本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。図1(a)は、本実施形態に係る水処理装置の一例を示す模式断面図であり、図1(b)は、本実施形態に係る水処理装置の一例を示す模式上面図である。図1(a)に示すように、水処理装置1は、流入口26と排出口28とが設けられた槽内に生物汚泥を収容し、被処理水を生物処理するための反応槽10を備える。水処理装置1は、被処理水導入管12、被処理水ポンプ14および電磁バルブ16を備える被処理水導入装置と、ブロワ18および散気管20を備える散気装置、処理水集水路22、制御装置24を備えている。排出口28は、反応槽10内の水面位置に設置され、排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向に設けられた隔壁32を備える。なお、図1(b)では、ブロワ18および散気管20を備える散気装置、制御装置24を省略している。
反応槽10は、槽内に被処理水を流入させる流入口26を備える。図1に示す反応槽10では、角型状の反応槽10の1側面に複数の流入口26が設置されている。流入口26は、後述する沈降工程において、反応槽10の底部上に形成された生物汚泥層の界面位置より低い位置に配置され、水平方向に向かって開口しており、被処理水が、流入口26から生物汚泥層中に水平方向に供給される。ここで、本願明細書で規定する水平方向には、略水平方向も含まれる。略水平方向は、水平方向(通常は、反応槽底部の平坦な表面が延在する方向と平行な方向)に対して10°以内の傾斜角度を有する方向を含む。
流入口26の数は、特に制限されるものではないが、被処理水の拡散性を高める点で、複数個とすることが望ましい。複数の流入口26を設置する場合には、被処理水の拡散性を向上させる点で、例えば、0.5m~5m間隔で配置することが好ましい。流入口26は、被処理水を沈降工程において反応槽10内底部に形成された生物汚泥層中に略水平方向に供給するように開口していることが好ましい。
反応槽10は、反応槽10内で生物処理された処理水を排出する排出口28を備える。図1に示す反応槽10では、流入口26が設けられている角型状の反応槽10の1側面とは反対側の側面に排出口28が設けられている。そして、排出口28は、反応槽10の水面位置に配置されている(実質的には、排出口28の下端が、反応槽10の水面位置に位置している)。なお、本実施形態では、後述するように、流入口26から反応槽10内に被処理水を流入しながら、排出口28から反応槽10内の生物処理水を排出するため、反応槽10の水面位置は実質的に変動しない。
被処理水導入装置を構成する被処理水導入管12は、反応槽10の外側から流入口26に接続されている。被処理水導入管12には、被処理水導入装置を構成する被処理水ポンプ14および電磁バルブ16が設置されている。被処理水ポンプ14および電磁バルブ16は、制御装置24と電気的接続等によって接続されている。被処理水導入装置は、反応槽10に設けられた流入口26に被処理水を供給する機能を有するものであれば、上記装置構成に限定されない。
図1に示す処理水集水路22は、反応槽10の外側に設置されており、反応槽10に設けられた排出口28を介して反応槽10の内部と連通している。
散気装置を構成するブロワ18は、散気管20に接続されており、ブロワ18により酸素や空気等の曝気ガスが散気管20に送られ、散気管20により曝気ガスが反応槽10内に供給される。これにより、反応槽10内の水が流動し撹拌される。なお、図での説明は省略するが、例えば、モータの回転に伴って撹拌翼が回転するような撹拌装置を反応槽10に設置して、反応槽10内の水を撹拌してもよい。図1に示す水処理装置1は、好気条件での生物処理を想定したものであるが、嫌気条件での生物処理にも適用可能である。そして、嫌気条件で処理する場合には、散気装置を設置せずに、撹拌装置を設置すればよい。
隔壁32は、排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。ここで、本願明細書で規定する垂直方向には、略垂直方向も含まれる。略垂直方向は、反応槽底面に対して垂直な方向に対して45°以内の傾斜角度を有する方向を含む。
制御装置24は、例えば、プログラムを演算するCPU等の演算手段、プログラムや演算結果を記憶するROMおよびRAM等の記憶手段等から構成されるマイクロコンピュータと電子回路等で構成され、散気装置や被処理水導入装置の稼働を制御する機能を有するものである。
以下に、本実施形態に係る水処理方法および水処理装置1の動作の一例を説明する。
例えば、制御装置24により、電磁バルブ16が開放されるとともに、被処理水ポンプ14が稼働されて、被処理水が被処理水導入管12を通り、流入口26から反応槽10内に流入される。なお、反応槽10内には予め生物汚泥が投入されることが望ましい。
