JP7435577B2 - 近接型icカード,非接触チップ,および,コマンドの実行管理方法 - Google Patents

近接型icカード,非接触チップ,および,コマンドの実行管理方法 Download PDF

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Description

本発明は,近接型ICカードに実装されたコマンドの実行を管理する技術に関する。
近接型ICカード(Proximity IC Card)を使用する際,近接型ICカードは,近接型結合装置 (Proximity Coupling Device) にかざされる。近接型結合装置は,近接型ICカードに電力を誘導結合で供給し,かつ,近接型ICカードとデータ交換を行う装置である。近接型結合装置は,リーダライタと称されることもある。
近接型ICカードへ供給される電力は近接型結合装置の出力だけではなく,近接型ICカードから近接型結合装置までの距離にも依存する。近接型結合装置が発生する磁界の強度は,磁界の発生源となる近接型結合装置からの距離が大きくなるにつれて弱くなる。よって,近接型結合装置までの距離が大きい位置にある近接型ICカードへ供給される電力は小さくなる。逆に,近接型結合装置までの距離が小さい位置にある近接型ICカードへ供給される電力は大きくなる。
近接型ICカードが近接型結合装置にかざされ始めたとき,近接型ICカードから近接型結合装置までの距離は大きい。したがって,近接型ICカードが近接型結合装置にかざされ始めたとき,近接型ICカードへ供給される電力は小さくなる。このため,近接型ICカードが近接型結合装置にかざされ始めたときに近接型ICカードを動作させるためには,小さい消費電力で近接型ICカードを動作させる必要がある。
近接型ICカードの消費電力は,近接型ICカードの動作クロックに依存する。動作クロックが速くなると近接型ICカードの消費電力も増える。そこで,特許文献1で開示された発明では,近接型ICカードへ供給されている電力状態に応じて動作クロックを切替えている。特許文献1で開示された発明では,近接型ICカードへ供給されている電力が小さい場合,動作クロックを「低速」に設定する。
また,セキュリティに必要不可欠な暗号演算を高速に処理するための専用プロセッサであるコプロセッサを備えた近接型ICカードの場合,コプロセッサを動作させると近接型ICカードの消費電力は増える。そこで,特許文献2で開示された発明では,近接型ICカードへ供給されている電力が小さい場合,中央演算処理装置であるCPUまたはコプロセッサのいずれかに動作クロックの供給先を制御する。更に,特許文献2で開示された発明では,近接型ICカードへ供給されている電力が小さい場合,消費電力の小さいセキュリティ機能を選択することで消費電力を低減している。
特開2004-206409号公報 特開2020-13249号公報
近接型ICカードに係る規格(例えば,ISO/IEC14443)では,近接型結合装置と近接型ICカードの間の通信経路を確立する処理(初期化および衝突防止)に係る様々な時間が規定されている。例えば,この時間には,近接型結合装置が発生させる動作磁界に近接型ICカードが入ってからコマンド受信できるまでの時間が含まれる。特許文献1で開示された発明のように,近接型ICカードへ供給される電力が小さいときに近接型ICカードの動作クロックを遅くすると,近接型ICカードの規格で定められた時間内に処理が完了できないことが懸念される。また,特許文献2で開示された発明のように,近接型ICカードへ供給される電力に応じてセキュリティ機能を変更すると,近接型ICカードのセキュリティレベルが低下してしまう。
近接型ICカードに供給される電力に応じて,近接型ICカードで実行可能な処理を制限できれば,動作クロックを遅くすることなく,かつ,セキュリティレベルを低下させることなく,近接型ICカードで必要になる処理を効率的に実施できると考えられる。
そこで,本発明では,近接型ICカードに供給される電力に応じて,近接型ICカードで実行可能な処理を制限できるようにすることを目的とする。
上述した課題を解決する第1発明は,近接型結合装置が発生する搬送波を受信するコイルアンテナと,前記コイルアンテナが発生させる交流電圧から直流の供給電圧を発生させる電源回路と,前記電源回路が発生させた供給電圧の電圧値を検出する電圧検出回路と,コマンドの実行が許可される最低の電圧値である最低実行電圧値をコマンドごとに設定したコマンドテーブルと,前記搬送波にエンコードされたコマンドメッセージに対応するコマンドを実行する前に,前記コマンドテーブルを参照し,前記電圧検出回路が検出している供給電圧の電圧値と前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている前記最低実行電圧値を比較し,前記電圧検出回路が検出している供給電圧の電圧値が,前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている前記最低実行電圧値に達している場合,前記コマンドメッセージに対応するコマンドを実行するコマンド処理部を備えたことを特徴とする近接型ICカードである。
