JP7430516B2 - 抗カビ剤 - Google Patents
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Description
高温多湿な日本では、細菌の増殖を抑制することのみならず、カビの繁殖を抑制することも重要視されている。抗カビの技術に関して、例えば特許文献2には、寒天培地に対象となる組成物及びカビの胞子懸濁液を塗抹し、静置培養した後にカビのコロニー数を計数し、当該コロニー数を対照と比較すること、を特徴とする組成物の防カビ効果確認方法が開示されている。
特許文献3には、単量体水溶液の重合工程、乾燥工程、及び表面架橋工程を含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法であって、単量体又はその重合体に含まれる酢酸及びプロピオン酸の合計量を200~2500ppmとし、表面架橋された吸水性樹脂粒子に対して、殺菌成分を含む水性液を添加する工程を更に含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水剤の製造方法が開示されている。
<抗カビ能の測定>
1)ポテトデキストロース寒天(PDA)斜面培地にクロカビ(Cladosporium cladosporioides)を植菌し、30℃で1週間前培養する。
2)生育したクロカビから胞子懸濁液を調製し、血球盤で胞子数をカウントして適宜希釈することにより約5.0×104 spores/mlの濃度に調整する。この時、調整後の胞子懸濁液を適宜希釈してPDA培地に100μL塗布し、30℃で3日間培養することにより、実際の生菌数を求め、これを初期の生菌数αとする。
3)1.5mlチューブに当該カチオン性基含有共重合体の20%水溶液500μLと調整後の胞子懸濁液500μLを入れ、ツインミキサーで撹拌する。攪拌180分後の試料をPDA培地に100μl塗抹し、30℃で3日間培養することにより、生菌数を求め、これを撹拌180分後の試料中の生菌数βとする。
4)下記式(1)により抗カビ能を算出する。
抗カビ能=2-log[(β/α)×100](1)
本発明における抗カビ剤とは抗カビ性能を有する剤のことをいう。抗カビ性能とは、カビの増殖を抑える、カビを殺す、防カビ等の性能を有することをいう。対象となるカビとしては、特に制限されないが、例えば、ペニシリウム(Penicillium)属に属する微生物、アスペルギルス(Aspergillus)属に属する微生物、クラドスポリウム(Cladosporium)属に属する微生物、フザリウム(Fusarium)属に属する微生物、アルテルナリア(Alternaria)属に属する微生物、リゾプス(Rhizopus)属に属する微生物等が挙げられる。
上記抗カビ能として好ましくは2.5以上であり、更に好ましくは3.0以上であり、特に好ましくは3.5以上である。
抗カビ能の測定方法の詳細は実施例のとおりである。
上記割合として好ましくは40~99質量%、より好ましくは45~99質量%であり、更に好ましくは50~95質量%であり、一層好ましくは60~90質量%である。
なお、構造単位(a)及び(a1)におけるアミノ基が、アミン塩基の酸による中和物である場合、構造単位(a)及び(a1)の質量は、中和前の構造単位に換算して質量を計算するものとする。
上記カチオン性基含有単量体(A)が、後述する式(4-1)又は(4-2)で表される構造であって、R3、R4が炭素数2以上の炭化水素基である場合、構造単位(a)の含有割合は、40~90質量%であることが好ましい。より好ましくは45~85質量%であり、更に好ましくは50~80質量%であり、一層好ましくは55~80質量%であり、特に好ましくは60~80質量%であり、最も好ましくは65~80質量%である。
上記共重合体は、単量体(B2)由来の構造単位(b2)の含有割合が、全構造単位100質量%に対して、0~30質量%であることが好ましい。より好ましくは0~20質量%、更に好ましくは0~10質量%である。
上記重量平均分子量として好ましくは4000~80万であり、より好ましくは5000~60万であり、更に好ましくは6000~40万であり、一層好ましくは7000~20万であり、更に一層好ましくは7000~10万であり、特に好ましくは7000~8万である。カチオン性基含有共重合体の重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記有機酸としては、酢酸、クエン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等が挙げられる。上記無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。好ましくは有機酸であり、より好ましくは酢酸、クエン酸、塩酸であり、特に好ましくは酢酸である。
上記抗カビ剤における有機酸及び/又は無機酸の含有割合は特に制限されないが、カチオン性基含有共重合体の構造単位(a)1規定に対して有機酸及び/又は無機酸の含有割合が0.5~2規定であることが好ましい。より好ましくは0.8~1.5規定であり、更に好ましくは1.0~1.2規定である。