図2は、生物処理工程のときの水処理装置1の状態の一例を示す模式断面図である。反応槽10内の被処理水の水位が所定の水位に達した段階で、制御装置24により、電磁バルブ16が閉じられるとともに、被処理水ポンプ14の稼働が停止され、ブロワ18が稼働される。これにより、図2に示すように、曝気ガスが散気管20から反応槽10内に供給され、反応槽10内の被処理水および生物汚泥が撹拌される。そして、反応槽10内の被処理水が、生物汚泥により生物処理されて(生物処理工程)、被処理水中の処理対象物質(例えば、有機物等)が分解される。
図3は、沈降工程のときの水処理装置1の状態の一例を示す模式断面図である。生物処理工程を所定時間実施した後、制御装置24によりブロワ18の稼働が停止されて、反応槽10内の被処理水の撹拌および曝気が停止される。これにより、図3に示すように、生物汚泥の沈降が行われ(沈降工程)、反応槽10の底部上には生物汚泥層30が形成される。
図4は、流入/排出工程のときの水処理装置1の状態の一例を示す模式断面図である。沈降工程が所定時間実施されて、反応槽10の底部上に生物汚泥層30が形成された後、制御装置24により、被処理水ポンプ14が稼働されるとともに、電磁バルブ16が開放されて、被処理水が被処理水導入管12から流入口26に供給される。これにより、図4に示すように、被処理水が、流入口26から生物汚泥層30中に水平方向に供給されながら、反応槽10内において生物処理された生物処理水が排出口28から処理水集水路22に排出される(流入/排出工程)。処理水は、処理水集水路22から水処理装置1の系外へ排出される。そして、流入/排出工程を所定時間実施した後、前述の生物処理工程に戻る。すなわち、流入/排出工程、生物処理工程、沈降工程を繰り返す運転サイクル工程が行われる。
半回分式のグラニュール形成装置においては、同一の反応槽を用いて流入/排出工程、生物処理工程、沈降工程を繰り返す運転サイクル工程を行う方法であることから、上記の通り、流入工程において槽内の微生物汚泥を含むSS成分が流出し、槽内の汚泥量が低下するという課題があった。汚泥量が低下すると、被処理水の流入負荷量に対する汚泥量の比が大きくなり、グラニュール汚泥を形成することが困難となることや、処理水質が悪化することが懸念される。処理水にSS成分が流出する要因としては、流入/排出工程中に槽内の汚泥が脱窒反応を起こし、窒素ガスが発生することで堆積した汚泥の一部が窒素ガスを抱き込んで水面位置に浮上して流出することや、そもそも槽内の汚泥の沈降速度が被処理水の流入線速度よりも遅いことで汚泥が流出すること、また、反応槽内で被処理水の(片流れ)ショートパスを起こして局所的に流速が早い箇所が生じることで汚泥が流出する、等の影響が考えられる。特に、流入する被処理水中に有機物と窒素成分を含み、なおかつ窒素濃度が高い場合は、脱窒反応が進行しやすく、汚泥の浮上および処理水への流出がみられる傾向がある。本実施形態に係る水処理方法および水処理装置1では、隔壁32を設けることによって、半回分式反応槽を用いて反応槽内に被処理水を流入しながら生物処理水を排出する生物処理において、安定的にグラニュール形成を行い、処理水質の悪化を抑制することができる。隔壁32を設けることによって、被処理水の流入/処理水工程において、処理水由来のSS成分の流出を抑え、槽内汚泥量が低下しすぎないようにすることで安定的かつ効率的にグラニュール形成を行い、ひいては、高い処理性能を有する水処理装置を提供することができる。
排出口28から隔壁32までの水平方向の距離は、排出口28が設置されている反応槽10の壁面とその対面の壁面との距離に対して5%~50%の範囲であることが好ましく、5%~20%の範囲であることがより好ましい。この距離が5%未満であると、隔壁32と排出口28とに囲まれた領域における水面積負荷が高くなり、流出SSが高くなる、ひいては沈降性の高いグラニュール汚泥さえも流出する場合があり、50%を超えると、隔壁設置の効果が低くなるためSS流出の抑制が困難となる場合がある。
流入/排出工程における被処理水の流入量を、隔壁32と排出口28とに囲まれた領域における水面積負荷が1m/hr~400m/hrの範囲となるように制御することが好ましく、2m/hr~200m/hrの範囲となるように制御することが好ましい。この水面積負荷が400m/hrを超えると、流出SSが高くなる場合がある。
隔壁32の底辺から水面位置までの距離は、50mm~2000mmの範囲であることが好ましく、100mm~500mmの範囲であることが好ましい。この距離が50mm未満であると、水面付近にまで巻き上がったSSまたは汚泥が排出口方向に流出する場合があり、2000mmを超えると、壁面と隔壁に囲まれ、水面積負荷が高くなる部分の容積が大きくなることでSSの流出リスクが高まる場合がある。
