JP7518643B2 - 果実酒及び果実酒の製造方法 - Google Patents
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[1]果汁を80℃以上、100℃以下で10分以上、保持する工程と、前記保持する工程の後に、前記果汁を発酵させる工程と、を含む、β-ダマセノンを5ppb以上の量で含む果実酒の製造方法。
[2]前記保持する工程が、前記果汁を、90℃以上100℃以下で、30分以上保持する工程を含む、[1]に記載の方法。
[3]前記果実酒が、β-ダマセノンを、5ppb以上、30ppb以下の量で含む、[1]又は[2]記載の方法。
[4]前記果汁が、リンゴ果汁である、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記果実酒が、発泡性である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記保持する工程の後、前記果汁を希釈することなく、前記発酵する工程が行われる、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]果汁を80℃以上、100℃以下で10分以上保持する工程と、前記保持する工程の後に、前記果汁を発酵させる工程とを含む、β-ダマセノンを5ppb以上の量で含む果実酒のコンポート様風味付与方法。
[8]前記果汁が、リンゴ果汁である、[7]に記載の方法。
[9]β-ダマセノン濃度が、5ppb以上、30ppb以下である果実酒。
[10]リンゴ由来の飲料である、[9]に記載の果実酒。
[11]発泡性である、[9]又は[10]に記載の果実酒。
本実施形態に係る果実酒は、以下に詳述する特定の条件で果汁を保持する工程と、加熱後の果汁を発酵させる工程とを有する方法により、得ることができる。特定の条件で果汁を保持する工程を備えることにより、果実酒にこれまでにない風味を付与することができる。
果実酒の原料となる果実としては、特に限定されるものではないが、リンゴ、ブドウ、ウメ、イチゴ、モモ、及び洋ナシ等が挙げられる。これらの中でも、リンゴが好ましい。すなわち、果汁としては、リンゴ果汁を用いることが好ましい。リンゴ果汁を特定の条件で保持することにより、コンポート様の風味が付与され、これまでにない風味を有する果実酒が得られる。
なお、コンポートとは、果実を水や薄い砂糖水で煮込んだ、ヨーロッパの伝統的な果実の保存食である。ジャムに比べ、果実自体の風味や食感が残っており、かつ糖度が低い。但し(リンゴ)ジャムや(アップル)パイに近い風味を有する。
果汁としては、例えば、Brixが、5~20%のものが用いられる。Brixは、好ましくは、10~16%である。果汁は、搾汁後酵素処理し、固形分をろ過して除去する。
すなわち、β-ダマセノン濃度が5ppb以上、好ましくは5~30ppbになるように保持工程を実施することにより、コンポート様の風味が十分に付与された果実酒を得ることができる。また、不快な風味が付与されることもない。
品種「ふじ」由来のリンゴ果汁を準備した。準備したリンゴ果汁(Brix:13.3%)1Lを、メディウムびんに入れ、特に加熱保持などをすることなく、酵母を添加して、8℃で19日、発酵させた。これにより、例1に係る果実酒を得た。なお、アルコール濃度は、3容量%であった。
(例2)
品種「ふじ」由来のリンゴ果汁(Brix:13.3%)を、1L準備し、メディウムびんに入れ、IHヒーターを用い、湯煎により90℃に加熱し、30分間、保持した。保持後、果汁を8℃まで冷却した。冷却後、果汁に酵母を添加し、例1と同様に発酵させた。これにより、例2に係る果実酒を得た。なお、アルコール濃度は、3容量%であった。
(例3)
保持工程における条件を、90℃で60分とした。その他の点は例2と同様にして、例3に係る果実酒を得た。
(例4)
保持工程における条件を、90℃で120分とした。その他の点は例2と同様にして、例4に係る果実酒を得た。
(例5)
保持工程における条件を、60℃に加熱した後、インキュベーターを用いて60分間保持とした。その他の点は例2と同様にして、例5に係る果実酒を得た
(例6)
保持工程において、オートクレーブを用いて果汁を104℃まで加熱した後、60分間保持した。その他の点は例2と同様にして、例6に係る果実酒を得た。
官能評価については、「コンポート様の風味」、「フレッシュ感(風味及び呈味)」、「美味しさ」、「香り」、及び「味」について評価した。
「コンポート様の風味」及び「フレッシュ感」は、以下の基準で評価を行った。
「コンポート様の風味」
4:非常に強い
3:強い
2:やや強い
1:感じない
「フレッシュ感」
4:非常に強い
3:強い
2:やや強い
1:感じない
β-ダマセノン濃度は、以下の方法により測定した。
攪拌枝吸着抽出法(SBSE法:Stir Bar Sorptive Extraction)を用いた。詳細には、最終製品である果実酒中に、内部標準としてD5-Linalool溶液を20pptになるように添加した。試料を10倍希釈し、希釈サンプル15gを30mL容バイアルに採取した。48μLのPDMS(ポリジメチルシロキサン)でコーティングした攪拌枝(長さ=20mm;Twister(商品名);Gerstel社製)をバイアルに入れ、蓋を締め、40℃で2時間攪拌し、攪拌枝に香気成分を吸着させた。攪拌枝をバイアルから取り出し、水滴を完全に除去後、加熱脱着ユニット(Thermal desorption unit(TDU);Gerstel社製)とプログラマブル温度-蒸発インレット(Programmable temperature-vaporization inlet;CIS4;Gerstel社製)を装備したGC-MSに挿入した。
GC-MS条件は、以下の通りである。
ガスクロマトグラフ:アジレント・テクノロジー社製6890
検出器:MSD5973N四重極マススペクトル(Agilent Technologies社製)
カラム:DB-WAX capillary column(長さ:20m、内径:0.18mm、膜厚:0.18μm、Agilent Technologies社製)
注入口:250℃ パルス化スプリットレスインジェクションモード(pulsed splitless injection mode)
注入量:1μL
キャリアガス:ヘリウム(1mL/min).