上述した課題を解決する第2発明は,近接型ICカードに実装される非接触チップであって,近接型結合装置が発生する搬送波を受信するコイルアンテナと接続し,前記コイルアンテナが発生させる交流電圧から直流の供給電圧を発生させる電源回路と,前記電源回路が発生させた供給電圧の電圧値を検出する電圧検出回路と,コマンドの実行が許可される最低の電圧値である最低実行電圧値をコマンドごとに設定したコマンドテーブルと,前記搬送波にエンコードされたコマンドメッセージに対応するコマンドを実行する前に,前記電圧検出回路が検出している供給電圧の電圧値と前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている前記最低実行電圧値を比較し,前記電圧検出回路が検出している供給電圧の電圧値が,前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている前記最低実行電圧値に達している場合,前記コマンドメッセージに対応するコマンドを実行するコマンド処理部を備えたことを特徴とする非接触チップである。
上述した課題を解決する第3発明は,近接型結合装置が発生する搬送波を受信するコイルアンテナと,前記コイルアンテナが発生させる交流電圧から直流の供給電圧を発生させる電源回路を備えた近接型ICカードで実行される方法であって,前記近接型ICカードが,前記搬送波にエンコードされたコマンドメッセージに対応するコマンドを実行する前に,コマンドの実行が許可される最低の電圧値である最低実行電圧値をコマンドごとに設定したコマンドテーブルを利用して,供給電圧の電圧値と前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている最低実行電圧値を比較するステップと,供給電圧の電圧値が前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている最低実行電圧値に達している場合,前記近接型ICカードが,前記コマンドメッセージに対応するコマンドを実行するステップを含むことを特徴とするコマンドの実行管理方法である。
本発明に係る課題を達成するために,上述した本発明は,近接型ICカードに供給される電力(電圧)に応じて,近接型ICカードで実行可能なコマンドを制限できるように構成されている。
近接型ICカードを説明する図。 近接型ICカードのハードウェア構成を説明する図。 近接型ICカードのブロックダイアグラムを説明する図。 コマンドメッセージを説明する図。 コマンドテーブルを説明する図。 近接型ICカードが備えるコマンド処理部の動作を説明する図。 最低実行電圧値によるコマンドの実行可否判定の一例を示した図。
ここから,本発明に係る実施形態について記載する。本実施形態は,本発明の理解を容易にするためのものであり,本発明は,本実施形態に限定されるものではない。また,特に断りのない限り,図面は,本発明の理解を容易にするために描かれた模式的な図である。
本実施形態に係る近接型ICカード1について説明する。図1は,本実施形態に係る近接型ICカード1を説明する図である。本実施形態に係る近接型ICカード1は,ISO/IEC14443_TypeBなどの近接型の非接触通信に対応したデバイスである。近接型結合装置3は,近接型ICカード1に電力を誘導結合で供給し,かつ,近接型ICカード1とデータ交換を行う装置である。近接型結合装置3は,リーダライタとも呼ばれている。
近接型ICカード1は,コイルアンテナ1aとこれに接続した非接触チップ2を内蔵する。近接型ICカード1は,コイルアンテナ1aを利用して近接型結合装置3が送信したコマンドメッセージを受信し,このコマンドメッセージに対応する処理を実行する。
図1において,近接型ICカード1はクレジットカードの形状をなしている。しかし,クレジットカードは近接型ICカード1の1つの形状にしか過ぎない。近接型ICカード1は,コイルアンテナ1aとこれに接続した非接触チップ2を実装した媒体であればよい。近接型ICカード1の形状はスティック状またはコイン状でもよい。
図2は,近接型ICカード1のハードウェア構成を説明する図である。図1を用いて説明したごとく,近接型ICカード1は,非接触チップ2と接続しているコイルアンテナ1aを備えている。近接型の非接触通信に対応するために,コイルアンテナ1aの共振周波数は13.56MHの近傍に調整されている。
図2で図示した非接触チップ2は,RF回路21(RF: Radio Frequency),電圧検出回路22,CPU20(Central Processing Unit),RAM23(Random Access Memory),ROM24(Read Only Memory),NVM25(Non-volatile Memory)およびコプロセッサ26を備えている。
