特許文献1の小型電球用ソケットによれば、電球挿着孔内に装着された小型電球に対して機器の振動等に由来する衝撃が作用した場合でも、当該ソケット本体が弾性変形することで衝撃を緩衝して、小型電球が備える給電ロッドやフィラメントが断線することを抑えることができる。但し、特許文献1のソケットの衝撃緩衝能力は、ソケット本体の形成素材(シリコンゴム)に由来するものであって、当該衝撃緩衝能力はそれ程大きなものではない。このため、衝撃緩衝能力を超える衝撃が小型電球(ランプ)に作用したときには、フィラメントや給電ロッドが断線するおそれがあり、その点に改良の余地があった。
本発明は、より確実にランプの断線を防止することができるランプの支持構造、およびこのランプの支持構造を備える小型電気機器を提供することを目的とする。
本発明は、一対の給電ロッド35で支持されるフィラメント34を有するバルブ部31と、バルブ部31の一端に設けられる接続部33とを備えるランプ15を取付対象Dに取り付けるための支持構造を対象とする。この支持構造は、取付対象Dに設けられる支持部38と、一側が支持部38に支持され、他側にランプ15の接続部33の差込み装着を許す装着部41を備えるランプホルダー39とを含む。支持部38は、ランプホルダー39に対するランプ15の装着方向を前後方向と規定したとき、ランプ15の伸び方向が前後方向と一致する中立姿勢と、ランプ15の伸び方向が前後方向と不一致となる変位姿勢との間で、前後方向と直交する上下方向の1方向にランプホルダー39を揺動可能に挟持支持する挟持体51を含む。そして、挟持体51とランプホルダー39との間に、ランプホルダー39を中立姿勢に保持する緩衝体64が設けられていることを特徴とする。
挟持体51は、上下方向からランプホルダー39を挟持支持する上下の挟持体52・53を備えている。緩衝体64は、上挟持体52とランプホルダー39との間に設けられる上緩衝体61と、下挟持体53とランプホルダー39との間に設けられる下緩衝体62とを含むように構成することができる。
前後方向と左右方向とで規定される面を水平面と規定したとき、給電ロッド35およびフィラメント34の各軸芯が水平面上に配されている構成を採ることができる。
挟持体51は、ランプホルダー39の重心位置から前後方向にずれた位置に設けられている。
複数個の挟持体51が左右方向に並設されている。
緩衝体64は、上緩衝体61と下緩衝体62との間で両緩衝体61・62を連結する接続体63を備え、上緩衝体61から下緩衝体62に亘って貫通する貫通孔65が形成されている。上下の挟持体52・53のいずれか一方に、他方の挟持体52・53に向かって伸びて貫通孔65に挿通される支軸56が形成され、他方の挟持体52・53に、支軸56が係合する軸受孔57が形成されている。
各緩衝体61・62は、円柱ブロック状の弾性体で構成されている。各挟持体52・53は、各緩衝体61・62よりも小径の円柱ブロックで形成された挟持ボス54と、挟持ボス54の周囲から放射状に形成される複数の補助リブ55とを備えている。
本発明に係る小型電気機器は、熱源が赤外線を含む光を放射するランプ15で構成され、該ランプ15が上記構成のランプの支持構造で支持されている。
本発明のように、ランプホルダー39が、挟持体51による挟持部分を支点にして、上下方向に揺動可能に挟持支持されるように構成されていると、取付対象Dに衝撃が作用したときにも、ランプホルダー39が上下方向に揺動変位することで、該ランプホルダー39に加わる衝撃を効果的に逃がすことができる。これにより、ランプホルダー39に装着されたランプ15に衝撃が直接作用することを抑えることができるので、バルブ部31の内部に配された給電ロッド35やフィラメント34が断線することを防ぐことができる。
