JP7486607B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、二輪車や四輪自動車等の車両を制動するためのディスクブレーキに関する。
本願は、2020年12月10日に、日本国に出願された特願2020-205022号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ディスクブレーキは、摩擦パッドをディスク軸方向に移動可能に係止する係止部材と、摩擦パッドをディスクへ押圧する押圧部材と、を備えている。摩擦パッドは、ディスクに接触するライニング材と、ライニング材が貼付される裏板と、を有している。ディスクブレーキにおいて、裏板のディスク回転方向の端部側に、摩擦パッドの長手方向に対して傾いた方向に延出する延出部を設けると共に、係止部材に延出部の延出方向に沿って広がる平面部を有するパッド係止部を設け、摩擦パッドの延出部を、パッド係止部に係止させる構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2019/244960号
ディスクブレーキにおいて生産性の低下を抑制することが求められている。
したがって、本発明は、生産性の低下を抑制することが可能となるディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係るディスクブレーキは、摩擦パッドと、前記摩擦パッドをディスクの軸方向に移動可能に係止するボディ部材と、前記ディスクの径方向内側に前記摩擦パッドを押圧するパッドスプリングと、を備え、前記摩擦パッドは、前記摩擦パッドの長手方向の端部から前記長手方向に対して前記ディスクの径方向外側に向けて傾いた方向に延出する延出部と、前記長手方向に直交しつつ前記延出部から前記ディスクの径方向内側に延出する基面部と、を備え、前記ボディ部材は、前記延出部の延出方向に沿った第1平面部を有し、前記延出部が係止されるパッド係止部と、前記パッド係止部から前記ディスクの径方向内側に延出して設けられ、前記基面部の延出方向に沿った第2平面部を有し、前記基面部が当接するトルク受部と、ディスク径方向外側で前記ディスクをディスク軸方向に跨ぐように配置されている中間連結部のディスク径方向の内側の部分に設けられてディスク径方向の内側に向く係止面部であって、前記ディスクの軸方向から見て、前記第2平面部に直交する平面を前記係止面部と前記中間連結部の壁面に備えられたディスク回出側の係合面との境界線からディスク回入側に延ばした部分とのなす角が鋭角に傾斜する前記係止面部と、を備え、前記パッドスプリングは、前記係止面部に当接することで、前記ディスクの軸方向から見て、前記第2平面部に直交する平面に対して傾斜して取り付けられている。
本発明の他の態様に係るディスクブレーキは、摩擦パッドであって、前記摩擦パッドの長手方向の端部から前記長手方向に対してディスクの径方向外側に向けて傾いた方向に延出する延出部と、前記長手方向に直交しつつ前記延出部から前記ディスクの径方向内側に延出する基面部と、を有する前記摩擦パッドと、前記摩擦パッドを前記ディスクの軸方向に移動可能に係止するボディ部材であって、前記延出部の延出方向に沿った第1平面部を有し、前記延出部が係止されるパッド係止部と、前記パッド係止部から前記ディスクの径方向内側に延出して設けられ、前記基面部の延出方向に沿った第2平面部を有し、前記基面部が当接するトルク受部と、ディスク径方向外側で前記ディスクをディスク軸方向に跨ぐように配置されている中間連結部のディスク径方向の内側の部分に設けられディスク径方向の内側に向く係止面部と、を有するボディ部材と、前記ディスクの軸方向から見て、前記第2平面部に直交する平面を前記係止面部と前記中間連結部の壁面に備えられたディスク回出側の係合面との境界線からディスク回入側に延ばした部分とのなす角が傾斜して取り付けられており、前記ディスクの径方向内側に前記摩擦パッドを押圧するパッドスプリングと、を備える。
本発明の上記各態様によれば、生産性の低下を抑制できるディスクブレーキを提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るディスクブレーキをディスク径方向の外側から見た図である。 同実施形態のディスクブレーキを示す図1のII矢視図である。 同実施形態のディスクブレーキを示す図1のIII矢視図である。 同実施形態のディスクブレーキをディスク径方向の内側から見た図である。 同実施形態のディスクブレーキを示す図1のV-V断面図である。 同実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングを示す断面図である。 同実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングを示す断面図である。 同実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングから摩擦パッドへ加わる力の関係を説明する図である。 同実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングから摩擦パッドへ加わる力の関係を説明する図である。 同実施形態のディスクブレーキのパッドスプリングから摩擦パッドへ加わる力の関係を説明する図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のディスクブレーキ10は、自動二輪車の前輪制動用の対向ピストン型のディスクブレーキである。なお、本発明は、これに限らず、例えば自動二輪車の後輪制動用や四輪自動車の制動用のディスクブレーキにも勿論適用可能である。
ディスクブレーキ10は、図1~図5に示すように、制動対象となる車輪とともに回転する円板状のディスク11と、車体側に取り付けられてこのディスク11に摩擦抵抗を付与するキャリパ12とを備えている。なお、以下においては、ディスク11の径方向をディスク径方向と称し、ディスク11の中心軸線をディスク軸線と称し、ディスク軸線の延在方向をディスク軸方向と称し、ディスク11の回転方向(円周方向)をディスク回転方向と称す。また、ディスク径方向におけるディスク11の中心側をディスク径方向の内側、ディスク径方向におけるディスク11の中心とは反対側をディスク径方向の外側と称す。また、このディスクブレーキ10が取り付けられた車両の前進走行時のディスク11の回転方向Rにおける出口側をディスク回出側と称し、同じく前進走行時のディスク11の回転方向Rにおける入口側をディスク回入側と称す。
キャリパ12は、図1~図3に示すようにディスク11の外周側を跨いで配置されて車体側に固定されるキャリパボディ15(ボディ部材)と、図2~図4に示すようにキャリパボディ15に収容される4つの同形状のピストン16と、を有している。本実施形態においては、ディスク11のディスク軸線とキャリパボディ15のディスク回転方向の中央とを通ってディスク径方向に沿う線をディスク径方向基準線と称し、このディスク径方向基準線の延在方向を基準線方向と称す。ディスク径方向基準線はディスク軸線に直交する。
キャリパ12には、2つのピストン16がディスク径方向およびディスク回転方向の位置を合わせてディスク11に対しディスク軸方向の両側に対をなして設けられている。このような構成が、ディスク回転方向に所定の間隔をあけて二対設けられている。言い換えれば、キャリパ12には、ディスク11に対しディスク軸方向の片側において一つのピストン16と一つのピストン16とが、ディスク径方向およびディスク軸方向の位置を合わせてディスク回転方向に所定の間隔をあけて並んで設けられている。このような構成が、ディスク11に対しディスク軸方向の両側に設けられている。よって、キャリパ12は、対向ピストン型の4ポットキャリパとなっている。なお、ピストンは、少なくともディスク11を挟んで一対あればよく、上記の二対以外にも三対あるいは四対としても良い。さらには、一つと二つ、二つと三つというように、ディスク11に対しディスク軸方向の両側でピストンの数を異ならせてもよい。
キャリパボディ15は、図1に示すように、ディスク軸方向におけるディスク11のアウタ側(ディスク11に対して車輪とは反対側)に配置されるシリンダ部21と、ディスク11のインナ側(ディスク11に対して車輪側)に配置されるシリンダ部22と、シリンダ部21およびシリンダ部22のディスク回転方向の一端部同士を連結する端側連結部23と、シリンダ部21およびシリンダ部22のディスク回転方向の他端部同士を連結する端側連結部24と、シリンダ部21およびシリンダ部22のディスク回転方向の中間部同士を連結する中間連結部25と、を有している。端側連結部23、端側連結部24および中間連結部25は、いずれもディスク11をディスク径方向外側でディスク軸方向に跨ぐように配置されている。言い換えれば、キャリパボディ15は、一対のシリンダ部21,22のディスク回転方向における端部においてディスク11を跨いで一対のシリンダ部21,22を連結する一対の端側連結部23,24と、一対のシリンダ部21,22のディスク回転方向における中間部においてディスク11を跨いで一対のシリンダ部21,22を連結する中間連結部25と、を有している。
キャリパボディ15は、シリンダ部21、シリンダ部22、端側連結部23、端側連結部24および中間連結部25を一体物の鋳物で形成したモノブロックキャリパとなっている。よって、シリンダ部21およびシリンダ部22は、端側連結部23、端側連結部24および中間連結部25を介して継ぎ目なく一体に形成されている。
アウタ側のシリンダ部21は、図4に示すように、ディスク11のアウタ側の面に対向して配置される。アウタ側のシリンダ部21は、ディスク回転方向の一端である端側連結部23側に配置された取付ボス部34と、ディスク回転方向の他端である端側連結部24側に配置された取付ボス部35と、を有している。
