JP7519246B2 - 樹脂組成物、ラップフィルム及びラップフィルム収容体 - Google Patents

樹脂組成物、ラップフィルム及びラップフィルム収容体 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、ラップフィルム及びラップフィルム収容体に関する。
ラップフィルムは、ホテル、レストラン等において業務用として、又は家庭において食品保存時、調理時等に幅広く使用されている。ラップフィルムには、フィルムに柔軟性等の機能を付与したり、フィルムを製造し易くしたりする目的で、一般的に可塑剤、防曇剤、安定剤等の添加剤が添加されている。ラップフィルムにおいて使用される可塑剤としては、例えば、ポリエステル系化合物(ポリエステル可塑剤)が知られている(特許文献1参照)。
近年の食品衛生法規格・基準の諸外国との整合化検討において、ラップフィルムから食品への添加剤の移行量を抑えることが求められている。例えば、特許文献2では、ラップフィルムから添加剤の溶出量を低減することが検討されている。
特開2013-119624号公報 特開2018-184617号公報
ラップフィルムからの添加剤の溶出量を低減しようとすると、樹脂組成物の熱安定性が劣り、生産性が低下する傾向にある。ラップフィルムを作製するための樹脂組成物には、低溶出性と熱安定性とを両立することが望まれている。
本発明は、熱安定性に優れると共に、ラップフィルムからの添加剤の溶出量を低減することができる樹脂組成物、当該樹脂組成物から形成されるラップフィルム、及び当該ラップフィルムを備えるラップフィルム収容体を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、ポリ塩化ビニル系樹脂と、エポキシ化植物油と、下記式(1)で表される部分構造及びエポキシ基を有する化合物と、を含有し、エポキシ化植物油及び上記化合物の含有量が、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1~13質量部である、樹脂組成物である。式(1)中、Rはアルキレン基を示す。
Figure 0007519246000001
本発明の他の一側面は、上記樹脂組成物を含む層を備えるラップフィルムである。本発明の他の一側面は、巻芯と、巻芯に巻回された上記のラップフィルムと、巻芯及びフィルムを収容する箱体と、を備えるラップフィルム収容体である。
本発明によれば、熱安定性に優れると共に、ラップフィルムからの添加剤の溶出量を低減することができる樹脂組成物、当該樹脂組成物から形成されるラップフィルム、及び当該ラップフィルムを備えるラップフィルム収容体を提供することができる。
一実施形態に係るラップフィルム収容体を示す斜視図である。
本発明の実施形態について、必要に応じて図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[樹脂組成物]
一実施形態に係る樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹脂(以下、「(A)成分」という場合がある。)と、エポキシ化植物油(以下、「(B)成分」という場合がある。)と、下記式(1)で表される部分構造及びエポキシ基を有する化合物(以下、「(C)成分」という場合がある。)とを含有する。樹脂組成物におけるエポキシ化植物油及び上記化合物の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1~13質量部である。このような樹脂組成物は、熱安定性に優れると共に、ラップフィルムからの添加剤の溶出量を低減することができる。添加剤の溶出量は、ラップフィルムをヘプタンに浸漬して、ヘプタン中に抽出された成分の量(以下、「ヘプタン抽出量」という場合がある。)を測定することにより求めることができる。
((A)成分:ポリ塩化ビニル系樹脂)
一実施形態に係る樹脂組成物は、主成分としてポリ塩化ビニル系樹脂を含有する。(A)成分であるポリ塩化ビニル系樹脂は、ラップフィルム成形時の成形性、熱安定性及び流動性に優れる観点から、平均重合度700~1300のポリ塩化ビニル系樹脂を含むことが好ましい。本明細書における平均重合度は、JIS K6720-2に準じて測定された平均重合度を意味する。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、機械特性に優れる観点から、塩化ビニルホモポリマー(ポリ塩化ビニル樹脂)であってもよく、他の特性を付与する目的から、塩化ビニルとこれに共重合可能なその他のモノマーとの共重合体であってもよい。共重合体は、グラフト共重合体、ブロック共重合体又はランダム共重合体であってよい。その他のモノマーの例としては、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン;酢酸ビニル、ラウリン酸ビニル等の飽和酸のビニルエステル;アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル等の不飽和酸のアルキルエステル;ラウリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;マレイン酸、アクリロニトリル、スチレン、メチルスチレン、フッ化ビニリデン;などが挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂が共重合体である場合、共重合体における塩化ビニル単位の含有量は、モノマー単位全量基準で、10質量%以上であってよく、機械特性に優れる観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。共重合体における塩化ビニル単位の含有量の上限は、特に限定されず、例えば、モノマー単位全量基準で99質量%以下であってよい。