ここで、上記運転サイクル工程における沈降性の高い生物汚泥(例えば、グラニュール化した生物汚泥)の形成には、細菌が生産する細胞外基質(EPS)が影響していると考えられている。そして、EPSを形成するには、反応槽10内で生物処理される処理対象物質の濃度勾配を形成することが望ましい。例えば、被処理水中の有機物を生物処理する場合には、有機物の濃度勾配を形成することが望ましく、アンモニア態窒素や硝酸態窒素等の窒素含有物質を生物処理する場合には、窒素含有物質の濃度勾配を形成することが望ましい。そして、処理対象物質の濃度勾配は、流入/排出工程において、反応槽10内の処理対象物質濃度を高くし(飽食状態)、生物処理工程において、反応槽10内の処理対象物質を消費させて、反応槽10内の処理対象物質濃度を低下させる(飢餓状態)ことによって形成される。そして、本実施形態のように、流入/排出工程において、被処理水を流入口26から生物汚泥層30中に水平方向に流入させることにより、被処理水が生物汚泥と接触する経路を十分に確保することが可能となるため、被処理水中の処理対象物質が槽内に残存し易くなる。これにより、流入/排出工程において、反応槽10内に残存する処理対象物質濃度を効率的に高くすることができるため、反応槽10内の処理対象物質の濃度勾配を大きくすることが可能となる。その結果、沈降性の高い生物汚泥の形成が可能となり、ひいては生物処理速度を向上させることが可能となる。また、被処理水を生物汚泥層30中に上向流で供給してもよい(すなわち、被処理水を生物汚泥層30中に垂直方向に供給してもよい)。その場合は、反応槽10内に形成された生物汚泥層30の厚みがある程度厚い状態であれば、被処理水が生物汚泥と接触する経路を十分に確保することができ、反応槽10内に残存する処理対象物質の濃度を効率的に高くすることできる。水平方向の流入の場合には、反応槽10内に形成された生物汚泥層30の厚みが薄い状態でも、上記の上向流の場合と比較して、被処理水が生物汚泥と接触する経路が十分に確保されるため、反応槽10内に残存する処理対象物質の濃度を高くすることができる。また、本実施形態に係る水処理装置1によれば、従来の水処理装置のように、被処理水の流入にディストリビューターを設置しなくてもよいため、設備費用や運転管理費用等の増大も抑制される。特に大規模処理設備用の水処理装置として、本実施形態に係る水処理装置1を適用することで、設備費用や運転管理費用を効果的に削減できると考えられる。
水処理装置1により形成された沈降性の高い生物汚泥は、自身の生物処理に用いてもよいし、反応槽10から取り出して、他の生物処理槽に供給してもよい。他の生物処理槽としては、水処理装置1のような半回分式でもよいし、被処理水を連続的に導入しながら生物処理を行う連続式でもよい。これにより、例えば、他の生物処理槽における生物処理速度を向上させることが可能となる。また、水処理装置1により得られた生物処理水を、他の生物処理槽(連続式または半回分式)に供給してもよい。これにより、例えば、生物処理水の水質をより良好にすることが可能となる。
本実施形態に係る水処理装置の運転条件や変形例等について、以下説明する。
本実施形態に係る水処理装置に適用される被処理水は、例えば、食品加工工場排水、化学工場排水、半導体工場排水、機械工場排水、下水、し尿、河川水等の生物分解性を有する物質(処理対象物質)を含有する排水等である。生物分解性を有する物質は、例えば、有機物、アンモニア性窒素、硝酸態窒素等の窒素含有物質等である。例えば、有機物を含む被処理水を生物処理する場合、被処理水中の有機物は生物汚泥(微生物)との接触により、二酸化炭素まで分解される。また、例えば、窒素含有物質を含む被処理水を生物処理する場合、被処理水中の窒素含有物質は生物汚泥(微生物)との接触により、窒素ガスまで分解される。
被処理水中に有機物と窒素成分を含み、なおかつ窒素濃度が高い場合に、例えば有機物濃度が50~200mg/Lの範囲のような下水に対し、窒素濃度が30mgN/L以上である場合に、本実施形態に係る水処理装置および水処理方法を好適に適用することができる。被処理水中の窒素濃度が高い、例えば有機物含有被処理水中の窒素成分が30mgN/L以上の場合であっても、汚泥の処理水への流出を抑制することができる。
被処理水に油脂分が多く含まれる場合には、生物処理に悪影響を及ぼす場合があるため、反応槽10へ供給される前の被処理水に、浮上分離、凝集加圧浮上、吸着等の既存の手法にて、例えば150mg/L以下程度にまで油脂分を除去しておくことが好ましい。
被処理水中のBOD濃度は、特に制限されるものではない。一般的に、沈降性の高い生物汚泥の形成が困難とされる被処理水中のBOD濃度は、50~200mg/Lの範囲とされているが、本実施形態に係る水処理装置によれば、上記BOD濃度の範囲でも、沈降性の高い生物汚泥を形成することが可能となる。なお、本実施形態に係る水処理装置では、例えば、沈降性指標であるSVI30が50mL/g以下、SVI5が70mL/g以下の生物汚泥を形成することが可能である。
流入/排出工程において反応槽10内の処理対象物質濃度を高くする(生物処理工程開始時点における反応槽10内の処理対象物質をより高める)ことがグラニュール形成に効果的であることから、流入/排出工程における、反応槽10内での処理対象物質の残存率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。ここで反応槽10内の処理対象物質の残存率とは、被処理水中の処理対象物質の濃度に対する、流入/排出工程終了後の槽内の処理対象物質濃度の割合を示す。
