JP7512311B2 - 薬剤投与装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体の体表上に装置本体を貼り付けて留置する薬剤投与装置に関する。
薬剤投与装置は、所望の投与量の薬剤を適切なタイミングで生体に投与する医療機器である。例えば、特表2013-500793号公報に開示のシステム(薬剤投与装置)は、体表から体内に挿入されて留置される針装置(針部)と、薬剤を貯留した送達装置(装置本体)と、装置本体から針部に薬剤を流通可能な注入路(チューブ)とを備える。
また、特表2013-500793号公報に開示の薬剤投与装置は、装置本体を体表に固定するためのベース(シール体)を有する。このシール体の底面には、薬剤投与装置の使用前まで粘着面を保護する台紙(可剥性被覆層)が貼り付けられている。
ところで、この種の薬剤投与装置は、留置時に、針部の留置を行い、次に針部に連なるチューブと装置本体を接続し、さらに針部の近傍位置に装置本体を貼り付ける(留置する)作業を行う。しかしながら、チューブの端部と装置本体との接続、及び装置本体の留置においては、チューブの長さよりも遠い位置に装置本体を留置する、或いは装置本体のシール体から台紙を剥がす操作をした際に留置済の針部を引っ張る等の事象が生じ易い。すなわち、従来の薬剤投与装置は、ユーザが針部の留置位置やチューブの長さに応じて装置本体を安定的に留置させることが難しいという課題がある。
本発明は、上記のように針部と装置本体をチューブで接続した薬剤投与装置でも、簡単な構成によって生体の体表上に装置本体を良好に留置させることができる薬剤投与装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一態様は、生体に挿入されて留置される針部と、前記針部とは別に設けられ先端部から薬剤を送出可能な装置本体と、前記針部と前記装置本体の先端部との間で前記薬剤を流通可能なチューブとを備える薬剤投与装置であって、前記装置本体は、前記生体の体表に貼り付けられる粘着面を有するシール体と、使用前に前記粘着面を露出可能に覆う台紙とを備え、前記台紙は、前記シール体の先端部側を覆う第1台紙と、少なくとも前記シール体の基端部側を覆う第2台紙とを含み、前記第2台紙は、前記粘着面を覆う被覆部と、前記被覆部の先端に連なると共に前記被覆部の先端から折り返して前記装置本体の基端部を超えて延在する操作部とを有する。
上記の薬剤投与装置は、針部と装置本体をチューブで接続した構成でも、簡単な構成によって生体の体表上に装置本体を良好に留置させることができる。
本発明の一実施形態に係る薬剤投与装置の全体構成を示す斜視図である。 図1の薬剤投与装置の側面断面図である。 本体側シール体及び本体側台紙を示すために装置本体を体表の貼り付け側から見た斜視図である。 薬剤投与装置の留置方法を示すフローチャートである。 薬剤投与装置のコネクタ同士の接続動作を示す説明図である。 第1台紙の剥離動作を示す説明図である。 第2台紙の剥離動作を示す説明図である。 変形例に係る薬剤投与装置の本体側シール体及び本体側台紙を示す斜視図である。
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る薬剤投与装置10は、図1に示すように、患者(生体)の腹部等の体表上に留置されて、体内に薬剤を自動的に投与するように構成されている。例えば、薬剤投与装置10は、患者に医療処置を行った後に所定時間経過したタイミングで薬剤を患者に投与する場合、又は時間をかけて徐々に薬剤を投与する場合等に使用される。薬剤投与装置10が投与する薬剤は、特に限定されるものではないが、抗体薬、抗がん剤、化学療法剤、麻酔薬、抗生物質、インスリン、血液製剤、栄養剤等の液体の医薬品があげられる。
薬剤投与装置10は、針部20と、薬剤を供給可能な装置本体30と、針部20と装置本体30との間で薬剤を流通可能なチューブ40とを備える。すなわち、薬剤投与装置10は、装置本体30と針部20とを離した状態とし、針部20を単独で取り扱い可能としている。これにより、薬剤投与装置10は、留置時に、体表上の所望位置に針部20を容易且つ精度よく位置決めすることができる。
図1及び図2に示すように、薬剤投与装置10の針部20は、体表から体内(皮下)にカテーテル22を挿入して留置することで薬剤の導入部を構築する構造部である。また針部20は、カテーテル22を患者に留置する前は挿入装置50に組付けられており、挿入装置50の内針52がカテーテル22内を貫通している。薬剤投与装置10のユーザは、カテーテル22と内針52が重なった多重針12を体内に穿刺し、さらに穿刺状態でカテーテル22から内針52を引き抜く(針部20から挿入装置50を離脱させる)ことで、カテーテル22を患者に留置する。なお、図1及び図2は、本発明の理解の容易化のために、針部20と挿入装置50の分離状態を図示している。
