JP7406096B2 - 転炉における吹錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、転炉における吹錬方法に関する。
転炉では、溶銑を脱炭処理する際に、上吹きランスに形成されたノズル部のノズル孔から酸素ガスを溶銑に吹き付けている(特許文献1参照)。
特許文献1には、上吹きランスの使用回数に応じて転炉への副原料投入時におけるランス高さを変更することで、ランスの損耗箇所を分散させてランス寿命を延ばす技術について開示されている。
特開2002-88411号公報
ところで、溶銑の脱炭処理時には、上吹きランスに大きな熱負荷がかかるため、水冷三重構造のランスが用いられることが多い。しかし、水冷三重構造のランスを用いたとしても、使用回数の増加によってノズル部が損耗し、その結果、ノズル孔が新品時よりも大きくなると考えられる。ノズル孔が大きくなった場合、ノズル孔からの酸素ガスの噴流が弱くなり、脱炭酸素効率が低下するため、ノズル部の定期的な交換が必要となる。
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、上吹きランスを用いる吹錬方法において、使用回数の増加によるノズル部の損耗を抑制してノズル部の寿命を延ばすことを課題とする。
本発明の第1態様の転炉における吹錬方法は、冷媒流路とガス供給路とが形成された筒状の本体部と、前記本体部の下端に接合され、前記ガス供給路と連通するノズル孔が複数形成されたノズル部と、を備えた上吹きランスを用い、前記上吹きランスの前記ノズル孔から転炉内の溶銑浴面に酸素ガスを吹き付ける吹錬方法であって、
(1)式を満たすように設計された前記上吹きランスを用い、且つ、前記ノズル孔の出口が前記溶銑浴面に形成される火点から受ける輻射熱量Eが(2)式を満たすようにランス高さを設定して前記ノズル孔から前記溶銑浴面に前記酸素ガスを吹き付ける。
100×S/S<20%・・・(1)
但し、(1)式において、Sはノズル孔の出口の総断面積(m)、Sはノズル部下面の面積(m)である。
E=QHOT×N×S<12kW・・・(2)
但し、(2)式において、QHOTは、火点の熱放射強度(kW/m)、Nは火点の数、Sはノズル孔の出口の総断面積(m)である。
第1態様の転炉における吹錬方法では、(1)式を満たすように設計された上吹きランスを用い、且つ、ノズル孔の出口が火点から受ける輻射熱量Eが(2)式を満たすようにランス高さを設定してノズル孔から溶銑浴面に酸素ガスを吹き付けて脱炭処理を行う。このように上記吹錬方法では、例えば、(1)式を満たさない上吹きランスを用い、且つ、(2)式を満たさないランス高さで脱炭処理を行う吹錬方法と比べて、火点からノズル孔までの距離が長くなると共にノズル部下面の面積に対してノズル孔の出口の総断面積が小さくなるため、火点からの輻射熱に対して、ノズル部の損耗を抑制することができる。
本発明の第2態様の転炉における吹錬方法は、第1態様の転炉における吹錬方法であって、前記本体部は、同一軸上に配置された外管と中管と内管とを有し、前記冷媒流路は、前記外管と前記中管との間隙及び前記中管と前記内管との間隙によって形成され、前記ガス供給路は、前記内管の内側に形成されており、
前記外管の外径Dと前記外管の内径dとの差が0.025m以下となるように設計された前記上吹きランスを用い、且つ、(3)式で求められる前記冷媒流路を流れる冷媒の流速Vが2.0m/sec以上となるように流量Wを設定すると共に、前記冷媒流路に供給する前記冷媒の温度を60℃以下に設定して前記ノズル孔から前記溶銑浴面に前記酸素ガスを吹き付ける。
V=W/((d -D )×π×900)・・・(3)
但し、(3)式において、Wは冷媒の流量(m/hr)、dは外管の内径(m)、Dは中管の外径(m)である。
第2態様の転炉における吹錬方法では、外管の外径Dと外管の内径dとの差が0.025m以下となるように設計された上吹きランスを用い、且つ、(3)式で求められる冷媒の流速Vが2.0m/sec以上となるように流量Wを設定すると共に、冷媒流路に供給する冷媒の温度を60℃以下に設定してノズル孔から溶銑浴面に酸素ガスを吹き付けて脱炭処理を行う。上記吹錬方法では、例えば、外管の外径Dと外管の内径dとの差が0.025m以下であるが、(3)式で求められる冷媒の流速Vが2.0m/sec未満で且つ冷媒の供給温度が60℃を超えている吹錬方法と比べて、上吹きランスを適切に冷却することができる(適切な温度状態を維持することができる)ため、熱負荷による上吹きランスの短寿命化を抑制することができる。
