以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.第1実施形態>
<1-1.紙葉類処理装置10の概要>
図1は、紙葉類処理装置10の外観を示す斜視図であり、図2は、紙葉類処理装置10の概略構成を示すブロック図である。ここでは、紙葉類処理装置10として、紙幣処理装置、より詳細には、テーブル上に設置して利用する小型の紙幣処理装置を例示する。また、ここでは紙葉類として主に紙幣を例示するが、これに限定されず、紙葉類は、商品券、小切手、有価証券、および/またはその他のカード状媒体等であってもよい。
紙葉類処理装置10は、紙葉類の識別処理(具体的には、紙葉類の種類、真偽、および/または紙葉類表面(ひょうめん)における異物(テープ等)に関する識別処理)を行う紙葉類識別装置30(図2参照)を備える。紙葉類識別装置30は、紙葉類処理装置10の筐体19の内部に配置(内蔵)されている。紙葉類識別装置30は、後述するように紙葉類の表面における異常を検知する装置であり、異常検知装置とも称される。また、紙葉類識別装置30は、紙葉類の表面における異物の有無等に関する判定処理(異物検知処理)をも行う装置であることから、異物検知装置とも称される。なお、本願では、漢字で表記した「表面」は、「ひょうめん」と読むものとする。
紙葉類処理装置10は、図1に示されるように、操作部13と表示部15とホッパ11と複数(ここでは2つ)のリジェクト部12と複数(ここでは4つ)のスタッカ部16とを備えている。
操作部13は、複数のボタン等を備えて構成される。操作部13は、当該複数のボタン等を用いてオペレータからの指示を入力するための操作入力部である。表示部15は、液晶ディスプレイ等を備えて構成される。表示部15には、紙葉類の識別計数結果および各スタッカ部16の集積状況等の情報が表示される。
紙葉類処理装置10においては、複数の紙葉類の分類処理(整理処理とも称される)等が行われる。まず、ホッパ11には、処理対象の複数の紙葉類が積層状態で載置される。その後、ホッパ11から1枚ずつ繰り出された紙葉類が筐体19内部の紙葉類識別装置30へと搬送され、複数の紙葉類に対して紙葉類識別装置30による識別処理が順次に施される。そして、当該複数の紙葉類は、紙葉類識別装置30の識別結果等に基づいて分類される。具体的には、当該複数の紙葉類は、それぞれ、複数のリジェクト部12と複数のスタッカ部16とを含む複数の排出部(収容部とも称される)のうち紙葉類識別装置30の識別結果等に応じた排出部に排出される。この結果、当該複数の紙葉類は、当該複数の排出部にて分類された状態で収容される。
たとえば、ホッパ11から筐体19内に繰り出された紙葉類が偽券等のリジェクト紙幣であると判定される場合、当該リジェクト紙幣がリジェクト部12に排出される。また、複数のスタッカ部16においては、紙葉類識別装置30により真券であると判定された紙葉類(紙幣等)が、その種類(紙幣の場合は金種)および/またはその異物検知結果(識別結果とも称する)等に基づいて、分類されて集積される。詳細には、その表面に「異物(テープ等)が存在する」と判定された紙幣が、4つのスタッカ部16のうち一のスタッカ部16に収容され、その表面に「異物が存在しない」と判定された紙幣が、他の3つのスタッカ部16に金種毎に分類されて収容される。
ただし、これに限定されず、偽券又は真偽不確定券と判断された紙葉類は、リジェクト部12に返却されてもよいし、いずれかのスタッカ部16に収容されてもよい。また、その表面に「異物が存在する」と判定された紙葉類(真券等)が、2つのリジェクト部12の一方(あるいは双方)に排出されてもよい。
また、図2に示されるように、紙葉類処理装置10は、搬送部17および制御部20をも備えている。
搬送部17は、紙葉類を搬送するための搬送ローラ、および当該搬送ローラを駆動する駆動機構(駆動源および駆動力伝達機構)等を備えて構成される。
制御部20は、紙葉類識別装置30の制御部70(後述)と同様、CPU(Central Processing Unit)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。なお、紙葉類処理装置10の制御部20は、紙葉類識別装置30の制御部70と区別するため、本体制御部あるいは全体制御部とも称される。
制御部20は、そのCPUにおいて、後述する記憶部60(あるいは記憶部60とは別に設けられた記憶部)内に格納されている所定のソフトウエアプログラムを実行することによって、各種の処理を実現する。
たとえば、制御部20は、操作部13における操作入力処理、表示部15における表示処理等を制御する。また、制御部20は、搬送部17による紙葉類の搬送等を制御する。より詳細には、制御部20は、搬送部17の駆動機構等を利用して、紙葉類の搬送処理(紙葉類識別装置30への搬送処理、紙葉類識別装置30内での搬送処理、および紙葉類識別装置30による判定結果に基づく分類処理(分類搬送処理)等)を制御する。
<1-2.紙葉類識別装置(異常検知装置)30>
つぎに、紙葉類識別装置30の概略構成について説明する。紙葉類識別装置30は、紙葉類の表面における異常(異物)を検知する装置でもあり、異常検知装置(あるいは異物検知装置)とも称される。
図2に示されるように、紙葉類識別装置30は、センサユニット40,50と記憶部60と制御部(コントローラとも称する)70とを備えている。また、紙葉類識別装置30は、当該紙葉類識別装置30内において紙葉類を搬送するための搬送ローラをも備えている。紙葉類識別装置30内の当該搬送ローラは、上述の制御部20、および搬送部17の駆動機構等によって駆動される。なお、これに限定されず、紙葉類識別装置30内の当該搬送ローラは、制御部70等によって駆動されてもよい。
センサユニット40,50は、搬送部17によって搬送されてくる紙葉類に関する画像を取得する。センサユニット40は、紙葉類の表面における異物を検知するための画像を取得するユニットである。一方、センサユニット50は、紙葉類に関するその他の識別処理(具体的には、紙葉類の種類、真偽等に関する識別処理)を行うための画像を取得するためのユニットである。たとえば、センサユニット40は、センサユニット50よりも、紙葉類の搬送方向下流側(あるいは逆に上流側)に配置される。
センサユニット40は、紙葉類(紙幣等)の上面を読み取ることができるように、紙葉類の搬送面の上方に配置される。ただし、これに限定されず、センサユニット40は、逆に、紙葉類(紙幣等)の下面を読み取ることができるように、紙葉類の搬送面の下方に配置されてもよい。あるいは、紙葉類の上面(詳細には、上面の画像)を読み取るための上部ユニット40と、紙葉類の下面(詳細には、下面の画像)を読み取るための下部ユニット40との双方を備えていてもよい。これによれば、紙葉類識別装置30は、紙葉類(紙幣等)の両面を同時に読み取ることが可能である。
なお、本願明細書では、センサユニット40,50のうち、主にセンサユニット40に関する処理等について説明する。特に、センサユニット40を用いた画像取得処理、および当該画像取得処理で取得された画像に基づく異常検知処理等について説明する。
記憶部60は、各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えて構成される。記憶部60は、揮発性の記憶装置(たとえば、一時記憶用の半導体メモリ(RAM等))、および不揮発性の記憶装置(たとえば、不揮発性メモリ(ROM等)、ハードディスク)を備えて構成される。
制御部70は、紙葉類識別装置30に内蔵され、紙葉類識別装置30を制御する制御装置(コントローラとも称する)である。制御部70は、紙葉類識別装置30(異常検知装置)を制御する処理部であることから、識別制御部あるいは異常検知制御部などとも称される。
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)(マイクロプロセッサあるいはハードウエアプロセッサなどとも称される)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。制御部70は、CPUにおいて、記憶部60内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されて異常検知装置30にインストールされるようにしてもよい。あるいは、当該プログラムは、通信ネットワーク等を経由してダウンロードされて紙葉類識別装置30にインストールされるようにしてもよい。
たとえば、制御部70は、発光部32(図3参照)の各光源の点灯および消灯等を制御する。
また、制御部70は、受光部38(図3参照)で受光された光の受光量(受光強度)等に基づき、紙葉類の画像データを生成する。より詳細には、制御部70は、光源からの光のうち紙葉類の表面付近(後述)で反射した反射光の受光強度に基づき、紙葉類に関する画像データ(可視光画像データ等)を生成する。なお、制御部70は、紙葉類に関する画像(画像データ)を生成することから、画像生成部とも称される。
また、制御部70は、紙葉類の表面における異常検知処理を実行する。より詳細には、制御部70は、紙葉類に関する上記画像データに基づき、紙葉類の表面の異物(テープ等)の有無等を判定する。
<1-3.センサユニット40>
<センサユニット40の概略>
以下では、センサユニット40について説明する。
