JP7463677B2 - 赤外光カットフィルター、固体撮像素子用フィルター、固体撮像素子、および、固体撮像素子用フィルターの製造方法 - Google Patents
赤外光カットフィルター、固体撮像素子用フィルター、固体撮像素子、および、固体撮像素子用フィルターの製造方法 Download PDFInfo
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上記課題を解決するための固体撮像素子は、光電変換素子と、上記固体撮像素子用フィルターと、を備える。
図1が示すように、固体撮像素子10は、固体撮像素子用フィルター10F、および、複数の光電変換素子11を備える。固体撮像素子用フィルター10Fは、複数の可視光用のフィルター12R,12G,12B、赤外光パスフィルター12P、赤外光カットフィルター13、複数の可視光用のマイクロレンズ15R,15G,15B、および、赤外光用マイクロレンズ15Pを備える。
以下、赤外光カットフィルター13についてより詳細に説明する。
赤外光カットフィルター13は、下記式(1)によって表される拡張型フタロシアニンと、下記式(2)によって表され、側鎖に脂環式構造を含むアクリル重合体とを含んでいる。
拡張型フタロシアニンは、下記式(4)によって表される構造であってよい。
Aλ=-log10(%T/100)
透過率Tは、赤外光に拡張型フタロシアニンを有する赤外光カットフィルター13を透過させたときの、入射光の強度(IL)に対する透過光の強度(TL)の比(TL/IL)によって表される。赤外光カットフィルター13において、入射光の強度を1としたときの透過光の強度が透過率Tであり、透過率Tに100を乗算した値が透過率パーセント%Tである。
上述したアクリルモノマー以外のモノマーは、例えば、スチレン系モノマー、(メタ)アクリルモノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、ハロゲン元素含有ビニル系モノマー、および、ジエン系モノマーなどであってよい。スチレン系モノマーは、例えば、スチレン、α‐メチルスチレン、p‐メチルスチレン、m‐メチルスチレン、p‐メトキシスチレン、p‐ヒドロキシスチレン、p‐アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、および、ベンジルスチレンなどであってよい。(メタ)アクリルモノマーは、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、および、2‐エチルヘキシルメタクリレートなどであってよい。ビニルエステル系モノマーは、例えば、酢酸ビニルなどであってよい。ビニルエーテル系モノマーは、例えば、ビニルメチルエーテルなどであってよい。ハロゲン元素含有ビニル系モノマーは、例えば、塩化ビニルなどであってよい。ジエン系モノマーは、例えば、ブタジエン、および、イソブチレンなどであってよい。アクリル重合体は、上述したアクリルモノマー以外のモノマーを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
重合溶剤は、エステル系溶剤、アルコールエーテル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族系溶剤、アミド系溶剤、および、アルコール系溶剤などであってよい。エステル系溶剤は、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n‐ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t‐ブチル、乳酸メチル、および、乳酸エチルなどであってよい。アルコールエーテル系溶剤は、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3‐メトキシ‐1‐ブタノール、および、3‐メトキシ‐3‐メチル‐1‐ブタノールなどであってよい。ケトン系溶剤は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、および、シクロヘキサノンなどであってよい。芳香族系溶剤は、例えば、ベンゼン、トルエン、および、キシレンなどであってよい。アルコール系溶剤は、例えば、メタノール、エタノール、n‐プロパノール、イソプロパノール、n‐ブタノール、イソブタノール、s‐ブタノール、t‐ブタノール、ジアセトンアルコール、および、2‐メチル‐2‐ブタノールなどであってよい。このうち、ケトン系溶剤、および、エステル系溶剤は、固体撮像素子用フィルターの製造に用いることができるため好ましい。上述した重合溶剤においては、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が混合して用いられてもよい。
アクリル重合体の質量と、アクリル重合体を構成するアクリルモノマーの質量との和(MS)に対するアクリルモノマーの質量(MM)の百分率(MM/MS×100)は、20%以下であることが好ましい。残存モノマーが20%よりも多い場合に比べて、拡張型フタロシアニンにおける赤外光の吸光度が低下しにくくなる。