本発明の一態様によれば、上吹きランスを用いる吹錬方法において、使用回数の増加によるノズル部の損耗を抑制してノズル部の寿命を延ばすことができる。
本発明の一実施形態に係る転炉における吹錬方法を説明するための概略図であり、上吹きランスのノズル孔から転炉内の溶銑浴面に向けて酸素ガスを吹き付けている状態を示している。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本実施形態の転炉における吹錬方法で用いる上吹きランス20の下部断面が示されている。この上吹きランス20は、筒状とされており、図示しない昇降装置によって鉛直方向の上方及び下方に移動可能とされている。上吹きランス20を上下動させることで、上吹きランス20の下部を図示しない転炉内に対し挿入又は抜去させることができる。また、上吹きランス20は、昇降装置によって任意の高さ位置で停止させることができる。なお、図1における矢印UPは、鉛直方向の上方を示している。
また、上吹きランス20は、図示しない角度調整装置によって、軸方向を鉛直方向に対して傾けることが可能とされている。上吹きランス20の軸方向を鉛直方向に対して傾けることで、後述する火点の位置や火点の範囲を変えることができる。なお、図1では、上吹きランス20の中心軸を符号AXLで示している。
上吹きランス20は、筒状に形成された本体部22と、本体部22の軸方向の一端(本実施形態では、下端)に接合されたノズル部24と、を備えている。
本体部22は、鋼製の筒状部材であり、内部に冷媒Cが流れる冷媒流路26と酸素ガス(酸素を含むガス)Gが供給されるガス供給路28とが形成されている。この本体部22は、外管30と、外管30の内側に配置された中管32と、中管32の内側に配置された内管34とで構成されており、これら外管30、中管32及び内管34がそれぞれ同一軸上に配置されている。また、冷媒流路26は、外管30と中管32との間隙S1及び中管32と内管34との間隙S2によって形成されている。一方、ガス供給路28は、内管34の内側に形成されている。言い換えると、ガス供給路28は、内管34の内部空間によって形成されている。
ノズル部24は、銅製の蓋部材であり、本体部22の下端に溶接によって接合されている。具体的には、ノズル部24の上面(本体部22との接合側の面)には、外管30、中管32及び内管34に対応した形状の環状リブ22A、22B及び22Cが形成されており、これら環状リブ22A、22B及び22Cの頂部が外管30、中管32及び内管34の下端に溶接されている。また、ノズル部24の環状リブ22Aと環状リブ22Bとの間には、外管30と中管32との間隙S1及び中管32と内管34との間隙S2を連通する連通路22Dが形成されている。この連通路22Dは、冷媒流路26の一部を構成している。例えば、図1に示されるように、間隙S1に冷媒Cが供給される場合には、冷媒Cは、間隙S1から連通路22Dを通って間隙S2に流れ込み、間隙S2(冷媒流路26)から排出される。なお、間隙S2に冷媒Cが供給される場合には、冷媒Cは、図1に示される矢印と逆向きに、間隙S2から連通路22Dを通って間隙S1に流れ込み、間隙S1(冷媒流路26)から排出される。
また、ノズル部24には、ガス供給路28と連通するノズル孔36が複数形成されている。これらのノズル孔36は、中心軸AXLと鉛直方向が一致した状態で、鉛直方向斜め下方を向いており、ガス噴射方向が上吹きランス20の軸方向(中心軸AXLと同じ方向)に対して角度θで傾斜している。また、ノズル孔36は、上吹きランス20の中心軸AXLを中心として同心円上に一定間隔をあけて複数配置されている。
ノズル孔36は、中間部が絞られた形状の貫通孔、すなわち、ラバルノズル(De Laval nozzle)孔である。具体的には、本実施形態のノズル孔36は、入口から中間部に向けて孔径が縮径し、中間部から出口に向けて孔径が拡大している。すなわち、本実施形態のノズル孔36は、孔径が縮径する部分(以下、適宜「絞り部36A」と記載する。)と、拡径する部分(以下、適宜「スカート部36B」と記載する。)と、中間部であり最も孔径が小さい部分(以下、適宜「スロート36C」と記載する。)と、で構成されている。なお、ノズル孔36の中で最も孔径が小さいスロート36Cにおける孔径をスロート径dと呼ぶ。また、ノズル孔36の中で最も孔径が大きいのはスカート部36Bの出口であり、このスカート部36Bの出口径を適宜ノズル孔36の出口径dと呼ぶ。ここで、ガス供給路28に供給された酸素ガスGは、ノズル孔36の絞り部36A、スロート36C、スカート部36Bを通って加速され、例えば、超音速の噴流として転炉内に供給される。
