JP7511272B2 - Co2分離方法及び植物育成方法 - Google Patents

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使用済み浄化槽からのCO2分離方法に関し、詳しくは、ドレンの浄化用として使用された浄化槽内の吸着材からCO2の分離及び回収を行うと共に、回収したCO2を含有する排出ガスを利用して植物を育成するための方法に関するものである。
圧縮空気圧回路において、圧縮空気中の異物を除去する際に生成されるドレンには、油分等の異物や圧縮空気の圧力により多く溶け込んだCO2が含有されるため、異物を除去する浄化槽にてドレンが清浄化される際には、異物の他にCO2も分離・除去されることとなる。そして、予め規定された期間等により交換時期となった浄化槽は、充填された吸着材が取り出された後に分解・洗浄の後に再利用され、取り出された異物等を多く含む吸着材は焼却処分されることとなる。
この分解・洗浄に際しては、浄化槽内部の気圧が使用時に比べ低下するため、吸着材に吸着していたCO2が外部へ排出されることになるほか、吸着材自体の焼却によってもCO2が排出されてしまう、といった問題があった。
上記問題を解決すべく、特許第6247788号公報(特許文献1)に記載の技術提案がなされている。すなわち、特許文献1では、CO2吸着材と高温の水蒸気を接触させる直接加熱方式にて吸着材の温度を上昇させ、吸着材に吸着されたCO2の分離・回収を行う技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術提案では、排ガス中のCO2の脱着を目的としているため、吸着材がドレンの通過にて既に湿潤している本課題において採用した場合、吸着材への高温水蒸気の噴霧を行うことで、吸着材に付着している水分量を更に増加させてしまうと共に、水分の凝縮に必要な熱量も増加させてしまうという問題があり、本発明への採用は困難である。
上記問題を解決するにあたって、本出願人は、交換時期となった浄化槽の流入口へ圧縮空気を送気したところ、排出口から排出される圧縮空気内のCO2濃度について、流入時より高くなって排気されることを発見した。さらに、高濃度の窒素を流入口へ送気したところ、排出口から窒素ガスの他にCO2が同時に排気されることを確認した。
そこで、吸着材の焼却処分前に、吸着されているCO2を回収することはできないものかとの着想のもと、吸着材に吸着したCO2が、圧力を伴った空気によりある程度脱着する上記現象に着目し、使用済み浄化槽に圧縮気体を流入させることでCO2吸着材に吸着されているCO2を脱着させ、その脱着したCO2を回収するCO2分離方法を開発した。また、脱着されたCO2が含有された排気ガスの利用方法として、植栽スペースへ送気することで植物の生育を促進させる植物育成方法を開発し、本発明にかかる「CO2分離方法及び植物育成方法」の提案に至るものである。
特許第6247788号公報
本発明は、上記問題に鑑み、使用済み浄化槽内へ圧縮気体を流入させることで、該使用済み浄化槽内に充填されたCO2吸着材に吸着されているCO2を脱着させつつ回収を行うCO2分離方法、及び、CO2を含む排出ガスを利用した植物育成方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかるCO2分離方法は、中空部を有し上方及び下方が夫々開口した筒状体から成り該中空部に異物吸着材が充填された中空筒本体と、所定箇所に流入口を備え且つ締結手段を介して前記中空筒本体の下方開口端を閉塞可能な底体と、所定箇所に排出口を備え且つ締結手段を介して前記中空筒本体の上方開口端を閉塞可能な蓋体と、から成り、圧縮空気圧回路にて発生するドレンの清浄化を目的として同回路内に配設される浄化槽において、ドレンに含有されていたCO2及び異物が吸着された異物吸着材が充填されたままの使用済み浄化槽に対し、流入口から圧縮気体を送気することで、流入した圧縮気体により異物吸着材からCO2を脱着させ、圧縮気体とCO2が混合した排出ガスを排出口から排出させて回収することで、異物吸着材に吸着されたCO2を分離・回収する手段を採用する。
また、本発明は、前記圧縮気体が、圧縮空気である手段を採る。
さらに、本発明にかかる植物育成方法は、前記CO2分離方法により回収された排出ガスの利用方法であって、植栽スペースに排出ガスを送気することで、植物の生育を促進させる手段を採用する。
またさらに、本発明は、前記植栽スペースが、ビニールハウス、温室、植物工場のいずれかである手段を採用する。
