JP7501801B2 - 成形用樹脂組成物、封止構造体の製造方法および封止構造体 - Google Patents

成形用樹脂組成物、封止構造体の製造方法および封止構造体 Download PDF

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Description

本発明は、成形用樹脂組成物、封止構造体の製造方法および封止構造体に関する。
半導体素子等に代表される電子部品、またはステータ等の構造体を、外部環境から保護するため、熱硬化性樹脂を用いて封止する方法が広く採用されている。特に封止用樹脂としてエポキシ樹脂を使用したトランスファーモールド法は経済性と生産性に優れており、大量生産に好適であることから、樹脂封止の主流となっている。
ステータコアに樹脂材料を用いる技術として、特許文献1(特開2003-284277号公報)に記載にものがある。同文献には、複数の電磁鋼板を積層したステータコアに複数のコイルを所定間隔で巻線したステータと、このステータに対し回転可能に保持されたロータと、ステータを固定する冷却フレームを有する回転電機において、ステータの巻線部分となるスロットを樹脂成分中に異方性構造が存在する熱硬化性樹脂で構成した高熱伝導複合材を配置した回転電機について記載されており、かかる構成により、コイルで発生した熱が伝わりやすく放熱性のよい回転電機が提供されるとされている。
特開2003-284277号公報
しかし、従来技術の樹脂組成物では、硬化のために高温での処理が必要となり、作業性に改善の余地があった。また、従来技術の樹脂組成物を用いた封止構造体では、電子部品やステータ等の構造体との密着性と防水性に改善の余地があり、封止構造体に不具合が生じる場合があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、低温で硬化が可能であり、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができる成形用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、検討の結果、以下に提供される発明を完成させ、上記課題を解決した。
本発明によれば、
以下の成形用樹脂組成物、封止構造体の製造方法および封止構造体が提供される。
[1]
電子部品が搭載された基板と、周方向に形成された複数のスロットを有する上記基板上に固定されたステータコアと、上記スロットに収容された複数個のコイルとを一括して封止するために用いられる成形用樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、
硬化剤および硬化触媒の一方または両方と、
無機充填材と、を含み、
当該成形用樹脂組成物を140℃で2分硬化させた硬化物において、25℃における曲げ弾性率(JIS K6911:2006準拠)が0.1GPa以上30GPa以下である、成形用樹脂組成物。
[2]
上記[1]に記載の成形用樹脂組成物において、
以下の(方法1)によって測定される、ガラス転移温度(Tg)が140℃以上300℃以下である、成形用樹脂組成物。
(方法1)
上記成形用樹脂組成物を、トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒で、80mm×10mm×4mmの試験片を成形し、175℃2時間で後硬化する。さらに、熱機械分析装置を用いて、5℃/分の昇温速度で得られた試験片の熱膨張率を測定する。次いで、得られた測定結果に基づき、熱膨張率の変曲点から硬化物のガラス転移温度(Tg)(℃)を算出する。
[3]
上記[1]または[2]に記載の成形用樹脂組成物において、
上記エポキシ樹脂がフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を含む、成形用樹脂組成物。
[4]
上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物において、
上記エポキシ樹脂の含有量が、上記成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、3質量%以上40質量%以下である、成形用樹脂組成物。
[5]
上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物において、
上記硬化剤を含み、上記硬化剤がフェノール樹脂系硬化剤を含む、成形用樹脂組成物。
[6]
上記[5]に記載の成形用樹脂組成物において、
上記フェノール樹脂系硬化剤がフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂およびトリスフェノールメタン型フェノール樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を含む、成形用樹脂組成物。
[7]
上記[5]または[6]に記載の成形用樹脂組成物において、
上記硬化剤の含有量が、上記成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、0.8質量%以上12質量%以下である、成形用樹脂組成物。[8]
上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物において、
上記硬化触媒を含み、上記硬化触媒がイミダゾール系化合物を含む、成形用樹脂組成物。
[9]
上記[8]に記載の成形用樹脂組成物において、
上記硬化触媒の含有量が、上記成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、0.01質量%以上2.0質量%以下である、成形用樹脂組成物。
[10]
上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物において、
当該成形用樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分で測定したスパイラルフローをSとし、当該成形用樹脂組成物を25℃で48時間放置した後、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分で測定したスパイラルフローをSとしたとき、S≧0.8×Sを満たす、成形用樹脂組成物。
[11]
上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物において、
以下の(方法2)によって測定される、トルク値が2N・mに達する時間が100秒未満である、成形用樹脂組成物。
(方法2)
キュラストメーター(登録商標)を用い、金型温度140℃、振幅角度±0.25度にて、上記成形用樹脂組成物のトルク値を経時的に測定する。測定結果に基づいて、測定開始から、トルク値が2N・mに達する時間(秒)を算出する。
[12]
上記[1]~[11]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物において、
以下の(方法3)によって測定される、スパイラルフローが70cm以上である、成形用樹脂組成物。
(方法3)
上記成形用樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機を用いて、ANSI/ASTM D 3123-72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間3分の条件で注入し、流動長を測定し、これをスパイラルフロー(cm)とする。
[13]
上記[1]~[12]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物において、
以下の(方法4)によって測定される、ゲルタイムが30秒以上である、成形用樹脂組成物。
(方法4)
上記成形用樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機を用いて、ANSI/ASTM D 3123-72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間3分の条件で注入する。注入開始から成形用樹脂組成物が硬化し流動しなくなるまでの時間を測定し、ゲルタイム(秒)とする。
[14]
上記[1]~[13]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物において、
以下の(方法5)によって測定される、線膨張係数α1が10.0ppm/℃以下である、成形用樹脂組成物。
(方法5)
上記成形用樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分の条件で注入成形し、15mm×4mm×4mmの成形品を得る。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片を作製する。そして、得られた試験片に対して、熱機械分析装置を用いて、測定温度範囲0℃~400℃、昇温速度5℃/分の条件下で、25-70℃における平均線膨張係数α1(ppm/℃)を測定する。
[15]
上記[1]~[14]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物において、
以下の(方法6)によって測定される、熱伝導率が0.5W/m・K以上である、成形用樹脂組成物。
(方法6)
上記成形用樹脂組成物を、トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒間の条件で注入成形し、80mm×10mm×4mmの成形体を得る。次いで、得られた成形体を175℃、2時間で後硬化し、試験片を得る。得られた試験片について、レーザーフラッシュ法を用いて熱拡散率を測定する。また、電子比重計を用いて、熱伝導率測定に用いた試験片の比重を測定する。さらに、示差走査熱量計を用いて、熱伝導率及び比重測定に用いた試験片の比熱を測定する。測定した熱拡散率、比重および比熱の各測定値から、当該試験片の厚さ方向の熱伝導率(W/m・K)を算出する。
[16]
トランスファー成形機中の成形型に、電子部品が搭載された基板と、周方向に形成された複数のスロットを有する上記基板上に固定されたステータコアと、上記スロットに収容された複数個のコイルと、を配置する工程と、
上記トランスファー成形機を用いるトランスファーモールド法にて、上記[1]~[15]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物で上記成形型内の上記基板と、上記ステータコアと、上記コイルと、を封止成形することにより、封止構造体を得る工程と、
を含む、封止構造体の製造方法。
[17]
上記[16]に記載の封止構造体の製造方法において、
上記封止構造体を得る上記工程において、上記成形用樹脂組成物の硬化体のTg以下の温度で封止成形する、封止構造体の製造方法。
[18]
上記[16]または[17]に記載の封止構造体の製造方法において、