なお、本発明は上記構成に限定されない。例えば、ノズル孔36は、入口から中間部までの部分が同一孔径とされてもよい。
各々のノズル孔36から鉛直方向斜め下方に噴射された酸素ガスGの噴流は、自由広がり角度をφとする角度で広がり、転炉に収容された溶銑50に衝突して溶銑浴面に火点52が形成される。火点52は、酸素ガス噴流の衝突エネルギーにより、周囲の溶銑50の浴面よりも凹んだ形状となる。ここで、自由広がり角度φは、スカート部36Bの広がり角度と同等である。
ところで、転炉では、溶銑を脱炭処理する際、上吹きランスのノズル孔から酸素ガスを噴射して溶銑に吹き付ける。300t規模の転炉においては、上吹きランスへの送酸速度は40000~60000Nm/hに達する。酸素ガスGを吹き付けるのは、溶鉄中の炭素と反応させて溶鋼を製造するためである。したがって、溶銑を上吹きした酸素ガスに含まれる酸素と炭素の反応効率が高いほど脱炭処理が速やかに終了するため、脱炭酸素効率を高めることが重要である。脱炭処理時には、上吹きランスには大きな熱負荷がかかるため、水冷三重構造が用いられることが多い。そして、上吹きランスの先端部を形成するノズル部は銅製、上吹きランスの円筒状の本体部は鋼製とされることが多い。上吹きランスに対する熱負荷としては、溶鉄、炉壁からの熱に加えて酸素と溶鉄との反応領域(火点)からの輻射熱がある。特に、火点においては各溶銑成分の酸化反応が生じるため、溶鉄平均温度よりも遥かに高温であるとされている(実測例で2000~3000℃)。上吹きランスを水冷三重構造としても、経済合理性が保たれる範囲の水量及び材質で運用する場合、数百回も使用するとノズル部(ノズル孔)が損耗し、ノズル孔が新品時よりも大きくなると推定される。ノズル孔が大きくなった場合、酸素ガスGの噴流が弱くなり、脱炭酸素効率が低下するため、ノズル部を定期的に交換する必要がある。銅製のノズル部は高価であり、かつ交換作業に一定の工数が割かれる。このため、ノズル部の交換周期を長期化することが、大きなコスト改善と生産性向上に効果があると本発明者らは考えた。
そこで、本発明者らは、使用回数の増加による上吹きランスのノズル部の損耗を抑制することを検討した。その結果、ノズル部の損耗は、昇温と降温の繰り返しによる熱疲労、付着した地金やスラグ等の脱落による摩耗、熱による変形等を原因としていることが分かった。そのため、本発明者らは、ノズル孔の出口が火点から受ける輻射熱量を閾値よりも低く抑えることを検討した。その結果、火点からの輻射熱に対して熱を受けるノズル部を遠くし、さらに、ノズル部の熱を受ける下面に対するノズル孔の出口径の割合を小さくすることで、ノズル部に対する熱負荷が低下することを見出した。本発明者らが見出したノズル部に対する熱負荷を低下させるための条件について説明する。
条件[1]
以下の(1)式を満たすように設計された上吹きランス20を用い、且つ、ノズル孔36の出口が溶銑50の浴面に形成される火点52から受ける輻射熱量Eが以下の(2)式を満たすようにランス高さHを設定してノズル孔36から溶銑50の浴面に酸素ガスGを吹き付ける。
(1)式について説明する。
100×S/S<20%・・・(1)
但し、(1)式において、Sはノズル孔36の出口の総断面積(m)、Sはノズル部24の下面の面積(m)である。なお、ノズル部24の下面の面積は、投影面積である。
なお、(1)式におけるSは、以下の(1-1)式によって求められる。
=N×πd /4・・・(1-1)
但し、(1-1)式において、dはノズル孔36の出口径(m)である。
また、(1)式におけるSは、以下の(1-2)式によって求められる。
=πD /4・・・(1-2)
但し、(1-2)式において、Dはランス外径、すなわち、外管30の外径(m)である。
(2)式について説明する。
E=QHOT×N×S<12kW・・・(2)
但し、(2)式において、QHOTは火点の熱放射強度(kW/m)、Nは火点の数(本実施形態では、隣接する火点が重ならないため、ノズル孔36の数と同じ)、Sはノズル孔36の出口の総断面積(m)である。
