JP7370202B2 - 無機質建材用シーラー組成物およびその用途 - Google Patents

無機質建材用シーラー組成物およびその用途 Download PDF

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Description

本発明は、無機質建材用シーラー組成物およびその用途に関する。
従来、内外装、屋根等に広く使用されている無機質建材は、一般的に、前面には目止め用のシーラー組成物、前記建材を隠ぺいする下塗塗料組成物、および意匠性の付与等を目的とする上塗塗料組成物が塗装され、また、前記建材の背面には目止め用のシーラー組成物が塗装されている。
無機質建材としては、ケイ酸カルシウム板、スレート板、石膏板等が挙げられる。これらの建材を用いた場合、雨水等の水分が当該建材の内部に浸入することで化学反応が起こり、エフロレッセンス(白華現象)が生じ、意匠性が低下する恐れがある。また、寒冷地において、無機質建材を構造物の壁面等に用いる場合、室内と外気との気温差によって当該建材の背面が特に結露しやすく、その水分が当該建材の内部に浸入し、凍結と融解とを繰り返すことで当該建材の劣化が促進されるという問題がある。以上より、無機質建材に塗装されるシーラー組成物には、高い耐透水性が求められる。
また、無機質建材に適用されるシーラー組成物は、通常、スプレー、ロールコーター等で連続的にライン塗装され、シーラー膜が形成された建材は積み重ねて保管される。よって、無機質建材用シーラー組成物には、シーラー膜が形成された建材を積み重ねた際に、シーラー膜同士が密着すること、あるいはシーラー膜が積み重ねた建材に密着することを防止する耐ブロッキング性が求められる。
前述の問題に対し、特許文献1には、耐エフロレッセンス性、耐水性、耐透水性、耐透湿性および耐ブロッキング性に優れた塗膜を形成できる無機建材用水性塗料組成物が開示されている。また、特許文献2には、セメント系無機質基材の表面に、撥水剤含有のスチレンアクリル樹脂塗膜が配設された撥水性無機質材が開示されており、水の浸入による劣化を抑止でき、無機質材の積載時に起こりやすい塗膜樹脂間での接着(ブロッキング)を軽減できることが記載されている。
特開2003-301139号公報 特開2003-034586号公報
無機質建材用シーラー組成物には、高い耐透水性および耐ブロッキング性が求められる。さらに、無機質建材用シーラー組成物は連続的にライン塗装されることが多いため、塗装機内を循環させた際の組成物の安定性に依るライン塗装適性も求められる。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1の実施例に開示されているようなコアシェル型樹脂エマルションを用いた組成物を、無機質建材への連続的なライン塗装に適用すると、塗装機内に凝集物が生じ、当該組成物は適切なライン塗装適性を有しない。また、特許文献2に開示されている撥水剤含有のスチレンアクリル樹脂塗膜は、前述の問題に対して充分な耐透水性および耐ブロッキング性を有していない。
本発明は、前述の課題を解決しようとするものであって、ライン塗装適性を有するとともに、耐透水性および耐ブロッキング性に優れたシーラー膜を形成することができる無機質建材用シーラー組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決する手段について鋭意検討を重ねた結果、特定組成の無機質建材用シーラー組成物により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成例は、例えば以下の通りである。
(1)不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位およびスチレン(A2)由来の構成単位を有し、前記スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が1~85質量%である(メタ)アクリル系樹脂(A)(ただし、コアシェル型(メタ)アクリル系樹脂を除く。)と、融点が70~120℃であるパラフィンワックス(B)と、水(C)とを含有する無機質建材用シーラー組成物。
(2)前記パラフィンワックス(B)を、前記(メタ)アクリル系樹脂(A)100質量部に対して、3~90質量部含有する、前記(1)に記載の無機質建材用シーラー組成物。
(3)前記無機質建材用シーラー組成物が、無機質建材の背面用シーラー組成物である、前記(1)または(2)に記載の無機質建材用シーラー組成物。
(4)前記(1)~(3)のいずれかに記載の無機質建材用シーラー組成物から形成されたシーラー膜。
(5)無機質建材と、前記無機質建材上の少なくとも一部に形成された、前記(4)に記載のシーラー膜とを有する膜付き無機質建材。
(6)前記(1)~(3)のいずれかに記載の無機質建材用シーラー組成物からなる塗膜を無機質建材上の少なくとも一部に形成する工程[1]と、前記工程[1]で形成された塗膜を乾燥する工程[2]とを有する、膜付き無機質建材の製造方法。
本発明によれば、ライン塗装適性を有するとともに、耐透水性および耐ブロッキング性に優れたシーラー膜を形成することができる無機質建材用シーラー組成物を提供することができる。
以下、本発明の無機質建材用シーラー組成物およびその用途について説明する。
本明細書において、アクリレートおよびメタクリレートを総称して「(メタ)アクリレート」とも記載し、アクリル酸およびメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル酸」とも記載し、アクリロイルおよびメタクリロイルを総称して「(メタ)アクリロイル」とも記載する。
[無機質建材用シーラー組成物]
本発明の無機質建材用シーラー組成物(以下「本組成物」ともいう。)は、不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位およびスチレン(A2)由来の構成単位を有し、前記スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が1~85質量%である(メタ)アクリル系樹脂(A)(ただし、コアシェル型(メタ)アクリル系樹脂を除く。)と、融点が70~120℃であるパラフィンワックス(B)と、水(C)とを含有する。以下、前記樹脂(A)および前記パラフィンワックス(B)を、それぞれ「成分(A)」および「成分(B)」ともいう。
