JP7435289B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用動力伝達装置に関する。
エンジンの動力をトルクコンバータおよびクラッチを介して変速機に伝達する車両用駆動装置が知られている(特許文献1参照)。
この車両用駆動装置は、エンジンのクランク軸と変速機の入力軸との間に設置され、クランク軸の動力を出力軸(タービン軸)から入力軸に伝達するトルクコンバータと、トルクコンバータに設けられ、トルクコンバータの出力軸とクランク軸とを直結するロックアップクラッチと、トルクコンバータの出力軸から変速機の入力軸に動力を伝達または遮断する摩擦クラッチとを備えている。
摩擦クラッチは、トルクコンバータの出力軸と一体回転自在に設けられたクラッチドライブプレートと、変速機の入力軸と一体回転自在で、かつ、変速機の入力軸の軸方向に移動自在に設けられ、クラッチドライブプレートにクラッチフェーシングを介して連結または、クラッチドライブプレートから離隔するクラッチプレッシャプレートとを有する。
特開2001-12600号公報
従来の車両用駆動装置にあっては、例えば、ロックアップクラッチに作用する油圧によって出力軸が初期位置から軸方向にずれた場合に、出力軸と一体のクラッチドライブプレートが出力軸の軸方向にずれるおそれがある。
このため、クラッチドライブプレートが初期位置からずれてしまい、クラッチドライブプレートとクラッチプレッシャプレートの締結開始位置や締結完了位置が正常な位置からずれてしまうおそれがあり、摩擦クラッチの制御の精度が悪化するおそれがある。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、トルクコンバータの油圧等の影響によってクラッチの締結開始位置や締結終了位置が正常な位置からずれることを防止でき、クラッチの制御の精度が悪化することを防止できる車両用動力伝達装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、複数の第1のギヤを有する第1の回転軸と、前記複数の第1のギヤにそれぞれ噛み合う複数の第2のギヤを有する第2の回転軸とを含んで構成され、内燃機関の動力を変速する変速機構と、前記内燃機関のクランク軸と前記変速機構の前記第1の回転軸との間に設置され、前記クランク軸の動力をタービン軸から前記第1の回転軸に伝達する流体継手と、前記流体継手に設けられ、前記タービン軸と前記クランク軸とを直結するロックアップクラッチと、前記タービン軸から前記第1の回転軸に動力を伝達または遮断するクラッチとを備え、前記クラッチが、前記タービン軸と一体回転自在に設けられた第1のクラッチ部材と、前記第1の回転軸と一体回転自在で、かつ、前記第1の回転軸の軸方向に移動自在に設けられ、前記第1のクラッチ部材に締結される、または、前記第1のクラッチ部材から離隔される第2のクラッチ部材とを有する車両用動力伝達装置であって、前記タービン軸と前記第1の回転軸の間に設けられ、前記タービン軸と前記第1の回転軸とを軸方向に付勢する付勢部材を有することを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、トルクコンバータの油圧等の影響によってクラッチの締結開始位置や締結終了位置が正常な位置からずれることを防止でき、クラッチの制御の精度が悪化することを防止できる。
図1は、本発明の一実施例に係る車両用動力伝達装置の縦断面図である。 図2は、本発明の一実施例に係る車両用動力伝達装置のトルクコンバータ、オイルポンプおよび摩擦クラッチの構成図である。
本発明の一実施の形態に係る車両用動力伝達装置は、複数の第1のギヤを有する第1の回転軸と、前記複数の第1のギヤにそれぞれ噛み合う複数の第2のギヤを有する第2の回転軸とを含んで構成され、内燃機関の動力を変速する変速機構と、内燃機関のクランク軸と変速機構の第1の回転軸との間に設置され、クランク軸の動力をタービン軸から第1の回転軸に伝達する流体継手と、流体継手に設けられ、タービン軸とクランク軸とを直結するロックアップクラッチと、タービン軸から第1の回転軸に動力を伝達または遮断するクラッチとを備え、クラッチが、タービン軸と一体回転自在に設けられた第1のクラッチ部材と、第1の回転軸と一体回転自在で、かつ、第1の回転軸の軸方向に移動自在に設けられ、第1のクラッチ部材に締結される、または、第1のクラッチ部材から離隔される第2のクラッチ部材とを有する車両用動力伝達装置であって、タービン軸と第1の回転軸の間に設けられ、タービン軸と第1の回転軸とを軸方向に付勢する付勢部材を有することを特徴とする。