具体的に、針部20は、カテーテル22(外針)と、カテーテル22の基端を保持すると共にチューブ40が連結されるハブ24と、ハブ24を体表上に貼り付ける針部側シール体26とを有する。
カテーテル22は、可撓性を有し、薬剤を流通可能な内腔22aが内部に形成された管体であり、ハブ24の下面(体表の対向面)から下方向に突出している。内腔22aは、カテーテル22の先端開口22a1に連通すると共に、カテーテル22の基端側においてハブ24内の空間部24aに連通している。多重針12の状態では、内腔22aに内針52が挿通し、内針52の針先が先端開口22a1から突出している。カテーテル22の基端部は、接着、溶着、かしめ等の適宜の固定手段によってハブ24に固定される。本実施形態では、ハブ24に対してかしめピン(不図示)をかしめることでカテーテル22を固定している。
ハブ24は、カテーテル22よりも硬質な樹脂材料によって構成され、内針52を上下方向に挿通可能であり、且つカテーテル22の内腔22aとチューブ40の流通路40aを連通する空間部24aを内部に有する。ハブ24は、挿入装置50の下部に係合可能な外形を呈しており、所定の側面にはチューブ40を接続するための流入ポート25が設けられている。また、ハブ24の下部には、平坦状のハブ基板24bが形成され、このハブ基板24bの下面に針部側シール体26が貼り付けられている。
針部側シール体26は、可撓性を有し、ハブ基板24bよりも面方向に広いシート状に形成されている。針部側シール体26の一方面(上面)の略中央部には、ハブ基板24bが貼り付けられる上部粘着面(不図示)が設けられている。
また、針部側シール体26の他方面(下面)の全面には、体表に貼付可能な下部粘着面(不図示)が設けられ、針部20の使用前にはこの下部粘着面に針部側台紙27が貼り付けられている。この針部側台紙27は、針部側シール体26から突出して、ユーザが摘まむことが可能な耳片27aを有する。針部側台紙27において針部側シール体26が貼り付けられる上面(対向面)及び後記の本体側台紙70の上面には、粘着面に対して剥離を容易化するコーティングが設けられている。
さらに、ハブ24は、カテーテル22の上方位置に空間部24aを閉塞する弁体28を有する。内針52は、針部20と挿入装置50の組付状態で、弁体28を貫通してカテーテル22の内腔22aに挿通されている。また、ハブ24の上面において弁体28の径方向外方には、挿入装置50の組付状態で、挿入装置50に係合する係合穴29が一対設けられている。
挿入装置50は、組付状態で、針部20に対して上方向に離間可能に取り付けられ、ユーザの操作下に多重針12を患者の体内に挿入(穿刺)する。挿入装置50は、内針52と、内針52を保持する内針保持部53と、内針52及び内針保持部53の外側を囲う操作筐体54とを有する。操作筐体54は、ユーザが把持及び操作し易くなるように、適度な上下方向長さと太さを有するように形成されている。内針52は、内針保持部53に固定され、筒状の操作筐体54の軸心を延在している。
また、内針52と操作筐体54との間には、一対の係合片56が下方に向かって延出している。一対の係合片56は、ハブ24の一対の係合穴29に各々挿入され、径方向外側に突出している下端部がハブ24内の図示しない切り欠きに引っ掛かることで、針部20と挿入装置50を離脱可能に係合する。ハブ24と各係合片56との係合力は、針部側シール体26を体表に貼り付けた状態の粘着力よりも弱く設定され、針部側シール体26と体表の貼付状態でユーザが挿入装置50を引き上げると、ハブ24に対する各係合片56の係合が解除される。
なお、針部20及び挿入装置50は、上記の構成に限定されず、種々の構成を採用してよい。例えば、挿入装置50は、図示しない操作手段(ボタン等)の操作に基づき、操作筐体54が保持する針部20(カテーテル22)及び内針52を進出して体内に穿刺する穿刺機構を具備してもよい。また挿入装置50は、多重針12を体内に挿入した後に、カテーテル22と相対的に内針52を自動的に引き上げることで、内針52の誤刺を防止する内針保護機構を具備してもよい。
一方、薬剤投与装置10の装置本体30は、薬剤を貯留すると共に、適宜のタイミングで先端部31から薬剤を送出する機能を有する。この装置本体30は、装置本体30の各構成を収容する収容空間が内部に形成されたケース32を有する。ケース32内には、薬剤を貯留するコンテナ33と、コンテナ33内のガスケット34を移動させる移動機構35と、移動機構35の動作を制御する制御部36と、装置本体30の各構成に電力を供給可能な電源部(不図示)とが設けられている。