なお、上述したように、生成後のアクリル重合体は、窒素化合物を含まないことが好ましい。
固体撮像素子用フィルター10Fの製造方法は、赤外光カットフィルター13を形成することと、赤外光カットフィルター13をドライエッチングによってパターニングすることとを含む。赤外光カットフィルター13を形成することでは、上記式(1)によって表される拡張型フタロシアニンと、上記式(2)によって表され、側鎖に脂環式構造を含むアクリル重合体とを含む赤外光カットフィルター13が形成される。以下、固体撮像素子用フィルター10Fの製造方法をより詳細に説明する。
<製造例1>
60重量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)を重合溶剤として準備し、40重量部のメタクリル酸ジシクロペンタニル(C14H20O2)をアクリルモノマーとして準備し、0.44重量部のベンゾイルペルオキシド(BPO)をラジカル重合開始剤として準備した。これらを攪拌装置と還流管とが設置された反応容器に入れ、反応容器に窒素ガスを導入しつつ、80℃に加熱しながら8時間にわたって攪拌および還流した。これにより、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。形成された重合体の補外ガラス転移開始温度をJIS K7121に準拠した方法によって測定したところ、補外ガラス転移開始温度は175℃であることが認められた。
80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、20重量部のメタクリル酸メチル(C5H8O2)をアクリルモノマーとして準備し、0.48重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した以外は、製造例1と同様の方法によって、メタクリル酸メチルのホモポリマー溶液を得た。形成された重合体の補外ガラス転移開始温度をJIS K7121に準拠した方法によって測定したところ、補外ガラス転移開始温度は105℃であることが認められた。
製造例1において、アクリルモノマー、重合溶剤、および、ラジカル重合開始剤を以下の表1に記載のように変更し、製造例3‐1から製造例3‐8のアクリル重合体を得た。また、アクリル重合体の補外ガラス転移開始温度を測定した。
製造例1と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。
80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、10重量部のメタクリル酸ジシクロペンタニル、および、10重量部のメタクリル酸メチルをアクリルモノマーとして準備し、0.35重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した。それ以外は、製造例1と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルとメタクリル酸メチルとの共重合体を含むポリマー溶液を得た。形成された重合体の補外ガラス転移開始温度をJIS K7121に準拠した方法によって算出したところ、補外ガラス転移開始温度は137℃であることが認められた。
80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、10重量部のアクリル酸ジシクロペンタニル、および、10重量部のメタクリル酸メチルをアクリルモノマーとして準備し、0.36重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した。それ以外は、製造例1と同様の方法によって、アクリル酸ジシクロペンタニルとメタクリル酸メチルとの共重合体を含むポリマー溶液を得た。形成された重合体の補外ガラス転移開始温度をJIS K7121に準拠した方法によって算出したところ、補外ガラス転移開始温度は112℃であることが認められた。
80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、10重量部のメタクリル酸シクロヘキシル、および、10重量部のメタクリル酸メチルをアクリルモノマーとして準備し、0.39重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した。それ以外は、製造例1と同様の方法によって、メタクリル酸シクロヘキシルとメタクリル酸メチルとの共重合体を含むポリマー溶液を得た。形成された重合体の補外ガラス転移開始温度をJIS K7121に準拠した方法によって算出したところ、補外ガラス転移開始温度は94℃であることが認められた。
80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、10重量部のアクリル酸ジシクロペンタニル、および、10重量部のアクリル酸メチルをアクリルモノマーとして準備し、0.40重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した。それ以外は、製造例1と同様の方法によって、アクリル酸ジシクロペンタニルとアクリル酸メチルとの共重合体を含むポリマー溶液を得た。形成された重合体の補外ガラス転移開始温度をJIS K7121に準拠した方法によって算出したところ、補外ガラス転移開始温度は56℃であることが認められた。