ポリ塩化ビニル系樹脂は、例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンの三次元ポリマー等とのポリマーブレンド、アルコール等による後処理物、又は含塩素化合物による後処理物であってもよい。これらの場合、ポリ塩化ビニル系樹脂における塩化ビニル単位の含有量は、樹脂全量基準で10質量%以上であってよい。
(A)成分の含有量は、生産性に優れる観点から、樹脂組成物全量基準で、60質量%以上、70質量%以上、又は75質量%以上であってよく、90質量%以下、85質量%以下、又は80質量%以下であってよい。
((B)成分:エポキシ化植物油)
本実施形態に係る樹脂組成物は、(B)成分としてエポキシ化植物油を含有することで熱安定性を向上することができる。エポキシ化植物油としては、例えば、エポキシ化大豆油及びエポキシ化亜麻仁油が挙げられる。(B)成分は、エポキシ化大豆油を含むことが好ましい。
((C)成分:式(1)で表される部分構造及びエポキシ基を有する化合物)
本実施形態に係る樹脂組成物は、(C)成分として下記式(1)で表される部分構造及びエポキシ基を有する化合物を含有することにより、樹脂組成物の熱安定性を向上することができる。
Figure 0007519246000002
式(1)中、Rはアルキレン基を示す。アルキレン基は、直鎖状であってよく、分岐状であってもよい。アルキレン基の炭素数は、2以上、3以上、又は4以上であってよく、8以下、7以下、6以下、5以下、又は4以下であってよく、2~8、2~7、2~6、2~5、2~4、3~8、3~7、3~6、3~5、3~4、4~8、4~7、4~6、又は4~5であってよい。当該アルキレン基は、炭素数4のアルキレン基(ブチレン基)であってよく、炭素数4の直鎖状アルキレン基(n-ブチレン基)であってよい。
(C)成分は、好ましくは、下記式(2)で表される化合物を含む。
Figure 0007519246000003
式(2)中、Rは式(1)中のRと同義であり、R~Rはそれぞれ独立にアルキレン基を示し、R~Rはそれぞれ独立にアルキル基を示し、m1及びm2はそれぞれ独立に1以上の整数であり、n1及びn2はそれぞれ独立に0以上の整数である。R~Rで示されるアルキレン基は、それぞれ独立に、直鎖状であってよく、分岐状であってもよい。R~Rで示されるアルキル基は、それぞれ独立に、直鎖状であってよく、分岐状であってもよい。
、R、R、又はRで示されるアルキレン基の炭素数は、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、又は7以上であってよく、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、又は7以下であってよく、2~12、2~11、2~10、2~9、2~8、2~7、3~12、3~11、3~10、3~9、3~8、3~7、4~12、4~11、4~10、4~9、4~8、4~7、5~12、5~11、5~10、5~9、5~8、5~7、6~12、6~11、6~10、6~9、6~8、6~7、7~12、7~11、7~10、7~9、又は7~8であってよい。当該アルキレン基は、炭素数7のアルキレン基(ヘプチレン基)であってよく、炭素数7の直鎖状アルキレン基(n-ヘプチレン基)であってよい。
m1及びm2は、それぞれ独立に、2以上、3以上、又は4以上の整数であってよく、4以下、3以下、又は2以下の整数であってよく、1~4、1~3、1~2、2~4、又は2~3の整数であってよい。m1及びm2は、1であってよい。
n1及びn2は、それぞれ独立に、1以上、2以上、又は3以上の整数であってよく、3以下、2以下、又は1以下の整数であってよく、0~3、0~2、0~1、1~3、又は1~2の整数であってよい。n1及びn2は、0であってよい。
m1、n1、m2及びn2がそれぞれ2以上の整数である場合、複数存在するRは互いに同一でも異なってもよく、複数存在するRは互いに同一でも異なってもよく、複数存在するRは互いに同一でも異なってもよく、複数存在するRは互いに同一でも異なってもよい。
又はRで示されるアルキル基の炭素数は、4以上、5以上、6以上、7以上、又は8以上であってよく、12以下、11以下、10以下、9以下、又は8以下であってよく、4~12、4~11、4~10、4~9、4~8、5~12、5~11、5~10、5~9、5~8、6~12、6~11、6~10、6~9、6~8、6~7、7~12、7~11、7~10、7~9、又は7~8であってよい。当該アルキレン基は、炭素数8のアルキル基(オクチル基)であってよく、炭素数8の直鎖状アルキル基(n-オクチル基)であってよい。