これにより、本発明の一実施の形態に係る車両用動力伝達装置は、トルクコンバータの油圧等の影響によってクラッチの締結開始位置や締結終了位置が正常な位置からずれることを防止でき、クラッチの制御の精度が悪化することを防止できる。
以下、本発明の一実施例に係る車両用動力伝達装置について、図面を用いて説明する。
図1、図2は、本発明の一実施例に係る車両用動力伝達装置を示す図である。図1、図2において、上下前後左右方向は、車両に設置された状態の車両用動力伝達装置を基準とし、車両の前後方向を前後方向、車両の左右方向(車両の幅方向)を左右方向、車両の上下方向(車両の高さ方向)を上下方向とする。
まず、構成を説明する。
図1において、車両1には変速機2が搭載されており、変速機2は、エンジン3に接続された状態で車両1のフロアパネル1Aの下方に縦置きに設置されている。すなわち、本実施例の車両1は、後輪駆動車両である。本実施例の変速機2は、本発明の車両用動力伝達装置を構成し、エンジン3は、内燃機関を構成する。
変速機2は変速機ケース4を備えており、変速機ケース4は、フロントケース6と、センタケース7と、リヤケース8と、エクステンションケース9とを備えている。
フロントケース6の前端部には図示しないボルトによってエンジン3が接続されている。エンジン3は、燃料の燃焼を行い、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換する。
フロントケース6にはトルクコンバータ10が収容されている(図2参照)。トルクコンバータ10は、フロントカバー11と、フロントカバー11に連結されるポンプシェル12とを有する。
フロントカバー11は、ドライブプレート13を介してエンジン3のクランク軸3Aに連結されており、フロントカバー11およびポンプシェル12は、クランク軸3Aと一体で回転する。
トルクコンバータ10は、ポンプシェル12に固定されるポンプインペラ14と、ポンプインペラ14に対向するタービンランナ15とを備えている。タービンランナ15は、タービン軸16に連結されている。
トルクコンバータ10には作動油が供給されており、エンジン3からポンプシェル12に動力が伝達されると、ポンプインペラ14の回転による遠心力によって、トルクコンバータ10の内部の作動油にポンプインペラ14からタービンランナ15に向かう流れが生じる。
この作動油の流れによりタービンランナ15が回転され、エンジン3の動力がタービンランナ15からタービン軸16に伝達される。
トルクコンバータ10にはロックアップクラッチ17が設けられており、ロックアップクラッチ17は、クランク軸3Aとタービン軸16とを接続する。
ロックアップクラッチ17は、フロントカバー11とポンプシェル12に収容されており、フロントカバー11とポンプシェル12の内部は、ロックアップクラッチ17を境にしてアプライ室18とリリース室19とに区画されている。
すなわち、フロントカバー11とポンプシェル12の内部は、ロックアップクラッチ17を境にしてタービンランナ15側にアプライ室18が形成されており、フロントカバー11側にリリース室19が形成されている。
ロックアップクラッチ17を締結する際には、アプライ室18に作動油(以下、この作動油をアプライ圧という)が供給されてリリース室19から作動油が排出される。アプライ圧が上昇して、リリース室19の作動油の圧力が低下すると、ロックアップクラッチ17に前後方向の圧力差が作用するため、ロックアップクラッチ17がフロントカバー11に近づく方向に移動する。
そして、ロックアップクラッチ17がフロントカバー11に押し付けられ、ロックアップクラッチ17が締結状態に切り替えられる。これにより、タービン軸16とクランク軸3Aとが直結され、エンジン3の動力が流体を介さずにタービン軸16に伝達される。
一方、ロックアップクラッチ17を解放する際には、リリース室19に作動油が供給されて(この作動油をリリース圧という)、アプライ室18から作動油が排出される。