本組成物は、優れたライン塗装適性を有する。また、本組成物を用いることにより、耐透水性および耐ブロッキング性に優れたシーラー膜を無機質建材上に形成することができる。
本組成物の適用対象である無機質建材としては、例えば、ケイ酸カルシウム板、スレート板(石綿スレート板等)、石膏板、繊維セメント板、軽量コンクリート板、モルタル板、石材、タイル、瓦、レンガが挙げられ、これらの中でも、耐透水性および耐ブロッキング性が得られやすい等の観点から、ケイ酸カルシウム板、スレート板(石綿スレート板等)、石膏板、繊維セメント板、軽量コンクリート板、モルタル板が好ましい。また、無機質建材の表面形状は、平面状、凹凸状のいずれであってもよい。
また、無機質建材の用途としては、例えば、内装材、外装材、屋根材が挙げられる。
本組成物の固形分率(不揮発分率)とは、本組成物に対する、本組成物を充分に乾燥(加熱)して得られたシーラー膜(加熱残分または固形分)の質量百分率を意味する。前記固形分の質量は、JIS K 5601-1-2:2008に従って、1±0.1gの本組成物を平底皿に量り採り、質量既知の針金を使って均一に広げ、加熱温度108℃で3時間(常圧下)加熱し、得られた加熱残分から前記針金の質量を除くことで算出することができる。なお、前記固形分の総量は、本組成物中の、水および任意に添加される造膜助剤以外の成分の総量と通常は同等の値である。
本組成物の固形分率は、特に制限されないが、好ましくは10~90質量%、より好ましくは15~80質量%、さらに好ましくは20~70質量%である。
本組成物は、無機質建材上の少なくとも一部にシーラー膜を形成する用途に好適であり、通常は無機質建材の前面、背面および木口部やサネ部等(側面)から選ばれる少なくとも一部にシーラー膜を形成する用途に好適であり、本組成物の有する前述の効果が得られやすい等の観点から、好ましくは無機質建材の背面の少なくとも一部にシーラー膜を形成する用途に好適である。なお、本明細書において、無機質建材の前面とは、当該無機質建材を建築構造物の外装材や屋根材に使用した際、外気に接する面に相当し、また、当該無機質建材を建築構造物の内装材に使用した際、建築構造物の内部に近い面に相当する。一方、無機質建材の背面とは、当該無機質建材を建築構造物の外装材や屋根材に使用した際、建築構造物の内部に近い面に相当し、また、当該無機質建材を建築構造物の内装材に使用した場合、外気に近い面に相当する。
<成分(A):(メタ)アクリル系樹脂>
成分(A)は、不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位およびスチレン(A2)由来の構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂であり、ただし、コアシェル型(メタ)アクリル系樹脂を除く。
本明細書において、コアシェル型(メタ)アクリル系樹脂とは、樹脂粒子からなるコア部(内層)と、コア部を覆う、コア部とは異なる樹脂からなるシェル部(外層)とを含む多層構造を有する(メタ)アクリル系樹脂をいう。このようなコアシェル型(メタ)アクリル系樹脂を用いた無機質建材用シーラー組成物は、連続して塗装するために塗装機内を循環させた際に凝集物を生じやすい傾向にあり、無機質建材用シーラー組成物に適さないと考えられる。
一方、コアシェル型(メタ)アクリル系樹脂以外の、不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位およびスチレン(A2)由来の構成単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(A)を用いた無機質建材用シーラー組成物は、連続して塗装するために塗装機内を循環させた際に凝集物を生じにくい。
成分(A)における(メタ)アクリル系とは、通常、樹脂を構成する全てのモノマー成分由来の構成単位100質量%中、不飽和カルボン酸(A1)のうちα,β-不飽和カルボン酸由来の構成単位と、不飽和カルボン酸(A1)以外の後述する(メタ)アクリル系モノマー(A3)由来の構成単位との合計割合が15質量%以上の、好ましくは20質量%以上の、より好ましくは20質量%を超える樹脂を指す。なお、前記モノマー成分は、不飽和カルボン酸(A1)、スチレン(A2)、(メタ)アクリル系モノマー(A3)とともに後述する他の不飽和モノマー(A4)を含んでもよく、この場合、前記合計割合の上限は、α,β-不飽和カルボン酸以外の不飽和カルボン酸(A1)、スチレン(A2)および他の不飽和モノマー(A4)由来の構成単位の含有割合により決定される。なお、成分(A)中の各モノマー等に由来する構成単位の各含有量(質量)の比率は、重合反応に用いる前記各モノマー等(反応原料)の仕込み量(質量)の比率と同じものとしてみなすことができる。
成分(A)は、(メタ)アクリル系樹脂の、アルキド変性物、エポキシ変性物、アミン変性物またはウレタン変性物等の変性物であってよく、例えば、アルキド変性(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ変性(メタ)アクリル系樹脂、アミン変性(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン変性(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
不飽和カルボン酸(A1)としては、α,β-不飽和カルボン酸が好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の一塩基酸または二塩基酸モノマー;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル等の二塩基酸モノマーのモノエステルが挙げられる。不飽和カルボン酸(A1)としては、成分(A)の製造容易性および製造安定性等の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