本発明の抗カビ剤に含まれるカチオン性基含有共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)を有している。上記カチオン性基含有単量体は、エチレン性不飽和基とカチオン性基とを少なくとも1つずつ有していれば、特に制限されない。また、「カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)」とは、単量体(A)が重合して形成される構造単位と同じ構造であれば、別の製法により形成されたものであってもよい。後述する単量体(B)及び単量体(E)についても同様である。例えば、単量体(A)がN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートである場合、構造単位(a)は、-CH2-C(CH3)(COCH2CH2-N(CH3)2)-で表される構造単位である。ここでカチオン性基とは、カチオンを有する基又はカチオンを発生させる基であり、例えば、第1~3級アミノ基、第1~3級アミノ基の酸による中和物等が挙げられる。第1~3級アミノ基としては、下記式(2);
上記炭化水素基は、鎖状構造であっても、環構造を有していてもよいが、鎖状構造であることが好ましい。炭化水素基が鎖状構造である場合、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基が好ましく、より好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
また、上記炭化水素基の炭素数としては、1~10が好ましく、より好ましくは1~8であり、特に好ましくは1~5であり、特に一層好ましくは1~2であり、最も好ましくは1である。
上記R1及びR2のうち少なくともいずれか一方は、炭素数1~12の炭化水素基であることが好ましく、R1及びR2の両方が炭素数1~12の炭化水素基であることがより好ましい。すなわち、第1~3級アミノ基の中でも、第3級アミノ基が好ましい。
これにより、構造単位(a)と構造単位(b)との疎水性のバランスがより向上し、カビの細胞膜及び細胞壁に対してより効果的に作用する傾向にあるため、本発明の抗カビ剤はより優れた抗カビ性能を発揮することとなる。
上記カチオン性基含有共重合体は、上記の関係を満たす構造単位(a1)(以下、構造単位(a1’)ともいう)と構造単位(b)(以下、構造単位(b’)ともいう)とを少なくとも1つずつ有していればよいが、構造単位(a1’)の割合が、構造単位(a1)100モル%に対して50~100モル%であることが好ましい。より好ましくは80~100モル%である。また、上記カチオン性基含有共重合体における構造単位(b’)の割合は、構造単位(b)100モル%に対して50~100モル%であることが好ましい。より好ましくは80~100モル%である。
上記R5、R6は、水素原子であることが好ましい。
上記式(5)におけるmは、1~8であることが好ましく、より好ましくは1~5である。
上記式(7)におけるkは、1~8であることが好ましく、より好ましくは1~5である。
炭素数1~24の(ジ)アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、ドデシルアミン、ジドデシルアミン等が好ましい。
炭素数1~24の(ジ)アルカノールアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、ヘキサノールアミン等が好ましい。
炭素数1~24のアルキルアルカノールアミンとしては、メチルエタノールアミン等が好ましい。
上記カチオン性基含有単量体は上記式(4-1)及び(4-2)におけるR7が、メチル基であり、Xが、上記式(5)で表される構造であることが好ましい。
上記単量体(B)は、単独重合を行って得られた単独重合体(ホモポリマー)に対する溶解性パラメータが10以下である単量体(B1)、並びに、カルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体(B2)、から選択される1種以上の単量体である。なお、単量体(B)にはカチオン性基含有単量体(A)に該当するものは含まれない。また、溶解性パラメータが10以下である単量体であってもカルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有するものは単量体(B2)に分類するものとする。
ここで、上記溶解性パラメータは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE」(1974年、Vol.14、No.2)の147~154ページに記載の方法によって計算される値である。
以下にその方法を概説する。単独重合体の溶解性パラメータ(δ)(cal/cm3)1/2は、該重合体を形成している構成単位の蒸発エネルギー(△ei)及びモル体積(△vi)に基づいて、下記の計算法により算出される。
δ=(△ei/△vi)1/2 (cal/cm3)1/2
上記単量体(B1)としては、上に挙げた単量体のうち、少なくとも1種類以上を含むことが好ましい。