アプライ圧が低下してリリース圧が上昇すると、ロックアップクラッチ17に前後方向の圧力差が作用し、ロックアップクラッチ17がフロントカバー11から離れる方向に移動する。これにより、ロックアップクラッチ17がフロントカバー11から引き離され、ロックアップクラッチ17が解放状態に切り替えられる。
これにより、エンジン3の動力は、ポンプインペラ14からタービンランナ15を介してタービン軸16に伝達される。すなわち、エンジン3の動力が流体を介してタービン軸16に伝達される。
ポンプインペラ14とタービンランナ15との間にはステータ15Sが設置されている。ステータ15Sは、タービンランナ15からポンプインペラ14に向かう作動の流れをポンプインペラ14の回転方向に沿うように変換することにより、エンジン3の動力を増幅させる。
フロントケース6には隔壁21Aが形成されており、隔壁21Aは、タービン軸16の軸方向と直交する方向に延び、フロントケース6の内部の空間を、トルクコンバータ10を収容するトルクコンバータ室(以下、トルコン室という)22と、摩擦クラッチ31を収容するクラッチ室23とに仕切っている。
タービン軸16は、軸受24Aを介して隔壁21Aに回転自在に支持されている。タービン軸16の後端部には拡径部16Aが形成されており、拡径部16Aは、タービン軸16の前端部や中央部よりも大径に形成されている。
図2に示すように、拡径部16Aよりも前側のタービン軸16の部位には溝部が形成されており、溝部にはサークリップ25が嵌合されている。サークリップ24には軸受24Aの前面が当接しており、軸受24Aの後面は、拡径部16Aの前面に当接している。これにより、タービン軸16は、軸受24Aによって前後方向に位置決めされ、前後方向に移動することが規制されている。
図1に示すように、フロントケース6のトルコン室22にはオイルポンプ26が収容されており、オイルポンプ26は、例えば、トロコイド式のオイルポンプから構成されている。
オイルポンプ26は、図示しないボルトによってトルコン室22側の隔壁21Aに固定されたリヤポンプケース26Aと、図示しないボルトによってリヤポンプケース26Aの前端に締結されたフロントポンプケース26Bとを有する。
リヤポンプケース26Aとフロントポンプケース26Bとに挟まれた内部空間にはポンプ室26Pが形成されており、ポンプ室26Pには図示しないインナロータおよびアウタロータが設けられている。インナロータは、ポンプシェル12と一体で回転するようにポンプシェル12の一部に取付けられている。
アウタロータは、インナロータの径方向外方に設けられており、インナロータの回転に伴って回転する。トロコイド式のオイルポンプ26は、アウタロータに形成された複数の内歯とインナロータに形成された複数の外歯とが接触することにより、外歯と内歯との間にオイルを収容する図示しない複数の作動室が形成されている。
オイルポンプ26において、エンジン3の動力がポンプシェル12によってインナロータに伝達されると、インナロータとアウタロータとが一方向に回転する。このとき、作動室の容積増加および容積減少が連続して発生することにより、オイルを図示しない吸入ポートから作動室に吸入し、作動室によって加圧されたオイルを図示しない吐出ポートから吐出する。
フロントケース6のクラッチ室23には乾式の摩擦クラッチ31が収容されており、摩擦クラッチ31は、入力軸41の前端部41aに設置されている。入力軸41は、フロントケース6、センタケース7およびリヤケース8に収容されており、車両1の前後方向に延びている。
入力軸41は、その軸方向の前端部41a側でセンタケース7に形成された隔壁21Bに軸受24Bを介して回転自在に支持され、後端部41bが出力軸42に回転自在に支持されている。
入力軸41の前端部41aは、タービン軸16の拡径部16Aの内周部に軸受27を介して支持されており、入力軸41は、タービン軸16と相対回転する。
出力軸42は、入力軸41の軸方向において入力軸41に対向している。出力軸42は、リヤケース8の後端部に形成された隔壁21Cおよびエクステンションケース9の後端部に形成された後壁21Dに軸受24C、24Dを介して回転自在に支持されており、入力軸41に対して相対回転する。タービン軸16、入力軸41および出力軸42は、同一軸線上に設置されている。
摩擦クラッチ31は、タービン軸16にボルト30によって締結され、タービン軸16と一体で回転するクラッチホイールディスク32と、入力軸41に一体回転自在、かつ入力軸41の軸方向に移動自在に設けられ、入力軸41と一体で回転するクラッチディスク33とを有する。