加えて本発明のように、挟持体51とランプホルダー39との間に、ランプホルダー39を中立姿勢に保持する緩衝体64が設けられていると、衝撃によりランプホルダー39が揺動変位した場合でも、緩衝体64でランプホルダー39の揺動変位速度を漸次減衰させて、ランプホルダー39を中立姿勢へゆっくりと復帰させることができる。したがって、ランプホルダー39の揺動変位速度が大きくなることに起因して、あるいは長時間に亘ってランプホルダー39が揺動変位することに起因して、バルブ部31の内部に配された給電ロッド35やフィラメント34が断線することを防ぐことができる。さらに、緩衝体64によりランプホルダー39に作用する衝撃を緩衝することができるので、これによっても給電ロッド35やフィラメント34が断線することを防ぐことができる。
以上より本発明のランプの支持構造によれば、ランプホルダー39を上下方向に揺動変位可能に構成して、ランプ15に衝撃が直接作用することを抑えたこと、挟持体51とランプホルダー39との間に緩衝体64を設けて、揺動変位したランプホルダー39を中立姿勢へゆっくりと復帰させるようにしたこと、さらに緩衝体64により衝撃を緩衝するようにしたことにより、ランプ15が断線することをより確実に防ぐことができる。
緩衝体64が、挟持体51を構成する上挟持体52とランプホルダー39との間に設けられる上緩衝体61と、挟持体51を構成する下挟持体53とランプホルダー39との間に設けられる下緩衝体62とを含むように構成されていると、上下に設けられた2つの緩衝体61・62によりランプホルダー39に作用する衝撃をより確実に緩衝することができる。各緩衝体61・62が負担する減衰力を分散させることができるので、より確実にランプホルダー39の揺動変位速度を漸次減衰させることもできる。以上より、本発明によれば、ランプ15が断線することをより確実に防ぐことができる。
前後方向と左右方向とで規定される面を水平面と規定したとき、給電ロッド35およびフィラメント34の各軸芯が水平面上に配されていると、給電ロッド35が弾性変形することによるフィラメント34の移動方向を、ランプホルダー39の揺動方向に一致させることができる。これによれば、ランプホルダー39の揺動変位に加えて、給電ロッド35の弾性変形によっても、フィラメント34に衝撃が作用することを抑制できるので、特に断線しやすいフィラメント34に作用する衝撃を大きく緩和することができる。
挟持体51が、ランプホルダー39の重心位置から前後方向にずれた位置に設けられていると、挟持体51でランプホルダー39の重心位置を挟持支持している場合に比べて、ランプホルダー39を揺動変位させやすくすることができる。したがって、ランプホルダー39が揺動変位することによるランプ15の断線抑制機能がより効果的に発揮される。
複数個の挟持体51が左右方向に並設されていると、1つの挟持体51を備える構成に比べて支点部分を増やすことができるので、支持部38によるランプホルダー39の挟持支持をより的確なものとできる。また、1つの挟持体51を備える構成では、上下方向を軸としてランプホルダー39が回転するおそれがあるが、複数個の挟持体51を設けることで、当該回転を阻止することができるので、ランプホルダー39をより適正姿勢に変位させることができる。
緩衝体64が、上緩衝体61と下緩衝体62との間で両緩衝体61・62を連結する接続体63を備えていると、各緩衝体61・62を個別に挟持体51に組み付ける構成に比べて、容易に支持構造を構築することができる。部品点数を削減することができるので、支持構造のコスト削減を図ることもできる。また、上下の挟持体52・53のいずれか一方に、他方の挟持体52・53に向かって伸びて緩衝体64に形成された貫通孔65に挿通される支軸56が形成され、他方の挟持体52・53に、支軸56が係合する軸受孔57が形成されていると、挟持体51と緩衝体64との間に位置ずれが生じることを確実に防ぐことができる。したがって、上下の緩衝体61・62による衝撃緩衝作用などをより適確に得ることができる。貫通孔65に支軸56を挿通させるだけで、緩衝体64を挟持体51に組み付けることができるので、より容易に支持構造を構築することもできる。