又はRで示されるアルキル基の炭素数は、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、又は1~2であってよい。当該アルキル基は、炭素数1のアルキル基(メチル基)であってよい。
(C)成分は、下記式(3)で表される化合物を含んでもよい。式(3)で表される化合物は、式(2)において、m1及びm2が1、かつn1及びn2が0である化合物である。式(3)中、R、R及びR~Rは、それぞれ式(2)におけるR、R及びR~Rと同義である。
Figure 0007519246000004
(C)成分は、下記式(4)で表される化合物(式(2)において、m1及びm2が1、n1及びn2が0、Rがn-ブチレン基、R及びRがn-ヘプチレン基、R及びRがn-オクチル基、かつR及びRがメチル基である化合物)を含んでもよい。式(4)で表される化合物は、式(2)において、m1及びm2が1、n1及びn2が0、Rがn-ブチレン基、R及びRがn-ヘプチレン基、R及びRがn-オクチル基、かつR及びRがメチル基である化合物である。
Figure 0007519246000005
(C)成分の分子量は、熱安定性に更に優れる観点から、500~5000であることが好ましく、600以上、700以上、800以上、又は900以上であってよく、3000以下、2500以下、2000以下、又は1500以下であってよい。
(B)成分及び(C)成分の含有量は、熱安定性、ラップフィルムの必要な特性及び生産性の観点から、(A)成分100質量部に対して、1質量部以上であり、3質量部以上、5質量部以上又は7質量部以上であってよく、ヘプタン抽出量を低減する観点から、13質量部以下であり、12質量部以下又は11質量部以下であってよい。
(C)成分の含有量は、樹脂組成物の熱安定性をより高める点から(B)成分及び(C)成分の総量を基準として、50~70質量%であることが好ましく、53~68質量%又は55~65質量%であってもよい。
(C)成分は、例えば、以下の方法により合成することができる。まず、グリセロール-3-リン酸を不飽和脂肪酸でアシル化し、得られた生成物のリン酸基を脱離することによりジアシルグリセロールを合成する。その後、ジアセチルグリセロールをエポキシ化し、得られた生成物をジカルボン酸と反応させて脱水する。
((D)成分:ポリエステル系可塑剤)
一実施形態に係る樹脂組成物は、(D)成分として、ポリエステル系可塑剤を更に含有してもよい。ポリエステル系可塑剤としては、例えば、脂肪族多塩基酸系ポリエステルが挙げられる。
脂肪族多塩基酸系ポリエステルは、例えば、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の多価アルコールとのポリエステル樹脂であってよい。脂肪族多塩基酸系ポリエステルとしては、例えば、ポリ(エチレングリコール/アジピン酸)エステル、ポリ(1,3-ブタンジオール/アジピン酸)エステル、ポリ(1,4-ブタンジオール/アジピン酸)エステル、ポリ(プロピレングリコール/セバシン酸)エステル等が挙げられる。これらのポリエステル系可塑剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(D)成分の重量平均分子量(Mw)は、1000~3000であることが好ましい。(D)成分のMwは、ラップフィルムからの可塑剤の溶出を低減する観点から、1500以上、1800以上、又は2000以上であってよく、他の成分との相溶性を向上して樹脂組成物の粘度を低くする観点から、2800以下、2600以下、又は2400以下であってよい。Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めることができる。
((E)成分:脂肪族多塩基酸系エステル可塑剤)
一実施形態に係る樹脂組成物は、ラップフィルムからの添加剤の溶出量を低減すると共に、熱安定性をより向上する観点から(E)成分として、可塑化効率が0.90以下である脂肪族多塩基酸系エステル可塑剤を更に含有してもよい。可塑化効率とは、DOP(フタル酸ジオクチル)の可塑化効率を1.00とした際に、同程度の可塑化効果を得るために必要な可塑剤量を数値化したもので、小さいほど可塑化効率が優れている。(E)成分の可塑化効率が0.90以下であると、ラップフィルムからのヘプタン抽出量を低減し易く、熱安定性及び生産性を向上し易くなる。
(E)成分は、(D)成分とは異なる化合物である。(E)成分としては、例えば、脂肪族二塩基酸エステル及びアセチル化モノグリセライドが挙げられる。脂肪族二塩基酸エステルは、脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族アルコールとのエステルであってよく、例えば、アジピン酸と炭素数1~10の脂肪族アルコールとのエステルであるアジピン酸ジアルキルが挙げられる。アセチル化モノグリセライドは、例えば、グリセリンの水酸基のうち2つがアセチル化され、残りの1つが脂肪酸でエステル化された化合物であってよい。脂肪酸は、例えば、炭素数3~8の脂肪酸であってよい。アセチル化モノグリセライドとしては、例えば、グリセリンジアセトモノラウレートが挙げられる。
(E)成分の含有量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、1質量部以上、2質量部以上、又は5質量部以上であってよく、15質量部以下、12質量部以下、又は10質量部以下であってよい。
