JP7500511B2 - 情報処理装置及び情報処理方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
例えば、情報処理装置において、処理効率の向上が望まれる。
Nature Communications Volume 3, Article number: 800 (2012). Physical Review A 41, 2295 (1990).
実施形態は、処理効率を向上できる情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
実施形態によれば、情報処理装置は、複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を含む。前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並ぶ。前記複数の量子ビット対は、2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、を含む。前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数である。前記lは、1以上でn/2以下を超えない最大の整数以下の整数である。前記量子ビット対構造体は、前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第1スピンチェインと、前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の第2スピンチェインと、前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第3スピンチェインと、前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の第4スピンチェインと、前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の第5スピンチェインと、前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第6スピンチェインと、前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の第7スピンチェインと、前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第8スピンチェインと、を含む。前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、第1固有エネルギーを有する。前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、第2固有エネルギーを有する。前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、第3固有エネルギーを有する。前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、第4固有エネルギーを有する。前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー及び前記第4固有エネルギーは、互いに異なる。前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有しない。前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有しない。前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有しない。前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第3固有エネルギーを有しない。
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図2は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図3は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図4は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図6は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。 図7は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。 図8は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。 図9は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。 図10は、情報処理装置における動作を例示する模式図である。 図11は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図12は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図13(a)及び図13(b)は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図14は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式的断面図である。 図15は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式的断面図である。 図16は、実施形態に係る情報処理装置における状態を例示する模式図である。 図17は、実施形態に係る情報処理装置における状態を例示する模式図である。 図18は、実施形態に係る情報処理装置における状態を例示する模式図である。 図19は、実施形態に係る情報処理装置における状態を例示する模式図である。 図20は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図21(a)及び図21(b)は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図22(a)~図22(d)は、第1実施形態に係る情報処理装置の製造方法を例示する模式的平面図である。 図23は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。 図24は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。 図25(a)~図25(d)は、第1実施形態に係る情報処理装置の製造方法を例示する模式的平面図である。 図26(a)~図26(d)は、第1実施形態に係る情報処理装置の製造方法を例示する模式的平面図である。 図27は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。 図28(a)及び図28(b)は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図1に示すように、実施形態に係る情報処理装置110は、量子ビット対構造体10Aを含む。図1の例では、量子ビット対構造体10Aは、第1構成CF1を有する。
量子ビット対構造体10Aは、複数の量子ビット対10pを含む。複数の量子ビット対10pは、m行n列に並ぶ。「m」は、3以上の整数である。「n」は、3以上の整数である。複数の量子ビット対10pは、例えば、第1軸方向Dx1及び第2軸方向Dx2に沿って並ぶ。第2軸方向Dx2は、第1軸方向Dx1と交差する。
図1においては、複数の量子ビット対10pは、「Z」、「X」または「D」の文字により表示されている。「Z」、「X」または「D」の文字は、情報処理装置110で実施される処理における機能に対応して良い。機能の例については後述する。
複数の量子ビット対10pに設けられる量子状態が、情報処理に用いられる量子ビットに対応可能である。複数の量子ビット対10pの例については、後述する。
複数の量子ビット対10pは、2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対11rと、(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対12rと、(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対15aと、2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対15bと、2k行で2l列の第3隣量子ビット対15cと、(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対15dと、(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対15eと、(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対15fと、を含む。「k」は、1以上で、m/2を超えない最大の整数以下の整数である。「l」は、1以上で、n/2を超えない最大の整数以下の整数である。
量子ビット対構造体10Aは、第1~第8スピンチェイン21~28を含む。第1~第8スピンチェイン21~28は、例えば、複数の電子スピンを含む列を含む。これらのスピンチェインの例については、後述する。
第1スピンチェイン21は、第1量子ビット対11rと第1隣量子ビット対15aとの間に設けられる。
第2スピンチェイン22は、第1量子ビット対11rと第2隣量子ビット対15bとの間に設けられる。
第3スピンチェイン23は、第1量子ビット対11rと第3隣量子ビット対15cとの間に設けられる。
第4スピンチェイン24は、第1量子ビット対11rと第4隣量子ビット対15dとの間に設けられる。
第5スピンチェイン25は、第2量子ビット対12rと第5隣量子ビット対15eとの間に設けられる。
第6スピンチェイン26は、第2量子ビット対12rと第1隣量子ビット対15aとの間に設けられる。
第7スピンチェイン27は、第2量子ビット対12rと第6隣量子ビット対15fとの間に設けられる。
第8スピンチェイン28は、第2量子ビット対12rと第3隣量子ビット対15cとの間に設けられる。
第1スピンチェイン21及び第5スピンチェイン25は、第1固有エネルギーEを有する。第1スピンチェイン21及び第5スピンチェイン25は、複数のエネルギーを有して良い。第1固有エネルギーEは、複数のエネルギーの1つで良い。
第2スピンチェイン22及び第6スピンチェイン26は、第2固有エネルギーEを有する。第2スピンチェイン22及び第6スピンチェイン26は、複数のエネルギーを有して良い。第2固有エネルギーEは、複数のエネルギーの1つで良い。
第3スピンチェイン23及び第7スピンチェイン27は、第3固有エネルギーEを有する。第3スピンチェイン23及び第7スピンチェイン27は、複数のエネルギーを有して良い。第3固有エネルギーEは、複数のエネルギーの1つで良い。
第4スピンチェイン24及び第8スピンチェイン28は、第4固有エネルギーEを有する。第4スピンチェイン24及び第8スピンチェイン28は、複数のエネルギーを有して良い。第4固有エネルギーEは、複数のエネルギーの1つで良い。
第1~第4固有エネルギーE~Eは、例えば、フェルミオンモードの固有エネルギーである。第1固有エネルギーE、第2固有エネルギーE、第3固有エネルギーE及び第4固有エネルギーEは、互いに異なる。例えば、第1固有エネルギーEは、第2固有エネルギーEとは異なり、第3固有エネルギーEとは異なり、第4固有エネルギーEとは異なる。例えば、第2固有エネルギーEは、第3固有エネルギーEとは異なり、第4固有エネルギーEとは異なる。例えば、第3固有エネルギーEは、第4固有エネルギーEとは異なる。
第1スピンチェイン21及び第5スピンチェイン25は、第2固有エネルギーE、第3固有エネルギーE、及び、第4固有エネルギーEを有しない。
第2スピンチェイン22及び第6スピンチェイン26は、第1固有エネルギーE、第3固有エネルギーE、及び、第4固有エネルギーEを有しない。
第3スピンチェイン23及び第7スピンチェイン27は、第1固有エネルギーE、第2固有エネルギーE、及び、第4固有エネルギーEを有しない。
第4スピンチェイン24及び第8スピンチェイン28は、第1固有エネルギーE、第2固有エネルギーE、及び、第3固有エネルギーEを有しない。
このようなスピンチェインを含む量子ビット対構造体10Aにより、例えば、効率的に量子ビットゲート操作を実施できる。例えば、異なるエネルギーにより、量子ビット操作における共鳴を、所望の位置に選択的に効率的に実施できる。これにより、処理効率を向上できる情報処理装置を提供できる。量子ビットゲート操作の例については、後述する。
図1に示すように、この例では、第2量子ビット対12rは、第1軸方向Dx1及び第2軸方向Dx2に対して傾斜する方向において、第1量子ビット対11rの隣である。実施形態において、第2量子ビット対12rは、第1軸方向Dx1及び第2軸方向Dx2に対して傾斜する方向において、第1量子ビット対11rの隣でなくて良い。
例えば、第1量子ビット対11rが、2k行で(2l-1)列の量子ビット対10pに対応する場合、第2量子ビット対12rが、(2i-1)行で2j列の量子ビット対10pに対応しても良い。「i」は、1以上で、m/2を超えない最大の整数以下の整数である。「j」は、1以上で、n/2を超えない最大の整数以下の整数である。この場合、複数の量子ビット対10pは、上記の第1~第4隣量子ビット対15a~15dに加えて、第5~第8隣量子ビット対を含んで良い。この場合における第5隣量子ビット対は、(2i-2)行で2j列の量子ビット対10pに対応する。第6隣量子ビット対は、(2i-1)行で(2j-1)列の量子ビット対10pに対応する。第7隣量子ビット対は、(2i-1)行で(2j+1)列の量子ビット対10pに対応する。第8隣量子ビット対は、2i行で2j列の量子ビット対10pに対応する。このような第5~第8隣量子ビット対に関して、第2量子ビット対12rとの間に上記の第5~第8スピンチェイン25~28が定められて良い。第5~第8スピンチェイン25~28が、上記の第1~第4固有エネルギーE~Eを有しても良い。
上記において、2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対11rと、(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対12rと、の組み合わせに関する第1構成CF1における上記の関係は、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の全ての整数、及び、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の全ての整数について成立して良い。
第1構成CF1において、第1~第4固有エネルギーE~Eにおける互いの差は、複数の量子ビット対10pの間の距離の差により形成されても良い。
図2は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図2に示すように、情報処理装置110において、上記の第1量子ビット対11r、第2量子ビット対12r、及び、第1~第6隣量子ビット対15a~15fが設けられる。
第1量子ビット対11rと第1隣量子ビット対15aとの間の距離、及び、第2量子ビット対12rと第5隣量子ビット対15eとの間の距離は、第1距離L1である。
第1量子ビット対11rと第2隣量子ビット対15bとの間の距離、及び、第2量子ビット対12rと第1隣量子ビット対15aとの間の距離は、第2距離L2である。
第1量子ビット対11rと第3隣量子ビット対15cとの間の距離、及び、第2量子ビット対12rと第6隣量子ビット対15fとの間の距離は、第3距離L3である。
第1量子ビット対11rと第4隣量子ビット対15dとの間の距離、及び、第2量子ビット対12rと第3隣量子ビット対15cとの間の距離は、第4距離L4である。
例えば、第1距離L1、第2距離L2、第3距離L3及び第4距離L4は、互いに異なる。例えば、第1距離L1は、第2距離L2とは異なり、第3距離L3とは異なり、第4距離L4とは異なる。第2距離L2は、第3距離L3とは異なり、第4距離L4とは異なる。第3距離L3は、第4距離L4とは異なる。このような距離の差により、固有エネルギーの差が生じても良い。
例えば、第1量子ビット対11rは、第1構造体SB1を含む。第1構造体SB1は、第1元素及び第1同位体の少なくともいずれかを含む。第2量子ビット対12rは、第2構造体SB2を含む。第2構造体SB2は、第2元素及び第2同位体の少なくともいずれかを含む。第1隣量子ビット対15a、第2隣量子ビット対15b、第3隣量子ビット対15c、第4隣量子ビット対15d、第5隣量子ビット対15e及び第6隣量子ビット対15fは、第3構造体SB3を含む。第3構造体SB3は、第3元素及び第3同位体の少なくともいずれかを含む。第1構造体SB1は、第3構造体SB3とは異なる。第1構造体SB1は、第2構造体SB2とは異なる。第2構造体SB2は、第3構造体SB3とは異なる。このような複数の量子ビット対10pにより、後述するように、仲介量子ビットの量子状態のエネルギー(遷移エネルギー)に差が生じても良い。
実施形態に係る情報処理装置において、量子ビット対構造体10Aは、以下の第2構成を有しても良い。
図3は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図3に示すように、実施形態に係る情報処理装置111において、量子ビット対構造体10Aは、第2構成CF2を有しても良い。第2構成CF2においても、量子ビット対構造体10Aは、複数の量子ビット対10pを含む。複数の量子ビット対10pは、m行n列に並ぶ。「m」は、3以上の整数である。「n」は、3以上の整数である。
複数の量子ビット対10pは、2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対11rと、(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対12rと、(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対15aと、2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対15bと、2k行で2l列の第3隣量子ビット対15cと、(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対15dと、(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対15eと、(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対15fと、を含む。「k」は、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数である。「l」は、1以上で、n/2を超えない最大の整数以下の整数である。
量子ビット対構造体10Aは、第1量子ビット対11rと第1隣量子ビット対15aとの間の第1スピンチェイン21と、第1量子ビット対11rと第2隣量子ビット対15bとの間の第2スピンチェイン22と、第1量子ビット対11rと第3隣量子ビット対15cとの間の第3スピンチェイン23と、第1量子ビット対11rと第4隣量子ビット対15dとの間の第4スピンチェイン24と、第2量子ビット対12rと第5隣量子ビット対15eとの間の第5スピンチェイン25と、第2量子ビット対12rと第1隣量子ビット対15aとの間の第6スピンチェイン26と、第2量子ビット対12rと第6隣量子ビット対15fとの間の第7スピンチェイン27と、第2量子ビット対12rと第3隣量子ビット対15cとの間の第8スピンチェイン28と、を含む。
第1スピンチェイン21及び第8スピンチェイン28は、第1固有エネルギーEを有する。
第2スピンチェイン22及び第7スピンチェイン27は、第2固有エネルギーEを有する。
第4スピンチェイン24及び第5スピンチェイン25は、第3固有エネルギーEを有する。
第3スピンチェイン23及び第6スピンチェイン26は、第4固有エネルギーEを有する。
第1固有エネルギーE、第2固有エネルギーE、第3固有エネルギーE及び第4固有エネルギーEは、互いに異なる。
第1スピンチェイン21及び第8スピンチェイン28は、第2固有エネルギーE、第3固有エネルギーE、及び、第4固有エネルギーEを有しない。
第2スピンチェイン22及び第7スピンチェイン27は、第1固有エネルギーE、第3固有エネルギーE、及び、第4固有エネルギーEを有しない。
第3スピンチェイン23及び第6スピンチェイン26は、第1固有エネルギーE、第2固有エネルギーE、及び、第3固有エネルギーEを有しない。
第4スピンチェイン24及び第5スピンチェイン25は、第1固有エネルギーE、第2固有エネルギーE、及び、第4固有エネルギーEを有しない。
このようなスピンチェインを含む量子ビット対構造体10Aにより、例えば、効率的に2量子ビットゲート操作を実施できる。
図3に示すように、この例では、第2量子ビット対12rは、第1軸方向Dx1及び第2軸方向Dx2に対して傾斜する方向において、第1量子ビット対11rの隣である。実施形態において、第2量子ビット対12rは、第1軸方向Dx1及び第2軸方向Dx2に対して傾斜する方向において、第1量子ビット対11rの隣でなくて良い。
上記において、2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対11rと、(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対12rと、の組み合わせに関する第2構成CF2における上記の関係は、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の全ての整数、及び、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の全ての整数について成立して良い。
第2構成CF2において、第1~第4固有エネルギーE~Eにおける互いの差は、複数の量子ビット対10pの間の距離の差により形成されても良い。
図4は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図4に示すように、情報処理装置111において、上記の第1量子ビット対11r、第2量子ビット対12r、及び、第1~第6隣量子ビット対15a~15fが設けられる。
第1量子ビット対11rと第1隣量子ビット対15aとの間の距離、及び、第2量子ビット対12rと第3隣量子ビット対15cとの間の距離は、第1距離L1である。
第1量子ビット対11rと第2隣量子ビット対15bとの間の距離、及び、第2量子ビット対12rと第6隣量子ビット対15fとの間の距離は、第2距離L2である。
第1量子ビット対11rと第3隣量子ビット対15cとの間の距離、及び、第2量子ビット対12rと第1隣量子ビット対15aとの間の距離は、第4距離L4である。