80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、10重量部のメタクリル酸シクロヘキシル、および、10重量部のアクリル酸メチルをアクリルモノマーとして準備し、0.43重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した。それ以外は、製造例1と同様の方法によって、メタクリル酸シクロヘキシルとアクリル酸メチルとの共重合体を含むポリマー溶液を得た。形成された重合体の補外ガラス転移開始温度をJIS K7121に準拠した方法によって算出したところ、補外ガラス転移開始温度は35℃であることが認められた。
80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、20重量部のアクリル酸シクロヘキシルをアクリルモノマーとして準備し、および、0.22重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した以外は、製造例1と同様の方法によって、アクリル酸シクロヘキシルのホモポリマー溶液を得た。形成された重合体の補外ガラス転移開始温度をJIS K7121に準拠した方法によって測定したところ、補外ガラス転移開始温度は15℃であることが認められた。
80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、10重量部のアクリル酸シクロヘキシル、および、10重量部のアクリル酸メチルをアクリルモノマーとして準備し、0.40重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した以外は、製造例1と同様の方法によって、アクリル酸シクロヘキシルとアクリル酸メチルとの共重合体を含むポリマー溶液を得た。形成された重合体の補外ガラス転移開始温度をJIS K7121に準拠した方法によって算出したところ、補外ガラス転移開始温度は12℃であることが認められた。
製造例1において、アクリルモノマー、ラジカル重合開始剤、および、重合溶剤の使用量、および、重合時間を以下の表2に記載のように変更し、製造例4‐1から4‐6のアクリル重合体を得た。また、アクリル重合体を1H-NMR(400MHz)を用いて分析することによって、以下の式で示されるアクリルモノマーの残存量(RM)を算出した。
上記式において、MMは、アクリル重合体のNMRスペクトルにおけるアクリルモノマーのピークの面積比であり、MSは、アクリル重合体のNMRスペクトルにおけるアクリル重合体のピークの面積比とアクリルモノマーのピークの面積比との和である。
60重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、40重量部のメタクリル酸ジシクロペンタニルをアクリルモノマーとして準備し、0.44重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した。それ以外は、製造例1と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。ホモポリマー溶液のモノマー残存量を1H-NMR(400MHz)を用いた分析によって算出したところ、モノマー残存量(RM)は3%であることが認められた。
重合時間を6時間に変更した以外は、製造例4‐1と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。ホモポリマー溶液のモノマー残存量を1H-NMR(400MHz)を用いた分析によって算出したところ、モノマー残存量(RM)は10%であることが認められた。
重合時間を5時間に変更した以外は、製造例4‐1と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。ホモポリマー溶液のモノマー残存量を1H-NMR(400MHz)を用いた分析によって算出したところ、モノマー残存量(RM)は20%であることが認められた。
80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、20重量部のメタクリル酸ジシクロペンタニルをアクリルモノマーとして準備し、0.22重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した以外は、製造例1と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。ホモポリマー溶液のモノマー残存量を1H-NMR(400MHz)を用いた分析によって算出したところ、モノマー残存量(RM)は25%であることが認められた。
重合時間を6時間に変更した以外は、製造例4‐4と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。ホモポリマー溶液のモノマー残存量を1H-NMR(400MHz)を用いた分析によって算出したところ、モノマー残存量(RM)は30%であることが認められた。
