JP7514665B2 - アンテナ素子及びアレイアンテナ - Google Patents

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Description

本開示は、アンテナ素子及びアレイアンテナに関する。
特許文献1には、誘電体基板に、地導体と、給電ビアを介して給電される放射導体と、無給電放射導体とが積層されたマイクロストリップアンテナ(パッチアンテナ)が記載されている。
特開2011-155479号公報
アンテナ素子がデュアルバンド特性を有し、1つのアンテナ素子で複数の周波数帯で電波の送受信が可能であると有益である。
本開示は、デュアルバンド特性を有するアンテナ素子、並びに、上記のアンテナ素子を有するアレイアンテナを提供することを目的とする。
本開示に係るアンテナ素子は、
第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する誘電体基板と、
前記誘電体基板に位置し、前記第1面から前記第2面にかけて順に並んだ第1放射導体、第2放射導体及び地導体と、
前記第2放射導体に接続された給電ビアと、
前記第2放射導体と前記第1放射導体とに接続された1つ又は複数の接続ビアと、
を備え、
前記第2放射導体の放射面は、第1辺と当該第1辺に対向する第2辺とを有し、
前記給電ビアは、前記放射面に垂直な方向から見て、前記第2辺よりも前記第1辺の近くに位置し、かつ、前記放射面に垂直な方向から見て、前記放射面の前記第1辺の中点と前記第2辺の中点とを結ぶ中央線上に位置し、
前記1つ又は複数の接続ビアは、前記放射面に垂直な方向から見て、前記第1辺からの距離が当該第1辺と前記第2辺との間の距離の3/4以内の領域に位置し、かつ、前記放射面に垂直な方向から見て、前記中央線に対して対称に配置されている。
本開示に係るアレイアンテナは、
上記のアンテナ素子を複数有する。
本開示によれば、デュアルバンド特性を有するアンテナ素子、並びに、上記のアンテナ素子を有するアレイアンテナを提供できる。
本開示の実施形態1のアンテナ素子を示す斜視図(A)、平面図(B)及びC-C線における断面図(C)である。 接続ビアの配置を示す第2放射導体の平面図である。 実施形態1のアンテナ素子において接続ビアの位置と反射特性との関係を示すグラフである。 接続ビアの位置と減衰極の周波数との関係を示すグラフである。 接続ビアの位置により第2の減衰極の減衰量が小さくなる作用を説明する図である。 接続ビアを中央線に対して非対称に配置した比較例のアンテナ素子の反射特性を示すグラフである。 図6の比較例のアンテナ素子の作用を説明する第1放射導体の電界分布図である。 本開示の実施形態2のアンテナ素子を示す斜視図(A)、平面図(B)及びC-C線における断面図(C)である。 実施形態2の接続ビアの配置を示す第2放射導体の平面図である。 実施形態2のアンテナ素子において2つの接続ビアの位置と反射特性との関係を示すグラフである。 実施形態2のアンテナ素子において2つの接続ビアの位置と反射特性との関係を示すグラフである。 実施形態2のアンテナ素子において2つの接続ビアの位置と反射特性との関係を示すグラフである。 本開示の実施形態3のアンテナ素子を示す断面図(A)と、D-D線断面図(B)と、変形例のアンテナ素子のD-D線断面図(C)である。 本開示の実施形態3のアンテナ素子の変形例を示す断面図(A)と、D-D線断面図(B)である。 本開示の実施形態のアレイアンテナを示す斜視図(A)と、B-B線断面図(B)である。
以下、本開示の各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本開示の実施形態1のアンテナ素子を示す斜視図(A)、平面図(B)及びC-C線における断面図(C)である。以下、図1のZ方向を下方、Z方向と垂直なX方向及びY方向を平面方向として説明する。Z方向は、第2放射導体22の放射面に垂直な方向であり、X方向及びY方向は、第2放射導体22の放射面に沿った互いに直交する2つの方向である。本明細書における上下左右の方向は、アンテナ素子1の使用時における上下左右の方向と異なっていてもよい。
本実施形態のアンテナ素子1は、第1面11と第1面11とは反対側の第2面12とを有する誘電体基板10と、誘電体基板10に位置しかつ第1面11から第2面12にかけて順に並んだ第1放射導体21、第2放射導体22及び地導体23と、第2放射導体22に接続された給電ビア24と、第1放射導体21と第2放射導体22とに接続された接続ビア25と、を備える。