第1量子ビット対11rと第4隣量子ビット対15dとの間の距離、及び、第2量子ビット対12rと第5隣量子ビット対15eとの間の距離は、第3距離L3である。
第1距離L1、第2距離L2、第3距離L3及び第4距離L4は、互いに異なる。このような距離の差により、固有エネルギーの差が生じても良い。
例えば、第1量子ビット対11rは、第1元素及び第1同位体の少なくともいずれかを含む第1構造体SB1を含む。第2量子ビット対12rは、第2元素及び第2同位体の少なくともいずれかを含む第2構造体SB2を含む。第1隣量子ビット対15a、第2隣量子ビット対15b、第3隣量子ビット対15c、第4隣量子ビット対15d、第5隣量子ビット対15e及び第6隣量子ビット対15fは、第3元素及び第3同位体の少なくともいずれかを含む第3構造体SB3を含む。第1構造体SB1は、第3構造体SB3とは異なる。第1構造体SB1は、第2構造体SB2とは異なる。第2構造体SB2は、第3構造体SB3とは異なる。このような複数の量子ビット対10pにより、後述するように、仲介量子ビットの量子状態のエネルギー(遷移エネルギー)に差が生じても良い。
以下、量子ビット対10pの例について説明する。
図5(a)及び図5(b)は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図5(a)に示すように、2つの量子ビット対10pと、スピンチェイン10cと、が設けられる。2つの量子ビット対10pは、例えば、量子ビット対10paと、量子ビット対10pbと、を含む。スピンチェイン10cは、量子ビット対10paと、量子ビット対10pbと、の間に設けられる。2つの量子ビット対10pの1つは、2つの物理系10sを含む。2つの物理系10sのそれぞれは、量子ビットを構成できる2つ以上の量子状態を有することができる。2つ物理系10sの1つは、例えば、電子スピン10Esに対応して良い。2つの物理系10sの別の1つは、例えば、核スピン10Nsに対応して良い。例えば、電子スピン10Esと核スピン10Nsとが、量子ビット対10paとなる。
電子スピン10Esは、例えば、後述する仲介量子ビットとして利用される。核スピン10Nsは、例えば、メモリ量子ビットとして利用できる。量子ビット対10pの1つは、例えば、ダイヤモンドのNV中心である。NV中心は、ダイヤモンド窒素-空孔中心(Diamond Nitrogen-Vacancy Center)である。
例えば、2つの量子ビット対10pの間に、スピンチェイン10cが設けられる。スピンチェイン10cは、電子スピン10cEsを含む。スピンチェイン10cは複数の電子スピン10cEsを含む列を含む。例えば、複数の窒素原子を含む。複数の窒素原子は、例えば、2つの量子ビット対10pの間で1次元的に並ぶ。2つの量子ビット対10pは、互いに相互作用を及ぼしあうことができる。相互作用は、例えば、スピンチェイン10cを介して行われてよい。
物理系10s(具体的には電子スピンあるいは核スピンのことであることに注意)は、2つの量子状態(|0>及び|1>)を取り得る。量子コンピュータにおいて、これらの2つの量子状態(|0>及び|1>)の量子力学的な重ね合わせの状態を利用して、情報処理が行われる。この重ね合わせの状態は、量子ビットに対応する。重ね合わせの状態は、例えば、Ψ=α|0>+β|1>で表される。α及びβは、|α|+|β|=1を満たす複素数である。
情報処理を行う際の量子演算において、1量子ビットゲートと、2量子ビットゲートと、が、量子ビットに実施される。1量子ビットゲートでは、1つの量子ビットの状態を変化させる。2量子ビットゲートでは、2つの量子ビットについて、条件付きゲートが実施される。条件付きゲートにおいて、一方の量子ビットの値に応じて、他方の量子ビットの値を変化させる。
例えば、2量子ビットゲートを実施したい2つの量子ビットは、接近することが可能である。このとき、2つの量子ビットは、直接に、十分な強さの相互作用を及ぼし合える。その相互作用を利用した2量子ビットゲートが実施できる。
1量子ビットゲートまたは2量子ビットゲートを、他の量子ビットへの影響を避けながら、所望の量子ビットに対して選択的に実施するための制御性を得る場合、量子ビット間の距離が長くなる。または、量子ビット数に拡張性を持たせるためのユニット構造などにより、量子ビット間の距離は長くなる。
量子ビット間に、相互作用を媒介する物理系が設けられる。この物理系は、所望の量子ビットを移動できる。相互作用を媒介する物理系は、十分な相互作用を直接及ぼし合うようにできるトラップドイオンの量子ビット以外に、適用できる。
相互作用を媒介する物理系として、電磁場またはスピンチェイン10cなどが用いられる。電磁場として、光、または、マイクロ波等が用いられる。スピンチェイン10cにおいて、例えば、固体中に複数のスピンが一次元的に並べられる。
相互作用を媒介する物理系を利用する場合、媒介する物理系と、量子ビットと、の間に、相互作用を仲介する物理系がさらに設けられる。媒介する物理系と、量子ビットと、の間の相互作用は、小さい場合がある。相互作用のON/OFFが困難である。このような場合においても上記の物理系が適用できる。仲介役の物理系は、例えば、仲介量子ビット(broker qubit)である。
仲介量子ビットと量子ビットとの間の距離は、十分な相互作用を互いに作用し合えるように短い。仲介量子ビットと量子ビットとは、量子ビット対となる。仲介量子ビットは、相互作用を媒介する物理系と、相互作用を作用し合う。仲介量子ビットは、相互作用を媒介する物理系と、例えば、ON/OFF可能な相互作用を作用し合う。
量子ビット対として、例えば、ダイヤモンド中のNV中心が利用できる。NV中心は、ダイヤモンド窒素-空孔中心(Diamond Nitrogen-Vacancy Center)である。
スピンチェインとして、ダイヤモンド中に1次元的に並べられた窒素原子(P1中心)を利用する方法がある。この方法では、NV中心の核スピンの量子状態の重ね合わせが、量子ビットとされる。核スピンは、15N原子に起因した、スピンI=1/2に対応する。量子状態は、|-1/2>及び|+1/2>である。電子スピンの量子状態の重ね合わせが仲介量子ビットとされる。電子スピンは、スピンS=1に対応する。利用される量子状態は、|0>及び|+1>に対応する。
電子スピン10cEsを含むスピンチェイン10c(図5(a)参照)として、複数の窒素原子の列が利用される。複数の窒素原子の列は、1次元的に並ぶ。電子スピンは、スピンS=1/2に対応する。
以下では、混乱を避けるため、通常の量子ビットをメモリ量子ビットと呼ぶ。通常の量子ビットは、量子ビット対の一方である核スピンが担う量子ビットに対応する。
図5(b)は、100mT~1Tの外部磁場を印加した場合の、NV中心の核スピン10Ns及び電子スピン10Esの結合系のエネルギー状態を示す。例えば、メモリ量子ビットは、|0>(=+1/2>)、及び、|1>(=|-1/2>)に対応する。例えば、仲介量子ビットは、|0>(=|0>)、及び、|1>(=+1>)に対応する。図1(b)において、括弧の中の左側は、電子スピン10Esの量子状態を示す。括弧の中の右側は、核スピン10Nsの量子状態を示す。(|-1>,|+1/2>)の状態と、(|-1>,|-1/2>)の状態との、間のエネルギーは、約40MHzの周波数に対応する。
上記の方法において、メモリ量子ビットに関する1量子ビットゲートは、ラジオ波をパルス照射することで実施される。ラジオ波は、メモリ量子ビットとなる2つの量子状態の間の遷移周波数に共鳴する。ラジオ波の強度及び時間は、所望の1量子ビットゲートに対応する強度及び時間を有する。例えば、ラジオ波パルスの照射により、NOTゲートを実施することができる。ラジオ波パルスは、例えば、πパルスと呼ばれる強度及び持続時間を有する。
メモリ量子ビット間の2量子ビットゲートでは、メモリ量子ビットと仲介量子ビットとの間のSWAPゲートが利用される。SWAPゲートは、量子状態を入れ替えるゲートに対応する。スピンチェインを利用した仲介量子ビット間のSWAPゲートが、利用される。仲介量子ビットとメモリ量子ビットとの間における2量子ビットゲートが、利用される。
メモリ量子ビットと仲介量子ビットとの間のSWAPゲートは、制御NOTゲート(CNOTゲート)と、制御NOTゲート(CNOTゲート)と、の組み合わせにより実施される。制御NOTゲート(CNOTゲート)では、仲介量子ビットを制御量子ビットとし、メモリ量子ビットを標的量子ビットとする。制御NOTゲート(CNOTeゲート)では、メモリ量子ビットを制御量子ビットとし、仲介量子ビットを標的量子ビットとする。CNOTゲート、CNOTゲート、及び、CNOTゲートの順に、3回の制御NOTゲート(CNOTゲート:Controlled NOT gate)が実施される。
NOTゲートは、ラジオ波のπパルスを照射することで実施される。このラジオ波は、メモリ量子ビットとなる2つの量子状態(|-1/2>及び|+1/2>)の間の遷移に共鳴する。仲介量子ビットが|0>(=|0>)の場合には、量子状態(|-1/2>及び|+1/2>)が分裂していない。このため、メモリ量子ビットは変化しない。仲介量子ビットが|1>(=|+1>)の場は合、メモリ量子ビットにNOTゲートが実施される。
NOTゲートは、仲介量子ビットとなる2つの量子状態|0>と|+1>との間の遷移に共鳴するマイクロ波のπ/2パルスをτの時間間隔をあけて2回照射することで実施できる。τの間の時間発展が制御位相ゲートとなり、τの設定により2つのπ/2パルス照射の前後でCNOTゲートを実施したことになるτを設定できる。
以上のように、メモリ量子ビットと仲介量子ビットの間のSWAPゲートは、ラジオ波とマイクロ波の照射によるCNOTゲートとCNOTゲートにより実施できる。
スピンチェインを利用した仲介量子ビット間のSWAPゲートでは、仲介量子ビットとスピンチェインの共鳴を利用する。スピンチェインがN個の電子スピンで構成されている場合、隣のスピン間の結合強度をκとすると、スピンチェインは、式(1)で表されるフェルミオンモード固有エネルギーEを有する。
Figure 0007500511000001

仲介量子ビットの3つのエネルギー状態|-1>、|0>、及び、|+1>において、|-1>と|+1>との間の遷移に、2光子共鳴するマイクロ波を|0>からの離調Δで照射する。この際、離調Δを式(2)の条件を満たすように設定する。
Figure 0007500511000002

これにより、仲介量子ビットとスピンチェインのk番目のモードを共鳴させることができる。
スピンチェインとなる電子スピンに、その遷移エネルギーに共鳴するラビ周波数νの電磁波を照射している場合は、式(3)の条件が適用される。
Figure 0007500511000003

これにより、仲介量子ビットとスピンチェインのk番目のモードを共鳴させることができる。
1つのスピンチェインの両端の仲介量子ビットを同時にスピンチェインのk番目のモードに共鳴させると、両端の仲介量子ビット間で状態の振動が始まる。式(4)で表される時間τ後には、2つの仲介量子ビット間で量子状態が入れ替わり、SWAPゲートが実施される。
Figure 0007500511000004

式(4)において、「g」は、仲介量子ビットの電子スピンとスピンチェインの端の電子スピンとの結合強度である。τκ(すなわちゲート時間)は、通常は、短いほど良い。したがって、「N」が奇数の場合、k=(N+1)/2のモード、または、k=(N+1)/2に近いモードが利用されることが好ましい。「N」が偶数の場合、k=N/2±1のモード、または、k=N/2±1に近いモードが利用されるのが好ましい。
仲介量子ビットとメモリ量子ビットとの間での2量子ビットゲートとしては、CNOTゲート、または、CNOTゲートが利用できる。CNOTゲート、または、CNOTゲートは、仲介量子ビットとメモリ量子ビット間のSWAPゲートに利用される。仲介量子ビットとメモリ量子ビットとの間で他の2量子ビットゲートができれば、そのゲートが2つのメモリ量子ビット間で実施できる。
図6は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。
図6に示すように、量子ビット対10pa及び量子ビット対10pbとの間にスピンチェイン10cが設けられる。量子ビット対10paは、第1メモリ量子ビットmq1及び第1仲介量子ビットbq1を含む。量子ビット対10pbは、第2メモリ量子ビットmq2及び第2仲介量子ビットbq2を含む。例えば、第1メモリ量子ビットmq1及び第1仲介量子ビットbq1は、直接相互作用が可能である。例えば、第2メモリ量子ビットmq2及び第2仲介量子ビットbq2は、直接相互作用が可能である。
2つのメモリ量子ビットの間(メモリ量子ビット10pamと第2メモリ量子ビット10pbmとの間)で2量子ビットゲートを行う手順は、以下のとおりである。
第1手順SS1:第1メモリ量子ビットmq1の量子状態を、対となる第1仲介量子ビットbq1の量子状態と、SWAPゲートで入れ替える。
第2手順SS2:スピンチェインを利用したSWAPゲートを利用して、第1仲介量子ビットbq1の量子状態を、第2メモリ量子ビットmq2と対となる第2仲介量子ビットbq2の量子状態と、入れ替える。
第3手順SS3:第2仲介量子ビットbq2と第2メモリ量子ビットmq2との間で、2量子ビットゲートを行う。
第4手順SS4:第2仲介量子ビットbq2と第1仲介量子ビットbq1との量子状態をSWAPゲートで入れ替える。
第5手順SS5:第1仲介量子ビットbq1と第1メモリ量子ビットmq1との量子状態をSWAPゲートで入れ替える。
以上の第1~第5手順SS1~SS5により、スピンチェインの両側のメモリ量子ビットの間で、2量子ビットゲートを行うことができる。
量子ビット対とスピンチェインとを用いた2量子ビットゲートでは、1つの量子ビット対に複数の量子ビット対が複数のスピンチェインを介してつながっている場合、ある所望の2つのメモリ量子ビットに対して選択的に2量子ビットゲートが実施される。
例えば、その2つのメモリ量子ビットと対となる2つの仲介量子ビットを、それらの間にあるスピンチェインに共鳴させる。その状態で、第1~第5手順SS1~SS5が実施されることで、選択的な2量子ビットゲートが実施される。
量子情報処理では、性能の高い誤り訂正符号である表面符号が利用される。このような表面符号を得るための適切な構成については、知られていない。例えば、量子ビット対とスピンチェインの配置、及び、スピンチェインのフェルミオンモード固有エネルギーが適切に定められることで、適切な表面符号が効率的に得られる。以下、簡単のために、「フェルミオンモード固有エネルギー」を「固有エネルギー」と呼ぶ。
以下、表面符号の例について説明する。
図7は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。
図7に示すように、表面符号において、複数の量子ビット対10p(メモリ量子ビット)が、データ量子ビット(「D」)、Z測定量子ビット(「Z」)、及び、X測定量子ビット(「X」)の3種類の量子ビットに分けられる。
図7に示すように、これらの量子ビットは、2次元的に並ぶ。データ量子ビットと2種の測定量子ビットを含む1つの領域のデータ量子ビットが、1つの符号化された論理量子ビットに対応する。
図8は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。
図8に示すように、Z測定量子ビット及びX測定量子ビットは、第1~第4操作p1~p4を、同期しながら、Z測定量子ビット及びX測定量子ビットのそれぞれの隣のデータ量子ビットとの間でCNOTゲートを繰り返して行われる。
例えば、第1~第4操作p1~p4の組みの1つが実施されたら、測定による読み出しが行われる。読み出された後に、初期化される。その後、次のCNOTゲートの組みが始まる。この一連の動作が繰り返される。一連の動作は、表面符号のサイクルに対応する。全ての測定量子ビットにおいて、決められた順番で、上記のCNOTゲートが同期して繰り返えされる。
図9は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。
図9に示すように、Z測定量子ビットにおける操作、及び、X測定量子ビットに関する操作の流れを例示している。図9において、左から右への向きに操作が、同期して繰り返して行われる。「|g>」は、初期化に対応する。「M」は、測定に対応する。「H」はアダマールゲートに対応する。「I」は、「何もしない」ことを示す。
Z測定量子ビットでは、データ量子ビットを制御量子ビットとし、Z測定量子ビットを標的量子ビットとしたCNOTゲートであるCNOTゲートが行われる。X測定量子ビットでは、データ量子ビットを標的量子ビットとし、X測定量子ビットを制御量子ビットとしたCNOTゲートであるCNOTゲートが行われる。X測定量子ビットでは、一連のCNOTゲートの前後にアダマールゲートという1量子ビットゲートが実施される。図9には、表面符号に関する上記のサイクルを例示している。
スピンチェインの固有エネルギーとして、全て同じ値の固有エネルギーを利用する場合、上記のような表面符号を実施することは、困難である。
図10は、情報処理装置における動作を例示する模式図である。
例えば、図10に示すように、縦に並ぶ3つのスピンチェインの固有エネルギーが同じ場合がある。3つのスピンチェイン(スピンチェインSC1~SC3)の固有エネルギーは、Erである。スピンチェインSC3は、測定量子ビットMq2とデータ量子ビットDq2との間にある。スピンチェインSC2は、データ量子ビットDq2と測定量子ビットMq1との間にある。スピンチェインSC1は、測定量子ビットMq1とデータ量子ビットDq1との間にある。
表面符号の実施において、例えば、以下が行われる。スピンチェインSC1の両側の2つの仲介量子ビットをスピンチェインSC1に共鳴させる。スピンチェインSC3の両側の2つの仲介量子ビットをスピンチェインSC3に、共鳴させる。これらの共鳴が同時に行われる。この際、3つのスピンチェインの固有エネルギーが等しいために、スピンチェインSC2の両側の仲介量子ビットにおいて、スピンチェインSC2への共鳴が生じる。このため、スピンチェインSC1及びSC3を用いた2つのCNOTゲートが正常に動作することが困難である。縦及び横において、3つの並んだスピンチェインの固有エネルギーが同じである場合に、同様の状況が生じる。
一方、全ての固有エネルギーが異なり、複数の量子ビットのそれぞれが個別に操作できる場合、表面符号が実施できると考えられる。しかし、量子ビットの数が増大した場合には、全てが互いに異なる固有エネルギーを設定するのは、実用的には、困難である。固有エネルギーの数を抑制しつつ、表面符号を適切に実施できるスピンチェインの配置が望まれる。
実施形態においては、図7に例示する量子ビットの配列において、例えば、スピンチェインの特性が適切に設定される。例えば、上記の第1構成CF1または第2構成CF2を採用することで、表面符号を適切に実施できる。
説明を簡単にするために、図7中の「左右上下」により、測定量子ビット及びデータ量子ビットの位置を言及する。
第1構成CF1において、例えば、表面符号のサイクルで同期しながら実施されるCNOTゲートにおいて、どの時も仲介量子ビットが共鳴すべきスピンチェインの固有エネルギーは同じである。この場合、例えば、全ての仲介量子ビットを第1固有エネルギーEに共鳴させる。例えば、図7において、複数の測定量子ビットの1つと、その上のデータ量子ビットと、の間のCNOT及びCNOTを同時に実施するためのSWAPゲートが実施される。このSWAPゲートは、必要な仲介量子ビットの間で実施される。例えば、図9に例示した表面符号のサイクルが実施できる。このときに、他の仲介量子ビットには実効的な影響を及ぼさないようにすることができる。上記の操作は、例えば、全ての仲介量子ビットを第2~第4固有エネルギーE~Eに共鳴させた場合も、同様である。
第2構成CF2において、複数の測定量子ビットの1つと、その上のデータ量子ビットと、の間のCNOT及びCNOTが同時に実施される。例えば、Z測定量子ビットと対の仲介量子ビットと、その上のデータ量子ビットと対の仲介量子ビットと、は、第1固有エネルギーEに共鳴させる。X測定量子ビットと対の仲介量子ビットと、その上のデータ量子ビットと対の仲介量子ビットと、は、第3固有エネルギーEに共鳴させる。
Z測定量子ビットと、それと対の仲介量子ビットと、を含む量子ビット対を「Z測定量子ビット対」と呼ぶ。X測定量子ビットと、それと対の仲介量子ビットと、を含む量子ビット対を「X測定量子ビット対」と呼ぶ。「Z測定量子ビット対」及び「X測定量子ビット対」は、表面符号の実施において同等ではない。このため、「Z測定量子ビット対」及び「X測定量子ビット対」について、表面符号の実施時には、異なる操作が実施される。
データ量子ビットと、それと対の仲介量子ビットと、を含む量子ビット対を「データ量子ビット対」と呼ぶ。「データ量子ビット対」は、表面符号の実施において、第1構成CF1の場合は、同じ時刻には同じ操作を実施すればよい場合が多い。Z測定量子ビット対の上のデータ量子ビット対と、X測定量子ビット対の上のデータ量子ビット対と、は、互いに同じではない。第2構成CF2においては、このような同じではないデータ量子ビット対に対応した2種類のデータ量子ビットが生じる。第2構成CF2の方が、第1構成CF1よりも、操作において好都合のことがある。
第1構成CF1及び第2構成CF2によれば、例えば、少数の共通の操作で多くの量子ビットについて、表面符号の実施に必要な操作を実施できる。例えば、装置または操作方法を単純化できる。処理効率を向上できる情報処理装置及び情報処理方法が提供できる。場合によっては、第2構成CF2において、その効果が大きい場合がある。
量子ビット対及びスピンチェインの配置が、第1構成CF1の場合、表面符号の実施時に、例えば、量子ビット対は、データ量子ビット対、Z測定量子ビット対及びX測定量子ビット対の3種に分けられる。例えば、同じ種類に分けられた量子ビット対に、ほぼ同じ操作が実施される。局在中心の量子ビットへのゲート操作においては、例えば、量子ビットとなる量子状態間の遷移に、マイクロ波を共鳴させる量子状態操作が利用できる。
その際、例えば、波長が長いため(1cm程度の波長)局所的な照射が難しいマイクロ波を、量子ビットの位置に合わせて選択的に照射して3種の量子ビット対を区別して操作するのは困難である。マイクロコイルを利用しても100μm程度以下の局所的照射は難しい。
実施形態においては、例えば、量子ビットとなる量子状態間の遷移周波数が、3種の量子ビット間で異なる値を有するように設定される。例えば、照射されるマイクロ波の遷移周波数への共鳴を利用して、選択的にマイクロ波を所望の量子ビット集団に作用させる。これにより、例えば、3種の量子ビット対を区別して操作することが容易になる。例えば、局在中心の量子ビットでは、量子ビットとなる量子状態として、スピンの状態を利用することが多い。例えば、3種の量子ビット対に対応した3種の異なる磁場を印加することで、3種の量子ビット対10pの状態を、互いに異なるように設定できる。
以下、別の構成の例について説明する。別の構成を「第3構成」と呼ぶ。第3構成は、第1構成CF1及び第2構成CF2の少なくともいずれかと組み合わせられて良い。