図3は、紙葉類識別装置30(特に、表面異常検知用のセンサユニット40)の概略構成を模式的に示す縦断面図である。図3は、紙葉類(ここでは紙幣90)の搬送面(水平面)に垂直な断面(且つ搬送方向に沿った断面)で紙葉類識別装置30を切断し、当該断面を当該断面に垂直な方向(側方)から見た概略図である。紙幣90は、処理対象の紙葉類の一例である。
図3に示されるように、センサユニット40の筐体31の下面41aと当該下面41aよりも更に下側に配置された対向面41bとの間に、数mm程度(たとえば1mm~3mm)の間隙(ギャップ)41が設けられている。紙幣90は、当該間隙41を通過して搬送方向(図の左右方向)に高速で移動する。
ここで、紙幣90は、紙幣90の表面に透光性異物(たとえば透明テープ92a等)を有し得る。たとえば、紙幣90の表面には、種々の目的(補修等)で透明テープ92aが貼付されている可能性がある。後述するように、紙葉類識別装置30は、紙幣90の表面に貼付された透明テープ92a等を異物として検知することが可能である。図3では、搬送中(間隙41内を高速通過中)の紙幣90が示されているとともに、当該紙幣90の表面には透明テープ92aが貼付されていることが示されている。
図3に示されるように、センサユニット40は、発光部32とレンズ(詳細には、GRINレンズ(セルフォック(登録商標)レンズ))36と受光部38とを筐体31内に備える。
発光部32は、水平方向(詳細には、図3の紙面に垂直な方向)に直線状に伸延して配置される。詳細には、発光部32は、その伸延方向に直線状に配列された複数の光源32a(ここではLED)を有している。発光部32は、紙幣の幅(搬送面において搬送方向に垂直な方向の長さ)より大きな範囲に亘って伸延するように配置される。なお、これに限定されず、たとえば、発光部32は、その伸延方向における両端部(あるいは一方端部)に配置された光源(LED等)と当該光源からの光を導く直線状の導光体とを備えて構成されてもよい。
光源32aは、たとえば白色光源である。白色光源は、可視光の波長域(400nm~700nm)の光を発する光源である。白色光源は、可視光の波長域(400nm~700nm)の光のみを発するものであってもよく、赤外光の波長域(700nm~1000nm)の光をも発するものであってもよい。なお、光源32aは、白色光源に限定されず、特定波長域の特定色の光(たとえば、緑色の光)を発する光源であってもよく、あるいは、可視光以外の波長域の光(たとえば、赤外光)を照射する光源であってもよい。
受光部38は、発光部32の光源32aから出射され反射拡散板33a(後述)で反射拡散され更に紙幣90の表面付近で反射された光を受光する。詳細には、受光部38は、レンズ36をさらに通過した光(反射光)を受光する。
受光部38は、1次元状(ライン状)に伸延するラインセンサ(受光素子群)などを備えて構成される。受光部38は、基板38bに固定されている。受光部38も、発光部32と同様に、図3の紙面に垂直な方向に直線状に伸延して配置される。ライン状の受光部38は、ライン状の発光部32に対して略平行に設けられる。
また、ラインセンサは、主走査方向(搬送方向に垂直な方向)に沿って一次元状(ライン状)に配置された複数の受光素子の受光量(画素値)をほぼ同時に取得する。換言すれば、ラインセンサは、紙幣90内のライン状領域の画像(1次元画像)を微小時間内に取得する。そして、紙幣90が副走査方向(搬送方向)に搬送されつつ、同様のライン状領域の画像取得処理が繰り返される。これによって、紙幣90の2次元状領域に関する画像(2次元画像)が取得される。このように、紙幣90の搬送中において、ラインセンサ(受光部)が紙幣90のライン状領域における反射光(紙幣90の表面付近からの反射光)を繰り返し受光し、紙幣90に関する画像(1次元画像および2次元画像)が生成される。
また、センサユニット40は、拡散部材33と偏光子34(ここではp偏光板34p)と透光部材35(ここでは、ガラス(詳細には平面ガラス部材))35と偏光子37(ここではs偏光板37s)と遮光部39とを筐体31内にさらに備える。
透光部材35は、平面視略矩形状の薄板部材(その表裏両面が平坦な部材)であり、光源32aと紙幣90との間に配置される。ここでは、透光部材(透明部材とも称される)35として、ガラスで形成された平面ガラス部材(ガラス板)を例示するが、これに限定されず、ガラス以外の材料(たとえば透光性樹脂)で形成されたもの(アクリル板等)であってもよい。
透光部材35は、筐体31の底部に設けられた略矩形状の開口部に嵌め込まれている。透光部材35の下面F2は、センサユニット40の筐体31の下面41aと同じ高さを有している。
拡散部材33は、光源32aから出射され透光部材35に到達するまでの光を拡散する部材である。ここでは、拡散部材33として、光源32aから出射され透光部材35に到達するまでの光を、反射しつつ拡散する反射拡散部材(詳細には反射拡散板33a)を例示する。
拡散部材33によって拡散された光は、透光部材35を通過した後に紙幣90の表面付近で反射され、再び透光部材35を通過した後に受光部38によって受光される。次述するように、偏光子34,37の通過時には、光のうちp偏光成分あるいはs偏光成分のみが通過する。
p偏光板34pは、光源32aから出射され拡散部材33で反射拡散されて透光部材35ならびに紙幣90(および透明テープ92a)へと向かう光のうち、p偏光成分のみを透過する偏光子である。p偏光板34pは、光源32aと透光部材35との間の光路(より詳細には、拡散部材33と透光部材35との間の光路)に配置される。
s偏光板37sは、透光部材35および紙幣90等(透光性異物92を含む)から受光部38へと向かう光のうち、s偏光成分のみを透過する偏光子である。s偏光板37sは、透光部材35と受光部38との間の光路(より詳細には、レンズ36と受光部38との間の光路)に配置される。
遮光部39は、光源32aから出射され透光部材35のおもて面で反射される光が受光部38へ到達することを遮る部分である。たとえば、遮光部39は筐体31の一部(突出部)として設けられる。
<透光部材35>
上述のように、この異常検知装置30(センサユニット40)においては、観察対象物(紙幣90等)と光源32aおよび受光部38との間に透光部材35(仕切り部材とも称される)が配置されている。詳細には、筐体31の底部に透光部材35が設けられている(図3参照)。これによれば、構成部材32~34,36~38を筐体31内に格納して保護すること(光源32aおよび受光部38等への粉塵侵入を防止すること等)が可能である。さらに、筐体底部の外側に存在する物体(紙幣90等)との間での光の授受を(透光部材35を介して)行うことも可能である。
また、透光部材35が設けられることによれば、紙幣90の搬送時において透光部材35がガイドとして機能する。それ故、透光部材35が設けられない場合に比べて、紙幣90を安定的に搬送することが可能である。
特に、透光部材35(特にその裏面F2)は、紙幣90の搬送面91(図3参照)に平行に配置されている。したがって、当該透光部材35の裏面F2が紙幣90の搬送面91に対して(部分的に)傾斜している場合(特に、間隙41の表面に凹凸を有する場合)に比べて、紙葉類の搬送異常(紙葉類の詰まり、破れ、滞留(一時的な引っかかり)等)の発生を抑制することが可能である。ひいては更に安定した搬送を実現することが可能である。
なお、紙幣90は、透光部材35のおもて面F1側ではなく透光部材35の裏面F2側にて、透光部材35の裏面F2に沿う方向に搬送される。紙幣90は、理想的には、透光部材35の裏面F2に対して常に平行に搬送される。ただし、後述するように、実際には、紙幣90は、透光部材35の裏面F2に対して若干の傾斜角度を有する状態で搬送されることがある。透光部材35の裏面F2に平行な面(紙幣90の搬送面91等)は、紙幣90の理想的な配置角度(透光部材35の裏面F2に対する傾斜角度)を有する平面であることから、紙幣90の「理想配置面」とも称される。
<受光部38>
また、受光部38は、図7にも示されるように、特定角度θ1で紙幣90の搬送面91に入射する入射光に対する正反射光を受光する角度θ2で配置されている。より詳細には、レンズ36(図3)の中心軸方向は、搬送面91の法線に対して角度θ2傾いた方向に一致しており、受光部38は当該レンズ36を通過した光を受光する。ここで、搬送面91は、透光部材35の裏面F2に平行な面である。また、角度θ1と角度θ2とは、紙幣90の搬送面91の法線(および透光部材35の表面の法線等)に対して逆向き且つ同じ大きさの角度である。このように、受光部38は、特定の入射角度θ1で入射し紙幣90の搬送面91にて反射角度θ2で反射する正反射光を受光するように構成されている。
角度θ1は、透光部材35(および/または透明テープ92a)の表面への入射に関するブリュースター角度あるいはその近傍の角度であることが好ましい。詳細には、角度θ1は、当該ブリュースター角度に対して-20°~+10°の範囲内の角度であることが好ましい。たとえば、ブリュースター角度が56°(degree)の場合、角度θ1は、36°~66°の範囲内の角度(50°等)であることが好ましい。
角度θ2についても同様である。
ブリュースター角度は、或る媒体(たとえば空気)から物体(透光性物体)へとp偏光が入射する際に、当該p偏光の反射率がゼロになる入射角度である。ブリュースター角度は、当該物体の材質等によって異なる。たとえば、透明テープおよびメンディングテープのブリュースター角度は、53°~56°程度である。また、ガラス(透明ガラス板)のブリュースター角度は、56°である。