誘電体基板10は、例えば酸化アルミニウム質焼結体、ガラスセラミック焼結体、ムライト質焼結体又は窒化アルミニウム質焼結体等のセラミック材料から成る誘電体材料であってもよい。誘電体基板10の第1面11と第2面12とは平行であってもよい。
第1放射導体21、第2放射導体22及び地導体23は、各々が膜状の導体であり、広い面が互いに対向する。第1放射導体21は誘電体基板10の第1面11に位置し、地導体23は誘電体基板10の第2面12に位置する。
第1放射導体21及び第2放射導体22は、広い面(上面及び下面)が電波を放射する放射面に相当する。第1放射導体21の放射面及び第2放射導体22の放射面は矩形状であり、正方形であってもよい。第1放射導体21と第2放射導体22とは、大きさが一致していなくてもよい。第2放射導体22は、上方から見て、第1放射導体21と重なる。第1放射導体21の放射面の各辺は、第2放射導体22の放射面の対応する各辺と略平行であってもよい。図1(A)~図1(C)の例に示すように、第1放射導体21は、第2放射導体22より僅かに大きく、上方から見て、第1放射導体21の中心点と第2放射導体22の中心点とが略重なってもよい。
地導体23は、給電ビア24を通す、あるいは、給電ビア24の一端部を露出させる貫通孔23hを有する。上方から見て、地導体23は第1放射導体21及び第2放射導体22を内包する大きさを有していてもよい。
給電ビア24は、地導体23の貫通孔23hから第2放射導体22の高さにかけて延在する導体であり、第2放射導体22に接続し、地導体23に接続されない。給電ビア24は、上下方向に延在する。給電ビア24は、送信電波を発生させる高周波電流をアンテナ素子1の外部から第2放射導体22へ伝送する。あるいは、給電ビア24は、受信電波を示す高周波電流を第2放射導体22からアンテナ素子1の外部へ伝送する。
接続ビア25は、第2放射導体22の高さから第1放射導体21の高さにかけて延在する導体であり、第1放射導体21と第2放射導体22とに接続する。接続ビア25は、上下方向に延在する。接続ビア25は、第1放射導体21と第2放射導体22との間で高周波電流を伝送する。実施形態1では、アンテナ素子1は1つの接続ビア25を有する。
<接続ビアの配置>
図2は、接続ビアの配置を示す第2放射導体の平面図である。図2においては、断面ではないが、領域R1を区別しやすいようにハッチングを施している。図2に示すように、第2放射導体22の放射面は、第1辺N1と、第1辺N1に対向する第2辺N2とを有する。第1辺N1の中点と第2辺N2の中点とを結ぶ直線を中央線O1と記す。
給電ビア24は、上方から透視した場合に、第2辺N2よりも第1辺N1の近くに位置し、中央線O1と重なる。接続ビア25は、上方から透視した場合に、中央線O1上で、第1辺N1からの距離が第1辺N1と第2辺N2との間の距離L1の3/4以下の領域R1に位置する。接続ビア25の中心軸a25は、上方から透視した場合に、給電ビア24の中心軸a24と重ならないが、重なってもよい。
<反射特性>
図3は、実施形態1のアンテナ素子において接続ビアの位置と反射特性との関係を示すグラフである。図3の反射特性は、接続ビア25が無いアンテナ素子と、接続ビア25が有り、接続ビア25の位置が異なる複数のアンテナ素子との反射損失をシミュレーションにより求めた結果である。シミュレーションにおいて、第2放射導体22は1.75mm四方の正方形、第1放射導体21は1.7mm四方の正方形、地導体23と第2放射導体22との間隔は0.3mm、第2放射導体22と第1放射導体21との間隔は0.5mmとした。さらに、図2に示したように、給電ビア24の中心軸a24は、中央線O1に重なり、かつ、第2放射導体22の第1辺N1から0.225mm離れた構成とした。さらに、接続ビア25の中心軸a25が中央線O1に重なり、中心軸a25と第2放射導体22の第1辺N1との距離x1を変動するパラメータとした。図3の凡例に示す値が距離x1を示す。
図3の接続ビア無しのグラフ線に示すように、第1放射導体21及び第2放射導体22を有するアンテナ素子は、反射特性に2つの減衰極p1、p2が表れる。減衰極周辺の帯域は反射損失が低くなり、例えば反射損失が-10dB以下となる帯域を電波の送受信帯域として使用できる。2つの減衰極は、第2放射導体22の共振周波数と第1放射導体21の共振周波数との違いに基づき生じる。