シリンダ部21は、複数のピストン16をディスク回転方向に並べて収容するため、ディスク回転方向に沿って長い形状をなしている。シリンダ部21には、図2に示すように、ピストン16をディスク軸方向に移動可能となるように収容する二カ所のシリンダボア38,39がディスク回転方向に並んで形成されている。シリンダボア38,39は、一方のシリンダボア38が、シリンダ部21のディスク回転方向の中央よりも端側連結部23側に、他方のシリンダボア39が、シリンダ部21のディスク回転方向の中央よりも端側連結部24側に、それぞれ配置されている。シリンダボア38,39は、ディスク軸方向においてディスク11側に開口している。
図1に示すように、シリンダ部21のディスク回転方向の中央位置には、シリンダボア38,39にブレーキ液を給排するための給排口41が形成されている。給排口41は、ディスク径方向基準線に対し平行に形成されている。
取付ボス部34にはマウント穴44が、取付ボス部35にはマウント穴45が、いずれもディスク径方向に貫通して形成されている。これらマウント穴44,45は、ディスク径方向基準線に平行をなしており、キャリパボディ15のディスク回転方向の中心から等距離の位置に、互いにディスク軸方向の位置を合わせて形成されている。キャリパ12は、これらのマウント穴44,45に挿通される図示略の取付ボルトで車両の車体側に固定される、いわゆるラジアルマウントタイプとなっている。
キャリパ12は、エア抜き用のブリーダプラグ48を有しており、キャリパボディ15の端側連結部23には、このブリーダプラグ48が取り付けられるブリーダボス部49が形成されている。キャリパボディ15は、このブリーダボス部49が形成された端側連結部23が鉛直方向上側に配置された状態で、ディスク11の車両前後方向後側に配置されることになる。よって、車両の前進走行時には、キャリパボディ15に対してディスク11が鉛直方向の下から上へと移動する。キャリパボディ15において、ブリーダボス部49が配置される一方の端側連結部23はディスク回出側に配置され、他方の端側連結部24はディスク回入側に配置される。
インナ側のシリンダ部22は、図4に示すように、ディスク11のインナ側の面に対向して配置される。インナ側のシリンダ部22は、図3に示すように、2つのピストン16をディスク回転方向に並べて収容するためディスク回転方向に沿って長い形状をなしている。シリンダ部22には、ピストン16をディスク軸方向に移動可能となるように収容する二カ所のシリンダボア58,59がディスク回転方向に並んで形成されている。シリンダボア58,59は、一方のシリンダボア58が、シリンダ部22のディスク回転方向の中央よりも端側連結部23側に、他方のシリンダボア59が、シリンダ部22のディスク回転方向の中央よりも端側連結部24側に、それぞれ配置されている。シリンダボア58,59は、ディスク軸方向のディスク11側に開口している。図1に示すアウタ側のシリンダ部21の給排口41は、図2に示すシリンダ部21のシリンダボア38,39に加えて、図3に示すシリンダ部22のシリンダボア58,59に対してもブレーキ液を給排する。シリンダボア38,39,58,59は同径である。
キャリパボディ15は、図1,図2に示すシリンダ部21と、図1,図3に示すシリンダ部22とが、互いにディスク回転方向およびディスク径方向の位置を重ね合わせてディスク軸方向に対向して配置されている。シリンダボア58はシリンダボア38と同軸に形成され、シリンダボア59はシリンダボア39と同軸に形成されている。
図1に示すように、ディスク回出側の端側連結部23は、そのディスク回転方向の端側連結部24側にパッド支持部32Aおよびパッド支持部33Bを有している。パッド支持部32Aはディスク11に対してアウタ側に、パッド支持部33Bはディスク11に対してインナ側に配置されている。ディスク回入側の端側連結部24は、そのディスク回転方向の端側連結部23側にパッド支持部32Bおよびパッド支持部33Aを有している。パッド支持部33Aはディスク11に対しアウタ側に配置され、パッド支持部32Bはディスク11に対しインナ側に配置されている。よって、端側連結部23は、パッド支持部32A,33Bをディスク軸方向におけるディスク11の両側に有している。端側連結部24は、パッド支持部32B,33Aをディスク軸方向におけるディスク11の両側に有している。言い換えれば、端側連結部23,24に、パッド支持部32A,33B,32B,33Aが設けられている。キャリパボディ15において、パッド支持部32A,33Bはディスク回出側に、パッド支持部32B,33Aはディスク回入側に、それぞれ配置されている。
図1,図4に示すディスク回出側のパッド支持部32Aとパッド支持部33Bとは、ディスク回転方向およびディスク径方向の位置を重ね合わせてディスク軸方向に対向している。また、ディスク回入側のパッド支持部33Aとパッド支持部32Bとは、ディスク回転方向およびディスク径方向の位置を重ね合わせてディスク軸方向に対向している。図4に示すように、アウタ側のパッド支持部32Aおよびパッド支持部33Aと、インナ側のパッド支持部32Bおよびパッド支持部33Bとの間に、ディスク11が配置されている。
アウタ側のパッド支持部32Aとパッド支持部33Aとは、ディスク回転方向において鏡面対称状となっている。インナ側のパッド支持部32Bとパッド支持部33Bとは、ディスク回転方向において鏡面対称状となっている。ディスク回出側のパッド支持部32Aとパッド支持部33Bとは、ディスク軸方向において鏡面対称状となっている。ディスク回入側のパッド支持部32Bとパッド支持部33Aとは、ディスク軸方向において鏡面対称状となっている。一対の端側連結部23,24は、一対のシリンダ部21,22のディスク回転方向における端部においてディスク11を跨いで一対のシリンダ部21,22を連結している。
キャリパボディ15には、シリンダ部21,22およびパッド支持部32A,32B,33A,33Bで囲まれて、略中央にディスク径方向両側に開口するパッド配置空間61が形成されている。パッド配置空間61のディスク径方向内側は、全体が開口している。図1に示すように、中間連結部25は、キャリパボディ15のディスク回転方向の中央位置に設けられており、パッド配置空間61をそのディスク径方向外側においてディスク軸方向に跨いで設けられている。よって、パッド配置空間61のディスク径方向外側は、ディスク回出側のパッド支持部32A,33Bおよび中間連結部25の間の部分と、ディスク回入側のパッド支持部32B,33Aおよび中間連結部25の間の部分とが開口している。図2に示すシリンダボア38,39および図3に示すシリンダボア58,59は、図4に示すパッド配置空間61に開口している。ディスク11は、パッド配置空間61のディスク軸方向の中央位置をディスク回転方向に横断している。
ここで、キャリパボディ15は、図1に示すシリンダ部21、シリンダ部22、端側連結部23、端側連結部24および中間連結部25が、図3に示すシリンダ部22のシリンダボア58,59の底部を除いて鋳造により継ぎ目なく一体成形されている。そして、シリンダ部22のこれら二カ所のシリンダボア58,59の底部の鋳出しされた開口部を介してシリンダボア38,39,58,59の内面が切削加工される。この後、シリンダ部22のシリンダボア58,59の底部の開口部に別体の閉塞部材を摩擦攪拌接合で接合させて開口部を閉塞して底部を形成することにより、キャリパボディ15が形成される。なお、シリンダ部21、シリンダ部22、端側連結部23、端側連結部24および中間連結部25の全体を、鋳造により一体成形し、シリンダ部21,22の間のパッド配置空間61からシリンダボア38,39,58,59の内面を切削加工しても良い。
図5に示すように、ディスク回出側の端側連結部23のインナ側のパッド支持部33Bには、パッド配置空間61側に向くトルク受面81B(第2平面部)と、ディスク11側に向くロータ対向面82Bと、ディスク径方向外側且つパッド配置空間61側に向く平面部83B(第1平面部)と、が形成されている。トルク受面81Bは、ディスク径方向基準線に平行に広がる平坦面であり、ディスク軸線にも平行に広がっている。ロータ対向面82Bは、ディスク軸線に対し垂直に広がっている。平面部83Bは、ディスク軸線に平行に広がる平坦面であり、基準線方向においてディスク径方向外側ほどディスク径方向基準線から離れるように傾斜している。平面部83Bとトルク受面81Bとは鈍角をなしている。
パッド支持部33Bは、ディスク径方向の外側の端部が、平面部83Bを含むパッド係止部85Bとなっており、パッド係止部85Bよりもディスク径方向の内側の部分がトルク受面81Bを含むトルク受部86Bとなっている。トルク受部86Bは、パッド係止部85Bからディスク径方向の内側に延出して設けられている。トルク受部86Bは、パッド係止部85Bから連続して設けられている。トルク受面81Bは、パッド係止部85Bの平面部83Bから連続して設けられている。
ディスク回入側の端側連結部24のインナ側のパッド支持部32Bには、パッド配置空間61側に向くトルク受面71B(第2平面部)と、ディスク11側に向くロータ対向面72Bと、ディスク径方向外側且つパッド配置空間61側に向く平面部73B(第1平面部)と、が形成されている。トルク受面71Bは、ディスク径方向基準線に平行に広がる平坦面であり、ディスク軸線にも平行に広がっている。ロータ対向面72Bは、ディスク軸線に対し垂直に広がっており、ロータ対向面82Bと同一平面に配置されている。平面部73Bは、ディスク軸線に平行に広がる平坦面であり、基準線方向においてディスク径方向外側ほどディスク径方向基準線から離れるように傾斜している。平面部73Bとトルク受面71Bとは鈍角をなしており、この角度は、平面部83Bとトルク受面81Bとのなす角と同等の角度となっている。