樹脂組成物は、上述した成分以外に、その他の添加剤を更に含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、防曇剤、熱安定剤、光安定剤、着色剤、可塑剤、滑剤、充填剤、プレートアウト防止剤、抗酸化剤、離型剤、粘度低下剤、界面活性剤、蛍光剤、表面処理剤、架橋剤、加工助剤、粘着剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、及びアンチブロッキング剤が挙げられる。樹脂組成物がその他の添加剤を含有する場合、その他の添加剤の含有量(合計の含有量)は、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、1質量部以上であってよく、30質量部以下であってよい。
着色剤は、例えば、青色着色剤、赤色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、紫色着色剤等であってよい。着色剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
青色着色剤は、例えば、可視光領域(波長:380~750nmの全域)における最大吸収波長が600~750nmに存在する着色剤であってよい。青色着色剤の可視光領域における最大吸収波長での吸光度は、波長470nmでの吸光度の好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上である。具体的には、青色着色剤は、銅フタロシアニン(銅フタロシアニンブルー)、ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)、酸化第一コバルトと酸化アルミニウムとの混合物、インディゴ又はウルトラマリンであってよい。青色着色剤は、強度、分散性及び耐溶剤性をより向上させる観点から、好ましくは青色顔料である。
安定剤は、カルシウム/亜鉛系金属石鹸、又はハイドロタルサイトであってよい。
[ラップフィルム]
本実施形態に係る樹脂組成物は、ラップフィルムに好適に用いられる。本発明の一実施形態は、上述の樹脂組成物を含む層を備えるラップフィルムである。本実施形態に係るラップフィルムは、添加剤の食品への溶出量を低減できることから、食品の包装に特に好適に用いられる。
ラップフィルムは、(A)~(C)成分を含有する層の一層のみからなっていてもよく、複数の層からなっていてもよい。ラップフィルムが複数の層からなる場合、ラップフィルムは、例えば、第1の表面層と中間層と第2の表面層とをこの順に備えていてよい。この場合、例えば、第1及び第2の表面層は(A)~(C)成分及び必要に応じて添加される添加剤を含有し、中間層は(A)成分及び必要に応じて添加される添加剤を含有していてよい。ラップフィルムは、例えば、各層間の接着性を向上させるために、酸変性ポリオレフィン樹脂等を含有する接着層を更に備えていてもよく、ラップフィルムの熱安定性を向上させるために、ポリアミド系樹脂を含有する耐熱層を更に備えていてもよい。
ラップフィルムの厚さは、食品を外気から効率良く遮断する観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは6μm以上であってよく、また、取扱い性に優れる観点から、好ましくは20μm以下、より好ましくは18μm以下、更に好ましくは12μm以下であってよい。
ラップフィルムの全光線透過率は、視認性に優れる観点から、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上であり、例えば90%以下であってよい。全光線透過率は、JIS K7361-1に準じて入射光量及び全透過光量を測定し、全光線透過率=(全透過光量)/(入射光量)×100として算出できる。
ラップフィルムは、例えば、(A)~(C)成分、及び必要に応じて上述の添加剤を、V型ブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機により混合し、更に必要に応じてミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダ等の混練機により混練することで組成物を得た後、例えば押出成形することにより製造される。具体的には、該組成物を押出機のホッパーに供給しインフレーション法、プラストミルTダイ法等で目的とするラップフィルムが得られる。
ラップフィルムは一層からなっていてもよく、複数の層からなっていてもよい。ラップフィルムが複数の層からなる場合、ラップフィルムは、各層の構成原料を、それぞれ別々の押出機に投入して溶融押出し、インフレーション法、Tダイ法等により各層を共押出して積層することにより得られる。この際、Tダイより押出した溶融物をそのまま、キャスティングロール等で急冷しながら引き取るようにしてラップフィルムを形成することが好ましい。
このようにして得られたラップフィルムに対して、熱収縮率、自然収縮率等の軽減、幅収縮の発生の抑制などの目的に応じて、加熱ロール間での縦延伸、各種の熱固定、エージング等の熱処理を行ってもよく、防曇性、帯電防止性、粘着性等を向上させる目的で、コロナ処理、熟成処理、印刷、コーティング等の表面処理、表面加工などを行ってもよい。