図3の0.075mm~1.675mmのグラフ線に示すように、接続ビア25を有するアンテナ素子1は、接続ビア25が無い場合と比較して、反射特性の2つの減衰極の間隔が広がる。具体的には、高周波側の減衰極の周波数が上昇する。さらに、接続ビア25の位置に応じて2つの減衰極の間隔の大きさと減衰極の反射損失の大きさが変化する。
図4は、接続ビアの位置と2つの減衰極の周波数との関係を示すグラフである。図4のグラフは、図3の各周波数特性の2つの減衰極の周波数を表わしている。2つの減衰極の周波数間隔が広がることで、一方の減衰極の周辺帯域と、他方の減衰極の周辺帯域とを、離間した2つの送受信帯域として使用し、アンテナ素子1のデュアルバンド特性を実現できる。図4に示すように、2つの減衰極の間隔は、接続ビア25が第2放射導体22の中央に位置する場合に狭くなり、中央から離間すると広くなる。
ただし、図3の1.275mm~1.625mmのグラフ線に示すように、接続ビア25が第2放射導体22の第1辺N1から離れて第2辺N2に近づくと、高周波側の減衰極の反射損失が高くなる。そして、接続ビア25が第2辺N2により近づくと、高周波側の減衰極がほぼ消失する。したがって、図4の範囲C1の構成は、デュアルバンド特性を実現することが難しい。
高周波側の減衰極の消失は、次のような作用に起因する。図5に示すように、第1放射導体21では、誘電体基板10を介して第2放射導体22から第1放射導体21へ電界E1が伝播することで共振電流I1が生じる。加えて、第1放射導体21では、接続ビア25の周辺を介して第2放射導体22から電界E2が伝播することで共振電流I2が生じる。接続ビア25が、第2辺N2に近いと、共振電流I1、I2が打ち消しあうように作用し、第1放射導体21の共振電流が低下し、反射特定の高周波側の減衰極を消失させてしまう。
実施形態1のアンテナ素子1においては、接続ビア25を領域R1(図2)に配置することで、反射特性の高周波側の減衰極が消失しない範囲で、2つの減衰極の間隔を調整し、アンテナ素子1のデュアルバンド特性を実現できる。
続いて、接続ビア25を中央線O1上に配置する意義について説明する。図6は、接続ビア25を中央線O1に対して非対称に配置した比較例のアンテナ素子の反射特性を示すグラフである。図7(A)~図7(C)は、図6の比較例のアンテナ素子の作用を説明する第1放射導体の電界分布図である。図6に示すように、接続ビア25を中央線O1からY方向に変位した構成では、反射特性に3つの減衰極p1~p3が生じ、高周波側の2つの減衰極の反射損失が比較的に高くなる。これは、接続ビア25が中央線O1に対して非対称であることで、第1放射導体21に生じる共振電流に複数の共振モードが生じることに起因する。すなわち、共振電流に、互いに対向する2辺M1、M2に強い電界が表れる第1共振モード(図7(A))に加えて、一方の対角線K1の両端に強い電界が表れる第2共振モード(図7(B))が加わる。さらに、もう一方の対角線K2の両端に強い電界が表れる第3共振モード(図7(C))が加わる。第2共振モードと第3共振モードとが、高周波側の2つの減衰極の周波数に対応する。
実施形態1のアンテナ素子1は、接続ビア25を中央線O1上に配置することで、反射特性の高周波側の減衰極を1つに集約し、高周波側の減衰極の反射損失を低くすることができ、アンテナ素子1のデュアルバンド特性を実現できる。
以上のように、実施形態1のアンテナ素子1によれば、第1放射導体21と第2放射導体22とを接続する接続ビア25を有し、接続ビア25が領域R1(図2)に位置する。したがって、アンテナ素子1の反射特性に現れる2つの減衰極の周波数間隔を、減衰極が消失しない範囲で広げることができる。したがって、2つの減衰極の周辺帯域を2つの離間した送受信帯域としたデュアルバンド特性を実現できる。
さらに、実施形態1のアンテナ素子1によれば、接続ビア25の接続により第1放射導体21の共振周波数を高い方へシフトさせることができ、第1放射導体21の面積を縮小するなどの制約が生じないため、高いアンテナ利得を維持できる。
さらに、実施形態1のアンテナ素子1によれば、給電ビア24と接続ビア25とは中心軸a24、a25が重ならない別個のビアであり、接続ビア25の配置を給電ビア24の配置から独立させて決定できる。したがって、接続ビア25の配置と給電ビア24の配置により、アンテナ利得、2つの減衰極の周波数間隔などの種類の異なる複数のアンテナ特性を調整できる設計自由度が得られる。