重合時間を4時間に変更した以外は、製造例4‐4と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。ホモポリマー溶液のモノマー残存量を1H-NMR(400MHz)を用いた分析によって算出したところ、モノマー残存量(RM)は45%であることが認められた。
製造例1において、アクリルモノマー、重合溶剤、および、ラジカル重合開始剤の使用量を以下の表3に記載のように変更し、製造例5‐1から製造例5‐5のアクリル重合体を得た。また、ゲル浸透クロマトグラフィー法を用いた分析によって、アクリル重合体の重量平均分子量を算出した。
90重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、10重量部のメタクリル酸ジシクロペンタニルをアクリルモノマーとして準備し、0.11重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した以外は、製造例1と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。アクリル重合体の重量平均分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー法を用いた分析によって算出したところ、アクリル重合体の重量平均分子量は5000であることが認められた。
20重量部のメタクリル酸ジシクロペンタニルをアクリルモノマーとして準備し、80重量部のPGMAcを重合溶剤として準備した以外は、製造例5-1と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。アクリル重合体の重量平均分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー法を用いた分析によって算出したところ、アクリル重合体の重量平均分子量は10000であることが認められた。
40重量部のメタクリル酸ジシクロペンタニルをアクリルモノマーとして準備し、60重量部のPGMAcを重合溶剤として準備し、1.76重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した以外は、製造例5-1と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。アクリル重合体の重量平均分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー法を用いた分析によって算出したところ、アクリル重合体の重量平均分子量は30000であることが認められた。
0.88重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した以外は、製造例5-3と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。アクリル重合体の重量平均分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー法を用いた分析によって算出したところ、アクリル重合体の重量平均分子量は50000であることが認められた。
0.44重量部のBPOをラジカル重合開始剤として準備した以外は、製造例5-3と同様の方法によって、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液を得た。アクリル重合体の重量平均分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー法を用いた分析によって算出したところ、アクリル重合体の重量平均分子量は100000であることが認められた。
[アクリル重合体の側鎖]
[試験例1]
1.0gの拡張型フタロシアニン、10.0gの20%ホモポリマー溶液、および、10gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む塗液を作製した。この際に、拡張型フタロシアニンとして、上記式(4)によって表される色素を用い、かつ、ホモポリマー溶液として、上記製造例1のホモポリマー溶液を用いた。塗液を透明基板上に塗布し、塗膜を乾燥させた。次いで、230℃で塗膜をポストベークすることによって熱硬化させることによって、1μmの厚さを有する試験例1の赤外光カットフィルターを得た。
試験例1において、メタクリル酸ジシクロペンタニルのホモポリマー溶液に代えて上記製造例2に記載のメタクリル酸メチルを含むホモポリマー溶液を用いた以外は、試験例1と同様の方法によって、試験例2の赤外光カットフィルターを得た。