パッド支持部32Bは、ディスク径方向の外側の端部が、平面部73Bを含むパッド係止部75Bとなっており、パッド係止部75Bよりもディスク径方向の内側の部分がトルク受面71Bを含むトルク受部76Bとなっている。トルク受部76Bは、パッド係止部75Bからディスク径方向の内側に延出して設けられている。トルク受部76Bは、パッド係止部75Bから連続して設けられている。トルク受面71Bは、パッド係止部75Bの平面部73Bから連続して設けられている。パッド係止部75B,85Bはディスク回転方向において鏡面対称状である。トルク受部76B,86Bもディスク回転方向において鏡面対称状である。
図4に示すように、ディスク回出側の端側連結部23のアウタ側のパッド支持部32Aには、パッド配置空間61側に向くトルク受面71A(第2平面部)と、ディスク11側に向くロータ対向面72Aとが形成されており、図1に示すようにディスク径方向外側且つパッド配置空間61側に向く平面部73A(第1平面部)が形成されている。図4に示すトルク受面71Aは、ディスク径方向基準線に平行に広がる平坦面であり、ディスク軸線にも平行に広がっている。ロータ対向面72Aは、ディスク軸線に対し垂直に広がっている。トルク受面71Aはトルク受面81Bと同一平面に配置されている。図1に示す平面部73Aは、ディスク軸線に平行に広がる平坦面であり、基準線方向においてディスク径方向の外側ほどディスク径方向基準線から離れるように傾斜している。平面部73Aは、平面部83Bと同一平面に配置されている。平面部73Aと図4に示すトルク受面71Aとは鈍角をなしており、この角度は、図5に示す平面部83Bとトルク受面81Bとのなす角と同等の角度となっている。
図1に示すように、パッド支持部32Aは、ディスク径方向の外側の端部が、平面部73Aを含むパッド係止部75Aとなっており、パッド係止部75Aよりもディスク径方向の内側の部分が、図4に示すようにトルク受面71Aを含むトルク受部76Aとなっている。トルク受部76Aは、パッド係止部75Aからディスク径方向の内側に延出して設けられている。トルク受部76Aは、図1に示すパッド係止部75Aから連続して設けられている。図4に示すトルク受面71Aは、図1に示すパッド係止部75Aの平面部73Aから連続して設けられている。
図4に示すように、ディスク回入側の端側連結部24のアウタ側のパッド支持部33Aには、パッド配置空間61側に向くトルク受面81A(第2平面部)と、ディスク11側に向くロータ対向面82Aとが形成されており、図1に示すようにディスク径方向外側且つパッド配置空間61側に向く平面部83A(第1平面部)が形成されている。図4に示すトルク受面81Aは、ディスク径方向基準線に平行に広がる平坦面であり、ディスク軸線にも平行に広がっている。トルク受面81Aはトルク受面71Bと同一平面に配置されている。ロータ対向面82Aは、ディスク軸線に対し垂直に広がっており、ロータ対向面72Aと同一平面に配置されている。図1に示す平面部83Aは、ディスク軸線に平行に広がる平坦面であり、基準線方向においてディスク径方向外側ほどディスク径方向基準線から離れるように傾斜している。平面部83Aは、平面部73Bと同一平面に配置されている。平面部83Aと図4に示すトルク受面81Aとは鈍角をなしており、この角度は、図5に示す平面部83Bとトルク受面81Bとのなす角と同等の角度となっている。
図1に示すように、パッド支持部33Aは、ディスク径方向の外側の端部が、平面部83Aを含むパッド係止部85Aとなっており、パッド係止部85Aよりもディスク径方向の内側の部分が、図4に示すようにトルク受面81Aを含むトルク受部86Aとなっている。トルク受部86Aは、パッド係止部85Aからディスク径方向の内側に延出して設けられている。トルク受部86Aは、図1に示すパッド係止部85Aから連続して設けられている。図4に示すトルク受面81Aは、図1に示すパッド係止部85Aの平面部83Aから連続して設けられている。パッド係止部75A,85Aはディスク回転方向において鏡面対称状であり、図4に示すトルク受部76A,86Aもディスク回転方向において鏡面対称状である。
同一平面に配置されるトルク受面71A,81Bと、同一平面に配置されるトルク受面71B,81Aとは平行である。これらトルク受面71A,71B,81A,81Bは、ディスク径方向基準線およびディスク軸線を含む面に平行であって、この面から等距離の位置に配置されている。トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面は、ディスク径方向基準線に直交する。
図1に示すように、中間連結部25には、ディスク回出側とディスク回入側とに、ディスク軸方向の幅が同等の係合凹部91と係合凹部92とが形成されている。ディスク回出側の係合凹部91は、中間連結部25のディスク回出側の壁面からディスク回入側に向かって凹んでおり、ディスク回入側の係合凹部92は、中間連結部25のディスク回入側の壁面からディスク回出側に向かって凹んでいる。
係合凹部91は、その凹み方向奥側の係合面93が平面状である。係合凹部91は、係合面93を含んで切削加工により形成されている。係合面93は、ディスク軸線に平行に広がっている。係合面93は、図5に示すようにディスク径方向内側ほどディスク径方向基準線からの距離が大きくなるように、ディスク径方向基準線に対して傾斜している。
係合凹部92は、その凹み方向奥側の係合面94が平面状である。係合凹部92は、係合面94を含んで切削加工により形成されている。係合面94は、ディスク軸線に平行に広がっている。係合面94は、ディスク径方向内側ほどディスク径方向基準線からの距離が大きくなるように、ディスク径方向基準線に対して傾斜している。係合面93と係合面94とは、ディスク径方向基準線とディスク軸線とを含む面とのなす角の角度が同等であり、この面からの距離が同等である。
中間連結部25は、そのディスク径方向の内側の部分が、ディスク径方向の内側に向く平面状の係止面部96となっている。係止面部96は切削加工により形成されている。係止面部96は、ディスク軸線に平行に広がっている。係止面部96は、ディスク回出側の方がディスク回入側よりも、基準線方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜している。言い換えれば、係止面部96は、ディスク径方向基準線に対して直交せず交差している。係止面部96は、キャリパボディ15を、ディスク軸方向から見て、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸方向に平行な平面に対して鋭角をなすように傾斜している。すなわち、この平面を係止面部96とディスク回出側の係合面93との境界線からディスク回入側に延ばし、この延ばした部分と係止面部96とのなす角である係止面部傾斜角が鋭角になっている。係止面部96は、ディスク回出側の係合面93とのなす角が、ディスク回入側の係合面94とのなす角よりも大きい。
ここで、この係止面部傾斜角は微小な角度であるものの、係止面部96は、寸法公差の範囲内にあれば、必ず、ディスク回出側の方がディスク回入側よりも基準線方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜する。言い換えれば、係止面部96は、寸法公差の範囲内にあれば、必ず、係止面部96よりもディスク径方向の内方にあってトルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面からの距離が、ディスク回出側の方がディスク回入側よりも大きくなるように、ディスク軸線に平行な線を中心に回転させられた形状をなしている。
キャリパ12は、キャリパボディ15の中間連結部25のディスク径方向の内側に取り付けられるパッドスプリング101と、パッドスプリング101のディスク径方向の内側に配置されてパッドスプリング101でディスク径方向の内側に押圧される一対の同形状の摩擦パッド102と、を有している。
パッドスプリング101は、中間連結部25の係止面部96に当接し、係合凹部91,92に係合されて中間連結部25に取り付けられている。キャリパボディ15は、このパッドスプリング101によってディスク径方向の内側に押圧される一対の摩擦パッド102をディスク径方向の内側で支持する。その際に、キャリパボディ15は、これら一対の摩擦パッド102をディスク軸方向に移動可能に係止する。図4に示すように、これら一対の摩擦パッド102は、キャリパボディ15のパッド配置空間61内に配置される。その際に、これら一対の摩擦パッド102は、ディスク11に対向して配置される。一方の摩擦パッド102がアウタ側のシリンダ部21とディスク11との間に配置される。他方の摩擦パッド102がインナ側のシリンダ部22とディスク11との間に配置される。
パッドスプリング101は、一定板厚の板材からプレス成形により打ち抜かれ折り曲げられて形成されるものであり、図5に示すように基板部111および一対の係合板部112,113と、図1に示すように4つの延出板部114,115,116,117および一対の押圧板部118,119とを有している。図6A,6Bに、キャリパボディ15に組み付けられる前の自然状態のパッドスプリング101を示している。ここでは、まず、キャリパボディ15に組み付けられる前の自然状態のパッドスプリング101について説明する。
基板部111は、略矩形の平板状である。
一対の係合板部112,113は、互いに同形状であり、鏡面対象形状である。一対の係合板部112,113は、略S字状である。一対の係合板部112,113は、一方の係合板部112が基板部111の一の端縁部の中間位置に、他方の係合板部113が基板部111のこの一の端縁部とは反対側の端縁部の中間位置に、それぞれ設けられている。一対の係合板部112,113は、基板部111から基板部111の厚さ方向における同じ一側に延出している。
