JP7380194B2 - インクジェット用インク - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施形態に係るインクジェット用インク(以下、単にインクと記載することがある)を説明する。本発明のインクは、自己分散顔料と、溶媒と、バインダー樹脂粒子とを含有する。バインダー樹脂粒子は、ウレタンアクリル樹脂を含む。溶媒は、第1溶媒又は第2溶媒を含む。第1溶媒及び第2溶媒は、それぞれ、水及び水溶性有機溶媒を含む。自己分散顔料は、第1自己分散顔料又は第2自己分散顔料を含む。自己分散顔料及び溶媒の組み合わせは、自己分散顔料が第1自己分散顔料を含み、溶媒が第1溶媒を含む第1の組み合わせ、自己分散顔料が第2自己分散顔料を含み、溶媒が第1溶媒を含む第2の組み合わせ、又は自己分散顔料が第2自己分散顔料を含み、溶媒が第2溶媒を含む第3の組み合わせである。第1自己分散顔料は、ハンセン溶解度パラメーターにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が9.0MPa0.5以上12.0MPa0.5以下、水素結合項(dH)が20.0MPa0.5以上24.0MPa0.5以下である。第2自己分散顔料は、ハンセン溶解度パラメーターにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が12.0MPa0.5超15.5MPa0.5以下、水素結合項(dH)が20.0MPa0.5以上24.0MPa0.5以下である。第1溶媒は、ハンセン溶解度パラメーターにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が12.8MPa0.5以上14.0MPa0.5以下、水素結合項(dH)が17.5MPa0.5以上19.5MPa0.5以下である。第2溶媒は、ハンセン溶解度パラメーターにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が11.0MPa0.5以上12.8MPa0.5未満、水素結合項(dH)が17.0MPa0.5以上19.0MPa0.5以下である。
分散項(dD):分子間の分散力によるエネルギー
分極項(dP):分子間の双極子相互作用によるエネルギー
水素結合項(dH):分子間の水素結合によるエネルギー
RED=Ra/R0・・・(r)
自己分散顔料は、第1自己分散顔料又は第2自己分散顔料を含む。第1自己分散顔料は、HSPにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が9.0MPa0.5以上12.0MPa0.5以下、水素結合項(dH)が20.0MPa0.5以上24.0MPa0.5以下である。第2自己分散顔料は、HSPにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が12.0MPa0.5超15.5MPa0.5以下、水素結合項(dH)が20.0MPa0.5以上24.0MPa0.5以下である。
溶媒は、第1溶媒又は第2溶媒を含む。第1溶媒及び第2溶媒は、それぞれ、水及び水溶性有機溶媒を含む。溶媒は、水及び水溶性有機溶媒のみを含有することが好ましい。溶媒における水及び水溶性有機溶媒の合計含有割合としては、80質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
本発明のインクにおける水の含有割合としては、45.0質量%以上75.0質量%以下が好ましく、55.0質量%以上65.0質量%以下が好ましい。水の含有割合を45.0質量%以上75.0質量%とすることで、溶媒のHSPを上述の範囲に調整し易くなる。
水溶性有機溶媒としては、例えば、多価アルコール、多価アルコールのエーテル化合物、含窒素化合物、アルコール化合物、含硫黄化合物、炭酸プロピレン及び炭酸エチレンが挙げられる。
自己分散顔料及び溶媒の組み合わせは、自己分散顔料が第1自己分散顔料を含み、溶媒が第1溶媒を含む第1の組み合わせ、自己分散顔料が第2自己分散顔料を含み、溶媒が第1溶媒を含む第2の組み合わせ、又は自己分散顔料が第2自己分散顔料を含み、溶媒が第2溶媒を含む第3の組み合わせである。自己分散顔料及び溶媒の組み合わせとしては、第3の組み合わせが好ましい。具体的な第3の組み合わせとしては、カルボキシ基を有するカーボンブラックを含む自己分散顔料と、2-メチルペンタン-2,4-ジオール及び水を含む溶媒との組み合わせが好ましい。