本発明にかかるCO2分離方法によれば、使用済み浄化槽の流入口から圧縮気体を送気し、流入した圧縮気体により異物吸着材からCO2を脱着させることにより、吸着材の取り出しの際に大気へ放出されるCO2の量を削減することが可能となる、といった優れた効果を奏するものである。
また、本発明にかかる植物育成方法によれば、植栽スペースに排出ガスを送気することで、CO2濃度が高い雰囲気にて植物の生育が行われるため、CO2を利用して行われる光合成が促進され、大気下よりも植物の生育が促進される、といった優れた効果を奏するものである。
そして、本発明にかかる植物育成方法によれば、植栽スペースが、ビニールハウス、温室、植物工場のいずれかであることにより、気密性の高い空間内にて排出ガスを効率的に滞留させ、高いCO2濃度を維持することが可能となる、といった優れた効果を奏するものである。
本発明にかかるCO2分離方法並びに植物育成方法の実施形態を示す説明図である。
本発明にかかるCO2分離方法1は、使用済み浄化槽2内へ圧縮気体Aを流入させることにより、異物吸着材11に吸着されたCO2を脱着させ、圧縮気体とCO2が混合した排出ガスHとして分離・回収を行うことを最大の特徴とする。
また、本発明にかかる植物育成方法5は、CO2分離方法1により排出される排出ガスHを植栽スペース31内にて利用することを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかるCO2分離方法1及び植物育成方法5の実施形態について、図面に基づいて説明する。
尚、本発明にかかるCO2分離方法1及び植物育成方法5は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができるものである。
図1は、本発明にかかるCO2分離方法1並びに植物育成方法5の基本的な実施形態を示す説明図である。
本発明にかかるCO2分離方法1及び植物育成方法5は、使用済み浄化槽2と、コンプレッサ20と、植栽スペース31にて構成される。
使用済み浄化槽2は、CO2及び、油分や塵埃等の異物(以下、単に「異物」という。)が吸着された異物吸着材11を内包する筒状体である。
使用済み浄化槽2は、中空部に異物吸着材11を充填した中空筒本体10と、流入口12を備えた底体13と、排出口14を備えた蓋体15と、から構成され、圧縮空気圧回路にて発生するドレンの清浄化を目的として同回路内に配設される浄化槽であり、設置期間や吸着度合い等による基準に則り交換が必要と判断され、圧縮空気圧回路から取り外され回収された浄化槽である。
中空筒本体10は、中空部を有し、天面部及び底面が開放されている筒状体であり、中空部には異物吸着材11が充填されている。
中空筒本体10の形状は筒状体であれば特に限定はなく、円筒形状や多角筒形状が考え得る。また、中空筒本体10の構成素材等についても特に限定はしないが、一部又は全部を強化プラスチックやガラス等の透明もしくは半透明な素材を使用して、充填された吸着材の劣化状態を視認可能な態様も考え得る。
異物吸着材11は、中空筒本体10に充填されることで、圧縮空気圧回路から排出されるドレン内のCO2及び異物を吸着するものである。
異物吸着材11の素材については、ドレンに含有されるCO2や異物を吸収可能な従来公知の素材を種々適用すればよく、例えば、アミン類やゼオライト等の素材が考え得る。また、これらの素材を交互に積層して充填し、吸着効率を高めた態様も考え得る。
尚、本発明において使用済み浄化槽2に充填されている異物吸着材11には、既にドレンに含有されていたCO2や異物が吸着されている状態となっている。
底体13は、中空筒本体10の底面(下部)開口部を閉塞可能な大きさを有し、ネジ等の締結手段により装着されるものである。また、底体13の所定箇所(好ましくは平面視略中央箇所)には流入口12を備えている。
流入口12には、圧縮気体Aが送気される配管が接続され、中空筒本体10内へ流入させることとなる。
蓋体15は、天面(上部)開口部を閉塞可能な大きさを有し、ネジ等の締結手段により装着されるものである。また、蓋体15の所定箇所(好ましくは平面視略中央箇所)には排出口14を備えている。
排出口14には、圧縮気体Aと異物吸着材11から脱着したCO2とが混合した排出ガスHを送気し得る配管が接続され、排出口14から排出された排出ガスHは、後段にて回収されることとなる。