延出板部114,115,116,117は、全て平板状である。延出板部114,115は、基板部111の係合板部112が設けられた一の端縁部に、係合板部112を互いの間に挟むように設けられている。延出板部116,117は、基板部111の係合板部113が設けられた他の端縁部に、係合板部113を互いの間に挟むように設けられている。延出板部114,115は、基板部111から基板部111の広がる方向に沿って、延出板部116,117とは反対方向に延出している。延出板部116,117は、基板部111から基板部111の広がる方向に沿って、延出板部114,115とは反対方向に延出している。延出板部114,115,116,117は、基板部111から離れるほど、基板部111の厚さ方向において係合板部112,113とは反対側に位置するように基板部111に対して同等の鈍角をなして傾斜している。
延出板部114,115は、係合板部112を間に挟んで鏡面対称の形状をなしている。延出板部116,117は、係合板部113を間に挟んで鏡面対称の形状をなしている。延出板部114,116は、基板部111を間に挟んで鏡面対称の形状をなしている。延出板部115,117は、基板部111を間に挟んで鏡面対称の形状をなしている。
一対の押圧板部118,119は、略矩形の同形状の平板状である。一方の押圧板部118は、延出板部114,115の基板部111とは反対側の端縁部同士を連結している。押圧板部118は、基板部111の広がる方向に沿って延出板部114,115から基板部111とは反対方向に延出している。押圧板部118は、基板部111とのなす角が、延出板部114,115の基板部111とのなす角よりも大きく、基板部111と略平行に設けられている。
他方の押圧板部119は、延出板部116,117の基板部111とは反対側の端縁部同士を連結している。押圧板部119は、基板部111の広がる方向に沿って延出板部116,117から基板部111とは反対方向に延出している。押圧板部119は、基板部111とのなす角が、延出板部116,117の基板部111とのなす角よりも大きく、基板部111と略平行に設けられている。一対の押圧板部118,119は、間に延出板部114,115、基板部111および延出板部116,117を挟んで鏡面対称の形状をなしている。
パッドスプリング101は、例えば、押圧板部118および延出板部114,115を右側に、押圧板部119および延出板部116,117を左側に、一対の延出板部114,116を前側(手前側)に、延出板部115,117を後側(奥側)に、それぞれ配置した状態で、左右方向に鏡面対称の形状であり、前後方向にも鏡面対称の形状である。よって、パッドスプリング101は、基板部111の厚さ方向に沿う中心軸を中心に180度回転させても同じ形状となる。
以上により、パッドスプリング101は、延出板部114,116と延出板部115,117とを結ぶ方向にみて略左右対称である。パッドスプリング101は、延出板部114,116と延出板部115,117とを結ぶ方向がディスク軸方向に配されることになる。よって、パッドスプリング101は、ディスク軸方向から見ても略左右対称である。
パッドスプリング101は、図5に示すように、キャリパボディ15の中間連結部25のディスク径方向内側に取り付けられる。その際に、パッドスプリング101は、係合板部112で中間連結部25の係合凹部91の係合面93に当接し、係合板部113で中間連結部25の係合凹部92の係合面94に当接し、さらに基板部111で中間連結部25の係止面部96に面接触で当接するようにしてキャリパボディ15に取り付けられる。パッドスプリング101は、係合板部112,113が弾性変形しつつ中間連結部25を挟持することでキャリパボディ15に取り付けられることになる。その際に、パッドスプリング101は、基板部111が中間連結部25の係止面部96に面接触で当接してキャリパボディ15に対する姿勢が決められる。よって、キャリパボディ15の係止面部96は、パッドスプリング101を取り付ける際の基準面となる。
パッドスプリング101は、キャリパボディ15のパッド配置空間61内に配置されることで、キャリパボディ15に対してディスク軸方向に位置決めされる。よって、パッドスプリング101は、キャリパボディ15のパッド配置空間61内に配置され、基板部111において中間連結部25の係止面部96に面接触し、係合板部112,113において中間連結部25を挟持することで、キャリパボディ15に対して全方向に位置決めされる。
ここで、パッドスプリング101は、上記したように前後および左右に鏡面対称の形状であるため、ディスク回転方向において反転させてキャリパボディ15に取り付けても、キャリパボディ15に対して上記と同様の状態になる。
ここでは、パッドスプリング101について、一対の係合板部のうち、ディスク回出側の係合凹部91に係合する係合板部を係合板部112とし、ディスク回入側の係合凹部92に係合する係合板部を係合板部113とする。また、図1に示すように、4箇所の延出板部のうち、ディスク回出側且つアウタ側に配置される延出板部を延出板部114とし、ディスク回出側且つインナ側に配置される延出板部を延出板部115とし、ディスク回入側且つアウタ側に配置される延出板部を延出板部116とし、ディスク回入側且つインナ側に配置される延出板部を延出板部117とする。また、一対の押圧板部のうち、ディスク回出側に配置される押圧板部を押圧板部118とし、ディスク回入側に配置される押圧板部を押圧板部119とする。
図5に示すように、係合板部112は、基板部111のディスク回出側の端縁部からディスク径方向外方に延出して中間連結部25の係合凹部91に係合している。係合板部113は、基板部111のディスク回入側の端縁部からディスク径方向外方に延出して中間連結部25の係合凹部92に係合している。
図5において延出板部115を示すように、ディスク回出側の一対の延出板部114,115は、基板部111のディスク回出側の端縁部からディスク回出側に延出している。ディスク回出側の押圧板部118は、一対の延出板部114,115のディスク回出側の端縁部からディスク回出側に延出している。図5において延出板部117を示すように、ディスク回入側の一対の延出板部116,117は、基板部111のディスク回入側の端縁部からディスク回入側に延出している。ディスク回入側の押圧板部119は、一対の延出板部116,117のディスク回入側の端縁部からディスク回入側に延出している。
上記したように、パッドスプリング101は、基板部111を中間連結部25の係止面部96に面接触で当接させてキャリパボディ15に取り付けられている。言い換えれば、パッドスプリング101は、基板部111が中間連結部25の係止面部96に平行に当接している。ここで、上記したように、係止面部96は、キャリパボディ15をディスク軸方向から見て、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面に対して傾斜している。このため、パッドスプリング101も、ディスク軸方向から見て、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面に対して傾斜して取り付けられている。すなわち、パッドスプリング101は、基板部111において係止面部96に当接することで、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面に対して傾斜してキャリパボディ15に取り付けられている。
パッドスプリング101の中間連結部25とは反対側に一対の摩擦パッド102が配置されている。言い換えれば、パッドスプリング101は、中間連結部25と一対の摩擦パッド102との間に配置されて中間連結部25に取り付けられている。
パッドスプリング101は、ディスク回出側の押圧板部118が一対の摩擦パッド102のディスク回出側の部分にディスク径方向外側から当接してこれらをディスク径方向内方に押圧する。また、パッドスプリング101は、ディスク回入側の押圧板部119が一対の摩擦パッド102のディスク回入側の部分にディスク径方向外側から当接してこれらをディスク径方向内方に押圧する。
一対の摩擦パッド102は、互いに同形状をなす共通部品である。摩擦パッド102は、ディスク回転方向に長い裏板121と、裏板121の厚さ方向一側の面に、裏板121の長手方向に延在して貼付されるライニング材122とを有している。摩擦パッド102は、裏板121においてキャリパボディ15に支持され、ライニング材122においてディスク11に接触して車両に制動力を付与する。
裏板121は、一定板厚となっており、ライニング材122が貼付される主板部130と、主板部130のディスク回転方向の両端部側であってディスク径方向外側からディスク回転方向両外側に延出する一対の延出部131および延出部132とを有している。主板部130は、ディスク回転方向に長い略長方形状をなしており、延出部131および延出部132は、主板部130の長手方向の両側であるディスク回転方向の両端部側から主板部130の長手方向に対して傾いた方向に延出している。主板部130の長手方向は、裏板121の長手方向であり、摩擦パッド102の長手方向である。よって、裏板121には、ディスク回転方向両端部側であってディスク径方向外側に、摩擦パッド102の長手方向に対してディスク径方向外側に向けて傾いた方向に延出する一対の延出部131,132が形成されている。言い換えれば、延出部131および延出部132は、摩擦パッド102の長手方向の端部から、この長手方向に対してディスク径方向外側に向けて傾いた方向に延出している。裏板121は、主板部130の外形が鏡面対称の形状をなしており、延出部131と延出部132とが鏡面対称の形状をなしている。よって、裏板121は、その長手方向において鏡面対称の形状をなしている。