上記封止構造体を得る上記工程として、後硬化工程を行わない、封止構造体の製造方法。
[19]
電子部品が搭載された基板と、
上記基板の一面上に固定され、周方向に形成された複数のスロットを有するステータコアと、
上記スロットに収容された複数個のコイルと、
を含む被封止体と、
上記被封止体の一部または全部を被覆して設けられる封止部材と、を備え、
上記封止部材が、上記[1]~[15]のいずれか1つに記載の成形用樹脂組成物の硬化物により構成されている、封止構造体。
本発明によれば、低温で硬化が可能であり、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができる成形用樹脂組成物が提供される。
本実施形態の一例における成形前後の被封止体および封止構造体の上面図である。 本実施形態の一例における成形前後の被封止体および封止構造体の側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本明細書中、数値範囲に関する「X~Y」の表記は、特に断らない限り、X以上Y以下を表す。本明細書中、数値範囲に関する上限値および下限値の記載は、特に断りがなければ、記載されている上限値および下限値を任意で組み合わせることができる。
<成形用樹脂組成物>
本実施形態の成形用樹脂組成物は、電子部品が搭載された基板と、周方向に形成された複数のスロットを有する上記基板上に固定されたステータコアと、上記スロットに収容された複数個のコイルとを一括して封止するために用いられる成形用樹脂組成物であって、エポキシ樹脂と、硬化触媒と、無機充填材と、を含み、当該成形用樹脂組成物を140℃で2分硬化させた硬化物において、25℃における曲げ弾性率(JIS K6911:2006準拠)が0.1GPa以上30GPa以下である。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、電子部品が搭載された基板と、周方向に形成された複数のスロットを有する上記基板上に固定されたステータコアと、上記スロットに収容された複数個のコイルとを一括して封止するために用いられる。本実施形態の成形性樹脂組成物の封止材としての使用方法については、以下に詳述する。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、当該成形用樹脂組成物を140℃で2分硬化させた硬化物において、25℃における曲げ弾性率(JIS K6911:2006準拠)が0.1GPa以上30GPa以下である。本実施形態の成形用樹脂組成物は、上記数値範囲内の曲げ弾性率を有することにより、低温で硬化が可能であり、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができる。
このような効果を奏するメカニズムは定かではないが、曲げ弾性率が上記数値範囲内であることによって、本実施形態の成形用樹脂組成物の硬化物に何らかの負荷がかかった際に、上記硬化物における微細なクラックの発生を抑制することができ、結果として電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができるものと考えられる。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、当該成形用樹脂組成物を140℃で2分硬化させた硬化物において、25℃における曲げ弾性率(JIS K6911準拠:2006)の下限値が0.1GPa以上であるが、好ましくは1.0GPa以上、より好ましくは3.0GPa以上、さらに好ましくは5.0GPa以上、さらに好ましくは8.0GPa以上、さらに好ましくは10.0GPa以上、さらに好ましくは12.0GPa以上、さらに好ましくは13.0GPa以上である。曲げ弾性率を上記下限値以上にすることにより、低温で硬化させた際でも機械強度に優れる構造体を得ることができる。
また、曲げ弾性率の上限値は30GPa以下であるが、好ましくは27.0GPa以下、より好ましくは24.0GPa以下、さらに好ましくは21.0GPa以下である。曲げ弾性率を上記上限値以下にすることにより、硬化物中に蓄積する応力が十分に小さくなり、反りが低減される。これにより、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができ、構造体の不具合が生じにくくなる。
ここで、本実施形態の成形用樹脂組成物の25℃における曲げ弾性率は例えば以下の方法で測定することができる。
低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度140℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間2分の条件で、樹脂組成物を注入成形し、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの成形物を得た。得られた成形物を、後硬化として200℃で4時間加熱処理したものを試験片とし、曲げ弾性率をJIS K 6911:2006に準じて25℃の雰囲気温度下で測定することができる。低圧トランスファー成形機としては、たとえばKTS-15、KTS-30(コータキ精機社製)を用いることができる。
以下、本実施形態の成形用樹脂組成物に用いられる各成分について説明する。
[エポキシ樹脂]
本実施形態の成形用樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミンのような芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリスフェノールプロパン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ-アジペイド等の脂環式エポキシ等の脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用しても良い。
これらの中でも、本実施形態の成形用樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を含むことが好ましい。
本実施形態の成形用樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の含有量の下限値は、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性をより向上させる観点から、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上である。
また、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、低温で硬化させた際でも機械強度に優れる構造体を得る観点から、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
本実施形態の成形用樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の含有量は、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性をより向上させる観点および低温で硬化させた際でも機械強度に優れる構造体を得る観点から、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは3質量%以上40質量%以下、より好ましくは4質量%以上30質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは6質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは7質量%以上15質量%以下である。
(硬化剤)
本実施形態の成形用樹脂組成物は、硬化剤および硬化触媒の一方または両方を含む。本実施形態の成形用樹脂組成物は、エポキシ樹脂を三次元架橋させるために、好ましくは硬化剤を含み、硬化剤を必須成分として含む場合、より好ましくはフェノール樹脂系硬化剤を含む。フェノール樹脂系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;トリスフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、好ましくはフェノール樹脂系硬化剤がフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂およびトリスフェノールメタン型フェノール樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を含む。このようなフェノール樹脂系硬化剤により、耐燃性、耐湿性、電気特性、硬化性、保存安定性等のバランスが良好となる。特に、硬化性の点から、たとえばフェノール樹脂系硬化剤の水酸基当量は、90g/eq以上、250g/eq以下とすることができる。
さらに、併用できる硬化剤としては、例えば重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、縮合型の硬化剤等を挙げることができる。
重付加型の硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m-フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドラジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、フェノールポリマーなどのポリフェノール化合物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などが挙げられる。
触媒型の硬化剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6-トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP-30)などの3級アミン化合物;2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール(EMI24)などのイミダゾール化合物;BF錯体などのルイス酸などが挙げられる。
縮合型の硬化剤としては、例えば、レゾール樹脂、メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂などが挙げられる。
このような他の硬化剤を併用する場合において、フェノール樹脂系硬化剤の含有量の下限値は、全硬化剤に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。フェノール樹脂系硬化剤の含有量が上記下限値以上であると、低温での硬化性を保持しつつ、良好な流動性を発現させることができる。また、フェノール樹脂系硬化剤の含有量の上限値は、特に限定されないが、全硬化剤に対して、100質量%以下であることが好ましい。