上記単量体(B1)としては、溶解性パラメータが10以下のものの中でも、炭素数が2以上のアルキル基を有するものが好ましい。単量体(B1)が、炭素数2以上のアルキル基を有することにより、カビの細胞膜若しくは細胞壁との親和性が増し、抗カビ性がより向上する。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(8);
上記炭化水素基の炭素数は、1~20であることが好ましい。より好ましくは1~16であり、更に好ましくは2~12であり、一層好ましくは2~8であり、特に好ましくは2~4である。
上記炭化水素基の炭素数が1~20であれば、重合体の水溶性、粘度を好適な範囲とすることができ、取扱いに優れるものとなる。上記炭化水素基の炭素数が2~12であれば、重合体の製造が容易となり、さらに、抗カビ性に加えて安全性にも優れるものとなる。さらに上記炭化水素基の炭素数が2~4であれば、重合体の製造が容易であるだけでなく、安全性に優れ、かつカビの細胞膜若しくは細胞壁との親和性が増し、抗カビ性がより向上するものとなる。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルへキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル(ラウリル)基、ステアリル基、イコシル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
上記炭化水素基として、好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、より好ましくはアルキル基である。
すなわち上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル(メタ)アクリレート)が好ましい。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α-アリルオキシアクリル酸及びこれらの塩等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸及びこれらの塩等の不飽和ジカルボン酸類;アクリル酸2-カルボキシエチル等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも不飽和モノカルボン酸類が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸である。上記不飽和モノカルボン酸の塩としては、金属塩が挙げられる。上記金属塩の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、亜鉛等の重金属塩が挙げられる。
カチオン性基含有共重合体がカルボキシル基含有単量体(B2-1)に由来する構造単位(b2-1)を有する形態は本発明の好適な実施形態の1つである。カチオン性基含有共重合体が、カルボキシル基含有単量体(B2-1)に由来する構造単位(b2-1)を有する場合、該構造単位(b2-1)を全構造単位100質量%に対して1.0~30質量%の割合で有することが好ましい。より好ましくは1.0~20質量%であり、特に好ましくは1.0~10質量%の割合である。
本発明において、単量体(B)として、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基、水酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体(B2)とを共重合することにより、得られる共重合体の水溶性が向上し、また、塩やpHによる共重合体の析出、抗カビ性の低下等の影響をより充分に緩和することができるため、幅広いpH領域において共重合体を使用することができ、弱酸性のものが多い化粧品や、中性から弱アルカリ領域のものが多い洗剤等の種々の用途に好適に用いることができる。
本発明の共重合体は、必要に応じて、抗カビ性能に影響しない程度に上記カチオン性基含有単量体(A)及び単量体(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。その他の単量体(E)としては、カチオン性基を有しないものであって、カチオン性基含有単量体(A)及び単量体(B)と共重合できるものである限り特に制限されない。
アクリロニトリル、アクリルアミド、N-ビニルピロリドン等の環状ビニル系単量体等が挙げられる。
また、粘度を調整する観点から溶解性パラメータの値や有する官能基の種類に関わらずエチレン性不飽和基を2個以上有する単量体が含まれていてもよい。エチレン性不飽和基を2個以上有する単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、サッカロース、ソルビトール、1,4-ブタンジオール等のポリオールの2置換以上の水酸基と(メタ)アクリル酸とのエステル類;上記ポリオールの2置換以上のメタクリル酸エステル類;フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル、メタクリル酸アリル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルシアヌレート、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、1,5-ヘキサジエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのその他の単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の共重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例、好ましい例及び各単量体の好ましい割合は、共重合体の組成と同様である。
