JP7370202B2 - 無機質建材用シーラー組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
本発明の無機質建材用シーラー組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位およびスチレン(A2)由来の構成単位を有し、前記スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が1~85質量%である(メタ)アクリル系樹脂(A)(ただし、コアシェル型(メタ)アクリル系樹脂を除く。)と、融点が70~120℃であるパラフィンワックス(B)と、水(C)とを含有する。以下、前記樹脂(A)および前記パラフィンワックス(B)を、それぞれ「成分(A)」および「成分(B)」ともいう。
成分(A)は、不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位およびスチレン(A2)由来の構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂であり、ただし、コアシェル型(メタ)アクリル系樹脂を除く。
一実施態様では、得られる成分(A)を用いた本組成物の成膜性の観点から、メチルアクリレート、n-またはiso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が100℃未満の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも用いることがよりさらに好ましい。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのホモポリマーのTgは、好ましくは60℃未満である。前記ホモポリマーのTgは、後述するように、Polymer Handbook 2nd Edition,J.Wiley & Sons,New York(1975)に記載の値を参考にできる。
本組成物の成膜性が良好になれば、例えば本組成物中の造膜助剤の含有量を低減することができ、耐ブロッキング性をさらに向上させることができる。
上記範囲内のTgを有する成分(A)を得るという観点から、成分(A)を構成するモノマー成分として、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が100℃未満の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも用いることが好ましく、前記Tgが60℃未満の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも用いることがより好ましく、メチルアクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートおよびステアリル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種を少なくとも用いることがさらに好ましい。
なお、Tgが上記範囲内にある場合でも、スチレン(A2)由来の構成単位を有さない(メタ)アクリル系樹脂の場合は、形成されるシーラー膜の耐ブロッキング性が充分ではない傾向にある。したがって、成膜性に優れたシーラー組成物、ならびに耐透水性および耐ブロッキング性に優れたシーラー膜を得るという観点から、スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が1~85質量%であり、かつTgが上記範囲内にある(メタ)アクリル系樹脂がより好ましく、スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が1~85質量%であり、かつTgが40~65℃である(メタ)アクリル系樹脂がさらに好ましい。Tgを上記範囲内に調整する観点からも、成分(A)におけるスチレン(A2)由来の構成単位の含有割合を上述した範囲内とすることが好ましい。
パラフィンワックス(B)の融点は、70~120℃であり、好ましくは70~115℃、より好ましくは75~115℃である。前記融点を有するパラフィンワックス(B)は、得られるシーラー膜の耐透水性および耐ブロッキング性の向上に寄与する。パラフィンワックスの融点が70℃を下回る場合、当該パラフィンワックスを含有するシーラー組成物より形成されるシーラー膜の耐透水性および/または耐ブロッキング性が不充分となる傾向にあり、パラフィンワックスの融点が120℃を上回る場合、成分(A)との混和性に優れる、パラフィンワックスの水分散体の製造作業性が低下する傾向にある。
本組成物は、水(C)を含有する。本組成物は、通常、成分(A)および成分(B)が水(C)中に存在している水性組成物であり、一実施態様において、本組成物は、成分(A)および成分(B)が水(C)中に分散した水分散体である。
本組成物は、前記成分に加え、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において、公知の体質顔料、着色顔料、造膜助剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、および防腐防カビ剤から選ばれる1種または2種以上を含有してもよい。
体質顔料としては、例えば、従来公知の、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウム(沈降性硫酸バリウムや簸性硫酸バリウムを含む)、(カリ)長石、カオリン、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ドロマイト、シリカが挙げられる。
着色顔料としては、例えば、従来公知の、酸化チタン(チタン白)、カーボンブラック、酸化鉄(弁柄)、黄色酸化鉄、群青等の無機顔料;シアニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料が挙げられる。
造膜助剤としては、従来公知のアルコール類、グリコールエーテル類およびエステル類等が挙げられ、例えば、イソプロピルアルコール等の炭素数1~3のアルコール、2,2,4-トリメチルペンタンジオール、2,2,4-トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート等のアルコール類;エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;2,2,4-トリメチルペンタンジオールジイソブチレート等のエステル類が挙げられる。
本組成物の調製方法は特に限定されない。例えば、成分(A)を含む樹脂エマルションと、成分(B)を含む水分散体と、必要に応じて水(C)および/またはその他の成分とを混合することにより、本組成物を得ることができる。