非接触チップ2が備えるRF回路21は,近接型結合装置3が発生する搬送波から交流電圧を発生させるコイルアンテナ1aと接続する。非接触チップ2が備えるRF回路21は,コイルアンテナ1aが発生させる交流電圧から直流の供給電圧(Vcc)を発生させる電源回路210を少なくとも備える。RF回路21が備える電源回路210は整流回路により構成されるのが一般的である。電源回路210が発生させる直流の供給電圧は,電圧検出回路22,CPU20,RAM23,ROM24,NVM25およびコプロセッサ26などの回路に供給される。
RF回路21は,図2で図示していない回路として,近接型結合装置3が発生する搬送波にデータをエンコードする処理を行う変調回路,および,近接型結合装置3が発生する搬送波にエンコードされたデータをデコードする処理を行う復調回路,非接触チップ2の動作クロックを生成するクロック生成回路などを備えている。
CPU20は,非接触チップ2の中心的な演算処理装置である。RAM23は,電気的に書き換え可能な揮発性メモリである。ROM24は,読出し専用のメモリである。NVM25は,電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである。コプロセッサ26は,セキュリティに必要不可欠な暗号演算を高速に処理するための専用プロセッサである。
電圧検出回路22は,RF回路21の電源回路210が発生する供給電圧の電圧値を検出する回路である。RF回路21の電源回路210が発生する供給電圧の電圧値をアナログ信号からデジタル信号に変換する回路として,ADコンバータを用いることができる。電圧検出回路22にADコンバータを用いる場合,ADコンバータの出力がレジスタを介してCPU20に入力される。
RF回路21の電源回路210が発生する供給電圧の電圧値をアナログ信号から2値の信号に変換する場合,供給電圧の電圧値を検出する検出する回路として,RF回路21の電源回路210が発生する供給電圧と基準電圧をコンパレータにより比較する回路を用いることもできる。電圧検出回路22にコンパレータを用いる場合,スイッチなどを利用して,コンパレータによる電圧の比較結果がCPU20に入力される。
図3は,近接型ICカード1のブロックダイアグラムを説明する図である。図3で図示したブロックダイアグラムによれば,近接型ICカード1は,ハードウェアとして,図2を用いて説明したRF回路21,電源回路210および電圧検出回路22を備える。また,図3で図示したブロックダイアグラムによれば,近接型ICカード1は,ソフトウェアにより実現される機能として,伝送制御部12,コマンド処理部10および複数のコマンド11を備える。
近接型ICカード1が備える伝送制御部12は,近接型結合装置3と近接型ICカード1の間の通信経路を確立する処理と,近接型結合装置3と近接型ICカード1の間の通信に用いる伝送制御プロトコルに係る処理を実行する機能である。近接型結合装置3と近接型ICカード1の間の通信経路を確立する処理は,例えば,ISO14443-3で規定されている。ISO14443-3では,近接型結合装置3と近接型ICカード1の間の通信経路を確立する処理を,初期化および衝突防止(Initialization and Anticollision)と呼んでいる。また,近接型結合装置3と近接型ICカード1の間の通信に用いる伝送制御プロトコルは,例えば,ISO14443-4で規定されている。
近接型ICカード1が備える伝送制御部12が扱うメッセージは,TPDU(Transmission Protocol Data Unit)になる。近接型ICカード1が受信するTPDUにはコマンドメッセージ(C-APDU: Command Application Protocol Data Unit)が含まれる。
近接型結合装置3は,コマンドメッセージを含ませたTPDUをエンコードした搬送波を送出する。近接型ICカード1は,コイルアンテナ1aを利用してこの搬送波を受信する。近接型ICカード1のRF回路21は,搬送波に含まれるTPDUをデコードする。伝送制御部12は,RF回路21がデコードしたTPDUの正当性を検証する。TPDUの正当性検証に成功すると,TPDUに含まれるコマンドメッセージをコマンド処理部10に引き渡す。
図4は,コマンドメッセージを説明する図である。図4では,コマンドメッセージの一例を図示している。図4で図示したコマンドメッセージには,コマンド11を識別する情報となるコマンド識別子,コマンド11の実行に必要なパラメータ,および,コマンド11が処理するデータが含まれる。ISO/IEC7816-3に準ずる場合,コマンド識別子はCLAおよびINSに該当する。また,ISO/IEC7816-3に準ずる場合,パラメータはP1およびP2に該当する。更に,ISO/IEC7816-3に準ずる場合,データは,Lc,データフィールドおよびLeに該当する。