カチオン性基含有単量体の中和に用いる酸としては、特に制限されるものではないが、塩酸、硫酸等の無機酸;酢酸、クエン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等の有機酸が挙げられる。
多価アルコール溶媒としてより好ましくは1,3-ブチレングリコールである。
1,3-ブチレングリコールを溶媒として用いた場合、得られる共重合体は、1,3-ブチレングリコールを含むこととなり、この場合、抗カビ性能により優れることとなる。
本発明の抗菌剤が、共重合体100質量%に対して1,3-ブチレングリコールを0~80質量%含む形態もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。
得られたポリマーは水に任意に溶解するもの、もしくは任意に分散するものどちらでもよいが、水に任意に溶解するものが特に好ましい。本発明の共重合体が、25℃において100gの水に10g溶解させた際の不溶分が1g以下である形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
本発明の共重合体の製造方法はまた、必要に応じて、任意の連鎖移動剤、pH調節剤、緩衝剤などを用いることもできる。
なお、本発明において、「重合時間」とは単量体の滴下前の加熱撹拌を行っている時間、単量体を添加している時間及び単量体の滴下後の熟成時間を表す。
本発明の抗カビ剤は、本発明の共重合体以外のその他の成分を含んでいてもよい。
上記その他の成分としては、抗カビ剤の抗カビ性能を阻害するものでない限り特に制限されないが、例えば、アルカリ調整剤、アニオン界面活性剤、相溶化剤や安定化剤等の添加剤等が挙げられる。
また、本発明の抗カビ剤は、抗カビ性を向上させる観点から、更に金属塩や金属酸化物、金属水酸化物などを含んでいてもよい。金属塩又は酸化物、金属水酸化物における金属としては、銅や、亜鉛、銀等の重金属が好ましい。
上記その他の成分の含有量は、抗カビ剤の抗カビ性能を阻害しなければ、特に制限されないが、上記共重合体100質量%に対して、0~20質量%であることが好ましい。
本発明の抗カビ剤と該抗カビ剤以外のその他の成分とを含む化粧料組成物もまた、本発明の1つである。化粧料組成物中の上記抗カビ剤の含有割合は、化粧料組成物100質量%に対して0.1~20質量%であることが好ましい。より好ましくは1~10質量%である。
カチオン性基含有共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。
測定条件、装置などは以下の通りである。
装置:東ソー社製 EcoSEC HLC-8320GPC
検出器:示差屈折率計(RI)検出器
カラム:東ソー社製 TSKgel α-M、α-2500
カラム温度:40℃
流速:0.8mL/min
注入量:10μL(試料濃度0.4wt%の溶離液調製溶液)
検量線:ジーエルサイエンス社製 ポリエチレングリコール
GPCソフト:東ソー社製 EcoSEC-WS
溶離液:0.5M酢酸+0.2M硝酸Na/アセトニトリル=50/50(v/v)
1)ポテトデキストロース寒天(PDA)斜面培地にクロカビ(Cladosporium cladosporioides NBRC30314)を植菌し、30℃で1週間前培養した。
2)生育したクロカビから胞子懸濁液を調製し、血球盤で胞子数をカウントして適宜希釈することにより約5.0×104 spores/mlの濃度に調整した。この時、調整後の胞子懸濁液を適宜希釈してPDA培地に100μL塗布し、30℃で3日間培養することにより、実際の生菌数を求め、これを初期の生菌数αとした。
3)1.5mlチューブにカチオン性基含有共重合体の20%水溶液500μLと調整後の胞子懸濁液500μLを入れ、ツインミキサーで撹拌した。攪拌180分後の試料をPDA培地に100μl塗抹し、30℃で3日間培養した。撹拌180分後の試料中の生菌数をβとした。
4)下記式(1)により抗カビ能を算出した。
抗カビ能=2-log[(β/α)×100](1)
1)ポテトデキストロース寒天(PDA)培地(富士フイルム和光純薬製)粉末1.95gに45gの純水を加えたのちに、121℃で20分間、オートクレーブにて滅菌した。上記滅菌後のPDA培地を取り出した後に約60℃に降温してから、10%ポリマー水溶液5gを加えて混合し、プレートに入れて固めて検定培地を調製した。
2)別のPDA培地にコウジカビ(Aspergillus brasiliensis NBRC9455)を植菌し、25℃で約1週間培養した。
3)コウジカビが生育した培地を直径4mmのコルクボーラーでくり抜いて菌叢ディスクを作成し、菌糸の生長面を下にして検定培地に載せた。
4)25℃で3日間培養し、菌叢ディスクを含めたコロニーサイズ(mm)を測定した。
