JP7531340B2 - 蓄電池制御装置および蓄電池システム - Google Patents

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Description

本開示は、電力系統に接続される蓄電池を制御する蓄電池制御装置、およびこの蓄電池制御装置を備える蓄電池システムに関する。
電力系統(以下、単に系統ともいう)の電力の周波数(以下、系統周波数ともいう)は、需要と供給のバランスの変化などに依存して変化する。電力の周波数の変化が大きいと、需要家設備および発電機に影響を与えるため、電力の周波数を安定化させることが望まれている。
特許文献1には、系統周波数を安定化させるために、系統に接続される蓄電池の放電量を制御する技術が開示されている。特許文献1に記載の系統安定化装置は、発電所における発電機の合計の出力の変化に課せられる制限値を運転中の発電機の定格出力を用いて算出し、発電機および蓄電池の出力の合計値の潮流の計測値の変化が、算出した制限値以内となるように蓄電池の放電量を制御する。特許文献1に記載の系統安定化装置は、このように、発電機全体の出力の変化を系統周波数の変化に影響を与えないように制限できることから、系統周波数を安定化させることができる。
国際公開第2013/140916号
電力系統では、電力の需要量と供給量とをバランスさせることが要求される。このため、複数の発電機のうち1台の発電機が故障などで停止した場合、運転を継続している他の発電機が自動的に出力を増加させることで、供給力の不足を回避している。しかしながら、この方法では、運転を継続している発電機の出力が急増するため、系統周波数が変動するという問題点がある。また、特許文献1に記載の技術では、発電機および蓄電池の出力の合計値の潮流の計測値を用いるため、一部の発電機が停止したことを検出できない。これは、上述したように、停止した発電機の発電量を補うように他の発電機が自動的に出力を増やすため、一部の発電機が停止したとしても発電機全体の出力値はほとんど変わらないためである。このため、特許文献1に記載の技術では、発電機の1台が停止したことにより他の発電機が自動的に出力を増加させることにより生じる系統周波数の変動を抑制するができないという問題がある。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、一部の発電機が停止したことにより他の発電機が自動的に出力を増加させることにより生じる系統周波数の変動を抑制することができる蓄電池制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる蓄電池制御装置は、電力系統に接続される蓄電池を制御する蓄電池制御装置であって、電力系統に接続される複数の発電機のそれぞれの出力の計測値を取得する計測データ取得部、を備える。蓄電池制御装置は、さらに、計測値に基づいて、複数の発電機のそれぞれが停止したか否かを判断する発電機停止判定部と、発電機停止判定部によって複数の発電機のうち一部の発電機である第1の発電機が停止し、複数の発電機のうち第1の発電機以外の発電機である第2の発電機が運転を継続していると判定された場合に、蓄電池の放電量を増加させる充放電量決定部と、を備える。
本開示によれば、一部の発電機が停止したことにより他の発電機が自動的に出力を増加させることにより生じる系統周波数の変動を抑制することができるという効果を奏する。
実施の形態の電力系統システムの構成例を示す図 実施の形態の蓄電池制御装置の構成例を示す図 処理回路がプロセッサを備える回路である場合の処理回路の構成例を示す図 実施の形態の蓄電池制御装置における発電機停止時の制御の一例を示すフローチャート 実施の形態の発電機停止時の制御の様子を示す図 実施の形態の蓄電池制御装置における発電機停止時の制御の別の一例を示すフローチャート 図4、図6に例示した処理によって蓄電池の放電量の増加が開始された後の処理手順の一例を示すフローチャート
以下に、実施の形態にかかる蓄電池制御装置および蓄電池システムを図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本開示にかかる実施の形態の電力系統システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の電力系統システムは、蓄電設備である蓄電池1と、蓄電池1を制御する蓄電池制御装置2と、発電機3-1~3-3と、需給制御装置5と、を備える。蓄電池1および発電機(図1ではGと記載)3-1~3-3は、連系線11を介して、電力系統10に連系している。すなわち、蓄電池1および発電機3-1~3-3は、電力系統10に接続される。電力系統10には、負荷(図1ではLと記載)4が接続されている。なお、電力系統10に接続される負荷4は一般にはひとつではないが、複数の負荷をまとめて負荷4と記載している。また電力系統10には、発電機3-1~3-3以外の発電設備が接続されていてもよい。電力系統10は、例えば、マイクログリッドと呼ばれる離島などにおける小規模な独立系統であるが、電力系統10はこれに限定されない。
需給制御装置5は、電力系統10の全体の需給バランスを管理しており、負荷4の消費する電力量すなわち需要量に応じて発電機3-1~3-3の運転の開始および停止を制御するとともに、運転中の発電機3-1~3-3の出力を制御する。電力系統10に発電機3-1~3-3以外の発電機が接続されている場合には、需要量に応じて、電力系統10の全体で需給のバランスがとれるように、発電機3-1~3-3の出力である発電量を決定する。