流入口26の設置位置は、沈降工程において反応槽10の底部上に形成された生物汚泥層30の界面位置より低い位置である場合は、通常、反応槽10の高さが有効水深として2m~8mで設計され、生物汚泥層30の界面高さが反応槽10の高さの10%~50%で運用されることを想定すると、流入口26は反応槽10の底部から4m以内の高さの位置に設置されていることが好ましく、2m以内の高さの位置に設置されていることがより好ましく、1m以内の高さに設置されていることがさらに好ましい。
被処理水の流入率は、例えば、10%以上100%以下の範囲とすることが好ましい。被処理水の流入率とは、反応槽10内の有効容積に対する運転1サイクルにおける被処理水の流入量の比率である。ここで、反応槽10内に残存する処理対象物質の濃度を高めるには、被処理水の流入率はできるだけ高くとった方が良いが、その一方で、被処理水の流入率を高くすればするほど、被処理水の短絡による処理水悪化の懸念がある。そのため、これらを鑑みると、被処理水の流入率は20%以上80%以下の範囲とすることがより好ましい。ただし、反応槽10の後段に活性汚泥槽等の処理装置が設置され、後段処理装置後の最終処理水の水質が悪化しない範囲においては、被処理水の流入率に特に制限はなく、例えば100%超とすることも可能である。なお、被処理水の流入率を100%超とする場合には、運転サイクル数の低下を抑えるために、被処理水の流入率の上限を200%以下とすることが好ましい。
流入/排出工程の時間は、例えば、被処理水の流入率、および反応槽10への被処理水の流量に応じて決められる。ところで、反応槽10への被処理水の流量を反応槽10の水平断面積で除した値である反応槽10の水面積負荷を高く設定すると、汚泥中の軽い汚泥画分を選択的に系外へ排出させ、沈降性の高い汚泥画分を槽内に残存させることが可能となるため、沈降性の高い生物汚泥の形成は促進されるが、汚泥の沈降性が高くない立上げ期間等においては、槽内の汚泥が流出し、生物処理機能の悪化が懸念される。一方、反応槽10の水面積負荷を低く設定すると、汚泥の選択効果が低くなり、さらに被処理水の流入率を高くした場合には、流入/排出工程時間が長くなり、沈降性の高い汚泥の形成が困難になることが懸念される。上記事情を鑑みると、反応槽10への水面積負荷は0.5m/h以上、20m/h以下とすることが好ましく、1m/h以上10m/h以下の範囲とすることが好ましい。また、槽内の生物汚泥の沈降性向上に伴い、反応槽10の水面積負荷を高く設定することが可能になった場合には、生物汚泥の沈降性に応じて、反応槽10の水面積負荷を上昇させ、水面積負荷と被処理水の流入率に応じて、流入/排出工程時間を短縮させることも可能である。
生物処理工程における反応槽10内の汚泥濃度は、汚泥の健全性(沈降性、活性等)を維持する等の点で、例えば1,500~30,000mg/Lの範囲であることが好ましい。また、汚泥負荷は、汚泥の健全性の維持等の点で、0.05~0.60kg-BOD/kg-MLSS/dayの範囲であることが好ましく、0.1~0.5kg-BOD/kg-MLSS/dayの範囲であることがより好ましい。生物処理工程時間は、例えば、汚泥負荷が上記の範囲になるように設定される。なお、汚泥負荷が上記範囲より高くなった場合や汚泥濃度が上記範囲より高くなった場合には、反応槽10内から生物汚泥を引き抜くことが望ましい。
反応槽10内のpHは、一般的な微生物に適する範囲に設定されることが望ましく、例えば6~9の範囲であることが好ましく、6.5~7.5の範囲であることがより好ましい。pH値が前記範囲外となる場合は、酸、アルカリを添加して、上記範囲となるようにpH調整することが好ましい。反応槽10内の溶存酸素(DO)は、好気条件では、0.5mg/L以上、特に1mg/L以上であることが望ましい。
沈降工程の時間は、生物処理工程が終了してから、反応槽10の底部上に生物汚泥層30が形成されるまでの時間であれば特に制限されるものではないが、生物汚泥層30の汚泥界面高さが反応槽10高さの10%~50%になるまでの時間であることが好ましい。
反応槽10の形状としては、図1に示すような角型状に限定されず、例えば、図5に示すような円筒状等でもよい。
図5(a)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式図であり、図5(b)は、模式断面図である。なお、図5(b)では、被処理水配管15、ブロワ18、散気管20、制御装置24等を省略している。図5に示す水処理装置2において、図1に示す水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5に示す水処理装置2は、分配路13と、被処理水配管15とを備える。被処理水導入管12は、分配路13を介して、被処理水配管15の上端に接続されている。被処理水配管15は、垂直方向に延びた配管であり、その上端が反応槽10内の水面位置上方に位置し、下端に1つ以上の流入口が設けられている。本明細書において、垂直方向に延びた配管には、略垂直方向に延びた配管も含まれる。略垂直方向は、垂直方向に対して30°以内の傾斜角度を有する方向を含む。なお、被処理水配管15は、反応槽10の外側に設けられていてもよく、また複数設けられていてもよい。