不飽和カルボン酸(A1)は、単独でまたは2種以上を使用することができる。
ライン塗装適性により優れたシーラー組成物を得ることができる等の観点から、成分(A)を構成する全てのモノマー成分由来の構成単位100質量%中の不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位の含有割合は、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.5~3質量%である。
成分(A)を構成する全てのモノマー成分由来の構成単位100質量%中のスチレン(A2)由来の構成単位の含有割合は、1~85質量%であり、好ましくは1~70質量%、より好ましくは1~60質量%、さらに好ましくは5~50質量%、よりさらに好ましくは10~50質量%である。スチレン(A2)由来の構成単位を前記範囲で有する(メタ)アクリル系樹脂(A)を用いると、後述するガラス転移温度が同程度の、スチレン(A2)由来の構成単位を有さない(メタ)アクリル系樹脂を用いた場合と比べて、優れた耐ブロッキング性を有するシーラー膜を形成することができる。スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が85質量%を超えると、シーラー膜の耐透水性が低下する傾向にある。
不飽和カルボン酸(A1)以外の(メタ)アクリル系モノマー(A3)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-、sec-、iso-またはtert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート等の、脂環、芳香環、複素環およびビニル基から選ばれる1種または2種以上を有する(メタ)アクリル酸エステル(ただし、下記例示のOR基含有(メタ)アクリル酸エステルを除く。);2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の、一つの水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、γ-ブチロラクトンまたはε-カプロラクトン等との付加物や、グリセロール(メタ)アクリレート等の、複数の水酸基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、m-またはp-メトキシフェニル(メタ)アクリレート、o-、m-またはp-メトキシフェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート等のOR基含有(メタ)アクリル酸エステル(前記Rは、アルキル基、脂環含有基またはアリール基である。);N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の第三級アミノ基および(メタ)アクリロイル基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の第一級または第二級アミノ基および(メタ)アクリロイル基含有モノマー;(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
(メタ)アクリル系モノマー(A3)としては、得られる成分(A)を用いた本組成物より形成されたシーラー膜の耐透水性等の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、メチル(メタ)アクリレート、n-、iso-またはtert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートがより好ましく、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
一実施態様では、得られる成分(A)を用いた本組成物の成膜性の観点から、メチルアクリレート、n-またはiso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が100℃未満の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも用いることがよりさらに好ましい。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのホモポリマーのTgは、好ましくは60℃未満である。前記ホモポリマーのTgは、後述するように、Polymer Handbook 2nd Edition,J.Wiley & Sons,New York(1975)に記載の値を参考にできる。
本組成物の成膜性が良好になれば、例えば本組成物中の造膜助剤の含有量を低減することができ、耐ブロッキング性をさらに向上させることができる。
(メタ)アクリル系モノマー(A3)は、単独でまたは2種以上を使用することができる。
成分(A)を構成する全てのモノマー成分由来の構成単位100質量%中の(メタ)アクリル系モノマー(A3)由来の構成単位の含有割合は、通常は14.9~98.9質量%、好ましくは20~98.9質量%、より好ましくは25~94.9質量%、さらに好ましくは30~89.5質量%である。
他の不飽和モノマー(A4)としては、不飽和カルボン酸(A1)、スチレン(A2)および(メタ)アクリル系モノマー(A3)以外の不飽和モノマーであればよく、例えば、ビニルピロリドン、ビニルピリジン等の複素環族系塩基性モノマー;ビニルトルエン、α-メチルスチレン等の芳香族炭化水素ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アリルグリシジルエーテル等のその他のビニル系モノマーが挙げられる。
他の不飽和モノマー(A4)としては、得られる成分(A)を用いた本組成物より形成されたシーラー膜の耐透水性等の観点から、芳香族炭化水素ビニル系モノマーが好ましく、ビニルトルエン、α-メチルスチレンがより好ましい。
他の不飽和モノマー(A4)は、単独でまたは2種以上を使用することができる。