近接型ICカード1が備えるコマンド11は,所定の処理を実行する機能である。近接型ICカード1は,複数のコマンド11を備える。近接型ICカード1が備えるコマンド11には,ファイルなどを選択する選択コマンド,ファイルを読み出す読出しコマンド,ファイルにデータを書き込む書き込みコマンド,認証に係る処理を行う認証コマンドなどのユーザコマンドが含まれる。また,近接型ICカード1が備えるコマンド11には,近接型ICカード1をロックするロックコマンドなどのシステムコマンドが含まれる。コマンド11のプログラムコードをROM24に実装するのが一般的であるが,コマンド11のプログラムコードをNVM25に実装してもよい。
コマンド11には,コマンド11の実行を許可する条件を示す実行条件が設定される。本実施形態では,コマンド11の実行条件に,コマンド11の実行を許可する最低の電圧値である最低実行電圧値が含まれる。1つのコマンド11に設定される実行条件は1つとは限らない。1つのコマンド11には,最低実行電圧値に加えて,セキュリティ条件(定められた認証の成功)を実行条件として設定できる。
近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,伝送制御部12から引き渡されたコマンドメッセージに対応するコマンド11を実行するコマンド処理機能を有している。コマンド処理部10のプログラムコードはROM24に実装されるのが一般的である。
近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,コマンド11を実行する前に,近接型ICカード1においてコマンド11に設定されたすべての実行条件を満たしているか確認し,すべての実行条件を満たしている場合のみ,コマンド11を実行する。
近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,上述したコマンド処理機能以外に,コマンドメッセージの正当性を検証する機能,コマンド11の処理結果を示すレスポンスメッセージ(R-APDU: Response APDU)を近接型結合装置3へ応答する機能などを有する。
近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,伝送制御部12から引き渡されたコマンドメッセージに対応するコマンド11に設定された最低実行電圧値を特定するために,コマンドテーブル100を有している。コマンドテーブル100の内容を変更できるように,コマンドテーブル100をNVM25に実装することが望ましい。
図5は,コマンドテーブル100を説明する図である。図5で図示した通り,コマンドテーブル100では,近接型ICカード1が備えるコマンド11ごとに,コマンド識別子と,コマンド11の実行が許可される最低の電圧値である最低実行電圧値と,コマンド11の呼び出しアドレスが少なくとも対応付けられている。図5で図示したコマンドテーブル100は,3つのコマンド識別子を含んでいる。コマンドA,コマンドBおよびコマンドCである。図5によると,コマンド識別子がコマンドAのコマンド(以下,「コマンドA」と略す。)に対応する最低実行電圧値は電圧値Aで,コマンドAの呼び出しアドレスは呼び出しアドレスAである。また,コマンド識別子がコマンドBのコマンド(以下,「コマンドB」と略す。)に対応する最低実行電圧値は電圧値Bで,コマンドBの呼び出しアドレスは呼び出しアドレスBである。また,コマンド識別子がコマンドCのコマンド(以下,「コマンドC」と略す。)に対応する最低実行電圧値は電圧値Cで,コマンドCの呼び出しアドレスは呼び出しアドレスCである。最低実行電圧値の大きさ順は,電圧値A<電圧値B<電圧値Cになっている。最低実行電圧値が最も小さいコマンドAは,消費電力が小さいコマンド11,例えば,近接型結合装置と近接型ICカードの間の通信経路を確立する処理で用いるコマンド11である。また,最低実行電圧値が2番目に小さいコマンドBは,消費電力が比較的大きいコマンド11,例えば,書き込みコマンドなどのコマンド11である。最低実行電圧値が最も大きいコマンドCは,消費電力が大きいコマンド11,例えば,認証コマンドなど,コプロセッサ26を使用するコマンド11である。
図6は,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10の動作を説明する図である。図6の説明は,本発明に係る方法,すなわち,コマンドの実行管理方法の説明も兼ねている。
図6で図示したステップS1において,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,近接型結合装置3からコマンドメッセージを受信する。
