造上容易であるため好ましい。
イメージセンサ100Fに対する液状の熱硬化性樹脂の接触角は、プリント配線板200Fに対する液状の熱硬化性樹脂の接触角よりも小さいのが好ましい。即ち、樹脂部450Fにおいて角度θ1が角度θ2よりも小さいのが好ましい。これにより、更に接合強度が向上する。角度θ1を、角度θ2よりも小さくするために、本実施形態では、イメージセンサ100Fにおいて樹脂部450Fと接触する部分の表面粗さを、プリント配線板200Fにおいて樹脂部450Fと接触する部分の表面粗さよりも大きくしている。即ち、絶縁基板102Fの主面111Fの表面粗さを、ソルダーレジスト層240Fの表面241Fの表面粗さよりも大きくしている。ここで、表面粗さは、例えば算術平均粗さである。このように表面粗さに差をつけることで、リフロー工程において、接触角に差を生じさせることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態にかかる電子機器の一例であるデジタルカメラのプリント回路板について説明する。図15(b)は、第4実施形態に係るプリント回路板300Gの断面図である。図15(b)に示すプリント回路板300Gは、第2実施形態と同様のイメージセンサ100Eと、プリント配線板200Gと、第1実施形態と同様の複数のはんだ接合部400とを有する。第4実施形態のプリント配線板200Gにおいては、第1実施形態のプリント配線板200と同様に、複数のランド230が設けられた絶縁基板202を有し、絶縁基板202の主面211上に、ソルダーレジスト層240Gが形成されている。ソルダーレジスト層240Gには、第1実施形態の開口500と同様の開口500Gが設けられている。開口500Gは、プリント配線板200Gの表面、つまりソルダーレジスト層240Gの表面241Gに対して凹んだ凹部となる。開口500Gは、環状に形成されており、下地である導体パターン235を露出している。そして、プリント回路板300Gは、第2実施形態のプリント回路板300Eと同様に、イメージセンサ100Eに対して鋭角に接触する樹脂部450Gを有する。即ち、第2実施形態と同様、樹脂部450Gの角度θ11,θ12は、鋭角である。
第4実施形態によれば、開口500Gにより、第1実施形態と同様、樹脂の流動が効果的に抑制される。また、樹脂部450Gがイメージセンサ100Eに対して鋭角に接触することにより、第2実施形態と同様、イメージセンサ100Eの底面と熱硬化性樹脂との接触界面に応力が集中しにくい構造となる。これにより、はんだ接合部400における接合強度および接合信頼性が向上する。
なお、第4実施形態のプリント回路板300Gにおいて、開口500Gの代わりに変形例1,2,3,5のような開口としてもよく、また、変形例4のようにランド237を追加してもよい。また、第4実施形態の樹脂部450Gにおいて、プリント配線板200Gに接触する第2接触角が鈍角であるが、第3実施形態のように鋭角であるのが好ましい。その際、樹脂部において、イメージセンサに接触する部分の角度を、プリント配線板に接触する部分の角度よりも小さくするのが好ましい。
(実施例2)
実施例2として、上述の第2実施形態で説明した製造方法により図10に示すプリント回路板300Eを製造した場合について説明する。実施例2のイメージセンサ100Eは、LGAタイプのパッケージであり、底面の面積が900[mm2]、ランド130の総面積が150[mm2]、はんだで形成される有効端子数が300個である。イメージセンサ100Eの絶縁基板102Eの材質はアルミナセラミックである。
プリント配線板200Eの絶縁基板202はFR-4である。絶縁基板202の外形のサイズは約50.0[mm]×50.0[mm]である。ソルダーレジスト層240Eの厚さは約0.02[mm]である。ランド230の材質はCuである。ランド230の径は、1.0[mm]であり、1.6[mm]ピッチでグリッド状に配置されている。
図12(c)に示す工程S3Eにおいて、ランド230にペーストPをスクリーン印刷した。スクリーン印刷には厚さ0.02[mm]の印刷版を使用した。ペーストPは、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型のエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂と反応する硬化剤とを含んでいる。はんだ粉末の合金組成は、融点139[℃]のスズ-58ビスマスの共晶組成であり、平均粒径は40[μm]である。ペーストPにおけるはんだ粉末の添加量は約40[vol%]であり、残部に熱硬化性樹脂および硬化剤、その他はんだ接合性を確保するためのフラックス成分が微量添加されている。
複数のランド230のうち最内周のランドに囲まれた面積を180[mm2]とした。また、はんだペーストにおける熱硬化性樹脂の混合比を、60[vol%]とした。
また、イメージセンサ100Eの底面である絶縁基板102Eの表面粗さRa1を、プリント配線板200Eのソルダーレジスト層240Eの表面粗さRa2よりも大きい(粗い)部材を用いた。実施例2では、イメージセンサ100Eの底面の表面粗さ(算術平均粗さ)Ra1が333.9[nm]の部材を用いた。また、実施例2では、プリント配線板200Eのソルダーレジスト層240Eの表面粗さ(算術平均粗さ)Ra2が、表面粗さRa1よりも小さい39.7[nm]の部材を用いた。
図13(a)に示す工程S4Eにおいて、マウンターを用いて、ペーストPが供給されたプリント配線板200Eの上にLGAタイプのイメージセンサ100Eを搭載した。このとき、ランド130は、接合されるプリント配線板200Eのランド230と対向する位置に合わせられている。
