JP7508246B2 - 複合ケーブル - Google Patents
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また、近年、電動パーキングブレーキ(Electric Parking Brake。以下EPBという。)の普及に伴い、EPB制御デバイスからEPBのアクチュエータに電力を供給するEPBケーブル(電源線)も知られている。
そのため、従来、それらのケーブルは、一緒にテープで巻いたり結束バンドで束ねる等して車両内に組み付けられることが多かった。
また、例えば特許文献2、3では、一対の電源線と二対の信号線とを備えた複合ケーブルが開示されている。
そのため、複合ケーブルには繰り返しの曲げに対する耐性(以下、繰り返し屈曲性という。耐屈曲性等ともいう。すなわち複合ケーブルを繰り返し曲げても電源線や信号線に断線等が生じにくい性質)が高いことが求められる。
いずれも導体の外周に樹脂層を有する複数の信号線及び複数の電源線を備える複合ケーブルにおいて、
前記信号線は、前記電源線よりも細く、
前記信号線の導体を構成する素線が撚り合わされており、
前記電源線の導体を構成する素線が撚り合わされており、
前記複数の信号線のうち2本以上の信号線同士が更に撚り合わされており、
前記信号線と前記電源線とが更に撚り合わされており、
前記電源線の横断面における前記導体の空隙の占有率が26~40%であることを特徴とする。
前記電源線は、前記導体の断面積が0.5~4.0mm2、前記導体を構成する素線の径が0.05~0.5mm、前記素線の引張強度が350~900MPaであることを特徴とする。
ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態や図示例に限定するものではない。
具体的には、本実施形態では、図1に示すように、複合ケーブル1の複数の信号線2には、アンチロックブレーキシステムのセンサ11から制御デバイス12に信号を送信するため信号線が含まれ、複数の電源線3には、電動パーキングブレーキの制御デバイス13からアクチュエータ14に電力を供給する電源線が含まれているが、この場合に限定されない。
本実施形態では、複合ケーブル1は、複数の信号線2と複数の電源線3を備えており、各信号線2と各電源線3とはいずれも導体21、31の外周に絶縁性の樹脂層22、32を有している。そして、複数の信号線2と複数の電源線3がシース層4で一括して被覆されている。
また、複合ケーブル1は、複数の信号線2と複数の電源線3を備えていればよく、図2や図3に示したような4芯や6芯の場合に限定されない。さらに、図2や図3ではいずれも電源線3が2本設けられている場合を示したが、3本以上であってもよい。
このように、複数の信号線2のうち2本以上の信号線2同士を撚り合わせるように構成することで、信号線2同士を撚り合わせない場合に比べて、撚り合わされた信号線2が可撓性を有するようになる。
このように、信号線2同士を2本以上撚り合わせるように構成することで複合ケーブル1の可撓性や繰り返し屈曲性を向上させることが可能となる。
なお、以下では、信号線2の導体21が金属線であることを前提に説明するが、信号線2の導体21に例えば光ファイバ心線等が含まれていてもよい。
なお、図4は、信号線2の導体21(素線21a)と後述する電源線3の導体31(素線31a)とが同じ太さであることを表すものではない。
また、それとともに、複合ケーブル1が長手方向に引っ張られると、信号線2自体がその方向に伸びることができるため、複合ケーブル1に繰り返し曲げる力が加わった場合、信号線2自体が伸びて断線等が生じにくくなる。
このように、信号線2の導体21を、複数の素線21aを撚り合わせて構成することで複合ケーブル1の可撓性や繰り返し屈曲性を向上させることが可能となる。
また、銅合金線からなる素線31aの引張強度を350~900MPaとすることで、高い繰り返し屈曲性を得ることが可能となる。
また、素線31aの断面形状は円形(丸線)でもよく、あるいは矩形(平角線)であってもよい。
そのため、上記の信号線2の場合と同様に、電源線3自体が可撓性を有するようになるとともに、複合ケーブル1に繰り返し曲げる力が加わった際に電源線3自体が伸びて断線等が生じにくくなるため、電源線3の導体31を、複数の素線31aを撚り合わせて構成することで複合ケーブル1の可撓性や繰り返し屈曲性を向上させることが可能となる。