処理水集水路22は、反応槽10の外周部に設置されており、反応槽10の水面位置に設けられた1つ以上の排出口を介して反応槽10の内部と連通している。
隔壁32は、排出口28から反応槽10の内周面に沿って内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば円筒状の板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
図5に示す水処理装置2の流入/排出工程では、制御装置24により電磁バルブ16が開放されて、被処理水が被処理水導入管12から分配路13を介して、被処理水配管15に供給される。そして、被処理水は、重力によって、被処理水配管15内を流下して、1つ以上の流入口から反応槽10内に形成された生物汚泥層中に例えば略垂直方向や略水平方向等に供給される。また、反応槽10内に被処理水が流入することによって、反応槽10内の生物処理水が排出口から処理水集水路22に排出される。
以下に、例えば、下水処理場等のような大規模処理場で採用される角型状の反応槽10の例を説明する。
図6は、大規模処理場で採用される角型状の反応槽の一例を示す模式上面図である。図6に示す角型状の反応槽10は、水平断面視において、対向する一対の長辺壁(10a,10b)と、対向する一対の短辺壁(10c,10d)を有する長方形の反応槽である。反応槽10の一方の長辺壁10aには、複数の流入口26が設置され、反応槽10の他方の長辺壁10bには、排出口28が設けられている。また、他方の長辺壁10bの外側には処理水集水路22が設けられ、処理水集水路22は、排出口28を介して反応槽10の内部と連通している。図での説明は省略するが、排出口28は、反応槽10内の水面位置に配置され、流入口26は、沈降工程において反応槽10の底部に形成された生物汚泥層の界面位置より低い位置に配置されている。そして、被処理水は流入口26から生物汚泥層中に水平方向に供給される。
隔壁32は、排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
大規模処理場で採用される反応槽10の場合、反応槽10の有効水深に対する反応槽10の水平断面積の比が大きくなる傾向にある。大規模処理場で採用される角型の反応槽としては、例えば、[(長辺壁の長さ+短辺壁の長さ)/有効水深]が、1m/m以上であることが好ましく、1.8m/m以上であることがより好ましい。しかし、ディストリビューターによって被処理水を上向流で反応槽10に流入させる従来の水処理装置に、[(長辺壁の長さ+短辺壁の長さ)/有効水深]が1m/m以上の反応槽を採用すると、被処理水の拡散性、ディストリビューターの保守等の点で、設備費用や運転管理費用が著しく増加する虞がある。一方、本実施形態に係る水処理装置に、[(長辺壁の長さ+短辺壁の長さ)/有効水深]が1m/m以上の反応槽を採用した場合、ディストリビューターを設置しなくてもよいため、上記従来の水処理装置の場合と比較して、設備費用や運転管理費用の増加が抑えられる。したがって、本実施形態に係る水処理装置は、特に大規模処理設備用の水処理装置として好適である。
流入口26および排出口28の設置個所は、流入口26を一方の長辺壁10aに設置し、排出口28を他方の長辺壁10bに設置することが好ましい。流入口26を一方の短辺壁10cに設置し、排出口28を他方の短辺壁10dに設置すると、流入口26および排出口28を長辺壁(10a,10b)に設置した場合と比べて、流入口26から排出口28までの水平距離が長くなるため、被処理水と生物汚泥層との接触効率が低下し、反応槽10内に残存する処理対象物質の濃度低下が引き起こされる場合がある。
流入口26から排出口28までの水平距離は、例えば、10m以内が好ましく、6m以内がより好ましい。流入口26から排出口28までの水平距離が10mを超えると、被処理水と生物汚泥層とを効率的に接触させることが困難となり、反応槽10内に残存する処理対象物質の濃度低下が引き起こされる場合がある。
図7は、大規模処理場で採用される角型状の反応槽の他の一例を示す模式上面図である。図7に示す反応槽10は、反応槽10の1側面に設けられた第1流入口26aと、第1流入口26aと排出口28との間に設けられた第2流入口26bとを有する。いずれの流入口(26a,26b)も、沈降工程において反応槽10の底部上に形成される生物汚泥層の界面位置より低い位置に配置されている。
隔壁32は、排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