さらに、実施形態1のアンテナ素子1によれば、接続ビア25は中央線O1(図2)上に位置し、中央線O1に対して対称に配置されている。したがって、反射特性における高周波側の減衰極を1つに集約することができ、減衰極の反射損失が高くなることを抑制できる。したがって、低周波側と減衰極の周辺帯域と高周波側の減衰極の周辺帯域の反射損失が低減し、これら2つの帯域を送受信帯域としたデュアルバンド特性を実現できる。なお、僅かであれば接続ビア25が中央線O1から外れて配置されてもよく、この配置でも、高周波側の減衰極は大きく2つに分割されずに、デュアルバンドの特性を維持できる。
(実施形態2)
図8は、本開示の実施形態2のアンテナ素子を示す斜視図(A)、平面図(B)及びC-C線における断面図(C)である。図9は、実施形態2の接続ビアの配置を示す第2放射導体の平面図である。図9においては、断面ではないが、領域R1、R2を区別しやすいようにハッチングを施している。
実施形態2のアンテナ素子1Aは、2つの接続ビア25A、25Bを有する。接続ビア25A、25Bは、第2放射導体22の高さから第1放射導体21の高さにかけて延在する導体であり、第1放射導体21と第2放射導体22とに接続する。接続ビア25A、25Bは、上下方向に延在する。アンテナ素子1Aのその他の構成要素は、実施形態1と同様である。
図9に示すように、2つの接続ビア25A、25Bは、領域R1において中央線O1に対して対称に配置されている。接続ビア25A、25Bの位置は、領域R2内であってもよい。領域R1は、第2放射導体22において給電ビア24に近い側の第1辺N1から、第1辺N1とそれに対向する第2辺N2との間の距離L1の3/4の範囲であり、領域R2は第1辺N1から距離L1の1/4の範囲である。
図10(A)~図12(B)は、実施形態2のアンテナ素子において2つの接続ビアの位置と反射特性との関係を示すグラフである。グラフには、2つの接続ビア25A、25Bの配置が異なる複数のアンテナ素子について、シミュレーションにより求めた反射損失の周波数特性が示されている。グラフには、1つの接続ビアを有するアンテナ素子の反射損失の特性(「ビア1本」の特性線)も含まれる。シミュレーションにおいて、接続ビア25A、25B以外の各部のパラメータは、図3のシミュレーションのパラメータと同様である。また、接続ビア25A、25Bの配置は、中央線O1から接続ビア25A、25Bの中心軸a25A、a25Bまでの距離y1(図9)と、第1辺N1から接続ビア25A、25Bの中心軸a25A、a25Bまでの距離x1とを、変動パラメータとした。図10(A)~図12(B)の凡例に示す値が距離y1を示す。図10(A)~図12(B)のグラフ上に距離x1の値を示す。
図10(A)~図12(B)のグラフは、接続ビア25が1つの場合と比較して、2つの接続ビア25A、25Bを有することで、2つの減衰極の間隔をより広げられることを示す。特に、上記のグラフは、距離x1が第1辺N1から第2辺N2までの距離L1の1/4以下である場合に、2つの減衰極の反射損失を低い値に維持しつつ、2つの減衰極が広がる距離y1の設定が存在することを示す。例えば、図10(A)の距離y1=0.8mm、図10(B)の距離y1=0.8mmなどが該当する。
実施形態2のアンテナ素子1Aによれば、2つの接続ビア25A、25Bを有することで、反射特性の2つの減衰極の周波数間隔をより広げる設計自由度が得られる。そして、2つの接続ビア25A、25Bが領域R1に位置することで、2つの減衰極の反射損失が低い値となり、アンテナ素子1Aのデュアルバンド特性を実現できる。さらに、2つの接続ビア25A、25Bが中央線O1に対して対称に配置されることで、反射特性における高周波側の減衰極を1つに集約することができ、減衰極の反射損失が高くなることを抑制できる。2つの接続ビア25A、25Bを中央線O1に対して非対称に配置した場合には、図6及び図7(A)~図7(C)に示したように、第1放射導体21の共振電流に対角線K1、K2の両端に強い電界が表れる共振モードが加わり、高周波側の減衰極が複数に分かれることで、分割された各減衰極の反射損失が増してしまうためである。なお、僅かであれば接続ビア25A、25Bが中央線O1に対して非対称に配置されてもよく、この配置でも、高周波側の減衰極は大きく2つに分割されずに、デュアルバンドの特性を維持できる。