また、素線21a、31aの撚りピッチが広くなり過ぎると、信号線2や電源線3が拠っていない状態に近くなり、素線21a、31aを撚り合わせることによる可撓性や繰り返し屈曲性の向上の効果が得られなくなる。
なお、この場合、撚り込み率は、完成した複合ケーブル1を切り出し、切り出した複合ケーブル1の長さと、切り出した複合ケーブル1を解体して取り出した素線21a、31aの長さを測定し、切り出した複合ケーブル1の長さに対する取り出した素線21a、31aの長さの比として定義される。
なお、「素線21a、31aの撚り込み率が1.03~1.07」とは、切り出した複合ケーブル1の長さよりも、切り出した複合ケーブル1を解体して取り出した信号線2や電源線3の素線21a、31aの長さの方が3~7%長いことを意味する。
なお、素線31aの撚り込み率は、導体31の撚りピッチ及び後述する信号線2と電源線3の撚り合わせのピッチ及び各線(素線21a、31a、信号線2、電源線3)の外径等によって調整することができる。
そのため、撚り合わされた信号線2と電源線3との全体的な可撓性が向上するとともに、複合ケーブル1に繰り返し曲げる力が加わった際に信号線2と電源線3とが全体的に伸びて信号線2と電源線3に断線等が生じにくくなる。
なお、図5(a)では、複合ケーブル1が4芯の場合(図2参照)について示したが、他の構成においても同様であり、例えば図3に示した6芯の場合は図5(b)のようになる。
そして、本発明では、上記のように電源線3の素線31aを撚り合わせることで、電源線3自体が繰り返し屈曲性を持たせるように構成されている。
そして、電源線3における素線31aの詰まり具合を電源線3の横断面における導体31の空隙の占有率αとして示すことができ、空隙の占有率αは、以下の方法で算出することができる。
そして、導体31の構成(素線31aの1本あたりの断面積や本数)に基づいて導体31の断面積を算出する。そして、
α=(内部部分の断面積-導体の断面積)/(内部部分の断面積)×100[%]
を計算することで電源線3の横断面における導体31の空隙の占有率αを算出することができる。
また、逆に、空隙の占有率αが大きすぎると、すなわち樹脂層32の中での導体31の詰まり方が粗になると、電源線3自体の繰り返し屈曲性は高くなり得るが、複合ケーブル1の屈曲に伴い、電源線3の樹脂層32にかかる径方向の応力による形状変化が過大になるため、電源線3の樹脂層32が損傷する可能性がある。
また、電源線3の樹脂層32が硬すぎると電源線3自体の繰り返し屈曲性が低下してしまうが、軟らかすぎると、上記のように電源線3が繰り返し曲げられると樹脂層32が損傷する等の問題が生じるため、電源線3の樹脂層32は引張弾性率が150~1000MPaであることが好ましい。引張弾性率はJIS K 7161-1によって求めることができる。電源線の被覆(樹脂層32)の引張弾性率を測定する場合は、JIS C 3005(絶縁体及びシースの引張り)に従い、電源線から被覆の管状試験片を採取して測定する。試験片の長さは約150mmとし、その中央部に長さ50mmの間隔で標線を記す。
また、それとともに、電源線3の横断面における導体31の空隙の占有率αが26~40%になるように構成した。
そして、本実施形態に係る複合ケーブル1は、後述する実施例等で示されるように、常温の場合は勿論、低温においても繰り返し屈曲性が非常に優れたものとなる。
Snを0.3%含有した銅合金線からなる径が0.08mmの素線を撚り合わせて導体を作製し、それとポリエチレン(スミカセンCU5003(住友化学製))とを使用して、電線外径が1.4mm、樹脂層厚さが0.35mmになるように押出し成形を行い、その後、架橋工程として750keV、8Mradの電子線を照射して樹脂層を架橋して信号線を得た。
Snを0.15%含有した銅合金線からなる径が0.08mmの素線を撚り合わせて導体を作製し、それとポリエチレン(スミカセンCU5003(住友化学製))とを使用して、電線外径が2.6mm、樹脂層厚さが0.45mmになるように押出し成形を行い、その後、架橋工程として500keV、8Mradの電子線を照射して樹脂層を架橋して電源線を得た。
得られた信号線同士を2本撚り合わせ、得られた撚り合わせた信号線と2本の電源線を更に撚り合わせるなどしてケーブルコアを作製した。
得られたケーブルコアに、ポリウレタン系樹脂である難燃架橋ポリウレタンからなる材料を使用し、ケーブル外径が8.3mmになるように押出し成形を行ってケーブルコアの周囲にシース層を形成し、その後、架橋工程として800keV、12Mradの電子線を照射してシース層を架橋して複合ケーブルを得た。