次に、図13(b)に示す工程S5E-1及び図13(c)に示す工程S5E-2において、ペーストPを加熱した。このときのリフロー炉1000内の温度のプロファイルを図9に示す。工程S5E-1において、図9に示すように、はんだの融点139[℃]以上の温度にリフロー炉1000の内部の温度を調整して、ペーストP中のはんだを溶融させた。これにより、溶融はんだ401と熱硬化性樹脂451Eとに分離させた。
その後、工程S5E-2において、図9に示すように、はんだの融点139[℃]よりも低い温度であって熱硬化に必要な温度にリフロー炉1000の内部の温度を調整して、熱硬化性樹脂451Eを硬化させた。液状の熱硬化性樹脂451Eの濡れ拡がり形状、即ち硬化後の樹脂部450Eの形状を、イメージセンサ100Eに対して鋭角の状態に維持することができた。なお、プリント配線板200Eのソルダーレジスト層240Eの表面粗さ(算術平均粗さ)Ra2が50[nm]以下では、樹脂部450Eにおいて鋭角の形状を得ることができなかった。
以上の製造方法で製造したプリント回路板300Eを、図14(a)及び図14(b)のように、イメージセンサ100Eとプリント配線板200Eとに分解した。イメージセンサ100E及びプリント配線板200Eのそれぞれにおいて、熱硬化性樹脂を観察した。イメージセンサ100E側の樹脂部450Eの跡、プリント配線板200E側の樹脂部450Eの跡を比較すると、イメージセンサ100E側の樹脂部450Eは、プリント配線板200E側の樹脂部450Eよりも広い範囲に拡がっていることが確認された。この樹脂部450Eの跡からも、樹脂部450Eがイメージセンサ100Eに対して鋭角に接触することが裏付けられた。また、イメージセンサ100E側に熱硬化性樹脂の跡が残っていることより、無機材料の絶縁基板102Eとの接合強度が高いことが確認された。また、イメージセンサ100Eの底面の表面粗さ333.9[nm]は、プリント配線板200Eのソルダーレジスト層240Eの表面の表面粗さ39.7[nm]の10倍近く大きい。このことから、イメージセンサ100E側は、表面の凹凸から生じるアンカー効果により、接合強度が高まることが確認された。
(実施例3)
実施例3として、上述の図15(a)に示すプリント回路板300Fを製造した場合について説明する。実施例3において、イメージセンサ100Fの主面111Fの表面粗さ(算術平均粗さ)Ra1を、333.9[nm]とした。プリント配線板200Fのソルダーレジスト層240Fの表面241Fの表面粗さ(算術平均粗さ)Ra2を、100[nm]とした。
イメージセンサ100Fの底面に対する液状の熱硬化性樹脂の接触角、及びプリント配線板200Fの搭載面に対する液状の熱硬化性樹脂の接触角を測定した。その結果、いずれの接触角も90°未満、即ち鋭角であることが確認された。さらに、イメージセンサ100Fに対する液状の熱硬化性樹脂の接触角は、プリント配線板200Fに対する液状の熱硬化性樹脂の接触角よりも小さいことが確認された。熱硬化後の樹脂部450Fは、イメージセンサ100F及びプリント配線板200Fのいずれに対しても鋭角に接触していた。イメージセンサ100Fとプリント配線板200Fとの接合強度も、実施例2よりもさらに高まることが確認された。
一方、比較例として、熱硬化性樹脂との接触角が鈍角であるイメージセンサ(電子部品)を用いた場合の実験も行った。この比較例の場合、接触角が鈍角であり、熱硬化性樹脂とイメージセンサとの接触界面には、熱硬化性樹脂が剥がれる方向に応力が集中しやすいため、はんだ接合部における接合強度及び接合信頼性が劣っていた。
次に、上述の製造方法により製造されたプリント回路板300Fについて、X線透過観察装置ではんだ接合部400の検査を行った結果、隣接するはんだ接合部400同士のはんだブリッジなどの接合不良はみられなかった。また、電気チェックによるはんだ接合部400の検査においても導通不良は確認されなかった。熱硬化性樹脂を硬化させる加熱工程を、はんだ融点以下である130[℃]の低温で行ったため、イメージセンサ100Fの熱変形量は少なく、イメージセンサ100Fの光学性能を十分に保証できるものであった。
なお、本発明は、以上説明した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
変形例を含む上述の実施形態では、電子部品の例としてイメージセンサを有するプリント回路板について説明したが、これに限定するものではない。例えば、図1に示すプリント回路板700においても、プリント回路板300~300Gと同様の製造方法により製造することが可能である。また、電子部品が例えばメモリIC(Integrated Circuit)や電源ICなどであっても、同様の製造方法によりプリント回路板を製造することが可能である。また、上述の実施形態では、電子機器の一例として、撮像装置としてのデジタルカメラ600について説明したが、これに限定するものではなく、撮像装置以外の電子機器、例えばプリンタ等の画像形成装置やモバイル通信機器であってもよい。
上述の実施形態では、ペーストPを配置する工程において、プリント配線板にペーストPを配置する場合について説明したが、これに限定するものではなく、電子部品にペーストPを配置してもよい。またプリント配線板及び電子部品の双方にペーストPを配置してもよい。
また、ソルダーレジスト層で凹部を形成するのが好適であるが、これに限定するものではない。プリント配線板の基部そのものに、表面に対して凹んだ凹部を形成してもよい。
また、電子部品は、LGAまたはLCCのパッケージであるのが好適であるが、これに限定するものではない。つまり、LGA及びLCC以外のパッケージであっても、底面に複数のランドが形成されている電子部品について本発明は適用可能である。