次に,図6で図示したステップS2において,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,ステップS1で受信したコマンドメッセージに対応する処理をサポートしているか否かを判定する。コマンド処理部10は,この判定にコマンドテーブル100を利用する。近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,コマンドメッセージに含まれるコマンド識別子がコマンドテーブル100にある場合,ステップS1で受信したコマンドメッセージに対応する処理を「サポートしている」と判定する。また,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,コマンドメッセージに含まれるコマンド識別子がコマンドテーブル100にない場合,ステップS1で受信したコマンドメッセージに対応する処理を「サポートしていない」と判定する。
近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,ステップS2の判定結果に基づいて処理を分岐する。ステップS2の判定結果が「サポートしていない」の場合,図6で図示したステップS8において,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,コマンドメッセージに対応する処理をサポートしていないことを示すレスポンスメッセージを応答して,図6の手順は終了する。
ステップS2の判定結果が「サポートしている」の場合,図6で図示したステップS3において,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,ステップS1で受信したコマンドメッセージに対応する処理で用いるコマンド11を特定する。コマンドメッセージに対応する処理で用いるコマンド11は,コマンドメッセージに含まれるコマンド識別子で特定できる。
次に,図6で図示したステップS4において,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,コマンドメッセージに対応する処理で用いるコマンド11に設定されている最低実行電圧値を特定する。近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,最低実行電圧値の特定にコマンドテーブル100を利用する。近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,コマンドメッセージに含まれるコマンド識別子に対応する最低実行電圧値をコマンドテーブル100から読み取る。
次に,図6で図示したステップS5において,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,電圧検出回路22が検出しているこの時点の供給電圧の電圧値が,コマンドテーブル100から読み取った最低実行電圧値に達しているか判定する。なお,供給電圧の電圧値が最低実行電圧値に達しているとは,供給電圧の電圧値が最低実行電圧値と同じかまたはこれを上回ることを意味する。
近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,図6のステップS5の判定結果に基づいて処理を分岐する。ステップS5において,供給電圧の電圧値がコマンド11の最低実行電圧値に達していない場合,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,図6のステップS9において,コマンド11の実行条件を満たしていないことを示すレスポンスメッセージを応答する処理を実行して,図6の手順は終了する。
図6で図示したステップS5において,供給電圧の電圧値がコマンド11の最低実行電圧値に達している場合,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,図6のS6において,コマンドメッセージに含まれるコマンド識別子に対応する呼び出しアドレスをコマンドテーブル100から特定し,この呼び出しアドレスを利用してコマンドメッセージに対応するコマンド11を実行する。
次に,図6で図示したステップS7において,近接型ICカード1が備えるコマンド処理部10は,図6のS6において実行したコマンド11の実行結果を示すレスポンスメッセージを応答する処理を実行して,図6の手順は終了する。
図7は,最低実行電圧値によるコマンドの実行可否判定の一例を示した図である。図7は,図5で図示したコマンドテーブル100に基づいている。図5によると,近接型ICカード1の供給電圧が電圧値Aの場合,図6の手順に従えば,実行が許可されるコマンド11は,コマンドAのみである。電圧値AはコマンドAの最低実行電圧値になるため,供給電圧が電圧値Aの場合,コマンドAは実行可である。電圧値Aは,コマンドBの最低実行電圧値である電圧値Bより小さい。また,電圧値Aは,コマンドCの最低実行電圧値である電圧値Cより小さい。よって,供給電圧が電圧値Aの場合,コマンドBおよびコマンドCそれぞれは実行不可である。