ケース32は、平面方向に大きい一方で、厚み方向に低く形成された略直方形状を呈している。ケース32の側周囲は、四隅がR状に形成されることで側壁32aが滑らかに周回している。ケース32の上部(留置時に露出する面)には、薬剤の貯留量等を視認可能な図示しない表示部が設けられているとよい。ケース32の下部は、平坦状の下壁部32bとなっている。また、ケース32の側壁32aにおいて短辺の一方には、チューブ40が接続される本体側コネクタ38が設けられている。本実施形態においては、ケース32の短辺の一方及び本体側コネクタ38の設置範囲が、装置本体30の先端部31に相当する。
コンテナ33は、シリンジ状に形成され、適量の薬剤を貯留する貯留空間33aを有すると共に、貯留された薬剤を流出する流出ポート39を先端に有する。流出ポート39は、ケース32の先端側の側壁32aを貫通して円筒状の本体側コネクタ38内に挿入されている。また流出ポート39は、貯留空間33aに連通する図示しない流出路を有し、この流出路には弁体39aが装着されている。
流出ポート39に接続される本体側コネクタ38は、装置本体30の先端部31を構成し、ケース32から先端方向に短く突出している。本体側コネクタ38の外周面には、後記のチューブ側コネクタ42を接続するための凹凸が形成されると共に、一対の取付用穴部38a(図3参照)が設けられている。
一方、ガスケット34は、コンテナ33内に充填された薬剤の基端側を液密且つ摺動可能に塞いでいる。このガスケット34の基端には当該ガスケット34を進出させるプランジャ34aが取り付けられている。
移動機構35は、プランジャ34aを変位させる可動体35aと、可動体35aが取り付けられるネジ部材35bと、ネジ部材35bを回転させるギヤ機構35cと、ギヤ機構35cに回転駆動力を付与するモータ35dとを含む。可動体35aとネジ部材35bとは、ネジ部材35bの回転を可動体35aの直動運動に変換するボールネジ機構を構成している。ネジ部材35bは、プランジャ34aの軸方向(矢印A方向)と平行に延在し、その両端部が図示しない軸受によって軸支されている。ギヤ機構35cは、複数のギヤを介してモータ35dの回転駆動力をネジ部材35bに伝達する。モータ35dは、制御部36の制御下に電力供給がなされることで適宜の回転速度で回転する。なお、プランジャ34aを変位させる移動機構35は、上記の構成に限らず、例えば、磁力、バネ、ガス(流体)等を利用したものであってもよい。
制御部36は、図示しないプロセッサ、メモリ及び入出力インタフェースを有するコンピュータに構成され、移動機構35のモータ35dの動作を制御する。また制御部36は、通信モジュールを有し、例えば、制御部36と通信可能な図示しないコントローラ(専用の通信コンピュータ、又は汎用の通信機器(スマートフォン等))により、薬剤の投与タイミング、投与速度、投与量等を設定可能としている。そして、制御部36は、薬剤投与装置10を体表に留置した後に投与開始のタイミングを計り、投与開始タイミングでモータ35dを適宜の回転量で回転させて、可動体35aを先端方向に徐々に移動させる。これにより、装置本体30は、コンテナ33の先端側にプランジャ34a及びガスケット34を押し込み、コンテナ33内の薬剤を流出ポート39から流出させる。
薬剤投与装置10のチューブ40は、所定長さ延在し薬剤を流通可能な流通路40aを内部に有する可撓管に構成されている。チューブ40の一端部は、針部20(ハブ24)の流入ポート25に対して接着、溶着、かしめ等の適宜の固定手段により固定されている。そして、チューブ40の他端部には、本体側コネクタ38に着脱自在に装着可能なチューブ側コネクタ42が固定されている。チューブ40の長さは、特に限定されないが、例えば、0.1cm~10cm程度の範囲に設定されることが好ましい。
チューブ側コネクタ42は、チューブ40に固定されると共に本体側コネクタ38を装着可能な筒体43と、筒体43内の中心軸に沿って突出する中空針44とを有する。筒体43は、チューブ40が予め固定された固定部分と、本体側コネクタ38が挿入される被挿入部分とを有する段差状に構成されている。被挿入部分には、一対の可動片43aが設けられ、可動片43aの突出端の内側には図示しない接続爪が突出形成されている。接続爪は、チューブ側コネクタ42と本体側コネクタ38の装着時に、本体側コネクタ38の一対の取付用穴部38a(図3参照)に係合することで、チューブ40と装置本体30とを相互に接続する。