摩擦クラッチ31は、クラッチホイールディスク32に図示しないボルトによって締結され、クラッチホイールディスク32およびタービン軸16と一体で回転するクラッチカバー34と、クラッチカバー34に取付けられ、クラッチディスク33を付勢し、クラッチディスク33をクラッチホイールディスク32に押し付けるダイヤフラムスプリング35とを備えている。
入力軸41の外方にはレリーズベアリング43が設置されている。レリーズベアリング43は、レリーズフォーク44(図2参照)によって入力軸41の軸方向で前方(摩擦クラッチ31側)に移動されると、ダイヤフラムスプリング35の中央付近を前方に向かって押圧する。
これにより、ダイヤフラムスプリング35によるクラッチディスク33への付勢が解除され、クラッチディスク33の押圧力が無くなりクラッチディスク33がクラッチホイールディスク32から離隔される。この結果、エンジン3のクランク軸3Aの動力がトルクコンバータ10のタービン軸16を介して入力軸41に伝達されなくなる。
レリーズベアリング43は、レリーズフォーク44によって入力軸41の軸方向に対して後方に移動されると、ダイヤフラムスプリング35の中央付近から離れる。
この状態では、ダイヤフラムスプリング35がクラッチディスク33を付勢してクラッチディスク33をクラッチホイールディスク32に押し付け、クラッチディスク33をクラッチディスク33とクラッチホイールディスク32によって挟持する。
これにより、エンジン3のクランク軸3Aの動力がトルクコンバータ10のタービン軸16を介して入力軸41に伝達される。
このように摩擦クラッチ31は、エンジン3のクランク軸3Aの動力をタービン軸16から入力軸41に伝達する動力伝達状態と、動力を遮断する動力遮断状態とに切り替えられる。
図2に示すように、レリーズフォーク44は、油圧式のクラッチアクチュエータ45に連結されており、クラッチアクチュエータ45によって操作される。
本実施例のトルクコンバータ10は、本発明の流体継手を構成し、摩擦クラッチ31は、本発明のクラッチを構成する。クラッチホイールディスク32は、本発明の第1のクラッチ部材を構成し、クラッチディスク33は、本発明の第2のクラッチ部材を構成する。
図1に示すように、センタケース7およびリヤケース8にはカウンタ軸46が収容されており、カウンタ軸46は、図示しない軸受を介して隔壁21Bと隔壁21Cとに回転自在に支持されている。カウンタ軸46は、入力軸41および出力軸42に対して平行に延びている。
入力軸41には、摩擦クラッチ31側から出力軸42に向かって、変速用のギヤを構成する4速入力ギヤ41A、3速入力ギヤ41B、2速入力ギヤ41C、1速入力ギヤ41Dおよびリバース入力ギヤ41Eが設置されている。
出力軸42の前端部には5速クラッチギヤ42Aが設けられており、5速クラッチギヤ42Aは、出力軸42と一体で回転するドグから構成される。
カウンタ軸46には、摩擦クラッチ31側から出力軸42に向かって4速カウンタギヤ46A、3速カウンタギヤ46B、2速カウンタギヤ46C、1速カウンタギヤ46Dおよびカウンタドライブギヤ46Eが設けられている。
4速カウンタギヤ46A、3速カウンタギヤ46B、2速カウンタギヤ46C、1速カウンタギヤ46Dは、それぞれ同一の変速段を構成する4速入力ギヤ41A、3速入力ギヤ41B、2速入力ギヤ41C、1速入力ギヤ41Dに噛み合っている。カウンタドライブギヤ46Eは、出力軸42に設けられたカウンタドリブンギヤ42Bに噛み合っている。
本実施例の入力ギヤ41Aから入力ギヤ41Dは、本発明の第1のギヤを構成し、カウンタギヤ46Aから46Dは、本発明の第2のギヤを構成する。
エンジン3のクランク軸3Aの動力は、トルクコンバータ10のタービン軸16から入力軸41に伝達された後、同一の変速段を構成する入力ギヤ41A、41B、41C、41Dからカウンタギヤ46A、46B、46C、46Dを介してカウンタ軸46に伝達される。
カウンタ軸46に伝達されたエンジン3のクランク軸3Aの動力は、カウンタ軸46のカウンタドライブギヤ46Eからカウンタドリブンギヤ42Bを介して出力軸42に伝達される。出力軸42には図示しないプロペラ軸を介していずれも図示しないディファレンシャル装置、ドライブ軸および駆動後輪が連結されている。