図17は、p偏光の入射角度と当該p偏光の反射率との関係の一例(太い実線参照)を示す図である。図17においては、ブリュースター角度(56°)においてp偏光の反射率がゼロになっている。また、図17においては、s偏光の入射角度と当該s偏光の反射率との関係の一例(点線参照)も示されている。図17に示されるように、s偏光の反射率は、s偏光の入射角度の増大につれて増加する。
透光部材35に関するブリュースター角度近傍の角度θ1で入射したp偏光は、透光部材35のおもて面F1では殆ど反射されず、透光部材35内を進行する。また、透光部材35の裏面F2でも殆ど反射されず、透光部材35の裏面F2を通過する。すなわち、おもて面F1からの反射光C1、および裏面F2からの反射光C2は殆ど発生しない。したがって、角度θ1が(透光部材35に関する)ブリュースター角度あるいはその近傍の角度である場合、反射光C1,C2(図8参照)を低減することが可能である。
なお、後述するように、本願実施形態においては、透明テープ92aからの反射光C3,C4(図8等参照)の少なくとも一方(第1実施形態では反射光C4)を受光部38で受光することによって、透明テープ92aに関する画像を取得することが可能である。その際、不要な光C1,C2等は低減されることが好ましい。
<遮光部39>
また、この異常検知装置30においては、遮光部39が設けられている。
仮に遮光部39が存在しない場合には、拡散部材33から透光部材35の特定位置P0(図4参照)に特定角度θ1で入射し当該透光部材35のおもて面(上面)F1で反射される正反射光C1(図8参照)が受光部38へ到達し得る。
上記においては、角度θ1がブリュースター角度近傍の角度である場合には、透光部材35のおもて面F1では、p偏光は殆ど反射されない(反射光C1は殆ど発生しない)として説明している。ただし、厳密には、角度θ1がブリュースター角度に近い角度である場合(完全には一致しない場合)には、若干の正反射光C1が発生し得る。
これに対して、遮光部39は、図4に示されるように、拡散部材33から透光部材35の特定位置P0に特定角度θ1で入射しようとする光を(透光部材35で実際に反射される前に)遮っている。これにより、遮光部39は、透光部材35のおもて面F1(詳細には特定位置P0)で反射される光(C1)が受光部38へ到達することを遮っている。
特に、上述のように、受光部38は、入射角度θ1で入射し紙幣90の搬送面91にて反射角度θ2で反射する正反射光を受光するように構成されている。特定位置P0に特定角度θ1で入射しようとする光を遮ることによって、受光部38に入射し得る反射光C1の多くを遮断することが可能である。
なお、第2実施形態および第3実施形態(後述)のように、s偏光成分を含む光が透光部材35に入射して比較的大きな反射光C1が発生し得る場合には、遮光部39による遮光効果が特に有用である。
<1-4.センサユニット40を用いた画像取得およびテープ検知等>
次に、センサユニット40を用いた画像取得処理等について説明する。
上述のように、発光部32の各光源32aは、拡散部材33に向けて光を出射する。詳細には、複数の光源32aは、伸延方向(水平方向)における複数の位置(複数の水平位置)から拡散部材33に向けて光を出射する。当該光は、発光部32の伸延方向に垂直な平面内(図3の紙面内)において所定方向(図3にて発光部32から拡散部材33に向かう矢印の方向)を中心に或る程度の拡がりを有する状態で、拡散部材33に向けて進行する。
図3に示すように、発光部32の伸延方向における各位置(各水平位置)から出射された光(各水平位置の光源32aから出射された光)は、拡散部材33で反射され且つ拡散された後、p偏光板34pを通過して透光部材35に到達する。透光部材35に到達した光の少なくとも一部は、透光部材35を透過して紙幣90に向かう。なお、透光部材35に到達した光の他の一部は、透光部材35のおもて面(上面)F1および裏面(下面(底面))F2で反射される。
ここにおいて、物体(特に透光性を有する物体)に対して当該物体に隣接する媒体(空気等)から光が入射するにあたって、当該物体(透光性異物92あるいは透光部材35等)と当該物体に隣接する媒体との境界面(物体の面)として、2つの主平面が存在する。本願明細書において、当該2つの主平面のうち、光が最初に(先に)入射してくる側(光源側)の面が「おもて面」であり、その反対側の面が「裏面」(りめん(うらめん))である。
たとえば、図8の拡大断面図においては、透光部材35の上側の面(上面)F1が透光部材35の「おもて面」であり、透光部材35の下側の面(下面ないし底面)F2が透光部材35の「裏面」である。同様に、透光性異物92の上側の面F3が透光性異物92の「おもて面」であり、透光性異物92の下側の面F4が透光性異物92の「裏面」である。また、紙幣90の上面F5が紙幣90のおもて面である。なお、各物体の面F1~F5は、それぞれ、各物体の表面(ひょうめん)(surface)でもある。
基本的には、物体(透光性物体)のおもて面に向かう光の一部は、当該物体のおもて面で反射され、他の一部は、当該物体のおもて面を通過し当該物体の裏面へと向かう。また、当該物体の裏面に向かう光の一部は、当該物体の裏面で反射され、他の一部は、当該物体の裏面をも通過する。
さて、上述のように、拡散部材33で反射され且つ拡散された光は、透光部材35を透過して紙幣90に向かう。その後、当該光は、紙幣90上における透光性異物92の有無に応じて互いに異なる状況で進行する。
紙幣90の表面に透光性異物92(たとえば透明テープ92a)が付着(貼付)されている場合、透光部材35を透過して紙幣90に向かう光は、次のように進行する。具体的には、当該光は、透光性異物92のおもて面(上面)F3および裏面(下面(底面))F4ならびに紙幣90の表面F5で反射された後、レンズ36を通過して受光部38に向かう。この反射光は、s偏光板37sを通過して受光部38に到達する。なお、第1実施形態では透明テープ92aからの反射光C4(図8参照)が主に受光され、第2実施形態等では透明テープ92aからの反射光C3(図19参照)が主に受光される。
一方、紙幣90の表面に透光性異物92が存在しない場合、透光部材35を透過して紙幣90に向かう光は、紙幣90の表面F5で反射された後、レンズ36を通過して受光部38に到達する。この場合、反射光C3,C4は全く発生しない。
なお、受光部38にて受光される光については後に更に詳細に説明する。
そして、上述のように、受光部38での受光量に基づき、紙幣90に関する画像データが生成(取得)される(図6のステップS1も参照)。当該画像データは、制御部70(画像生成部)等によって生成される。たとえば、紙幣90の表面に異物(透明テープ92a等)が存在する場合、反射光C3,C4の少なくとも一方を主に受光した受光量に基づく画像データが生成される。当該画像データは、受光部38での受光量を反映したデータであることから受光量データとも称される。なお、図6は、制御部70の処理を示すフローチャートである。
次に、制御部70は、生成(取得)された画像データに基づき、紙幣90における異常の有無を判定する(ステップS2)。詳細には、紙幣90の表面における異物検知処理を実行する。
具体的には、制御部70は、事前に取得された正規画像データ(次述)とステップS1で取得された画像データ(処理対象画像データ)とのマッチング処理(比較処理)を実行する。正規画像データは、その表面に異物が存在しない紙幣90(正規対象物)の表面の画像データである。
当該マッチング処理において所定程度以上の相違が認識される場合、異物(テープ)が存在する旨が判定される。一方、当該マッチング処理において所定程度以上の相違が認識されない場合、異物(テープ)が存在しない旨が判定される。
そして、制御部70は、異物の存否の判定結果を本体制御部20に出力する(ステップS3)。本体制御部20は、当該判定結果に基づく分類処理を実行する。具体的には、本体制御部20は、各紙幣90を各判定結果等に応じた排出部(リジェクト部12およびスタッカ部16等)にそれぞれ排出する。
<1-5.受光部38にて受光される光>
次に、図8等を参照しつつ、受光部38によって受光される光について説明する。
図8は、受光部38によって受光される光を説明するための断面図である。当該断面図に示されるように、受光部38は、光源32aから出射され紙幣90の「表面付近」で反射された光を受光する。詳細には、受光部38は、紙幣90を平坦な透光部材35越しに上方側から見た領域のうち、紙幣90に関するライン状の観察対象領域(観察対象部分)からの光(断面における「表面付近」で反射された光)を受光する。受光部38および制御部70(画像生成部)は、このようにして受光した受光量に基づき、当該観察対象領域を観察した画像を生成(取得)する。なお、図8においては、その右上から拡散部材33による拡散光が入射する。また、紙幣90の表面付近で反射された光が図8の左上へと進行する。
ここで、紙幣90(紙葉類)の「表面付近」での反射光は、紙幣90の表面F5(図8の断面図における上方側の面)自体からの反射光C5のみならず、当該表面F5における異物(テープ等の透光性異物)からの反射光C3および/または反射光C4を含み得る。反射光C3は、透光性異物92(ここでは透明テープ92a)のおもて面F3(図8の断面図における上方側の面)で反射された光である。また、反射光C4は、透光性異物92(透明テープ92a)の裏面F4(図8の断面図における下方側の面)で反射された光である。