中空針44の内部には、チューブ40の流通路40aに連通する針孔(不図示)が設けられている。中空針44は、チューブ側コネクタ42を本体側コネクタ38に接続した際に、流出ポート39の弁体39aを貫通し、針孔とコンテナ33の貯留空間33aとを連通させる。
そして、本実施形態に係る薬剤投与装置10の装置本体30は、本体側シール体60によって患者の体表に貼り付けられる。本体側シール体60は、平面視で、角部がR状の長方形状に形成されている。より詳細には、本体側シール体60は、ケース32の下壁部32bに相似し、当該下壁部32bよりも面方向に広いシート状を呈し、可撓性を有している。本体側シール体60の基端部には、基端方向に短く突出する突出部61が形成されている。
また、本体側シール体60の一方面(上面)には、ケース32の下壁部32bに貼り付けるための上部粘着面62が設けられている。上部粘着面62の形状は、下壁部32bの形状に略一致又は下壁部32bよりも若干小さく形成されている。本体側シール体60は、上部粘着面62よりも外側の上面が粘着性を有さない非粘着領域63となっている。本体側シール体60は、上部粘着面62と非粘着領域63との相違によって、ケース32の貼付位置を案内することができる。
本体側シール体60の非粘着領域63を構成する先端側の短辺は、装置本体30と本体側シール体60の貼付状態で、ケース32から本体側コネクタ38が突出している突出量よりも少ない突出量で突出している。非粘着領域63を構成する本体側シール体60の幅方向両側の長辺及び基端側の短辺は、先端側の短辺の突出量と略同じ突出量で突出している。本体側シール体60の非粘着領域63は、装置本体30と本体側シール体60の貼付状態でも、本体側シール体60の可撓性によって容易に変形することができる。
図2に示すように、本体側シール体60の他方面(下面)には、装置本体30を体表に貼り付けるための下部粘着面64が設けられている。下部粘着面64は、本体側シール体60(突出部61を含む)の下面全体に形成されている。従って、本体側シール体60は、体表への貼付状態で、上面の上部粘着面62と非粘着領域63の両方の反対面が体表に密着する。
そして、薬剤投与装置10は、装置本体30を体表に貼り付ける前に、本体側シール体60の下部粘着面64を露出可能に覆う本体側台紙70を有する。図3に示すように、この本体側台紙70は、複数(本実施形態では2枚)の台紙によって構成されている。第1台紙72は、本体側シール体60の先端部側の下部粘着面64を覆う一方で、第2台紙80は、本体側シール体60の基端部側の下部粘着面64を覆う。なお、本実施形態の第2台紙80は、先端が第1台紙72に若干重なるように延在し、第1台紙72の基端に接触している。
第1台紙72は、本体側シール体60の幅方向に(先端側の短辺に沿って)延在し、その両端部が本体側シール体60の長辺よりも外側に突出している。すなわち、第1台紙72の長手方向は、装置本体30及び本体側シール体60の幅方向に一致している。以下では、第1台紙72において本体側シール体60に重なる箇所を第1台紙被覆部74という。
第1台紙72の第1台紙被覆部74は、本体側シール体60の先端部側の短辺を幅方向に直線状に延在している。第1台紙被覆部74(第1台紙72)の基端は、ケース32の下壁部32b(本体側シール体60の上部粘着面62)よりも僅かに先端側に位置する。その一方で、第1台紙72の最先端は、本体側シール体60の最先端に一致している。なお、第1台紙72の基端は、ケース32の下壁部32bの先端側と多少重なっていてもよい。
第1台紙72は、装置本体30の先端部31(本体側コネクタ38の近接位置又は重なる位置)の本体側シール体60を覆っていれば、その範囲は特に限定されないが、第2台紙80よりも小さい範囲を覆っていることが好ましい。例えば、第1台紙72は、本体側シール体60の最先端から基端方向に向かって下部粘着面64の1/3以下の範囲を覆っているとよい。
第1台紙72と第2台紙80が相互に重なる部分において、第1台紙72は、本体側シール体60に対して第2台紙80よりも下方に離れた位置にある(換言すれば、第1台紙72は、下部粘着面64との間に第2台紙80を挟んでいる)。従って、第1台紙72において第2台紙80に重なる部分は、本体側シール体60に貼り付けられていない。これにより本体側台紙70は、ユーザに対して先に第1台紙72を剥がし、次に第2台紙80を剥がすように案内することができる。なお、本体側台紙70は、第2台紙80が本体側シール体60に対して第1台紙72よりも離れた位置に配置されていてもよい。
