JP7519785B2 - 鋸刃 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された鋸刃は、組として繰り返し形成された複数の歯のピッチである歯先ピッチが、それぞれ異なっている。また、この鋸刃は、切削溝の全幅に対して同一の分割幅を切削する複数のアサリ歯が、所定のアサリパターンで繰り返し形成されており、各アサリパターンに該当する複数の歯のピッチである歯先機能ピッチがそれぞれ異なっている。
この鋸刃は、ワークピースの切削時にアサリパターンの繰り返し等によって生じる切削振動の共振が抑制されて切削騒音が低減する、とされる。
1) 鋸歯として形成された、第1の切削幅で切削する第1機能を有する2つの直歯と、第2の切削幅で切削する第2機能を有する3つの左アサリ歯と、第3の切削幅で切削する第3機能を有する3つの右アサリ歯とが、一定の順番で配置された鋸歯組を、繰り返して有する鋸歯部を備え、
前記一定の順番は切削時の走行方向の反対側に向け、直歯、右アサリ歯、左アサリ歯、右アサリ歯、直歯、左アサリ歯、右アサリ歯、左アサリ歯の順とされ、
前記3つの左アサリ歯を左アサリ歯機能組とし、
前記3つの右アサリ歯を右アサリ歯機能組とし、
一の鋸歯組の前記左アサリ歯機能組において隣接する前記左アサリ歯の歯先ピッチを走行方向の前側から第1ピッチ,第2ピッチとし、最後方の前記左アサリ歯と前記一の鋸歯組の後方側に隣接する前記鋸歯組の最前の前記左アサリ歯との歯先ピッチを第3ピッチとし、
前記一の鋸歯組の前記右アサリ歯機能組において隣接する前記右アサリ歯の歯先ピッチを走行方向の前側から第4ピッチ,第5ピッチとし、最後方の前記右アサリ歯と前記一の鋸歯組の後方側に隣接する前記鋸歯組における最も走行方向側の前記右アサリ歯との歯先ピッチを第6ピッチとしたときに、
前記第1ピッチ,前記第2ピッチ,及び前記第3ピッチが第1の大小関係をもって互いに異なり、
前記第4ピッチ,前記第5ピッチ,及び前記第6ピッチが第2の大小関係をもって互いに異なり、
前記鋸歯の歯先面積の大小を、逃げ面の突出部の有無及び前記突出部が有る場合の突出量の違い、又は逃げ面の抉り部の有無及び前記抉り部が有る場合の抉り量の違いで設定される歯先質量の大小に対応づけたときに、
前記第1ピッチ,前記第2ピッチ,及び前記第3ピッチそれぞれにおいて、走行方向と反対側の前記左アサリ歯の前記歯先面積の大小関係が前記第1の大小関係と一致し、
前記第4ピッチ,前記第5ピッチ,及び前記第6ピッチそれぞれにおいて、前記走行方向と反対側の前記右アサリ歯の前記歯先面積の大小関係が前記第2の大小関係と一致する鋸刃。
2) 前記鋸歯組における前記2つの直歯の歯先ピッチを第7ピッチとし、後方側の前記直歯と前記一の鋸歯組の後方側に隣接する前記鋸歯組における最も走行方向側の前記直歯との歯先ピッチを第8ピッチとし、前記第7ピッチと前記第8ピッチとの大小関係を第3の大小関係としたときに、
前記第7ピッチ及び前記第8ピッチそれぞれにおいて、走行方向と反対側の前記直歯の前記歯先面積の大小関係が、前記第3の大小関係と一致する1)に記載の鋸刃である。
3) 前記鋸刃は、帯鋸刃である1)又は2)に記載の鋸刃である。
(実施例1)
図1及び図2を参照して実施例1の帯鋸刃91Aを説明する。図1は、帯鋸刃91Aの部分側面図であり、図2は、帯鋸刃91Aの下面図である。
鋸歯部2Aは、複数の歯の組である鋸歯組G1が胴部1の長手方向に繰り返し形成されて構成されている。この例において、鋸歯部2Aは、N個の鋸歯組G1-1,G1-2,・・・,G1-N(Nは3以上の正の整数)を有するものとする。
鋸歯組G1における8つの鋸歯の配設順は、直歯C11を基準Aとして切削時の走行方向DRaの反対方向に向け、直歯C11、右アサリ歯R11,左アサリ歯L11,右アサリ歯R12,直歯C12,左アサリ歯L12,右アサリ歯R13,左アサリ歯L13である。