さらに、実施形態2のアンテナ素子1Aによれば、2つの接続ビア25A、25Bが領域R2に位置し、かつ、距離y1をシミュレーションの結果又は実験の結果等に基づき適宜に設定することで、反射特性の2つの減衰極の周波数間隔をより広げ、かつ、減衰極の反射損失が低いアンテナ特性を実現できる。そして、送受信周波数の間隔がより広い、アンテナ素子1Aのデュアルバンド特性を実現できる。なお、図10(A)~図12(B)の「ビア1本」のグラフ線から示されるように、1つの接続ビア25を有する実施形態1のアンテナ素子1においても、接続ビア25を領域R2の配置することで、送受信周波数の間隔をより広くした、アンテナ素子1のデュアルバンド特性を実現できる。
(実施形態3)
図13は、本開示の実施形態3のアンテナ素子を示す縦断面図(A)と、(A)のD-D線断面図(B)と、変形例のアンテナ素子における(A)のD-D線断面図(C)である。図14は、本開示の実施形態3のアンテナ素子の変形例を示す縦断面図(A)と、(A)のD-D断面図(B)である。実施形態3のアンテナ素子1Bは、第1放射導体21と第2放射導体22との間に、誘電体基板10の中空部31(31A、31B、31C)を有する。その他の構成要素は、実施形態1又は実施形態2と同様である。中空部31(31A、31B)は、図13(B)に示すように、接続ビア25を囲む環状であってもよいし、図13(C)に示すように、接続ビア25を挟む複数の帯状の形状を有していてもよい。環状の中空部31であれば、上方から透視したときに、中空部31の外周形状は矩形で、中空部31は、第1放射導体21の周縁部並びに第2放射導体22の周縁部と重なる配置としてもよい。帯状の中空部31A、31Bであれば、上方から透視したときに、中空部31A、31Bと第1放射導体21及び第2放射導体22の給電ビア24に近い側の第1辺N1、M1とそれに対向する第2辺N2、M2と重なる配置としてもよい。あるいは、中空部31Cは、図14(A)及び図14(B)に示すように、Z方向に延びる多数の長孔が、X-Yの二次元方向に間隔を開けて配置された構成としてもよいし、X-Yの二次元方向における或る領域に等間隔に配置された構成としてもよい。あるいは、多数の中空部31Cに接続ビア25を含めた構成が、上方から透視したときに、X-Yの二次元方向における或る領域に等間隔に配置された構成としてもよい。長孔形状の多数の中空部31Cは、上方から透視したときに、第1放射導体21及び第1放射導体21の周辺部と重なる配置としてもよいし、上記の環状の中空部31、あるいは、帯状の中空部31A、31Bと重なる配置としてもよい。長孔形状の中空部31Cの各々は、例えば直径0.1mmの円柱状など、上方から見たときのサイズと形状が、接続ビア25と同一であってもよい。中空部31Cの個数は、図14(B)では“6×6-1”個であるが、少なくとも8個以上としてもよい。
実施形態3のアンテナ素子1Bによれば、中空部31(31A、31B、31C)により、第1放射導体21の共振周波数と第2放射導体22の共振周波数とを離して、反射特性の2つの減衰極の間隔をより大きくできる。したがって、デュアルバンド化において、より離れた2つの周波数帯に電波の送受信帯域を設定できる。
さらに、誘電体基板10の中空の部分は大きく一体化されると、誘電体基板10に力が加わったときに誘電体基板10を撓み変形させる要因となりやすい。誘電体基板10の変形は、アンテナ特性に影響する。しかし、実施形態3の中空部31(31A、31B、31C)は、接続ビア25の周囲に中空で無い部分を有するので、中空部31(31A、31B、31C)に起因した誘電体基板10の変形を抑制し、アンテナ特性の安定化を図ることができる。特に、実施形態3の複数の中空部31Cによれば、個々の中空部31CがZ方向に延びる長孔形状なので、中空部31Cに起因した誘電体基板10の撓みを抑える効果がより大きくなる。
(アレイアンテナ)