バインダー樹脂粒子は、ウレタンアクリル樹脂を含む。バインダー樹脂粒子は、ウレタンアクリル樹脂のみを含むことが好ましい。バインダー樹脂粒子におけるウレタンアクリル樹脂の含有割合としては、80質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%が更に好ましい。
本発明のインクは、必要に応じて、公知の添加剤(より具体的には、例えば、界面活性剤、溶解安定剤、乾燥防止剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤及び防カビ剤)を更に含有してもよい。
界面活性剤は、本発明のインクに含まれる各成分の相溶性及び分散安定性を向上させる。また、界面活性剤は、本発明のインクの布帛に対する浸透性(濡れ性)を向上させる。界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤が好ましい。
本発明のインクは、例えば、自己分散顔料を含む顔料分散液と、水溶性有機溶媒と、水と、バインダー樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液と、必要に応じて配合される他の成分(例えば、界面活性剤)とを攪拌機により均一に混合することにより調製できる。本発明のインクの調製では、各成分を均一に混合した後、フィルター(例えば、孔径5μm以下のフィルター)でろ過することにより、異物及び粗大粒子を除去してもよい。
以下の方法により、実施例及び比較例のインクを調製した。各インクの調製に用いた原料を以下に示す。
自己分散顔料を含む顔料分散液として、以下の顔料分散液(P-1)及び(P-2)を準備した。顔料分散液(P-1)は、表面改質されたカーボンブラック(A)を含有していた。顔料分散液(P-2)は、表面にカルボキシ基を有するカーボンブラック(B)を含有していた。
顔料分散液(P-1):オリヱント化学工業株式会社製「BONJET(登録商標)BLACK CW-2」、カーボンブラック(A)の含有割合15.0質量%
顔料分散液(P-2):東海カーボン株式会社製「Aqua-Black(登録商標)162」、カーボンブラック(B)の含有割合19.2質量%
バインダー樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液として、以下の樹脂粒子分散液(R-1)及び(R-2)を準備した。樹脂粒子分散液(R-1)は、ウレタンアクリル樹脂粒子を含有していた。樹脂粒子分散液(R-2)は、アクリル樹脂粒子を含有していた。
樹脂粒子分散液(R-1):ジャパンコーティングレジン株式会社製「モビニール(登録商標)6763」、ウレタンアクリル樹脂粒子の含有割合40.0質量%、個数平均粒子径60nm
樹脂粒子分散液(R-2):ジャパンコーティングレジン株式会社製「モビニール(登録商標)6760」、アクリル樹脂粒子の含有割合45.0質量%、個数平均粒子径110nm
実施形態に記載の方法により、各インクの調製に用いた自己分散顔料及びバインダー樹脂粒子のHSP及びハンセン球の半径R0を測定した。測定された値と、水及び水溶性有機溶媒のHSPの文献値とを下記表1に示す。
顔料分散液(P-1)と、樹脂粒子分散液(R-1)と、2-メチルペンタン-2,4-ジオールと、1,3-プロパンジオールと、ノニオン界面活性剤(日信化学工業株式会社「オルフィン(登録商標)E1010」、アセチレングリコールのエチレンオキシド付加物)と、イオン交換水とを混合した。得られた混合物を、孔径5μmのフィルターでろ過した。これにより、インク(I-1)を得た。各原料の使用量は、インク(I-1)の組成が下記表2に示す組成となるように調整した。
下記表2に示す組成のインクが得られるように各原料の種類及び使用量を変更した以外は、インク(I-1)の調製と同様の方法により、インク(I-2)~(I-4)及び(i-1)~(i-8)を調製した。
実施形態に記載の方法により、各インクの溶媒(水及び水溶性有機溶媒を含む混合溶媒)のHSPを算出した。以下、インク(I-1)の溶媒のHSPの算出方法を具体例として挙げる。インク(I-2)~(I-4)及び(i-1)~(i-8)の溶媒のHSPについても、以下の算出方法と同様の方法により算出した。