成分(A)が他の不飽和モノマー(A4)由来の構成単位を有する場合、成分(A)における他の不飽和モノマー(A4)由来の構成単位の含有量は、不飽和カルボン酸(A1)、スチレン(A2)および(メタ)アクリル系モノマー(A3)由来の構成単位の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上400質量部未満、より好ましくは20~100質量部である。
本組成物を調製する際、耐透水性および耐ブロッキング性等の観点から、成分(A)が水中に分散した樹脂エマルションを用いることが好ましい。樹脂エマルションの製造方法としては、例えば、乳化重合法、シード重合法、ミニエマルション重合法、マイクロエマルション重合法、無乳化剤(ソープフリー)乳化重合法が挙げられる。また、これらの他に、樹脂を既知の方法、例えば、転相乳化、強制乳化等で乳化させる方法でも、樹脂エマルションを得ることができる。
これらの方法に使用できる乳化剤としては、例えば、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤が挙げられ、これらの乳化剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アニオン性乳化剤としては、例えば、アルキルサルフェート塩、アルキルアリールスルホネート塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アリールスルホン酸-ホルマリン縮合物、脂肪酸塩が挙げられる。ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの縮合物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、エチレンオキサイドと脂肪族アミンとの縮合生成物が挙げられる。カチオン性乳化剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド等のアルキルアンモニウム塩が挙げられる。両性乳化剤としては、例えば、ベタインエステル型乳化剤が挙げられる。高分子乳化剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、これらの重合体を構成する単量体のうちの1種以上を含む共重合体が挙げられる。
また、前記乳化剤として、シーラー膜の耐透水性を向上させる等の観点から、重合性基を有する乳化剤、すなわち、いわゆる反応性乳化剤が好ましく、環境保護等の観点から、非ノニルフェニル型の乳化剤が好ましい。反応性乳化剤としては、例えば、プロペニル-アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレンのスルホネート塩、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレンの硫酸エステル塩、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化スルホネート塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテルスルホネート塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩が挙げられる。
乳化剤の使用量は、成分(A)を構成する全てのモノマー成分100質量部に対して、重合安定性およびライン塗装適性を向上させる等の観点から、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、シーラー膜の耐透水性を向上させる等の観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。
樹脂エマルション100質量%中の成分(A)の含有割合は、保存安定性により優れるシーラー組成物を容易に得ることができる等の観点から、好ましくは20~60質量%、より好ましくは35~55質量%である。
樹脂エマルションである場合、成分(A)は樹脂粒子であることが好ましい。成分(A)の平均粒径は、通常は30~300nm、好ましくは50~250nm、より好ましくは70~200nmである。平均粒径の測定条件は実施例欄に記載する。
成分(A)のガラス転移温度(Tg、理論値)は、成膜性に優れたシーラー組成物、ならびに耐透水性および耐ブロッキング性のバランスがよいシーラー膜を容易に得ることができる等の点から、好ましくは30~80℃、より好ましくは40~75℃、よりさらに好ましくは40~65℃、特に好ましくは40~60℃である。Tgが前記範囲の下限値以上であると、形成されるシーラー膜の耐ブロッキング性がより良好となる傾向にある。また、Tgが前記範囲の上限値以下であると、シーラー組成物の成膜性がより高くなり、形成されるシーラー膜の耐透水性がより良好となる傾向にある。
上記範囲内のTgを有する成分(A)を得るという観点から、成分(A)を構成するモノマー成分として、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が100℃未満の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも用いることが好ましく、前記Tgが60℃未満の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも用いることがより好ましく、メチルアクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートおよびステアリル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種を少なくとも用いることがさらに好ましい。
なお、Tgが上記範囲内にある場合でも、スチレン(A2)由来の構成単位を有さない(メタ)アクリル系樹脂の場合は、形成されるシーラー膜の耐ブロッキング性が充分ではない傾向にある。したがって、成膜性に優れたシーラー組成物、ならびに耐透水性および耐ブロッキング性に優れたシーラー膜を得るという観点から、スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が1~85質量%であり、かつTgが上記範囲内にある(メタ)アクリル系樹脂がより好ましく、スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が1~85質量%であり、かつTgが40~65℃である(メタ)アクリル系樹脂がさらに好ましい。Tgを上記範囲内に調整する観点からも、成分(A)におけるスチレン(A2)由来の構成単位の含有割合を上述した範囲内とすることが好ましい。