一方の延出部131は、主板部130のディスク回転方向の一端部側であってディスク径方向外側から主板部130の長手方向に沿って主板部130から離れる方向に延出しており、延出先端側ほど、基準線方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜している。他方の延出部132は、主板部130のディスク回転方向の他端部側であってディスク径方向外側から主板部130の長手方向に沿って主板部130から離れる方向に延出しており、延出先端側ほど、基準線方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜している。
主板部130は、延出部131の根元位置となる長手方向一側に、主板部130の長手方向に対し垂直に広がる平面状の基面部141を有しており、延出部132の根元位置となる長手方向他側に、主板部130の長手方向に対し垂直に広がる平面状の基面部142を有している。主板部130は、ディスク径方向外側に、一対の延出部131,132の相互近接側の端縁部同士を結ぶ外面部143を有している。一対の延出部131,132は外面部143よりもディスク径方向の外側に突出している。
基面部141,142は、いずれも裏板121の板厚方向に広がる平面状である。基面部141,142は、互いに平行である。基面部141は、延出部131から連続して設けられており、摩擦パッド102の長手方向に直交しつつ延出部131からディスク径方向の内側に延出している。基面部142は、延出部132から連続して設けられており、摩擦パッド102の長手方向に直交しつつ延出部132からディスク径方向の内側に延出している。
延出部131は、基面部141と外面部143との間から延出している。延出部131は、裏板121を板厚方向から見て略菱形の形状をなしている。延出部131は、ディスク径方向内側且つディスク回転方向外側の面部151と、ディスク径方向内側且つディスク回転方向内側の面部152と、ディスク径方向外側の当接面部153とを有している。面部151,152および当接面部153は、いずれも裏板121の板厚方向に広がる平坦面であり、ディスク軸方向に沿って広がっている。
面部151は、基面部141のディスク径方向外側の端縁部から、摩擦パッド102の長手方向および基準線方向に対し斜めをなして、ディスク径方向外側且つディスク回転方向外側に延出している。面部151と基面部141とは鈍角をなしている。面部151と基面部141とのなす角は、パッド支持部32Bの平面部73Bとトルク受面71Bとのなす角と同等の角度となっている。
面部152は、外面部143のディスク回転方向の基面部141側の端縁部から、摩擦パッド102の長手方向および基準線方向に対し斜めをなして、ディスク径方向外側且つディスク回転方向外側に延出している。面部152と外面部143とは鈍角をなしている。
当接面部153は、面部151の基面部141とは反対側の端縁部と、面部152の外面部143とは反対側の端縁部とを繋いでいる。面部151と当接面部153とは鋭角をなしており、面部152と当接面部153とは鈍角をなしている。当接面部153は、摩擦パッド102の長手方向に平行である。
延出部132は、基面部142と外面部143との間から延出している。延出部132は、裏板121を板厚方向から見て略菱形の形状をなしている。延出部132は、ディスク径方向内側且つディスク回転方向外側の面部161と、ディスク径方向内側且つディスク回転方向内側の面部162と、ディスク径方向外側の当接面部163とを有している。面部161,162および当接面部163は、いずれも裏板121の板厚方向に広がる平坦面であり、ディスク軸方向に沿って広がっている。
面部161は、基面部142のディスク径方向外側の端縁部側から、摩擦パッド102の長手方向および基準線方向に対し斜めをなして、ディスク径方向外側且つディスク回転方向外側に延出している。面部161と基面部142とは鈍角をなしている。面部161と基面部142とのなす角は、パッド支持部33Bの平面部83Bとトルク受面81Bとのなす角と同等の角度となっており、延出部131の面部151と基面部141とのなす角と同等の角度となっている。
面部162は、外面部143のディスク回転方向の基面部142側の端縁部から、摩擦パッド102の長手方向および基準線方向に対し斜めをなして、ディスク径方向外側且つディスク回転方向外側に延出している。面部162と外面部143とは鈍角をなしている。
当接面部163は、面部161の基面部142とは反対側の端縁部と、面部162の外面部143とは反対側の端縁部とを繋いでいる。面部161と当接面部163とは鋭角をなしており、面部162と当接面部163とは鈍角をなしている。当接面部163は、摩擦パッド102の長手方向に平行である。当接面部163と当接面部153とは、同一平面に配置されている。
摩擦パッド102は、キャリパボディ15のパッド配置空間61のインナ側に組み付けられる際に、ライニング材122を裏板121に対しアウタ側に配置し、延出部131,132をディスク径方向外側に配置する姿勢で、図5に示すように、延出部131がディスク回入側のパッド係止部75Bに、延出部132がディスク回出側のパッド係止部85Bに、それぞれ係止されることになる。
その際に、このインナ側に配置される摩擦パッド102は、ディスク回出側に配置される延出部132が、当接面部163においてパッドスプリング101のディスク回出側の押圧板部118に面接触で当接し押圧板部118および一対の延出板部114,115でディスク径方向内側に押圧されることになって、面部161においてパッド係止部85Bの平面部83Bに面接触で当接する。また、このインナ側に配置される摩擦パッド102は、ディスク回入側の延出部131が、当接面部153においてパッドスプリング101のディスク回入側の押圧板部119に面接触で当接し押圧板部119および一対の延出板部116,117でディスク径方向内側に押圧されることになって、面部151においてパッド係止部75Bの平面部73Bに面接触で当接する。
摩擦パッド102は、キャリパボディ15のパッド配置空間61のアウタ側に組み付けられる際に、ライニング材122を裏板121に対しインナ側に配置し、延出部131,132をディスク径方向外側に配置する姿勢で、延出部131が図1に示すディスク回出側のパッド支持部32Aのパッド係止部75Aに、延出部132がディスク回入側のパッド支持部33Aのパッド係止部85Aに、それぞれ係止されることになる。
その際に、このアウタ側に配置される摩擦パッド102は、ディスク回出側に配置される延出部131が、当接面部153においてパッドスプリング101のディスク回出側の押圧板部118に面接触で当接し押圧板部118および一対の延出板部114,115でディスク径方向内側に押圧されることになって、面部151においてパッド係止部75Aの平面部73Aに面接触で当接する。また、このアウタ側に配置される摩擦パッド102は、ディスク回入側の延出部132が、当接面部163においてパッドスプリング101のディスク回入側の押圧板部119に面接触で当接し押圧板部119および一対の延出板部116,117でディスク径方向内側に押圧されることになって、面部161においてパッド係止部85Aの平面部83Aに面接触で当接する。
ここで、図5に示すように、キャリパボディ15の係止面部96は、ディスク回出側の方がディスク回入側よりも、基準線方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜している。このため、パッドスプリング101は、基板部111が、キャリパボディ15の係止面部96に面接触することで係止面部96と同様に、ディスク回出側の方がディスク回入側よりも基準線方向においてディスク径方向外側に位置するように傾斜する。よって、基板部111は、ディスク回入側の方がディスク回出側よりも基準線方向において一対の摩擦パッド102の当接面部153,163に近い。このため、パッドスプリング101は、一対の摩擦パッド102のディスク回入側の当接面部153,163に当接するディスク回入側の押圧板部119と基板部111との間の延出板部116,117の弾性変形量の方が、一対の摩擦パッド102のディスク回出側の当接面部153,163に当接するディスク回出側の押圧板部118と基板部111との間の延出板部114,115の弾性変形量よりも大きくなる。よって、延出板部116,117と押圧板部119とのなす角の方が、延出板部114,115と押圧板部118とのなす角よりも大きく、180度に近くなる。
これにより、パッドスプリング101が一対の摩擦パッド102をディスク径方向内方に押圧する荷重は、図7Aに示すディスク回入側の荷重Finの方が、図7Bに示すディスク回入側の荷重Foutよりも大きくなる。
ここで、図7Aにインナ側の摩擦パッド102のディスク回入側の延出部131の面部151とパッド係止部75Bの平面部73Bとを示すように、一対の摩擦パッド102のディスク回入側の延出部131,132の面部151,161およびパッド係止部75B,85Aの平面部73B,83Aのディスク径方向基準線に対する角度をθとする。すると、荷重Finは、ディスク回入側の面部151,161および平面部73B,83Aに垂直な方向の分力Fin・sinθと、ディスク回入側の面部151,161および平面部73B,83Aに沿う方向の分力Fin・cosθとに分けられる。