これにより、出力軸42に伝達された動力は、プロペラ軸を介してディファレンシャル装置に伝達され、ディファレンシャル装置によって左右のドライブ軸に分配された後に、駆動後輪に伝達される。
本実施例の入力軸41は、本発明の第1の回転軸を構成し、カウンタ軸46は、本発明の第2の回転軸を構成する。
入力軸41、出力軸42、カウンタ軸46、4速入力ギヤ41A、3速入力ギヤ41B、2速入力ギヤ41C、1速入力ギヤ41D、4速カウンタギヤ46A、3速カウンタギヤ46B、2速カウンタギヤ46Cおよび1速カウンタギヤ46Dは、エンジン3の動力(回転速度)を変速して出力する変速機構50を構成する。
そして、本実施例のトルクコンバータ10は、エンジン3のクランク軸3Aと、入力軸41を含んで構成される後述する変速機構50との間に設置されており、クランク軸3Aの動力をタービン軸16から入力軸41に伝達する。
図2に示すように、タービン軸16の後端部である拡径部16Aには凹部16aが形成されている。凹部16aは、タービン軸16の軸方向で入力軸41側(後側)に開口する開口端16bと、タービン軸16の軸方向で開口端16bと反対側に位置する前端面16cとを有し、前端面16cは閉じられている。
入力軸41の前端部41aは、タービン軸16と相対回転可能に凹部16aに挿入されており、入力軸41の前端部41aの外周面と凹部16aの内周面との間には入力軸41の径方向の隙間が形成されている。
凹部16aには軸受27が収容されている。軸受27は、凹部16aの内周面に嵌合され、タービン軸16と一体で回転する外輪27Aと、入力軸41の前端部41aの外周面に嵌合され、入力軸41と一端で回転する内輪27Bと、外輪27Aと内輪27Bの間に設けられたボール部材27Cとを有する。
これにより、入力軸41は、軸受27を介してタービン軸16に相対回転自在に連結されている。
外輪27Aの外周面は、凹部16aの内周面にルーズ(ガタが大きい状態)に嵌合されており、内輪27Bの内周面は入力軸41の前端部41a外周面にルーズに嵌合されている。本実施例のボール部材27Cは、本発明の転動体を構成する。
凹部16aにはコイルスプリング28が収容されており、コイルスプリング28は、タービン軸16と入力軸41の間に設けられている。
具体的には、コイルスプリング28の前端部(一端部)は、凹部16aの前端面16cに当接しており、コイルスプリング28の後端部(他端部)、軸受27の外輪27Aに当接している。
このため、コイルスプリング28は、タービン軸16と入力軸41が軸方向に離れるようにタービン軸16と入力軸41を付勢している。すなわち、コイルスプリング28は、タービン軸16を前側に付勢し、入力軸41を後側に付勢している。
内輪27Bは、入力軸41の前端部41aに形成された段部41cに当接しており、軸受27の内輪27Bは、コイルスプリング28の付勢力によって段部41cに押し付けられている。
本実施例のコイルスプリング28は、本発明の付勢部材を構成する。なお、付勢部材は、コイルスプリング28に限定されるものではなく、タービン軸16と入力軸41を軸方向に付勢できるものであれば、何でも良い。
凹部16aの開口端16bにはサークリップ29が嵌合されており、サークリップ29の内径は、軸受27の外輪27Aの外径よりも小径に形成されている。これにより、軸受27が後方に移動した場合に、軸受27の外輪27Aがサークリップ29に当接して凹部16aから抜け出ることが防止される。
また、軸受27の外輪27Aがコイルスプリング28によって後方に付勢された場合に、外輪27Aがサークリップ29に当接することにより、軸受27の軸方向後方への移動が規制される。
図1に示すように、フロントケース6の下部にはバルブボディ51が取付けられており、バルブボディ51は、フロントケース6の下部に設けられたオイルパン52に収容されている。オイルパン52には作動油が貯留されている。
バルブボディ51は、いずれも図示しないレギュレータ、ロックアップバルブおよび電磁ソレノイド等を備えている。バルブボディ51は、レギュレータによってオイルパン52に貯留される作動油を調圧する。
バルブボディ51は、電磁ソレノイドによってロックアップバルブが駆動されると、ロックアップバルブによっていずれも図示しないロックアップクラッチ締結用の油路またはロックアップクラッチ解除用の油路を選択するように切換えられる。