前記Tgは、Fox T.G.,Bull.Am.Physics Soc.1,3,第123頁(1956)に記載の、下記Foxの式により近似的に算出することができる。
Figure 0007370202000001
式中、Xnは、前記成分(A)の合成に用いるモノマー成分の合計100質量%に対するモノマー成分nの質量分率(質量%/100)であり、Tgnは、当該モノマー成分nのホモポリマーのガラス転移温度(ケルビン)である。
Tgnは、例えば、Polymer Handbook 2nd Edition,J.Wiley & Sons,New York(1975)に記載の値を参考にできる。このハンドブックによれば、例えば、ポリスチレンのTgは373Kであり、ポリ(メチルメタクリレート)のTgは378Kであり、ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)のTgは203Kであり、ポリアクリル酸のTgは379Kであり、ポリメタクリル酸のTgは458Kである。
成分(A)は、従来公知の方法で製造した樹脂、市販品のいずれを用いてもよく、例えば、「WSR-350」(スチレン-アクリル樹脂、大竹明新化学(株)製)が挙げられる。
本組成物中に含まれる成分(A)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
本組成物の固形分100質量%中の成分(A)の含有割合は、耐透水性および耐ブロッキング性に優れるシーラー膜を形成できる等の観点から、好ましくは20~97質量%、より好ましくは40~95質量%である。
<成分(B):パラフィンワックス>
パラフィンワックス(B)の融点は、70~120℃であり、好ましくは70~115℃、より好ましくは75~115℃である。前記融点を有するパラフィンワックス(B)は、得られるシーラー膜の耐透水性および耐ブロッキング性の向上に寄与する。パラフィンワックスの融点が70℃を下回る場合、当該パラフィンワックスを含有するシーラー組成物より形成されるシーラー膜の耐透水性および/または耐ブロッキング性が不充分となる傾向にあり、パラフィンワックスの融点が120℃を上回る場合、成分(A)との混和性に優れる、パラフィンワックスの水分散体の製造作業性が低下する傾向にある。
成分(B)の融点は、JIS K 2235;1991に記載の融点試験方法により測定することができる。
成分(B)としては、例えば、石油から分離され、精製された結晶性パラフィンが挙げられ、前記結晶性パラフィンとしては、例えば、主にノルマルパラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィンなどの構造のものが挙げられる。パラフィンワックスの炭素数は、特に制限されないが、パラフィン精製等の点から、好ましくは10~50である。また、パラフィンワックスの数平均分子量は、特に制限されないが、パラフィン精製等の点から、好ましくは200~2000である。
本組成物を調製する際、成分(A)との混和性等の観点から、成分(B)が水中に分散したパラフィンワックス水分散体(パラフィンワックスエマルション)を用いることが好ましい。パラフィンワックス水分散体を製造するために使用される界面活性剤としては、形成されるシーラー膜の耐透水性等の観点から、アニオン系界面活性剤が好ましい。
パラフィンワックス水分散体100質量%中のパラフィンワックス(B)の含有割合は、保存安定性により優れるシーラー組成物を容易に得ることができる等の観点から、好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~60質量%である。
成分(B)は、従来公知の方法で製造したパラフィンワックス、市販品のいずれを用いてもよく、成分(B)を含む水分散体としては、例えば、「XEM-1875」、「XEM-1876」(以上、いずれもパラフィンワックスエマルション、日本精蝋(株)製)が挙げられる。
本組成物中に含まれる成分(B)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
本組成物中の成分(B)の含有量は、耐透水性および耐ブロッキング性に優れるシーラー膜を形成できる等の観点から、成分(A)100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは4質量部以上、更に好ましくは7.5質量部以上である。本組成物中の成分(B)の含有量は、形成されるシーラー膜の上塗り付着性および成分(B)の含有量に起因するシーラー組成物の価格の点から、成分(A)100質量部に対して、好ましくは90質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
<水(C)>
本組成物は、水(C)を含有する。本組成物は、通常、成分(A)および成分(B)が水(C)中に存在している水性組成物であり、一実施態様において、本組成物は、成分(A)および成分(B)が水(C)中に分散した水分散体である。
水(C)は、例えば、成分(A)を含む樹脂エマルションおよび成分(B)を含むパラフィンワックス水分散体に由来する水であってもよいが、本組成物の調製をより容易にし、本組成物の粘度を調整し、塗装作業性および無機質建材への浸透性を向上させる等の観点から、本組成物にはさらに水(C)を配合することが好ましい。
水(C)としては、特に制限されず、水道水、イオン交換水等を用いてもよい。
本組成物中の水(C)の含有割合は、特に制限されないが、好ましくは10~90質量%、より好ましくは20~85質量%、さらに好ましくは30~80質量%である。
<その他の成分>
本組成物は、前記成分に加え、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において、公知の体質顔料、着色顔料、造膜助剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、および防腐防カビ剤から選ばれる1種または2種以上を含有してもよい。