図3に示されるように、切削溝Wmの全幅Waに対し、直歯機能組CGは、直歯C11で示される切削幅W1の切削を担当する。左アサリ歯機能組は、左アサリ歯L12で示される切削幅W3の切削を担当する。右アサリ歯機能組は、右アサリ歯R12で示される切削幅W2の切削を担当する。
帯鋸刃91Aにおいて、4つの歯先ピッチP11~P14は互いに異なっている。歯先ピッチP11~P14の具体的寸法例は、次のとおりである。
歯先ピッチP11:8.3mm
歯先ピッチP12:6.9mm
歯先ピッチP13:6.2mm
歯先ピッチP14:7.6mm
この3種類の歯群は、直歯機能組CG,左アサリ歯機能組LG,及び右アサリ歯機能組RGである。直歯機能組CGは直歯C11,C12であり、左アサリ歯機能組LGは左アサリ歯L11~L13であり、右アサリ歯機能組RGは右アサリ歯R11~R13である。
帯鋸刃91Aでは、直歯機能組CGに対応した歯先機能ピッチとして直歯歯先機能ピッチ,右アサリ歯機能組に対応した歯先機能ピッチとして右アサリ歯歯先機能ピッチ,及び左アサリ歯機能組に対応した歯先機能ピッチとして左アサリ歯歯先機能ピッチが設定される。
歯先ピッチP11~P14に上述の寸法例を適用すると、
KPC11=P11+P12+P13+P14=8.3mm+6.9mm+6.2mm+7.6mm=29mm
である。
左アサリ歯歯先機能ピッチKPL11は、歯先ピッチP12,P13との和である。
左アサリ歯歯先機能ピッチKPL12は、歯先ピッチP14,P11,P12の和である。左アサリ歯歯先機能ピッチKPL13は、歯先ピッチP13,P14,P11の和である。
歯先ピッチP11~P14に上述の寸法例を適用すると、
KPL11=P12+P13=6.9mm+6.2mm=13.1mm
KPL12=P11+P12+P14=8.3mm+6.9mm+7.6mm=22.8mm
KPL13=P11+P13+P14=8.3mm+6.2mm+7.6mm=22.1mm
KPL11<KPL13<KPL12 ・・・ (式1)
である。
詳しくは、右アサリ歯歯先機能ピッチKPR11は、歯先ピッチP12,P13との和である。右アサリ歯歯先機能ピッチKPR12は、歯先ピッチP14,P11,P12の和である。右アサリ歯歯先機能ピッチKPR13は、歯先ピッチP13,P14,P11の和である。
すなわち、
KPR11=P12+P13=6.9mm+6.2mm=13.1mm
KPR12=P11+P12+P14=8.3mm+6.9mm+7.6mm=22.8mm
KPR13=P11+P13+P14=8.3mm+6.2mm+7.6mm=22.1mm
KPR11<KPR13<KPR12 ・・・ (式2)
である。
歯先面積は、鋸歯の側面視における歯底位置から先端側の部分の面積である。
帯鋸刃91の鋸歯部2Aにおいて、すべての鋸歯の歯底位置は、図1に示されるように、胴部1の縁部と平行な歯底線LN上にある。
図1において、歯先面積Lの鋸歯にはクロスハッチングを付し、歯先面積Mの鋸歯にはハッチングを付し、歯先面積Sの鋸歯は無地として区別している。
走行方向DRa側の右アサリ歯歯先機能ピッチが、最小の右アサリ歯歯先機能ピッチKPR11となる右アサリ歯R12の歯先面積を、最小の歯先面積Sとする。
走行方向DRa側の右アサリ歯歯先機能ピッチが、3つのうちの中間の右アサリ歯歯先機能ピッチKPR13である右アサリ歯R11の歯先面積を、中間の歯先面積Mとする。
走行方向DRa側の右アサリ歯歯先機能ピッチが、最大の右アサリ歯歯先機能ピッチKPR12である右アサリ歯R13の歯先面積を、最大の歯先面積Lとする。
具体的には、突出部T1bを設けない場合(実線)の歯先面積を歯先面積Sとする。そして、突出部T1bを第1の突出高さで設けた場合の歯先面積を歯先面積Mとすると、突出部T1bを第1の突出高さよりも高い第2の突出高さで設けた場合の歯先面積が歯先面積Lとなる。