本実施形態の成形用樹脂組成物における硬化剤の含有量の合計値の下限値は、特に限定されるものではないが、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは0.8質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上である。硬化剤の含有量の合計値が上記下限値以上であると、良好な硬化性を得ることができる。また、成形用樹脂組成物に対する硬化剤の含有量の合計値の上限値は、特に限定されるものではないが、成形用樹脂組成物全体に対して、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。
なお、硬化剤としてのフェノール樹脂と、エポキシ樹脂とは、成形用樹脂組成物中のエポキシ基数(EP)と、全フェノール樹脂のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP)/(OH)が、0.8以上、1.6以下となるように配合することが好ましい。当量比が上記範囲内であると、得られる成形用樹脂組成物を成形する際、十分な硬化特性を得ることができる。ただし、エポキシ樹脂と反応し得るフェノール樹脂以外の樹脂を併用する場合は、適宜当量比を調整すればよい。
[硬化触媒]
本実施形態の成形用樹脂組成物が硬化触媒を必須成分として含む場合、本実施形態の成形用樹脂組成物に用いられる硬化触媒としては、イミダゾール系化合物を用いることが好ましい。イミダゾール系化合物は、たとえばイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、および2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2'-メチルイミダゾリル(1')]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2'-ウンデシルイミダゾリル(1')]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2'-エチル-4-メチルイミダゾリル(1')]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2'-メチルイミダゾリル(1')]-エチル-s-トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物から選択される一種または二種以上を含むことができる。
硬化触媒としてイミダゾール系化合物が用いられる場合、イミダゾール系化合物の含有量は、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上である。イミダゾール系化合物の含有量を上記下限値以上とすることによって、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができる。また、封止成形時における低温での硬化性を向上させることも可能である。一方で、イミダゾール系化合物の含有量は、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下である。イミダゾール系化合物の含有量を上記上限値以下とすることにより、トランスファーモールド時における流動性を向上させ、充填性の向上に寄与することができる。
硬化触媒は、イミダゾール系化合物の他に、たとえば有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン等のイミダゾール系化合物以外のアミン系硬化触媒から選択される一種または二種以上をさらに含むことができる。
有機ホスフィンとしては、例えばエチルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の第2ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の第3ホスフィンが挙げられる。
テトラ置換ホスホニウム化合物としては、例えば下記一般式(4)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007501801000001
上記一般式(4)において、Pはリン原子を表す。R、R、RおよびRは芳香族基またはアルキル基を表す。Aはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸のアニオンを表す。AHはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸を表す。x、yは1~3の数、zは0~3の数であり、かつx=yである。
一般式(4)で表される化合物は、例えば以下のようにして得られるがこれに限定されるものではない。まず、テトラ置換ホスホニウムハライドと芳香族有機酸と塩基を有機溶剤に混ぜ均一に混合し、その溶液系内に芳香族有機酸アニオンを発生させる。次いで水を加えると、一般式(4)で表される化合物を沈殿させることができる。一般式(4)で表される化合物において、リン原子に結合するR、R、RおよびRがフェニル基であり、かつAHはヒドロキシル基を芳香環に有する化合物、すなわちフェノール類であり、かつAは該フェノール類のアニオンであるのが好ましい。上記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコールなどの単環式フェノール類、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、アントラキノールなどの縮合多環式フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノール類、フェニルフェノール、ビフェノールなどの多環式フェノール類などが例示される。
硬化触媒として用いられるホスホベタイン化合物としては、例えば、下記一般式(5)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007501801000002
上記一般式(5)において、Pはリン原子を表す。Rは炭素数1~3のアルキル基、Rはヒドロキシル基を表す。fは0~5の数であり、gは0~3の数である。
一般式(5)で表される化合物は、例えば以下のようにして得られる。まず、第三ホスフィンであるトリ芳香族置換ホスフィンとジアゾニウム塩とを接触させ、トリ芳香族置換ホスフィンとジアゾニウム塩が有するジアゾニウム基とを置換させる工程を経て得られる。しかしこれに限定されるものではない。
硬化触媒として用いられるホスフィン化合物とキノン化合物との付加物としては、例えば、下記一般式(6)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007501801000003
上記一般式(6)において、Pはリン原子を表す。R10、R11およびR12は炭素数1~12のアルキル基または炭素数6~12のアリール基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R13、R14およびR15は水素原子または炭素数1~12の炭化水素基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R14とR15が結合して環状構造となっていてもよい。
ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物に用いるホスフィン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリナフチルホスフィン、トリス(ベンジル)ホスフィン等の芳香環に無置換またはアルキル基、アルコキシル基等の置換基が存在するものが好ましく、アルキル基、アルコキシル基等の置換基としては1~6の炭素数を有するものが挙げられる。入手しやすさの観点からはトリフェニルホスフィンが好ましい。
また、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物に用いるキノン化合物としては、ベンゾキノン、アントラキノン類が挙げられ、中でもp-ベンゾキノンが保存安定性の点から好ましい。
ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物の製造方法としては、有機第三ホスフィンとベンゾキノン類の両者が溶解することができる溶媒中で接触、混合させることにより付加物を得ることができる。溶媒としてはアセトンやメチルエチルケトン等のケトン類で付加物への溶解性が低いものがよい。しかしこれに限定されるものではない。
一般式(6)で表される化合物において、リン原子に結合するR10、R11およびR12がフェニル基であり、かつR13、R14およびR15が水素原子である化合物、すなわち1,4-ベンゾキノンとトリフェニルホスフィンを付加させた化合物が成形用樹脂組成物の硬化物の熱時弾性率を低下させる点で好ましい。
硬化触媒として使用されるホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物としては、例えば下記一般式(7)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0007501801000004
上記一般式(7)において、Pはリン原子を表し、Siは珪素原子を表す。R16、R17、R18およびR19は、それぞれ、芳香環または複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中R20は、基YおよびYと結合する有機基である。式中R21は、基YおよびYと結合する有機基である。YおよびYは、プロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基YおよびYが珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。YおよびYはプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基YおよびYが珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。R20、およびR21は互いに同一であっても異なっていてもよく、Y、Y、YおよびYは互いに同一であっても異なっていてもよい。Zは芳香環または複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基である。
一般式(7)において、R16、R17、R18およびR19としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシナフチル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、n-ブチル基、n-オクチル基およびシクロヘキシル基等が挙げられ、これらの中でも、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基等のアルキル基、アルコキシ基、水酸基などの置換基を有する芳香族基もしくは無置換の芳香族基がより好ましい。