図11は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図11に示すように、実施形態に係る情報処理装置112は、第3構成CF3を有する。第3構成CF3において、情報処理装置112は、量子ビット対構造体10Aに加えて、複数の第1導電部材31、及び、複数の第2導電部材32を含む。第3構成CF3において、量子ビット対構造体10Aは、複数の量子ビット対10pを含む。複数の量子ビット対10pは、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並ぶ。第3構成CF3においては、複数の量子ビット対10pの間の距離は、互いに同じでも良い。複数の量子ビット対10pの間の距離は、互いに異なっても良い。例えば、量子ビット対構造体10Aは、上記の第1構成CF1または第2構成CF2などを有して良い。第3構成CF3において、複数の量子ビット対10pに含まれる元素または同位体は同じでも良い。
複数の第1導電部材31は、第1方向Dr1に沿って延びる。第1方向Dr1は、例えば、第1軸方向Dx1で良い。複数の第1導電部材31は、第1方向Dr1と交差する第1交差方向に沿って並ぶ。第1交差方向は、例えば、第2軸方向Dx2で良い。
複数の第2導電部材32は、第2方向Dr2に沿って延びる。第2方向Dr2は、第1方向Dr1及び第1交差方向を含む平面に沿い第1方向Dr1と交差する。第2方向Dr2は、例えば、第2軸方向Dx2で良い。複数の第2導電部材32は、第2交差方向に沿って並ぶ。第2交差方向は、上記の平面に沿い第2方向Dr2と交差する。第2交差方向は、例えば、第1軸方向Dx1で良い。
複数の量子ビット対10pは、上記の平面(Dr1-Dr2平面)に沿って並ぶ。複数の量子ビット対10pの1つは、上記の平面と交差する第3方向Dr3において、第1領域r1及び第2領域r2と重なる。第1領域r1は、複数の第1導電部材31の1つと、複数の第1導電部材31の別の1つと、の間である。複数の第1導電部材31の上記の別の1つは、複数の第1導電部材31の上記の1つの隣である。第2領域r2は、複数の第2導電部材32の1つと、複数の第2導電部材32の別の1つと、の間である。複数の第2導電部材32の上記の別の1つは、複数の第2導電部材32の上記の1つの隣である。複数の第1導電部材31及び複数の第2導電部材32は、例えば配線である。
図11に示すように、複数の第1導電部材31には、交互に逆向きの電流が供給されることが可能である。複数の第2導電部材32には、交互に逆向きの電流が供給されることが可能である。これらの電流は、例えば、回路部70から供給されて良い。例えば、回路部70は、第1電流回路70A及び第2電流回路70Bを含んで良い。第1電流回路70Aは、複数の第1導電部材31と電気的に接続される。第2電流回路70Bは、複数の第2導電部材32と電気的に接続される。電気的な接続において、間にスイッチ素子などが設けられても良い。
例えば、回路部70(第1電流回路70A)は、複数の第1導電部材31の上記の1つに、第1向きの第1電流i1を供給可能である。回路部70(第1電流回路70A)は、複数の第1導電部材31の上記の別の1つに第2向きの第2電流i2を供給可能である。第2向きは、第1向きの逆である。回路部70(第2電流回路70B)は、複数の第2導電部材32の上記の1つに第3向きの第3電流i3を供給可能である。回路部70(第2電流回路70B)は、複数の第2導電部材32の上記の別の1つに第4向きの第4電流i4を供給可能である。第4向きは、第3向きの逆である。このような導電部材により、量子ビット対の状態の操作が効率的に実施できる。
例えば、複数の導電部材群が設けられる。複数の導電部材群の1つは、例えば、複数の第1導電部材31に対応する。複数の導電部材群の別の1つは、例えば、複数の第2導電部材32に対応する。複数の導電部材群のそれぞれの導電部材は、Z軸方向(第3方向Dr3)において互いに重ならずに平面的に並ぶ。複数の導電部材群は、格子状に設けられる。複数の量子ビット対10pの1つ、格子状の領域の1つに対応して設けられる。
図11の例では、複数の導電部材の間の間隔は同じである。複数の電流の大きさは同じで良い。複数の導電部材は、実質的に同じ平面に設けられて良い。図11において、この場合における格子の中心の位置における相対的な磁場の強さが、「0」、「2」または「-2」の数字で示されている。この例において、第3方向に沿う1つの向きの磁場が正であり、第3方向に沿い上記の1つの向きとは逆の向きの磁場が負である。
この場合、導電部材で構成される正方格子の中心での磁場の配置は、図7に例示したデータ量子ビット対、Z測定量子ビット対、及び、X測定量子ビット対の配置と同じになる。第3構成CF3において、3種のオフセット磁場が複数の量子ビット対10pに印加することができる。第3構成CF3において、3種の量子ビットを遷移周波数で区別して操作することができる。
第3構成CF3において、複数の導電部材群の相互の間隔は、互いに異なって良い。複数の導電部材群における電流の値は、互いに異なって良い。導電部材群の相互の間隔、及び、電流の値の少なくともいずれかによって、目的に合ったオフセット磁場を生じさせることができる。
図12は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図12に示すように、実施形態に係る情報処理装置113は、第3構成CF3を有する。情報処理装置113において、複数の第2導電部材32どうしの間の距離(間隔)は、同じではない。情報処理装置113は、複数の第1導電部材31を含む。量子ビット対構造体10Aは、上記の第1構成CF1または第2構成CF2などを有して良い。
図12に示した例では、第2導電部材群(複数の第2導電部材32)における間隔は、第1間隔g1または第2間隔g2である。第1導電部材群における電流の値は、第1電流値である。第1導電部材群(複数の第1導電部材31)における間隔は、第3間隔g3である。第2導電部材群における電流の値は、第2電流値である。
例えば、g1:g2:g3=1:2:1.5とする。第1電流値:第2電流値=1.5:1とする。このとき、例えば、上記の第2構成CF2に対応するオフセット磁場の配置が得られる。このオフセット磁場の配置により、データ量子ビット対がさらに2種に区別されて操作される。
量子ビット対10pをスピンチェインで結合した量子コンピュータで量子計算を行う際には、以下が行われる。表面符号のサイクルとして、CNOT及びCNOT以外に、Z測定量子ビット及びX測定量子ビットを対象とした測定及び初期化が行われる。X測定量子ビットを対象としたアダマールゲートが行われる。表面符号のサイクルとは別に、Z測定量子ビット及びX測定量子ビットの個別の停止が行われる。データ量子ビットに関する個別の初期化と、個別の1量子ビットゲートと、個別の測定と、が行われる。実施形態におけるZ測定量子ビット及びX測定量子ビットの初期化では、Z測定量子ビット及びX測定量子ビットに関する個別の1量子ビットゲートが利用される。
1量子ビットゲートの一種であるアダマールゲートは、量子ビットとなる2状態系の遷移に共鳴するπ/2パルスの電磁波を照射することで実施される。局在中心の場合、例えば、この照射電磁波は、ラジオ波であることが多い。
以下、情報処理装置112及び113において実施可能なアダマールゲートの例について、説明する。アダマールゲートにおいて、例えば、NV中心を用いた複数の量子ビット対10pに、一様な外部磁場が印加される。さらに、導電部材群により、図11または図12に例示したパターンのオフセット磁場が印加される。
X測定量子ビットにアダマールゲートを実施する場合は、X測定量子ビットと対の仲介量子ビットの|0>と|+1>との間の遷移(|0>と|1>との間の遷移)に共鳴するマイクロ波のπパルスを照射する。X測定量子ビットの仲介量子ビットを、|+1>(すなわち|1>)にする。その後、X測定量子ビットの|+1/2>と|-1/2>との間の遷移(|0>と|1>との間の遷移)に共鳴するラジオ波のπ/2パルスを照射する。再び、仲介量子ビットの|0>と|+1>の間の遷移(|0>と|1>との間の遷移)に共鳴するマイクロ波のπパルスを照射する。仲介量子ビットは、|0e>及び|0>に戻す。このようにして、X測定量子ビットの全体、及び、X測定量子ビット、について、選択的にアダマールゲートを実施することができる。
局在中心を利用した量子ビットの場合、測定量子ビット及びデータ量子ビットに関する測定及び初期化では、光励起過程が使われることが多い。実施形態では、表面符号のサイクルとは別の測定量子ビットの個別の停止、データ量子ビットに関する個別の1量子ビットゲートと個別の測定において、光照射が利用される。これらについて、一様な外部磁場が印加されたNV中心を用いた量子ビット対10pに、図11または図12に例示したようなパターンのオフセット磁場が印加される。
以下、光励起過程、光照射を用いる測定、及び、操作の例について説明する。
図13(a)及び図13(b)は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図13(a)は、透過平面図である。図13(b)は、断面図である。
図13(a)及び図13(b)に示すように、実施形態に係る情報処理装置114は、量子ビット対構造体10Aは、複数の量子ビット対10pに加えて、複数の電極40E及び光検出部45を含む。この例では、複数の第1導電部材31、及び、複数の第2導電部材32が設けられている。
例えば、複数の電極40Eは、複数の第1電極41と、第2電極42と、を含む。複数の第1電極41のそれぞれは、例えば、筒状である。筒状は、円筒状を含む。複数の第1電極41の形状は、ドーム状(針状を含む)などでも良い。複数の第1電極41の形状は、種々の変形が可能である。複数の第1電極41のそれぞれから第2電極42への方向は、第3方向Dr3に沿う。複数の第1電極41の1つの中心部の位置は、第3方向Dr3において、複数の量子ビット対10pの1つの位置と、実質的に重なる。複数の電極40E(複数の第1電極41、及び、第2電極42)は、例えば光透過性である。
複数の電極40Eは、複数の量子ビット対10pに個別に電場を印加可能である。例えば、電場印加部71が設けられる。電場印加部71は、複数の電極40Eと電気的に接続される。電場印加部71と、複数の電極40Eと、の間にスイッチ素子が設けられても良い。
例えば、光検出部45は、複数の量子ビット対10pが発する光を検出可能である。例えば、光検出部45は、複数の検出領域45rを含む。複数の検出領域45rの1つは、第3方向Dr3において、複数の量子ビット対10pの1つと重なる。
この例では、光検出部45と基体40sとの間に、複数の量子ビット対10p及びスピンチェイン10cが設けられる。光検出部45と、複数の量子ビット対10p及びスピンチェイン10cが設けられる領域(層状領域)と、の間に、上記の複数の第1電極41が設けられる。複数の量子ビット対10p及びスピンチェイン10cが設けられる領域(層状領域)と、基体40sと、の間に、上記の第2電極42が設けられる。第2電極42が設けられる領域(層状領域)と、複数の量子ビット対10p及びスピンチェイン10cが設けられる領域(層状領域)と、の間に、複数の第1導電部材31が設けられる。複数の量子ビット対10p及びスピンチェイン10cが設けられる領域(層状領域)と、第2電極42が設けられる領域(層状領域)と、の間に、複数の第2導電部材32が設けられる。これらの領域の間に中間部材40iが設けられて良い。中間部材40iの少なくとも一部は、例えばダイヤモンドである。基体40sは、例えば、石英基板などで良い。
図13(b)に示すように、情報処理装置114は、電磁波照射部50Dを含んでも良い。電磁波照射部50Dは、例えば、複数の量子ビット対10pに電磁波50Wを照射する。電磁波50Wは、例えば、ラジオ波、マイクロ波、及び、光の少なくともいずれかを含んで良い。
例えば、情報処理装置114において、複数の量子ビット対10pの仲介量子ビットから放出される光子が、個別に検出される。測定量子ビット及びデータ量子ビットが測定される。複数の仲介量子ビットから得られる光子を検出する光検出部45が設けられる。複数の電極40Eにより、複数の仲介量子ビットのそれぞれにおける光遷移の遷移周波数をシュタルク効果により変化させることができる。例えば、複数の第1電極41(光透過性電極)の1つは、複数の量子ビット対10pの1つの近傍に設けられる。電磁波照射部50Dにより、例えば、全ての仲介量子ビットに光が同時に照射されることが可能である。光は、グローバルフィールドに対応する。光は、4つの周波数ν、ν、ν、及びνの成分を含む。4つの周波数ν、ν、ν、及びνは、例えば、測定、初期化、個別の停止、及び、個別の1量子ビットゲートに利用される。
図14は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式的断面図である。
図14に示すように、実施形態に係る情報処理装置115は、情報処理装置114に含まれる構成に加えて、反射部材46rを含む。
反射部材46rは、光検出部45と、複数の量子ビット対10pと、の間に設けられる。この例では、反射部材46rは、複数の第1光学層46aと、複数の第2光学層46bと、を含む。複数の第1光学層46aの1つと、複数の第1光学層46aの別の1つと、の間に、複数の第2光学層46bの1つがある。複数の第2光学層46bの1つと、複数の第2光学層46bの別の1つと、の間に、複数の第1光学層46aの1つがある。複数の第1光学層46aの屈折率は、複数の第2光学層46bの屈折率とは異なる。反射部材46rは、例えば、ブラッグミラーで良い。
情報処理装置115において、複数の量子ビット対10pに対応して、反射部材46rが分割される。反射部材46rは、導波構造の少なくとも一部である。
例えば、仲介量子ビットからの光子の検出において、励起光が光検出部45に入射して測定値に影響を与えると、正しい測定結果を得ることが困難である。励起光は、仲介量子ビットからの光子と分離されることが好ましい。情報処理装置115においては、反射部材46rが設けられる。反射部材46rは、励起光を反射する。これにより、光検出部45への励起光の影響を抑制できる。
例えば、励起光と発光とを時間的に分離することで、励起光の影響が抑制されても良い。例えば、励起光をパルス励起光とする。例えば、光検出部45における検出のタイミングをパルス励起光と同期させる。例えば、励起光のない期間に、高感度の光検出が行われる。これにより、励起光の影響を抑制できる。
量子ビット対10pの間隔が放出光子の波長よりも短い場合には、導波路構造への光子の侵入は難しくなる。このような場合は、励起光と検出との時間的分離が、有利であると考えられる。
図15は、実施形態に係る情報処理装置を例示する模式的断面図である。
図15に示すように、実施形態に係る情報処理装置116は、情報処理装置114に含まれる構成に加えて、光減衰部材48を含む。光減衰部材48は、第3方向Dr3において、複数の量子ビット対10pの間の領域と重なる。例えば、光減衰部材48は、第3方向Dr3において、複数の第1導電部材31と重なっても良い。例えば、光減衰部材48は、第3方向Dr3において、複数の第2導電部材32の少なくとも1つと重なっても良い。光減衰部材48は、例えば、遮光部として機能する。光減衰部材48は、例えば、光を吸収する。
例えば、複数の仲介量子ビットからの光は、複数の仲介量子ビットのそれぞれに最も近い検出領域45rで検出されることが望ましい。光減衰部材48により、複数の仲介量子ビットの1つからの光が、複数の仲介量子ビットのその1つに対応する検出領域45rで適切に検出される。複数の仲介量子ビットの1つからの光が、他の検出領域45rに入射することが抑制できる。これにより、より高い精度での検出が可能になる。
以下、測定量子ビット及びデータ量子ビットの測定の例について説明する。
Z測定量子ビットに関する測定では、Z測定量子ビットの量子ビット対10p(Z測定量子ビットと仲介量子ビットの結合系)に、マイクロ波のπパルスを照射する。マイクロ波のπパルスは、(|0>,|-1/2>)と、(|+1>,|-1/2>)と、の間の遷移周波数に共鳴する(図5(b)参照)。
例えば、図11または図12に例示したオフセットパターンが適用される。これにより、Z測定量子ビットの(|0>,|-1/2>)と、(|+1>,|-1/2>)と、の間の遷移周波数は、X測定量子ビット対またはデータ量子ビット対の対応する遷移周波数とは異なる。Z測定量子ビットの量子ビット対に、選択的にマイクロ波を作用させることができる。例えば、Z測定量子ビットが|-1/2>(=|1>)である場合、(|0>,|-1/2>)の状態である量子ビット対10pは、(|+1>,|-1/2>)の状態へ変化する。一方、Z測定量子ビットが|+1/2>(=|0>)である場合、量子ビット対10pの状態は、変化しない。
図16は、実施形態に係る情報処理装置における状態を例示する模式図である。
図16は、NV中心の電子基底状態(A)と電子励起状態(E)とにおける電子スピンの状態を例示している。電子スピンの状態は、仲介量子ビットの状態に対応する。図16においては、核スピンの状態による分裂は省略される。
図5(b)においては、Aに相当するエネルギー状態が例示される。マイクロ波照射の後、複数の電極40E(光透過性電極)に電圧が印加される。電圧の印加による電場により、Z測定量子ビットと対となる仲介量子ビットのAの|0>とEの|0>との間の光遷移エネルギーが変化する。仲介量子ビットは、励起光の周波数νに共鳴する。Z測定量子ビットが|+1/2>(すなわち|0>)である場合、対となる仲介量子ビットは、励起されて光子を放出する。
これにより、最近接の検出領域45r(光検出部45)で、光子が検出される。励起光によるAの|0>からEの|0>への励起と、光子放出によるEの|0>からAの|0>への緩和と、は、核スピンの状態(Z測定量子ビット)を保ったまま、繰り返される。複数の光子が放出される。
一方、Z測定量子ビットが|-1/2>(=|1>)の場合は、対となる仲介量子ビットは励起されず、光子は放出されない。このため、最近接の検出領域45r(光検出部45)での光子の検出は起こらない。このようにして、Z測定量子ビットに関する測定が行われる。
X測定量子ビットに関する測定において、X測定量子ビットの量子ビット対10pに、マイクロ波のπパルスが照射される。このマイクロ波のπパルスは、図5(b)に例示した(|0>,|-1/2>)と、(|+1>,|-1/2>)と、の間の遷移周波数に共鳴する。
Z測定量子ビットに関する測定の場合と同様に、X測定量子ビットの量子ビット対10pに、選択的にマイクロ波を作用させることができる。その後、複数の電極40E(光透過性電極)に電圧が印加される。電圧の印加による電場により、X測定量子ビットと対となる仲介量子ビットのAの|0>と、Eの|0>と、の間の光遷移エネルギーを励起光の周波数νに共鳴させる。仲介量子ビットからの放出光子の有無が検出領域45r(光検出部45)で検出される。これにより、Z測定量子ビット場合と同様に、X測定量子ビットに関する測定が行われる。
データ量子ビットに関しても、測定量子ビットと同様に、マイクロ波のπパルス照射が行われる。さらに、シュタルクシフトでの共鳴による光励起及び放出光子が検出される。これにより、データ量子ビットに関する測定が行われる。
以下、本実施形態における測定量子ビット及びデータ量子ビットの初期化の例について説明する。
初期化の際に、何らかの理由で、初期化する測定量子ビット、または、データ量子ビットと対の仲介量子ビットが、Aの|0>の状態にないと考えられる場合は、以下が行われる。
図17は、実施形態に係る情報処理装置における状態を例示する模式図である。
図17に示すように、周波数νの光、及び、周波数νの光との共鳴を生じさせる。例えば、複数の電極40E(光透過性電極)に電圧が印加される。電圧の印加による電場により、仲介量子ビットのAの|+1>と、Eの|+1>と、の間の光遷移エネルギー、及び、Aの|-1>と、Eの|-1>と、の間の光遷移エネルギーを同時に変化させる。Aの|+1>と、Eの|+1>と、の間の光遷移を周波数νの光に共鳴させる。Aの|-1>と、Eの|-1>と、の間の光遷移を周波数νの光に共鳴させる。
この2つの光での励起と緩和による光ポンピングにより、仲介量子ビットはAの|0>の状態になる。
仲介量子ビットがAの|0>である測定量子ビット、または、データ量子ビットは、測定を利用して初期化することができる。例えば、|0>(=|+1/2>)に初期化する場合、測定量子ビットまたはデータ量子ビットを上記の方法で測定する。測定量子ビットまたはデータ量子ビットが|1>の場合に、後述する個別の1量子ビットゲートで、測定量子ビットまたはデータ量子ビットを|0>にする。同様にして、測定量子ビットまたはデータ量子ビットを|1>の状態に初期化することもできる。
以下では、Z測定量子ビット及びX測定量子ビットについての個別の停止の例について説明する。以下では、データ量子ビットに関する個別の初期化及び個別の測定の例が示される。以下では、Z測定量子ビット、X測定量子ビット、及び、データ量子ビットに関する個別の1量子ビットゲートの例が示される。
図18は、実施形態に係る情報処理装置における状態を例示する模式図である。
1つの例において、これらの個別の操作には、例えば、量子ゼノ効果が利用される。例えば、図18に示すような3つのエネルギー状態を有する物理系がある。この物理系の初期状態を|a>とする。この物理系に、電磁波が照射される。電磁波において、ラビ周波数は、νである。この電磁波は、ラビ周波数は、|a>と|b>との間の遷移に共鳴する。ラビ周波数は、物理系との相互作用の大きさに対応する。このような電磁波の照射により、物理系の状態は、|a>と|b>との間で、1/νの周期の振動を始める。この際、|a>と|b>とのどちらの状態に存在するかが測定可能である。例えば、この測定において、時間発展により、|a>及び|b>の重ね合わせになっていた物理系の状態が、測定結果に応じて、|a>及び|b>の一方の状態に収縮する。この際に、1/νよりも十分に短い時間間隔τ(すなわち式(5)を満たすτ)で頻繁に測定が行われる。
Figure 0007500511000005

このような測定において、例えば、測定の度に、状態は、|a>になる。このため、ラビ周波数νの電磁波が照射されているにもかかわらず、|a>からの変化が生じない。この現象は、量子ゼノ効果に対応する。
測定においては、例えば、図18に例示する|a>と|c>との間の遷移に共鳴する光が照射される。物理系が|a>の状態である場合に、光で励起されて|c>の状態になった物理系からの光子放出を検出することで、測定が行われる。
測定には、例えば、式(5)の条件を満たすとみなせる状況で、|c>の状態の寿命の間に、複数の光子が放出されるような強度と継続時間の光が用いられる。物理系から放出された光子は、必ずしも検出装置で検出されなくても良い。例えば、光子が放出されれば物理系の状態は電磁場に“記録”され、測定されたことになる。
量子ゼノ効果の利用において、例えば、物理系における2状態間の遷移に対応するマイクロ波を照射しながら、その2状態の一方の状態と、第3の状態と、の間の遷移に共鳴する強い光が照射される。量子ゼノ効果を利用することで、物理系のマイクロ波への応答を抑制することができる。
図19は、実施形態に係る情報処理装置における状態を例示する模式図である。