図8(a)は、大規模処理場で採用される角型状の反応槽の他の一例を示す模式断面図であり、図8(b)は、大規模処理場で採用される角型状の反応槽の他の一例を示す模式上面図である。図8に示す反応槽10は、前述した第1流入口26aおよび第2流入口26bを備えている。また、反応槽10内には、第1処理水集水路22aおよび第2処理水集水路22bが設置されている。第1処理水集水路22aは、第1流入口26aが設けられている反応槽10の1側面と反対側の側面内側に設置され、第2処理水集水路22bは、第1処理水集水路22aと第1流入口26aとの間に設けられている。図8に示す反応槽10内の処理水は、第1処理水集水路22aおよび第2処理水集水路22bの側壁を越流して、第1処理水集水路22aおよび第2処理水集水路22b内に流れ、反応槽10外へ排出される。すなわち、図8に示す第1処理水集水路22aおよび第2処理水集水路22bが、これまで説明してきた排出口28として機能するものである。
隔壁32は、それぞれの排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
反応槽の1側面側に設けられる流入口と、1側面と反対側の側面側に設けられる排出口との間の水平距離が長くなる場合には、図7や図8に示す反応槽10のように、反応槽の1側面側に設けられる流入口と1側面と反対側の側面側に設けられる排出口との間に、1つ以上の流入口および排出口を設けることが好ましい。これにより、被処理水と生物汚泥層との接触効率が高くなるため、反応槽内に残存する処理対象物質の濃度が高くなり易い。
図9(a)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す断面図であり、図9(b)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式上面図である。なお、図9(a)および図9(b)では、ブロワ18および散気管20を備える散気装置、制御装置24を省略している。図9では、被処理水導入管12が反応槽10の中央部に導入され、反応槽10内にて複数の被処理水流入口(26a,26b)に分岐されている。処理水集水路(22a,22b)は反応槽10の対面する2側面に設置されている。そして、被処理水流入口(26a,26b)の噴出口はそれぞれの処理水集水路(22a,22b)に向かって設置されている。
隔壁32は、それぞれの排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
流入/排出工程時における処理対象物質の残存率を高めるためには、流入口と対面の反応槽側面までの距離から計算される流入口の流速を所定の流速以上とすることが好ましい。一方、流入口と対面の反応槽側面までの距離が長く、流速を高く保持することが困難となる場合に、本実施形態を採用することで、流入口から流出口までの距離が短くなり、流入口の流速が低い場合においても、流入/排出工程時の処理対象物質の残存率を高めることが可能となる。
図10(a)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式断面図であり、図10(b)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式上面図である。なお、図10(b)では、ブロワ18および散気管20を備える散気装置、制御装置24を省略している。図10に示す水処理装置3において、図1に示す水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図10に示す水処理装置3は、分配路13と、被処理水配管15とを備える。被処理水導入管12は、分配路13を介して、被処理水配管15の上端に接続されている。被処理水配管15は、垂直方向に延びた配管であり、その上端が反応槽10内の水面位置上方に位置し、下端が流入口26に接続されている。本明細書において、垂直方向に延びた配管には、略垂直方向に延びた配管も含まれる。略垂直方向は、垂直方向に対して30°以内の傾斜角度を有する方向を含む。なお、被処理水配管15は、反応槽10の外側に設けられていてもよい。
隔壁32は、排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
図10に示す水処理装置3の流入/排出工程では、制御装置24により電磁バルブ16が開放されて、被処理水が被処理水導入管12から分配路13を介して、被処理水配管15に供給される。そして、被処理水は、重力によって、被処理水配管15内を流下して、流入口26から反応槽10内に形成された生物汚泥層中に水平方向に供給される。また、反応槽10内に被処理水が流入することによって、反応槽10内の生物処理水が排出口28から処理水集水路22に排出される。このように、図10に示す水処理装置3では、ポンプを使用せずに、重力によって被処理水を反応槽10内へ流入させることができるため、運転に係るコストの削減を図ることが可能であり、例えば、処理水量が多い下水処理場等に好適である。
