JP7390652B2 - 被処理物の調製方法並びに粉粒体の処理方法及び装置 - Google Patents
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(A)2価の鉄イオン濃度,2価の鉄イオンに対する3価の鉄イオンの割合,アルカリ剤の種類,アルカリ剤の濃度,薬剤の添加量,粉粒体と薬剤との混合物に対する撹拌強度,薬剤添加後の静置時間,加熱温度,加熱時間,昇温速度,水溶液のアニオンの種類
(A)2価の鉄イオン濃度,2価の鉄イオンに対する3価の鉄イオンの割合,アルカリ剤の種類,アルカリ剤の濃度,薬剤の添加量,粉粒体と薬剤との混合物に対する撹拌強度,薬剤添加後の静置時間,加熱温度,加熱時間,昇温速度,水溶液のアニオンの種類
供試土壌に山砂を用いた。山砂は、市販されている山砂(真砂土)を入手し、これを風乾させ含水率1wt%以下としたものを使用した。真砂土の粒度を試験篩及び湿式レーザー法(エタノール中)で求めた結果、粒径600μmオーバーが61.8wt%であり、粒径75μm未満のものが7.3wt%、粒径20μm未満のものが2.1wt%であった。真砂土の化学組成をJIS-M8853により分析した結果、Fe2O3が2wt%含まれていた。また真砂土には、砂鉄が0.19±0.06wt%含まれていた。
磁着選別用試料の調整方法の代表的な手順を示す。供試土壌である真砂土10gに薬剤6mlを添加し、これを室温化下で5分間放置した。真砂土10gに薬剤6mlを添加すると、真砂土は全て薬剤に浸かり、真砂土の上面から僅かに薬剤が浮いている。その後、大気下、管状炉を用いて室温から200℃まで18℃/minの速度で昇温し、200℃から250℃まで5℃/minの速度で昇温し、250℃で2時間保持した。その後、デシケーター内で放冷し、これを磁着選別用の試料とした。薬剤は、水に所定量のNaOH,FeCl3,FeCl2・4H2Oを添加したものである。以下、特に断りがないときは、当該方法で磁着選別用試料を調整した。
試料を図3に示す専用の混合瓶101に入れ、混合瓶101の上部に鉄心102を挿入し、さらにネオジム磁石(表面磁束密度573mT)103を付けて(図3(A)参照)、手で30秒程度混合瓶101を振った(図3(B)参照)。その後、瓶上部のプラスチックカバー104を外し、受け皿の上でネオジム磁石103と鉄心102を引き抜き、磁着物を回収した(図3(C)参照)。その後、プラスチックカバー104、ネオジム磁石103及び鉄心102を取付け、残渣(非磁着物)を先と同じ要領で磁選を行った。この磁選操作は、各試料に対して5回実施した。
磁着率は、式(1)で示される。磁着率増加比は、式(2)で示され、ブランクの磁着率は、薬剤未添加及び未加熱の真砂土(以下、未処理土壌)の磁着率である。目標磁着率を設定することもできる。例えば、真砂土に含まれる20μm未満の粒径のものを分級(分離)することを目標とした場合、目標磁着率は、真砂土に含まれる粒径20μm未満のものの含有率と同じとなる。本実施例で使用する真砂土の場合、目標磁着率は、2.1wt%、目標磁着率比は、12.3となる。
真砂土の未処理物の磁着率は、0.186wt%であった。
真砂土のみを大気下(空気雰囲気下)、管状炉を用いて250℃で2時間加熱したところ、加熱前に比較して磁着率が1.6倍増加した。加熱後の真砂土の粒度を測定した結果、加熱前に比較して1000μm未満のものが17.5wt%増加した。加熱により微細粒子が増加し、また磁性酸化物が生成したことより磁着率が増加したと考えられる。
真砂土10gに対して、NaOH,FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液6mlを添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるNaOHは1.0mmol、FeCl3は、0.18mmolである。FeCl2・4H2Oについては、0.26~3.58mmolの範囲で濃度を変えた。
真砂土10gに対して、NaOH、FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液6mlを添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるNaOHは1.0mmol、FeCl2・4H2Oは、0,1.4,1.6mmolの3種類とし、FeCl3については、0~0.43mmolの範囲で濃度を変えた。
真砂土10gに対して、アルカリ剤、FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液6mlを添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるFeCl2・4H2Oは、1.61mmol、FeCl3は0.18mmolであり、アルカリ剤は1.0mmolである。アルカリ剤には、LiOH・H2O,NaOH,KOH,Be(OH)2,Mg(OH)2,Ba(OH)2,Al(OH)3を使用した。
真砂土10gに対して、NaOH、FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液6mlを添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるFeCl2・4H2Oは、0.18mmol、FeCl3は0.18mmolであり、NaOHは、0~2.0mmolの範囲で添加量を変化させた。
FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液(計6ml)の添加順を変えた実験を行った。第1のケースでは、FeCl2・4H2Oを添加した後にFeCl3を添加した。第2のケースでは、FeCl3を添加した後にFeCl2・4H2Oを添加した。第3のケースでは、FeCl2・4H2OとFeCl3とを混合した状態で添加した。添加量は、真砂土10gに対して、NaOHは1.0mmol、FeCl2・4H2Oは0.2mmol,1.3mmolの2種類,FeCl3は0.2mmolとした。薬剤添加後の加熱及び磁着選別は、前述の方法で実施した。