図19に示すように、例えば、Z測定量子ビット及びX測定量子ビットの個別の停止では、周波数νの光が照射される。周波数νの光の強度は、他の周波数(例えば周波数ν)の光の強度よりも高い。例えば、複数の電極40E(光透過性電極)に電圧が印加される。電圧の印加による電場により、停止させたい量子ビットと対となる仲介量子ビットにおいて、Aの|+1>と、Eの|+1>と、の間の光遷移エネルギーを励起光の周波数νに共鳴させる。
このような光による量子ゼノ効果により、仲介量子ビットは、Aの|0e>と|+1>との間の遷移に共鳴するマイクロ波に応答しなくなる。このため、停止させたい量子ビットが|0>の状態に留まり続ける。停止させたい量子ビットは、量子ビット操作用のラジオ波にも応答しなくなり、動作を停止する。
データ量子ビットに関する個別の初期化と個別の測定では、初期化または測定したいデータ量子ビット以外の量子ビットと対の仲介量子ビットに関して、複数の電極40E(光透過性電極)により電圧が印加される。初期化または測定したいデータ量子ビット以外の量子ビットと対の仲介量子ビットのAの|+1>とEの|+1>との間の光遷移エネルギーを、電圧印加による電場で励起光の周波数νに共鳴させながら、上記と同様の操作が行われる。例えば、まず、初期化または測定したいデータ量子ビットと対の仲介量子ビットを、マイクロ波の照射の後に、電圧印加による電場で励起光の周波数νに共鳴させる。これにより、初期化または測定したいデータ量子ビットと対の仲介量子ビットの測定が行われる。初期化の場合は、測定結果に応じて、後述する個別の1量子ビットゲートにより、所望の初期値への設定が行われる。
Z測定量子ビット、X測定量子ビット及びデータ量子ビットに関する個別の1量子ビットゲートは、以下のように実施される。これらの量子ビットの中で1量子ビットゲートを実施したい量子ビット以外と対となる仲介量子ビットを、複数の電極40E(光透過性電極)への電圧印加による電場で励起光の周波数νに共鳴させる。その状態で、マイクロ波のπパルスが照射される。マイクロ波のπパルスは、1量子ビットゲートを実施したい量子ビットの仲介量子ビットの|0>と|+1>との間の遷移に共鳴する。マイクロ波のπパルスの照射により、その仲介量子ビットが選択的に|+1>になる。その後、ラジオ波が照射される。ラジオ波は、1量子ビットゲートを実施したい量子ビットの|+1/2>と|-1/2>との間の遷移(|0>と|1>との間の遷移)に共鳴する。ラジオ波の照射により、1量子ビットゲートが実施される。その後、再び、マイクロ波のπパルスが照射される。マイクロ波のπパルスは、仲介量子ビットの|0>と|+1>との間の遷移(|0>と|1>との間の遷移)に共鳴する。マイクロ波のπパルスの照射により、仲介量子ビットは、|0>(すなわち|0>)に戻る。このようにして、Z測定量子ビット、X測定量子ビット、及び、データ量子ビットに関する個別の1量子ビットゲートが実施される。
量子ビットの測定の際に、例えば、周波数νの光をパルス照射する方法が適用されても良い。例えば、励起光と、仲介量子ビットからの放出光子と、を時間的に分離することができる。周波数νの光をパルス照射する場合に、例えば、周波数ν、ν及びνの光が、周波数νの光に同期してパルス照射される。これにより、例えば、光子の検出中に光検出部45に意図しない光が入射することが抑制できる。または、例えば、表面符号のサイクルにおけるZ測定量子ビット及びX測定量子ビットに関する測定、及び、初期化の光子の検出を行っている間は、周波数ν、ν及びνの光が照射されない。周波数ν、ν及びνの光が必要な操作は、光子の検出を行う時間と重ならないように実施される。
これらの実施形態により、性能が高い誤り訂正法である表面符号が実装できる。例えば、表面符号の操作が簡単になる。例えば、量子ビットの初期化、操作及び観測の際に、照射される電磁波50W(光、マイクロ波及ラジオ波の少なくともいずれか)の照射位置を複数の量子ビット対10pの位置にアライメントしなくて良い。例えば、照射される電磁波50Wの周波数を複数の量子ビット対10pのそれぞれの共鳴周波数に適合させなくて良い。例えば、電磁波50Wは、量子ビットの集団の全体に照射されても良い。一般に、量子ビットの数の増大に伴い、必要な光線の数、及び、周波数の数が増大する。これにより、装置が複雑化し、大型化する。実施形態によれば、装置の複雑化及び大型化が抑制できる。
実施形態において、複数の量子ビット対10pの1つは、2つの物理系10s(図5(a)参照)を含む。2つの物理系10sの1つは、第1量子状態、第2量子状態、及び、第3量子状態を含む。複数の電極40Eにより印加された電場により、第2量子状態と第3量子状態との間の遷移が変化する。
電磁波照射部50Dは、例えば、第1動作及び第2動作の実施が可能である。第1動作において、電磁波照射部50Dは、複数の量子ビット対10pに第1電磁波を照射する。第2動作において、電磁波照射部50Dは、複数の量子ビット対10pに第2電磁波を照射する。複数の量子ビット対10pの1つは、2つの物理系10sを含む。2つの物理系10sの1つは、第1量子状態、第2量子状態、及び、第3量子状態を含む。例えば、第1量子状態と第2量子状態との間の遷移は、第1電磁波に共鳴する。第2量子状態と第3量子状態との間の遷移は、第2電磁波に共鳴する。例えば、第1量子状態及び第2量子状態は、量子ビットに対応する。
このように、実施形態において、2つの物理系10sの1つは、2つ以上の量子状態を含む。2つ以上の量子状態は、量子ビットに対応可能である。
例えば、複数の量子ビット対10pの1つは、第1対、第2対、第3対、第4対及び第5対のいずれかを含んで良い。
第1対は、ダイヤモンドのNV中心の電子スピン及び核スピンを含む。第2対は、ダイヤモンドのNV中心の電子スピンと、ダイヤモンドのNV中心の近傍の13Cの核スピンと、を含む。この例において、ダイヤモンドのNV中心の電子スピンと、13Cの核スピンと、の間の距離は、量子ビットとして使えるだけの大きさの相互作用を互いに及ぼし合う程度以下の距離である。第3対は、SiCのNV中心の電子スピン及び核スピンを含む。第4対は、SiCのNV中心の電子スピンと、SiCのNV中心の近傍の13Cの核スピンと、を含む。この例において、SiCのNV中心の電子スピンと、13Cの核スピンと、の間の距離は、量子ビットとして使えるだけの大きさの相互作用を互いに及ぼし合う程度以下の距離である。第5対は、SiCのVVの電子スピンと、SiCのVVの近傍の13Cの核スピンと、を含む。この例において、SiCのVVの電子スピン、13Cの核スピンと、の間の距離は、量子ビットとして使えるだけの大きさの相互作用を互いに及ぼし合う程度以下の距離である。
以下、実施形態に係るいくつかの例について説明する。
(第1例)
図20は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図20に示すように、情報処理装置120は、量子ビット対構造体10Aに加えて、第1レーザ光源51a、第2レーザ光源51b、ラジオ波照射用コイル52及びマイクロ波照射用コイル53、光検出器47を含む。第1レーザ光源51a、第2レーザ光源51b、ラジオ波照射用コイル52及びマイクロ波照射用コイル53は、例えば、電磁波照射部50Dに含まれて良い。情報処理装置120は、磁場印加用コイル54a及び54bを含んでも良い。この例では、情報処理装置120は、第1素子部58a及び第2素子部58bを含む。第1素子部58aは、例えば、周波数設定用の電気光学効果素子を含む。第2素子部58bは、例えば、音響光学効果素子を含む。音響光学効果素子は、例えば、光強度の設定、及び、光のスイッチ動作が可能である。情報処理装置120は、光ファイバ58f、カットオフ光学フィルタ44、光学系51o、及び、クライオスタット59を含んで良い。情報処理装置120は、制御部77を含んでも良い。
この例では、磁場印加用コイル54a及び磁場印加用コイル54bとの間に、量子ビット対構造体10Aの複数の量子ビット対10pが設けられる。この例では、磁場印加用コイル54bは、光検出器47と、複数の量子ビット対10pと、の間に設けられる。
第1レーザ光源51aは、第1光LL1(第1レーザ)を放出する。第1光LL1は、量子ビット対構造体10Aに含まれる複数の量子ビット対10pの電荷を初期化可能である。第1光LL1の波長は、例えば、532nmである。放出された第1光は、光学系51oにより、複数の量子ビット対10pの全体に照射される。
第2レーザ光源51bは、第2光LL2(第2レーザ)を出力する。第2光LL2は、仲介量子ビットの初期化、及び、読み出しのための光に対応する。第2光LL2の波長は、例えば、約637nmである。出力された第2光は、25の光ファイバ58fに分配して入射され、5×5の正方格子状に並べられて出力される。
25本の光ファイバ58fのそれぞれの途中には、第1素子部58a及び第2素子部58bが設けられる。第1素子部58aは、例えば、周波数調整に利用される。これにより、量子ビット等の所望の遷移に、レーザを共鳴させることができる。第1素子部58aにより、例えば光ファイバ58fの一本から、複数の周波数成分を持つ光を出力することができる。光ファイバ58fから出力される25の光は、光学系51oにより量子ビット対構造体10Aに導かれる。25の光ファイバ58fからの出力のそれぞれが、5×5の正方格子状に並んだ量子ビット対10pの仲介量子ビットを照射するように、結像する。
ラジオ波照射用コイル52は、量子ビット対構造体10Aにラジオ波を照射する。マイクロ波照射用コイル53は、量子ビット対構造体10Aにマイクロ波を照射する。マイクロ波照射用コイル53は、マイクロ波照射用のホーンアンテナでも良い。
カットオフ光学フィルタ44は、第1レーザ光源51a及び第2レーザ光源51bからの光を遮断可能である。これにより、仲介量子ビットから放出された光子が選択的に光検出器47に入射できる。光検出器47は、仲介量子ビットから放出された光子をフォトンカウンティングし、その信号を制御部77に供給する。
制御部77は、第1レーザ光源51a、第2レーザ光源51b、第1素子部58a、第2素子部58b、ラジオ波照射用コイル52、マイクロ波照射用コイル53、及び、光検出部45に制御信号sg1を供給することが可能である。
光学系51oの一部、磁場印加用コイル54a、磁場印加用コイル54bラジオ波照射用コイル52、マイクロ波照射用コイル53、カットオフ光学フィルタ44、光検出器47、複数の量子ビット対10pは、クライオスタット59の中に設けられる。クライオスタット59の内部の温度は、7Kに保たれる。量子ビット対構造体10Aには、磁場印加用コイル54a及び54bにより、600mTの磁場が印加される。
図21(a)及び図21(b)は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図21(a)は、平面図である。図21(b)は、断面図である。
量子ビット対構造体10Aは、高純度ダイヤモンドの単結晶を含む。単結晶は、実質的に、1mm×1mm×0.5mmの直方体である。単結晶の1mm×1mmの面は、(1,1,1)面である。1mm×1mmの面の中央部に、複数の量子ビット対10pとなるNV中心が設けられる。複数の量子ビット対10pは、5×5の正方格子状に並ぶ。複数の量子ビット対10pの第1方向Dr1に沿う距離dr1は、実質的に1μmである。複数の量子ビット対10pの第2方向Dr2に沿う距離dr2は、実質的に1μmである。複数の量子ビット対10pの間に、スピンチェイン10cが設けられる。スピンチェイン10cは、複数の15Nの電子スピンを含む。複数の15Nの電子スピンの列の1つは、第1方向Dr1に沿って並ぶ。複数の15Nの電子スピンの列の別の1つは、第2方向Dr2に沿って並ぶ。複数の15Nの電子スピンは、2つのNV中心の間に設けられる。
複数の第1導電部材31及び複数の第2導電部材32が設けられる。これらの導電部材により形成される格子状の複数の領域の1つに、複数の量子ビット対10pの1つが設けられる。複数の量子ビット対10pの1つの位置は、格子状の複数の領域の1つの中心の位置に対応する。
図21(a)には、格子状の複数の領域の6個が例示されている。NV中心の核スピンの状態が、メモリ量子ビットに対応する。電子スピンの状態が、仲介量子ビットに対応する。
複数の第1導電部材31には、交互に逆向きの電流が供給される。複数の第2導電部材32には、交互に逆向きの電流が供給される。複数の第1導電部材31のそれぞれ、及び、複数の第2導電部材32のそれれに流れる電流は、例えば、220nA以上である。これらの電流は、例えば、1mA程度でも良い。この例では、これらの電流は、880μAである。
量子ビット対構造体10Aは、例えば、以下のようにして作製される。以下において、平面図における「上下左右」により、複数の位置の関係が記載される。
図22(a)~図22(d)は、第1実施形態に係る情報処理装置の製造方法を例示する模式的平面図である。
図22(a)に示すように、単結晶10Xが準備される。単結晶10Xは、例えば、基体40s(図21(b)参照)に対応する。単結晶10Xは、実質的に1mm×1mm×0.5mmの直方体である。1mm×1mmの面が、(1,1,1)面である。単結晶10Xは、高純度ダイヤモンドの単結晶である。その1mm×1mmの面からのイオン注入により、複数の15Nの列を形成する。複数の15Nの列の深さは、例えば、約50nmである。複数の15Nの列により、複数の格子点10Lが形成される。複数の格子点10Lの間の第1方向Dr1に沿う間隔(ピッチ)は、1μmである。複数の格子点10Lの間の第2方向Dr2に沿う間隔(ピッチ)は、1μmである。
図22(b)に示すように、複数の格子点10Lを「Z点」、「X点」及び「D点」とする。複数の15Nは、複数の「Z点」、複数の「X点」、及び、複数の「D点」のそれぞれに対応して、設けられる。
Z点、X点及びD点に、集光した短パルスレーザを照射する。短パルスレーザの波長は約790nmである。短パルスレーザの照射により、Z点、X点及びD点において、15Nの近傍に空格子点が形成される。
レーザ強度が低い短パルス列が照射される。これにより、アニーリングが行われる。これにより、空格子点と15Nとを結合させる。これにより、Z点、X点及びD点において、NV中心が形成される。
例えば、Z点の上、左、右及び下において隣のD点と、そのZ点と、の間には、それぞれ100個、90個、80個及び70個の15Nが等間隔で並ぶ。X点の上、左、右及び下において隣のD点と、そのX点と、の間には、それぞれ100個、90個、80個及び70個の15Nが等間隔で並ぶ。
Z点、X点及びD点それぞれのNV中心と、そのNV中心と、隣の15Nと、の間の距離は20nmである。等間隔で一列に配列した複数の15Nが、複数のNV中心をつなぐスピンチェイン10cとなる。Z点及びX点のそれぞれの上、左、右及び下のスピンチェイン10cは、5.3kHz、7.1kHz、10.1kHz及び12.6kHzの固有エネルギーをそれぞれ有する。これらの固有エネルギーは、k=49、k=43、k=37、及び、k=31のモードに対応する。
図22(c)に示すように、複数の第1導電部材31を形成する。さらに、中間部材40iの少なくとも一部となるSiO膜を形成する。SiO膜の厚さは、例えば、150nmである。
図22(d)に示すように、さらに、複数の第2導電部材32を形成する。複数の第2導電部材32は、例えば、銅細線である。複数の第2導電部材32の幅は、例えば、約100nmである。複数の第2導電部材32の厚さ、例えば、約50nmである。複数の第2導電部材32は、複数の溝を形成し、その溝に導電材料を埋め、CMPなどにより導電材料を分離することで形成されて良い。
銅細線の断面は、例えば、実質的に長方形である。銅細線の断面において、例えば、ダイヤモンド表面に対して平行な辺の長さは、100nmである。ダイヤモンド表面に対して垂直な辺の長さは、50nmである。
複数の第1導電部材31及び複数の第2導電部材32は、銅、銀、導電性シリコン、カーボンナノチューブ、及び、グラフェンよりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。
図22(d)に示すように、例えば、複数の第1導電部材31に、交互に逆の向きの電流が供給される。複数の第2導電部材32に、交互に逆の向きの電流が供給される。
図22(d)において、格子の内側の領域に、「Z点」、「X点」及び「D点」の例が記載されている。格子の内側の領域に、電流により形成される磁場オフセットの値が、「0」、「2」及び「-2」として記載されている。
図23は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。
図23は、情報処理装置120における動作の例を示している。
D点にある電子スピンのA状態の3つのエネルギー状態は、|-1>、|0>、及び、|+1>に対応する。|-1>と|0>との間の遷移をνD,-1,0とする。|0>と|+1>との間の遷移をνD,0,+1とする。A状態の|0>と、E状態の|0>と、の間の遷移周波数をνD,AE,1とする。A状態の|+1>と、E状態の|+1>と、の間の遷移周波数をνD,AE,2とする。A状態の|-1>と、E状態の|-1>と、の間の遷移周波数をνD,AE,3とする。
Z点にある電子スピンのA状態の3つのエネルギー状態間、及び、A状態の3つのエネルギー状態と、E状態の3つのエネルギー状態と、の間の遷移についても、同様に遷移周波数に関する記号が定められる。X点にある電子スピンのA状態の3つのエネルギー状態間、及び、A状態の3つのエネルギー状態と、E状態の3つのエネルギー状態と、の間の遷移についても、同様に遷移周波数に関する記号が定められる。
複数の第1導電部材31及び複数の第2導電部材32に流れる電流による磁場が、複数の量子ビット対10pに印加される。Z点及びX点の電子スピンの遷移は、それぞれシフトする。遷移周波数νD,-1,0よりも、遷移周波数νZ,-1、0は、大きく、その差は、約40MHzである。遷移周波数νD,0,+1よりも、遷移周波数νX,0、+1は、小さく、その差は、約40MHzである。
図23に示すように、2つのマイクロ波を考える。2つのマイクロ波は、D点にある電子スピンのA状態に2光子共鳴する。これらの2つのマイクロ波の周波数は、νD,MW1、及び、νD,MW2である。νD,MW1+νD,MW2=νD,-1,0+νD,0,+1である。νD,MW1=νD,-1、0-Δである。
Z点にある電子スピンのA状態に2光子共鳴する2つのマイクロ波を考える。これらの2つのマイクロ波の周波数は、νZ,MW1、及び、νZ,MW2である。νZ,MW1+νZ,MW2=νZ,-1,0+νZ,0,+1である。νZ,MW1=νZ,-1、0-Δである。
X点にある電子スピンのA状態に2光子共鳴する2つのマイクロ波を考える。これらの2つのマイクロ波の周波数は、νX,MW1、及び、νX,MW2である。νX,MW1+νX,MW2=νX,-1,0+νX,0,+1である。νX,MW1=νX,-1、0-Δである。
図23において、ν*、0,+1などの記載における「*」は、「X」、「Z」及び「D」のいずれかである。「*点」における電子スピンの遷移周波数と、「*点」における電子スピンに作用させるマイクロ波の周波数と、において、このような表記を採用する。
図24は、第1実施形態に係る情報処理装置における動作を例示する模式図である。
図24は、情報処理装置120における動作の例を示している。
図24に示すように、NV中心の核スピンの状態に分解した遷移に関して、D点にあるNV中心のA状態の|0,-1/2>と、|+1,-1/2>と、の間の遷移周波数をνD,|0e,-1/2n>、|+1e,-1/2n>とする。|0,+1/2>と、|+1,+1/2>と、の間の遷移周波数をνD,|0e,+1/2n>、|+1e,+1/2n>とする。Z点及びX点にあるNV中心についても、同様に遷移周波数に関する記号が定められる。
第1例では、例えば、以下のような操作が順次行われる。
第1レーザ光源51aからの光を複数の量子ビット対10pに照射し、NV中心の電荷を「-1」に初期化する。第2レーザ光源51bから出力した光を複数の量子ビット対10pに照射する。この光は、νD,AE,2、νD,AE,3、νZ,AE,2、νZ,AE,3、νX,AE,2、及び、νX,AE,3の周波数を有する。例えば、全ての仲介量子ビットのA状態を|0>にする。
その後、マイクロ波照射用コイル53により、マイクロ波を複数の量子ビット対10pに照射する。マイクロ波の周波数は、νD,|0e,-1/2n>、|+1e,-1/2n>である。マイクロ波は、D点の仲介量子ビットへのπパルスに対応する。その際、1つのD点を除く他のD点には、仲介量子ビットを|0>に設定した際の光の強度の10倍の強度を有し、周波数νD,AE,2を有する光を照射する。これにより、他のD点の仲介量子ビットへのマイクロ波の影響が抑制される。
その後、第2レーザ光源51bから出力した光を、上記の1つのD点の仲介量子ビットに照射する。この光の周波数は、νD,AE,1である。照射は、1つの時間で行われる。光検出器47で光子が検出されなかったら、ラジオ波照射用コイル52により、複数の量子ビット対10pにラジオ波を照射する。ラジオ波の周波数νRFは、例えば、νRF=νD,|0e,+1/2n>、|+1e,+1/2n>-νD,|0e,-1/2n>、|+1e,-1/2n>を満たす。ラジオ波は、メモリ量子ビットの|-1/2>と|+1/2>との間の遷移へのπパルスに対応する。
その後、マイクロ波を複数の量子ビット対10pに照射する。マイクロ波の周波数は、νD,|0e,-1/2n>、|+1e,-1/2n>である。マイクロ波は、D点の仲介量子ビットへのπパルスに対応する。その際、上記の1つのD点を除く他のD点に、仲介量子ビットを|0>に設定した際の光の強度の10倍の強度を有し、周波数νD,AE,2を有する光を照射する。これにより、他のD点の仲介量子ビットへのマイクロ波の影響が抑制される。
照射の時間(上記の1つの時間)は、例えば50μ秒である。このようにして、そのD点のメモリ量子ビットを|+1/2>(=|0>)に初期化する。同様にして、残りの12個のD点のメモリ量子ビットを、順次、|+1/2>(=|0>)に初期化する。6個のZ点のメモリ量子ビット、及び、6個のX点の量子ビットも、同様に|+1/2>(=|0>)に初期化する。
その後、図22(d)におけるZ点の1つをZ1点とする。Z1点の直上に位置するD点をD1点とする。X点の1つをX1点とする。X1点の上において隣のもう1つのD点をD2点とする。D1点とD2点以外のD点に周波数νD,AE,2の強い光を照射しながら、周波数νD,0,+1のπパルスマイクロ波を照射する。さらに、νRFのラジオ波を照射する。これにより、D1点及びD2点のメモリ量子ビットを選択的に|-1/2>(=|1>)にする。その後、周波数νD,0,+1のπパルスマイクロ波を照射し、再び、仲介量子ビットを|0e>にする。ここまで、D1点及びD2点以外のD点への周波数νD,AE,2の強い光の照射が継続する。
その後、Z点及びX点の量子ビット対10pに、同時並行に、CNOTゲートと、CNOTゲートと、実施する。CNOTゲートでは、νRFの周波数のラジオ波のπパルス照射が行われる。CNOTゲートでは、νZ,0,+1の周波数、及び、νX,0,+1周波数を有する2つずつのπ/2パルスが照射される。さらに、2度目のCNOTゲートを実施する。2度目のCNOTゲートでは、2度目のνRFのラジオ波のπパルスが照射される。これにより、Z点及びX点のそれぞれのメモリ量子ビットと、仲介量子ビットと、の間において、SWAPゲートが実施される。