図5によると,近接型ICカード1の供給電圧が電圧値Bの場合,図6の手順に従えば,実行が許可されるコマンドは,コマンドAとコマンドBになる。電圧値BはコマンドBの最低実行電圧値であるため,供給電圧が電圧値Bの場合,コマンドBは実行可である。また,電圧値Bは,コマンドAの最低実行電圧値である電圧値Aよりも大きいため,供給電圧が電圧値Bの場合,コマンドAは実行可である。電圧値Bは,コマンドCの最低実行電圧値である電圧値Cよりも小さいため,供給電圧が電圧値Bの場合,コマンドCは実行不可である。
図5によると,近接型ICカード1の供給電圧値が電圧値Cの場合,図6の手順に従えば,実行が許可されるコマンドは,コマンドA,コマンドBおよびコマンドCになる。電圧値CはコマンドCの最低実行電圧値になるため,供給電圧が電圧値Cの場合,コマンドCは実行可である。また,電圧値Cは,コマンドAの最低実行電圧値である電圧値AおよびコマンドBの最低実行電圧値である電圧値Bそれぞれよりも大きいため,供給電圧が電圧値Cの場合,コマンドAおよびコマンドBは実行可である。
近接型ICカード1が近接型結合装置3にかざされ始めたとき,近接型ICカード1へ供給される電力は小さいが,本実施形態に係る近接型ICカード1では,近接型結合装置と近接型ICカードの間の通信経路を確立する処理で用いるコマンド11など,消費電力が小さいコマンド11を実行させることができる。また,近接型ICカード1と近接型結合装置3の距離が小さくなり,近接型ICカード1へ供給される電力が大きくなると,本実施形態に係る近接型ICカード1では,消費電力が小さいコマンド11に加えて,コプロセッサ26を使用するコマンド11など,消費電力が大きいコマンド11も実行させることができる。
1 近接型ICカード
10 コマンド処理部
100 コマンドテーブル
2 非接触チップ
21 RF回路
210 電源回路
22 電圧検出回路
3 近接型結合装置

Claims (3)

  1. 近接型結合装置が発生する搬送波を受信するコイルアンテナと,
    前記コイルアンテナが発生させる交流電圧から直流の供給電圧を発生させる電源回路と,
    前記電源回路が発生させた供給電圧の電圧値を検出する電圧検出回路と,
    コマンドの実行が許可される最低の電圧値である最低実行電圧値をコマンドごとに設定したコマンドテーブルと,
    前記搬送波にエンコードされたコマンドメッセージに対応するコマンドを実行する前に,前記コマンドテーブルを参照し,前記電圧検出回路が検出している供給電圧の電圧値と前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている前記最低実行電圧値を比較し,前記電圧検出回路が検出している供給電圧の電圧値が,前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている前記最低実行電圧値に達している場合,前記コマンドメッセージに対応するコマンドを実行するコマンド処理部を,
    備えたことを特徴とする近接型ICカード。
  2. 近接型ICカードに実装される非接触チップであって,
    近接型結合装置が発生する搬送波を受信するコイルアンテナと接続し,前記コイルアンテナが発生させる交流電圧から直流の供給電圧を発生させる電源回路と,
    前記電源回路が発生させた供給電圧の電圧値を検出する電圧検出回路と,
    コマンドの実行が許可される最低の電圧値である最低実行電圧値をコマンドごとに設定したコマンドテーブルと,
    前記搬送波にエンコードされたコマンドメッセージに対応するコマンドを実行する前に,前記電圧検出回路が検出している供給電圧の電圧値と前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている前記最低実行電圧値を比較し,前記電圧検出回路が検出している供給電圧の電圧値が,前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている前記最低実行電圧値に達している場合,前記コマンドメッセージに対応するコマンドを実行するコマンド処理部を,
    備えたことを特徴とする非接触チップ。
  3. 近接型結合装置が発生する搬送波を受信するコイルアンテナと,前記コイルアンテナが発生させる交流電圧から直流の供給電圧を発生させる電源回路を備えた近接型ICカードで実行される方法であって,前記近接型ICカードが,前記搬送波にエンコードされたコマンドメッセージに対応するコマンドを実行する前に,コマンドの実行が許可される最低の電圧値である最低実行電圧値をコマンドごとに設定したコマンドテーブルを利用して,供給電圧の電圧値と前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている最低実行電圧値を比較するステップと,供給電圧の電圧値が前記コマンドメッセージに対応するコマンドに設定されている最低実行電圧値に達している場合,前記近接型ICカードが,前記コマンドメッセージに対応するコマンドを実行するステップを含むことを特徴とするコマンドの実行管理方法。
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