カラム温度設定:40℃(5分保持)-(3℃/min)-240℃(20分)
質量-電荷比(mass-to-charge ratio):30~350(m/z),
イオン化条件:70eV、シングルイオン-モニタリングモード(single ion-monitoring(SIM) mode)
定量:β‐ダマセノンのピークエリア面積と内部標準品のピークエリア面積との比較によって行った。
保持工程を行わなかった例1に係る飲料では、フレッシュ感に優れていたが、コンポート様の風味は感じられなかった。
一方、90℃で30~120分間の保持工程を行った例2~例4に係る飲料では、保持時間とともにフレッシュ感が減少し、代わりに、コンポート様の風味が付与されていく傾向にあった。また、味に関して、否定的なコメントは得られなかった。美味しさとしても、例1に係る飲料とほぼ同等以上の評価が得られた。
このことから、発酵工程の前に、80℃以上100℃以下で10分以上の保持工程を行うことによって、コンポート様の風味が付与され、高温での保持工程を行わない場合とは異なる香り及び味を有する果実酒が得られることが判る。そして、そのようなコンポート様の風味が付与された果実酒を好ましいと感じる需要者も存在することが判る。
また、保持工程を104℃で60分間とした例6に係る飲料においては、フレッシュ感が大きく損なわれていた。また、味として、苦味やエグ味といった否定的なコメントがみられ、美味しさにも劣っていた。
Claims (5)
- 果汁を80℃以上、100℃以下で10分以上保持する工程と、
前記保持する工程の後に、前記果汁を発酵させる工程と、を含み、
前記果汁が、リンゴ果汁であり、
前記保持する工程が、前記果汁を、90℃以上100℃以下で、30分以上保持する工程を含む
β-ダマセノンを5ppb以上の量で含む果実酒の製造方法。 - 前記果実酒が、β-ダマセノンを、5ppb以上、30ppb以下の量で含む、請求項1に記載の方法。
- 前記果実酒が、発泡性である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記保持する工程の後、前記果汁を希釈することなく、前記発酵する工程が行われる、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
- 果汁を80℃以上、100℃以下で10分以上保持する工程と、
前記保持する工程の後に、前記果汁を発酵させる工程と、を含み、
前記果汁が、リンゴ果汁であり、
前記保持する工程が、前記果汁を、90℃以上100℃以下で、30分以上保持する工程を含む、
β-ダマセノンを5ppb以上の量で含む果実酒のコンポート様風味付与方法。
Priority Applications (1)
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| JP2020047841A JP7518643B2 (ja) | 2020-03-18 | 2020-03-18 | 果実酒及び果実酒の製造方法 |
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| JP2020047841A JP7518643B2 (ja) | 2020-03-18 | 2020-03-18 | 果実酒及び果実酒の製造方法 |
Publications (2)
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| JP2021145593A JP2021145593A (ja) | 2021-09-27 |
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|---|---|---|---|
| JP2020047841A Active JP7518643B2 (ja) | 2020-03-18 | 2020-03-18 | 果実酒及び果実酒の製造方法 |
Country Status (1)
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|---|---|
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Families Citing this family (1)
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Citations (1)
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Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| FEMS Yeast Res.,2014年,vol.14,pp.873-882 |
| LWT Food Sci. Technol.,2019年,vol.99,pp.224-230 |
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| JP2021145593A (ja) | 2021-09-27 |
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