また、受光部38は、透光部材35(ガラス等)での反射光をも受光し得る。透光部材35(ガラス等)での反射光は、当該透光部材35のおもて面F1(図8の断面図における上方側の面)での反射光C1と、当該透光部材35の裏面F2(図8の断面図における下方側の面)での反射光C2とを含み得る。ただし、特に反射光C1は、上述の遮光部39による遮光効果等によっても抑制され得る。
なお、図8では、図示の都合上(具体的には、各反射光C1~C5を互いに分離して示すため)、受光部38で受光される各反射光の各反射位置は、本来の位置から水平方向にずれた状態で示されている。たとえば、受光部38にて受光される反射光C2は、透光部材35の裏面F2において、本来は、図8での反射位置よりも左側の位置P2(図4参照)で反射される。
図8に示されるように、拡散部材33で拡散されて入射角度θ1で入射した光は、p偏光板34pを通過する。当該光がp偏光板34pを通過する際には、当該光のうちp偏光成分のみがp偏光板34pを通過し、透光部材35に向けて進行する。
透光部材35に向けて進行してきた光(p偏光のみ)は、入射角度θ1(ここでは透光部材35に関するブリュースター角度近傍の角度)で透光部材35に入射する。ブリュースター角度近傍の角度で入射したp偏光は、透光部材35のおもて面F1では殆ど反射されずに透光部材35内を進行する。そのため、この場合、反射光C1は殆ど存在しない。同様に、透光部材35の裏面F2でも殆ど反射されずに透光部材35を透過し、透明テープ92aのおもて面へ向けて進行する。そのため、この場合、反射光C2は殆ど存在しない。
透明テープ92aに向けて進行してきた光(p偏光のみ)は、入射角度θ1(透明テープ92aに関するブリュースター角度近傍の角度)で透明テープ92aに入射する。ブリュースター角度近傍の角度で入射したp偏光は、透明テープ92aのおもて面F3では殆ど反射されずに透明テープ92a内を進行する。そのため、この場合、反射光C3は殆ど存在しない。
透明テープ92a内を進行する光には、p偏光からs偏光等への偏光状態の変更が生じる。そして、当該s偏光等の一部(s偏光成分の一部)は透明テープ92aの裏面F4で反射され、当該s偏光等の他の一部(s偏光成分の他の一部およびp偏光成分)は紙幣90の表面F5で反射される。これにより、透明テープ92aの裏面での反射光C4と紙幣90の表面での反射光C5(無偏光)とが発生する。なお、紙幣90に到達した光は、紙幣90の表面F5で反射される際に、無偏光状態に戻る。
透明テープ92aの裏面F4での反射光C4と紙幣90の表面F5での反射光C5(無偏光)とは、今度は逆に、透明テープ92aのおもて面F3から透光部材35に向けて進行する。なお、透明テープ92aの裏面F4では、ほぼs偏光成分のみの光が反射され、その後に透明テープ92a内での進行に応じて偏光状態がs偏光から更に変化した光C4(p偏光成分を含む)が進行する。そして、当該反射光C4は、さらに透光部材35およびレンズ36を通過して、受光部38に向かう。また、紙幣90の表面F5での反射光C5は、無偏光状態で透明テープ92a、透光部材35およびレンズ36を通過して、受光部38に向かう。
そして、これらの反射光C4,C5がs偏光板37sを通過する際には、当該反射光C4,C5のうちs偏光成分のみがs偏光板37sを通過し、受光部38で受光される。
この第1実施形態では、透明テープ92aの裏面F4での反射光C4が受光部38で受光されることによって、透明テープ92aの画像が取得され得る。
<1-6.第1実施形態の効果等>
<拡散部材33の拡散効果(反射光C1,C2の飽和防止)>
上記実施形態においては、拡散部材33による拡散効果によって、透光部材35からの反射光に起因する受光部38での受光量の飽和を回避することが可能である。以下、このような効果について説明する。なお、透光部材35からの反射光としては、透光部材35のおもて面F1からの反射光C1と透光部材35の裏面F2からの反射光C2とが存在する。ここでは、主に反射光C1の飽和防止効果について説明するが、反射光C2の飽和防止効果についても同様である。
ここにおいて、比較例(40Z)(図26参照)を想定する。当該比較例は、上記実施形態に係るセンサユニット40において、拡散部材33、p偏光板34p、遮光部39およびs偏光板37s等が設けられていない構成を備えている。当該比較例40Zにおいては、光源からの光が、拡散部材33によって拡散されることなく、そのまま直接的に(あるいは鏡面にて反射された後に)透光部材35に入射する。
比較例40Zにおいては、光源32aから出射された光は、透光部材35のおもて面F1(および裏面F2)でさらに反射されてレンズ36を通過して受光部38で受光される。特に、受光部38は、特定角度θ1で入射する入射光に対する正反射光を受光する角度θ2で配置されている。したがって、透光部材35の特定位置P0付近に特定角度θ1近傍の角度で入射する入射光に対する正反射光の受光量は非常に大きい。換言すれば、透光部材35からの強い正反射光(所定の入射角度θ1から集中的に入射し当該透光部材35にて正反射角度θ2方向へと集中的に反射される光(非拡散光))が受光部38にて受光される。それ故、受光部38での受光量が飽和してしまうことがある。
図9は、そのような飽和現象が発生した画像(飽和画像とも称する)の一例を模式的に示す図である。当該飽和画像は、その表面に透明テープ92aが貼付された紙幣90を、センサユニット40Zによって撮影して取得した画像である。この飽和画像では、透光部材35のおもて面F1(および裏面F2)における強い反射光C1(,C2)に起因して、全画素の画素値が飽和している(全画素の画素値が最大値(図では白色)である)。そのため、紙幣90の模様等を認識できないのみならず、透明テープ92a等を検出することもできない。
これに対して、上記センサユニット40においては、光源32aから出射された光は、拡散部材33で拡散され、均一な光が透光部材35に到達する。詳細には、光源32aから出射され拡散部材33の表面で反射された光は、特に受光部38のラインセンサの配列方向(画素列の配列方向)に垂直な面内にて拡散されて均一化される。したがって、透光部材35の特定位置P0付近に特定角度θ1近傍の角度で入射する入射光の光量は、拡散された光全体の極一部の光量であり、比較例40Zにおける当該入射光の光量よりも非常に小さい。その結果、透光部材35のおもて面F1(および裏面F2)からの反射光C1(,C2)の(受光部38による)受光量は、大幅に低減される。それ故、透光部材35からの反射光C1(,C2)に起因する受光部38での受光量の飽和を回避することが可能である。
なお、この第1実施形態においては、p偏光板34pを通過したp偏光成分のみが透光部材35に入射する。上述したように、受光部38が入射角度θ1の入射光を受光するように配置されており、当該入射角度θ1がブリュースター角度に完全に等しい場合、透光部材35からの反射光C1,C2は発生しない。この観点からも透光部材35での反射に起因する受光部38での受光量の飽和を回避することが可能である。一方、当該入射角度θ1がブリュースター角度から若干でもずれている場合、透光部材35での反射光C1,C2が若干発生し得る。また、入射角度θ1がブリュースター角度から比較的大きくずれている場合には、比較的強い反射光C1,C2が発生し得る。当該反射光C1,C2が発生する場合でも、上述のように、拡散部材33で拡散されて均一化された光が透光部材35に入射するので、透光部材35からの反射光に起因する受光部38での受光量の飽和を回避することが可能である。
図10は、第1実施形態に係るセンサユニット40(40Aとも称する)による撮影画像を模式的に示す図である。図10の撮影画像は、図9と同じ紙幣90(透明テープ92aが貼付された紙幣90)の撮影画像である。当該撮影画像では、紙幣90の模様を認識することが可能であるとともに、透明テープ92a等を検出することも可能である。なお、透明テープ92aは光沢を有しているため、透明テープ92aが貼付された部分の画素は一定程度よりも大きな輝度(大きな画素値)を有している。図10においては、透明テープ92aの貼付部分が白い部分(白色に近い色の部分)として示されている。
上述のようなマッチング処理(当該撮影画像(処理対象画像)と正規画像とのマッチング処理)によれば、透明テープ92a等を検出することが可能である。
なお、これに限定されず、たとえば、透明テープ92aが貼付された部分の画素が一定程度よりも大きな輝度(大きな画素値)を有していることを利用して、紙幣90の表面における透明テープ92aの有無を判定してもよい。具体的には、所定の閾値以上の画素値を有する領域が存在するか否かに応じて、当該透明テープ92aの有無を判定してもよい。
また、上述のように、本実施形態では、遮光部39が設けられている。そして、当該遮光部39によって、発光部32から出射され透光部材35のおもて面F1で反射される光C1が受光部38へ到達することが遮られている。それ故、透光部材35のおもて面F1で反射された不要な反射光C1が受光部38で受光されることが回避ないし抑制され得る。すなわち、このような構成によって、反射光C1の影響がさらに抑制され得る。ひいては、紙幣90の表面付近からの反射光を良好に受光することが可能である。