図5(a)は、歯先面積Sの鋸歯形状であって、図1に示されるように、例えば直歯C11が該当する。
図5(b)は、歯先面積Mの鋸歯形状であって、図1に示されるように、例えば右アサリ歯R11が該当する。
図5(c)は、歯先面積Lの鋸歯形状であって、図1に示されるように、例えば左アサリ歯L11が該当する。
一般に、帯鋸刃の切削時には、機能毎の鋸歯の配列である繰り返しパターンに対応した周波数の基音及びその倍音が音として発生し、作業者などに切削騒音として聴取される。
これにより、右アサリ歯R11~R13及び左アサリ歯L11~L13から切削時に生じる各鋸歯の音の周波数が集中せず分散して、共振の発生が抑制されると共に、切削速度等の切削条件によって共振が生じた場合の共振周波数の音圧が低減される。
切削時に同一機能の鋸歯から生じる音の周波数の高低は、上述の右アサリ歯歯先機能ピッチ及び左アサリ歯歯先機能ピッチのみならず鋸歯の歯先質量にも影響を受ける。
具体的には、歯先質量の大きい鋸歯の方が小さい鋸歯よりも切削時に生じる音の周波数は低くなる。
これにより、右アサリ歯R12は、右アサリ歯歯先機能ピッチKPR11が最小であることで切削時に生じる音の周波数が他の右アサリ歯歯先機能ピッチの鋸歯よりも高くなることに加え、右アサリ歯R12は、最小の歯先面積S、すなわち最小の歯先質量を有することにより、切削時に生じる音の周波数がさらに高い方にシフトする。
これにより、右アサリ歯R13は、右アサリ歯歯先機能ピッチKPR12が最大であることで切削時に生じる音の周波数が他の右アサリ歯歯先機能ピッチの鋸歯よりも低くなることに加え、右アサリ歯R13は、最大の歯先面積L、すなわち最大の歯先質量を有することにより、切削時に生じる音の周波数がさらに低い方にシフトする。
すなわち、帯鋸刃91Aは、切削時に右アサリ歯R11~R13それぞれで生じる音の周波数が、互いに、より離隔して分散し、共振の発生がより抑制されると共に、切削速度等の切削条件によって共振が生じた場合の共振周波数の音圧がより低減される。
すなわち、最小の左アサリ歯歯先機能ピッチKPL11が走行方向DRa側のピッチとなる左アサリ歯L13は、最小の歯先面積Sで形成されている。
これにより、左アサリ歯L13は、左アサリ歯歯先機能ピッチKPL11が最小であることで切削時に生じる音の周波数が他の左アサリ歯歯先機能ピッチの鋸歯よりも高くなることに加え、左アサリ歯L13は、最小の歯先面積S、すなわち最小の歯先質量を有することにより、切削時に生じる音の周波数がより高い方にシフトする。
これにより、左アサリ歯L11は、左アサリ歯歯先機能ピッチKPL12が最大であることで切削時に生じる音の周波数が他の左アサリ歯歯先機能ピッチの鋸歯よりも低くなることに加え、左アサリ歯L11は、最大の歯先面積L、すなわち最大の歯先質量を有することにより、切削時に生じる音の周波数がさらに低い方にシフトする。
すなわち、帯鋸刃91Aは、切削時に左アサリ歯L11~L13それぞれで生じる音の周波数が、互いに、より離隔して分散し、共振の発生がより抑制されると共に、切削速度等の切削条件によって共振が生じた場合の共振周波数の音圧がより低減される。
図6及び図7を参照して実施例2の帯鋸刃91Bを説明する。図6は、帯鋸刃91Bの部分側面図であり、図7は、帯鋸刃91Bの下面図である。
鋸歯部2Bは、複数の歯の組である鋸歯組G2が胴部1の長手方向に繰り返し形成されて構成されている。
鋸歯組G2における8つの鋸歯の配設順は、直歯C21を基準Aとして切削時の走行方向DRaの反対方向に向け、直歯C21、右アサリ歯R21,左アサリ歯L21,右アサリ歯R22,直歯C22,左アサリ歯L22,右アサリ歯R23,左アサリ歯L23の順である。