また、図7Bにインナ側の摩擦パッド102のディスク回出側の延出部132の面部161とパッド係止部85Bの平面部83Bとを示すように、一対の摩擦パッド102のディスク回出側の延出部131,132の面部151,161およびパッド係止部75A,85Bの平面部73A,83Bのディスク径方向基準線に対する角度もθとなる。すると、荷重Foutは、ディスク回出側の面部151,161および平面部73A,83Bに垂直な方向の分力Fout・sinθと、ディスク回出側の面部151,161および平面部73A,83Bに沿う方向の分力Fout・cosθとに分けられる。
そして、一対の摩擦パッド102のディスク回入側の延出部131,132の面部151,161およびパッド係止部75B,85Aの平面部73B,83Aの間の摩擦係数μinと、一対の摩擦パッド102のディスク回出側の延出部131,132の面部151,161およびパッド係止部75A,85Bの平面部73A,83Bの間の摩擦係数μoutとは略同等である。よって、パッドスプリング101から一対の摩擦パッド102には、図7Cに示すような分力Fout・cosθと分力Fin・cosθとの合力Ftolが発生する。この合力Ftolは、ディスク径方向内方に向くことになり、また、ディスク回出側の荷重Foutよりもディスク回入側の荷重Finの方が大きいことから、ディスク回転方向においてはディスク回出側に向くことになる。
図5に示すように、インナ側に配置される摩擦パッド102は、パッドスプリング101の付勢力のみを受ける状態では、パッドスプリング101の上記した合力Ftolで、主板部130の基面部142を、これに対向するインナ側且つディスク回出側のトルク受面81Bに面接触で当接させ、延出部132の面部161を、これに対向するインナ側且つディスク回出側の平面部83Bに面接触で当接させると共に、延出部131の面部151を、これに対向するインナ側且つディスク回入側の平面部73Bに面接触で当接させる。
キャリパボディ15をディスク軸方向から見て、係止面部96と、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面とのなす角は、パッド係止部75B,85Bの平面部73B,83Bの傾きの大きさ、言い換えれば、延出部131,132の面部151,161の傾きの大きさに基づいて設定される。すなわち、分力Foutを一定、分力Finを分力Foutよりも大きく一定と仮定する。この場合に、平面部73B,83Bおよび面部151,161の傾きの大きさである角度θを小さくすると、合力Ftolにおけるディスク回転方向の成分が小さくなってしまう。よって、角度θを小さくした場合には、合力Ftolにおけるディスク回転方向の成分を十分な所定値以上とするために、分力Foutと分力Finとの差を大きくする必要がある。このため、係止面部96と、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面とのなす角を大きくする。逆に、角度θを大きくした場合には、分力Foutと分力Finとの差を小さくしても、合力Ftolにおけるディスク回転方向の成分を十分な所定値以上とすることができる。そのため、係止面部96と、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面とのなす角を小さくする。
一対の摩擦パッド102およびパッドスプリング101が組み付けられた状態で、キャリパボディ15は、インナ側のパッド係止部75Bがインナ側の摩擦パッド102の延出部131の延出方向に沿って広がる平面部73Bを有することになる。このインナ側の摩擦パッド102は、延出部131が、面部151において平面部73Bに面接触で当接して、インナ側のパッド係止部75Bに係止されることになる。また、この状態で、キャリパボディ15は、インナ側のパッド係止部85Bがインナ側の摩擦パッド102の延出部132の延出方向に沿って広がる平面部83Bを有することになる。このインナ側の摩擦パッド102は、延出部132が、面部161において平面部83Bに面接触で当接して、インナ側のパッド係止部85Bに係止されることになる。
また、この状態で、キャリパボディ15は、インナ側のトルク受部86Bが、インナ側の摩擦パッド102の基面部142の延出方向に沿ったトルク受面81Bを有することになる。インナ側のトルク受部76Bが、インナ側の摩擦パッド102の基面部141の延出方向に沿ったトルク受面71Bを有することになる。また、この状態で、このインナ側の摩擦パッド102は、主板部130の基面部142をトルク受部86Bのトルク受面81Bに当接させるとともに、主板部130の基面部141をトルク受部76Bのトルク受面71Bに対し若干の隙間をもって対向させることになる。さらに、この状態で、インナ側の摩擦パッド102は、延出部131,132がディスク11の最外周よりもディスク径方向外側に配置されることになる。
図1および図4に示すアウタ側に配置される摩擦パッド102は、パッドスプリング101の付勢力のみを受ける状態では、パッドスプリング101の上記合力Ftolで、主板部130の基面部141を、これに対向するアウタ側且つディスク回出側のトルク受面71Aに面接触で当接させ、延出部131の面部151を、これに対向するアウタ側且つディスク回出側の平面部73Aに面接触で当接させると共に、延出部132の面部161を、これに対向するアウタ側且つディスク回入側の平面部83Aに面接触で当接させる。
キャリパボディ15をディスク軸方向から見て、係止面部96と、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面とのなす角は、パッド係止部75A,85Aの平面部73A,83Aの傾きの大きさ、言い換えれば、延出部131,132の面部151,161の傾きの大きさに基づいて設定される。すなわち、分力Foutを一定、分力Finを分力Foutよりも大きく一定と仮定する。この場合に、平面部73A,83Aおよび面部151,161の傾きの大きさである角度θを小さくすると、合力Ftolにおけるディスク回転方向の成分が小さくなってしまう。よって、角度θを小さくした場合には、合力Ftolにおけるディスク回転方向の成分を十分な所定値以上とするために、分力Foutと分力Finとの差を大きくする必要がある。このため、係止面部96と、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面とのなす角を大きくする。逆に、角度θを大きくした場合には、分力Foutと分力Finとの差を小さくしても、合力Ftolにおけるディスク回転方向の成分を十分な所定値以上とすることができる。そのため、係止面部96と、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面とのなす角を小さくする。
一対の摩擦パッド102およびパッドスプリング101が組み付けられた状態で、キャリパボディ15は、アウタ側のパッド係止部75Aがアウタ側の摩擦パッド102の延出部131の延出方向に沿って広がる平面部73Aを有することになる。また、このアウタ側の摩擦パッド102は、延出部131が、面部151において平面部73Aに面接触で当接して、アウタ側のパッド係止部75Aに係止されることになる。また、この状態で、キャリパボディ15は、アウタ側のパッド係止部85Aがアウタ側の摩擦パッド102の延出部132の延出方向に沿って広がる平面部83Aを有することになる。また、このアウタ側の摩擦パッド102は、延出部132が、面部161において平面部83Aに面接触で当接して、アウタ側のパッド係止部85Aに係止されることになる。
また、この状態で、キャリパボディ15は、アウタ側のトルク受部76Aが、アウタ側の摩擦パッド102の基面部141の延出方向に沿ったトルク受面71Aを有することになり、アウタ側のトルク受部86Aが、アウタ側の摩擦パッド102の基面部142の延出方向に沿ったトルク受面81Aを有することになる。また、この状態で、このアウタ側の摩擦パッド102は、主板部130の基面部141をトルク受部76Aのトルク受面71Aに当接させるとともに、主板部130の基面部142をトルク受部86Aのトルク受面81Aに対し若干の隙間をもって対向させることになる。さらに、この状態で、アウタ側の摩擦パッド102は、延出部131,132がディスク11の最外周よりもディスク径方向外側に配置されることになる。以上のようにして、一対の摩擦パッド102が、一つのキャリパボディ15に係止される。
図5に示すインナ側の摩擦パッド102は、キャリパボディ15のインナ側のパッド係止部75B,85Bで支持されてディスク軸方向に移動することになり、その際に、パッド係止部75B,85Bは、ディスク回転方向両側のV字配置された平面部73B,83Bでインナ側の摩擦パッド102の延出部131,132を係止することになる。
図1に示すアウタ側の摩擦パッド102は、キャリパボディ15のアウタ側のパッド係止部75A,85Aに支持されてディスク軸方向に移動することになり、その際に、パッド係止部75A,85Aは、ディスク回転方向両側のV字配置された平面部73A,83Aでアウタ側の摩擦パッド102の延出部131,132を係止することになる。
よって、キャリパ12は、一対の摩擦パッド102を支持するパッドピンを持たずに一対の摩擦パッド102をキャリパボディ15で直接支持する、いわゆる、パッドピンレス構造となっている。
以上のようにディスクブレーキ10は、左右対称形状のパッドスプリング101としても、キャリパボディ15の係止面部96を、ディスク軸線に平行に配置し、しかもトルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面に対して斜めにすることで、パッドスプリング101によるディスク回入側の荷重Finとディスク回出側の荷重Foutとに大小を設定することができる。その結果、左右対称形状のパッドスプリング101であっても、一対の摩擦パッド102に、ディスク回出側に向けた荷重を与えることができる。よって、一対の摩擦パッド102をディスク回出側に寄せてキャリパボディ15のトルク受部76A,86Bに当接させておくことができる。したがって、車両の前進走行時における制動時に摩擦パッド102がディスク回出側に移動してキャリパボディ15のトルク受部76A,86Bに衝突することにより生じるクロンク音を抑制することができる。