第1台紙72の幅方向両側に突出する一対の突出部分は、第1台紙72を剥がす際にユーザが摘まむ部分(以下、第1台紙操作部76という)を構成している。各第1台紙操作部76が幅方向に突出する突出長さは、第1台紙被覆部74の短辺方向の長さよりも長い。また、一対の第1台紙操作部76の突出端は、基端から先端側に向かって幅方向内側に湾曲した円弧状に形成されている。なお、第1台紙操作部76は、本体側シール体60の両辺部のうちいずれか一方のみに突出してもよい。
一方、第2台紙80は、第1台紙72が剥がされた後に、装置本体30を体表に留置するために剥がされる台紙である。第2台紙80が延在する方向(長手方向)は、装置本体30(ケース32)の長手方向に一致し、第1台紙72の長手方向に対しては直交する方向である。この第2台紙80は、本体側シール体60を覆う第2台紙被覆部82と、この第2台紙被覆部82の先端に連なると共に当該第2台紙被覆部82の先端から折り返して基端方向に延在する第2台紙操作部84とを有する。
第2台紙被覆部82は、本体側シール体60の基端部側(突出部61を含む)の形状に略一致し、第1台紙72の基端に重なる一部分と、下部粘着面64において第1台紙72が覆っていない箇所全体とを覆う。第2台紙被覆部82の先端において第1台紙被覆部74に重なる部分の長さは、第1台紙72の短手方向の長さの1/5以下程度に設定されるとよい。
第2台紙被覆部82は、本体側シール体60の最基端から先端方向に向かって2/3以上の範囲を覆うように構成されている。第2台紙80が本体側シール体60の基端部側の2/3以上を覆うことで、第1台紙72の剥離後に本体側シール体60を体表に仮貼りする際も下部粘着面64の多くの部分を被覆した状態となり、下部粘着面64へのユーザの接触を良好に抑制することができる。
第2台紙操作部84は、第2台紙被覆部82の先端から装置本体30の基端部を超える範囲に延在している。第2台紙80の先端は、第2台紙被覆部82に対して第2台紙操作部84が折り畳まれることにより、折り目86が強く形状付けられている。この折り目86は、薬剤投与装置10の使用前状態で、第1台紙72の基端に覆われている。
第2台紙操作部84は、基端方向に向かって徐々に幅狭となり、装置本体30の基端部から突出する部分において幅方向中央部且つ基端方向に突出する突出片84aを有する。突出片84aは、ケース32の基端部及び本体側シール体60の基端よりも基端方向に延出していることで、第2台紙80を剥がす際にユーザに摘まませる部分となる。すなわち、ユーザは、突出片84aを摘まんだ状態で、突出片84aを基端方向に引っ張ることにより本体側シール体60から第2台紙80を容易に剥がすことが可能となる。
本実施形態に係る薬剤投与装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下この薬剤投与装置10の留置方法について説明する。
薬剤投与装置10は、その使用において、ユーザにより針部20、装置本体30及びチューブ40が患者の体表に留置され、この留置後に、制御部36の制御下に患者に対する薬剤の自動投与を行う。図4に示すように、薬剤投与装置10の留置時には、針部20を留置する針部留置ステップ(ステップS1)、チューブ40と装置本体30を接続するチューブ接続ステップ(ステップS2)、装置本体30を留置する本体留置ステップ(ステップS3)を順に行う。
具体的には、薬剤投与装置10は、針部20と挿入装置50が組付けられている一方で、針部20に連結されたチューブ40と装置本体30とが分離している状態でユーザに提供される。なお、針部側シール体26及び本体側シール体60は、針部20及び装置本体30に予め貼り付けられた状態で提供されてもよく、針部20及び装置本体30とは別に付属した状態で提供され、薬剤投与装置10の使用前にユーザが貼り付ける構成でもよい。
針部留置ステップにおいて、ユーザは、まず針部20に固着されている針部側シール体26から針部側台紙27を剥がした状態とする。そしてユーザは、挿入装置50を把持して体表の所望位置の直上に針部20を位置決めし、体表に向けて挿入装置50を下ろすことで、ハブ24の下面から突出する多重針12を体内に穿刺する。この穿刺操作に伴って針部側シール体26は体表に貼り付けられる。
穿刺後に、ユーザは、針部20に対して挿入装置50を相対的に引き上げることで、針部20と挿入装置50の係合を解除し、カテーテル22から内針52を抜き出す。この際、針部側シール体26に貼り付けられた針部20は、体表に固着された状態を維持する。また針部20の弁体28を挿通していた内針52が弁体28から抜けると、弁体28は自己閉塞して血液の漏れを阻止する。この針部20からの内針52の離脱によって、針部20の留置が終了する。