なお、本実施形態では、透光部材35の裏面F2からの反射光C2は、受光部38によって若干受光され得る。ただし、上述したような拡散部材33による拡散効果によって、反射光C2の影響が低減される。
また、遮光部39が設けられない場合においても、上述したような拡散部材33による拡散効果(特に受光部38のラインセンサの配列方向に垂直な面内での拡散効果)によって、反射光C1の影響が低減される。
<ばたつきに起因する悪影響の抑制>
また、上記実施形態においては、受光部38は、紙幣90の搬送中において、当該紙幣90の表面付近からの反射光を受光する。この際、光源32aからの光は拡散部材33で拡散されており、比較的広い角度範囲からの光が紙幣90の表面付近(ひいては透明テープ92a)へと到達して反射され、受光部38へと向かう。これによれば、紙葉類の搬送中において透光部材の裏面に対する紙葉類の傾斜角度がばたつく(変動する)ことに起因する悪影響を抑制することが可能である。以下、このような効果について説明する。なお、ここでは、透明テープ92aのおもて面F3での反射光C3に関して主に説明するが、透明テープ92aの裏面F4での反射光C4に関しても同様である。
ここにおいて、理想的には、紙幣90は当該紙幣90の搬送面91(図3等参照)に常に平行に搬送される。しかしながら、実際には、紙幣90は、当該搬送面91(紙幣90の理想配置面)に対して若干の傾斜角度を有した状態で搬送されることがある。また、当該角度は、一の紙幣90の搬送中に変動することもある。あるいは、複数の紙幣90のうち或る紙幣90と別の紙幣90とで、搬送面に対する傾斜角度が互いに異なることもある。このように紙幣90の搬送中においては、紙幣90の搬送面に対する紙幣90の傾斜角度の変動(端的に言えば(紙幣90の)「ばたつき」)が生じ得る。
比較例40Z(図26)において、このような「ばたつき」が生じると、透明テープ92aのおもて面F3(および裏面F4)からの反射光C3(,C4)の強度(受光量)が比較的大きく変動してしまう。図11は、その表面に貼付された透明テープ92aの傾斜角度の変動を伴いつつ搬送された紙幣90の撮影画像(比較例)を模式的に示す図である。図11においては、透明テープ92aの傾斜角度の変動等に起因して、搬送方向(副走査方向)において透明テープ92aからの反射光の強度差が生じている様子が示されている。
透明テープ92aのおもて面F3等が紙幣90の搬送面91に平行に近い場合(当該搬送面91に対する透明テープ92aの傾斜角度がゼロに近い場合)(図14も参照)には、角度θ1の入射光に対する比較的強い正反射光が受光部38で受光される。図11の比較的白い領域(比較的明るい領域)は、その傾斜角度がゼロに近い透明テープ92a部分(透明テープ92aにおいて紙幣90の搬送面に対して平行に近い部分)に対応する画像領域である。
逆に、紙幣90の搬送面91に対する透明テープ92aの傾斜角度が比較的大きくなると、同じ角度θ1から入射した光に対する正反射光自体は受光部38に入射しなくなり、当該角度θ1の入射光に対する正反射光を中心とする受光量が小さくなる。すなわち、受光部38での受光量が低下する。図11の(透明テープ92aに対応する領域のうち)比較的黒い領域(比較的暗い領域)は、その傾斜角度が比較的大きな透明テープ92a部分に対応する画像領域である。
このような受光量の変動が生じると、透明テープ92aを安定的に検知することができない。
たとえば、図10のように透明テープ92aが紙幣90に貼付されている場合において、図11の比較例のように透明テープ92aの部分に応じて輝度(画素値)が大きく変動してしまうことがある。
あるいは、図13のように小さな部分95のみに透明テープ92aが貼付されている場合において、部分95の撮影期間に亘って紙幣90の傾斜角度が一定程度よりも常に大きいときには、部分95の透明テープ92aを検知できないことがある。図12の比較例においては、透明テープ92aの部分95からの反射光が受光部38にて十分に受光されないために、部分95の画素値が大きく(明るく)なっていない。それ故、透明テープ92aの貼付部分95が高輝度領域(一定程度よりも高い輝度を有する領域)として検知されない。
このように、一般的には、紙葉類の搬送中において透光部材の裏面に対する紙葉類の傾斜角度がばたつく(変動する)ことに起因する悪影響(ばたつきに起因する受光量の変動)が発生し得る。
一方、上記実施形態においては、光源32aからの光が一旦拡がって拡散部材33の所定範囲(比較的広い範囲)に照射された後に拡散部材33で拡散されている。それ故、拡散部材33の当該所定範囲に対応する比較的広い角度範囲からの光が透光部材35(ひいては透明テープ92a)へと到達して反射される。
まず、図14に示されるように、透明テープ92aが紙幣90の搬送面91に平行な場合には、入射角度θ1(搬送面91の法線に対する角度)からの入射光B1(B10)に対する正反射光B2(位置P3での正反射光)が受光部38にて良好に受光される(図7も参照)。
一方、図15に示されるように、透明テープ92aの傾斜角度が紙幣90の搬送面91に対して+Δθずれた場合(透明テープ92aの法線が搬送面91の法線に対して+θずれた場合)を想定する。この場合、角度(θ1+2×Δθ)からの入射光B12に対する正反射光B2(位置P3での正反射光)が受光部38にて良好に受光される(図7も参照)。上述のように、光源32aからの光は拡散部材33の広い範囲の各位置で拡散されている。そのため、拡散部材33の比較的下方の表面で拡散された光((搬送面91の法線に対して)比較的大きな入射角度の光)もが透明テープ92aの位置P3に到達する。そして、紙幣90および透明テープ92aの法線方向が(図15等において)時計回りに微小角度Δθずれた場合には、拡散部材33の比較的下方からの光(比較的大きな入射角度の光)B12が透明テープ92a等で反射して受光部38にて受光される。
また、図16に示されるように、透明テープ92aの傾斜角度が紙幣90の搬送面91に対して-Δθ(微小角度)ずれた場合(透明テープ92aの法線が搬送面91の法線に対して-θずれた場合)を想定する。この場合、角度(θ1-2×Δθ)からの入射光B11に対する正反射光B2(位置P3での正反射光)が受光部38にて良好に受光される(図7も参照)。上述のように、光源32aからの光は拡散部材33の広い範囲の各位置で拡散されている。そのため、拡散部材33の比較的上方の表面で拡散された光((搬送面91の法線に対して)比較的小さな入射角度の光)B11もが透明テープ92aの位置P3に到達する。そして、紙幣90および透明テープ92aの法線方向が(図16等において)反時計回りに微小角度Δθずれた場合には、拡散部材33の当該比較的上方からの光(比較的小さな入射角度の光)B11が透明テープ92a等で反射して受光部38にて受光される。
このように、光源32aからの光が拡散部材33で拡散されており、比較的広い角度範囲からの光が透光部材35(ひいては透明テープ92a)へと到達して反射される。また、いずれの入射角度からの光(B10,B11,B12等)も均一化された拡散光であり、いずれの入射角度からの光を受光した場合であっても、その受光量に大きな差は無い。その結果、たとえば、図10(あるいは図13)のように、透明テープ92aの貼付領域が一様に明るい領域として検出され得る。
したがって、紙幣90(紙葉類)の搬送中において(透光部材35の裏面F2等に対する)紙幣90の傾斜角度がばたつく(変動する)場合であっても、透明テープ92aからの反射光(C3等)の光量の大きさの変化を抑制することが可能である。
特に、受光部38は、所定の入射角度θ1で紙幣90の搬送面91へと入射する入射光に対する正反射光を受光する角度θ2で配置されている。換言すれば、受光部38は、所定の入射角度θ1で紙幣90の搬送面91へと入射する入射光に対する反射光C3(B2)等を良好に受光する(図14参照)。また、拡散部材33は、所定の入射角度θ1のみならず所定の入射角度θ1の近傍の所定幅にわたる角度範囲R1から紙幣90の搬送面91に入射するように、光源から出射された光を拡散する。当該角度範囲R1は、所定の入射角度θ1に対する±φ1の範囲((θ1-φ1)以上(θ1+φ1)以下の範囲)である。なお、角度φ1は、所定幅の広さを定めるパラメータである。
これによれば、紙幣90がその搬送時に当該紙幣90の搬送面91に対して±(φ1/2)°程度ばたついて搬送される場合であっても、当該紙幣90からの正反射光が受光部にて適切に受光される。したがって、搬送中における紙幣90のばたつきに依る悪影響を抑制することが可能である。
また、当該角度範囲R1は、想定される傾斜角度の変動量に応じて定められればよい。
たとえば、当該角度範囲R1は、所定の入射角度に対する±3°の範囲を少なくとも含む範囲に定められる。これによれば、紙幣90がその搬送時に当該紙幣90の搬送面91(理想配置面)に対して少なくとも±1.5°程度ばたついて搬送される場合であっても、当該紙幣90からの正反射光が受光部にて適切に受光され、搬送中における紙幣90のばたつきに依る悪影響を抑制することが可能である。端的に言えば、少なくとも±1.5°程度のばたつきを吸収することが可能である。
同様に、当該角度範囲R1は、所定の入射角度に対する±5°(あるいは±10°)の範囲を少なくとも含む範囲に定められてもよい。これによれば、紙幣90が搬送時に当該紙幣90の搬送面91に対して少なくとも±2.5°(あるいは±5°)程度ばたついて搬送される場合であっても、当該紙幣90からの正反射光が受光部にて適切に受光され、搬送中における紙幣90のばたつきに依る悪影響を抑制することが可能である。