以上のディスクブレーキ10においては、図1に示す給排口41を介して、図2,図3に示すシリンダ部21,22のシリンダボア38,39,58,59内にブレーキ液が導入されると、図4に示す4つのピストン16がブレーキ液の液圧によってディスク11の方向に移動する。すると、アウタ側のシリンダ部21に設けられた二つのピストン16が、シリンダ部21とディスク11との間に設けられたアウタ側の摩擦パッド102を押圧してそのライニング材122をディスク11に押し付ける。また、インナ側のシリンダ部22に設けられた二つのピストン16が、シリンダ部22とディスク11との間に設けられたインナ側の摩擦パッド102を押圧してそのライニング材122をディスク11に押し付ける。これにより、車両に制動力を発生させることになる。言い換えれば、アウタ側のピストン16がアウタ側の摩擦パッド102をディスク11へ押圧し、インナ側のピストン16がインナ側の摩擦パッド102をディスク11へ押圧する。
このとき、一対の摩擦パッド102は、ディスク径方向内方およびディスク回転方向への移動がパッド支持部32A,33A,32B,33Bで規制されるようにキャリパボディ15に係止されて、ディスク軸方向に移動することになる。
ディスク軸方向の移動時に、図5に示すインナ側の摩擦パッド102は、延出部131,132においてインナ側のパッド支持部32B,33Bのパッド係止部75B,85Bに支持されて移動することになる。そして、その際に、延出部131が面部151でパッド係止部75Bの平面部73Bを摺動し、延出部132が面部161でパッド係止部85Bの平面部83Bを摺動する。ディスク軸方向の移動時に、図1に示すアウタ側の摩擦パッド102は、延出部131,132においてアウタ側のパッド支持部32A,33Aのパッド係止部75A,85Aに係止されて移動することになる。そして、その際に、延出部131が面部151でパッド係止部75Aの平面部73Aを摺動し、延出部132が面部161でパッド係止部85Aの平面部83Aを摺動する。このように、パッド係止部75A,75B,85A,85Bを含むキャリパボディ15は、摩擦パッド102をディスク軸方向に移動可能に係止する。
車両の前進制動時には、いずれもライニング材122においてディスク11に接触して一対の摩擦パッド102がディスク回出側に移動する。すると、図4に示すように、アウタ側の摩擦パッド102が裏板121の基面部141において、ディスク回出側のトルク受部76Aのトルク受面71Aに面接触して押し付けられ、インナ側の摩擦パッド102が裏板121の基面部142において、ディスク回出側のトルク受部86Bのトルク受面81Bに面接触して押し付けられる。これにより、キャリパボディ15が主としてトルク受部76A,86Bで一対の摩擦パッド102からの制動トルクを受ける。
車両の後退制動時には、いずれもライニング材122においてディスク11に接触して一対の摩擦パッド102がトルク受部76B,86A側に移動する。すると、アウタ側の摩擦パッド102が裏板121の基面部142において、トルク受部86Aのトルク受面81Aに面接触して押し付けられ、インナ側の摩擦パッド102が裏板121の基面部141において、トルク受部76Bのトルク受面71Bに面接触して押し付けられる。これにより、キャリパボディ15が主としてトルク受部76B,86Aで一対の摩擦パッド102からの制動トルクを受ける。
上記した特許文献1には、摩擦パッドの裏板のディスク回転方向端部側に、摩擦パッドの長手方向に対して傾いた方向に延出する延出部を設けると共に、係止部材に延出部の延出方向に沿って広がる平面部を有するパッド支持部を設け、摩擦パッドの延出部を、パッド支持部に係止させる構造のディスクブレーキが開示されている。ところで、ディスクブレーキにおいては、制動時に発生する、いわゆるクロンク音と呼ばれる異音を抑制するため、パッドスプリングの付勢力によって摩擦パッドを係止部材のディスク回出側のトルク受部に当接させるようになっている。すなわち、クロンク音は、車両の前進走行時における制動時に摩擦パッドがディスク回出側に移動して係止部材のトルク受部に衝突することにより生じる。このため、非制動時においてもパッドスプリングの付勢力によって摩擦パッドをディスク回出側に付勢して係止部材のトルク受部に押し付けておくことで衝突を抑制し、クロンク音を抑制するようになっている。このように摩擦パッドをディスク回転方向に付勢する必要があるため、パッドスプリングの形状を簡素化できず、生産性を低下させてしまう。
本実施形態のディスクブレーキ10は、一対の摩擦パッド102が、摩擦パッド102の長手方向の端部からこの長手方向に対してディスク11の径方向外側に向けて傾いた方向に延出する延出部131,132と、摩擦パッド102の長手方向に直交しつつ延出部131からディスク11の径方向内側に延出する基面部141と、摩擦パッド102の長手方向に直交しつつ延出部132からディスク11の径方向内側に延出する基面部142と、を備えている。また、ディスクブレーキ10は、キャリパボディ15が、ディスク回出側且つアウタ側に、延出部131の延出方向に沿った平面部73Aを有し、延出部131が係止されるパッド係止部75Aと、パッド係止部75Aからディスク径方向の内側に延出して設けられ、基面部141の延出方向に沿ったトルク受面71Aを有し、基面部141が当接するトルク受部76Aと、を備えている。また、キャリパボディ15は、ディスク回出側且つインナ側に、延出部132の延出方向に沿った平面部83Bを有し、延出部132が係止されるパッド係止部85Bと、パッド係止部85Bからディスク径方向の内側に延出して設けられ、基面部142の延出方向に沿ったトルク受面81Bを有し、基面部142が当接するトルク受部86Bと、を備えている。また、キャリパボディ15は、ディスク回入側且つアウタ側に、延出部132の延出方向に沿った平面部83Aを有し、延出部132が係止されるパッド係止部85Aと、パッド係止部85Aからディスク径方向の内側に延出して設けられ、基面部142の延出方向に沿ったトルク受面81Aを有し、基面部142が当接するトルク受部86Aと、を備えている。また、キャリパボディ15は、ディスク回入側且つインナ側に、延出部131の延出方向に沿った平面部73Bを有し、延出部131が係止されるパッド係止部75Bと、パッド係止部75Bからディスク径方向の内側に延出して設けられ、基面部141の延出方向に沿ったトルク受面71Bを有し、基面部141が当接するトルク受部76Bと、を備えている。
このような構造のディスクブレーキ10において、パッドスプリング101が、ディスク11の軸方向から見て、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交する平面に対して傾斜して取り付けられている。このようにパッドスプリング101を傾斜させてキャリパボディ15に取り付けることで、パッドスプリング101に、一対の摩擦パッド102に対するディスク回転方向の付勢力を発生させることができる。よって、パッドスプリング101の形状を簡素化することが可能となり、生産性の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のディスクブレーキ10は、キャリパボディ15が、ディスク11の軸方向から見て、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交する平面に対して鋭角に傾斜した係止面部96を備えている。そして、パッドスプリング101は、係止面部96に当接することで、トルク受面71A,71B,81A,81Bに対して傾斜して取り付けられる。このため、パッドスプリング101を容易に且つ適正に傾斜させてキャリパボディ15に取り付けることができる。したがって、パッドスプリング101のキャリパボディ15への取り付けが容易となる。よって、生産性の低下をさらに抑制することができる。加えて、係止面部96の傾斜は、機械加工によって形成することができる。このため、キャリパボディ15の素材となる鋳物を車両における右取り付け用と左取り付け用とで共通にできる。したがって、鋳物部品の種類の削減および鋳物部品の管理コストおよび鋳型費の削減を図ることができる。
また、本実施形態のディスクブレーキ10は、パッドスプリング101がディスク11の軸方向から見て略左右対称であるため、パッドスプリング101をディスク回転方向の向きを気にせずにキャリパボディ15に取り付けることができる。したがって、パッドスプリング101のキャリパボディ15への取り付けが容易となるため、生産性の低下をさらに抑制することができる。すなわち、パッドスプリングの形状自体で摩擦パッドをディスク回転方向に付勢するためには、パッドスプリングを左右非対称にする必要がある。このようにパッドスプリングを左右非対称にした場合、組み付け方向を明確にするため、パッドスプリングに組み付けの向きを示す矢印や文字等を刻印したり、キャリパボディ側にパッドスプリングの誤組み付け防止用の形状を機械加工や鋳出しにより設けたりする必要があった。また、組み立て工程でもパッドスプリングを組み付けの方向性に注意しながらキャリパボディに組み付ける必要があって作業工数がかかり、また、組み付け後も誤組み付けの有無を確認するための目視検査を複数回行う必要があった。これらはいずれも生産性の低下に繋がってしまう。本実施形態のディスクブレーキ10は、パッドスプリング101をディスク11の軸方向から見て略左右対称であるため、パッドスプリング101に組み付けの向きを示す刻印をしたり、キャリパボディ15側にパッドスプリング101の誤組み付け防止用の形状を設けたりする必要がなくなる。また、パッドスプリング101を車両における右取り付け用と左取り付け用とで共通にでき、部品の種類の削減および管理コストおよびプレス型費の削減を図ることができる。よって、パッドスプリング101およびキャリパボディ15の製造コストを低減することができる。また、パッドスプリング101を組み付けの方向性に注意せずキャリパボディ15に組み付けることができ、パッドスプリング101の誤組み付けの有無を確認するための目視検査も不要になる。したがって、生産性の低下をさらに抑制することができる。