図11(a)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式断面図であり、図11(b)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式上面図である。なお、図11(b)では、ブロワ18および散気管20を備える散気装置、制御装置24を省略している。図11に示す水処理装置4において、図1に示す水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図11に示す水処理装置4は、分配路13と、区画壁17を有する。区画壁17は、反応槽10内に垂直方向に立設しており、反応槽10内を第1室10fおよび第2室10gに区画している。区画壁17の下方には、第1室10fと第2室10gを連通する開口部が設けられており、当該開口部が、これまで説明してきた流入口26となる。排出口28は、第2室10g側の側面に設けられ、第2室10gの外側に設けられた処理水集水路22に連通している。
図11に示す反応槽10では、区画壁17により区画された第1室10fが、被処理水を受け入れる部屋であり、区画壁17により区画された第2室10gが、上記運転サイクル(流入/排出工程、生物処理工程、沈降工程)を行う部屋である。
隔壁32は、排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
図11に示す水処理装置4の流入/排出工程では、制御装置24により電磁バルブ16が開放されて、被処理水が被処理水導入管12から分配路13を介して、第1室10fに供給される。そして、被処理水は、第1室10fを通り、流入口26から第2室10gの底部上に形成されている生物汚泥層中に水平方向に供給される。また、第2室10g内に被処理水が流入することによって、第2室10g内の生物処理水が排出口28から処理水集水路22に排出される。また、この流入/排出工程後、第2室10g内において、生物処理工程および沈降工程が行われる。
区画壁17に設けられる開口部(流入口26)の形状としては、特に限定されるものではなく、矩型でもよいし、円または楕円型等でもよい。また、開口部(流入口26)は区画壁17に1つ以上形成されていればよい。
区画壁17の設置位置は、特に制限はないが、被処理水を第2室10g内の生物汚泥層に効率よく接触させることができる等の点では、反応槽10の垂直断面視における第1室10fの幅の割合は、第2室10gの幅に対して1/2以下となるように区画壁17を設置することが好ましく、1/5以下となるように区画壁17を設置することがより好ましい。
図12(a)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式断面図であり、図12(b)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式上面図である。なお、図12(b)では、ブロワ18および散気管20を備える散気装置、制御装置24を省略している。図12に示す水処理装置5において、図1に示す水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図12に示す反応槽10は、水平断面視において、対向する一対の壁(10a,10b)と、対向する一対の壁(10c,10d)を有する角形の反応槽である。反応槽10の一方の長辺壁10aには複数の流入口26が設置されるとともに排出口28も設けられている。排出口28は反応槽10内の水面位置に配置され、流入口26は、沈降工程において反応槽10の底部に形成された生物汚泥層の界面位置より低い位置に配置されている。そして、被処理水は流入口26から生物汚泥槽中に水平方向に供給される。流入口26と排出口28が同一の壁面に設置されていることで、流入口26から所定の流速以上の流速を持って堆積汚泥中に噴出され被処理水が、流入口と反対側の壁面に到達した際に、そのまま上昇流として流出口に向かって上昇することがなくなるため、処理対象物質のショートパスを抑制することが可能となる。
隔壁32は、排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
図13(a)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式断面図であり、図13(b)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式上面図である。なお、図13(b)では、ブロワ18および散気管20を備える散気装置、制御装置24を省略している。図13に示す水処理装置6において、図1に示す水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図13に示す水処理装置6は、分配路13と、被処理水配管15とを備える。被処理水導入管12は、分配路13を介して、被処理水配管15の上端に接続されている。被処理水配管15は、垂直方向に延びた配管であり、その上端が反応槽10内の水面位置上方に位置し、下端が流入口26に接続されている。本明細書において、垂直方向に延びた配管には、略垂直方向に延びた配管も含まれる。略垂直方向は、垂直方向に対して30°以内の傾斜角度を有する方向を含む。なお、被処理水配管15は、反応槽10の外側に設けられていてもよい。水処理装置6においても、前述の水処理装置5と同様に、流入口26と排出口28が同一の壁面に設置されている。