その後、マイクロ波照射用コイル53により、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νD,MW1、及び、νD,MW2の6つの周波数のマイクロ波を照射する。照射の時間は、例えば、6.3msである。この照射において、例えば、Δ=Δ=Δ=5.3kHzとする。このマイクロ波照射により、Z点及びX点の仲介量子ビットと、それらの直上のD点の仲介量子ビットと、の間において、SWAPゲートが実施される。
その後、X点の上において隣のD点に、周波数νD,AE,2の強い光を照射しながら、νD,0,+1の周波数を有する2つのπ/2パルスを照射する。これにより、Z点の直上のD点のCNOTゲートが実施される。
その後、Z点の直上のD点に周波数νD,AE,2の強い光を照射しながら、νRFの周波数を有するラジオ波のπパルスを照射する。これにより、X点直上のD点に、CNOTゲートが実施される。
その後、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νD,MW1、及び、νD,MW2の6つの周波数のマイクロ波を、で照射する。照射の時間は、例えば、6.3msである。この照射において、例えば、Δ=Δ=Δ=5.3kHzとする。このマイクロ波照射により、Z点及びX点の仲介量子ビット、とそれらの直上のD点の仲介量子ビットと、の間において、SWAPゲートが実施される。
その後、Z点及びX点の量子ビット対に関して、CNOTゲートを実施する。CNOTゲートにおいては、νRFの周波数を有するラジオ波のπパルスが照射される。さらに、CNOTゲートを実施する。CNOTゲートにおいて、νZ,0,+1、及び、νX,0,+1のそれぞれの周波数において2つずつのπ/2パルスが照射される。2度目のCNOTゲートを実施する。2度目のCNOTゲートにおいて、2度目のνRFの周波数を有するラジオ波のπパルスが照射される。上記により、Z点及びX点のそれぞれに関して、メモリ量子ビットと仲介量子ビットとの間において、SWAPゲートが実施される。
以上の操作により、例えば、CNOTゲート及びCNOTゲートが実施される。CNOTゲートにおいては、Z点のメモリ量子ビットが標的量子ビットとされ、そのZ点の上において隣のD点の量子ビットが制御量子ビットとされる。CNOTゲートにおいて、X点のメモリ量子ビットが制御量子ビットとされ、そのX点の上において隣のD点の量子ビットが標的量子ビットとされる。
その後、マイクロ波照射用コイル53により、マイクロ波を複数の量子ビット対10pに照射する。このマイクロ波の周波数は、νD,|0e、-1/2n>,|+1e,-1/2n>、νZ,|0e、-1/2n>,|+1e,-1/2n>、及び、νX,|0e、-1/2n>,|+1e,-1/2n>である。このマイクロ波のそれぞれは、D点、Z点及びX点の仲介量子ビットへのπパルスに対応する。
その後、第2レーザ光源51bから出力した光をD点の仲介量子ビットに、順次照射する。光の周波数は、νD,AE,1である。光検出器47での光子の検出の有無により、D点のメモリ量子ビットが順次読み出される。
その後、Z点のメモリ量子ビット、及び、X点のメモリ量子ビットに、光照射が順次行われ、光検出器47で読み出される。光の周波数は、それぞれ、νZ,AE,1、νX,AE,1である。この読み出しにより、各メモリ量子ビットは、以下のようになる。すなわち、D1点は、|-1/2>(=|1>)となる。Z1点は、|-1/2>(=|1>)となる。D2点は、|-1/2>(=|1>)となる。X1点は、|+1/2>(=|0>)となる。他の格子点は、|+1/2>(=|0>)となる。Z点と、その上において隣のD点と、に関して、メモリ量子ビット間のCNOTゲートが選択的に実施される。X点と、その上において隣のD点と、に関して、メモリ量子ビット間のCNOTゲートが選択的に実施される。
上記の一連の操作において、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νD,MW1、及び、νD,MW2の6つの周波数のマイクロ波が照射される。この照射の際において、Δ、Δ、Δ、及び、照射時間は、適切に設定される。これにより、Z点及びX点において、それららの左、右、下において隣のD点のメモリ量子ビットとの選択的CNOTゲートが、同様に実施できる。
D点、Z点及びX点のメモリ量子ビットが、それぞれ、データ量子ビット、Z測定量子ビット、及び、X測定量子ビットとする表面符号が実施される。この際、同期して実施されるデータ量子ビットとZ測定量子ビットとの間のCNOTゲートが同期して実施される。データ量子ビットとX測定量子ビットとの間のCNOTゲートが同期して実施される。
量子ビット対構造体10Aに設けられる複数に量子ビット対10pにおける、仲介量子ビット及びメモリ量子ビットには、例えば、ダイヤモンドのNV中心の電子スピンと核スピンとが適用される。仲介量子ビット及びメモリ量子ビットには、例えば、ダイヤモンドのNV中心の電子スピンと、その近傍の13Cの核スピンと、が適用できる。仲介量子ビット及びメモリ量子ビットには、例えば、SiCのNV中心の電子スピンと核スピンとが適用できる。仲介量子ビット及びメモリ量子ビットには、例えば、SiCのNV中心の電子スピンと、その近傍の13Cの核スピンと、が適用できる。仲介量子ビット及びメモリ量子ビットには、例えば、SiCのVVの電子スピンと、その近傍の13Cの核スピンと、が適用できる。
(第2例)
第2例においては、第1例における量子ビット対構造体10Aが、以下の量子ビット対構造体10Aと置き換えられる。第2例における他の構成は、第1例における構成と同じで良い。
図25(a)~図25(d)は、第1実施形態に係る情報処理装置の製造方法を例示する模式的平面図である。
図25(a)に示すように、単結晶10Xが準備される。単結晶10Xは、実質的に1mm×1mm×0.5mmの直方体である。1mm×1mmの面が、(1,1,1)面である。複数の15Nの列が形成される。
図25(b)に示すように、複数の格子点10Lを「Z点」、「X点」、「DZ点」、及び「DX点」とする。短パルスレーザの照射により、Z点、X点、DX点及びDZ点において、15Nの近傍に空格子点が形成される。レーザ強度が低い短パルス列の照射により、Z点、X点、DX点及びDZ点において、NV中心が形成される。
Z点の上、左、右及び下において隣のDZ点と、DX点と、の間には、それぞれ100個、90個、80個及び70個の15Nが、等間隔で並ぶ。
X点の上、左、右及び下において隣のDZ点と、DX点と、の間には、それぞれ70個、80個、90個及び100個の15Nが等間隔で並ぶ。
Z点、X点、DZ点及びDX点のNV中心のそれぞれと、それらの隣の15Nと、の間の距離は、20nmである。Z点の上、左、右及び下のスピンチェイン10cは、5.3kHz、7.1kHz、10.1kHz及び12.6kHzの固有エネルギーそれぞれを有する。
X点の上、左、右及び下のスピンチェイン10cは、12.6kHz、10.1kHz、7.1kHz及び5.3kHzの固有エネルギーをそれぞれ有する。
その後、図25(c)及び図25(d)に示すように、複数の第1導電部材31及び複数の第2導電部材32が形成される。複数の第1導電部材31の間隔(ピッチ)は、1μmである。複数の第2導電部材32の間隔(ピッチ)は、2/3μmの間隔及び4/3μmの間隔が交互に並ぶ。複数の第1導電部材31及び複数の第2導電部材32で形成される格子状の領域の中央に、複数の量子ビット対10pとなるNV中心が設けられる。
複数の第1導電部材31には、交互に逆向きの電流が供給される。複数の第2導電部材32には、交互に逆向きの電流が供給される。複数の第1導電部材31のそれぞれに流れる電流の大きさは、例えば、約660μAである。複数の第2導電部材32のそれぞれに流れる電流の大きさは、例えば、約440μAである。
DZ点にある電子スピンのA状態の3つのエネルギー状態|-1>、|0>、及び、|+1>において、|-1>と|0>との間の遷移周波数、及び、|0>と|+1>との間の遷移周波数を、それぞれ、νDZ,-1、0、及び、νDZ,0、+1とする。A状態の|0>と、E状態の|0>と、の間の遷移周波数をνDZ,AE、1とする。A状態の|+1>と、E状態の|+1>と、の間の遷移周波数をνDZ,AE、2とする。A状態の|-1>と、E状態の|-1>と、の間の遷移周波数をνDZ,AE、3とする。
DX点にある電子スピンのA状態の3つのエネルギー状態|-1>、|0>、|+1>において、|-1>と|0>との間の遷移周波数、及び、|0>と|+1>との間の遷移周波数を、それぞれ、νDX,-1、0、及び、νDX,0、+1とする。A状態の|0>と、E状態の|0>と、の間の遷移周波数をνDX,AE、1とする。A状態の|+1>と、E状態の|+1>と、の間の遷移周波数をνDX,AE、2とする。A状態の|-1>と、E状態の|-1>と、の間の遷移周波数をνDX,AE、3とする。
第1例と同様に、Z点及びX点にある電子スピンのA状態の3つのエネルギー状態間の遷移についても、遷移周波数に関する記号が定められる。A状態の3つのエネルギー状態と、E状態の3つのエネルギー状態と、の間の遷移についても、遷移周波数に関する記号が定められる。
電流による磁場により、Z点、DZ点及びDX点の電子スピンの遷移は、それぞれシフトする。νX,-1、0よりもνZ,-1、0は大きく、それらの差は、約7.5MHzである。νX,0、+1よりもνZ,0、+1は大きく、それらの差は、約7.5MHzである。νX,-1、0よりもνDZ,-1、0は大きく、それらの差は、約30MHzである。νX,0、+1よりもνDZ,0、+1は大きく、それらの差は、約30MHzである。νX,-1、0よりもνDX,-1、0は大きく、それらの差は、約22.5MHzである。νX,0、+1よりもνDX,0、+1は大きく、それらの差は、約22.5MHzである。
DZ点にある電子スピンのA状態に2光子共鳴する2つのマイクロ波を考える。マイクロ波の周波数は、νDZ,MW1、及び、νDZ,MW2である。νDZ,MW1+νDZ,MW2=νDZ,-1,0+νDZ,0、+1である。νDZ,MW1、=νDZ,-1,0-ΔDZである。
同様に、DX点にある電子スピンのA状態に2光子共鳴する2つのマイクロ波を考える。マイクロ波の周波数は、νDX,MW1、及び、νDX,MW2である。νDX,MW1+νDX,MW2=νDX,-1,0+νDX,0、+1である。νDX,MW1=νDX,-1,0-ΔDXである。
Z点にある電子スピンのA状態に2光子共鳴する2つのマイクロ波(νZ,MW1及びνZ,MW2の周波数)を考える。X点にある電子スピンのA状態に2光子共鳴する2つのマイクロ波(νX,MW1及びνX,MW2の周波数)も考える。
NV中心の核スピンの状態まで分解した遷移に関して、第1例と同様にDZ点にあるNV中心のA状態の|0,-1/2>と|+1,-1/2>との間の遷移周波数をνDZ,|0e,-1/2n>,|+1e,-1/2n>とする。|0,+1/2>と|+1,+1/2>との間の遷移周波数をνDZ,|0e,+1/2n>,|+1e,+1/2n>とする。DX点にあるNV中心のA状態の|0,-1/2>と|+1,-1/2>との間の遷移周波数をνDX,|0e,-1/2n>,|+1e,-1/2n>とする。|0,+1/2>と|+1,+1/2>との間の遷移周波数をνDX,|0e,+1/2n>,|+1e,+1/2n>とする。Z点及びX点にあるNV中心についても、遷移周波数に関する記号が同様に定められる。
第2例では,以下のような操作が順次行われる。
第1レーザ光源51aからの光を複数の量子ビット対10pに照射し、NV中心の電荷を-1に初期化する。第2レーザ光源51bから出力した光を複数の量子ビット対10pに照射する。第2レーザ光源51bから出力した光の周波数は、周波数νDZ,AE、2、νDZ,AE、3、νDX,AE、2、νDX,AE、3、νZ,AE、2、νZ,AE、3、νX,AE、2、及び、νX,AE、3の成分を有する。全ての仲介量子ビットA状態が、|0>となる。
マイクロ波照射用コイル53によりマイクロ波を複数の量子ビット対10pに照射する。マイクロ波は、周波数νDZ,|0e、-1/2n>,|+1e、-1/2n>を有する。マイクロ波は、DZ点の仲介量子ビットへのπパルスに対応する。その際、1つのDZ点を除く他のDZ点には、仲介量子ビットを|0>に設定した際の光の強度の10倍の強度を有し、周波数νDZ,AE,2を有する光を照射する。これにより、他のDZ点の仲介量子ビットへのマイクロ波の影響が抑制される。
その後、第2レーザ光源51bから出力した光を上記の1つのDZ点の仲介量子ビットに照射する。この光は、周波数νDZ,AE,1を有する。光検出器47で光子が検出されなかったら、ラジオ波を照射する。ラジオ波は、周波数νRFを有する。周波数νRF=νDZ,|0e、+1/2n>,|+1e、+1/2n>-νDZ,|0e、-1/2n>,|+1e、-1/2n>を有する。ラジオ波は、メモリ量子ビットの|-1/2>と|+1/2>との間の遷移へのπパルスに対応する。
その後、マイクロ波を複数の量子ビット対10pに照射する。マイクロ波は、DZ点の仲介量子ビットへのπパルスに対応する。その際、上記の1つのDZ点を除く他のDZ点には、仲介量子ビットを|0>に設定した際の光の強度の10倍の強度を有し、周波数νDZ,AE,2を有する光を照射する。これにより、他のDZ点の仲介量子ビットへのマイクロ波の影響が抑制される。
このようにして、そのDZ点のメモリ量子ビットは、|+1/2>(=|0>)に初期化される。同様にして、残りの12個のDZ点及びDX点のメモリ量子ビットが、順次、|+1/2>(=|0>)に初期化される。6個のZ点のメモリ量子ビット、及び、6個のX点の量子ビットも、同様に|+1/2>(=|0>)に初期化される。
図25(b)に示されるZ点の1つを、Z1点とする。Z1点の上において隣のDZ点をDZ1点とする。X点の1つをX1点とする。X1点の上において隣の別のD点をDX1点とする。
DZ1点及びDX1点以外のDZ点及びDX点に強い光を照射しながら、πパルスマイクロ波を照射する。強い光は、周波数νDZ,AE,2、及び、νDX,AE,2を有する。πパルスマイクロ波は、周波数νDZ,0,+1、及び、νDX,0,+1を有する。さらに、ラジオ波のπパルス照射により、DZ1点及びDX1点のメモリ量子ビットを、選択的に|-1/2>(=|1>)にする。このラジオ波は、周波数νRFを有する。さらに、πパルスマイクロ波を照射して、再び、仲介量子ビットを|0>にする。このπパルスマイクロ波は、周波数νDZ,0,+1、及び、νDX,0,+1を有する。ここまでの操作において、DZ1点及びDX1点以外のDZ点及びDX点への、周波数νDZ,AE,2、及び、νDX,AE,2の強い光の照射は継続される。
その後、Z点及びX点の量子ビット対について、同時並行に、CNOTゲート、CNOTゲート、及び、CeNOTゲートを実施する。CNOTゲートにおいては、νRFの周波数を有するラジオ波のπパルスが照射される。CNOTゲートにおいては、νZ,0,+1及びνX,0,+1のそれぞれの周波数において2つずつのπ/2パルスが照射される。このような操作により、Z点及びX点のそれぞれのメモリ量子ビットと仲介量子ビットとの間において、SWAPゲートが実施される。
その後、マイクロ波照射用コイル53により、8つの周波数の成分を有するマイクロ波を照射する。8つの周波数は、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νDZ,MW1、νDZ,MW2、νDX,MW1、及び、νDX,MW2である。この照射において、ΔDZ=Δ=5.3kHzである。ΔDX=Δ=12.6kHzである。νZ,MW1、νZ,MW2、νDZ,MW1、及び、νDZ,MW2の周波数のマイクロ波照射時間は、6.3msである。νX,MW1、νX,MW2、νDX,MW1、及び、νDX,MW2の周波数のマイクロ波の照射時間は5.6msである。このようなマイクロ波の照射により、Z点の仲介量子ビットと、そのZ点の上において隣のDZ点の仲介量子ビットと、の間におけるSWAPゲートが実施される。X点の仲介量子ビットと、X点の上において隣のDX点の仲介量子ビットと、の間におけるSWAPゲートが実施される。νDZ,0,+1の周波数の2つのπ/2パルス照射により、DZ点について、CNOTゲートが実施される。DZ点に例えば周波数νDZ,AE,2の強い光を照射しながら、νRFの周波数のラジオ波πパルス照射により、DX点について、CNOTゲートが実施される。
その後、8つの周波数のマイクロ波を照射する。8つの周波数は、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νDZ,MW1、νDZ,MW2、νDX,MW1、及び、νDX,MW2である。この照射において、ΔDZ=Δ=5.3kHzである。ΔDX=Δ=12.6kHzである。νZ,MW1、νZ,MW2、νDZ,MW1、及び、νDZ,MW2の周波数のマイクロ波照射時間は6.3msである。νX,MW1、νX,MW2、νDX,MW1、及び、νDX,MW2の周波数のマイクロ波照射時間は5.6msである。このようなマイクロ波照射により、Z点の仲介量子ビットと、そのZ点の上において隣のDZ点の仲介量子ビットと、の間におけるSWAPゲートが実施される。X点の仲介量子ビットと、そのX点の上において隣のDX点の仲介量子ビットと、の間におけるSWAPゲートが実施される。
その後、Z点及びX点の量子ビット対について、νRFの周波数のラジオ波のπパルス照射によるCNOTゲートが実施される。2つのπ/2パルスの照射によりCNOTゲートが実施される。2つのπ/2パルスの周波数は、νZ,0,+1、及び、νX,0,+1である。2度目のνRFの周波数のラジオ波πパルスにより、CNOTゲートが実施される。これにより、Z点及びX点のそれぞれのメモリ量子ビットと、仲介量子ビットと、の間においてSWAPゲートが実施される。
以上の操作により、CNOTゲート及びCNOTゲートが実施されるこのCNOTゲートにおいて、Z点のメモリ量子ビットが標的量子ビットとされる。そのZ点の上において隣のDZ点の量子ビットが制御量子ビットとされる。X点のメモリ量子ビットを制御量子ビットとする。CNOTゲートにおいて、そのX点の上において隣のDX点の量子ビットが標的量子ビットとされる。
上記の一連の操作において、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νDZ,MW1、νDZ,MW2、νDX,MW1、及び、νDX,MW2の8つの周波数のマイクロ波照射時において、ΔDZ、ΔDX、Δ、Δ、及び、照射時間が調整される。これにより、Z点と、そのZ点の左、右及び下において隣のDZ点及びDX点のメモリ量子ビットと、の間のCNOTゲートが、選択的に実施される。X点と、そのX点の左、右及び下において隣のDZ点及びDX点のメモリ量子ビットと、の間のCNOTゲートが選択的に実施される。
上記により、表面符号とCNOTゲートとが、同期して実施されることが可能である。表面符号において、DZ点及びDX点のメモリ量子ビットがデータ量子ビットとされる。表面符号において、Z点及びX点のメモリ量子ビットがそれぞれZ測定量子ビット及びX測定量子ビットとされる。CNOTゲートにおいて、データ量子ビットと、Z測定量子ビット及びX測定量子ビットと、の間のCNOTゲートが実施される。
(第3例)
第3例では、第1例における量子ビット対構造体10Aが、以下のような量子ビット対構造体10Aと置き換えられる。
図26(a)~図26(d)は、第1実施形態に係る情報処理装置の製造方法を例示する模式的平面図である。
図26(a)に示すように、単結晶10Xが準備される。単結晶10Xは、実質的に1mm×1mm×0.5mmの直方体である。1mm×1mmの面が、(1,1,1)面である。複数の15Nの列が形成される。複数の15Nは、2つの正方格子となる。2つの格子の格子点の間隔(ピッチ:間隔dp1及びdp2)は、2つの方向において、5/3μmである。
図26(b)に示すように、複数の格子点10Lを、「Z点」、「X点」及び「D点」とする。図26(b)に示すように、第1~第3方向Dr1~Dr3が定められる。第1方向Dr1と、正方格子の1つの辺と、の間の角度は45度である。第1方向Dr1の向きと反対の向きを「上方向Du1」とする。
この場合、Z点と、Z点の上方向Du1において隣のD点と、の間の距離(ピッチ)は、51/2/3μmである。X点と、X点の上方向Du1において隣のD点と、の間の距離(ピッチ)は、51/2/3μmである。Z点と、Z点の左において隣のD点と、の間の距離(ピッチ)は、2・(51/2/3)μmである。X点と、X点の左において隣のD点と、の間の距離(ピッチ)は、2・(51/2/3)μmである。Z点と、Z点の右において隣のD点と、の間の距離は、101/2/3μmである。X点と、X点の右において隣のD点と、の間の距離は、101/2/3μmである。Z点と、Z点の下において隣のD点と、の間の距離は、5/3μmである。X点と、X点の下において隣のD点と、の間の距離は、5/3μmである。
第1例と同様にして、Z点、X点及びD点に、NV中心が生成される。Z点及びX点と、Z点及びX点の上、左、右及び下において隣のD点と、の間に15Nが並ぶ。15Nの並ぶ間隔は、約10nmである。71個、145個、101個及び163個の15Nが、等間隔で並ぶ。
図26(c)に示すように、複数の第1導電部材31が設けられる。複数の第1導電部材31は、第1方向Dr1に沿って延びる。
図26(d)に示すように、複数の第2導電部材32が設けられる。複数の第2導電部材32は、第2方向Dr2に沿って延びる。複数の第1導電部材31には、交互に逆向きの電流が供給される。複数の第2導電部材32には、交互に逆向きの電流が供給される。1つの導電部材に流れる電流は、例えば、880μAである。
このような量子ビット対構造体10Aに、6つ周波成分を有するマイクロ波が照射される。6つの周波数は、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νD,MW1、及び、νD,MW2である。これらの周波数は、第1例と同様に定義される。マイクロ波の照射において、Δ、Δ、Δ、及び、照射時間の設定により、Z点及びX点のメモリ量子ビットと、Z点及びX点の上、左、右及び下において隣のD点のメモリ量子ビットと、の選択的なCNOTゲートが実施される。D点のメモリ量子ビットがデータ量子ビットとされる。Z点のメモリ量子ビットがZ測定量子ビットとされる。X点のメモリ量子ビットがX測定量子ビットとされる。このような表面符号が実施される。これに同期して実施されるデータ量子ビットと、Z測定量子ビットと、の間のCNOTゲートが実施される。データ量子ビットと、X測定量子ビットと、の間のCNOTゲートが実施される。
(第4例)
図27は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図27に示すように、実施形態に係る情報処理装置121は、量子ビット対構造体10Aに加えて、第1~第5レーザ光源51a~51e、ラジオ波照射用コイル52及びマイクロ波照射用コイル53を含む。この例では、情報処理装置121は、磁場印加用コイル54a及び54bを含む。この例では、情報処理装置121は、複数の第1素子部58a、複数の第2素子部58b、及び、光合成用光学系51sを含む。