各挟持体52・53が、上下の緩衝体61・62よりも小径の円柱ブロックで形成された挟持ボス54と、挟持ボス54の周囲から放射状に形成される複数の補助リブ55とを備えるものとしていると、各緩衝体61・62は、その周面外側方向に加えて、挟持ボス54および補助リブ55と非接触の端面外側方向に変形可能となる。これにより、各緩衝体61・62をより大きく変形させることができるので、各緩衝体61・62は、より大きな衝撃緩衝作用を発揮するものとなる。因みに、各緩衝体61・62の端面全体が挟持体51と接触している場合には、各緩衝体61・62はその周面外側方向にのみ変形するので、各緩衝体61・62の変形量は小さくなる。
熱源として構成されるランプ15が、上記のランプの支持構造で支持されている小型電気機器によれば、該小型電気機器を取り落としたときに、その落下衝撃によってランプ15が断線することを効果的に防ぐことができる。本発明の小型電気機器としては、ヘアードライヤーや肌面を温める美容機器などを挙げることができる。
(実施例1) 図1から図5に、本発明に係るランプの支持構造を、熱源に赤外線を含む光を放射するハロゲンランプを用いたヘアードライヤーに適用した実施例1を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、各図に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2においてヘアードライヤー(取付対象)Dは、横長筒状の本体ケース1と、本体ケース1の後寄り下面に下向きに突出形成されるグリップ2とを備える。本体ケース1およびグリップ2は、勝手違い形状の左右一対のケース3・4を接合して形成される(図5参照)。グリップ2の内部には、ヘアードライヤーの動作を起動ないし停止し、さらに温冷風モードを切換えるスライド式のスイッチが配されており、該スイッチはグリップ2の前面に設けられたスライドノブで切換えられる。
本体ケース1の後端には空気の吸込口5が設けられ、前端には乾燥風の吹出口6が設けられている。吸込口5にはパンチングメタルからなる吸込グリル7が設けられ、吹出口6には金属メッシュ体からなる吹出グリル8が設けられている。両グリル7・8は左右のケース3・4で挟持固定されており、いずれも本体ケース1内に髪、衣服あるいは手指等が入り込むのを防いでいる。
本体ケース1の内部には、乾燥風を生起する軸流式の送風ファン11と、ファンケース12で支持されて、送風ファン11を回転駆動するファンモーター13と、熱源であるニクロム線からなるヒーター14、および赤外線を含む光を放射するハロゲンランプ(ランプ)15などが設けられており、送風ファン11、ファンモーター13、ヒーター14およびハロゲンランプ15が吸込口5から吹出口6に向かって記載順に配されている。ヒーター14は乾燥風を加温するための熱源であり、ハロゲンランプ15は放射光で乾燥対象を直接加温する熱源である。ファンケース12は、丸筒からなる外筒16および内筒17と、両筒16・17を一体に連結する放射状の連結リブ18などで構成されており、左ケース3にビスで締結固定されている。ファンモーター13は内筒17の内部に固定されており、後ろ向きに突出するファンモーター13の回転軸に送風ファン11が固定されている。
ファンケース12の前側には導風筒21が配されており、該導風筒21は、後端の直径寸法が外筒16の直径寸法と略同一である先窄まり円筒状に形成されている。これら外筒16と導風筒21とで、本体ケース1の内部に吸込口5から吹出口6へ至る乾燥風の主流路22が形成される。導風筒21の内部には、十文字状に組まれたマイカ板からなる絶縁枠23が設けられており、熱源のひとつであるヒーター14は絶縁枠23に螺旋状に巻回されている。導風筒21の上壁は、ヒーター14が配された部分の前後において開口されており、後側の開口が本体ケース1と導風筒21との間に乾燥風の一部を導出する導出口24とされ、前側の開口が導出口24から導出された乾燥風を導風筒21に再導入する導入口25とされている。これにより、本体ケース1の上壁と導風筒21の上壁との間に乾燥風の副流路26が形成される。
図2に示すように、ハロゲンランプ15は副流路26に配されており、吹出口6の上側には、ハロゲンランプ15の光を前方に向かって照射する照射窓27が開口されている。該照射窓27には、ハロゲンランプ15が放射する可視光領域の光を遮蔽する光学フィルター28が装着されており、該光学フィルター28によりユーザーが眩しさを感じることを防止している。ハロゲンランプ15は副流路26を流れる乾燥風で冷却される。