上記コロニーサイズを下記表3において、菌糸体成長阻害(mm)として示した。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、1,3-ブタンジオール(以下、BGと略す)70.0gを仕込み、撹拌下、75℃に昇温した。次いで、撹拌下、75℃一定状態の重合反応系中に、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル(以下、DAMと略す)81.0g、酢酸31.0g、メタクリル酸エチル(以下、EMAと略す。溶解性パラメータ:9.7)9.0g、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩(以下、VA-044と略す)の15%水溶液35.7gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DAM、酢酸とEMAは180分間、VA-044の15%水溶液は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を75℃に保持して熟成し、重合を完結させた。後に、純水45.8gを加え、共重合体1を得た。
得られた共重合体1の固形分は33.4%、pHは6.4、重量平均分子量は11,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、BG70.0gを仕込み、撹拌下、90℃に昇温した。次いで、撹拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM81.0g、酢酸31.0g、EMA9.0g、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(以下、V-50と略す)の5%水溶液27.3gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DAMと酢酸は180分間、EMAは170分間、V-50の5%水溶液は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。後に、純水42.7gを加え、共重合体2を得た。
得られた共重合体2の固形分は33.2%、pHは6.3、重量平均分子量は27,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、BG70.0gを仕込み、撹拌下、75℃に昇温した。次いで、撹拌下、75℃一定状態の重合反応系中に、DAM72.0g、酢酸33.0g、EMA18.0g、VA-044の5%水溶液36.7gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DAM、酢酸とEMAは180分間、VA-044の5%水溶液は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を75℃に保持して熟成し、重合を完結させた。後に、純水32.8gを加え、共重合体3を得た。
得られた共重合体3の固形分は31.4%、pHは6.2、重量平均分子量は29,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水50.0gとPG22.0gを仕込み、撹拌下、90℃に昇温した。次いで、撹拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM63.0g、酢酸24.1g、BA22.5g、メタクリル酸(以下、MAAと略す)4.5g、純水21.1g、V-50の5%水溶液31.4gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DAM、酢酸、BAは180分間、MAA、純水、V-50の5%水溶液は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体4を得た。
得られた共重合体4の固形分は34.9%、pHは6.0、重量平均分子量は27,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、BG70.0gを仕込み、撹拌下、75℃に昇温した。次いで、撹拌下、75℃一定状態の重合反応系中に、DAM81.0g、酢酸31.0g、メタクリル酸ラウリル(以下、LMAと略す。溶解性パラメータ:9.0)9.0g、VA-044の15%水溶液36.7gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DAM、酢酸とLMAは180分間、VA-044の15%水溶液は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに30分間反応溶液を75℃に保持して熟成し、重合を完結させた。後に、純水45.2gを加え、共重合体5を得た。