第1素子部58aは、例えば、周波数設定用の電気光学効果素子を含む。第2素子部58bは、例えば、音響光学効果素子を含む。音響光学効果素子は、例えば、光強度の設定、及び、光のスイッチ動作が可能である。第2~第5レーザ光源51b~51eから出射する第2~第5光LL2~LL5は、複数の第1素子部58aの1つ、及び、複数の第2素子部58bの1つを通過して、光合成用光学系51sに入射する。光合成用光学系51sにより、第2~第5光LL2~LL5は合成されて1つの光として、量子ビット対構造体10Aに入射する。これらの光は、光ファイバ58fにより導波される。この例においても、情報処理装置121は、光学系51o、クライオスタット59及び制御部77を含む。
第1レーザ光源51aは、532nmの波長を有するレーザ(第1光LL1)を出射する。この光により、量子ビット対構造体10Aに含まれる複数の量子ビット対10pの電荷が初期化される。第1光LL1は、光学系51oにより、複数の量子ビット対10pに照射される。
第2~第5レーザ光源51b~51eは、例えば、637nmまたは637nm近傍の波長を有するレーザ(第2~第5光LL2~LL5)を出射する。これらの光により、例えば、量子ビットの初期化、測定及び操作が行われる。これらは、個別に行われて良い。これらの光は、複数の第1素子部58a、及び、複数の第2素子部58bにより調整され、光合成用光学系51sにより、1つの光に合成される。合成された光が、量子ビット対構造体10Aの複数の量子ビット対10pの全体に照射される。
制御部77は、第1レーザ光源51a、複数の第1素子部58a、複数の第2素子部58b、及び、量子ビット対構造体10Aに制御信号sg1を供給する。制御部77は、量子ビット対構造体10Aからの信号を取得する。
図28(a)及び図28(b)は、第1実施形態に係る情報処理装置を例示する模式図である。
図28(a)は、透過平面図である。図28(b)は、断面図である。
図28(a)及び図28(b)に示すように、複数の量子ビット対10pが設けられる。この例では、複数の量子ビット対10pとして、NV中心が用いられる。複数の量子ビット対10pの第1方向Dr1及び第2方向Dr2におけるピッチは、1μmである。複数の第1導電部材31及び複数の第2導電部材32が設けられる。複数の量子ビット対10pは、これらの導電部材で形成される格子状の領域の実質的な中心部に設けられる。複数の第1導電部材31のそれぞれ、及び、複数の第2導電部材32のそれぞれに880μAの電流が供給される。
この例では、光検出部45としてアバランシェフォトダイオードが用いられる。複数の光検出領域は、アバランシェフォトダイオードを含む。この例では、アバランシェフォトダイオードには、ゲート機能が設けられる。複数のアバランシェフォトダイオードは、光を独立して検出可能である。
第4例において、第1例と同様に、1μm間隔の正方格子の格子点(1μm間隔)に、図22(b)に示した例と同様の名前を与える。Z点、X点、及びD点に15Nが設けられる。Z点及びX点と、Z点及びX点の上、左、右、下において隣のD点と、の間に、それぞれ100個、90個、80個、70個の15Nが、等間隔で並ぶ。Z点及びX点の上、左、右及び下のスピンチェイン10cは、5.3kHz、7.1kHz、10.1kHz、及び12.6kHzの固有エネルギーをそれぞれ有する。これらの固有エネルギーは、k=49、k=43、k=37、及び、k=31のモードに対応する。
情報処理装置121の形成において、アバランシェフォトダイオードを含む構造体、複数の導電部材を含む構造体、及び、15Nを含む構造体と、が別に形成され、これらの構造体が積層されても良い。
第4例では、D点、Z点及びX点にあるNV中心(すなわち、複数の量子ビット対10p)について、第1例と同様の記号が定められる。記号は、例えば、電子スピン及び核スピンに関する量子状態間の遷移周波数に関する。
第4例では、以下のような操作が順次行なわれる。
第1レーザ光源51aからの光を量子ビット対構造体10Aに照射し、NV中心の電荷を-1に初期化する。第2~第5レーザ光源51b~51eから出力する光の周波数を、それぞれ、ν、ν、ν、及び、νとする。ν=νD,AE、1+3GHzである。ν=νD,AE、2+6GHzである。ν=νD,AE、3+6GHzである。ν=νD,AE、2+12GHzである。
第5レーザ光源51eから出力する周波数νのレーザの強度は、第3レーザ光源51cから出力する周波数νのレーザの強度の10倍である。第2~第5レーザ光源51b~51eから出力する光は、全て同期した矩形のパルス光である。これらのパルス光において、パルスの時間幅は、10nsである。パルスの間隔は、20nsである。光検出部45は、ゲート動作により、制御される。光検出部45は、時間的に隣の光パルスと間の期間(光パルスが無い10nsの期間)において、感度を有する。
D点、Z点及びX点の電場印加用電極(複数の電極40E)に900mVの電圧を印加する。全ての仲介量子ビットにおいて、Aの|+1>とEの|+1>との間の遷移は、周波数νの光に共鳴する。全ての仲介量子ビットにおいて、Aの|-1>とEの|-1>との間の遷移は、周波数νの光に共鳴する。全ての仲介量子ビットの状態が|0>となる。これらの遷移は|+1>どうしの遷移、及び、|-1>どうしの遷移に対応する。このため、これらの遷移周波数において、D点、Z点及びX点における磁場の違いによる差は無視できる。どの点においても、周波数ν及びνの光との共鳴が生じる。
その後、上記の1つのD点以外のD点の電場印加用電極に1350mVの電圧を印加する。マイクロ波照射用コイル53により、マイクロ波を複数の量子ビット対10pに照射する。マイクロ波の周波数は、νD,|0e,-1/2n>,|+1e,-1/2n>である。マイクロ波は、D点の仲介量子ビットへのπパルスに対応する。
その後、そのD点の仲介量子ビットの電場印加用電極に450mVの電圧を印加する。D点において、周波数νの光との共鳴を生じさせる。光検出部45で光子が検出されなかったら、ラジオ波を照射する。ラジオ波の周波数は、νRF=νD,|0e,+1/2n>,|+1e,+1/2n>-νD,|0e,-1/2n>,|+1e,-1/2n>である。ラジオ波は、メモリ量子ビットの|-1/2>と|+1/2>への遷移のπパルスに対応する。その後、マイクロ波を複数の量子ビット対10pに照射する。マイクロ波は、D点の仲介量子ビットへのπパルスに対応する。
このようにして、そのD点の量子ビットを|+1/2>(=|0>)に初期化する。同様にして、残りの12個のD点のメモリ量子ビットを順次、|+1/2>(=|0>)に初期化する。6個のZ点のメモリ量子ビット、及び、6個のX点の量子ビットも、同様に、|+1/2>(=|0>)に初期化する。この場合も、周波数νの光への共鳴に関しては、D点、Z点及びX点における磁場の違いによる差は無視できる。どの点においても、周波数νの光との共鳴が生じる。
Z点の1つをZ1点とする。Z1点の上において隣のD点をD1点とする。X点の1つをX1点とする。X1点の上において隣のもう1つのD点をD2点とする。D1点及びD2点以外のD点の電場印加用電極に1350mVの電圧が印加される。その位置における仲介量子ビットに、周波数νの強い光を照射しながら、周波数νD,0,+1のπパルスマイクロ波を照射する。さらに、νRFの周波数のラジオ波を照射する。D1点及びD2点のメモリ量子ビットを選択的に|-1/2>(=|1>)にする。
その後、周波数νD,0,+1のπパルスマイクロ波を照射して、再び仲介量子ビットを|0>にする。
その後、Z点、X点の量子ビット対に対して同時並行に、CNOTゲート、CNOTゲート、及び、CNOTゲートを実施する。CNOTゲートにおいて、νRFの周波数のラジオ波のπパルスの照射が行われる。CNOTゲートにおいて、2つのπ/2パルスの照射が行われる。2つのπ/2パルスの周波数は、νZ,0,+1、及び、νX,0,+1である。
さらに、2度目のCNOTゲートが実施される。2度目のCNOTゲートにおいて、νRFの周波数のラジオ波のπパルスが照射される。Z点及びX点のそれぞれのメモリ量子ビットと仲介量子ビットとの間において、SWAPゲートが実施される。
その後マイクロ波照射用コイルにより、6つの周波数のマイクロ波を照射する。6つの周波数は、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νD,MW1、及び、νD,MW2である。Δ、Δ、及び、Δは、5.3kHzである。照射の時間は、6.3msである。このマイクロ波照射により、Z点の仲介量子ビットと、Z点の上において隣のD点の仲介量子ビットと、の間において、SWAPゲートが実施される。X点の仲介量子ビットと、X点の上において隣のD点の仲介量子ビットと、の間にSWAPゲートが実施される。
その後、X点の上において隣のD点の電場印加用電極に1350mVの電圧を印加する。その仲介量子ビットを周波数νの強い光に共鳴させながら、2つのπ/2パルスを照射する。2つのπ/2パルスの周波数は、νD,0,+1である。これにより、Z点の上において隣のD点に関するCNOTゲートが実施される。
その後、Z点の上において隣のD点の電場印加用電極に1350mVの電圧を印加する。その仲介量子ビットを周波数νの強い光に共鳴させながら、ラジオ波πパルスが照射される。ラジオ波πパルスの周波数は、νRFである。X点の上において隣のDX点において、CNOTゲートが実施される。
その後、6つの周波数の成分を含むマイクロ波を照射する。6つの周波数は、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νD,MW1、及び、νD,MW2である。Δ、Δ、及び、Δは、5.3kHzである。である。照射の時間は、6.3msである。このマイクロ波照射により、Z点の仲介量子ビットと、Z点の上において隣のD点の仲介量子ビットと、の間においてSWAPゲートが実施される。X点の仲介量子ビットと、X点の上において隣のD点の仲介量子ビットと、の間においてSWAPゲートが実施される。
その後、Z点及びX点の量子ビット対に対して、CNOTゲート、CNOTゲート、及び、CNOTゲートを実施する。CNOTゲートにおいては、νRFの周波数のラジオ波のπパルスが照射される。CNOTゲートにおいては、2つのπ/2パルスが照射される。2つの周波数は、νZ,0,+1、及び、νX,0,+1である。CNOTゲートにおいて、周波数νRFのラジオ波のπパルスの2度目の照射が行われる。これにより、Z点及びX点のそれぞれのメモリ量子ビットと、仲介量子ビットと、の間において、SWAPゲートが実施される。
以上の操作により、CNOTゲートと、CNOTゲートと、が実施される。CNOTゲートにおいて、Z点のメモリ量子ビットが標的量子ビットとされ、そのZ点の上において隣のD点の量子ビットが制御量子ビットとされる。CNOTゲートにおいて、X点のメモリ量子ビットが制御量子ビットとされ、そのX点の上において隣のD点の量子ビットが標的量子ビットとされる。
その後、マイクロ波照射用コイル53により、マイクロ波を複数の量子ビット対10pに照射する。マイクロ波の周波数は、νD,|0e,-1/2n>|,|+1e,-1/2n>、νZ,|0e,-1/2n>|,|+1e,-1/2n>、及び、νX,|0e,-1/2n>|,|+1e,-1/2n>である。マイクロ波は、D点、Z点及びX点の仲介量子ビットへのπパルスに対応する。
その後、1つのD点の仲介量子ビットの電場印加用電極に450mVの電圧を印加する。周波数νの光に共鳴させる。光検出部45による光子の検出の有無により、D点のメモリ量子ビットを読み出す。これらの操作を、順次、全てのD点のメモリ量子ビットに対して実施する。
その後、Z点のメモリ量子ビット、及び、X点のメモリ量子ビットにおいて、電場印加用電極に450mVの電圧を印加する。読み出しが行われる。この読み出しにより、各メモリ量子ビットは以下のようになる。すなわち、D1点は、|-1/2>(=|1>)となる。Z1点は、|-1/2>(=|1>)となる。D2点は、|-1/2>(=|1>)となる。X1点は、|+1/2>(=|0>)となる。他の格子点は、|+1/2>(=|0>)となる。
上記により、CNOTゲート、及び、CNOTゲートが選択的に実施される。CNOTゲートにおいては、Z点のメモリ量子ビットと、その上において隣のD点のメモリ量子ビットと、の間において実施される。CNOTゲートは、X点のメモリ量子ビットと、X点の上において隣のD点のメモリ量子ビットと、の間において実施される。上記の操作は、個別の量子ビット対10pヘの光照射、マイクロ波照射、及び、ラジオ波照射が行われることなく実施される。
上記の一連の操作における、6つの周波数の成分を含むマイクロ波の照射において、Δ、Δ、Δ、及び、及び照射時間が適切に設定される。6つの周波数は、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νD,MW1、及び、νD,MW2である。上記により、Z点及びX点のメモリ量子ビットと、それらの上、左、右、下において隣のD点のメモリ量子ビットと、の間の選択的CNOTゲートが、同様に実施される。
第4例では、D点、Z点及びX点の電場印加用電極により、複数の仲介量子ビットとして使う電子スピンの遷移を個別に、周波数νの測定用の光に共鳴させる。複数の仲介量子ビットとして使う電子スピンの遷移を、個別に、仲介量子ビットを|0>にする周波数ν及び周波数νの光に共鳴させる。複数の仲介量子ビットとして使う電子スピンの遷移を、個別に、周波数νの光に共鳴させる。複数の仲介量子ビットとして使う電子スピン、メモリ量子ビットとして使う核スピンは、マイクロ波またはラジオ波に応答しなくなる。複数のメモリ量子ビットに関しての個別の停止、複数のメモリ量子ビットに関しての個別の1量子ビットゲート、複数のメモリ量子ビットに関しての個別の測定、及び、複数のメモリ量子ビットに関しての個別の初期化が可能である。
(第2実施形態)
第2実施形態は、情報処理方法に係る。実施形態に係る情報処理方法においては、例えば、第1構成CF1または第2構成CF2を有する量子ビット対構造体10Aが用いられる。
実施形態に係る情報処理方法においては、このような量子ビット対構造体10Aに電磁波50Wを照射する。電磁波50Wは、複数の量子ビット対の少なくとも1つに照射される。電磁波50Wは、光、マイクロ波及びラジオ波の少なくともいずれかを含む。電磁波50Wが照射された量子ビット対10pに含まれる2つの物理系10sの1つ(例えば、仲介量子ビットであり、上記の少なくとも1つ)は、量子ビット対構造体10Aに含まれるスピンチェイン10cの第1~第4固有エネルギーE~Eに共鳴可能である。電磁波50Wの照射により、例えば、第1量子ビット対11r、及び、第2量子ビット対12rについて2量子ビットゲート操作が実施される。
固体中の局在中心は、コヒーレンス時間が長い。物理系のサイズが小さく素子の小型化に適している。固体中の局在中心は、量子技術に適合した物理系として期待されている。量子技術は、例えば、量子コンピュータ、量子シミュレータ及び量子センサ等を含む。
固体中の局在中心を量子ビットとする場合において、性能が高い誤り訂正に適する具体的な構造は知られていない。従来、量子ビットを個別に初期化、操作、及び、観測する際に、照射電磁波(光、マイクロ波またはラジオ波など)の照射位置、及び、周波数は、それぞれの量子ビットに固有の位置及び共鳴周波数に適合される。一般に、量子ビット数の増大に伴い、必要な光線の数及び周波数の数が、増大する。これにより、装置が複雑化し、大型化する。実施形態によれば、装置が複雑化及び大型化が抑制できる。
実施形態によれば、例えば、性能の向上と小型化とが可能な情報処理装置が提供される。
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
前記複数の量子ビット対は、
2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
を含み、
前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記lは、1以上でn/2以下を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記量子ビット対構造体は、
前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第1スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の第2スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第3スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の第4スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の第5スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第6スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の第7スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第8スピンチェインと、
を含み、
前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、第1固有エネルギーを有し、
前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、第2固有エネルギーを有し、
前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、第3固有エネルギーを有し、
前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、第4固有エネルギーを有し、
前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー及び前記第4固有エネルギーは、互いに異なり、
前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第3固有エネルギーを有しない、情報処理装置。
(構成2)
前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の距離は、第1距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離は、第2距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の距離は、第3距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離は、第4距離であり、
前記第1距離、前記第2距離、前記第3距離及び前記第4距離は、互いに異なる、構成1記載の情報処理装置。
(構成3)
複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
前記複数の量子ビット対は、
2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
を含み、
前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の距離は、第1距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離は、第2距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の距離は、第3距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離は、第4距離であり、
前記第1距離、前記第2距離、前記第3距離及び前記第4距離は、互いに異なる、情報処理装置。
(構成4)
前記第1量子ビット対は、第1元素及び第1同位体の少なくともいずれかを含む第1構造体を含み、
前記第2量子ビット対は、第2元素及び第2同位体の少なくともいずれかを含む第2構造体を含み、
前記第1隣量子ビット対、前記第2隣量子ビット対、前記第3隣量子ビット対、前記第4隣量子ビット対、前記第5隣量子ビット対及び前記第6隣量子ビット対は、第3元素及び第3同位体の少なくともいずれかを含む第3構造体を含み、
前記第1構造体は、前記第3構造体とは異なり、
前記第1構造体は、前記第2構造体とは異なり、
前記第2構造体は、前記第3構造体とは異なる、構成1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成5)
複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
前記複数の量子ビット対は、
2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
を含み、
前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記第1量子ビット対は、第1元素及び第1同位体の少なくともいずれかを含む第1構造体を含み、
前記第2量子ビット対は、第2元素及び第2同位体の少なくともいずれかを含む第2構造体を含み、
前記第1隣量子ビット対、前記第2隣量子ビット対、前記第3隣量子ビット対、前記第4隣量子ビット対、前記第5隣量子ビット対及び前記第6隣量子ビット対は、第3元素及び第3同位体の少なくともいずれかを含む第3構造体を含み、
前記第1構造体は、前記第3構造体とは異なり、
前記第1構造体は、前記第2構造体とは異なり、
前記第2構造体は、前記第3構造体とは異なる、情報処理装置。
(構成6)
複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
前記複数の量子ビット対は、
2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
を含み、
前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記量子ビット対構造体は、
前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第1スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の第2スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第3スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の第4スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の第5スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第6スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の第7スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第8スピンチェインと、