図3および図4に示すように、熱源のひとつであるハロゲンランプ15は、段付きガラス管からなるバルブ部31と、該バルブ部31の後端(一端)に設けられる長方体ブロック状の封止部32と、該封止部32の後端(一端)に後方に向かって突設される平行な一対の接続ピン(接続部)33とを備えている。バルブ部31にはハロゲンガスが封入されており、その内部にコイル状のフィラメント34が設けられている。該フィラメント34は、封止部32から延びる長短のL字状に形成された左右一対の給電ロッド35で支持されており、バルブ部31の略中心位置に配されている。各給電ロッド35は、封止部32で片持ち状に支持されており、左側の給電ロッド35と接続ピン33、および右側の給電ロッド35と接続ピン33のそれぞれは、封止部32の内部で連結されている。
図1、図3および図4に示すように、本実施例におけるフィラメント34の軸芯は前後方向に伸びている。また、フィラメント34の軸芯、および一対の給電ロッド35の軸芯は、前後方向と左右方向とで規定される水平面上に配されている。接続ピン33の軸芯は前後方向に伸びており、しかも先の水平面上に配されている。
ハロゲンランプ15は、副流路26内においてランプの支持構造で支持されている。ランプの支持構造は、ヘアードライヤーDに設けられる支持部38と、支持部38で支持されるランプホルダー39とを備える(図1および図4参照)。ランプホルダー39は、平面視が四角形状のプリント基板からなるホルダーベース40で形成されており、該ホルダーベース40の前側(一側)に、ハロゲンランプ15の接続ピン33が差込み装着されるソケット部(装着部)41が設けられている。ホルダーベース40には、前縁に中途段部42を備える段付き状のソケット切欠き43が形成されており、該ソケット切欠き43に、左右一対のソケット体44で構成されるソケット部41が配される。各ソケット体44は、導電性を有する金属板材を二つ折りにして形成されており、その折り曲げ部に接続ピン33が差し込まれる円環状のソケット孔45が設けられる。各ソケット体44は、ソケット孔45がソケット切欠き43に臨む状態で、ソケット孔45の逆側の端部がリベット46でホルダーベース40に締結され固定されている。ホルダーベース40には、ソケット体44へと繋がるプリント配線が形成されている。ソケット孔45は前後方向に指向しており、ハロゲンランプ15はソケット部41の前後方向の前方から後方に向かって差込み装着される。
図1および図3に示すように、導風筒21の上壁の中途部には、上面が平坦な支持台49が形成されており、該支持台49は、下面が開口する四角箱状の台カバー50で覆われている。支持部38は、これら支持台49と台カバー50で囲まれる空間に設けられており、ハロゲンランプ15の装着方向(前後方向)に直交する方向、本実施例では上下方向にランプホルダー39を挟持支持する挟持体51を備えている。本実施例では、挟持体51は上下一対の挟持体52・53で構成されており、2つの挟持体51が左右方向に並設されている。
図3に示すように、各挟持体52・53は、扁平な円柱状の挟持ボス54と、該挟持ボス54の周囲から等間隔位置に放射状に形成された4個の補助リブ55とを備える。下挟持体53は、支持台49の上面に一体に突設されており、その挟持ボス54の中心には支軸56が上向きに突設されている。上挟持体52は、台カバー50の内面に一体に突設されており、その挟持ボス54の中心に支軸56が係合する軸受孔57が形成されている。これら支軸56と軸受孔57とが係合することで、上下の挟持体52・53を適正位置に連結することができる。図3において符号58は、台カバー50の固定位置を規定するための位置決め突起を示す。なお、上挟持体52に支軸56を下向きに突設し、下挟持体53に支軸56が係合する軸受孔57を形成してもよい。図3において、符号59はハロゲンランプ15との干渉を防止するための逃げ切欠き59であり、該逃げ切欠き59は、台カバー50の前壁および該前壁に連続する上壁の一部を切欠いて形成されている。