真砂土10gに対して、NaOH、FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液を添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。ここでは溶液の量を6mL,12mL,30mLの3種類とした。6mLの溶液に含まれるNaOHは1.0mmol、FeCl2・4H2O及びFeCl3は0.2mmolである。
真砂土に薬剤を添加した後の撹拌要領と磁着率増加比との関係を検討した。真砂土10gに対して、NaOH、FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液6mlを添加し、加熱前に撹拌装置を用いて真砂土と薬剤との混合溶液を撹拌し、または5min間静置させた。その後大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱し、放冷後、磁力選別を行った。溶液に含まれるNaOHは1.0mmol、FeCl2・4H2Oは1.44mmol、FeCl3は0.18mmolである。
真砂土に薬剤を添加した後、加熱前までの静置時間(放置時間)と磁着率増加比との関係を検討した。真砂土10gに対して、NaOH、FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液6mlを添加し、室内で所定時間静置させ、その後、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるNaOHは1.0mmol、FeCl2・4H2Oは1.44mmol、FeCl3は0.18mmolである。静置時間は、0min,960min,1440minとした。
加熱温度と磁着率増加比との関係を検討した。真砂土10gに対して、NaOH、FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液6mlを添加し、大気下、管状炉を用いて80~350℃の範囲内で温度を選択し、各々の温度で2時間加熱した。昇温速度は、加熱温度~50℃までは18℃/min、以降加熱温度までの昇温速度は5℃/minとした。その後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるNaOHは1.0mmol、FeCl2・4H2Oは、0.18又は1.43mmol、FeCl3は0.18mmolである。
加熱時間の影響を検討した。真砂土10gに対して、NaOH、FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液6mlを添加し、大気下、管状炉を用いて250℃到達後の保持時間(加熱時間)を0~3時間の範囲内で選択し、各々の加熱時間で加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。加熱時間は、0,0.5,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0時間とした。溶液に含まれるNaOHは1.01mmol、FeCl2・4H2Oは0.18mmol、FeCl3は0.18mmolである。
昇温速度の影響を検討した。真砂土10gに対して、NaOH、FeCl2・4H2O及びFeCl3を含む溶液6mlを添加し、大気下、管状炉を用いて室温から200℃に達するまでの昇温速度を1.5~36℃/minの範囲内で選択し、各々の昇温速度で加熱し、以降250℃まで5℃/minで昇温した。加熱温度250℃で2時間加熱した後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるNaOHは1.01mmol、FeCl2・4H2Oは1.44mmol、FeCl3は0.18mmolである。
カウンターアニオンと磁着率増加比との関係を検討した。真砂土10gに対して、NaOH(1.5mmol)とFeCl2・4H2O又はFeSO4・7H2O又はFe(NH4)2(SO4)2・6H2Oとを含む溶液6mlを添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるFe2+は、いずれも0.6mmolである。
各鉄塩におけるFe2+添加量と磁着率増加比との関係を検討した。真砂土10gに対して、NaOH(1.5mmol)、FeCl2・4H2O(0.63~1.43mmol)又はFeSO4・7H2O(0.63~0.90mmol)又はFe(NH4)2(SO4)2・6H2O(0.63mmol)を含む溶液6mlを添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。
模擬セシウム汚染土壌を以下の要領で得た。粒度が2mm未満の真砂土200gに、塩化セシウムCsClの濃度が0.14mol/Lの塩化セシウム水溶液250mlを加え、ドラフト内で一晩風乾させた。その後、40~50℃のホットプレートで2時間加熱し、含水率が1wt%以下の模擬セシウム汚染土壌を得た。
以下の実験では、供試土壌に黒土(有機性土壌)を用いた。非加熱状態の黒土の化学組成を表2に示した。非加熱状態の黒土に含まる有機物(強熱減量;Ig-Loss)は、23%であった。また非加熱状態の黒土をXRD分析した結果、黒土は、主に石英、曹長石、灰長石、ソーダ雲母、クリストバル石、黄鉄鉱、アロフェン等からなっていた。
薬剤未添加の非加熱黒土の磁着率は、3.4±0.1wt%であった。薬剤未添加の加熱黒土の磁着率は、6.0±0.1wt%であった。加熱することで磁着率が約1.8倍増加した。黒土が加熱されることで磁着率が増加することは、真砂土と同じであり、加熱により微細粒子が増加し、また磁性酸化物が生成したことにより磁着率が増加したと考えられる。磁着率は式(1)で示され、磁着率の測定要領は、本明細書の段落[0090]、[0091]に基づき実施した。