を含み、
前記第1スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、第1固有エネルギーを有し、
前記第2スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、第2固有エネルギーを有し、
前記第4スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、第3固有エネルギーを有し、
前記第3スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、第4固有エネルギーを有し、
前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー及び前記第4固有エネルギーは、互いに異なり、
前記第1スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第2スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第4スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第3スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第3固有エネルギーを有しない、情報処理装置。
(構成7)
前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離は、第1距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の距離は、第2距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の距離は、第3距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離は、第4距離であり、
前記第1距離、前記第2距離、前記第3距離及び前記第4距離は、互いに異なる、構成6記載の情報処理装置。
(構成8)
複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
前記複数の量子ビット対は、
2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
を含み、
前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離は、第1距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の距離は、第2距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の距離は、第3距離であり、
前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離は、第4距離であり、
前記第1距離、前記第2距離、前記第3距離及び前記第4距離は、互いに異なる、情報処理装置。
(構成9)
前記第1量子ビット対は、第1元素及び第1同位体の少なくともいずれかを含む第1構造体を含み、
前記第2量子ビット対は、第2元素及び第2同位体の少なくともいずれかを含む第2構造体を含み、
前記第1隣量子ビット対、前記第2隣量子ビット対、前記第3隣量子ビット対、前記第4隣量子ビット対、前記第5隣量子ビット対及び前記第6隣量子ビット対は、第3元素及び第3同位体の少なくともいずれかを含む第3構造体を含み、
前記第1構造体は、前記第3構造体とは異なり、
前記第1構造体は、前記第2構造体とは異なり、
前記第2構造体は、前記第3構造体とは異なる、構成8記載の情報処理装置。
(構成10)
複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
前記複数の量子ビット対は、
2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
を含み、
前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記第1量子ビット対は、第1元素及び第1同位体の少なくともいずれかを含む第1構造体を含み、
前記第2量子ビット対は、第2元素及び第2同位体の少なくともいずれかを含む第2構造体を含み、
前記第1隣量子ビット対、前記第2隣量子ビット対、前記第3隣量子ビット対、前記第4隣量子ビット対、前記第5隣量子ビット対及び前記第6隣量子ビット対は、第3元素及び第3同位体の少なくともいずれかを含む第3構造体を含み、
前記第1構造体は、前記第3構造体とは異なり、
前記第1構造体は、前記第2構造体とは異なり、
前記第2構造体は、前記第3構造体とは異なる、情報処理装置。
(構成11)
前記複数の量子ビット対の1つは、第1対、第2対、第3対、第4対及び第5対のいずれかを含み、
前記第1対は、ダイヤモンドのNV中心の電子スピン及び核スピンを含み、
前記第2対は、前記ダイヤモンドの前記NV中心の電子スピンと、13Cの核スピンと、を含み、
前記第3対は、SiCのNV中心の電子スピン及び核スピンを含み、
前記第4対は、前記SiCの前記NV中心の電子スピンと、13Cの核スピンと、を含み、
前記第5対は、前記SiCのVVの電子スピンと、13Cの核スピンと、を含む、構成1~10のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成12)
第1方向に沿って延び、前記第1方向と交差する第1交差方向に沿って並ぶ複数の第1導電部材と、
前記第1方向及び前記第1交差方向を含む平面に沿い前記第1方向と交差する第2方向に沿って延び、前記平面に沿い前記第2方向と交差する第2交差方向に沿って並ぶ複数の第2導電部材と、
をさらに備え、
前記複数の量子ビット対は、前記平面に沿って並び、
前記複数の量子ビット対の1つは、前記平面と交差する第3方向において、第1領域及び第2領域と重なり、
前記第1領域は、前記複数の第1導電部材の1つと、前記複数の第1導電部材の別の1つと、の間であり、前記複数の第1導電部材の前記別の1つは、前記複数の第1導電部材の前記1つの隣であり、
前記第2領域は、前記複数の第2導電部材の1つと、前記複数の第2導電部材の別の1つと、の間であり、前記複数の第2導電部材の前記別の1つは、前記複数の第2導電部材の前記1つの隣である、構成1~11のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成13)
回路部をさらに備え、
前記回路部は、前記複数の第1導電部材の前記1つに第1向きの第1電流を供給可能であり、
前記回路部は、前記複数の第1導電部材の前記別の1つに第2向きの第2電流を供給可能であり、
前記第2向きは、前記第1向きの逆であり、
前記回路部は、前記複数の第2導電部材の前記1つに第3向きの第3電流を供給可能であり、
前記回路部は、前記複数の第2導電部材の前記別の1つに第4向きの第4電流を供給可能であり、
前記第4向きは、前記第3向きの逆である、構成12記載の情報処理装置。
(構成14)
前記複数の量子ビット対に電磁波を照射可能な電磁波照射部をさらに備え、
前記量子ビット対構造体は、
複数の電極と、
光検出部と、
を含み、
前記複数の電極は、前記複数の量子ビット対に個別に電場を印加可能であり、
前記光検出部は、前記複数の量子ビット対が発する光を検出可能である、
構成1~13のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成15)
前記電磁波照射部は、前記複数の量子ビット対に第1電磁波を照射する第1動作と、
前記複数の量子ビット対に第2電磁波を照射する第2動作と、の実施が可能であり、
前記複数の量子ビット対の1つは、2つの物理系を含み、
前記2つの物理系の1つは、第1量子状態、第2量子状態、及び、第3量子状態を含み、
前記第1量子状態と前記第2量子状態との間の遷移は、第1電磁波に共鳴し、
前記第2量子状態と前記第3量子状態との間の遷移は、第2電磁波に共鳴する、構成14記載の情報処理装置。
(構成16)
前記複数の量子ビット対の1つは、2つの物理系を含み、
前記2つの物理系の1つは、第1量子状態、第2量子状態、及び、第3量子状態を含み、
前記複数の電極により印加された前記電場により、前記第2量子状態と前記第3量子状態との間の遷移が変化する、構成1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成17)
前記第1量子状態及び前記第2量子状態は、量子ビットに対応可能である、構成15または16に記載の情報処理装置。
(構成18)
前記複数の量子ビット対の1つは、2つの物理系を含み、
前記2つの物理系の1つは、2つ以上の量子状態を含み、
前記2つ以上の量子状態は、量子ビットに対応可能である、構成1~12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(構成19)
複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体の前記複数の量子ビット対の少なくとも1つに電磁波を照射し、
前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
前記複数の量子ビット対は、
2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
を含み、
前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記量子ビット対構造体は、
前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第1スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の第2スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第3スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の第4スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の第5スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第6スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の第7スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第8スピンチェインと、
を含み、
前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、第1固有エネルギーを有し、
前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、第2固有エネルギーを有し、
前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、第3固有エネルギーを有し、
前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、第4固有エネルギーを有し、
前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー及び前記第4固有エネルギーは、互いに異なり、
前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第3固有エネルギーを有せず、
前記複数の量子ビット対の前記少なくとも1つに含まれる2つの物理系の1つは、前記第1~第4固有エネルギーに共鳴し、
前記第1量子ビット対、及び、前記第2量子ビット対について2量子ビットゲート操作を実施する、情報処理方法。
(構成20)
複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体の前記複数の量子ビット対の少なくとも1つに電磁波を照射し、
前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
前記複数の量子ビット対は、
2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
(2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
(2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
(2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
(2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
を含み、
前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
前記量子ビット対構造体は、
前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第1スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の第2スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第3スピンチェインと、
前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の第4スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の第5スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第6スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の第7スピンチェインと、
前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第8スピンチェインと、
を含み、
前記第1スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、第1固有エネルギーを有し、
前記第2スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、第2固有エネルギーを有し、
前記第4スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、第3固有エネルギーを有し、
前記第3スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、第4固有エネルギーを有し、
前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー及び前記第4固有エネルギーは、互いに異なり、
前記第1スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第2スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第4スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
前記第3スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第3固有エネルギーを有せず、
前記複数の量子ビット対の少なくとも1つに含まれる2つの物理系の片方は、前記第1~第4固有エネルギーに共鳴し、
前記第1量子ビット対、及び、前記第2量子ビット対について2量子ビットゲート操作を実施する、情報処理方法。
上記の第1例において、上記のように、Z点の直上のD点に周波数νD,AE,2の強い光を照射しながら、νRFの周波数を有するラジオ波のπパルスを照射する。これにより、X点直上のD点に、CNOTゲートが実施される。
このとき、第1例において、以下の処理が実施されても良い。周波数νD,AE,2の強い光の代わりに、次に示す周波数νeの光及び周波数νfの光を含む強い光を照射してもよい。周波数νeの光及び周波数νfの光は、レーザ光源51bによる光の周波数設定、及び、第1素子部58aによる周波数変調の少なくともいずれかにより生成され得る。周波数νeは、Z点の上において隣のD点の仲介量子ビットとメモリ量子ビットとの結合系における、Aの|0e,+1/2n>の状態からEの|-1e,+1/2n>の状態への遷移に共鳴する周波数である。周波数νfは、Z点の上において隣のD点の仲介量子ビットとメモリ量子ビットの結合系における、Aの|+1e,+1/2n>の状態からEの|+1e,+1/2n>の状態への遷移に共鳴する周波数である。周波数νeの光及び周波数νfの光は、パルス光または連続光でよい。例えば、Z点の上において隣のD点の仲介量子ビットとメモリ量子ビットとの結合系を、周波数νeの光及び周波数νfの光を含む強い光に共鳴させながら、ラジオ波πパルスを照射する。これによりX点の上において隣のD点において、CNOTゲートが実施される。
上記の第2例において、上記のように、マイクロ波照射用コイル53により、8つの周波数の成分を有するマイクロ波を照射する。8つの周波数は、νZ,MW1、νZ,MW2、νX,MW1、νX,MW2、νDZ,MW1、νDZ,MW2、νDX,MW1、及び、νDX,MW2である。この照射において、ΔDZ=Δ=5.3kHzである。ΔDX=Δ=12.6kHzである。νZ,MW1、νZ,MW2、νDZ,MW1、及び、νDZ,MW2の周波数のマイクロ波照射時間は、6.3msである。νX,MW1、νX,MW2、νDX,MW1、及び、νDX,MW2の周波数のマイクロ波の照射時間は5.6msである。このようなマイクロ波の照射により、Z点の仲介量子ビットと、そのZ点の上において隣のDZ点の仲介量子ビットと、の間におけるSWAPゲートが実施される。X点の仲介量子ビットと、X点の上において隣のDX点の仲介量子ビットと、の間におけるSWAPゲートが実施される。νDZ,0,+1の周波数の2つのπ/2パルス照射により、DZ点について、CNOTゲートが実施される。DZ点に例えば周波数νDZ,AE,2の強い光を照射しながら、νRFの周波数のラジオ波πパルス照射により、DX点について、CNOTゲートが実施される。
このとき、第2例において、以下の処理が実施されても良い。周波数νD,AE,2の強い光の代わりに、次に示す周波数νeの光及び周波数νfの光を含む強い光を照射してもよい。周波数νeの光及び周波数νfの光は、レーザ光源51bによる光の周波数設定、及び、第1素子部58aによる周波数変調の少なくともいずれかにより生成され得る。周波数νeは、Z点の上において隣のDZ点の仲介量子ビットとメモリ量子ビットとの結合系における、Aの|0e,+1/2n>の状態からEの|-1e,+1/2n>の状態への遷移に共鳴する周波数である。周波数νfは、Z点の上において隣のDZ点の仲介量子ビットとメモリ量子ビットの結合系における、Aの|+1e,+1/2n>の状態からEの|+1e,+1/2n>の状態への遷移に共鳴する周波数である。周波数νeの光及び周波数νfの光は、パルス光または連続光でよい。例えば、Z点の上において隣のDZ点の仲介量子ビットとメモリ量子ビットとの結合系を、周波数νeの光及び周波数νfの光を含む強い光に共鳴させながら、ラジオ波πパルスを照射する。これによりX点の上において隣のDX点において、CNOTゲートが実施される。
上記の第4例において、上記のように、その後、Z点の上において隣のD点の電場印加用電極に1350mVの電圧を印加する。その仲介量子ビットを周波数νの強い光に共鳴させながら、ラジオ波πパルスが照射される。
このとき、第4例において、以下の処理が実施されても良い。1350mVの代わりに、1800mVの電圧を印加しても良い。その際、周波数νの強い光を、次に示す周波数νeの光及び周波数νfの光を含む強い光に変更する。周波数νeの光及び周波数νfの光は、第5レーザ光源51eからの光の周波数設定、及び、第1素子部58aによる周波数変調の少なくともいずれかにより生成され得る。周波数νeは、その電圧印加下でZ点の上において隣のD点の仲介量子ビットとメモリ量子ビットの結合系における、Aの|0e,+1/2n>の状態からEの|-1e,+1/2n>の状態への遷移に共鳴する周波数である。周波数νfは、その電圧印加下でZ点の上において隣のD点の仲介量子ビットとメモリ量子ビットの結合系における、Aの|+1e,+1/2n>の状態からEの|+1e,+1/2n>の状態への遷移に共鳴する周波数である。
周波数νeの光及び周波数νfの光は、次のように生成されても良い。第5レーザ光源51eおよび第1素子部58aからの光は周波数νの光とする。例えば、第6レーザ光源51f、第7レーザ光源51g、それらに対応する複数の第1素子部58a、複数の第2素子部58b、光合成用光学系51s、及び、光ファイバ58fが用意されて良い。第6レーザ光源51fは、周波数νeの光を出力する。第7レーザ光源51gは、周波数νeの光を出力する。1800mVの電圧印加中において、周波数νeの光及び周波数νfの光を含む強い光は、パルス光または連続光でよい。例えば、Z点の上において隣のD点の仲介量子ビットとメモリ量子ビットとの結合系を、周波数νeの光及び周波数νfの光を含む強い光に共鳴させながら、ラジオ波πパルスが照射される。
第4例では、D点、Z点及びX点の電場印加用電極により、複数の仲介量子ビットとして使う電子スピンの遷移を個別に、周波数νの測定用の光に共鳴させる。複数の仲介量子ビットとして使う電子スピンの遷移を、個別に、仲介量子ビットを|0>にする周波数ν及び周波数νの光に共鳴させる。複数の仲介量子ビットとして使う電子スピンの遷移を、個別に、周波数νの光に共鳴させる。または、複数の仲介量子ビットとして使う電子スピンの遷移を、個別に、周波数νの光及び周波数νの光に共鳴させる。複数の仲介量子ビットとして使う電子スピン、メモリ量子ビットとして使う核スピンは、マイクロ波またはラジオ波に応答しなくなる。従って、複数の量子ビット対に関して、光照射、マイクロ波照射またはラジオ波照射を個別に行うことがない。複数のメモリ量子ビットに関しての個別の停止、複数のメモリ量子ビットに関しての個別の1量子ビットゲート、複数のメモリ量子ビットに関しての個別の測定、及び、複数のメモリ量子ビットに関しての個別の初期化が可能である。