得られた共重合体5の固形分は32.6%、pHは6.3、重量平均分子量は11,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水50.0gとBG30.0gを仕込み、撹拌下、90℃に昇温した。次いで、撹拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM72.0g、酢酸27.5g、アクリル酸ブチル(以下、BAと略す。溶解性パラメータ:9.8)18.0g、V-50の5%水溶液29.9gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DAM、酢酸とBAは180分間、V-50の5%水溶液は240分間滴下した。全滴下終了後、さらに60分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。後に、純水50.0gを加え、共重合体6を得た。
得られた共重合体6の固形分は30.2%、pHは6.5、重量平均分子量は27,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水24.0gとプロピレングリコール(以下、PGと略す)72.0gを仕込み、撹拌下、90℃に昇温した。次いで、撹拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM54.0g、酢酸20.6g、BA36.0g、V-50の3%水溶液33.3gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DAM、酢酸とBAは180分間、V-50の3%水溶液は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体7を得た。
得られた共重合体7の固形分は34.2%、pHは6.7、重量平均分子量は25,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、純水18.0gとPG72.0gを仕込み、撹拌下、90℃に昇温した。次いで、撹拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル(以下、DEAMと略す)72.0g、酢酸23.3g、BA18.0g、V-50の5%水溶液31.7gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DEAM、酢酸とBAは180分間、V-50の5%水溶液は210分間滴下した。全滴下終了後、さらに90分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体8を得た。
得られた共重合体8の固形分は35.8%、pHは6.8、重量平均分子量は13,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、BG70.0gを仕込み、撹拌下、80℃に昇温した。次いで、撹拌下、80℃一定状態の重合反応系中に、DEAM45.0g、酢酸14.6g、BA45.0g、VA-044の5%水溶液35.6gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DEAMと酢酸は180分間、BAは140分間、VA-044の5%水溶液は240分間滴下した。全滴下終了後、さらに60分間反応溶液を80℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体9を得た。
得られた共重合体9の固形分は35.2%、pHは5.6、重量平均分子量は13,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、BG70.0gを仕込み、撹拌下、80℃に昇温した。次いで、撹拌下、80℃一定状態の重合反応系中に、DEAM72.0g、酢酸23.3g、アクリル酸イソブチル(以下iso-BAと略す)18.0g、VA-044の7.5%水溶液31.7gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DEAMと酢酸は180分間、iso-BAは150分間、VA-044の7.5%水溶液は240分間滴下した。全滴下終了後、さらに60分間反応溶液を80℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体10を得た。
得られた共重合体10の固形分は35.9%、pHは6.0、重量平均分子量は15,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、BG70.0gを仕込み、撹拌下、80℃に昇温した。次いで、撹拌下、80℃一定状態の重合反応系中に、DEAM72.0g、酢酸23.3g、アクリル酸t-ブチル(以下t-BAと略す)18.0g、VA-044の7.5%水溶液31.7gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DEAMと酢酸は180分間、t-BAは170分間、VA-044の7.5%水溶液は240分間滴下した。全滴下終了後、さらに60分間反応溶液を80℃に保持して熟成し、重合を完結させ、共重合体11を得た。