黒土10gに対して、FeCl2・4H2O及びNaOHを含む溶液を添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるNaOHは、1.5mmol、FeCl2・4H2Oは、0~9mmolの範囲で添加量を変えた。FeCl3は、未添加である。
黒土10gに対して、FeCl2・4H2O及びNaOHを含む溶液を添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で2時間加熱した。その後、放冷し磁力選別を行った。溶液に含まれるFeCl2・4H2Oは、4.5mmol、NaOHは、0~12mmolの範囲で添加量を変えた。FeCl3は、未添加である。
黒土10gに対して、NaOH及びFeCl2・4H2Oを含む溶液を添加し、大気下、管状炉を用いて250℃及び300℃で加熱した。前者は、室温~200℃までは18℃/min、200℃~250℃までは5℃/minで昇温し、250℃で2時間保持し、後者は、室温~200℃までは18℃/min、200℃~300℃までは10℃/minで昇温し、300℃で2時間保持した。溶液に含まれるNaOHは9.0mmol、FeCl2・4H2Oは4.5mmolであり、FeCl3は未添加である。
黒土10gに対して、NaOH及びFeCl2・4H2Oを含む溶液を添加し、大気下、管状炉を用いて250℃で加熱時間を変えた実験を行った。具体的には、一方は、室温~200℃までは18℃/min、200℃~250℃までは5℃/minで昇温し、250℃で2時間保持した。他方は、室温~200℃までは18℃/min、200℃~250℃までは5℃/minで昇温し、250℃で0.5時間保持した。溶液に含まれるFeCl2・4H2Oは0.9mmol、NaOHは1.5mmolであり、FeCl3は未添加である。
黒土10gに対して、NaOH及びFeCl2・4H2Oを含む溶液を添加し、大気下、管状炉を用いて250℃までの昇温速度を変えた実験を行った。具体的には、一方は、室温~200℃までは18℃/min、200℃~250℃までは5℃/minで昇温し、250℃で2時間保持した。他方は、室温~230℃までは42℃/min、230℃~250℃までは4℃/minで昇温し、250℃で2時間保持した。溶液に含まれるFeCl2・4H2Oは0.9mmol、NaOHは1.5mmolであり、FeCl3は未添加である。
11 汚染土壌供給装置
21 薬剤供給装置
31 反応装置
41 冷却装置
51 磁力選別装置
Claims (8)
- 被処理物を磁力選別可能に調製する方法であって、
前記被処理物が粉粒体であり、
前記粉粒体と2価の鉄イオンと3価の鉄イオンとが共存した状態でこれを200℃以上300℃以下の温度で加熱する加熱工程を含み、
前記2価の鉄イオンは、2価の鉄イオンを含有する水溶液として与えられ、
前記粉粒体の表面に磁性物質を生成・吸着させることを特徴とする被処理物の調製方法。 - 前記3価の鉄イオンは、前記粉粒体に含まれる鉄成分に由来のもの及び/又は前記水溶液に含まれる2価の鉄イオンからの化学変化によるものであることを特徴とする請求項1に記載の被処理物の調製方法。
- 前記3価の鉄イオンが、3価の鉄イオンを含有する水溶液として与えられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被処理物の調製方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の被処理物の調製方法において、前記2価の鉄イオンを含有する水溶液はアルカリ剤を含有し、
又は請求項3に記載の被処理物の調製方法において、前記2価の鉄イオンを含有する水溶液及び/又は3価の鉄イオンを含有する水溶液はアルカリ剤を含有することを特徴とする被処理物の調製方法。 - 前記粉粒体が有機物を含み、
前記有機物は、前記加熱工程で炭化され、炭化物の表面に前記磁性物質が生成・吸着することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の被処理物の調製方法。 - 前記2価の鉄イオンを含有する水溶液及び/又は3価の鉄イオンを含有する水溶液、又はこれらにアルカリ剤を含有する水溶液を薬剤としたとき、下記(A)群の1つ以上を制御することにより前記粉粒体の表面に生成・吸着させる磁性物質の磁着力を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の被処理物の調製方法。
(A)2価の鉄イオン濃度,2価の鉄イオンに対する3価の鉄イオンの割合,アルカリ剤の種類,アルカリ剤の濃度,薬剤の添加量,粉粒体と薬剤との混合物に対する撹拌強度,薬剤添加後の静置時間,加熱温度,加熱時間,昇温速度,水溶液のアニオンの種類 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の被処理物の調製方法により得られる被処理物を磁力選別により分級する分級工程を備え、
前記粉粒体が土壌、焼却灰、汚泥、有機物、これら混合物、又はこれらに汚染物質が固着、吸着又は付着したものであることを特徴とする粉粒体の処理方法。 - 少なくとも2価の鉄イオンを含有する水溶液を含む薬剤と被処理物である粉粒体とを共存下で加熱し、前記粉粒体の表面に磁性物質を生成・吸着させる反応装置と、前記反応装置に前記薬剤を供給する薬剤供給装置と、を備える被処理物の調製装置と、
前記被処理物の調製装置を介して得られる被処理物を磁力選別する磁選機と、
を含み、
前記粉粒体が土壌、焼却灰、汚泥、有機物、これら混合物、又はこれらに汚染物質が固着、吸着又は付着したものであることを特徴とする粉粒体の処理装置。
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