使用済み浄化槽2へ送気される圧縮気体Aは、大気を圧縮するコンプレッサ20によって生成される態様や、圧縮気体Aが充填されたボンベ等を気体供給源として配設する態様等が考え得るが、送気される気体自体については特に限定はない。例えば、大気を圧縮して生成した圧縮空気を圧縮気体Aとしてそのまま使用する態様や、異物吸着材11に付着している油分の酸化を防止するため、コンプレッサ20にて生成した圧縮気体Aに中空糸膜式の分離装置を介して高濃度の窒素ガスを生成し、使用済み浄化槽2内へ送気させる態様等が考え得る。
また、圧縮気体Aを生成するにあたって使用されるコンプレッサ20に関しては特に限定はなく、従来公知の技術を用いたものを使用すれば良い。
ところで、後述する植物育成方法5での排出ガスHの利用に際し、植物の育成には、CO2だけでなく適度のO2も必要となる。また、植栽スペース31での人的作業を行うにあたっては、人が呼吸するためのO2も必要である。したがって、圧縮気体AとCO2とが混合した排出ガスHの中に、O2が含まれることが好適であり、そのために圧縮気体Aについて圧縮空気とすることが望ましい。
一般に大気中には、窒素が78.1%、O2が20.1%、Arが0.9%、CO2が0.04%、更に残余%としてその他の微量成分が含まれているが、使用済み浄化槽2を経由して排出口14から排出される排出ガスHは、流入時に比して2~3倍ほどCO2濃度が濃いことが判っている。すなわち、使用済み浄化槽2から排出される排出ガスHには、多くのCO2が含まれている。
排出ガスHは、圧縮気体AとCO2が混合されたガス体であり、使用済み浄化槽2の排出口14から排出されるものである。
排出ガスHは、流入口12から流入した圧縮気体Aの作用により異物吸着材11に吸着されていたCO2が脱着した後に、圧縮気体AとCO2が混合されたものであり、中空筒本体10内を上昇し排出口14から排出される。そして、排出ガスHは、排出用配管を介して後段に送気されることとなる。
排出ガスHの回収方法については特に限定はなく、例えば、図1のように排出ガスHを、CO2濃度が高いガスとしてそのまま排出ガスタンク30に貯留及び回収する態様や、図示してはいないが、排出用配管の所定箇所に設けた中空糸膜式の分離装置を介することにより、高濃度の窒素ガスとCO2を含むガスとに分離させ夫々をタンク等により回収する態様等が考え得る。
使用済み浄化槽2より排出される排出ガスHは、後段にそのまま送気される態様の他に、図示の様に排出ガスタンク30等の貯留設備に一旦貯留し、後段の設備の必要量に応じて送気される態様も考え得る。かかる態様を採ることにより、既に貯留されている排出ガスHに送出された排出ガスHが追加流入していくことで、貯留されている排出ガスH全体におけるCO2濃度の急激な増減を緩和させることが可能となり、CO2濃度の安定化に資することとなる。また、図示してはいないが、排出ガスタンク30内にCO2濃度計を備えることで、後段に送気可能な排出ガスHのCO2濃度を把握可能となり、後段の施設にて必要なCO2濃度に対する排出ガスHの供給量の算定が簡便となる。
使用済み浄化槽2より排出され排出ガスHを利用可能な施設として、図示したように植栽スペース31が考えられ、該植栽スペース31に排出ガスHを送気することで、本発明にかかる植物育成方法5が構成される。
植栽スペース31は、一般的に、ビニールハウスや、温室、建屋内に設けられる植物工場といった、植物の生育に使用される密閉可能な空間施設であり、かかる植栽スペース31内に排出ガスHが充填されることとなる。植栽スペース31への送気は、図示の様に排出ガスタンク30など貯留設備に一旦貯留して後に送気する態様のほか、使用済み浄化槽2から直で送気する態様であってもよい。
植栽スペース31にて栽培されている植物には特に限定はなく、植栽スペース31として使用できる植付面積や栽培方法(例えば、施設栽培や、水耕栽培)等を考慮しつつ適宜選択される。
植物の生育時に行われる光合成には、光、水分、そしてCO2が使われているが、光合成時に周囲のCO2濃度が高い場合、光合成の速度が速まり植物の生育を促進させる効果がある。そのため、植栽スペース31内に排出ガスを送気・充填し、CO2濃度を高く維持することで、植栽スペース31にて栽培されている植物の生育を促進させることが可能となる。この際、図示してはいないが、植栽スペース31内に備えられるCO2濃度計と排出ガスタンク30内に備えたCO2濃度計の値を自動もしくは手動にて取得することで、植栽スペース31の目標CO2濃度までに必要な排出ガスHの送気量を自動算定し、植栽スペース31内へ排出ガスHを流入させるバルブ32の開閉を自動的に行う、といった動作等を制御する制御部が植栽スペース31近傍に設けられる態様も好適である。