電磁ソレノイドによってロックアップバルブが駆動され、ロックアップクラッチ締結用の油路が選択されると、レギュレータによって調圧された作動油は、オイルポンプ26によってポンプシェル12とタービン軸16の間に形成されたロックアップクラッチ締結用の油路の一部を構成する油路53(図2参照)を通してアプライ室18に供給される。
ロックアップクラッチ17は、アプライ室18に供給されるアプライ圧によってフロントカバー11に締結される。これにより、エンジン3の動力が流体を介さずにフロントカバー11から直接、タービン軸16に伝達され、タービン軸16から入力軸41に伝達される。
電磁ソレノイドによってロックアップバルブが駆動され、ロックアップクラッチ解除用の油路が選択されると、レギュレータによって調圧された作動油は、オイルポンプ26によってタービン軸16に形成されたロックアップクラッチ解除用の油路の一部を構成する油路16dを通してリリース室19に供給される。
ロックアップクラッチ17は、リリース室19に供給されるリリース圧によってフロントカバー11から離隔される。これにより、ロックアップクラッチ17が解除され、エンジン3の動力が流体を介してタービン軸16に伝達され、タービン軸16から入力軸41に伝達される。
次に、作用を説明する。
ロックアップクラッチ17の解放時にはロックアップクラッチ解除用の油路16dを通してリリース室19にリリース圧が供給される。このとき、タービン軸16がリリース圧を受ける。
タービン軸16は、溝部に嵌合されたサークリップ25を有し、サークリップ25が軸受24Aの前面が当接し、軸受24Aの後面が拡径部16Aの前面に当接することにより、軸受24Aによって前後方向に移動することが規制されている。
溝部とサークリップ25は軸方向に若干のガタを有し、軸受27の外輪27Aの外周面が凹部16aの内周面にルーズに嵌合されているので、タービン軸16がリリース圧を受けると、溝部とサークリップ25の間のガタの分だけタービン軸16が入力軸41側に移動する。
このとき、タービン軸16にボルト30によって締結され、タービン軸16と一体で回転するクラッチホイールディスク32がタービン軸16と一体で入力軸41側に移動する。これにより、クラッチホイールディスク32が初期位置から入力軸41側(摩擦クラッチ31の解放側)にずれてしまう。
ここで、図示しないポジションセンサで摩擦クラッチ31の締結が完了する締結完了位置と、締結完了位置から摩擦クラッチ31の締結を開始する締結開始位置とを学習して摩擦クラッチ31の伝達トルク(クラッチアクチュエータ45の作動油圧)を算出したものについて考察する。
このように学習によって算出された伝達トルクに基づいてクラッチアクチュエータ45を制御すると、摩擦クラッチ31の位置と摩擦クラッチ31の位置に対するクラッチ伝達トルクの関係がずれてしまう。
このため、摩擦クラッチ31を締結開始位置から締結完了位置まで円滑に制御できず、摩擦クラッチ31の制御の精度が悪化するおそれがある。
一方、4速カウンタギヤ46A、3速カウンタギヤ46B、2速カウンタギヤ46C、1速カウンタギヤ46Dと4速入力ギヤ41A、3速入力ギヤ41B、2速入力ギヤ41C、1速入力ギヤ41Dとの噛み合いによるスラスト力により、入力軸41がタービン軸16側に移動することがある。
この場合、入力軸41がカウンタ軸46に対して軸方向にずれてしまい、4速カウンタギヤ46Aと4速入力ギヤ41A等の噛み合い位置が軸方向にずれるおそれがある。
本実施例の変速機2は、入力ギヤ41Aから入力ギヤ41Dを有する入力軸41と、入力ギヤ41Aから入力ギヤ41Dにそれぞれ噛み合うカウンタギヤ46Aから46Dを有するカウンタ軸46とを含んで構成され、エンジン3の動力を変速する変速機構50を有する。
また、変速機2は、エンジン3のクランク軸3Aと入力軸41との間に設置され、クランク軸3Aの動力(回転速度)をタービン軸16から入力軸41に伝達するトルクコンバータ10と、トルクコンバータ10に設けられ、タービン軸16とクランク軸3Aとを直結するロックアップクラッチ17とを有する。
また、変速機2は、タービン軸16から入力軸41に動力を伝達または遮断する摩擦クラッチ31を備えている。
摩擦クラッチ31は、タービン軸16と一体回転自在に設けられたクラッチホイールディスク32、クラッチカバー34およびダイヤフラムスプリング35と、入力軸41と一体回転自在で、かつ、入力軸41の軸方向に移動自在に設けられ、クラッチホイールディスク32に締結される、または、クラッチホイールディスク32から離隔されるクラッチディスク33とを有する。