また、一般式(7)において、R20は、YおよびYと結合する有機基である。同様に、R21は、基YおよびYと結合する有機基である。YおよびYはプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の基YおよびYが珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。同様にYおよびYはプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の基YおよびYが珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。基R20およびR21は互いに同一であっても異なっていてもよく、基Y、Y、Y、およびYは互いに同一であっても異なっていてもよい。このような一般式(7)中の-Y-R20-Y-、および-Y-R21-Y-で表される基は、プロトン供与体が、プロトンを2個放出してなる基で構成されるものであり、プロトン供与体としては、分子内にカルボキシル基、または水酸基を少なくとも2個有する有機酸が好ましく、さらには芳香環を構成する隣接する炭素にカルボキシル基または水酸基を少なくとも2個有する芳香族化合物が好ましく、芳香環を構成する隣接する炭素に水酸基を少なくとも2個有する芳香族化合物がより好ましく、例えば、カテコール、ピロガロール、1,2-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,2'-ビフェノール、1,1'-ビ-2-ナフトール、サリチル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、クロラニル酸、タンニン酸、2-ヒドロキシベンジルアルコール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,2-プロパンジオールおよびグリセリン等が挙げられるが、これらの中でも、カテコール、1,2-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレンがより好ましい。
また、一般式(7)中のZは、芳香環または複素環を有する有機基または脂肪族基を表し、これらの具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基およびオクチル基等の脂肪族炭化水素基や、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基およびビフェニル基等の芳香族炭化水素基、グリシジルオキシプロピル基、メルカプトプロピル基、アミノプロピル基等のグリシジルオキシ基、メルカプト基、アミノ基を有するアルキル基およびビニル基等の反応性置換基等が挙げられるが、これらの中でも、メチル基、エチル基、フェニル基、ナフチル基およびビフェニル基が熱安定性の面から、より好ましい。
ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物の製造方法としては、メタノールを入れたフラスコに、フェニルトリメトキシシラン等のシラン化合物、2,3-ジヒドロキシナフタレン等のプロトン供与体を加えて溶かし、次に室温攪拌下ナトリウムメトキシド-メタノール溶液を滴下する。さらにそこへ予め用意したテトラフェニルホスホニウムブロマイド等のテトラ置換ホスホニウムハライドをメタノールに溶かした溶液を室温攪拌下滴下すると結晶が析出する。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥すると、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物が得られる。しかし、これに限定されるものではない。
本実施形態の成形用樹脂組成物における硬化触媒の含有量は、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上である。硬化触媒の含有量を上記下限値以上とすることにより、トランスファーモールド時における成形用樹脂組成物の硬化性を効果的に向上させ、低温での硬化性を向上させることができる。一方で、硬化触媒の含有量は、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.7質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。硬化触媒の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止時における流動性を向上させ、充填性の向上に寄与することができる。
[無機充填材]
本実施形態の成形用樹脂組成物に用いられる無機充填材としては、例えば、溶融破砕シリカ及び溶融球状シリカ等の溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレイ、マイカ、ロックウール、ウォラストナイト、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスファイバー、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、セルロース、アラミド、木材、フェノール樹脂成形材料やエポキシ樹脂成形材料の硬化物を粉砕した粉砕粉等が挙げられる。この中でも、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ等のシリカが好ましく、溶融球状シリカがより好ましい。また、この中でも、炭酸カルシウム、ウォラストナイトがコストの面で好ましい。無機充填材は、一種で使用しても良いし、または二種以上を併用してもよい。
無機充填材の平均粒径D50は、好ましくは0.01μm以上75μm以下、より好ましくは0.05μm以上50μm以下である。無機充填材の平均粒径D50を上記範囲内にすることにより、成形時の金型内の充填性が向上する。また、無機充填材の平均粒径D50の上限値を75μm以下とすることにより、さらに充填性が向上する。平均粒径D50は、レーザー回折型測定装置RODOS SR型(SYMPATEC HEROS&RODOS)での体積換算平均粒径とした。
また、本実施形態の成形用樹脂組成物は、無機充填材として、2種以上の異なる平均粒径D50を有する球状シリカを含むことができる。これにより、トランスファーモールドの際の流動性及び充填性が向上し得る。
本実施形態の成形用樹脂組成物における無機充填材の含有量は、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上である。無機充填材の含有量が上記下限値以上であると、得られる成形用樹脂組成物の硬化に伴う吸湿量の増加や、強度の低下が低減できる。また、無機充填材の含有量は、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは93質量%以下、より好ましくは91質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。無機充填材の含有量が上記上限値以下であると、得られる成形用樹脂組成物は良好な流動性を有するとともに、良好な成形性を備える。したがって、封止構造体の製造安定性が高まり、歩留まり及び耐久性のバランスに優れた構造体が得られる。
また、無機充填材として、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ等のシリカを用いる場合、シリカの含有量が、成形用樹脂組成物の無機充填材全体を100質量%としたとき、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上である。シリカの含有量が上記下限値以上であると、トランスファーモールド時の成形用樹脂組成物の硬化性と流動性のバランスが良好となる。
なお、このときのシリカの含有量の上限値は特に限定されるものではないが、成形用樹脂組成物の無機充填材全体を100質量%としたとき、たとえば100質量%以下である。
また、無機充填材と、後述するような水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物や、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤とを併用する場合には、これらの無機系難燃剤と上記無機充填材の合計量は、上記無機充填材の含有量の範囲内とすることが望ましい。
[その他の成分]
本実施形態の成形用樹脂組成物は、上記成分に加え、必要に応じてさらに、密着助剤、ワックス、カップリング剤、着色剤、難燃剤、離型剤、低応力剤等の他の成分を含んでもよい。
(密着助剤)
本実施形態の成形用樹脂組成物は、低温での硬化性を向上させるために、好ましくは密着助剤を含む。本実施形態の成形用樹脂組成物に用いられる密着助剤としては、特に限定されず、例えば、トリアゾール化合物等が挙げられ、このトリアゾール化合物としては、1,2,4-トリアゾール環を有する化合物、1,2,3-トリアゾール環を有する化合物が挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-1,2,3-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、4-メルカプト-1,2,3-トリアゾール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジメルカプト-1,2,4-トリアゾール、4,5-ジメルカプト-1,2,3-トリアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-5-メルカプト-1,2,3-トリアゾール、3-ヒドラジノ-4-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールおよび5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール-3-メタノール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合せて用いることができる。これらのうち、少なくとも1つのメルカプト基を有する化合物であることが好ましい。
本実施形態の成形用樹脂組成物における密着助剤の含有量の下限値としては、例えば、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.07質量%以上である。これにより、低温での硬化性をより向上できる。