実施形態によれば、処理効率の向上が可能な情報処理装置及び情報処理方法が提供できる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、情報処理装置に含まれる各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した情報処理装置及び情報処理方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての情報処理装置及び情報処理方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10A…量子ビット対構造体、 10Es…電子スピン、 10L…格子点、 10Ns…核スピン、 10X…単結晶、 10c…スピンチェイン、 10cEs…電子スピン、 10p…量子ビット対、 10pa、10pb…量子ビット対、 10pam、10pbm…メモリ量子ビット対、 10s…物理系、 11r…第1量子ビット対、 12r…第2量子ビット対、 15a~15f…第1~第6隣量子ビット対、 21~28…第1~第8スピンチェイン、 31、32…第1、第2導電部材、 40E…電極、 40i…中間部材、 40s…基体、 41、42…第1、第2電極、 44…カットオフ光学フィルタ、 45…光検出部、 45r…光検出領域、 46a、46b…第1、第2光学層、 46r…反射部材、 47…光検出器、 48…光減衰部材、 50D…電磁波照射部、 50W…電磁波、 51a~51e…第1~第5レーザ光源、 51o…光学系、 52…ラジオ波照射用コイル、 53…マイクロ波照射用コイル、 54a、54b…磁場印加用コイル、 58a、58b…第1、第2素子部、 58f…光ファイバ、 59…クライオスタット、 70…回路部、 70A、70B…第1、第2電流回路、 71…電場印加部、 77…制御部、 110~116、120、121…情報処理装置、 CF1~CF3…第1~第3構成、 Dq1、Dq2…第1、第2データ量子ビット、 Dr1~Dr3…第1~第3方向、 Du1…上方向、 Dx1、Dx2…第1、第2軸方向、 E~E…第1~第4固有エネルギー、 L1~L4…第1~第4距離、 LL1~LL5…第1~第5光、 Mq1、Mq2…第1、第2測定量子ビット、 SB1~SB3…第1~第3構造体、 SC1~SC3…スピンチェイン、 E~E4…第1~第4固有エネルギー、 L1~L4…第1~第4距離、 Mq1、Mq2…第1、第2測定量子ビット、 bq1、bq2…第1、第2仲介量子ビット、 dp1、dp2…間隔、 dr1、dr2…距離、 g1~g3…第1~第3間隔、 i1~i4…第1~第4電流、 mq1、mq2…第1、第2メモリ量子ビット、 p1~p4…第1~第4操作、 r1、r2…第1、第2領域、 sg1…制御信号

Claims (10)

  1. 複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
    前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
    前記複数の量子ビット対は、
    2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
    (2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
    2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
    2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
    (2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
    (2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
    を含み、
    前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記lは、1以上でn/2以下を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記量子ビット対構造体は、
    前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第1スピンチェインと、
    前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の第2スピンチェインと、
    前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第3スピンチェインと、
    前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の第4スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の第5スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第6スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の第7スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第8スピンチェインと、
    を含み、
    前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、第1固有エネルギーを有し、
    前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、第2固有エネルギーを有し、
    前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、第3固有エネルギーを有し、
    前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、第4固有エネルギーを有し、
    前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー及び前記第4固有エネルギーは、互いに異なり、
    前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
    前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
    前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
    前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第3固有エネルギーを有しない、情報処理装置。
  2. 複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
    前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
    前記複数の量子ビット対は、
    2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
    (2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
    2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
    2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
    (2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
    (2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
    を含み、
    前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の距離は、第1距離であり、
    前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離は、第2距離であり、
    前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の距離は、第3距離であり、
    前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離は、第4距離であり、
    前記第1距離、前記第2距離、前記第3距離及び前記第4距離は、互いに異なる、情報処理装置。
  3. 複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
    前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
    前記複数の量子ビット対は、
    2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
    (2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
    2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
    2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
    (2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
    (2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
    を含み、
    前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記第1量子ビット対は、第1元素及び第1同位体の少なくともいずれかを含む第1構造体を含み、
    前記第2量子ビット対は、第2元素及び第2同位体の少なくともいずれかを含む第2構造体を含み、
    前記第1隣量子ビット対、前記第2隣量子ビット対、前記第3隣量子ビット対、前記第4隣量子ビット対、前記第5隣量子ビット対及び前記第6隣量子ビット対は、第3元素及び第3同位体の少なくともいずれかを含む第3構造体を含み、
    前記第1構造体は、前記第3構造体とは異なり、
    前記第1構造体は、前記第2構造体とは異なり、
    前記第2構造体は、前記第3構造体とは異なる、情報処理装置。
  4. 複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
    前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
    前記複数の量子ビット対は、
    2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
    (2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
    2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
    2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
    (2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
    (2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
    を含み、
    前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記量子ビット対構造体は、
    前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第1スピンチェインと、
    前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の第2スピンチェインと、
    前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第3スピンチェインと、
    前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の第4スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の第5スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第6スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の第7スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第8スピンチェインと、
    を含み、
    前記第1スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、第1固有エネルギーを有し、
    前記第2スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、第2固有エネルギーを有し、
    前記第4スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、第3固有エネルギーを有し、
    前記第3スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、第4固有エネルギーを有し、
    前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー及び前記第4固有エネルギーは、互いに異なり、
    前記第1スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
    前記第2スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
    前記第4スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
    前記第3スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第3固有エネルギーを有しない、情報処理装置。
  5. 複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体を備え、
    前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
    前記複数の量子ビット対は、
    2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
    (2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
    2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
    2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
    (2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
    (2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
    を含み、
    前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離は、第1距離であり、
    前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の距離は、第2距離であり、
    前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の距離は、第3距離であり、
    前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の距離、及び、前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の距離は、第4距離であり、
    前記第1距離、前記第2距離、前記第3距離及び前記第4距離は、互いに異なる情報処理装置。
  6. 前記複数の量子ビット対の1つは、第1対、第2対、第3対、第4対及び第5対のいずれかを含み、
    前記第1対は、ダイヤモンドのNV中心の電子スピン及び核スピンを含み、
    前記第2対は、前記ダイヤモンドの前記NV中心の電子スピンと、13Cの核スピンと、を含み、
    前記第3対は、SiCのNV中心の電子スピン及び核スピンを含み、
    前記第4対は、前記SiCの前記NV中心の電子スピンと、13Cの核スピンと、を含み、
    前記第5対は、前記SiCのVVの電子スピンと、13Cの核スピンと、を含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
  7. 第1方向に沿って延び、前記第1方向と交差する第1交差方向に沿って並ぶ複数の第1導電部材と、
    前記第1方向及び前記第1交差方向を含む平面に沿い前記第1方向と交差する第2方向に沿って延び、前記平面に沿い前記第2方向と交差する第2交差方向に沿って並ぶ複数の第2導電部材と、
    をさらに備え、
    前記複数の量子ビット対は、前記平面に沿って並び、
    前記複数の量子ビット対の1つは、前記平面と交差する第3方向において、第1領域及び第2領域と重なり、
    前記第1領域は、前記複数の第1導電部材の1つと、前記複数の第1導電部材の別の1つと、の間であり、前記複数の第1導電部材の前記別の1つは、前記複数の第1導電部材の前記1つの隣であり、
    前記第2領域は、前記複数の第2導電部材の1つと、前記複数の第2導電部材の別の1つと、の間であり、前記複数の第2導電部材の前記別の1つは、前記複数の第2導電部材の前記1つの隣である、請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
  8. 回路部をさらに備え、
    前記回路部は、前記複数の第1導電部材の前記1つに第1向きの第1電流を供給可能であり、
    前記回路部は、前記複数の第1導電部材の前記別の1つに第2向きの第2電流を供給可能であり、
    前記第2向きは、前記第1向きの逆であり、
    前記回路部は、前記複数の第2導電部材の前記1つに第3向きの第3電流を供給可能であり、
    前記回路部は、前記複数の第2導電部材の前記別の1つに第4向きの第4電流を供給可能であり、
    前記第4向きは、前記第3向きの逆である、請求項7記載の情報処理装置。
  9. 前記複数の量子ビット対に電磁波を照射可能な電磁波照射部をさらに備え、
    前記量子ビット対構造体は、
    複数の電極と、
    光検出部と、
    を含み、
    前記複数の電極は、前記複数の量子ビット対に個別に電場を印加可能であり、
    前記光検出部は、前記複数の量子ビット対が発する光を検出可能である、
    請求項1~8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
  10. 複数の量子ビット対を含む量子ビット対構造体の前記複数の量子ビット対の少なくとも1つに電磁波を照射し、
    前記複数の量子ビット対は、m行n列(mは3以上の整数、nは3以上の整数)に並び、
    前記複数の量子ビット対は、
    2k行で(2l-1)列の第1量子ビット対と、
    (2k-1)行で2l列の第2量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l-1)列の第1隣量子ビット対と、
    2k行で(2l-2)列の第2隣量子ビット対と、
    2k行で2l列の第3隣量子ビット対と、
    (2k+1)行で(2l-1)列の第4隣量子ビット対と、
    (2k-2)行で2l列の第5隣量子ビット対と、
    (2k-1)行で(2l+1)列の第6隣量子ビット対と、
    を含み、
    前記kは、1以上でm/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記lは、1以上でn/2を超えない最大の整数以下の整数であり、
    前記量子ビット対構造体は、
    前記第1量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第1スピンチェインと、
    前記第1量子ビット対と前記第2隣量子ビット対との間の第2スピンチェインと、
    前記第1量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第3スピンチェインと、
    前記第1量子ビット対と前記第4隣量子ビット対との間の第4スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第5隣量子ビット対との間の第5スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第1隣量子ビット対との間の第6スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第6隣量子ビット対との間の第7スピンチェインと、
    前記第2量子ビット対と前記第3隣量子ビット対との間の第8スピンチェインと、
    を含み、
    前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、第1固有エネルギーを有し、
    前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、第2固有エネルギーを有し、
    前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、第3固有エネルギーを有し、
    前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、第4固有エネルギーを有し、
    前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー及び前記第4固有エネルギーは、互いに異なり、
    前記第1スピンチェイン及び前記第5スピンチェインは、前記第2固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
    前記第2スピンチェイン及び前記第6スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第3固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
    前記第3スピンチェイン及び前記第7スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第4固有エネルギーを有せず、
    前記第4スピンチェイン及び前記第8スピンチェインは、前記第1固有エネルギー、前記第2固有エネルギー、及び、前記第3固有エネルギーを有せず、
    前記複数の量子ビット対の前記少なくとも1つに含まれる2つの物理系の1つは、前記第1~第4固有エネルギーに共鳴し、
    前記第1量子ビット対、及び、前記第2量子ビット対について2量子ビットゲート操作を実施する、情報処理方法。
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