本発明のシーラー膜(以下「本膜」ともいう。)は、前記本組成物を用いて形成され、本組成物の膜付き無機質建材(以下「本膜付き建材」ともいう。)は、無機質建材と、前記無機質建材上の少なくとも一部に形成された本膜とを有する。
本発明の本膜付き建材の製造方法(以下「本方法」ともいう。)は、本組成物からなる塗膜を無機質建材上の少なくとも一部に形成する工程[1]と、前記工程[1]で形成された塗膜を乾燥する工程[2]とを有する。
工程[1]における本組成物の塗装方法としては、特に制限されず、例えば、エアスプレー、エアレススプレー等のスプレー塗装;スポンジロールコーター、ナチュラルロールコーター、リバースロールコーター等のロールコーター塗装;カーテンフローコーター等のフローコーター塗装;ダイコーター塗装、ナイフコーター塗装、はけ塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の従来公知の方法が挙げられる。これらの中でも、無機質建材への塗布量を安定化できる、スプレー塗装、ロールコーター塗装およびフローコーター塗装が好ましい。
工程[2]における乾燥条件としては、特に制限されず、本膜の形成方法、無機質建材の種類、用途、塗装環境等に応じて適宜設定すればよいが、乾燥温度は、常温乾燥の場合、通常は5~35℃、より好ましくは10~30℃であり、熱風乾燥機等で乾燥する場合、通常は60~130℃、より好ましくは80~120℃である。一方、乾燥時間は、塗膜の乾燥方法によって異なり、常温乾燥の場合、通常は1日~10日、好ましくは3日~7日であり、熱風乾燥機等で乾燥する場合、通常は1分~15分、好ましくは3分~10分である。
反応器に、脱イオン水48.27部を仕込んだ。
表2に記載の各モノマーを、表2に記載の量で用いたこと以外は製造例1と同様にして、各(メタ)アクリルエマルションを調製した。
反応器に、脱イオン水48.27部を仕込んだ。
上述したFoxの式から、(メタ)アクリル系樹脂のTgを算出した。
前記製造例1~12で調製した(メタ)アクリルエマルション1~12を平底皿に1±0.1g量り採り、質量既知の針金を使って均一に広げ、加熱温度108℃で3時間(常圧下)加熱し、得られた加熱残分から前記針金の質量を除くことで各樹脂の加熱残分を計測し、以下の式から固形分率を算出した。
<平均粒径の測定>
平均粒径は、大塚電子(株)製「FPAR-1000」を用いて動的光散乱法にて測定した。
容器に、「Deltop 100」0.05部、「(メタ)アクリルエマルション1」50部、「XEM-1875」10部および「Toray 95 Antifoam」0.2部を添加し、ハイスピードディスパーで均一になるまで混合した。次いで、前記容器に「CS-12」5部および水道水34.75部を添加した後、ハイスピードディスパーで混合し、シーラー組成物を調製した。
表4に記載の各原材料を、表4に記載の量(質量部基準)で用いたこと以外は実施例1と同様にして、各シーラー組成物を調製した。
実施例および比較例の各シーラー組成物100部に対して、水道水35部を添加することにより、粘度カップ(アネスト岩田(株)製、型式NK-2)を用いた23℃の測定条件下での粘度測定において、測定結果が8~10秒となるように粘度を調整した。
前記各試験体に対して、JIS A 6909:2010を基にした耐透水性試験を実施した。各試験体のシーラー膜上に、ロートの大口径側をシリコーン系シーラント(「セメダイン8060」、セメダイン(株)製)で接着し、7日間乾燥した。次いで、ロート内に水を試験体の表面から高さ250mmまで注ぎ、23℃下で24時間保持した後に、前記ロート内に水を試験体の表面から高さ250mmまで注ぎ、その必要量を水の減少量(g)として測定した。耐透水性の評価には、シーラー組成物毎に2回試験を実施した平均値を用いて、下記の計算式より得られる耐透水性向上率を用いた。
<耐ブロッキング性試験>
前記各試験体を5cm×10cm角に切断し、切断した試験体同士をシーラー膜とシーラー膜とが接触するように配置した。その上に20kgの金属製の錘を設置し、60℃下で24時間静置した。次いで、上記錘を除去し、各シーラー膜同士が密着することによるダメージが無いか、各シーラー膜を観察した。なお、耐ブロッキング性試験は、シーラー組成物毎に2回試験を実施し、下記評価基準に従って、耐ブロッキング性を評価した。
○:全くダメージが見られない。
△:シーラー膜の全面積に対して、5%以下の面積にダメージが見られる。
×:シーラー膜の全面積に対して、5%より大面積にダメージが見られる。
前記各シーラー組成物を調製直後に、50℃の恒温機に2週間保存し、下記評価基準に従って、貯蔵安定性を評価した。
○:全く凝集物が見られない。
×:凝集物が生じた。
前記各シーラー組成物の液温が35℃になるまで50℃の温水で加温し、この加温した各シーラー組成物を前記ケイ酸カルシウム板にロールコーターを用いて塗装した。なお、無機質建材の生産設備は、通常、塗装対象の基材に塗着しなかったシーラー組成物を回収し、再度ロールコーター内に戻るような循環設備を備えている。本評価試験環境を無機質建材の生産設備と同様の環境とするため、前記ロールコーター内の各シーラー組成物は、シーラー組成物の液温が約35℃の状態で1時間循環させた。下記評価基準に従って、ライン塗装適性を評価した。
○:全く凝集物が見られない。
×:凝集物が生じた。
Claims (5)
- 不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位およびスチレン(A2)由来の構成単位を有し、前記不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位の含有割合が0.1~5質量%であり、前記スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が10~85質量%である(メタ)アクリル系樹脂(A)(ただし、コアシェル型(メタ)アクリル系樹脂を除く。)と、
融点が70~120℃であるパラフィンワックス(B)と、
水(C)と
を含有し、
前記(メタ)アクリル系樹脂(A)が、樹脂エマルションに含まれる樹脂粒子であり、
前記パラフィンワックス(B)を、前記(メタ)アクリル系樹脂(A)100質量部に対して、3~90質量部含有する、
無機質建材用シーラー組成物。 - 前記無機質建材用シーラー組成物が、無機質建材の背面用シーラー組成物である、請求項1に記載の無機質建材用シーラー組成物。
- 請求項1または2に記載の無機質建材用シーラー組成物から形成されたシーラー膜。
- 無機質建材と、前記無機質建材上の少なくとも一部に形成された、請求項3に記載のシーラー膜とを有する膜付き無機質建材。
- 請求項1または2に記載の無機質建材用シーラー組成物からなる塗膜を無機質建材上の少なくとも一部に形成する工程[1]と、前記工程[1]で形成された塗膜を乾燥する工程[2]とを有する、膜付き無機質建材の製造方法。
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