1,3-プロパンジオールの分散項(dD)の積A:16.8MPa0.5×0.111≒1.86MPa0.5
水の分散項(dD)の積A:18.1MPa0.5×0.667≒12.07MPa0.5
水素結合項(dH):20.0MPa0.5×0.222+23.2MPa0.5×0.111+16.9MPa0.5×0.667≒18.3MPa0.5・・・(H-1)
各インクについて、溶媒及び自己分散顔料の相対エネルギー差(REDp)と、溶媒及びバインダー樹脂粒子の相対エネルギー差(REDr)とを算出した。詳しくは、各インクについて、実施形態に記載の数式(R-1)及び(R-2)を用いて、溶媒及び自己分散顔料のハンセン空間内での距離Rapと、溶媒及びバインダー樹脂粒子のハンセン空間内での距離Rarとをそれぞれ算出した。次に、実施形態に記載の数式(r)を用いて、距離Rapと、自己分散顔料のハンセン球の半径R0とから、REDpを算出した。同様に、距離Rarと、バインダー樹脂粒子のハンセン球の半径R0とから、REDrを算出した。算出したREDp及びREDrを下記表3に示す。
インク(I-1)の溶媒:第1溶媒
インク(I-2)の溶媒:第1溶媒
インク(I-3)の溶媒:第2溶媒
インク(I-4)の溶媒:第1溶媒
インク(i-1)の溶媒:N/A
インク(i-2)の溶媒:N/A
インク(i-3)の溶媒:N/A
インク(i-4)の溶媒:N/A
インク(i-5)の溶媒:N/A
インク(i-6)の溶媒:N/A
インク(i-7)の溶媒:N/A
インク(i-8)の溶媒:N/A
以下の方法により、各インクの保存安定性と、形成される画像の画像濃度及び耐擦過性とを評価した。評価結果を下記表4に示す。
画像濃度及び耐擦過性の評価においては、評価機として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の試作機を用いた。評価機は、内部に保温用ヒーター及び温度検知機能を有する記録ヘッド(京セラ株式会社製「KJ4B-QA」)を備えていた。評価において、記録ヘッドの温度は25℃に設定した。また、評価は温度23℃、湿度50%RH環境下(常温常湿環境下)で行った。
評価機を用いて、1枚の印刷用紙(Mondi BP社製「COLOR COPY(登録商標)90」)に25mm×25mmのソリッド画像を形成した。ソリッド画像が形成された印刷用紙(以下、評価用紙Aと記載することがある)を、常温常湿環境下にて24時間保存した。その後、評価用紙Aに形成されたソリッド画像の画像濃度(ID)を測定した。ソリッド画像の画像濃度は、以下の評価基準に沿って評価した。
A(特に良好):IDが1.30以上
B(良好):IDが1.25以上1.30未満
C(不良):IDが1.25未満
評価機を用いて、1枚の印刷用紙(Mondi社製「COLOR COPY(登録商標)90」)に25mm×25mmのソリッド画像を形成した。ソリッド画像を形成してから5秒後に、以下で説明する擦り試験を行った。擦り試験では、まず未使用の印刷用紙(Mondi社製「COLOR COPY(登録商標)90」)の画像濃度(初期画像濃度ID0)を測定した。次に、上述のソリッド画像上に、上述の未使用の印刷用紙(以下、評価用紙Bと記載することがある)を重ねて置いた。次に、評価用紙B上に、50mm×40mmの長方形状の底面を有する金属製の錘(1kg)を載置した。そして、評価用紙B及び錘を一体として動かすことで、評価用紙Bをソリッド画像に5往復摩擦させた。擦り試験後に、評価用紙Bにおいて錘が載置されていた領域(ソリッド画像と摩擦した領域)の画像濃度(試験後画像濃度ID1)を測定した。試験後画像濃度ID1に対する初期画像濃度ID0の差(ID1-ID0)を評価値FDとした。ソリッド画像の耐擦過性は、以下の評価基準に沿って評価した。
A(良好):FDが0.030未満
B(不良):FDが0.030以上
振動式粘度計(ニッテツ北海道制御システム株式会社製「VM-200T」)を用い、評価対象となるインクの粘度(初期粘度V1)を測定した。次に、容積50mLの容器に、評価対象となるインクを約30g投入した。上述の容器を、内温60℃に設定された恒温器に入れ、1ヶ月間保温した。その後、上述の容器を恒温器から取り出した後、上述の容器を室温にて3時間静置した。その後、上述の容器から測定対象となるインクを取り出し、上述の振動式粘度計を用いて粘度(処理後粘度V2)を測定した。測定された初期粘度V1及び処理後粘度V2に基づいて、粘度変化率[%]を算出した(下記数式(V))。算出された粘度変化率を、測定対象となるインクの保存安定性の評価値とした。インクの保存安定性は、以下の評価基準に沿って評価した。