また、密着助剤の含有量の上限値としては、例えば、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。これにより、本実施形態の成形用樹脂組成物で電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができる。
(ワックス)
本実施形態の成形用樹脂組成物は、好ましくは融点が30℃から90℃のワックスを含む。このようなワックスを含むことにより、成形用樹脂組成物は、トランスファーモールドで適用される温度下で、溶融性が良好であり、よって封止時における流動性が向上するとともに、充填性が向上し得る。このようなワックスとしては、カルナバワックス等の天然ワックス、モンタン酸エステルワックスや酸化ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類が挙げられる。
ワックスの配合量は、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、例えば、0.05質量%以上2.0質量%以下である。ワックスの配合量の下限値は、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。ワックスの配合量の上限値は、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。上記範囲でワックスを配合することにより、得られる成形用樹脂組成物は、トランスファーモールド時において優れた流動性と、充填性とを有する。
(カップリング剤)
本実施形態の成形用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と無機充填材との密着性を向上させるため、シランカップリング剤等のカップリング剤を含んでもよい。カップリング剤としては、例えばエポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン等が挙げられる。
エポキシシランとしては、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、アミノシランとしては、例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニルγ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニルγ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-6-(アミノヘキシル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(3-(トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ベンゼンジメタナン等が挙げられる。また、ウレイドシランとしては、例えば、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。アミノシランの1級アミノ部位をケトン又はアルデヒドを反応させて保護した潜在性アミノシランカップリング剤として用いてもよい。また、アミノシランとしては、2級アミノ基を有してもよい。また、メルカプトシランとしては、例えば、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランのほか、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドのような熱分解することによってメルカプトシランカップリング剤と同様の機能を発現するシランカップリング剤など、が挙げられる。またこれらのシランカップリング剤は予め加水分解反応させたものを配合してもよい。これらのシランカップリング剤は1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
連続成形性という観点では、メルカプトシランが好ましく、流動性の観点では、アミノシランが好ましく、密着性という観点ではエポキシシランが好ましい。
本実施形態の成形用樹脂組成物におけるシランカップリング剤等のカップリング剤の含有量の下限値としては、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上である。シランカップリング剤等のカップリング剤の含有量が上記下限値以上であれば、エポキシ樹脂と無機充填材との界面強度が低下することがなく、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができる。また、シランカップリング剤等のカップリング剤の含有量の上限値としては、成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下、さらに好ましくは0.4質量%以下である。シランカップリング剤等のカップリング剤の含有量が上記上限値以下であれば、エポキシ樹脂と無機充填材との界面強度が低下することがなく、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができる。また、シランカップリング剤等のカップリング剤の含有量が上記上限値以下であれば、成形用樹脂組成物の硬化物の吸水性が増大することが防止される。
[特性]
本実施形態の成形用樹脂組成物は、以下の(方法1)によって測定される、ガラス転移温度(Tg)の下限値が好ましくは140℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは155℃以上、さらに好ましくは160℃以上、さらに好ましくは165℃以上である。ガラス転移温度(Tg)が上記下限値以上であることにより、本実施形態の成形用樹脂組成物が低温でも硬化が可能となるほか、本実施形態の成形用樹脂組成物の硬化物の耐熱性が向上する。
また、ガラス転移温度(Tg)の上限値は特に限定されないが、たとえば300℃以下であり、250℃以下であり、220℃以下である。
(方法1)
成形用樹脂組成物を、トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒で、80mm×10mm×4mmの試験片を成形し、175℃2時間で後硬化する。さらに、熱機械分析装置を用いて、5℃/分の昇温速度で得られた試験片の熱膨張率を測定する。次いで、得られた測定結果に基づき、熱膨張率の変曲点から硬化物のガラス転移温度(Tg)(℃)を算出する。
ここで、ガラス転移温度の測定のための硬化物は、たとえば樹脂組成物を175℃で2時間硬化することにより得られる。
具体的には、ガラス転移温度Tgは、たとえば低圧トランスファー成形機を用いて金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒で樹脂組成物を注入成形して得た試験片を175℃、2時間で後硬化した後、当該試験片に対して熱機械分析装置を用いて測定温度範囲0℃~320℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定を行って得た測定結果から算出することができる。低圧トランスファー成形機としては、たとえばKTS-15およびKTS-30(コータキ精機社製)等を用いることができる。また、熱機械分析装置としては、たとえばTMA/SS6000(セイコーインスツルメンツ社製)やTMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)等を用いることができる。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分で測定したスパイラルフローをSとし、当該成形用樹脂組成物を25℃で48時間放置した後、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分で測定したスパイラルフローをSとしたとき、S≧0.8×Sを満たすことが好ましい。このようにすることで、低温で硬化が可能であり、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性を向上させることができるほか、長期の保存性を向上させることができる。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、以下の(方法2)によって測定される、トルク値が2N・mに達する時間の上限値が、好ましくは100秒未満、より好ましくは70秒未満、さらに好ましくは50秒未満、さらに好ましくは30秒未満である。トルク値が2N・mに達する時間が上記上限値未満であることにより、低温でも本実施形態の成形用樹脂組成物の成形が可能となる。
また、トルク値が2N・mに達する時間の下限値は特に限定されないが、たとえば0.1秒以上であり1秒以上であってもよい。
(方法2)
キュラストメーター(登録商標)を用い、金型温度140℃、振幅角度±0.25度にて、成形用樹脂組成物のトルク値を経時的に測定する。測定結果に基づいて、測定開始から、トルク値が2N・mに達する時間(秒)を算出する。
キュラストメーター(登録商標)としては、たとえばキュラストメーター(登録商標)MODEL7((株)エー・アンド・デイ製)等を用いることができる。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、以下の(方法3)によって測定される、スパイラルフローは、好ましくは70cm以上、より好ましくは80cm以上、さらに好ましくは90cm以上である。スパイラルフローが上記下限値以上であることにより、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性をより向上させることができる。
また、上記スパイラルフローは、好ましくは180cm以下、より好ましくは160cm以下、さらに好ましくは140cm以下である。スパイラルフローが上記上限値以下であることにより、本実施形態の成形用樹脂組成物の長期の保存性を向上させることができる。
(方法3)
成形用樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機を用いて、ANSI/ASTM D 3123-72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間3分の条件で注入し、流動長を測定し、これをスパイラルフロー(cm)とする。
低圧トランスファー成形機としては、たとえば上述のKTS-15およびKTS-30(コータキ精機社製)等を用いることができる。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、以下の(方法4)によって測定される、ゲルタイムは、好ましくは30秒以上、より好ましくは40秒以上、さらに好ましくは50秒以上である。ゲルタイムが上記下限値以上であることにより、本実施形態の成形用樹脂組成物の長期の保存性を向上させることができる。