図5に示すように、上挟持体52とホルダーベース40の上面との間には上緩衝体61が設けられ、下挟持体53とホルダーベース40の下面との間には下緩衝体62が設けられている。以上より、ホルダーベース40は、上下の緩衝体61・62を介して上下一対の挟持体52・53により挟持支持されている。上緩衝体61および下緩衝体62は、挟持体51(上挟持体52および下挟持体53)とともに支持部38を構成する。
図3において、符号64は上下の緩衝体61・62を含む緩衝体を示す。緩衝体64は、上下の緩衝体61・62と、両緩衝体61・62を連結する接続体63とからなり、これらを一体に成形してなるゴム成形品である。上下の緩衝体61・62は、同径同高の円柱ブロックで形成され、接続体63は両緩衝体61・62より小径の円柱ブロックで形成されている。緩衝体61・62と接続体63とは同心位置に形成されており、本実施例では接続体63の厚み寸法はホルダーベース40の厚み寸法と同一に設定されている。緩衝体64には、その軸心に沿って上緩衝体61から下緩衝体62に亘って貫通する貫通孔65が設けられており、この貫通孔65に先の支軸56を挿通させることで、挟持体51に緩衝体64を装着することができる。なお、緩衝体64を構成するゴムの硬度は、ランプホルダー39およびハロゲンランプ15の重量に対応させて好適な緩衝力を発揮する硬度を選択することができる。
緩衝体64とホルダーベース40との間には、ランプの支持構造の組み付け性を向上するための仮固定構造が設けられている。この仮固定構造は、ホルダーベース40の後端寄りの左右縁に切欠き形成された保持スリット68で構成される。具体的には、保持スリット68は、接続体63の直径寸法より小さい幅寸法に形成された直線溝状の挿入溝69と、該挿入溝69に連続する円状の保持溝70とで構成されており、保持溝70の直径寸法は、緩衝体64の接続体63の直径寸法と同じに設定されている。接続体63の保持溝70への挿入を容易にするため、挿入溝69とホルダーベース40の縁部との境界は斜めにカットされている。以上より、挿入溝69を介して接続体63を保持スリット68に差し込むことで、緩衝体64を保持スリット68に仮固定させることができる。かかる仮固定状態では、緩衝体64の上緩衝体61と下緩衝体62との対向面は、ホルダーベース40の上下面に密接している。また、この仮固定状態から、緩衝体64の貫通孔65に下挟持体53の支軸56を挿通させ、さらに支軸56に上挟持体52の軸受孔57を係合させることで、緩衝体61・62を介して、上下の挟持体52・53にランプホルダー39を挟持支持させることができる。なお、仮固定構造は、ホルダーベース40を貫通する孔で構成することもできる。以上よりランプホルダー39は、その後側(他側)が支持部38で片持ち状に支持される。
以上のように上下の挟持体52・53(挟持体51)に挟持支持させた状態において、ランプホルダー39は、挟持体51による挟持部分を支点にして、挟持方向すなわち上下方向の1方向に揺動可能に支持される。より具体的には、ランプホルダー39は、上下の挟持体52・53による挟持部分を支点にして、ハロゲンランプ15の伸び方向が前後方向と一致する中立姿勢と、ハロゲンランプ15の伸び方向が前後方向と不一致となる変位姿勢との間で、上下方向に揺動可能に挟持支持される。本実施例におけるランプホルダー39は、その後端寄りが支持部38で片持ち状に支持されているので、ヘアードライヤーDを取り落とすなどして大きな衝撃が作用したときには、前端側すなわちハロゲンランプ15の先端側が大きく揺動変位する。また、上下の緩衝体61・62は、常態においてはランプホルダー39を中立姿勢に保持しており、ヘアードライヤーDに衝撃が加わり、ランプホルダー39が中立姿勢から揺動変位したときには、ランプホルダー39の揺動変位速度を漸次減衰したのち中立姿勢へ復帰させる。