また、本実施形態のディスクブレーキ10は、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交する平面に対し係止面部96がなす鋭角の角度が、延出部131,132の傾きの大きさに基づいて設定されている。したがって、パッドスプリング101によって一対の摩擦パッド102をディスク回転方向に適正な付勢力で付勢することができる。
また、本実施形態のディスクブレーキ10は、ディスク11の回出側のトルク受部76A,86Bが上記構造であるため、パッドスプリング101が一対の摩擦パッド102を良好にディスク回出側のトルク受部76A,86Bに当接させることができる。したがって、制動時の異音の発生を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のディスクブレーキ10は、摩擦パッド102がインナ側とアウタ側とで共通であるため、部品の種類の削減および部品の管理コストの削減を図ることができる。
ここで、本実施形態のディスクブレーキ10では、キャリパボディ15におけるパッドスプリング101の取り付けの基準面となる係止面部96を、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面に対して傾斜させることにより、この平面を取り付けの基準として取り付けられるパッドスプリング101をこの平面と同様に傾斜させるようにした。しかしながら、トルク受面71A,71B,81A,81Bに直交し且つディスク軸線に平行な平面に対して傾斜させてパッドスプリング101を取り付けることができれば、これに限らず、他の種々の方策を採用することができる。
以上に述べた本実施形態の第1の態様は、摩擦パッド(例えば摩擦パッド102)と、前記摩擦パッドをディスク(例えばディスク11)の軸方向に移動可能に係止するボディ部材(例えばキャリパボディ15)と、前記ディスクの径方向内側に前記摩擦パッドを押圧するパッドスプリング(例えばパッドスプリング101)と、を備え、前記摩擦パッドが、前記摩擦パッドの長手方向の端部から前記長手方向に対して前記ディスクの径方向外側に向けて傾いた方向に延出する延出部(例えば延出部131,132)と、前記長手方向に直交しつつ前記延出部から前記ディスクの径方向内側に延出する基面部(例えば基面部141,142)と、を備え、前記ボディ部材が、前記延出部の延出方向に沿った第1平面部(例えば平面部73A,73B,83A,83B)を有し、前記延出部が係止されるパッド係止部(例えばパッド係止部75A,75B,85A,85B)と、前記パッド係止部から前記ディスクの径方向内側に延出して設けられ、前記基面部の延出方向に沿った第2平面部(例えばトルク受面71A,71B,81A,81B)を有し、前記基面部が当接するトルク受部(例えばトルク受部76A,76B,86A,86B)と、を備え、前記パッドスプリングが、前記ディスクの軸方向から見て、前記第2平面部に直交する平面に対して傾斜して取り付けられている。これにより、生産性の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態の第2の態様は、上記第1の態様において、前記ボディ部材が、前記ディスクの軸方向から見て、前記第2平面部に直交する平面に対して鋭角に傾斜した係止面部(例えば係止面部96)を備え、前記パッドスプリングが、前記係止面部に当接することで、前記第2平面部に直交する平面に対して傾斜して取り付けられている。
また、本実施形態の第3の態様は、上記第2の態様において、前記パッドスプリングが、前記ディスクの軸方向から見て略左右対称である。
また、本実施形態の第4の態様は、上記第2の態様において、前記鋭角の大きさが、前記延出部の傾きの大きさに基づいて設定されている。
また、本実施形態の第5の態様は、上記第1の態様において、前記トルク受部が、前記ディスクの回出側である。
また、本実施形態の第6の態様は、摩擦パッド(例えば摩擦パッド102)であって、前記摩擦パッドの長手方向の端部から前記長手方向に対してディスク(例えばディスク11)の径方向外側に向けて傾いた方向に延出する延出部(例えば延出部131,132)と、前記長手方向に直交しつつ前記延出部から前記ディスクの径方向内側に延出する基面部(例えば基面部141,142)と、を有する摩擦パッドと、前記摩擦パッドを前記ディスクの軸方向に移動可能に係止するボディ部材(例えばキャリパボディ15)であって、前記延出部の延出方向に沿った第1平面部(例えば平面部73A,73B,83A,83B)を有し、前記延出部が係止されるパッド係止部(例えばパッド係止部75A,75B,85A,85B)と、前記パッド係止部から前記ディスクの径方向内側に延出して設けられ、前記基面部の延出方向に沿った第2平面部(例えばトルク受面71A,71B,81A,81B)を有し、前記基面部が当接するトルク受部(例えばトルク受部76A,76B,86A,86B)と、を有するボディ部材と、前記ディスクの軸方向から見て、前記第2平面部に直交する平面に対して傾斜して取り付けられており、前記ディスクの径方向内側に前記摩擦パッドを押圧するパッドスプリング(例えばパッドスプリング101)と、を備える。
本発明のディスクブレーキによれば、生産性の低下を抑制することが可能となる。よって、産業上の利用可能性は大である。
10 ディスクブレーキ
11 ディスク
15 キャリパボディ(ボディ部材)
71A,71B,81A,81B トルク受面(第2平面部)
73A,73B,83A,83B 平面部(第1平面部)
75A,75B,85A,85B パッド係止部
76A,76B,86A,86B トルク受部
96 係止面部
101 パッドスプリング
102 摩擦パッド
131,132 延出部
141,142 基面部

Claims (4)

  1. 摩擦パッドと、
    前記摩擦パッドをディスクの軸方向に移動可能に係止するボディ部材と、
    前記ディスクの径方向内側に前記摩擦パッドを押圧するパッドスプリングと、
    を備え、
    前記摩擦パッドは、
    前記摩擦パッドの長手方向の端部から前記長手方向に対して前記ディスクの径方向外側に向けて傾いた方向に延出する延出部と、
    前記長手方向に直交しつつ前記延出部から前記ディスクの径方向内側に延出する基面部と、
    を備え、
    前記ボディ部材は、
    前記延出部の延出方向に沿った第1平面部を有し、前記延出部が係止されるパッド係止部と、
    前記パッド係止部から前記ディスクの径方向内側に延出して設けられ、前記基面部の延出方向に沿った第2平面部を有し、前記基面部が当接するトルク受部と、
    ディスク径方向外側で前記ディスクをディスク軸方向に跨ぐように配置されている中間連結部のディスク径方向の内側の部分に設けられてディスク径方向の内側に向く係止面部であって、前記ディスクの軸方向から見て、前記第2平面部に直交する平面を前記係止面部と前記中間連結部の壁面に備えられたディスク回出側の係合面との境界線からディスク回入側に延ばした部分とのなす角が鋭角に傾斜する前記係止面部と、
    を備え、
    前記パッドスプリングは、前記係止面部に当接することで、前記ディスクの軸方向から見て、前記第2平面部に直交する平面に対して傾斜して取り付けられている、
    ディスクブレーキ。
  2. 前記パッドスプリングは、前記ディスクの軸方向から見て左右方向に鏡面対称である、
    請求項に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記トルク受部は、前記ディスクの回出側である、
    請求項1に記載のディスクブレーキ。
  4. 摩擦パッドであって、
    前記摩擦パッドの長手方向の端部から前記長手方向に対してディスクの径方向外側に向けて傾いた方向に延出する延出部と、
    前記長手方向に直交しつつ前記延出部から前記ディスクの径方向内側に延出する基面部と、
    を有する前記摩擦パッドと、
    前記摩擦パッドを前記ディスクの軸方向に移動可能に係止するボディ部材であって、
    前記延出部の延出方向に沿った第1平面部を有し、前記延出部が係止されるパッド係止部と、
    前記パッド係止部から前記ディスクの径方向内側に延出して設けられ、前記基面部の延出方向に沿った第2平面部を有し、前記基面部が当接するトルク受部と、
    ディスク径方向外側で前記ディスクをディスク軸方向に跨ぐように配置されている中間連結部のディスク径方向の内側の部分に設けられディスク径方向の内側に向く係止面部と、
    を有するボディ部材と、
    前記ディスクの軸方向から見て、前記第2平面部に直交する平面を前記係止面部と前記中間連結部の壁面に備えられたディスク回出側の係合面との境界線からディスク回入側に延ばした部分とのなす角が傾斜して取り付けられており、前記ディスクの径方向内側に前記摩擦パッドを押圧するパッドスプリングと、
    を備えるディスクブレーキ。
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