分光光度計(U-4100、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて350nmから1150nmの各波長を有した光に対する各試験例の赤外光カットフィルターにおける透過率を測定した。そして、透過率の測定結果から、吸光度を算出した。これにより、各赤外光カットフィルターについて、吸光度のスペクトルを得た。なお、上記式(4)によって表される拡張型フタロシアニンにおける吸光度のスペクトルは、930nmにおいてピークを有する。そのため、各赤外光カットフィルターにおける930nmでの吸光度が、0.8以上であるか否かを評価した。なお、930nmでの吸光度が0.8以上である赤外光カットフィルターは、固体撮像素子に適用された場合に適した赤外光の吸収能を有する。
試験例1の赤外光カットフィルターにおける930nmでの吸光度は、0.91であり、0.8を超えることが認められた。これに対して、試験例2の赤外光カットフィルターでの吸光度は、0.7であり、0.8に満たないことが認められた。このように、試験例1の赤外光カットフィルターと試験例2の赤外光カットフィルターとの比較から、赤外光カットフィルターを形成するためのアクリルモノマーが脂環式構造を有することによって、赤外光カットフィルターにおける吸光度の低下が抑えられることが認められた。試験例1の赤外光カットフィルターでは、アクリル重合体の側鎖に位置する脂環式構造が、拡張型フタロシアニンと他の拡張型フタロシアニンとの間に位置することによって、これらの拡張型フタロシアニンが会合しない程度の距離が、拡張型フタロシアニン間に形成されたためと考えられる。
[試験例3]
脂環式構造を有し、かつ、重合体におけるガラス転移温度が互いに異なる製造例3‐1から製造例3‐8のアクリル重合体を含むポリマー溶液を準備した。そして、1.0gの拡張型フタロシアニン、10.0gの20%ポリマー溶液、および、10.0gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む塗液を作製した。この際に、拡張型フタロシアニンとして、上記式(4)によって表される色素を用いた。試験例1と同様の方法によって赤外光カットフィルターを形成することによって、試験例3‐1から試験例3‐8の赤外光カットフィルターを得た。各試験例の赤外光カットフィルターとして、1μmの厚さを有するフィルターを得た。
試験例1の赤外光カットフィルターおよび試験例2の赤外光カットフィルターと同一の評価方法によって、試験例3‐1から試験例3‐8の赤外光カットフィルターにおける赤外光の吸光度を評価した。
試験例3‐1から試験例3‐8の赤外光カットフィルターにおいて、930nmでの吸光度は、以下の表4に示す通りであることが認められた。
[試験例4]
脂環式構造を有し、かつ、重合体におけるモノマー残存量が互いに異なる製造例4‐1から製造例4‐6のアクリル重合体を含むポリマー溶液を準備した。そして、1.0gの拡張型フタロシアニン、10.0gの20%ポリマー溶液、および、10.0gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む塗液を作製した。この際に、拡張型フタロシアニンとして、上記式(4)によって表される色素を用いた。塗液を透明基板上に塗布し、塗膜を乾燥させた。次いで、230℃でポストベークすることによって塗膜を熱硬化させ、試験例4‐1から試験例4‐6の赤外光カットフィルターを得た。各試験例の赤外光カットフィルターとして、1μmの厚さを有するフィルターを得た。
試験例1の赤外光カットフィルターおよび試験例2の赤外光カットフィルターと同一の評価方法によって、試験例4‐1から試験例4‐6の赤外光カットフィルターにおける赤外光の吸光度を評価した。
試験例4‐1から試験例4‐6の赤外光カットフィルターにおいて、930nmでの吸光度は、以下の表5に示す通りであることが認められた。
[試験例5]
脂環式構造を有し、かつ、重合体における重量平均分子量が互いに異なる製造例5‐1から製造例5-5のアクリル重合体を含むポリマー溶液を準備した。そして、1.0gの拡張型フタロシアニン、10.0gの20%ポリマー溶液、および、10.0gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む塗液を作製した。この際に、拡張型フタロシアニンとして、上記式(4)によって表される色素を用いた。塗液を透明基板上に塗布し、塗膜を乾燥させた。次いで、230℃でポストベークすることによって塗膜を熱硬化させ、試験例5‐1から試験例5‐5の赤外光カットフィルターを得た。各試験例の赤外光カットフィルターとして、1μmの厚さを有するフィルターを得た。
試験例1の赤外光カットフィルターおよび試験例2の赤外光カットフィルターと同一の評価方法によって、試験例5‐1から試験例5‐5の赤外光カットフィルターにおける赤外光の吸光度を評価した。
試験例5‐1から試験例5‐5の赤外光カットフィルターにおいて、930nmでの吸光度は、以下の表6に示す通りであることが認められた。
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[アクリル重合体]
・アクリル重合体のガラス転移温度は、30℃よりも低くてもよい。この場合であっても、赤外光カットフィルター13が、拡張型フタロシアニン、および、側鎖に脂環式構造を含むアクリル重合体を含んでいれば、上述した(1)に準じた効果を少なからず得ることは可能である。