特に、当該角度範囲R1が大きくなるにつれて、より大きな範囲に亘る傾斜角度のばらつきを吸収することが可能である。
<2.第2実施形態>
<2-1.概要>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
上記第1実施形態においては、上述したように、透明テープ92aの裏面での反射光C4が受光部38で主に受光(図8参照)されること等によって、透明テープ92aの画像が取得され得る。たとえば、紙幣90の表面F5において、透明テープ92aが入射面(入射光と反射光とを含む平面)に対して垂直あるいは平行に貼付される場合(図10参照)には、上述したように透明テープ92aを良好に認識することができた。
しかしながら、第1実施形態に係る構成では、透明テープ92aの貼付方向に依拠して透明テープ92aからの反射光の強度が大きく変動する現象(次述)が生じた。
具体的には、紙幣90の表面において、透明テープ92aが入射面(入射光と反射光とを含む平面)に対して斜めに貼付される場合(図20参照)には、透明テープ92aが良好に認識されない、との現象が生じた(図21)。図21は、紙幣90に関する撮影画像において透明テープ92aが消失して認識できない状況を示している。
このような現象は、透明テープ92aの中を光が進行する際に偏光状態が変化していくこと、およびその変化の度合いがテープの貼り付け方向に依拠して異なること等に起因する、と推察される。より詳細には、テープの長さ方向とテープの幅方向とで屈折率が異なること等に起因する。
たとえば、縦向き(あるいは横向き)に透明テープ92aが紙幣90に貼付されている場合には、透明テープ92aに入射したp偏光がp偏光成分とs偏光成分とを含む光に変化した状態で透明テープ92aの裏面F4で反射される(図8参照)。裏面F4での反射直後の反射光C4は、ほぼs偏光成分である。その後、裏面F4からおもて面F3にかけては当該s偏光成分がp偏光成分とs偏光成分とを含む光に変化して進行し、このうちs偏光成分のみがs偏光板37sを透過して受光部38にて受光される。
一方、透明テープ92aが紙幣90内において当該紙幣90の斜め方向に貼付されている場合には、透明テープ92aに入射したp偏光がs偏光成分を含む光に変化した状態で透明テープ92aの裏面F4で反射される。その後、裏面F4からおもて面F3にかけては、裏面F4で反射されたs偏光成分が、p偏光成分のみを含む光に変化しつつ進行し、当該p偏光成分がs偏光板37sで遮断される。この結果、反射光C4は受光部38では受光されない。すなわち、透明テープ92aが消失して認識できない状況が発生する。
これに対して、第2実施形態に係る紙葉類処理装置10(10Bとも称する)によれば、上記の問題を解消することが可能である。すなわち、透明テープ92aが消失して認識できない状況の発生を回避することが可能である。
図18は、第2実施形態に係る異常検知装置30(30Bとも称する)におけるセンサユニット40(40Bとも称する)の構成を示す図である。
第2実施形態に係るセンサユニット40(40B)は、p偏光板34pに代えてs偏光板34sを偏光子34として有している点で、第1実施形態に係るセンサユニット40(40A)と相違する。当該構成を有すること等によって、上述の問題、具体的には、透明テープ92aの貼付方向に依拠して透明テープ92aを認識できなくなる問題、を解消することが可能である(後述)。
<2-2.受光部38にて受光される光>
図19は、第2実施形態において受光部38によって受光される光を説明する図である。図19は図8と同様の図である。図19に示されるように、図8(第1実施形態)と比較すると、上述のようにp偏光板34pに代えてs偏光板34sが設けられており、これに伴って受光部38で受光される光が異なっている。
図19に示されるように、拡散部材33で拡散されて入射角度θ1で入射した光は、s偏光板34sを通過する。当該光がs偏光板34sを通過する際には、当該光のうちs偏光成分のみがs偏光板34sを通過し、透光部材35に向けて進行する。
透光部材35に向けて進行してきた光(s偏光のみ)は、入射角度θ1で透光部材35に入射する。入射角度θ1で入射したs偏光の一部(C1)は、透光部材35のおもて面F1で反射されて受光部38に向かう。この反射光C1は透明テープ92aの観測には不要な光である。
ここでは、透光部材35のおもて面F1での反射光(の一部)が受光部38に到達しないように遮光部39によって遮られる。より詳細には、透光部材35への入射光(の一部)が位置P0に到達しないように遮光部39によって遮られ、当該入射光に対応する反射光が受光部38に到達することが遮られる。したがって、反射光C1による影響が低減される。
透光部材35に入射した光の他の一部は、透光部材35のおもて面F1を通過した後に透光部材35の裏面F2で反射され、さらに他の一部は、透光部材35の裏面F2をも通過して透明テープ92aに向かう。
透光部材35の裏面F2で反射された光C2は、透光部材35のおもて面F1を通過した後、受光部38に向かう。この反射光C2も透明テープ92aの観測には不要な光である。ここにおいて、透光部材35への入射光は、拡散部材33によって拡散されて均一化されているので、透光部材35の裏面F2からの不要な反射光C2は均一化されその最大値が抑制される。したがって、反射光C2の受光量の飽和を回避することが可能である。
透光部材35を通過して透明テープ92aに向かう光の一部は、透明テープ92aのおもて面F3で反射される。この反射光C3は、今度は逆向きに透光部材35を通過し更にレンズ36をも通過して受光部38に向かう。反射光C3は、s偏光であるので、s偏光板34sをそのまま通過して受光部38で受光される。当該反射光C3の受光量に基づいて、透明テープ92aを良好に認識することが可能である。
透光部材35を通過して透明テープ92aに到達した光の一部は、透明テープ92aのおもて面F3を通過した後に透明テープ92aの裏面F4で反射される。当該反射光C4は、透明テープ92aのおもて面F3および透光部材35を通過しさらにレンズ36をも通過して、受光部38に向かう。
透明テープ92a内を通過する光の偏光状態は、透明テープ92aの偏光作用によってs偏光からp偏光に変化する。ただし、後述するように、透明テープ92aの貼り付け角度に依っては偏光の程度等が異なることがある。
透明テープ92aの裏面F4での反射光(主にs偏光成分)C4は、今度は逆に、透明テープ92aのおもて面から透光部材35に向けて進行する。この際、当該反射光C4は、s偏光状態から、p偏光成分を含む状態への偏光状態の変化を伴いつつ進行する。そして、反射光C4は、さらに透光部材35およびレンズ36を通過して受光部38に向かう。
そして、当該反射光C4がs偏光板37sを通過する際には、当該反射光のうちs偏光成分のみがs偏光板37sを通過する。仮に反射光C4がp偏光成分のみで構成される場合には、s偏光板37sで遮断され、受光部38には到達しない。ただし、反射光C4がs偏光成分をも有する場合には、当該s偏光成分がs偏光板37sを通過し受光部38で受光される。
また、透明テープ92aのおもて面F3から入射し透明テープ92aの裏面F4を通過した光は、紙幣90の表面F5に到達し、当該表面F5で反射される。なお、紙幣90に到達した光は、紙幣90の表面F5で反射される際に、無偏光状態に戻る。
紙幣90の表面F5での反射光C5は、今度は逆向きに透明テープ92aおよび透光部材35を通過し、さらにレンズ36をも通過して、受光部38に向かう。
上述の反射光C1~C5がs偏光板37sを通過する際には、当該反射光のうちs偏光成分のみがs偏光板37sを通過し、受光部38で受光される。特に、反射光C3は、反射光C4,C5よりも大きな成分である。
このように透明テープ92aのおもて面F3での反射光C3が受光部38で主に受光されることによって、透明テープ92aの画像が取得され得る。
<2-3.第2実施形態の効果等>
<入射側光路にp偏光子が存在しないことによる利点等>
第2実施形態においては、s偏光成分のみを透過するs偏光板34s(第1偏光子)が光源32aと透光部材35との間の光路(透光部材35に対する入射側(光源側)の光路)に設けられている。
そのため、まず、光源32aと透光部材35との間の光路(入射側の光路)に、p偏光子が設けられていないことによる利点を得ることができる。
具体的には、第2実施形態においては、p偏光板34pの代わりにs偏光板34sが設けられており、「s偏光成分を含まない光」(p偏光成分のみを含む光)ではなく「s偏光成分を含む光」が透光部材35を透過して紙幣90に向かう。より具体的には、第1偏光子(s偏光子)34sを透過した入射光(s偏光成分のみ)が透光部材35に到達し透光部材35を透過して紙幣90に向かう。
そして、紙幣90の表面F5に透明テープ92a(透光性異物)が存在する場合、透明テープ92aに到達した当該s偏光成分が透明テープ92aのおもて面F3で反射され、透明テープ92aのおもて面F3からの強い反射光C3(主にs偏光成分)が受光部38に向かう。
なお、仮に(入射側にp偏光子が設けられて)p偏光成分のみがブリュースター角度近傍の角度で入射して当該透明テープ92aに到達するときには、当該p偏光成分は当該透明テープ92aをほぼ透過し、当該透明テープ92aのおもて面ではほぼ反射されない。それ故、透明テープ92aのおもて面F3からの反射光C3は非常に小さい(ほぼゼロである)(第1実施形態参照)。