粘度変化率[%]=100×(V1-V2)/V1・・・(V)
A(特に良好):粘度変化率の絶対値が2%以下
B(良好):粘度変化率の絶対値が2%超5%以下
C(不良):粘度変化率の絶対値が5%超。
Claims (5)
- 自己分散顔料と、
溶媒と、
バインダー樹脂粒子とを含有し、
前記バインダー樹脂粒子は、ウレタンアクリル樹脂を含み、
前記溶媒は、第1溶媒又は第2溶媒を含み、
前記第1溶媒及び前記第2溶媒は、それぞれ、水及び水溶性有機溶媒を含み、
前記自己分散顔料は、第1自己分散顔料又は第2自己分散顔料を含み、
前記自己分散顔料及び前記溶媒の組み合わせは、
前記自己分散顔料が前記第1自己分散顔料を含み、前記溶媒が前記第1溶媒を含む第1の組み合わせ、
前記自己分散顔料が前記第2自己分散顔料を含み、前記溶媒が前記第1溶媒を含む第2の組み合わせ、又は
前記自己分散顔料が前記第2自己分散顔料を含み、前記溶媒が前記第2溶媒を含む第3の組み合わせであり、
前記第1自己分散顔料は、ハンセン溶解度パラメーターにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が9.0MPa0.5以上12.0MPa0.5以下、水素結合項(dH)が20.0MPa0.5以上24.0MPa0.5以下であり、
前記第2自己分散顔料は、ハンセン溶解度パラメーターにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が12.0MPa0.5超15.5MPa0.5以下、水素結合項(dH)が20.0MPa0.5以上24.0MPa0.5以下であり、
前記第1溶媒は、ハンセン溶解度パラメーターにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が12.8MPa0.5以上14.0MPa0.5以下、水素結合項(dH)が17.5MPa0.5以上19.5MPa0.5以下であり、
前記第2溶媒は、ハンセン溶解度パラメーターにおける分散項(dD)が16.5MPa0.5以上18.5MPa0.5以下、分極項(dP)が11.0MPa0.5以上12.8MPa0.5未満、水素結合項(dH)が17.0MPa0.5以上19.0MPa0.5以下であるインクジェット用インクであって、
前記第1溶媒は、
炭素原子数5以上8以下の第1ジオール化合物と、炭素原子数2以上4以下の第2ジオール化合物と、水とを含み、
前記インクジェット用インクにおける前記第1ジオール化合物の含有割合は、15.0質量%以上25.0質量%以下であり、
前記インクジェット用インクにおける前記第2ジオール化合物の含有割合は、5.0質量%以上15.0質量%以下であり、かつ
前記インクジェット用インクにおける水の含有割合は、55.0質量%以上65.0質量%以下であり、
前記第2溶媒は、
前記第1ジオール化合物と、水とを含み、
前記インクジェット用インクにおける前記第1ジオール化合物の含有割合は、25.0質量%以上35.0質量%以下であり、かつ
前記インクジェット用インクにおける水の含有割合は、55.0質量%以上65.0質量%以下である、インクジェット用インク。 - 前記第1自己分散顔料及び前記第2自己分散顔料は、それぞれ、カーボンブラックを含む、請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 前記第2自己分散顔料が含む前記カーボンブラックは、表面にカルボキシ基を有する、請求項2に記載のインクジェット用インク。
- 前記第1ジオール化合物は、2-メチルペンタン-2,4-ジオールであり、
前記第2ジオール化合物は、1,3-プロパンジオールである、請求項1~3の何れか一項に記載のインクジェット用インク。 - 前記バインダー樹脂粒子の体積中位径は、40nm以上80nm以下である、請求項1~4の何れか一項に記載のインクジェット用インク。
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