図15は、本開示の実施形態に係るアレイアンテナを示す斜視図(A)とB-B線における縦断面図(B)である。本実施形態のアレイアンテナ100は、複数のアンテナ素子1(又は1A、1B)を備える。複数のアンテナ素子1はアレイ用の大型の誘電体基板110にマトリックス状など縦横に配列されてもよいし、どのように配列されていてもよい。アレイアンテナ100は、送信信号又は受信信号を入出力する集積回路200が接続される電極130と、電極130と各アンテナ素子1との間で信号を伝送する伝送路120とを有する。伝送路120のアンテナ素子1側の端部は各アンテナ素子1の給電ビア24でもある。アレイアンテナ100には、伝送路120の信号周波数を抽出するフィルタ回路が搭載されてもよい。なお、図15のアレイアンテナ100は、1つの誘電体基板110に複数のアンテナ素子1が形成されることで、複数のアンテナ素子1が一体化された例であるが、アンテナアレイは、1つのアレイ基板に複数のアンテナ素子1が搭載されることで、複数のアンテナ素子1が一体化された構成としてもよい。さらに、上述のようなアレイアンテナ100が1つのアレイ基板に複数搭載されて、より多くのアンテナ素子を有するアレイアンテナが構成されてもよい。集積回路200が搭載される前の構成をアレイアンテナと呼び、集積回路200が搭載された構成をアンテナモジュールと呼んでもよい。
本実施形態のアレイアンテナ100によれば、複数のアンテナ素子1(又は1A、1B)の各々がデュアルバンドの特性を有しているので、デュアルバンドに対応したアレイアンテナ100を提供できる。ここで、比較例のアレイアンテナとして、複数のアンテナ素子のうち半分に第1送受信帯域に対応したアンテナ素子を適用し、残り半分に第2送受信帯域に対応したアンテナ素子を適用した構成を想定する。本実施形態のアレイアンテナ100によれば、上記比較例のアレイアンテナと比較して、第1送受信帯域に対応するアンテナ素子1の総面積、並びに、第2送受信帯域に対応したアンテナ素子1の総面積が倍増するので、アレイアンテナ100の総面積に対する各周波数帯のアンテナ利得を向上できる。
(製造方法)
アンテナ素子1、1A、1Bの誘電体基板10又はアレイアンテナ100の誘電体基板110は、例えばガラスセラミック焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、ガラス成分となる酸化ケイ素、酸化ホウ素及びフィラー成分となる酸化アルミニウム等の粉末を主成分とする原料粉末を、有機溶剤、バインダと混練してスラリーとするとともに、このスラリーをドクターブレード法又はリップコータ法等の成形方法でシート状に成形して誘電体基板10の各層となるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を作製する。図13に示す例のような中空部31、31A、31B、31Cは、セラミックグリーンシートに金型等を用いて貫通孔を設けておくことで、容易に形成することができる。次に、複数のグリーンシートを積層して積層体を作製する。このとき、中空部31、31A、31B、31Cとなる貫通孔が連続した大きな孔であると、その上下に位置するグリーンシートが変形し、貫通孔内へ凸状に変形してしまう場合がある。一方、中空部31、31A、31B、31Cとなる貫通孔は、環状であるか複数設けられており、連続した大きな孔でないので変形し難い。また、連続した大きな貫通孔の場合に対して、グリーンシートの貫通孔の中間に位置する部分(貫通孔が設けられていない接続ビア25の周辺部分)が上下のグリーンシートを支える支持部のように機能する。グリーンシートの変形をより抑えるために、貫通孔の内部を、例えば後の焼成工程において焼失する有機成分から成る充填材で充填しておくこともできる。また、環状の中空部31に対応する貫通孔をグリーンシートに打ち抜き加工で形成する場合には、接続ビア25の周辺部分が浮島になり、抜け落ちてしまうため、中空部31の部分に充填材を充填して接続ビア25の周辺部分を支持してもよい。充填材は、例えば、アクリル樹脂と有機溶剤とを含むグリーンシートと同等の厚みのシート状のものである。例えば、グリーンシートに貫通孔を設ける際に、グリーンシート上にシート状の充填材を載置した状態で、充填材とともにグリーンシートを打ち抜きつつ、グリーンシートの貫通孔に打ち抜かれた充填材シートをはめ込むことで貫通孔に充填材を充填させることができる。この場合には、貫通孔の大きさが小さいので充填材から発生するガスの量が少なく、このガスによる変形も発生し難い。その後、この積層体を約900~1000℃程度の温度で焼成することによって誘電体基板10を製作することができる。焼成後には、中空部31(31A、31B、31C)に空気が充填される。ここでいう空気とは、焼成時の雰囲気、バインダ、充填材の分解ガス等を含むものであるが、気体であるのでその比誘電率は純粋な空気と同レベルで小さな値となる。