発電機3-1~3-3は、例えば、発電所に設置され、需給制御装置5からの制御指令に基づいて、液体、気体または固体の燃料を用いて発電を行う。発電機3-1~3-3は、例えば、発電を行う出力すなわち発電量を調整可能な発電機である。発電機3-1~3-3は、例えば、液体、気体または固体の燃料を用いて発電を行う火力発電機、水力発電機である。
発電機3-1~3-3は、系統周波数の変動に対応するため、調速機(ガバナ)などににより、自動的に出力を制御する機能を有している。発電機3-1~3-3の出力は上述したように需給制御装置5によって管理されるが、需給制御装置5の制御指令は発電機3-1~3-3が正常である前提で生成される。需給制御装置5は、図示しない保護リレーなどからの事故信号などに基づいて発電機3-1~3-3の故障を検出するが、需給制御装置5が、事故信号を受信してから、当該事故信号に基づいて故障を検出して制御指令を変更するまでには時間を要する。したがって、需給制御装置5からの制御指令により、発電機3-1~3-3の全てが運転中であるときに、発電機3-1~3-3のうちの1台が故障などにより停止した場合、発電機3-1~3-3のうち運転を継続している他の発電機は、ガバナの機能により、需要に対する供給力の不足を周波数の変化として検知して出力を増加させることにより需給のアンバランスの発生を防いでいる。すなわち、発電機3-1~3-3のそれぞれは、発電機3-1~3-3の合計の出力が目標値に保たれるように出力を制御する。これにより、需給のアンバランスを抑制するとともに系統周波数の変動を抑制することができる。このように、停止した発電機の分の供給量を他の発電機によって補うことができるので、発電機3-1~3-3の出力の合計値は、発電機3-1~3-3のうちの1台が停止したとしてもほぼ変化しない。
蓄電池1と蓄電池制御装置2とは蓄電池システムを構成する。蓄電池1は、電気を蓄えることが可能な電池本体と、当該電池本体に蓄えられた電力を交流電力に変換するインバータと、交流電力を直流電力に変換するコンバータとを備える蓄電設備である。蓄電池1は、蓄電池制御装置2から受信する充電指令に基づいて充電を行い、蓄電池制御装置2から受信する放電指令に基づいて放電を行う。
以下、発電機3-1~3-3のそれぞれを個別に区別せずに示すときは発電機3と記載し、計測装置6-1~6-3のそれぞれを個別に区別せずに示すときは計測装置6と記載する。図1に示した例では、3台の発電機3を備える例を示しているが、発電機3は複数であればよく、発電機3の数は図1に示した例に限定されない。計測装置6は発電機3ごとに設けられる。
上述したように、運転中の複数の発電機3のうちの1台が停止すると、運転を継続している他の発電機3が出力を増加させる。このとき、運転を継続している他の発電機3は、急激に出力を増加させることになるため、応答速度の遅い燃料系が追従できない。このため、発電機3の回転子が持つ回転エネルギーに関して、燃焼系から入力されるエネルギーと電気エネルギーに変換されることによるエネルギー消費とが大きく乖離することにより系統周波数が不安定になる。電力系統10の負荷4の需要量が少ないほど、系統周波数が不安定となることの影響が大きいため、離島などの小規模な系統では系統の不安定の影響が大きくなる。本実施の形態では、発電機3-1~3-3のそれぞれの出力を計測装置6-1~6-3によってそれぞれ計測し、蓄電池制御装置2が、計測装置6-1~6-3の計測値を用いて発電機3-1~3-3のいずれかが停止したか否かを判定し、発電機3-1~3-3のいずれかが停止したと判定した場合に、蓄電池1の放電量を増加させる。これにより、運転を継続している他の発電機3の出力の変化率を抑制することができ、系統周波数の変動を抑制することができる。また、蓄電池1を放電させることにより発電機3の燃料費を抑制することができる。
また、本実施の形態では、発電機3の出力の計測値を用いて発電機3の停止を判定しているので、事故信号などを受信する必要がない。事故信号を受信するためには電力系統10を制御する制御システムとの間で通信を行う必要があるが、本実施の形態では制御システムとの間で通信回線を設ける必要はない。このため、既設の設備に、蓄電池1および蓄電池制御装置2を追加する場合であっても、また、本実施の形態では、発電機3の出力の計測値を用いて発電機3の停止を判定しているので、事故信号を用いて発電機3の停止を判定する場合より、速やかに発電機3の停止を判定することができる。
図2は、本実施の形態の蓄電池制御装置2の構成例を示す図である。図2に示すように、本実施の形態の蓄電池制御装置2は、計測データ取得部21、発電機停止判定部22、充放電量決定部23、指令部24およびデータ記憶部25を備える。
計測データ取得部21は、計測装置6から当該計測装置6に対応する発電機3の出力の計測値を示す計測データを取得する。すなわち、計測データ取得部21は、複数の発電機である発電機3-1~3-3のそれぞれの出力の計測値を取得する。計測装置6は、発電機3の出力として例えば有効電力を計測する。なお、図2では計測装置6を1台示しているが、計測データ取得部21は、各計測装置6から対応する発電機3の出力の計測値を示す計測データを取得する。計測データ取得部21は、各計測装置6から取得した計測データをデータ記憶部25へ格納する。