これに加えて、変速機2は、タービン軸16と入力軸41の間に設けられ、タービン軸16と入力軸41とを軸方向に付勢するコイルスプリング28を有する。
これにより、タービン軸16が初期位置から入力軸41側にずれた場合に、コイルスプリング28によってタービン軸16を入力軸41から離れた方向に付勢することができ、タービン軸16を初期位置に維持できる。
このため、タービン軸16と一体のクラッチホイールディスク32の位置を初期位置に維持できる。したがって、摩擦クラッチ31の締結完了位置と締結終了位置を初期位置に維持でき、摩擦クラッチ31を締結開始位置から締結完了位置まで円滑に制御できる。この結果、摩擦クラッチ31の制御の精度が悪化することを防止できる。
また、入力軸41が初期位置からタービン軸16側にずれた場合に、コイルスプリング28によって入力軸41をタービン軸16から離れた方向に付勢することができ、入力軸41を初期位置に戻すことができる。
このため、入力軸41がカウンタ軸46の軸方向にずれることを防止でき、4速カウンタギヤ46Aと4速入力ギヤ41A等の噛み合い位置が軸方向にずれることを防止できる。
また、本実施例の変速機2によれば、タービン軸16の後端部に凹部16aが形成されており、凹部16aに軸受27が収容されている。
入力軸41の前端部41aは、凹部16aに収容され、軸受27を介してタービン軸16と相対回転可能にタービン軸16に支持されており、コイルスプリング28は、凹部16aに収容されている。
これにより、タービン軸16の凹部16aのスペースを利用してコイルスプリング28をタービン軸16に設置でき、コイルスプリング28の設置スペースを低減できる。
また、コイルスプリング28を凹部16aに収容することにより、コイルスプリング28の組付けを容易に行うことができる。
また、凹部16aにコイルスプリング28を収容することにより、コイルスプリング28が伸縮する際にコイルスプリング28が径方向に広がることを防止できる。このため、コイルスプリング28が屈曲すること等を防止して、タービン軸16の軸方向に対するコイルスプリング28の付勢力が低下することを防止できる。
この結果、コイルスプリング28が大型化することを防止してタービン軸16と入力軸41を軸方向に付勢できる。
また、本実施例の変速機2によれば、軸受27は、凹部16aの内周面に嵌合され、タービン軸16と一体で回転する外輪27Aと、入力軸41の前端部41aの外周面に嵌合され、入力軸41と一端で回転する内輪27Bと、外輪27Aと内輪27Bの間に設けられたボール部材27Cとを有する。
凹部16aは、タービン軸16の軸方向で入力軸41側に開口する開口端16bと、タービン軸16の軸方向で開口端16bと反対側に位置する前端面16cとを有する。
これに加えて、コイルスプリング28の前端部は、凹部16aの前端面16cに当接し、コイルスプリング28の後端部は、外輪27Aに当接しているので、ロックアップクラッチ17の解放時にタービン軸16がリリース圧を受けて入力軸41側に移動しようとした場合に、タービン軸16をコイルスプリング28によって入力軸41から離れる方向に付勢できる。
具体的には、軸受27の外輪27Aの外周面が凹部16aの内周面にルーズに嵌合されている。これに加えて、内輪27Bは、入力軸41の前端部41aに形成された段部41cに当接しており、軸受27は、後方に移動することが規制されている。
これにより、タービン軸16がリリース圧を受けると、タービン軸16が外輪27Aに対して入力軸41側に移動しようとする。
このとき、コイルスプリング28が、入力軸41側に移動しようとするタービン軸16を入力軸41から離れる方向に付勢するので、タービン軸16を初期位置に維持できる。
一方、入力軸41がギヤの噛み合いによるスラスト力を受けると、入力軸41の段部41cが内輪27Bをタービン軸16側に押圧し、ボール部材27Cを介して内輪27Bに連結される外輪27Aが凹部16aの内周面に沿ってトルクコンバータ10側に移動しようとする。
このため、入力軸41がタービン軸16側に移動しようとする。このとき、コイルスプリング28が、タービン軸16側に移動しようとする入力軸41をタービン軸16から離れる方向に付勢するので、入力軸41を初期位置に維持できる。