《体質顔料》
体質顔料としては、例えば、従来公知の、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウム(沈降性硫酸バリウムや簸性硫酸バリウムを含む)、(カリ)長石、カオリン、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ドロマイト、シリカが挙げられる。
体質顔料は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本組成物が体質顔料を含有する場合、体質顔料の含有割合は、耐ブロッキング性に優れたシーラー膜を容易に形成できる等の観点から、本組成物の固形分100質量%中、好ましくは1~90質量%、より好ましくは2~50質量%、更に好ましくは3~30質量%である。
《着色顔料》
着色顔料としては、例えば、従来公知の、酸化チタン(チタン白)、カーボンブラック、酸化鉄(弁柄)、黄色酸化鉄、群青等の無機顔料;シアニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料が挙げられる。
着色顔料は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本組成物が着色顔料を含有する場合、着色顔料の含有割合は、無機質建材の下地を容易に隠ぺいできる等の観点から、本組成物の固形分100質量%中、好ましくは0.1~50質量%、より好ましくは0.5~30質量%、更に好ましくは1~20質量%である。
《造膜助剤》
造膜助剤としては、従来公知のアルコール類、グリコールエーテル類およびエステル類等が挙げられ、例えば、イソプロピルアルコール等の炭素数1~3のアルコール、2,2,4-トリメチルペンタンジオール、2,2,4-トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート等のアルコール類;エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;2,2,4-トリメチルペンタンジオールジイソブチレート等のエステル類が挙げられる。
造膜助剤は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本組成物が造膜助剤を含有する場合、本組成物中の造膜助剤の含有割合は、好ましくは0.1~15質量%である。本発明の一実施態様では、本組成物中の造膜助剤の含有量をより低減することができ、得られるシーラー膜の耐ブロッキング性をさらに向上させることができる。例えば、本組成物中の造膜助剤の含有割合を、10質量%以下、9質量%以下、8質量%以下、7質量%以下、または6質量%以下とすることができる。
なお、本組成物は、水を含有することに起因し、冬季に組成物が凍結することがあること、また、シーラー組成物としての適正な塗装作業性を得ることを考慮し、本組成物中の造膜助剤の含有量を決定してもよい。
<本組成物の調製方法>
本組成物の調製方法は特に限定されない。例えば、成分(A)を含む樹脂エマルションと、成分(B)を含む水分散体と、必要に応じて水(C)および/またはその他の成分とを混合することにより、本組成物を得ることができる。
[シーラー膜、膜付き無機質建材]
本発明のシーラー膜(以下「本膜」ともいう。)は、前記本組成物を用いて形成され、本組成物の膜付き無機質建材(以下「本膜付き建材」ともいう。)は、無機質建材と、前記無機質建材上の少なくとも一部に形成された本膜とを有する。
本膜付き建材は、無機質建材上の少なくとも一部に本膜を有しており、通常は無機質建材の前面、背面および木口部やサネ部等(側面)から選ばれる少なくとも一部に本膜を有し、本組成物の有する前述の効果が得られやすい等の観点から、好ましくは無機質建材の背面の少なくとも一部に本膜を有する。
無機質建材は、通常、多孔質形状であることに起因して表面が脆いが、当該建材表面に本膜を設けた本膜付き建材は、耐透水性および耐ブロッキング性だけでなく、強度も向上させることができる。
本膜の膜厚は、耐透水性および耐ブロッキング性にバランスよく優れるシーラー膜が得られる等の観点から、通常は2~50μm、好ましくは5~40μmである。
本膜付き建材は、本膜と無機質建材とを有する積層体であるが、本膜上に、さらに耐候性や意匠性等に優れる上塗塗膜を有してもよい。このような上塗塗膜を形成する塗料組成物としては、溶剤系塗料組成物、水系塗料組成物のいずれであってもよく、また、光硬化性塗料組成物であってもよい。なお、前記上塗塗膜は本膜の直上に設けてもよいし、本膜と上塗塗膜との間に下塗塗膜(中塗塗膜)を設けてもよい。
溶剤系塗料組成物としては、耐アルカリ性や耐候性等の観点から、例えば、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、フェノール樹脂系、シリコーン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系等の各種合成樹脂塗料組成物が挙げられる。
水系塗料組成物としては、耐アルカリ性や耐候性等の観点から、例えば、アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、スチレン樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系等の各種合成樹脂塗料組成物が挙げられる。
[膜付き無機質建材の製造方法]
本発明の本膜付き建材の製造方法(以下「本方法」ともいう。)は、本組成物からなる塗膜を無機質建材上の少なくとも一部に形成する工程[1]と、前記工程[1]で形成された塗膜を乾燥する工程[2]とを有する。
<工程[1]>
工程[1]における本組成物の塗装方法としては、特に制限されず、例えば、エアスプレー、エアレススプレー等のスプレー塗装;スポンジロールコーター、ナチュラルロールコーター、リバースロールコーター等のロールコーター塗装;カーテンフローコーター等のフローコーター塗装;ダイコーター塗装、ナイフコーター塗装、はけ塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の従来公知の方法が挙げられる。これらの中でも、無機質建材への塗布量を安定化できる、スプレー塗装、ロールコーター塗装およびフローコーター塗装が好ましい。