図4に示すように、各挟持体52・53を構成する挟持ボス54の直径寸法は、上下の緩衝体61・62の直径寸法よりも小さく形成されており、各緩衝体61・62を挟持体52・53に組み付けた状態では、上挟持体52の挟持ボス54の下面と補助リブ55の下面とが上緩衝体61の上面に接触し、下挟持体53の挟持ボス54の上面と補助リブ55の上面とが下緩衝体62の下面に接触している。このため、上述のようにランプホルダー39が揺動変位したとき、各緩衝体61・62は、その周面部分に加えて、挟持ボス54および補助リブ55と接触していない部分とで外側に変形することができる。
また、図1および図4に示すように、ランプホルダー39は、その後端寄りが支持部38で支持されている。このため、平板状のプリント基板で構成され前側にソケット部41を備えるランプホルダー39の重心位置は、挟持体51よりもハロゲンランプ15側(前側)に位置している。したがって、挟持体51は、ランプホルダー39の重心位置から後方向にずれた位置に設けられている。また、ソケット孔45は左右に並べて配されているため、ハロゲンランプ15をランプホルダー39に装着したとき、フィラメント34および給電ロッド35の配設平面(水平面)と、上下の挟持体52・53(挟持部51)の挟持方向(上下方向)とは直交している。
以上のような構成からなるランプの支持構造の組付けは、まず、ホルダーベース40の左右の保持スリット68に緩衝体64を仮固定する。次いで、緩衝体64の貫通孔65と支軸56とを位置合わせしたうえで、貫通孔65に支軸56を挿通させて、下挟持体53にホルダーベース40を支持させる。次いで、支軸56と台カバー50の軸受孔57とを位置合わせしたうえで、台カバー50を支持台49に被せ付け、支持台49と台カバー50とを接着固定することで、緩衝体61・62を介して、上下の挟持体52・53にランプホルダー39を挟持支持させることができる。最後にハロゲンランプ15の接続ピン33をソケット孔45に差し込み、ハロゲンランプ15をランプホルダー39に装着する。ソケット部41に装着されたハロゲンランプ15は、封止部32の後端がソケット切欠き43の中途段部42で受け止められている。
以上のように、実施例に係るランプの支持構造においては、ランプホルダー39を、支持部38が備える挟持部51(上下の挟持体52・53)による挟持部分を支点にして、挟持方向に揺動可能に挟持支持するように構成したので、ヘアードライヤーDに衝撃が作用したときランプホルダー39が揺動変位することで衝撃を逃がすことができ、ランプホルダー39に装着されたハロゲンランプ15に衝撃が直接作用することを抑えることができる。
加えて本実施例においては、挟持体51とランプホルダー39との間に、常態においてはランプホルダー39を中立姿勢に保持し、ランプホルダー39が中立姿勢から揺動変位したときにランプホルダー39を中立姿勢へ復帰させる緩衝体64を設けたので、衝撃によりランプホルダー39が揺動変位した場合でも、緩衝体64でランプホルダー39の揺動変位速度を漸次減衰させて、ランプホルダー39を中立姿勢へゆっくりと復帰させることができる。したがって、ランプホルダー39の揺動変位速度が大きくなることに起因して、あるいは長時間に亘ってランプホルダー39が揺動変位することに起因して、バルブ部31の内部に配された給電ロッド35やフィラメント34が断線することを防ぐことができる。さらに、緩衝体64によりランプホルダー39に作用する衝撃を緩衝することができるので、これによっても給電ロッド35やフィラメント34が断線することを防ぐことができる。
緩衝体64を、挟持体51を構成する上挟持体52とランプホルダー39との間に設けられる上緩衝体61と、挟持体51を構成する下挟持体53とランプホルダー39との間に設けられる下緩衝体62とを含むように構成したので、上下に設けられた2つの緩衝体61・62によりランプホルダー39に作用する衝撃をより確実に緩衝することができる。各緩衝体61・62が負担する減衰力を分散させることができるので、より確実にランプホルダー39の揺動変位速度を漸次減衰させることができる。以上より、このような構成からなるランプの支持構造によれば、ランプ15が断線することをより確実に防ぐことができる。いずれか一方の緩衝体61・62で衝撃を緩衝する構成する場合に比べて、緩衝体64の劣化を抑えることができるので、より長期にわたって断線防止効果が発揮される利点もある。