第1放射導体21、第2放射導体22、地導体23、給電ビア24、接続ビア25及びアレイアンテナ100の伝送路120(以下、まとめて配線導体とも呼ぶ。)は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金、ニッケル又はコバルト等の金属、又はこれらの金属を含む合金の金属材料を導体材料として主に含むものである。第1放射導体21、第2放射導体22、地導体23及び伝送路120は、例えば、銅のメタライズ層である場合には、銅の粉末を有機溶剤及び有機バインダと混合して作製した金属ペーストを誘電体基板10の各層となるグリーンシートの所定位置にスクリーン印刷法等の方法で印刷してグリーンシートとともに焼成する方法で形成することができる。また、給電ビア24、接続ビア25及び伝送路120のビア部分は、上記の金属ペーストの印刷に先駆けてグリーンシートの所定の位置に貫通孔を設け、上記と同様の金属ペーストをこの貫通孔に充填しておくことで形成することができる。配線導体うち、第1放射導体21、並びに、伝送路120の電極130となるメタライズ層の露出表面には、電解めっき法又は無電解めっき法等のめっき法でニッケル及び金等のめっき層が更に被着されていてもよい。
以上、本開示の各実施形態について説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限られるものでない。例えば、上記実施形態では、接続ビアが1本と2本の構成を示したが、アンテナ素子が3本以上の接続ビアを有してもよい。また、上記実施形態では、第1放射導体が誘電体基板の表面に露出した構成を示したが、第1放射導体は誘電体基板内に位置してもよい。その他、実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1、1A、1B アンテナ素子
10 誘電体基板
21 第1放射導体
22 第2放射導体
N1 第1辺
N2 第2辺
23 地導体
24 給電ビア
a24 中心軸
25、25A、25B 接続ビア
a25、a25A、a25B 中心軸
R1、R2 領域
31、31A、31B 中空部
100 アレイアンテナ
110 誘電体基板

Claims (5)

  1. 第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する誘電体基板と、
    前記誘電体基板に位置し、前記第1面から前記第2面にかけて順に並んだ第1放射導体、第2放射導体及び地導体と、
    前記第2放射導体に接続された給電ビアと、
    前記第2放射導体と前記第1放射導体とに接続された1つ又は複数の接続ビアと、
    を備え、
    前記第2放射導体の放射面は、第1辺と当該第1辺に対向する第2辺とを有し、
    前記給電ビアは、前記放射面に垂直な方向から見て、前記第2辺よりも前記第1辺の近くに位置し、かつ、前記放射面に垂直な方向から見て、前記放射面の前記第1辺の中点と前記第2辺の中点とを結ぶ中央線上に位置し、
    前記1つ又は複数の接続ビアは、前記放射面に垂直な方向から見て、前記第1辺からの距離が当該第1辺と前記第2辺との間の距離の3/4以内の領域に位置し、かつ、前記放射面に垂直な方向から見て、前記中央線に対して対称に配置されている、
    アンテナ素子。
  2. 前記放射面に垂直な方向から見て、前記接続ビアの中心軸は前記給電ビアの中心軸と重ならない、
    請求項1記載のアンテナ素子。
  3. 前記接続ビアは、前記放射面に垂直な方向から見て、前記第1辺からの距離が当該第1辺と前記第2辺との間の距離の1/4以下の領域に位置する、
    請求項1又は請求項に記載のアンテナ素子。
  4. 前記第1放射導体と前記第2放射導体との間に位置する前記誘電体基板の中空部を備える、
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載のアンテナ素子。
  5. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載のアンテナ素子を複数有するアレイアンテナ。
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