本組成物の無機質建材への塗装の際には、本組成物を複数回塗り重ねてもよいが、得られる塗膜の乾燥膜厚(すなわちシーラー膜の膜厚)が前記範囲となるように塗装することが好ましい。また、工程[1]および[2]を複数回繰り返し行うことで、本組成物を複数回塗り重ねることができる。
本組成物の塗装前に、無機質建材を予め20~60℃程度になるよう熱風乾燥機等による加温してもよい。この加温により本組成物の乾燥性が向上し、本膜付き建材の生産性を向上させることができる。
工程[1]における本組成物の塗布量は、好ましくは5~200g/m2、より好ましくは10~90g/m2である。なお、ここでの塗布量は、乾燥前の量である。本組成物を複数回塗り重ねる場合は、複数回塗り重ねた本組成物の総塗布量が前記範囲にあることが好ましい。塗布量が上記下限値以上であれば、形成される本膜と無機質建材との密着性が充分となる傾向にあり、また、塗布量が上記上限値以下であれば、塗布・含浸された本組成物の乾燥性が優れる傾向にあり、ライン塗装適性が低下する恐れも小さい。
本組成物からなる塗膜を形成する際、所望に応じて適正な本組成物の粘度に調整してもよい。このような粘度調整に用いる希釈剤としては、水(C)を用いることが好ましい。この場合、塗装方法や無機質建材の種類によって、適した塗料粘度となるように希釈剤を用いることが好ましく、例えば、スポンジロールコーターで塗装する場合、希釈剤の使用量は、シーラー組成物100質量部に対して、好ましくは1~100質量部、より好ましくは3~40質量部である。なお、このような粘度調整後のシーラー組成物も、本組成物に該当する。
工程[1]における本組成物の粘度は、塗装方法や無機質建材への浸透性等を考慮して適宜調整すればよいが、塗布量の調整し易さ等の観点から、粘度カップ(アネスト岩田(株)製、型式NK-2)を用いた23℃の測定条件下での粘度測定において、測定結果が好ましくは6~30秒、より好ましくは7~20秒となるように本組成物の粘度を調整することができる。
<工程[2]>
工程[2]における乾燥条件としては、特に制限されず、本膜の形成方法、無機質建材の種類、用途、塗装環境等に応じて適宜設定すればよいが、乾燥温度は、常温乾燥の場合、通常は5~35℃、より好ましくは10~30℃であり、熱風乾燥機等で乾燥する場合、通常は60~130℃、より好ましくは80~120℃である。一方、乾燥時間は、塗膜の乾燥方法によって異なり、常温乾燥の場合、通常は1日~10日、好ましくは3日~7日であり、熱風乾燥機等で乾燥する場合、通常は1分~15分、好ましくは3分~10分である。
本発明について実施例を挙げ、更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、配合量の単位である「部」は特別な記載のない限り「質量部」を表す。
下記実施例および比較例で使用した原材料を下記表1に示す。
Figure 0007370202000002
[製造例1]<(メタ)アクリルエマルション1の合成>
反応器に、脱イオン水48.27部を仕込んだ。
別の容器にて、脱イオン水34.42部、界面活性剤(アクアロンBC-10、乳化剤、第一工業製薬製)2.5部、スチレン32部、アクリル酸-2-エチルヘキシル21部、メタクリル酸メチル45部、およびアクリル酸2部を仕込み、攪拌し乳化することで、プレエマルション1を調製した。
得られたプレエマルション1のうち、6.85部を前記反応器内に添加し、窒素気流下で70℃まで昇温した。その後、8質量%過硫酸アンモニウム水溶液1.93部を添加し、反応器内液を40分かけて78℃まで昇温した。
次に、別々の滴下ロートより、プレエマルション1の残部を3時間、8質量%過硫酸アンモニウム水溶液6.95部を3.5時間かけて、前記反応器内に滴下した。滴下終了後、反応器内液を78℃で2.5時間保温した。その後、反応器内液を40℃まで冷却した後に、脱イオン水16部、12.5質量%アンモニア水3.11部を加えて、(メタ)アクリルエマルション1を調製した。
[製造例2~7、9~12]
表2に記載の各モノマーを、表2に記載の量で用いたこと以外は製造例1と同様にして、各(メタ)アクリルエマルションを調製した。
[製造例8]<(メタ)アクリルエマルション8の合成>
反応器に、脱イオン水48.27部を仕込んだ。
別の容器にて、脱イオン水17.21部、界面活性剤(アクアロンHS-10、乳化剤、第一工業製薬製)1.25部、スチレン44部、アクリル酸-2-エチルヘキシル5部、およびアクリル酸1部を仕込み、攪拌し乳化することで、プレエマルション2を調製した。
得られたプレエマルション2のうち、6.85部を前記反応器内に添加し、窒素気流下で70℃まで昇温した。その後、8質量%過硫酸アンモニウム水溶液1.93部を添加し、反応器内液を40分かけて78℃まで昇温した。
次に、別々の滴下ロートより、プレエマルション2の残部、および8質量%過硫酸アンモニウム水溶液3.48部をそれぞれ2時間かけて、前記反応器内に滴下した。滴下終了後、反応器内液を78℃で1時間保温した。
その後、前記プレエマルション2と同様の手法で調製した、脱イオン水17.21部、界面活性剤(アクアロンHS-10、乳化剤、第一工業製薬製)1.25部、スチレン18部、アクリル酸-2-エチルヘキシル18部、メタクリル酸メチル12.5部、およびアクリル酸1.5部からなる2段目のプレエマルション3を2時間、8質量%過硫酸アンモニウム水溶液3.48部を2.5時間かけて、別々の滴下ロートより前記反応器内に滴下した。滴下終了後、反応器内液を78℃で2.5時間保温した。その後、反応器内液を40℃まで冷却した後に、脱イオン水46.86部、12.5質量%アンモニア水3.11部を加えて、(メタ)アクリルエマルション8を調製した。
Figure 0007370202000003
Figure 0007370202000004
<Tg>
上述したFoxの式から、(メタ)アクリル系樹脂のTgを算出した。
<固形分率の測定>