一方、s偏光成分が紙幣90の表面の透明テープ92aに到達するときには、透明テープ92aのおもて面F3からの反射光C3の大きさに関して、紙幣90の表面における透明テープ92aの有無に応じた有意な差異が存在する。したがって、紙幣90の表面付近に向かう光は、s偏光成分を有すること(p偏光成分のみでないこと)が好ましい。
上述のように、第1実施形態では、透明テープ92aの貼付方向に依拠して透明テープ92aからの反射光C4の強度が大きく変動し、透明テープ92aの貼付方向に依っては透明テープ92aを認識できなくなる現象が生じた。また、当該現象は、透明テープ92aの中を光が進行する際に偏光状態が変化していくこと、およびその変化の度合いがテープの貼り付け方向に依拠して異なること等に起因する、と推察される。第1実施形態では、主に反射光C3ではなく反射光C4が受光部38にて受光されるために、当該現象が生じる。
一方、第2実施形態においては、透明テープ92aのおもて面F3からの反射光C3が受光部38で主に受光される。当該反射光C3の受光量は、透明テープ92aの裏面F4からの反射光C4の受光量よりも非常に大きい。反射光C3は、透明テープ92aのおもて面F3での反射光であり、透明テープ92a内での進行過程を含まない。すなわち、反射光C3は、透明テープ92a内での進行過程を含む反射光C4とは大きく相違する。したがって、反射光C3の受光量は、透明テープ92aの貼付方向の影響を受けない。それ故、第1実施形態で発生した上記現象を回避することが可能である。具体的には、透明テープ92aが消失して認識できない状況の発生を回避することが可能である。
なお、ここでは、透光性異物92として透明テープ92aを例示しているが、これに限定されない。たとえば、メンディングテープが透光性異物92として紙幣90に貼付されていてもよい。なお、メンディングテープが紙幣90に貼付される場合、第1実施形態では、(反射光C3が殆ど無いことに加えて)メンディングテープの表面加工(半透明)によって反射光C4が小さくなるため、視認性が必ずしも十分ではない。
一方、この第2実施形態によれば、メンディングテープのおもて面F3からの反射光C3が良好に受光されるので、メンディングテープを良好に認識することが可能である。さらに、メンディングテープの貼付方向に依拠して当該メンディングテープを認識できなくなる、との現象の発生を防止することも可能である。
ここにおいて、受光部38の配置角度θ2に対応する角度(入射角度)θ1は、紙幣90の理想配置面(搬送面91)の法線方向に対して45°以上70°以下の範囲内の角度であることが好ましい。なるべく深い角度(紙幣90の理想配置面の法線方向に対して45°以上の大きな角度)で光が入射することによれば、紙幣90上の異物のおもて面F3での反射率(特にs偏光成分の反射率)が大きくなり、反射光C3の強度を大きくすることが可能である。ひいては、紙葉類上の異物を認識し易くなる。また、装置を構成する際の各要素の配置制約等を考慮すると、入射角θ1は、一定値以下(90°よりも所定程度小さな角度以下(たとえば70°以下))であることが好ましい。また、透光部材35での反射光の抑制(透光部材35での透過光の増大(ひいては透明テープ92aでの反射光C3の増大))の観点からも、入射角θ1は、一定値以下であることが好ましい。
<入射側光路にs偏光子が存在することによる利点>
さらに、第2実施形態においては、s偏光板34s(第1偏光子)が光源32aと透光部材35との間の光路(入射側の光路)に設けられていることによる利点(積極的な利点)も得られる。
具体的には、入射側の第1偏光子34(s偏光板34s)によってs偏光成分のみが透過されて透光部材35および紙幣90に到達する。それ故、光源32aからの光のうちp偏光成分もが透光部材35を透過し紙幣90に到達する場合に比べて、紙幣90の表面F5での反射光C5の光量を抑制できる。なお、s偏光成分のみならずp偏光成分もが透光部材35を透過する場合、s偏光成分のみが透光部材35を透過する場合よりも大きな光量の光が紙幣90に対して到達する。それ故、反射光C5の光量が増大してしまう。逆に言えば、s偏光成分のみが透光部材35を透過する場合、s偏光成分のみならずp偏光成分もが透光部材35を透過する場合よりも反射光C5の光量を低減することが可能である。
したがって、紙幣90上の透明テープ92aのおもて面F3での反射光C3の光量(謂わば正規信号)に対する、紙幣90の表面F5での反射光C5の光量(謂わばノイズ)の割合を抑制することが可能である。ひいては紙幣90上の透明テープ92aのおもて面F3からの反射光C3を良好に検出することが可能である。
このように、p偏光成分を第1偏光子で遮断し反射光C5の光量を抑制することによって、第1偏光子によるノイズ(C5)抑制効果(換言すれば、SN比(C3/C5)の向上効果)を得ることが可能である。
<出射側光路にp偏光子が存在しないことによる利点>
また、第2実施形態においては、s偏光成分のみを透過するs偏光板37s(第2偏光子)が透光部材35と受光部38との間の光路(透光部材35に対する出射側(受光部側)の光路)に設けられている。
そのため、透光部材35と受光部38との間の光路(出射側の光路)に、p偏光子(p偏光成分のみを通過する偏光子)(換言すれば、s偏光成分を遮断する偏光子)が設けられていないことによる利点を得ることができる。具体的には、透明テープ92aのおもて面F3からの反射光C3に含まれるs偏光成分を遮断せずに受光部38へと進行させることが可能である。端的に言えば、s偏光成分を含む光(特に反射光C3)が受光部38に到達し得る。その結果、反射光C3を大きな信号として得ることによって透明テープ92aの存否を良好に判定することが可能である。
仮に、透光部材35と受光部38との間の光路にp偏光板が偏光子37として設けられている場合を想定する。この場合、透明テープ92aのおもて面F3からの反射光C3(ほぼs偏光成分)は、当該p偏光板にてほぼ遮断される。
これに対して、第2実施形態においては、s偏光成分のみを透過するs偏光板37s(第2偏光子)が透光部材35と受光部38との間の光路に設けられている。すなわち、p偏光子ではなくs偏光子である第2偏光子が受光部側に設けられている。
そのため、透光部材35と受光部38との間の光路にp偏光板が設けられている場合とは異なり、透明テープ92aのおもて面F3からの反射光C3(ほぼs偏光成分)は、s偏光板37s(第2偏光子)にてそのまま透過されて受光部38で受光される。
したがって、紙幣90上の透明テープ92aのおもて面F3で反射されたs偏光の光が受光部側のp偏光子で遮断される場合と比べて、透明テープ92aのおもて面F3で反射された反射光(s偏光成分)C3が受光部で良好に受光される。
このように、透光部材35と受光部38との間の光路(出射側の光路)にはp偏光子(p偏光板等)が設けられないことが好ましい。
<出射側光路にs偏光子が存在することによる利点>
さらに、透光部材35と受光部38との間の光路(出射側の光路)に、s偏光板37s(第2偏光子)が設けられていることによる利点(積極的な利点)を得ることができる。
具体的には、s偏光板37sは、紙幣90の表面F5での反射光C5(無偏光状態の光)のうちs偏光成分のみを透過して受光部38に到達させる。換言すれば、p偏光成分がs偏光板37sによて遮断される。したがって、当該反射光C5のうち(s偏光成分のみならず)p偏光成分もが受光部38に到達する場合に比べて、紙幣90の表面F5での反射光C5の受光量が抑制(減衰)される。したがって、紙幣90上の異物のおもて面F3での反射光C3の光量(謂わば正規信号)に対する紙幣90の表面F5での反射光C5の光量(謂わばノイズ)の割合を抑制することが可能である。ひいては紙幣90上の異物のおもて面F3からの反射光C3を良好に検出することが可能である。
このように、反射光C5に含まれるp偏光成分を第2偏光子で遮断することによって、第2偏光子によるノイズ(C5)抑制効果(換言すれば、SN比(C3/C5)の向上効果)を得ることが可能である。
<その他>
また、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
具体的には、紙葉類の搬送中において透光部材の裏面に対する紙葉類の傾斜角度がばたつく(変動する)ことに起因する悪影響を抑制することが可能である。
また、第1実施形態と同様に、拡散部材33で拡散されて均一化された光が透光部材35に入射するので、透光部材35からの反射光C1,C2に起因する受光部38での受光量の飽和を回避することが可能である。なお、第2実施形態では、s偏光板34sを通過した光(s偏光成分)が透光部材35に入射するため、透光部材35からの反射光C1,C2が一定程度発生し得る。このような反射光C1,C2が発生する場合であっても、拡散部材33で拡散されて均一化された光が透光部材35に入射するので、透光部材35からの反射光C1,C2に起因する受光部38での受光量の飽和を回避することが可能である。
より詳細には、この第2実施形態においては、光源32aから出射された光は、第1偏光子34(s偏光板34s)を透過する。そのため、第1実施形態とは異なり、透光部材35に到達する光は、(p偏光成分のみではなく)s偏光成分を含む。その結果、透光部材35の裏面F2での反射光C2が第1実施形態よりも多く発生する。