・固体撮像素子用フィルター10Fは、赤外光カットフィルター13と、各マイクロレンズとの間にバリア層を備えていてもよい。バリア層は、赤外光カットフィルター13の酸化源の透過を抑制する。酸化源は、酸素および水などである。バリア層が有する酸素透過率は、例えば、5.0cc/m2/day/atom以下であることが好ましい。酸素透過率は、JIS K7126:2006に準拠した値である。酸素透過率が5.0cc/m2/day/atom以下に定められるから、バリア層によって赤外光カットフィルター13に酸化源が到達することが抑制されるため、赤外光カットフィルター13が酸化源によって酸化されにくくなる。そのため、赤外光カットフィルター13の耐光性が向上可能である。
・カラーフィルターは、シアン用フィルター、イエロー用フィルター、マゼンタ用フィルターから構成された三色用フィルターに変更することが可能である。また、カラーフィルターは、シアン用フィルター、イエロー用フィルター、マゼンタ用フィルター、ブラック用フィルターから構成された四色用フィルターに変更することも可能である。また、カラーフィルターは、透明用フィルター、イエロー用フィルター、赤色用フィルター、ブラック用フィルターから構成された四色用フィルターに変更することも可能である。
・固体撮像素子10は、バリア層が割愛された構成であって、赤外光カットフィルター13に対して入射面15Sの側に位置する積層構造での酸素透過率が、5.0cc/m2/day/atom以下である構成であってもよい。例えば、積層構造は、平坦化層や密着層などの他の機能層であって、各マイクロレンズと共に、その酸素透過率が5.0cc/m2/day/atom以下であってもよい。
Claims (7)
- 下記式(1)によって表される拡張型フタロシアニンと、
側鎖に脂環式構造を含むアクリル重合体と、を含み、
前記アクリル重合体は、第1重合体、第2重合体、第3重合体、第4重合体、第5重合体、および、第6重合体から構成される群から選択されるいずれか1つであり、
前記第1重合体は、メタクリル酸ジシクロペンタニルの単独重合体であり、
前記第2重合体は、メタクリル酸ジシクロペンタニルとメタクリル酸メチルとの共重合体であり、
前記第3重合体は、アクリル酸ジシクロペンタニルとメタクリル酸メチルとの共重合体であり、
前記第4重合体は、アクリル酸ジシクロペンタニルとアクリル酸メチルとの共重合体であり、
前記第5重合体は、メタクリル酸シクロヘキシルとメタクリル酸メチルとの共重合体であり、
前記第6重合体は、メタクリル酸シクロヘキシルとアクリル酸メチルとの共重合体である
赤外光カットフィルター。
ただし、式(1)において、Mはモリブデンまたはタングステンである。R1、および、R2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、および、シリル基のいずれかを含む。 - 前記アクリル重合体のガラス転移温度は、30℃以上である
請求項1に記載の赤外光カットフィルター。 - 前記アクリル重合体における平均分子量は、1万以上15万以下である
請求項1または2に記載の赤外光カットフィルター。 - 前記アクリル重合体の質量と、前記アクリル重合体を構成するアクリルモノマーの質量との和(MS)に対する前記アクリルモノマーの質量(MM)の百分率(MM/MS×100)が20%以下である
請求項1から3のいずれか一項に記載の赤外光カットフィルター。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の赤外光カットフィルターを備える
固体撮像素子用フィルター。 - 光電変換素子と、
請求項5に記載の固体撮像素子用フィルターと、を備える
固体撮像素子。 - 下記式(1)によって表される拡張型フタロシアニンと、側鎖に脂環式構造を含むアクリル重合体と、を含む赤外光カットフィルターを形成することと、
前記赤外光カットフィルターをドライエッチングによってパターニングすることと、を含み、
前記アクリル重合体は、第1重合体、第2重合体、第3重合体、第4重合体、第5重合体、および、第6重合体から構成される群から選択されるいずれか1つであり、
前記第1重合体は、メタクリル酸ジシクロペンタニルの単独重合体であり、
前記第2重合体は、メタクリル酸ジシクロペンタニルとメタクリル酸メチルとの共重合体であり、
前記第3重合体は、アクリル酸ジシクロペンタニルとメタクリル酸メチルとの共重合体であり、
前記第4重合体は、アクリル酸ジシクロペンタニルとアクリル酸メチルとの共重合体であり、
前記第5重合体は、メタクリル酸シクロヘキシルとメタクリル酸メチルとの共重合体であり、
前記第6重合体は、メタクリル酸シクロヘキシルとアクリル酸メチルとの共重合体である
固体撮像素子用フィルターの製造方法。
ただし、式(1)において、Mはモリブデンまたはタングステンである。R1、および、R2は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、および、シリル基のいずれかを含む。
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