前記製造例1~12で調製した(メタ)アクリルエマルション1~12を平底皿に1±0.1g量り採り、質量既知の針金を使って均一に広げ、加熱温度108℃で3時間(常圧下)加熱し、得られた加熱残分から前記針金の質量を除くことで各樹脂の加熱残分を計測し、以下の式から固形分率を算出した。
固形分率(質量%)=(前記樹脂の加熱残分の質量/加熱前の(メタ)アクリルエマルションの質量)×100(%)
<平均粒径の測定>
平均粒径は、大塚電子(株)製「FPAR-1000」を用いて動的光散乱法にて測定した。
[実施例1]
容器に、「Deltop 100」0.05部、「(メタ)アクリルエマルション1」50部、「XEM-1875」10部および「Toray 95 Antifoam」0.2部を添加し、ハイスピードディスパーで均一になるまで混合した。次いで、前記容器に「CS-12」5部および水道水34.75部を添加した後、ハイスピードディスパーで混合し、シーラー組成物を調製した。
[実施例2~14および比較例1~9]
表4に記載の各原材料を、表4に記載の量(質量部基準)で用いたこと以外は実施例1と同様にして、各シーラー組成物を調製した。
[試験体の作成方法]
実施例および比較例の各シーラー組成物100部に対して、水道水35部を添加することにより、粘度カップ(アネスト岩田(株)製、型式NK-2)を用いた23℃の測定条件下での粘度測定において、測定結果が8~10秒となるように粘度を調整した。
無機質建材としてケイ酸カルシウム板を用意し、熱風乾燥機により板面温度を35℃となるようにプレヒートした。前記建材の表面に、粘度調整後の各シーラー組成物を、スポンジロールコーターによって20g/m2の量で塗布した。次いで、80℃に調節した熱風乾燥機内で塗布後の組成物を10分間乾燥させて、再度スポンジロールコーターによって粘度調整後の各シーラー組成物を20g/m2の量で塗布した。次いで、80℃に調節した熱風乾燥機内で塗布後の組成物を10分間乾燥させて、シーラー膜を有する試験体を作成した。
<耐透水性試験>
前記各試験体に対して、JIS A 6909:2010を基にした耐透水性試験を実施した。各試験体のシーラー膜上に、ロートの大口径側をシリコーン系シーラント(「セメダイン8060」、セメダイン(株)製)で接着し、7日間乾燥した。次いで、ロート内に水を試験体の表面から高さ250mmまで注ぎ、23℃下で24時間保持した後に、前記ロート内に水を試験体の表面から高さ250mmまで注ぎ、その必要量を水の減少量(g)として測定した。耐透水性の評価には、シーラー組成物毎に2回試験を実施した平均値を用いて、下記の計算式より得られる耐透水性向上率を用いた。
耐透水性向上率[%]=(無塗装の試験体での水減少量(g)-各試験体での水減少量(g))/(無塗装の試験体での水減少量(g))×100
<耐ブロッキング性試験>
前記各試験体を5cm×10cm角に切断し、切断した試験体同士をシーラー膜とシーラー膜とが接触するように配置した。その上に20kgの金属製の錘を設置し、60℃下で24時間静置した。次いで、上記錘を除去し、各シーラー膜同士が密着することによるダメージが無いか、各シーラー膜を観察した。なお、耐ブロッキング性試験は、シーラー組成物毎に2回試験を実施し、下記評価基準に従って、耐ブロッキング性を評価した。
(評価基準)
○:全くダメージが見られない。
△:シーラー膜の全面積に対して、5%以下の面積にダメージが見られる。
×:シーラー膜の全面積に対して、5%より大面積にダメージが見られる。
<貯蔵安定性試験>
前記各シーラー組成物を調製直後に、50℃の恒温機に2週間保存し、下記評価基準に従って、貯蔵安定性を評価した。
(評価基準)
○:全く凝集物が見られない。
×:凝集物が生じた。
<ライン塗装適性評価試験>
前記各シーラー組成物の液温が35℃になるまで50℃の温水で加温し、この加温した各シーラー組成物を前記ケイ酸カルシウム板にロールコーターを用いて塗装した。なお、無機質建材の生産設備は、通常、塗装対象の基材に塗着しなかったシーラー組成物を回収し、再度ロールコーター内に戻るような循環設備を備えている。本評価試験環境を無機質建材の生産設備と同様の環境とするため、前記ロールコーター内の各シーラー組成物は、シーラー組成物の液温が約35℃の状態で1時間循環させた。下記評価基準に従って、ライン塗装適性を評価した。
(評価基準)
○:全く凝集物が見られない。
×:凝集物が生じた。
なお、凝集物が生じた場合、凝集物が発生するまでの時間を表4中に示した。
前記各シーラー組成物の各試験結果を表4に示す。
Figure 0007370202000005

Claims (5)

  1. 不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位およびスチレン(A2)由来の構成単位を有し、前記不飽和カルボン酸(A1)由来の構成単位の含有割合が0.1~5質量%であり、前記スチレン(A2)由来の構成単位の含有割合が10~85質量%である(メタ)アクリル系樹脂(A)(ただし、コアシェル型(メタ)アクリル系樹脂を除く。)と、
    融点が70~120℃であるパラフィンワックス(B)と、
    水(C)と
    を含有し、
    前記(メタ)アクリル系樹脂(A)が、樹脂エマルションに含まれる樹脂粒子であり、
    前記パラフィンワックス(B)を、前記(メタ)アクリル系樹脂(A)100質量部に対して、3~90質量部含有する
    無機質建材用シーラー組成物。
  2. 前記無機質建材用シーラー組成物が、無機質建材の背面用シーラー組成物である、請求項1記載の無機質建材用シーラー組成物。
  3. 請求項1または2に記載の無機質建材用シーラー組成物から形成されたシーラー膜。
  4. 無機質建材と、前記無機質建材上の少なくとも一部に形成された、請求項に記載のシーラー膜とを有する膜付き無機質建材。
  5. 請求項1または2に記載の無機質建材用シーラー組成物からなる塗膜を無機質建材上の少なくとも一部に形成する工程[1]と、前記工程[1]で形成された塗膜を乾燥する工程[2]とを有する、膜付き無機質建材の製造方法。
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