以上の構成から成るCO2分離方法1及び植物育成方法5について、その主な動作及び作用を図1に基づき説明する。
まず、コンプレッサ20にて生成された圧縮気体Aは、使用済み浄化装置2へ向けて送気され、流入口12から中空筒本体10内へ流入する。中空筒本体10へ流入した圧縮気体Aは、該中空筒本体10内に充填された異物吸着材11に吸着しているCO2を脱着させつつ上昇し、脱着後のCO2と混合された排出ガスHとして排出口14より排出されることとなる。そして、排出口14より排出された排出ガスHは、配管を介して排出ガスタンク30へ貯留されることでCO2濃度を安定化させた後、必要量を植栽スペース31へ送気されることで、植栽スペース31内のCO2濃度を上昇させることとなる。
以上、本発明にかかるCO2分離方法1及び植物育成方法5の基本的構成態様、並びに、動作・作用について説明したが、本発明は、上記実施形態や図面に示す構成態様に限定するものではない。例えば、中空糸膜式の分離機を介し高濃度の窒素ガスとなった圧縮気体Aを使用済み浄化装置2へ流入させ、異物吸着材11から脱着したCO2と圧縮気体Aが混合された排出ガスHが排出口14より排出された後、別の中空糸膜式の分離機を介することで高濃度の窒素ガスとCO2を多く含むガスに分離させ、分離後の高濃度の窒素ガスと圧縮気体Aを合流させた後に再度使用済み浄化槽2へ流入させ、さらに分離機によって分離したCO2を多く含むガスを、植栽スペース31内のCO2濃度調整用ガスとして大気と混合し流入させる、といった態様も考え得る。
以上のように、本発明にかかるCO2分離方法及び植物育成方法は、使用済み浄化槽2へ圧縮気体Aを送気することによって、異物吸着材11に吸着しているCO2が脱着され、圧縮気体Aと脱着したCO2が混合した圧縮排気Hとなって後段へ排出された後、植栽スペース31内のCO2濃度を上昇させるために利用することが可能であって、異物吸着材11の取り出し及び焼却処分時に外部へ放出されるCO2量の低減と、植物育成において必要なCO2の効率的な創出に資することとなる。
本発明は、CO2の吸着を行う浄化槽を使用するあらゆる分野において、吸着材の交換や処分時に放出されてしまうCO2の量を低減させるCO2分離方法として採用することが可能であり、吸着材から脱着したCO2が含有される排出ガスも、植栽スペースに送気することでCO2濃度を高め、植物の生育を促進させることが可能であって、地球温暖化の原因ともいわれる大気中のCO2削減の施策として、その一翼を担うものである。したがって、本発明にかかる「CO2分離方法及び植物育成方法」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 CO2分離方法
2 使用済み浄化槽
5 植物育成方法
10 中空筒本体
11 異物吸着材
12 流入口
13 底体
14 排出口
15 蓋体
20 コンプレッサ
30 排出ガスタンク
31 植栽スペース
32 バルブ
A 圧縮気体
H 排出ガス


Claims (4)

  1. 中空部を有し上方及び下方が夫々開口した筒状体から成り該中空部に異物吸着材が充填された中空筒本体と、所定箇所に流入口を備え且つ締結手段を介して前記中空筒本体の下方開口端を閉塞可能な底体と、所定箇所に排出口を備え且つ締結手段を介して前記中空筒本体の上方開口端を閉塞可能な蓋体と、から成り、圧縮空気圧回路にて発生するドレンの清浄化を目的として同回路内に配設される浄化槽において、
    ドレンに含有されていたCO2及び異物が吸着された異物吸着材が充填されたままの使用済み浄化槽に対し、流入口から圧縮気体を送気することで、流入した圧縮気体により異物吸着材からCO2を脱着させ、圧縮気体とCO2が混合した排出ガスを排出口から排出させて回収することで、異物吸着材に吸着されたCO2を分離・回収することを特徴とするCO2分離方法。
  2. 前記圧縮気体が、圧縮空気であることを特徴とする請求項1に記載のCO2分離方法。
  3. 請求項2に記載のCO2分離方法により回収された排出ガスの利用方法であって、植栽スペースに排出ガスを送気することで、植物の生育を促進させることを特徴とする植物育成方法。
  4. 前記植栽スペースが、ビニールハウス、温室、植物工場、のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の植物育成方法。

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