前後方向と左右方向とで規定される面を水平面と規定したとき、給電ロッド35およびフィラメント34の各軸芯を水平面上に配したので、給電ロッド35が弾性変形することによるフィラメント34の移動方向を、ランプホルダー39の揺動方向に一致させることができる。これによれば、ランプホルダー39の揺動変位に加えて、給電ロッド35の弾性変形によっても、フィラメント34に衝撃が作用することを抑制できるので、特に断線しやすいフィラメント34に作用する衝撃を大きく緩和することができる。
挟持体51を、ランプホルダー39の重心位置から前後方向にずれた位置に設けたので、挟持体51でランプホルダー39の重心位置を挟持支持している場合に比べて、ランプホルダー39を揺動変位させやすくすることができ、ランプホルダー39の揺動変位によるハロゲンランプ15の断線抑制機能を効果的に発揮させることができる。
一対の挟持体51を左右方向に並設したので、1つの挟持体51を備える構成に比べて支点部分を増やして、支持部38によるランプホルダー39の挟持支持をより的確なものとできる。また、1つの挟持体51を備える構成では、上下方向を軸としてランプホルダー39が回転するおそれがあるが、左右一対の挟持体51を設けることで、当該回転を阻止することができるので、ランプホルダー39をより適正姿勢に変位させることができる。
ランプホルダー39に、接続体63が差込み装着される保持スリット68を切欠き形成して、保持スリット68に接続体63を差込み装着したとき、上下の緩衝体61・62の対向面がランプホルダー39に密接する状態でランプホルダー39に緩衝体64が装着されるようにしたので、ランプホルダー39に緩衝体64を仮固定することができ、また、この仮固定状態から緩衝体61・62に対して緩衝体64を組み付けることができるので、容易に支持構造を構築することができる。
上下の緩衝体61・62と、上下の緩衝体61・62を連結する接続体63とを緩衝体64として一体化したので、各緩衝体61・62を個別に挟持体51に組み付ける構成に比べて、より容易に支持構造を構築することができる。部品点数を削減することができるので、支持構造のコスト削減を図ることもできる。また、緩衝体64に、上緩衝体61から下緩衝体62に亘って貫通する貫通孔65を形成し、一方の挟持体52に、他方の挟持体53に向かって伸びて貫通孔65に挿通される支軸56を形成し、他方の挟持体53に、支軸56が係合する軸受孔57を形成したので、一対の挟持体52・53と緩衝体64との間に位置ずれが生じることを確実に防ぐことができる。したがって、上下の緩衝体61・62による衝撃緩衝作用などをより適確に得ることができる。貫通孔65に支軸56を挿通させるだけで、緩衝体64を挟持体51に組み付けることができるので、より容易に支持構造を構築することもできる。
各緩衝体61・62を、同径同高の円柱ブロック状の弾性体で構成したので、挟持体52・53に対して緩衝体64を天地逆姿勢で組み付けることが可能となる。したがって、緩衝体64の組み付作業を簡素化して、より容易に支持構造を構築することができる。また、各挟持体52・53を、上下の緩衝体61・62よりも小径の円柱ブロックで形成された挟持ボス54と、挟持ボス54の周囲から放射状に形成される複数の補助リブ55とを備えるものとしたので、各緩衝体61・62は、その周面外側方向に加えて、挟持ボス54および補助リブ55と非接触の端面外側方向に変形可能となる。これにより、各緩衝体61・62をより大きく変形させることができるので、各緩衝体61・62は、より大きな衝撃緩衝作用を発揮するものとなる。因みに、各緩衝体61・62の端面全体が挟持体52と接触している場合には、各緩衝体61・62はその周面外側方向にのみ変形するので、各緩衝体61・62の変形量は小さくなる。