帯鋸刃91Bにおいて、8つの歯先ピッチP21~P28において、歯先ピッチP21~P24と、歯先ピッチP25~P28とは、直歯C21,C22の走行側の歯先ピッチとなる歯先ピッチP24と歯先ピッチP28とが異なり、歯先ピッチP21~P23と歯先ピッチP25~P28とが同じになるよう対応づけられている。歯先ピッチP21~P28の具体的寸法例は、次のとおりである。
歯先ピッチP21:8.3mm
歯先ピッチP22:6.9mm
歯先ピッチP23:6.2mm
歯先ピッチP24:7.6mm
歯先ピッチP25:8.3mm
歯先ピッチP26:6.9mm
歯先ピッチP27:6.2mm
歯先ピッチP28:7.0mm
この3種の歯群は、直歯機能組CG,左アサリ歯機能組LG,及び右アサリ歯機能組RGである。直歯機能組CGは直歯C21,C22であり、左アサリ歯機能組LGは左アサリ歯L21~L23であり、右アサリ歯機能組RGは右アサリ歯R21~R23である。
帯鋸刃91Bでは、直歯機能組CGに対応した直歯歯先機能ピッチ,右アサリ歯機能組RGに対応した右アサリ歯歯先機能ピッチ,及び左アサリ歯機能組LGに対応した左アサリ歯歯先機能ピッチが設定される。
図6及び図7に示されるように、直歯歯先機能ピッチKPC21は、歯先ピッチP21~P24の和であり、直歯歯先機能ピッチKPC22は、歯先ピッチP25~P28の和である。
歯先ピッチP21~P28に上述の寸法例を適用すると、
KPC21=P21+P22+P23+P24=8.3mm+6.9mm+6.2mm+7.6mm=29mm
KPC22=P25+P26+P27+P28=8.3mm+6.9mm+6.2mm+7.0mm=28.4mm
KPC22<KPC21 ・・・ (式3)
である。
左アサリ歯歯先機能ピッチKPL21は、歯先ピッチP22,P23との和である。
左アサリ歯歯先機能ピッチKPL22は、歯先ピッチP24,P25,P26の和である。左アサリ歯歯先機能ピッチKPL23は、歯先ピッチP27,P28,P21の和である。
歯先ピッチP21~P28に上述の寸法例を適用すると、
KPL21=P22+P23=6.9mm+6.2mm=13.1mm
KPL22=P24+P25+P26=7.6mm+8.3mm+6.9mm=22.8mm
KPL23=P27+P28+P21=6.2mm+7.0mm+8.3mm=21.5mm
KPL21<KPL23<KPL22 ・・・ (式4)
である。
右アサリ歯歯先機能ピッチKPR21は、歯先ピッチP22,P23との和である。左アサリ歯歯先機能ピッチKPR22は、歯先ピッチP24,P25,P26の和である。左アサリ歯歯先機能ピッチKPR23は、歯先ピッチP27,P28,P21の和である。
歯先ピッチP21~P28に上述の寸法例を適用すると、
KPR21=P22+P23=6.9mm+6.2mm=13.1mm
KPR22=P24+P25+P26=7.6mm+8.3mm+6.9mm=22.8mm
KPR23=P27+P28+P21=6.2mm+7.06mm+8.3mm=21.5mm
KPR21<KPR23<KPR22 ・・・ (式5)
である。
図6において、歯先面積Lの鋸歯にはクロスハッチングを付し、歯先面積Mの鋸歯にはハッチングを付し、歯先面積Sの鋸刃は無地として区別している。
上述のKPR21<KPR23<KPR22の関係に基づき、
走行方向DRa側の右アサリ歯歯先機能ピッチが、最小の右アサリ歯歯先機能ピッチKPR21となる右アサリ歯R22は、最小の歯先面積Sとする。
走行方向DRa側の右アサリ歯歯先機能ピッチが、中間の右アサリ歯歯先機能ピッチKPR23となる右アサリ歯R21は、中間の歯先面積Mとする。
走行方向DRa側の右アサリ歯歯先機能ピッチが、最大の右アサリ歯歯先機能ピッチKPR22である右アサリ歯R23は、最大の歯先面積Lとする。
歯先面積の大小関係は、歯先面積S<歯先面積Lであるから、
上述の(式3)であるKPC22<KPC21の関係に基づき、