図7は、以下の屈曲試験1~3に用いる装置をマンドレルの軸方向から見た概略図である。
図7に示すように、水平かつ互いに平行に配置された2本のマンドレル51、52間、及び揺れ防止用の押え61、62間に、作製したケーブル100を鉛直方向に通し、複合ケーブル100の下方に図示しない重りを取り付けた。
そして、この状態で、複合ケーブル100の上端を左右のマンドレル51又は52の上側外周に交互に接するように(左右交互に繰り返し)屈曲させた。屈曲回数は、複合ケーブル100を左右のマンドレル51、52のいずれかの外周に接するように屈曲させた場合を1回として、カウントした。
○:10万回以上
△: 5万回以上、10万回未満
×: 5万回未満
屈曲試験2は、試験の内容は上記の屈曲試験1と同様であるが、マンドレル径を8mmとした過酷試験である。
評価は、電源線や信号線に最初に断線が生じるまでの屈曲回数が下記基準のいずれに含まれるかで行った。「○」と「△」を合格とし、「×」は不合格である。
○:10万回以上
△: 5万回以上、10万回未満
×: 5万回未満
極低温での屈曲試験を行った。
試験の内容は上記の屈曲試験1、2と同様であるが、-40℃の雰囲気で試験を行った。
評価は、電源線や信号線に最初に断線が生じるまでの屈曲回数が下記基準のいずれに含まれるかで行った。「○」と「△」を合格とし、「×」は不合格である。
○:10万回以上
△: 5万回以上、10万回未満
×: 5万回未満
なお、表Iでは、上記の屈曲試験1~3の結果をそれぞれ耐屈曲性1~3として記載した。また、表Iでは電源線等の撚り合わせの有無が「有」、「無」として示されているが、電源線等の製造の制約上、完全に撚らないことは困難であるため、撚り合わせを行わない場合(表I中の「無」の場合)には撚りが十分に小さい場合が含まれる。
また、比較例2~5は、電源線や信号線、信号線の対、電源線と信号線の全体のいずれかについて撚り合わせを行っていないものであるが、いずれも少なくとも屈曲試験2(曲げについてより厳しい条件)や屈曲試験3(極低温の条件)で比較的少ない屈曲回数で電源線や信号線に断線が生じ、繰り返し屈曲性に劣る。
例えば、図2や図3では、シース層4を1層だけ形成する場合を示したが、シース層4を複数の層として形成することも可能である。
2 信号線
3 電源線
11 センサ
12 制御デバイス
13 制御デバイス
14 アクチュエータ
21 導体
21a 素線
22 樹脂層
31 導体
31a 素線
32 樹脂層
α 空隙の占有率
Claims (5)
- いずれも導体の外周に樹脂層を有する複数の信号線及び複数の電源線を備える複合ケーブルにおいて、
前記信号線は、前記電源線よりも細く、
前記信号線の導体を構成する素線が撚り合わされており、
前記電源線の導体を構成する素線が撚り合わされており、
前記複数の信号線のうち2本以上の信号線同士が更に撚り合わされており、
前記信号線と前記電源線とが更に撚り合わされており、
前記電源線の横断面における前記導体の空隙の占有率が26~40%であり、
前記電源線は、前記導体の断面積が0.5~4.0mm 2 、前記導体を構成する素線の径が0.05~0.5mm、前記素線の引張強度が350~900MPaであることを特徴とする複合ケーブル。 - 前記電源線の前記導体を構成する素線の撚り込み率が1.03~1.07であることを特徴とする請求項1に記載の複合ケーブル。
- 前記電源線の前記樹脂層の引張弾性率が(23±2)℃で150~1000MPaであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合ケーブル。
- 前記複数の電源線に、車両のブレーキ制御用の電源線が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の複合ケーブル。
- 前記複数の電源線には、電動パーキングブレーキの制御デバイスからアクチュエータに電力を供給する電源線が含まれ、前記複数の信号線には、アンチロックブレーキシステムのセンサから制御デバイスに信号を送信するため信号線が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の複合ケーブル。
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