また、コイルスプリング28を凹部16aの前端面16cと入力軸41の前端面に接触するように設置すると、タービン軸16と入力軸41が相対回転するときに、コイルスプリング28が摩耗することや疲労することにより、コイルスプリング28の耐久性が悪化する。
これに対して、本実施例の変速機2は、コイルスプリング28の前端部が凹部16aの前端面16cに当接し、コイルスプリング28の後端部が外輪27Aに当接しているので、タービン軸16と一体で回転させることができる。
このため、コイルスプリング28が摩耗することや疲労することを防止してコイルスプリング28の耐久性が悪化することを防止できる。この結果、コイルスプリング28によってタービン軸16や入力軸41の位置を初期位置に確実に、かつ安定して維持できる。
なお、本実施例の車両用動力伝達装置は、変速機に適用されているが、変速機に限定されるものではない。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
2...変速機(車両用変速機)、 3...エンジン(内燃機関)、3A ...クランク軸、10...トルクコンバータ(流体継手)、16...タービン軸、16a...凹部、16b...開口端、16c...前端面、17...ロックアップクラッチ、27...軸受、27A...外輪、27B...内輪、27C...ボール部材(転動体)、28...コイルスプリング(付勢部材)、31...摩擦クラッチ(クラッチ)、32...クラッチホイールディスク(第1のクラッチ部材)、33...クラッチディスク(第2のクラッチ部材)、41...入力軸(第1の回転軸)、41A,41B,41C,41D...入力ギヤ(第1のギヤ)、41a...前端部(第1の回転軸の前端部)、46...カウンタ軸(第2の回転軸)、46A,46B,46C,46D...カウンタギヤ(第2のギヤ)、50...変速機構

Claims (3)

  1. 複数の第1のギヤを有する第1の回転軸と、前記複数の第1のギヤにそれぞれ噛み合う複数の第2のギヤを有する第2の回転軸とを含んで構成され、内燃機関の動力を変速する変速機構と、
    前記内燃機関のクランク軸と前記変速機構の前記第1の回転軸との間に設置され、前記クランク軸の動力をタービン軸から前記第1の回転軸に伝達する流体継手と、
    前記流体継手に設けられ、前記タービン軸と前記クランク軸とを直結するロックアップクラッチと、
    前記タービン軸から前記第1の回転軸に動力を伝達または遮断するクラッチとを備え、
    前記クラッチが、前記タービン軸と一体回転自在に設けられた第1のクラッチ部材と、前記第1の回転軸と一体回転自在で、かつ、前記第1の回転軸の軸方向に移動自在に設けられ、前記第1のクラッチ部材に締結される、または、前記第1のクラッチ部材から離隔される第2のクラッチ部材とを有する車両用動力伝達装置であって、
    前記タービン軸と前記第1の回転軸の間に設けられ、前記タービン軸と前記第1の回転軸とを軸方向に付勢する付勢部材を有することを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記タービン軸の後端部に凹部が形成されており、
    前記凹部に軸受が収容されており、
    前記第1の回転軸の前端部は、前記凹部に収容され、前記軸受を介して前記タービン軸と相対回転可能に前記タービン軸に支持されており、
    前記付勢部材は、前記凹部に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記軸受は、前記凹部の内周面に嵌合され、前記タービン軸と一体で回転する外輪と、前記第1の回転軸の前端部の外周面に嵌合され、前記第2の回転軸と一端で回転する内輪と、前記外輪と前記内輪の間に設けられた転動体とを有し、
    前記凹部は、前記タービン軸の軸方向で前記第1の回転軸側に開口する開口端と、前記タービン軸の軸方向で前記開口端と反対側に位置する前端面とを有し、
    前記付勢部材の一端部は、前記前端面に当接し、前記付勢部材の他端部は、前記外輪に当接していることを特徴とする請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
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