隔壁32は、排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
流入口26の設置位置は、図14に示すように、沈降工程において反応槽10の底部上に形成された生物汚泥層30の界面位置より高い位置であってもよい。
図14(a)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式断面図であり、図14(b)は、本実施形態に係る水処理装置の他の一例を示す模式上面図である。なお、図14(b)では、ブロワ18および散気管20を備える散気装置、制御装置24を省略している。図14に示す水処理装置7において、図1に示す水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。反応槽10は、角型状の反応槽10の1側面の上部の水面位置より低い位置に複数の流入口26が設置されている。流入口26は、水平方向に向かって開口しており、被処理水が、流入口26から水平方向に供給される。
隔壁32は、排出口28から反応槽10の内側に反応槽内底部の方向、例えば、反応槽底面に対して垂直な方向に設けられ、例えば四角状の平板である隔壁32の頂辺が水面位置よりも上部に、また、隔壁32の底辺が水面位置よりも下部であって反応槽内底部よりも上部に位置している。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[グラニュール形成試験]
有効容積1.4m3(高さ4.5m、横680mm、縦680mm、有効水深3m)の角形状の反応槽を有するグラニュール形成装置にて、グラニュール形成試験を実施した。図10に示すように、流入水は上部から反応槽底部にまで伸ばした配管に流入させ、流入/排出工程中においては流入水が沈降状態にある生物汚泥層に水平方向に供給されるようにした。処理水口は水面位置(底部から3m)の位置に設置し、流入/排出工程のときに処理水が処理水口から排出される。流入水としては、BOD濃度として平均130mg/L、全窒素濃度として平均40mgN/Lの下水を使用した。まず、浮遊式の活性汚泥を反応槽内に投入し、通水初期は隔壁を設置せず、運転を開始した(比較例1)。その後、隔壁を設置した条件での運転とした(実施例1)。隔壁は処理水排出口から160mmの距離に設置した(すなわち、排出口から隔壁までの水平方向の距離(160mm)が、排出口が設置されている反応槽の壁面とその対面の壁面との距離(680mm)に対して23.5%)。また、隔壁の水面に浸漬している垂直方向の長さ(すなわち、隔壁の底辺から水面位置までの距離)は200mmとした。流入/排出工程における被処理水の流入量は、隔壁と排出口とに囲まれた領域における水面積負荷が8.5m/hrとなるようにした。
<比較例1>
運転開始初期より、汚泥のグラニュール化が進行し、沈降性指標であるSVI5が初期300mg/Lから40日目までに82mg/Lまで低下した。槽内MLSSは立ち上げのときでは3440mg/Lであったが、その後、低下傾向となり、17日目に2100mg/Lまで低下した。その後、28日目までに2860mg/Lまで上昇したが、その後、低下傾向となり、43日目には710mg/Lにまで低下した。この期間、流入/排出工程において水面付近にスカムの発生が確認されており、脱窒により浮上したスカムが流出することで急激な汚泥濃度低下を招いたものと想定される。沈降性指標であるSVI5は100mL/g以下であり、通常の活性汚泥と比較しても良好な沈降性を維持したが、グラニュール径の成長は平均径として240μm程度で停滞した。
<実施例1>
53日目に隔壁を設置した条件に変更した。槽内MLSSは53日目に1080mg/Lであったが、増加傾向に転じ、79日目には4080mg/Lにまで回復した。SVI5は一時的に上昇して58日目には136mL/gとなったが、その後、低下傾向となり、71日目には25mL/gという非常に良好な沈降性を有するグラニュール汚泥の形成を確認した。また、汚泥粒径の増大が確認され、79日目には平均径として540μm程度にまで成長した。
図15(a)は、顕微鏡で観察した、初期立ち上げのときに投入した活性汚泥の拡大写真であり、図15(b)は、通水開始56日目(隔壁設置直後)の汚泥の拡大写真であり、図15(c)は、通水79日目の汚泥の拡大写真である。図16は、経過日数(日)に対するグラニュールの平均粒径(μm)を示すグラフである。
このように、実施例の方法によって、半回分式反応槽を用いて反応槽内に被処理水を流入しながら生物処理水を排出する生物処理において、安定的にグラニュール形成を行い、処理水質の悪化を抑制することができた。