次にチューブ接続ステップにおいて、ユーザは、図5に示すように、針部20から延出しているチューブ40のチューブ側コネクタ42と、装置本体30の本体側コネクタ38との接続を行う。接続時に、ユーザは、チューブ側コネクタ42の筒体43内に本体側コネクタ38を挿入することで、チューブ側コネクタ42の中空針44を弁体39aに刺し込む。これにより、中空針44を介してチューブ40の流通路40aとコンテナ33の貯留空間33aが連通する。そして、本体側コネクタ38の奥部にチューブ側コネクタ42の先端が達すると、一対の可動片43aの接続爪が本体側コネクタ38の一対の取付用穴部38aに引っ掛かることで、チューブ側コネクタ42と本体側コネクタ38が相互に液密に係合する。
そして、最後の本体留置ステップにおいて、ユーザは、図6に示すように、まず装置本体30の第1台紙72を剥がす第1台紙剥離ステップを行う。第1台紙剥離ステップにおいて、ユーザは、本体側シール体60から突出している一対の第1台紙操作部76のうち一方を摘まんで本体側シール体60の幅方向に沿って第1台紙72を引っ張る。これにより第1台紙72は本体側シール体60から容易に剥がされ、本体側シール体60の先端部側が露出される。
第1台紙剥離ステップ後、ユーザは、互いに接続したチューブ側コネクタ42と本体側コネクタ38とを適切な間隔で配置するように、露出された本体側シール体60の先端部側を体表に仮貼りして、装置本体30の先端側を位置決めする(図7も参照)。すなわち、ユーザは、体表上において針部20の留置箇所の近傍位置に互いに接続したチューブ側コネクタ42と本体側コネクタ38とを誘導して、本体側シール体60の先端部側により本体側コネクタ38を仮固定することができる。従ってユーザは、装置本体30とチューブ40との接続を安定的に保つことができる。
そして装置本体30を仮固定した状態で、ユーザは、図7に示すように本体側シール体60から第2台紙80を剥がす第2台紙剥離ステップを行う。第2台紙剥離ステップでは、本体側シール体60の先端側が体表に貼り付けられた状態で、ユーザが装置本体30の基端側から突出している突出片84aを摘まんで、第2台紙操作部84を基端方向に引っ張る。これにより、本体側シール体60は、既に貼り付けられた先端側の貼り付けを維持したまま、第2台紙被覆部82が先端から基端方向に剥がれていく。本体側シール体60の下部粘着面64は、第2台紙80の剥離に伴って露出されると、近くで対向している体表に直ちに貼り付けられる。ユーザが第2台紙操作部84を引ききると、露出された下部粘着面64全体が体表に貼り付けられる。
すなわち、ユーザは、先に位置決めされた装置本体30及び本体側シール体60から第2台紙80を剥がすだけで、装置本体30の位置をずらすことなく針部20の近傍位置に装置本体30を配置することができる。これにより、薬剤投与装置10は、装置本体30のセット時におけるチューブ40の引っ張り等をなくして、装置本体30を良好に留置することができる。
装置本体30の留置状態で、本体側シール体60はケース32の外側に非粘着領域63を有し、この非粘着領域63の背面の下部粘着面64が体表に貼り付けられている。これにより、例えばケース32を引っ張る等の外力が加わっても、非粘着領域63の本体側シール体60が撓みつつ体表との貼付状態を継続し、本体側シール体60が直ちに剥がれることが抑制される。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。例えば、本体側台紙70は、第1台紙72と第2台紙80の2枚によって構成されるだけでなく、3枚以上によって構成され得る。一例として、第1台紙72を、長手方向中央部で分割した2枚の台紙とすることで本体側シール体60の先端側を覆う構成としてもよい。また、本体側台紙70は、第1台紙72と第2台紙80が相互に重なる部分を有さずに、第2台紙80の先端が第1台紙72の近傍位置に(接触せずに)配置された構成でもよい。
さらに、本実施形態では、第1台紙操作部76を本体側シール体60の幅方向外側に突出させることで第1台紙72の剥離方向を、第2台紙80の剥離方向と直交する幅方向とした。しかしながら、第1台紙72の剥離方向は、本体側シール体60の先端方向や基端方向であってもよく、この場合、第1台紙操作部76は第1台紙被覆部74の先端辺や基端辺に連続した構成とすればよい。
また、薬剤投与装置10の留置方法も、上記の手順に限定されない。例えば、ユーザは、チューブ接続ステップにおいてチューブ40のチューブ側コネクタ42と、装置本体30の本体側コネクタ38とを接続する前に、第1台紙剥離ステップを行ってもよい。これにより、本体側シール体60を介して装置本体30の先端側を体表に仮貼りすることが可能となり、ユーザは、仮貼りの状態でチューブ側コネクタ42と本体側コネクタ38とを容易に接続することができる。この手順によって、コネクタ同士の接続時に、チューブ40を介して先に留置した針部20を引っ張る等の不都合が低減される。