また、上記ゲルタイムは、好ましくは80秒以下、より好ましくは70秒以下、さらに好ましくは60秒以下である。ゲルタイムが上記上限値以下であることにより、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性をより向上させることができる。
(方法4)
成形用樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機を用いて、ANSI/ASTM D 3123-72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間3分の条件で注入する。注入開始から成形用樹脂組成物が硬化し流動しなくなるまでの時間を測定し、ゲルタイム(秒)とする。
低圧トランスファー成形機としては、たとえば上述のKTS-15およびKTS-30(コータキ精機社製)等を用いることができる。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、以下の(方法5)によって測定される、線膨張係数α1の下限値は特に限定されないが、例えば0.8ppm/℃以上、1.0ppm/℃以上、1.2ppm/℃以上である。
また、線膨張係数α1は、好ましくは10.0ppm/℃以下、より好ましくは5.0ppm/℃以下、さらに好ましくは3.0ppm/℃以下、さらに好ましくは2.0ppm/℃以下である。線膨張係数α1が上記上限値以下であることにより、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の密着性と防水性をより向上させることができる。
(方法5)
成形用樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分の条件で注入成形し、15mm×4mm×4mmの成形品を得る。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片を作製する。そして、得られた試験片に対して、熱機械分析装置を用いて、測定温度範囲0℃~400℃、昇温速度5℃/分の条件下で、25-70℃における平均線膨張係数α1(ppm/℃)を測定する。
低圧トランスファー成形機としては、たとえば上述のKTS-15およびKTS-30(コータキ精機社製)等を用いることができる。また、熱機械分析装置としては、たとえば上述のTMA/SS6000(セイコーインスツルメンツ社製)やTMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)等を用いることができる。
本実施形態の成形用樹脂組成物は、以下の(方法6)によって測定される、熱伝導率は、好ましくは0.5W/m・K以上、より好ましくは0.6W/m・K以上、さらに好ましくは0.7W/m・K以上、さらに好ましくは0.8W/m・K以上である。熱伝導率が上記下限値以上であることにより、本実施形態の成形用樹脂組成物を用いた成形体の内部の電子部品に係る熱を効率的に放出することができる。
また、熱伝導率は、好ましくは3.5W/m・K以下、より好ましくは3.3W/m・K以下、さらに好ましくは3.1W/m・K以下、さらに好ましくは2.9W/m・K以下、さらに好ましくは2.8W/m・K以下である。熱伝導率が上記上限値以下であることにより、本実施形態の成形用樹脂組成物を用いた成形体の内部の電子部品に対する外部からの熱の影響を抑えることができる。
(方法6)
成形用樹脂組成物を、トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒間の条件で注入成形し、80mm×10mm×4mmの成形体を得る。次いで、得られた成形体を175℃、2時間で後硬化し、試験片を得る。得られた試験片について、レーザーフラッシュ法を用いて熱拡散率を測定する。また、電子比重計を用いて、熱伝導率測定に用いた試験片の比重を測定する。さらに、示差走査熱量計を用いて、熱伝導率及び比重測定に用いた試験片の比熱を測定する。測定した熱拡散率、比重および比熱の各測定値から、当該試験片の厚さ方向の熱伝導率(W/m・K)を算出する。
トランスファー成形機としては、たとえば上述のKTS-15およびKTS-30(コータキ精機社製)等を用いることができる。また、レーザーフラッシュ法による熱拡散率の測定には、たとえばキセノンフラッシュアナライザーLFA447(NETZSCH製)等を用いることができる。また、電子比重計としては、たとえばSD-200L(アルファーミラージュ株式会社製)等を用いることができる。また、示差走査熱量計としては、たとえばDSC8230(株式会社リガク製)等を用いることができる。
[用途]
本実施形態の成形用樹脂組成物は、電子部品が搭載された基板と、周方向に形成された複数のスロットを有する上記基板上に固定されたステータコアと、上記スロットに収容された複数個のコイルとを一括して封止するために用いられる。本実施形態の成形用樹脂組成物を封止材として備えるステータは、例えば、回転電機(電動機、発電機または電動機/発電機の両用機)として電動機(モータ)に適用される。
<封止構造体>
以下、本実施形態の成形用樹脂組成物を用いた封止構造体200について、図面を用いて説明する。
図1は成形前後の被封止体100および封止構造体200の上面図を模式的に表している。同様に、図2は成形前後の被封止体100および封止構造体200の側面図を模式的に表している。ここで、(a)、(c)は成形前の被封止体100を、(b)、(d)は成形後の封止構造体200を模式的に表している。
本実施形態における封止構造体200は、電子部品11が搭載された基板10と、基板10の一面上に固定され、周方向に形成された複数のスロット21を有するステータコア20と、上記スロット21に収容された複数個のコイル30とを含む被封止体100と、上記被封止体100の一部または全部を被覆して設けられる封止部材50と、を備え、上記封止部材50が、本実施形態の成形用樹脂組成物の硬化物により構成されている。
本実施形態の封止構造体200において、本実施形態の成形用樹脂組成物によって封止される被封止体100は、電子部品11が搭載された基板10と、基板10の一面上に固定され、周方向に形成された複数のスロット21を有するステータコア20と、スロット21に収容された複数個のコイル30とを含む。
基板10は、図1に示すように、たとえば一面および当該一面とは反対の他面のうちの一方または双方に電子部品11が搭載された基板である。図1に示すように、基板10は、たとえば平板状の形状を有している。
基板10は、たとえば電子部品11を搭載する一面においてソルダーレジスト層を有していてもよい。上記ソルダーレジスト層は、半導体装置の分野において通常使用されるソルダーレジスト形成用樹脂組成物を用いて形成することができる。本実施形態においては、たとえば基板10の一面および他面にソルダーレジスト層を設けることができる。
基板10の一面に、または一面および他面の双方に設けられた上記ソルダーレジスト層は、たとえばシリコーン化合物を含む樹脂組成物により形成される。これにより、表面平滑性に優れたソルダーレジスト層を実現することができる。
電子部品11は、図1(a)に示すように、たとえば基板10の一面と他面のそれぞれに搭載される。一方で、電子部品11は、基板10の一面のみに設けられ、基板10の他面には設けられていなくともよい。
電子部品11としては、例えば、LEDチップなどの発光素子、脳波・筋電位などの生体電位や血圧・脈拍などの生体活動を検知する生体測定計、圧力・温度・位置・湿度・光・音・加速度などの環境情報を検知する一般的な測定計、コンデンサなどのポータブル電源、音響モジュール、通信モジュール等の素子や、上記素子を接続する配線等が挙げられる。
ここで、基板10および電子部品11には、リード線40が接続されていることが好ましい。本実施形態の成形用樹脂組成物によって封止される前に、リード線40が基板10および電子部品11と接続されていることによって、後述する封止部材50によってリード線40と基板10および電子部品11との接続部を一括して封止することができるようになり、結果として本実施形態の封止構造体200の防水性を向上させることができる。
ステータコア20は、図1(a)に示すように軸方向端部から見たときに、周方向に形成された複数のスロット21が設けられている。ここでは、図1(a)に示すように、4個のスロット21が設けられている。そして、ステータコア20は、図2(c)に示すように、電子部品11が搭載された基板10の一面上に固定されている。
ステータコア20は、複数の電磁鋼板を軸方向に積層し密着固定して設けられていてもよく、樹脂組成物を成形することによって設けられていてもよい。
コイル30は、たとえば平角線U字形状であって、離間した二つのスロット21に収容されるようにして巻かれている。コイル30は、第1のコイルエンドと、第2のコイルエンドとを有する。第1のコイルエンドは、ステータコア20の軸方向一方側に突出する。第2のコイルエンドは、ステータコア20の軸方向他方側に突出する。すなわち、コイル30は、ステータコア20の軸方向両側にそれぞれ突出する一対のコイルエンドを有する。
封止部材50は、図1(b)および図2(d)に示すように、上述した電子部品11が搭載された基板10と、基板10の一面上に固定され、周方向に形成された複数のスロット21を有するステータコア20と、上記スロット21に収容された複数個のコイル30とを一括して封止するものである。つまり、封止部材50は、電子部品11が搭載された基板10と、基板10の一面上に固定され、周方向に形成された複数のスロット21を有するステータコア20と、スロット21に収容された複数個のコイル30とを含む被封止体100の一部または全部を被覆して設けられる。
封止部材50の材料としては、上述した成形用樹脂組成物が用いられる。
このとき、図1(b)および図2(d)に示すように、リード線40と基板10および電子部品11との接続部が封止部材50によって一括して封止されていることが好ましい。このようにすることで、本実施形態の封止構造体200の防水性を向上させることができる。
<封止構造体の製造方法>
以下、本実施形態の成形用樹脂組成物を用いた封止構造体の製造方法について説明する。
本実施形態の封止構造体の製造方法は、トランスファー成形機中の成形型に、電子部品が搭載された基板と、周方向に形成された複数のスロットを有する上記基板上に固定されたステータコアと、上記スロットに収容された複数個のコイルと、を配置する工程と、上記トランスファー成形機を用いるトランスファーモールド法にて、本実施形態の成形用樹脂組成物で上記成形型内の上記基板と、上記ステータコアと、上記コイルと、を封止成形することにより、封止構造体を得る工程と、を含む。
上記封止構造体を得る上記工程は、例えば、80℃以上180℃未満の温度、1MPa以上15MPa以下の圧力で実施される。好ましくは、上記工程は、120℃以上170℃以下の温度、3MPa以上12MPa以下の圧力で実施される。これにより、密着性と防水性に優れた封止構造体を得ることができる。