[ラップフィルム収容体]
ラップフィルムは、例えば、長尺上に成形されて巻き取られた後に、20m、50m等の所望の長さごとに更に巻き替えられ(巻回され)、箱体に詰められることで製品とされる。本実施形態におけるラップフィルムは、巻芯に巻回されたラップフィルムの形態であってもよく、箱体に収容されたラップフィルムの形態であってもよい。
図1は、一実施形態に係るラップフィルム収容体を示す斜視図である。図1に示すように、一実施形態に係るラップフィルム収容体1は、ラップフィルム2と、ラップフィルムが巻回された巻芯3と、ラップフィルム2及び巻芯3を収容する箱体4とを備えている。箱体4には、ラップフィルム2を切断するための刃部5が設けられていてよい。巻芯3及び箱体4の材質は、特に限定されない。ラップフィルムの色を外部から認識し易い観点から、箱体4の少なくとも一部は、好ましくは透明であるか、箱としての機能を損なわない程度に穴が開いており、外部から内部を視認可能になっている。
一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、ロールの形で供給されうるものをいい(必要であれば、日本工業規格JIS K6900を参照できる)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本実施形態において文言上両者を区別する必要がないので、本明細書においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。また、「フィルム」は、上記の定義のうちでも特にラップフィルムを含む概念である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[樹脂組成物]
以下の成分を表1に示す配合量(質量部)で混合して、実施例及び比較例の樹脂組成物を調製した。
(A)成分:塩化ビニル樹脂(平均重合度:1050)
(B)成分:エポキシ化大豆油(三和合成化学株式会社製、「ケミサイザーSE-100」)
(C)成分:ジ(2-アセテート、3-エポキシオレート)グリセリルアジペート(式(4)の化合物)
(D)成分:アジピン酸系ポリエステル(Mw:2300)
(E)成分:アジピン酸ジオクチル(可塑化効率:0.85)
防曇剤:ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸、及びソルビタン脂肪酸エステルの混合物
安定剤:Ca-Zn系安定剤(株式会社ADEKA製、「SC-308E」)
(熱安定性の評価)
各樹脂組成物60gをラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製、「4C150-01」)に取り付けたローラミキサR60型に投入し、210℃、60rpmで混練することで、樹脂組成物の動的熱安定性を評価した。動的熱安定性時間は、定常トルクの数値から150%のトルク値に達するまでの時間とした。動的熱安定性時間が長いほど、熱安定性に優れているといえる。
(添加剤の溶出量(ヘプタン抽出量)の評価)
プラストミルTダイ押出機にて、各樹脂組成物を樹脂温度200℃で押出して、厚みが8.0μmのラップフィルムを作製した。一定面積の試料をラップフィルムから切り取り、その表面積1cm当たり2mLのヘプタン溶液に25℃の温度で1時間浸漬し、溶液を蒸発乾固させ、その重量を測定することでラップフィルムからヘプタン溶液への移行量を求めた。当該移行量が少ないほど、添加剤の溶出量を抑制できるといえる。
Figure 0007519246000006
1…ラップフィルム収容体、2…ラップフィルム、3…巻芯、4…箱体、5…刃部。

Claims (5)

  1. ポリ塩化ビニル系樹脂と、エポキシ化植物油と、下記式(1)で表される部分構造及びエポキシ基を有する化合物と、重量平均分子量が1000~3000であるポリエステル系可塑剤と、を含有し、
    前記エポキシ化植物油及び前記化合物の含有量が、前記ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1~12質量部であり、
    前記化合物の含有量が、前記エポキシ化植物油及び前記化合物の総量を基準として、50~70質量%である、樹脂組成物。

    [式(1)中、Rはアルキレン基を示す。]
  2. 前記化合物の分子量が、500~5000である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を含む層を備える、ラップフィルム。
  4. 食品の包装に用いられる、請求項に記載のラップフィルム。
  5. 巻芯と、
    前記巻芯に巻回された、請求項又はに記載のラップフィルムと、
    前記巻芯及び前記ラップフィルムを収容する箱体と、を備えるラップフィルム収容体。
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WO2020070836A1 (ja) 2018-10-03 2020-04-09 日立化成株式会社 樹脂組成物、ラップフィルム及びラップフィルム収容体

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