さらに、図8に示す変形例のように、第2台紙80Aは、平面視で、第2台紙操作部84が第2台紙被覆部82と同形状に形成されていてもよい。第2台紙被覆部82と第2台紙操作部84とが互いに同形状であれば、第2台紙被覆部82に対し第2台紙操作部84を折り返した状態で第2台紙被覆部82及び第2台紙操作部84をまとめて型抜きすることで、第2台紙80Aを容易に製造することができる。
上記の実施形態から把握し得る技術的思想及び効果について、以下に記載する。
本発明の一態様は、生体に挿入されて留置される針部20と、針部20とは別に設けられ先端部31から薬剤を送出可能な装置本体30と、針部20と装置本体30の先端部31との間で薬剤を流通可能なチューブ40とを備える薬剤投与装置10であって、装置本体30は、生体の体表に貼り付けられる粘着面(下部粘着面64)を有するシール体(本体側シール体60)と、使用前に粘着面を露出可能に覆う台紙(本体側台紙70)とを備え、台紙は、シール体の先端部側を覆う第1台紙72と、少なくともシール体の基端部側を覆う第2台紙80、80Aとを含み、第2台紙80、80Aは、粘着面を覆う被覆部(第2台紙被覆部82)と、被覆部の先端に連なると共に被覆部の先端から折り返して装置本体30の基端部を超えて延在する操作部(第2台紙操作部84)とを有する。
上記の薬剤投与装置10は、装置本体30の先端部31にチューブ40を接続する際に第1台紙72を剥がしてシール体(本体側シール体60)の先端部側を体表に仮貼りした状態とすることができ、チューブ40と装置本体30とを容易に接続可能とする。また、チューブ40と装置本体30の接続後に第2台紙80、80Aを剥がす際には、装置本体30の基端部から延在する操作部(第2台紙操作部84)を引っ張ることで第2台紙80、80Aを簡単に離脱させることができる。この際、装置本体30はシール体の先端部側が位置決めされているので、留置後の針部20に外力がかかることが抑制される。すなわち、第1台紙72及び第2台紙80、80Aを有するという簡単な構成によって、針部20と装置本体30をチューブ40で接続した薬剤投与装置10であっても、生体の体表上に装置本体30を良好に貼り付けることができる。
また、第1台紙72は、シール体(本体側シール体60)の最先端から基端方向に向かって1/3以下の範囲を覆っている一方で、第2台紙80、80Aは、シール体の最基端から先端方向に向かって2/3以上の範囲を覆っている。これにより、ユーザは、第1台紙72の剥離によって露出したシール体の先端側を体表上の所望位置に容易に位置決めして仮貼りすることができる。その後、ユーザは、第2台紙80の剥離によってシール体全体を体表に強固に貼り付けることができる。
また、第2台紙80、80Aの先端は、第1台紙72の基端の接触位置又は近傍位置に配置されている。これにより、本体側台紙70は、本体側シール体60の下部粘着面64全体を良好に保護することができる。
また、第1台紙72の基端と第2台紙80、80Aの先端とは、相互に重なる部分を有し、重なる部分において、第1台紙72は第2台紙80、80Aよりもシール体(本体側シール体60)から離れた位置にある。これにより、薬剤投与装置10は、先に第1台紙72を剥がし、次に第2台紙80、80Aを剥がすように、剥がし順をユーザに案内することができる。
また、装置本体30は、薬剤を貯留する貯留空間33aを有するケース32と、ケース32の先端部から突出しチューブ40が接続される本体側コネクタ38とを有し、シール体(本体側シール体60)は、ケース32に貼り付けられると共に、平面視でケース32の外側に延出して体表に貼り付けられる部分を有する。これにより、シール体は、ケース32の外側に延出している部分が体表に貼り付けられるため、例えば、ケース32が引っ張られても延出している部分が変形して体表との貼付け状態を良好に継続することができる。
また、チューブ40の一端部は、針部20に固定される一方で、チューブ40の他端部は、装置本体30の先端部31に着脱自在に装着される。これにより、薬剤投与装置10は、装置本体30の仮貼り状態において、針部20に繋がるチューブ40を装置本体30に簡単に取り付けることができる。
また、第1台紙72の長手方向は、第2台紙80、80Aの長手方向と直交する方向である。これにより、薬剤投与装置10は、ユーザが第1台紙72を剥がす方向を第2台紙80、80Aと異なる方向(第1台紙72の長手方向)として、第1台紙72を容易に剥離させることができる。