このとき、上記封止構造体を得る上記工程は、上記成形用樹脂組成物硬化体のTg以下の温度で封止成形することが好ましい。
上記封止構造体を得る上記工程は、
(A)トランスファー成形、圧縮成形などの手法による成形工程と、
(B)成形工程の後、成形体を加熱する後硬化工程
とを含んでも良い。
通常の封止工程においては、上記(A)の後、エポキシ樹脂の硬化を進め、良好な架橋構造を得る目的で上記(B)を行う。
これに対して、本実施形態における好ましい態様は、上記(B)の後硬化工程を行わず、上記(A)の成形工程のみを行うことである。こうすることにより、生産性が向上する上、後硬化による熱損傷、すなわち、封止対象である、ステータコア、コイルおよび基板に対する熱損傷を抑制でき、良好な封止構造体を得ることができる。
本実施形態においては、140℃で2分硬化させた硬化物において、25℃における曲げ弾性率(JIS K6911:2006準拠)が0.1GPa以上30GPa以下となるように成形用樹脂組成物を構成しているため、(B)を省略しても、良好な架橋構造が得られる。
また、本実施形態では、(A)における成形温度は、成形用樹脂組成物から得られる硬化体のTg(℃)以下の温度とすることが好ましく、より好ましくは、(Tg-10℃)以下、最も好ましくは、(Tg-30℃)以下である。また、成形温度は、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下、最も好ましくは130℃以下である。
このような低温で成形することにより、封止対象である、ステータコア、コイルおよび基板への熱損傷を抑制でき、良好な封止構造体を得ることができる。
成形温度の下限については、成形用樹脂組成物を充分に硬化させることができる限り、特に限定されない。たとえば、(Tg-80℃)以上とすることができ、90℃以上とすることができる。
上記(B)の後硬化を行う場合における後硬化温度も、上記成形温度と同様の範囲が好ましい。すなわち、成形用樹脂組成物から得られる硬化体のTg(℃)以下の温度とすることが好ましく、より好ましくは、(Tg-10℃)以下、最も好ましくは、(Tg-30℃)以下である。また、成形温度は、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下、最も好ましくは130℃以下である。このような低温で後硬化することにより、封止対象への熱損傷を抑制でき、良好な封止構造体を得ることができる。成形温度の下限については特に制限がないが、たとえば、(Tg-80℃)以上とすることができ、90℃以上とすることができる。
通常の封止工程においては、上記(A)や上記(B)の温度は、通常、成形用樹脂組成物から得られる硬化体のTg(℃)を超える温度とされる。これに対して、本実施形態においては上記した低温域の温度範囲が好ましい。本実施形態においては、140℃で2分硬化させた硬化物において、25℃における曲げ弾性率(JIS K6911:2006準拠)が0.1GPa以上30GPa以下となるように成形用樹脂組成物を構成しているため、上記(A)や上記(B)の温度を低温にしても、良好な架橋構造が得られる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1~4、比較例1~2)
<成形用樹脂組成物の調製>
各実施例、および各比較例のそれぞれについて、以下のように成形用樹脂組成物を調製した。
まず、表1に示す各成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物を、ロール混練した後、冷却、粉砕して粉粒体である成形用樹脂組成物を得た。
表1中の各成分の詳細は下記のとおりである。また、表1中に示す処方は、樹脂組成物全体に対する各成分の含有量(質量%)を示している。
(無機充填材)
・無機充填材1:溶融球状シリカ(デンカ株式会社製、製品名「FB-950」)
・無機充填材2:溶融球状シリカ(デンカ株式会社製、製品名「FB-105」)
・無機充填材3:アルミナ(デンカ株式会社製、製品名「DAW-02」)
(カップリング剤)
・カップリング剤1:N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名「CF-4083」)
(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、製品名「EPICRON N-670」)
(硬化剤)
・硬化剤1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型樹脂(明和化成株式会社製、製品名「MEH-7851SS」)
・硬化剤2:トリスフェニルメタン型フェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製、製品名「MEH-7500」)
(密着助剤)
・密着助剤1:3-アミノ-1,2,4-トリアゾール
(硬化触媒)
・硬化触媒1:2-フェニルイミダゾール
・硬化触媒2:2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール
(着色材)
・着色材1:カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社製、製品名「カーボン#5」)
<成形用樹脂組成物の性能評価>
得られた成形用樹脂組成物を、以下の項目について評価した。評価結果を以下の表1に示す。
(曲げ弾性率)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、KTS-30)を用いて、金型温度140℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間2分の条件で、樹脂組成物を注入成形し、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの成形物を得た。得られた成形物を、後硬化として200℃で4時間加熱処理したものを試験片とし、曲げ弾性率(GPa)をJIS K 6911:2006に準じて25℃の雰囲気温度下で測定した。
(低温成形性)
キュラストメーター(登録商標)((株)エー・アンド・デイ製、キュラストメーター(登録商標)MODEL7)を用い、金型温度140℃、振幅角度±0.25度にて、得られた成形用樹脂組成物のトルク値を経時的に測定した。測定結果に基づいて、測定開始から、トルク値が2N・mに達する時間(秒)を算出した。トルク値が2N・mに達する時間(秒)から、以下の基準で低温成形性を評価した。
A:トルク値が2N・mに達する時間が30秒未満(実施例はこちら)
B:トルク値が2N・mに達する時間が30秒以上100秒未満
C:トルク値が2N・mに達する時間が100秒以上
(密着性・防水性)
23mmφ×0.9mmのガラスエポキシ基板(ICパッケージ及びアルミ電解コンデンサを実装した基板)に対して、低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、KTS-30)を用いて、金型温度140℃、注入圧力3~5MPa、硬化時間2分の条件で、樹脂組成物を基板上2cm厚となるように注入成形し、ポストキュアなしで、基板封止体を得た。
その後、上記基板封止体を深さ15~100cmの純水プールに1000時間浸漬させた。その後、自然乾燥した後、テスターを用いて基板上の回路配線の導通を確認した。
A:導通不良なし
B:導通不良あり(ショート、抵抗増加など)
(スパイラルフロー・ゲルタイム)
低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、「KTS-15」)を用いて、ANSI/ASTM D 3123-72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間3分の条件で、各実施例および各比較例の成形用樹脂組成物を注入し、流動長を測定し、これをスパイラルフロー(cm)とした。また、注入開始から成形用樹脂組成物が硬化し流動しなくなるまでの時間を測定し、ゲルタイム(秒)とした。
なお、スパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい方が、流動性が良好である。
(線膨張係数α1)
各実施例および各比較例について、得られた成形用樹脂組成物の線膨張係数を測定した。低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS-30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分の条件で注入成形し、15mm×4mm×4mmの成形品を得た。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片を作製した。そして、得られた試験片に対して、熱機械分析装置(セイコーインスツル株式会社製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃~400℃、昇温速度5℃/分の条件下で、25-70℃における平均線膨張係数α1(ppm/℃)を測定した。
(ガラス転移温度(Tg))
各実施例および各比較例の成形用樹脂組成物のガラス転移温度は、JIS K 6911:2006に準じて測定した。すなわち、各実施例および各比較例の成形用樹脂組成物について、トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、「KTS-15」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒で、80mm×10mm×4mmの試験片を成形した。そして、175℃2時間で後硬化した。さらに、熱機械分析装置(セイコーインスツルメンツ社製、TMA/SS6000)を用いて、5℃/分の昇温速度で得られた試験片の熱膨張率を測定した。次いで、得られた測定結果に基づき、熱膨張率の変曲点から硬化物のガラス転移温度(Tg)(℃)を算出した。
(熱伝導率)
各実施例および各比較例の成形用樹脂組成物について、トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製、「KTS-15」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒間で注入成形し、80mm×10mm×4mmの成形体を得た。次いで、得られた成形体を175℃、2時間で後硬化し、試験片を得た。得られた試験片について、レーザーフラッシュ法(NETZSCH製のキセノンフラッシュアナライザーLFA447)を用いて熱拡散率を測定した。また、アルファーミラージュ株式会社製の電子比重計SD-200Lを用いて、熱伝導率測定に用いた試験片の比重を測定した。さらに、株式会社リガク製の示差走査熱量計DSC8230を用いて、熱伝導率及び比重測定に用いた試験片の比熱を測定した。測定した熱拡散率、比重および比熱の各測定値から、当該試験片の厚さ方向の熱伝導率(W/m・K)を算出した。