ただし、光源32aからの光は拡散部材33によって拡散されており、均一化された光が透光部材35に向かうので、当該透光部材35の裏面F2からの不要な反射光C2が均一化されその最大値が抑制される。したがって、反射光C2の受光量の飽和を回避することが可能である。
なお、透光部材35のおもて面F1での反射光C1も発生し得る。反射光C1が発生した場合であっても、光源32aからの光は拡散部材33によって拡散されており、均一化された光が透光部材35に向かうので、同様に、反射光C1も均一化されその最大値が抑制される。したがって、反射光C1の受光量の飽和を回避することが可能である。ただし、上記実施形態においては、反射光C1は遮光部39によって反射光C1の発生が抑止されている。これによれば、反射光C1による悪影響をさらに確実に回避すること
が可能である。
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。以下では、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態においては、入射側に第1偏光子(s偏光板34s)が設けられ且つ出射側に第2偏光子(s偏光板37s)が設けられている(図18および図19参照)。詳細には、s偏光成分のみを透過するs偏光板34s(第1偏光子)が光源32aと透光部材35との間の光路に設けられ、s偏光成分のみを透過するs偏光板37s(第2偏光子)が透光部材35と受光部38との間の光路に設けられている。
一方、この第3実施形態においては、第1偏光子(s偏光板34s)と第2偏光子(s偏光板37s)とのうち、第1偏光子(s偏光板34s)が設けられていない(図22および図23参照)。詳細には、光源32aと透光部材35との間の光路には何れの偏光子も設けられておらず、無偏光状態の光が透光部材35に入射する。なお、第2偏光子(s偏光成分のみを透過するs偏光板37s)は透光部材35と受光部38との間の光路に設けられている。
図23は、第3実施形態に係る異常検知装置30(30Cとも称する)におけるセンサユニット40(40Cとも称する)の構成を示す図である。
第3実施形態によっても、第2実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
たとえば、入射側の光路(光源32aと透光部材35との間の光路)にp偏光子が設けられないことによる効果を得ることが可能である。具体的には、第3実施形態においては、s偏光成分を含む光(詳細には、無偏光状態の光)が透光部材35に向かい、s偏光成分を含む光が透光部材35を通過して透明テープ92aに向かう。それ故、第2実施形態と同様に、透明テープ92aのおもて面F3からの反射光C3(s偏光成分を含む光)が受光部38に向かう。その結果、透明テープ92aの貼付方向に依拠して透明テープ92aを認識できなくなる問題を解消すること等が可能である。
その他の効果も第2実施形態と同様に得ることが可能である。
ただし、入射側の光路にs偏光子(s偏光板34s等)が設けられることによる効果(積極的な効果)を得ることはできない。具体的には、「C3/C5」のSN比に関する、第1偏光子による向上効果は得られない。第1偏光子によるSN比(C3/C5)の向上効果(ノイズ(C5)抑制効果)を得るとの観点からは、第2実施形態に係る構成が好ましい。
<4.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
<センサユニット40の他の構成例1>
たとえば、上記第2実施形態においては、入射側の光路にs偏光子(s偏光板34s)が設けられ且つ出射側の光路にs偏光子(s偏光板37s)が設けられているが、これに限定されない。
具体的には、第2実施形態と同様に入射側の光路にs偏光子(s偏光板34s等)が設けられる一方で、出射側の光路には偏光子(p偏光子とs偏光子とのいずれも)が設けられなくてもよい(図24参照)。図24は、このような改変例に係る異常検知装置30(30Dとも称する)を示す図である。
これによっても第2実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
ただし、出射側の光路(透光部材35と受光部38との間の光路)にs偏光板37s(第2偏光子)が設けられていることによる利点(積極的な利点)を得ることはできない。具体的には、反射光C5に含まれるp偏光成分をs偏光板37s(第2偏光子)で遮断することによる効果は得られない。詳細には、紙幣90上の異物のおもて面F3での反射光C3の光量(謂わば正規信号)に対する紙幣90の表面F5での反射光C5の光量(謂わばノイズ)の割合を抑制することはできない。このような第2偏光子によるノイズ(C5)抑制効果(換言すれば、SN比(C3/C5)の向上効果)を得るとの観点からは、第2実施形態(あるいは第3実施形態)に係る構成が好ましい。
<センサユニット40の他の構成例2>
あるいは、入射側の光路にも出射側の光路にも偏光子(p偏光子とs偏光子とのいずれも)が設けられなくてもよい(図25参照)。図25は、このような改変例に係る異常検知装置30(30Eとも称する)を示す図である。
これによっても第2実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
ただし、図24の改変例と同様に、出射側の光路(透光部材35と受光部38との間の光路)にs偏光板37s(第2偏光子)が設けられていることによる利点(積極的な利点)を得ることはできない。反射光C5に含まれるp偏光成分を第2偏光子で遮断することによる、ノイズ(C5)抑制効果(換言すれば、SN比(C3/C5)の向上効果)を得るとの観点からは、第2実施形態(あるいは第3実施形態)に係る構成が好ましい。
また、入射側の光路(光源32aと透光部材35との間の光路)にs偏光板34s(第1偏光子)が設けられていることによる利点(積極的な利点)を得ることもできない。具体的には、p偏光成分を第1偏光子で遮断し反射光C5の光量を抑制することによる効果は得られない。詳細には、紙幣90上の異物のおもて面F3での反射光C3の光量(謂わば正規信号)に対する紙幣90の表面F5での反射光C5の光量(謂わばノイズ)の割合を抑制することはできない。このような第1偏光子によるノイズ(C5)抑制効果(換言すれば、SN比(C3/C5)の向上効果)を得るとの観点からは、第2実施形態に係る構成が好ましい。
<反射光C2の影響抑制>
また、上記各実施形態(特に第2実施形態および第3実施形態)等においては、受光部38での受光量は、透光部材35の裏面F2で反射される反射光C2(図19および図23等参照)の受光量を含んでいる。上述のように拡散部材33による拡散効果によって当該反射光C2の影響は低減されているものの、次のようにして反射光C2の影響をさらに低減させるようにしてもよい。
具体的には、紙葉類処理装置10(特に異常検知装置30(制御部70等))は、透光部材35の裏面F2で反射され受光部38で受光される反射光C2の受光量(裏面反射光量とも称する)を予め取得しておく。
詳細には、紙幣90の代わりに予備調整用の黒色用紙(その表面に異物を有しないもの)を使用して、紙葉類処理装置10において上記と同様の受光処理等を実行する。当該黒色用紙を使用することによって、反射光C3,C4,C5が発生しない状態で当該黒色用紙からの反射光が受光部38で受光される。遮光部39によって反射光C1が遮られている状態では、当該黒色用紙からの反射光は、ほぼ透光部材35の裏面F2からの反射光C2のみである。
このような事前処理によって裏面反射光量(反射光C2の光量)が予め取得(測定)される。
その後、本来の処理対象の紙幣90の検知処理時(図6参照)において、制御部70等は、当該検知処理時における受光部38での受光量(反射光C2を含む受光量)から裏面反射光量(事前に測定された反射光C2の受光量)を差し引いた光量に基づき、画像を生成する。
このような処理によれば、受光部38での受光量が透光部材35の裏面F2からの不要な反射光C2の光量を含んでいる場合であっても、透光部材35の裏面F2からの当該不要な反射光C2の影響を抑制することが可能である。特に、受光素子ごとのばらつき、及び透光部材35の裏面における位置ごとのばらつきを吸収することが可能である。
<その他>
また、上記各実施形態では、透光性異物92として透明テープ92a(およびメンディングテープ)を例示しているが、これに限定されない。透光性異物92は、接着剤および糊などであってもよい。また、接着剤などが紙幣90の裂け目に塗布されている状況も、紙幣90の表面に異物が存在する状況に含まれるものとする。
また、上記各実施形態等においては、拡散部材33として反射拡散部材(反射方式の拡散部材)が採用されているが、これに限定されない。たとえば、拡散部材33は、透過方式の拡散部材(たとえば、磨りガラス等)であってもよい。
また、上記各実施形態等では、拡散部材33が発光部32とは別個に設けられているが、これに限定されない。たとえば、光源に近接した位置に設けられた拡散部材と当該光源とが一体化された発光部が設けられてもよい。より詳細には、光源の前面側に設けられた遮蔽部によって直接光が前面側に出射することを防ぎつつ、光源の背面側に反射拡散部材を設け、当該光源の背面側から出射した光が当該反射拡散部材で反射且つ拡散されて前面側へと出射するようにしてもよい。