なお、(2)式におけるQHOTは、以下の(2-1)式によって求められる。
HOT=ε×T×σ×A/3600/π/R・・・(2-1)
但し、(2-1)式において、εは放射率(本実施形態では、1.0)、Tは火点における温度(℃)、σはステファンボルツマン係数=20.4×10-8(KJ×m-2×K-4×h-1)、Aは火点面積(m)、Rは火点52からノズル部24先端までの距離(m)である。なお、距離RはR=H/cosθで求められる。また、火点温度Tは、2000℃で一定とした。
また、火点面積Aは、火点半径をD、火点深さLの円錐としたときの表面積である。具体的には、火点面積A(m)=πD{D+(L+D0.5}で求められる。また、火点半径DはD=R×tanθで求められ、火点深さL(m)はl/1000で求められる。さらに、火点深さLを求めるための上記lは、dcosθ=0.7310.5(l+H)で求められる。上記lを求めるためのdはノズル孔36のスロート径(mm)であり、vはガス線流速(m/s)であり、θはノズル孔36の傾斜角(deg)であり、ランス高さHはノズル部24先端から静止浴面間の距離(mm)である。なお、ガス線流速vは、v=4Q02/(Nπd)で求められる。Q02は上吹きランス20からの送酸速度(Nm/s)である。
条件[1]を満たすことで、ノズル部24の熱を受ける下面24Aに対するノズル孔36の出口径の割合が小さくなり、且つ、火点52からノズル部24先端までの距離Rが長くなる、すなわち、火点52からノズル部24が遠くなる。これにより、ノズル部24に対する熱負荷が低下する。
条件[2]
外管30の外径Dと外管30の内径dとの差が0.025m以下となるように設計された上吹きランス20を用い、且つ、(3)式で求められる冷媒流路26を流れる冷媒Cの流速Vが2.0m/sec以上となるように流量Wを設定すると共に、冷媒流路26に供給する冷媒Cの温度を60℃以下に設定してノズル孔36から溶銑50の浴面に酸素ガスGを吹き付ける。
(3)式について説明する。
V=W/((d -D )×π×900)・・・(3)
但し、(3)式において、Wは冷媒Cの流量(m/hr)、dは外管30の内径(m)、Dは中管32の外径(m)である。
条件[2]を満たすことで、上吹きランス20を適切に冷却することができる(適切な温度状態を維持することができる)ため、熱負荷による上吹きランス20の短寿命化を抑制することができる。
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態の転炉における吹錬方法では、条件[1]を満たすことから、この条件[1]を満たさない吹錬方法と比べて、火点52からの輻射熱に対して、ノズル部24に対する熱負荷が低下するため、ノズル部24の損耗を抑制することができる。これにより、使用回数の増加によるノズル部24の損耗が抑制されてノズル部24の寿命が延びる。その結果、ノズル部24の交換周期が延びて、ノズル部24の交換にともなう費用の削減及び精錬における生産性の低下が改善される。
また、上記吹錬方法では、条件[2]を満たすことから、この条件[2]を満たさない吹錬方法と比べて、上吹きランス20を適切に冷却することができ、熱負荷による上吹きランス20の短寿命化を抑制することができる。これにより、ノズル部24の交換周期がさらに延びるため、ノズル部24の交換にともなう費用の削減及び精錬における生産性の低下がより改善される。
次に、本発明における効果を検証するために以下の試験を行った。試験には、本発明を適用した実施例1-11と本発明の条件を満たさない比較例1-4を用いた。なお、実施例及び比較例の各種パラメータに関しては、表1に示す通りである。
以下、試験の条件について説明する。
試験は、脱炭酸素効率ηCが上吹きランスの使用開始直後から10%低下した際の使用回数を持って評価した。評価基準は、10%低下した際の使用回数が300回以上なら「〇」、300回未満なら「×」として評価した。なお、ランス使用回数については、炭素濃度3.0質量%以上の溶鉄を0.3質量%以下まで脱炭する処理を1回と数えるものとする。すなわち、脱りん専用の吹錬は1回と数えないものとする。評価結果については表1に示す通りである。
試験時の送酸速度は50000Nm/hrに設定した。また、冷媒の流速V及び冷媒の流量Wは表1に示す通りに設定し、冷媒の温度は20-25℃に設定した。