また、第1台紙72は、シール体(本体側シール体60)を被覆する第1台紙被覆部74と、シール体の両辺部のうち少なくとも一方から外側に突出してユーザが摘まむ部分を構成する第1台紙操作部76とを有する。これにより、ユーザは、シール体から突出する第1台紙操作部76を簡単に摘まんで第1台紙72を剥離することができる。
また、第2台紙操作部84は、装置本体30の基端部の幅よりも幅狭に形成され、装置本体30の基端部の幅方向中央部から延出している。これにより、ユーザが第2台紙操作部84を基端方向に引っ張ることで、本体側シール体60のよれ等を抑制して、第2台紙80、80Aを安定的に剥離させることができる。
また、第2台紙操作部84は、第2台紙被覆部82の基端よりも基端方向に突出している。これにより、ユーザは、第2台紙被覆部82から突出する第2台紙操作部84を簡単に摘まんで第2台紙80、80Aを剥離することができる。
また、第2台紙操作部84は、平面視で、第2台紙被覆部82と同形状に形成されている。これにより、第2台紙80、80Aの製造において、第2台紙被覆部82と第2台紙操作部84を型抜きすることで、第2台紙80、80Aを容易に形成することができる。

Claims (9)

  1. 生体に挿入されて留置される針部と、前記針部と別に設けられ先端部から薬剤を送出可能な装置本体と、前記針部とは前記装置本体の先端部との間で前記薬剤を流通可能なチューブとを備える薬剤投与装置であって、
    前記装置本体は、前記生体の体表に貼り付けられる粘着面を有するシール体と、使用前に前記粘着面を露出可能に覆う台紙とを備え、
    前記台紙は、前記シール体の先端部側を覆う第1台紙と、
    少なくとも前記シール体の基端部側を覆う第2台紙とを含み、
    前記第2台紙は、前記粘着面を覆う被覆部と、前記被覆部の先端に連なると共に前記被覆部の先端から折り返して前記装置本体の基端部を超えて延在する操作部とを有し、
    前記第1台紙は、前記装置本体の先端部の前記シール体を前記第2台紙よりも小さい範囲で覆い、
    前記第2台紙は、前記第1台紙よりも前記装置本体の基端部側で前記シール体を覆い、
    前記第1台紙の基端と前記第2台紙の先端とは、相互に重なる部分を有し、
    前記重なる部分において、前記第1台紙は前記第2台紙よりも前記シール体から離れた位置にある
    薬剤投与装置。
  2. 請求項1記載の薬剤投与装置において、
    前記第1台紙は、前記シール体の最先端から基端方向に向かって1/3以下の範囲を覆っている一方で、
    前記第2台紙は、前記シール体の最基端から先端方向に向かって2/3以上の範囲を覆っている
    薬剤投与装置。
  3. 請求項1又は2に記載の薬剤投与装置において、
    前記装置本体は、前記薬剤を貯留する貯留空間を有するケースと、前記ケースの先端部から突出し前記チューブが接続される本体側コネクタとを有し、
    前記シール体は、前記ケースに貼り付けられると共に、平面視で前記ケースの外側に延出して前記体表に貼り付けられる部分を有する
    薬剤投与装置。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の薬剤投与装置において、
    前記チューブの一端部は、前記針部に固定される一方で、前記チューブの他端部は、前記装置本体の先端部に着脱自在に装着される
    薬剤投与装置。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の薬剤投与装置において、
    前記第1台紙の長手方向は、前記第2台紙の長手方向と直交する方向である
    薬剤投与装置。
  6. 請求項記載の薬剤投与装置において、
    前記第1台紙は、前記シール体を被覆する第1台紙被覆部と、
    前記シール体の両辺部のうち少なくとも一方から外側に突出してユーザが摘まむ部分を構成する第1台紙操作部とを有する
    薬剤投与装置。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の薬剤投与装置において、
    前記操作部は、前記装置本体の基端部の幅よりも幅狭に形成され、前記装置本体の基端部の幅方向中央部から延出している
    薬剤投与装置。
  8. 請求項記載の薬剤投与装置において、
    前記操作部は、前記被覆部の基端よりも基端方向に突出している
    薬剤投与装置。
  9. 請求項記載の薬剤投与装置において、
    前記操作部は、平面視で、前記被覆部と同形状に形成されている
    薬剤投与装置。
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