走行方向DRa側の直歯歯先機能ピッチが、小さい方の直歯歯先機能ピッチKPC22となる直歯C21の歯先面積を歯先面積Sとし、走行方向DRa側の直歯歯先機能ピッチが、大きい方の直歯歯先機能ピッチKPC21となる直歯C22の歯先面積を歯先面積Lとする。
これにより、切削時に、直歯C21で生じる音の周波数と直歯C22で生じる音の周波数とが集中せず分散して、共振の発生が抑制されると共に、切削速度等の切削条件によって共振が生じた場合の共振周波数の音圧がより低減される。
この例では、切削時に、直歯C21で生じる音の周波数が高い方へシフトし、直歯C22で生じる音の周波数が低い方へシフトして分散する。
これにより、右アサリ歯R22は、右アサリ歯歯先機能ピッチKPR21が最小であることで切削時に生じる音の周波数が他の右アサリ歯歯先機能ピッチの鋸刃よりも高くなることに加え、右アサリ歯R22は、最小の歯先面積S、すなわち最小の歯先質量を有することにより、切削時に生じる音の周波数がさらに高い方にシフトする。
これにより、右アサリ歯R23は、右アサリ歯歯先機能ピッチKPR22が最大であることで切削時に生じる音の周波数が他の右アサリ歯歯先機能ピッチの鋸歯よりも低くなることに加え、右アサリ歯R23は、最大の歯先面積L、すなわち最大の歯先質量を有することにより、切削時に生じる音の周波数がより低い方にシフトする。
これは左アサリ歯機能組LGにおいても同様であり、帯鋸刃91Bは、切削時に、中間の歯先面積Mを有する左アサリ歯L22で生じる音の周波数と、左アサリ歯L21で生じる音の周波数との差及び左アサリ歯L23で生じる音の周波数との差、がそれぞれ大きくなる。
さらに、帯鋸刃91Bは、直歯機能組CGについても、切削時に直歯C21で生じる音の周波数と直歯C22で生じる音の周波数とを異なるものとして分散させている。
これらにより、帯鋸刃91Bは、切削時に、右アサリ歯R21~R23,左アサリ歯L21~L23,及び直歯C21,21のそれぞれの鋸歯で生じる音の周波数が集中せずに分散し、共振の発生がより抑制されると共に、切削速度等の切削条件によって共振が生じた場合の共振周波数の音圧がより低減される。
例えば、歯底の位置を、歯底線LN1と歯底線LN1より深い位置にある歯底線LN2とのいずれかの線上に設定する。
具体的には、鋸歯T1,T2について、それぞれの歯底を、すくい側及び逃げ側が共に歯底線LN1上にある鋸歯T1、すくい側が歯底線LN2上にあり逃げ側が歯底線LN2上にある鋸歯T2とする。また、鋸歯T3,T4について、それぞれの歯底を、すくい側が歯底線LN1上にあり逃げ側が歯底線LN2上にある鋸歯T3、及びすくい側及び逃げ側が同じ歯底線LN2上にある鋸歯T4と設定する。
この方法によれば、歯先面積の小さい方から、鋸歯T1の歯先面積S、鋸歯T2の歯先面積M-、鋸歯T3の歯先面積M+、鋸歯T4の歯先面積L、の4種類の歯先面積の異なる鋸歯を形成できる。
図9に示されるように、鋸歯において、すくい角θa及び逃げ角θbを共通とし、逃げ面T1aに抉り部T1cを設けるか否か、及び抉り部T1cを設けた場合の抉り量の大小、で歯先面積の違いが設定されている。
具体的には、図10(a)に示されるように、抉り部T1cを最も深い抉り深さで設けた鋸歯T5の歯先面積を歯先面積Sとする。また、図10(b)に示されるように、鋸歯T5よりも浅い抉り部T1cを設けた鋸歯T6の歯先面積を歯先面積Mとする。また、図10(c)に示されるように、抉り部T1cを設けない鋸歯T7の歯先面積を歯先面積Lとする。
音圧測定は、騒音計としてRION社製のNL-42を用い、すべての供試帯鋸刃に対し同一の測定条件のもとで行った。また、グラフにはA特性による最大値をプロットした。
比較例2の帯鋸刃102は、帯鋸刃101に対し、すべての鋸歯を、歯先面積を同じとして形成したものである。
実施例2の帯鋸刃91Bは、実施例1の帯鋸刃91Aよりも音圧レベルが低くなっており、騒音がより低減することが認められる。