ランス高さHは、吹錬中に変更することがあるため、吹錬中の平均ランス高さをランス高さとしている。また、供試上吹きランスとして、外管の外径Dと内径dとの差が0.01mmのランスを使用した。
表1に示される通り、実施例1~11は、SN/SL<20%を満たす上吹きランスを用い、且つ、輻射熱量Eが12kw以下となるように、ランス高さHを設定しているため、上吹きランスを300回以上使用しても脱炭酸素効率ηCの低下が10%以下であった。すなわち、本発明を適用した実施例1~11は、上吹きランスの使用回数の増加によるノズル部の損耗が抑制されていると推定される。
一方、比較例1、2は、輻射熱量Eが12kwを超えるため、上吹きランスを300回以上使用した場合の脱炭酸素効率ηCの低下が10%を超えていた。また、比較例3、4は、輻射熱量Eが12kw以下であるものの、SN/SLが20%を超えるため、比較例1、2と同様に、上吹きランスを300回以上使用した場合の脱炭酸素効率ηCの低下が10%を超えていた。
すなわち、比較例1~4では、SN/SL<20%を満たし且つ輻射熱量Eが12kw以下となるようにランス高さHを設定していないため、実施例1~11と比べて、上吹きランスの使用回数の増加によるノズル部の損耗を抑制する効果が低いものと推定される。
また、実施例1は、表1に示されるように、冷媒の流速Vに関連するパラメータを除いたパラメータが実施例10及び実施例11と同様である。この実施例1では、冷媒の流速Vを2.0m/sec以上に設定しているため、冷媒の流速Vが2.0m/sec未満の実施例10及び実施例11と比べて、上吹きランスを適切な温度状態に維持することが可能である。これにより、実施例1は、実施例10及び実施例11と比べて、熱負荷による上吹きランスの短寿命化が抑制されていると推定される。なお、冷媒の流速Vを2.0m/sec以上に設定している実施例2-9についても同様である。
以上の試験結果から本発明の一実施形態の有用性を確認することができた。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
20 上吹きランス
22 本体部
24 ノズル部
24A 下面
26 冷媒流路
28 ガス供給路
30 外管
32 中管
34 内管
36 ノズル孔
50 溶銑
52 火点
C 冷媒
G 酸素ガス
R 距離
S1 間隙
S2 間隙
出口径

Claims (2)

  1. 冷媒流路とガス供給路とが形成された筒状の本体部と、前記本体部の下端に接合され、前記ガス供給路と連通するノズル孔が複数形成されたノズル部と、を備えた上吹きランスを用い、前記上吹きランスの前記ノズル孔から転炉内の溶銑浴面に酸素ガスを吹き付ける吹錬方法であって、
    (1)式を満たすように設計された前記上吹きランスを用い、且つ、前記ノズル孔の出口が前記溶銑浴面に形成される火点から受ける輻射熱量Eが(2)式を満たすようにランス高さを設定して前記ノズル孔から前記溶銑浴面に前記酸素ガスを吹き付ける、転炉における吹錬方法。
    100×S/S<20%・・・(1)
    但し、(1)式において、Sはノズル孔の出口の総断面積(m)、Sはノズル部の投影面積(m)である。
    E=QHOT×N×S<12kW・・・(2)
    但し、(2)式において、QHOTは、火点の熱放射強度(kW/m)、Nは火点の数、Sはノズル孔の出口の総断面積(m)である。
  2. 前記本体部は、同一軸上に配置された外管と中管と内管とを有し、
    前記冷媒流路は、前記外管と前記中管との間隙及び前記中管と前記内管との間隙によって形成され、
    前記ガス供給路は、前記内管の内側に形成されており、
    前記外管の外径Dと前記外管の内径dとの差が0.025m以下となるように設計された前記上吹きランスを用い、且つ、(3)式で求められる前記冷媒流路を流れる冷媒の流速Vが2.0m/sec以上となるように流量Wを設定すると共に、前記冷媒流路に供給する前記冷媒の温度を60℃以下に設定して前記ノズル孔から前記溶銑浴面に前記酸素ガスを吹き付ける、請求項1に記載の転炉における吹錬方法。
    V=W/((d -D )×π×900)・・・(3)
    但し、(3)式において、Wは冷媒の流量(m/hr)、dは外管の内径(m)、Dは中管の外径(m)である。
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