(実施例2) 図6に、本発明に係るランプの支持構造を、熱源に赤外線を含む光を放射するハロゲンランプを用いたヘアードライヤーに適用した実施例2を示す。本実施例においては、ランプホルダー39の構成が先の実施例1と相違する。具体的には、ランプホルダー39を構成するホルダーベース40は、等脚台形状のベース部73と、ベース部73の前縁両端からそれぞれ前向きに延設される一対のアーム部74とで構成されている。一対のアーム部74の間にソケット切欠き43が切欠き形成されており、該ソケット切欠き43に、左右一対のソケット体44で構成されるソケット部41が配される。また、一対のアーム部74の先端(前端)には、それぞれ保持スリット68が形成されている。本実施例では、ホルダーベース40は各アーム部74の前端、換言すればランプホルダー39は、その前端寄りが支持部38で支持される。このため、その後側にソケット部41を備えるランプホルダー39の重心位置は、挟持体51よりも後側に位置している。このように、ランプホルダー39の重心位置は、挟持体51よりも後側であってもよい。他は実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
(実施例3) 図7に、本発明に係るランプの支持構造を、熱源に赤外線を含む光を放射するハロゲンランプを用いたヘアードライヤーに適用した実施例3を示す。本実施例においては、支持部38が1つの挟持体51と一対の緩衝体61・62とで構成されており、ランプホルダー39の後左隅部の1箇所が挟持体51で挟持支持されている点が先の実施例1と相違する。具体的には、ホルダーベース40の後縁の左寄りに1つの保持スリット68が形成されており、該保持スリット68に緩衝体64が配されて、ランプホルダー39は上下の挟持体52・53で上下方向に揺動可能に挟持支持されている。ホルダーベース40の対角位置である前縁の右寄りにソケット切欠き43が切欠き形成されており、該ソケット切欠き43に、左右一対のソケット体44で構成されるソケット部41が配される。
上下の緩衝体61・62は、長円ブロックで形成され、接続体63は両緩衝体61・62より小径の長円ブロックで形成されている。緩衝体61・62と接続体63とは同心位置に形成されており、その軸心に沿って上緩衝体61から下緩衝体62に亘って貫通する長円孔からなる貫通孔65が設けられている。上下の挟持体52・53の挟持ボス54はそれぞれ前後に長い長円状に形成されている。また、下挟持体53の支軸56は長円軸状に形成され、上挟持体52の軸受孔57は支軸56に合致する長円孔で構成される。保持スリット68を構成する保持溝70は、接続体63に対応する長円状に形成されている。上記のように、挟持体51は1個であってもよく、先の各実施例のように2個(複数)設ける必要はない。なお、長円軸状に形成された支軸56によれば、ランプホルダー39が上下方向を軸として回転することを阻止できる。
上記の各実施例では、接続部33が接続ピンで構成されたハロゲンランプ15を適用したが、例えば接続部33はねじ込み式の口金からなる接続部33であってもよい。この場合には、装着部41は雌ねじ型のソケットを使用する。また、これら以外の接続部33を備えるハロゲンランプ15であってもよい。緩衝体64は、エラストマーや発泡樹脂など弾性を有する素材を使用することができる。両緩衝体61・62は、直径および高さ寸法が異なる円柱ブロック状であってもよく、直方体ブロック状であってもよい。上下の緩衝体61・62はいずれか一方を省略することができる。この場合には、省略した側は挟持体51で直接ランプホルダー39を挟持する。ランプホルダー39を構成するホルダーベース40は、断熱性および非導電性の素材で形成することができ、上記実施例のようなプリント基板に限られない。上記実施例においては、ランプ15のランプホルダー39への装着方向と、本体ケース1の伸び方向とが前後方向で一致していたが、本発明はこれに限られない。
本発明のランプの支持構造で支持されるランプ15はハロゲンランプに限らず、フィラメント34が給電ロッド35で支持されている形態のランプに適用できる。また、取付対象Dはヘアードライヤー以外に、肌面を温める美容機器などにも適用できる。