実施例1,2として帯鋸刃を説明したが、鋸刃は帯鋸刃に限定されるものではなく、丸鋸刃などであってもよい。
2A,2B 鋸歯部
91A,91B 帯鋸刃
A 基準
C11,C12,C21,C22 直歯
CG 直歯機能組
L11,L12,L13,L21,L22,L23 左アサリ歯
LG 左アサリ歯機能組
R11,R12,R13,R21,R22,R23 右アサリ歯
RG 右アサリ歯機能組
G1,G1-1,G1-2,G2, 鋸歯組
P11~P14,P21~P28 歯先ピッチ
KPC11,KPC21,KPC22 直歯歯先機能ピッチ
KPL11,KPL12,KPL13,KPL21,KPL22,KPL23 左アサリ歯歯先機能ピッチ
KPR11,KPR12,KPR13,KPR21,KPR22,KPR23 右アサリ歯歯先機能ピッチ
LN,LN1,LN2 歯底線
P11~P14,P21~P28 歯先ピッチ
PT1 歯先ピッチパターン
S,M,L 歯先面積
T1~T7 鋸歯
T1a 逃げ面
T1b 突出部
T1c 抉り部
WP ワーク
Wm 切削溝
Wa 全幅
W1,W2,W3 切削幅
θa すくい角
θb 逃げ角
Claims (3)
- 鋸歯として形成された、第1の切削幅で切削する第1機能を有する2つの直歯と、第2の切削幅で切削する第2機能を有する3つの左アサリ歯と、第3の切削幅で切削する第3機能を有する3つの右アサリ歯とが、一定の順番で配置された鋸歯組を、繰り返して有する鋸歯部を備え、
前記一定の順番は切削時の走行方向の反対側に向け、直歯、右アサリ歯、左アサリ歯、右アサリ歯、直歯、左アサリ歯、右アサリ歯、左アサリ歯の順とされ、
前記3つの左アサリ歯を左アサリ歯機能組とし、
前記3つの右アサリ歯を右アサリ歯機能組とし、
一の鋸歯組の前記左アサリ歯機能組において隣接する前記左アサリ歯の歯先ピッチを走行方向の前側から第1ピッチ,第2ピッチとし、最後方の前記左アサリ歯と前記一の鋸歯組の後方側に隣接する前記鋸歯組の最前の前記左アサリ歯との歯先ピッチを第3ピッチとし、
前記一の鋸歯組の前記右アサリ歯機能組において隣接する前記右アサリ歯の歯先ピッチを走行方向の前側から第4ピッチ,第5ピッチとし、最後方の前記右アサリ歯と前記一の鋸歯組の後方側に隣接する前記鋸歯組における最も走行方向側の前記右アサリ歯との歯先ピッチを第6ピッチとしたときに、
前記第1ピッチ,前記第2ピッチ,及び前記第3ピッチが第1の大小関係をもって互いに異なり、
前記第4ピッチ,前記第5ピッチ,及び前記第6ピッチが第2の大小関係をもって互いに異なり、
前記鋸歯の歯先面積の大小を、逃げ面の突出部の有無及び前記突出部が有る場合の突出量の違い、又は逃げ面の抉り部の有無及び前記抉り部が有る場合の抉り量の違いで設定される歯先質量の大小に対応づけたときに、
前記第1ピッチ,前記第2ピッチ,及び前記第3ピッチそれぞれにおいて、走行方向と反対側の前記左アサリ歯の前記歯先面積の大小関係が前記第1の大小関係と一致し、
前記第4ピッチ,前記第5ピッチ,及び前記第6ピッチそれぞれにおいて、前記走行方向と反対側の前記右アサリ歯の前記歯先面積の大小関係が前記第2の大小関係と一致する鋸刃。 - 前記鋸歯組における前記2つの直歯の歯先ピッチを第7ピッチとし、後方側の前記直歯と前記一の鋸歯組の後方側に隣接する前記鋸歯組における最も走行方向側の前記直歯との歯先ピッチを第8ピッチとし、前記第7ピッチと前記第8ピッチとの大小関係を第3の大小関係としたときに、
前記第7ピッチ及び前記第8ピッチそれぞれにおいて、走行方向と反対側の前記直歯の前記歯先面積の大小関係が、前記第3の大小関係と一致する請求項1記載の鋸刃。 - 前記鋸刃は、帯鋸刃である請求項1又は請求項2記載の鋸刃。
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