(室温保存性)
各実施例および各比較例の成形用樹脂組成物について、室温保存性を測定した。低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS-30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分の条件で、各実施例および各比較例の成形用樹脂組成物を注入し、流動長を測定し、このときのスパイラルフローをSとした。
また、各実施例および各比較例の成形用樹脂組成物を25℃で48時間放置した後、上記同様の条件で流動長を測定し、このときのスパイラルフローをSとした。
上記SおよびSについて、以下の基準で評価を行った。
A:S≧0.8×Sを満たす。
B:S<0.8×Sを満たす。
Figure 0007501801000005
実施例の成形用樹脂組成物はいずれも、低温で硬化が可能であり、電子部品またはステータ等の構造体を封止した際の優れた密着性と防水性を有していた。
この出願は、2022年3月31日に出願された日本出願特願2022-058500号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 基板
11 電子部品
20 ステータコア
21 スロット
30 コイル
40 リード線
50 封止部材
100 被封止体
200 封止構造体

Claims (19)

  1. 電子部品が搭載された基板と、周方向に形成された複数のスロットを有する前記基板上に固定されたステータコアと、前記スロットに収容された複数個のコイルとを一括して封止するために用いられる成形用樹脂組成物であって、
    エポキシ樹脂と、
    硬化剤および硬化触媒の一方または両方と、
    無機充填材と、を含み、
    当該成形用樹脂組成物を140℃で2分硬化させた硬化物において、25℃における曲げ弾性率(JIS K6911:2006準拠)が0.1GPa以上30GPa以下である、成形用樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の成形用樹脂組成物において、
    以下の(方法1)によって測定される、ガラス転移温度(Tg)が140℃以上300℃以下である、成形用樹脂組成物。
    (方法1)
    前記成形用樹脂組成物を、トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒で、80mm×10mm×4mmの試験片を成形し、175℃2時間で後硬化する。さらに、熱機械分析装置を用いて、5℃/分の昇温速度で得られた試験片の熱膨張率を測定する。次いで、得られた測定結果に基づき、熱膨張率の変曲点から硬化物のガラス転移温度(Tg)(℃)を算出する。
  3. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    前記エポキシ樹脂がフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を含む、成形用樹脂組成物。
  4. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    前記エポキシ樹脂の含有量が、前記成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、3質量%以上40質量%以下である、成形用樹脂組成物。
  5. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    前記硬化剤を含み、前記硬化剤がフェノール樹脂系硬化剤を含む、成形用樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の成形用樹脂組成物において、
    前記フェノール樹脂系硬化剤がフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂およびトリスフェノールメタン型フェノール樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を含む、成形用樹脂組成物。
  7. 請求項5に記載の成形用樹脂組成物において、
    前記硬化剤の含有量が、前記成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、0.8質量%以上12質量%以下である、成形用樹脂組成物。
  8. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    前記硬化触媒を含み、前記硬化触媒がイミダゾール系化合物を含む、成形用樹脂組成物。
  9. 請求項8に記載の成形用樹脂組成物において、
    前記硬化触媒の含有量が、前記成形用樹脂組成物の固形分全体を100質量%としたとき、0.01質量%以上2.0質量%以下である、成形用樹脂組成物。
  10. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    当該成形用樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分で測定したスパイラルフローをSとし、当該成形用樹脂組成物を25℃で48時間放置した後、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分で測定したスパイラルフローをSとしたとき、S≧0.8×Sを満たす、成形用樹脂組成物。
  11. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    以下の(方法2)によって測定される、トルク値が2N・mに達する時間が100秒未満である、成形用樹脂組成物。
    (方法2)
    キュラストメーター(登録商標)を用い、金型温度140℃、振幅角度±0.25度にて、前記成形用樹脂組成物のトルク値を経時的に測定する。測定結果に基づいて、測定開始から、トルク値が2N・mに達する時間(秒)を算出する。
  12. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    以下の(方法3)によって測定される、スパイラルフローが70cm以上である、成形用樹脂組成物。
    (方法3)
    前記成形用樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機を用いて、ANSI/ASTM D 3123-72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間3分の条件で注入し、流動長を測定し、これをスパイラルフロー(cm)とする。
  13. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    以下の(方法4)によって測定される、ゲルタイムが30秒以上である、成形用樹脂組成物。
    (方法4)
    前記成形用樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機を用いて、ANSI/ASTM D 3123-72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間3分の条件で注入する。注入開始から成形用樹脂組成物が硬化し流動しなくなるまでの時間を測定し、ゲルタイム(秒)とする。
  14. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    以下の(方法5)によって測定される、線膨張係数α1が10.0ppm/℃以下である、成形用樹脂組成物。
    (方法5)
    前記成形用樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間3分の条件で注入成形し、15mm×4mm×4mmの成形品を得る。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片を作製する。そして、得られた試験片に対して、熱機械分析装置を用いて、測定温度範囲0℃~400℃、昇温速度5℃/分の条件下で、25-70℃における平均線膨張係数α1(ppm/℃)を測定する。
  15. 請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物において、
    以下の(方法6)によって測定される、熱伝導率が0.5W/m・K以上である、成形用樹脂組成物。
    (方法6)
    前記成形用樹脂組成物を、トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間90秒間の条件で注入成形し、80mm×10mm×4mmの成形体を得る。次いで、得られた成形体を175℃、2時間で後硬化し、試験片を得る。得られた試験片について、レーザーフラッシュ法を用いて熱拡散率を測定する。また、電子比重計を用いて、熱伝導率測定に用いた試験片の比重を測定する。さらに、示差走査熱量計を用いて、熱伝導率及び比重測定に用いた試験片の比熱を測定する。測定した熱拡散率、比重および比熱の各測定値から、当該試験片の厚さ方向の熱伝導率(W/m・K)を算出する。
  16. トランスファー成形機中の成形型に、電子部品が搭載された基板と、周方向に形成された複数のスロットを有する前記基板上に固定されたステータコアと、前記スロットに収容された複数個のコイルと、を配置する工程と、
    前記トランスファー成形機を用いるトランスファーモールド法にて、請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物で前記成形型内の前記基板と、前記ステータコアと、前記コイルと、を封止成形することにより、封止構造体を得る工程と、
    を含む、封止構造体の製造方法。
  17. 請求項16に記載の封止構造体の製造方法において、
    前記封止構造体を得る前記工程において、前記成形用樹脂組成物の硬化体のTg以下の温度で封止成形する、封止構造体の製造方法。
  18. 請求項16に記載の封止構造体の製造方法において、
    前記封止構造体を得る前記工程として、後硬化工程を行わない、封止構造体の製造方法。
  19. 電子部品が搭載された基板と、
    前記基板の一面上に固定され、周方向に形成された複数のスロットを有するステータコアと、
    前記スロットに収容された複数個のコイルと、
    を含む被封止体と、
    前記被封止体の一部または全部を被覆して設けられる封止部材と、を備え、
    前記封止部材が、請求項1または2に記載の成形用樹脂組成物の硬化物により構成されている、封止構造体。
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