得られた共重合体11の固形分は35.5%、pHは6.1、重量平均分子量は13,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、BG70.0gを仕込み、撹拌下、90℃に昇温した。次いで、撹拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM90.0g、酢酸34.4g、V-50の5%水溶液34.4gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DAM、と酢酸は120分間、V-50の5%水溶液は180分間滴下した。全滴下終了後、さらに60分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させ、比較共重合体1を得た。
得られた比較共重合体1の固形分は39.6%、pHは7.2、重量平均分子量は19,000であった。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製のセパラブルフラスコに、BG90.0gを仕込み、撹拌下、90℃に昇温した。次いで、撹拌下、90℃一定状態の重合反応系中に、DAM31.5g、酢酸12.0g、EMA58.5g、V-50の7%水溶液35.7gを、それぞれ別々の滴下ノズルより滴下した。滴下時間に関して、全て同時に滴下を開始し、DAM、酢酸とEMAは120分間、V-50の7%水溶液は180分間滴下した。全滴下終了後、さらに60分間反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結させた。後に、純水36.6gを加え、比較共重合体2を得た。
得られた比較共重合体2の固形分は35.5%、pHは6.6、重量平均分子量は33,000であった。
合成例1~11及び比較合成例1、2で得られた共重合体について、抗カビ性試験を行った。結果を表1に示した。
合成例3で得られた共重合体について、化粧水配合での抗カビ性試験を行った。
抗カビ能の測定においてカチオン性基含有共重合体の20%水溶液の代わりに、グリセリン10%/プロピレングリコール8%/カチオン性基含有共重合体10%水溶液を用いて抗カビ性試験を実施した。結果を表2に示した。
合成例2、3、5、6、9、10及び比較合成例1で得られた共重合体について、菌糸体成長阻害の測定を行った。結果を表3に示した。
Claims (4)
- カチオン性基含有共重合体を含む抗カビ剤であって、
該抗カビ剤は、下記の方法により測定される抗カビ能が2.0以上であり、
該カチオン性基含有共重合体は、カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)と単量体(B)由来の構造単位(b)を有し、該カチオン性基含有単量体(A)由来の構造単位(a)の割合が、全構造単位100質量%に対して50~80質量%であり、該単量体(B)由来の構造単位(b)の割合が、全構造単位100質量%に対して20~50質量%であり、
該単量体(A)は、下記式(4-1)及び/又は(4-2);
(式(4-1)及び(4-2)中、R5~R7は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基を表す。Xは、直接結合、炭素数1~12のアルキレン基、又は、下記式(5)~(7);
(式(5)中、mは、0~12の整数を表す。式(6)中、eは、0~4の整数を表す。式(7)中、kは、1~10の整数を表す。)のいずれかで表される構造を表す。R3、R4は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1~12の炭化水素基を表す。HYは、酸を表す。)で表される構造であり、
該単量体(B)は、下記式(8);
(式中、R 8 は、水素原子又はメチル基を表す。R 9 は、炭素数2の炭化水素基を表す。)で表される化合物であり、
該カチオン性基含有共重合体の重量平均分子量が4000~100万であり、抗カビ剤に含まれる該カチオン性基含有共重合体の割合が抗カビ剤100質量%に対して10~100質量%であることを特徴とする抗カビ剤。
<抗カビ能の測定>
1)ポテトデキストロース寒天(PDA)斜面培地にクロカビ(Cladosporium cladosporioides)を植菌し、30℃で1週間前培養する。
2)生育したクロカビから胞子懸濁液を調製し、血球盤で胞子数をカウントして適宜希釈することにより約5.0×104 spores/mlの濃度に調整する。この時、調整後の胞子懸濁液を適宜希釈してPDA培地に100μL塗布し、30℃で3日間培養することにより、実際の生菌数を求め、これを初期の生菌数αとする。
3)1.5mlチューブに当該カチオン性基含有共重合体の20%水溶液500μLと調整後の胞子懸濁液500μLを入れ、ツインミキサーで撹拌する。攪拌180分後の試料をPDA培地に100μl塗抹し、30℃で3日間培養することにより、生菌数を求め、これを撹拌180分後の試料中の生菌数βとする。
4)下記式(1)により抗カビ能を算出する。
抗カビ能=2-log[(β/α)×100](1) - 前記式(4-2)におけるHYが、無機酸及び/又は有機酸である、請求項1に記載の抗カビ剤。
- 前記式(4-2)におけるHYが、有機酸である、請求項1に記載の抗カビ剤。
- 請求項1~3のいずれかに記載の抗カビ剤を含む化粧料であり、
該化粧料は、抗カビ剤を化粧料100質量%に対して0.1~20質量%の割合で含むことを特徴とする化粧料。
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