発電機停止判定部22は、データ記憶部25に記憶されている計測データに基づいて停止した発電機3があるか否かを判断する。すなわち、発電機停止判定部22は、発電機3-1~3-3の出力の計測値に基づいて、発電機3-1~3-3のうち一部の発電機である第1の発電機が停止したか否かを判断する。また、発電機停止判定部22は、計測データ取得部21から直接取得した計測データを用いて、停止した発電機3があるか否かを判断してもよい。
充放電量決定部23は、蓄電池1の充放電量を決定する。充放電量決定部23は、例えば、停止した発電機3があると発電機停止判定部22によって判定された場合、蓄電池1の放電量を増加させるように放電電力を決定する。充放電量決定部23は、発電機停止判定部22によって第1の発電機が停止したと判定された場合に、蓄電池1の放電量を増加させる。充電電力の増加のさせ方としてはどのような方法が用いられてもよいが、例えば、一秒あたり増加させる充電電力すなわち充電電力を増加させる場合の時間に対する傾きをあらかじめ定めておいてもよいし、計測データに基づいて充電電力を決定してもよい。充放電量決定部23の動作の詳細については後述する。
指令部24は、充放電量決定部23により、決定された充放電量に応じて充電指令または放電指令を生成し、生成した指令を蓄電池1へ出力する。データ記憶部25は、上述した計測データを記憶する。
ここで、蓄電池制御装置2のハードウェア構成について説明する。蓄電池制御装置2の計測データ取得部21、発電機停止判定部22、充放電量決定部23および指令部24は処理回路により実現される。また、データ記憶部25はメモリにより実現される。
蓄電池制御装置2の計測データ取得部21、発電機停止判定部22、充放電量決定部23および指令部24を実現する処理回路は、プロセッサを備える回路であってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。処理回路は制御回路とも呼ばれる。
計測データ取得部21、発電機停止判定部22、充放電量決定部23および指令部24を実現する処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
図3は、処理回路がプロセッサを備える回路である場合の処理回路の構成例を示す図である。計測データ取得部21、発電機停止判定部22、充放電量決定部23および指令部24を実現する処理回路がプロセッサを備える場合、処理回路は例えば図3に示すように、プロセッサ101およびメモリ102を備える。処理回路が図3に示す処理回路である場合、計測データ取得部21、発電機停止判定部22、充放電量決定部23および指令部24の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ102に格納される。処理回路では、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が読み出して実行することにより、各機能を実現する。このプログラムは、プログラムが記録された記録媒体により提供されてもよいし、通信媒体など他の手段により提供されてもよい。また、メモリ102は、プロセッサ101が処理を実行する際に必要なデータを記憶する記憶領域としても用いられる。
ここで、プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などである。また、メモリ102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
データ記憶部25を実現するメモリは、上述したメモリ102の一部であってもよいし、メモリ102とは別にデータ記憶部25を実現するメモリが設けられてもよい。また、計測データ取得部21および指令部24の実現には、受信機および送信機を備える通信回路が用いられてもよい。
計測データ取得部21、発電機停止判定部22、充放電量決定部23および指令部24の各機能は、一部が専用のハードウェアで実現され、一部がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。
次に、本実施の形態の蓄電池制御装置2の動作について説明する。以下では、運転中の発電機3が事故などにより停止した際の蓄電池1の充放電の制御(以下、発電機停止時の制御ともいう)について説明するが、蓄電池制御装置2は、事故などによる発電機3の停止が発生していないときにも、需要変動、自然エネルギーを用いた発電設備による発電量の変動などによる需給バランスの変動による系統周波数の変動を抑制するために、蓄電池1を用いた系統周波数の安定化制御を行ってもよい。この需要変動による系統周波数の変動を抑制するための制御は、どのような方法が用いられてもよいが、例えば、特許文献1に記載されている制御方法を用いることができる。例えば、蓄電池制御装置2は、運転中の発電機の定格出力を示す発電情報を需給制御装置5から取得し、発電所における発電機の合計の出力の変化に課せられる制限値を、運転情報を用いて算出する。そして、蓄電池制御装置2は、連系線11における潮流の計測値、すなわち発電機および蓄電池1の出力の合計値の計測値を取得し、計測値の変化が、算出した制限値以内となるように蓄電池1の放電量を制御する。
次に、本実施の形態の蓄電池制御装置2における発電機停止時の制御について説明する。計測装置6-1~6-3は、定期的に、計測値を示す計測データを蓄電池制御装置2に送信する。または、蓄電池制御装置2の計測データ取得部21が定期的に計測装置6-1~6-3にデータの取得を指示し、計測装置6-1~6-3が指示を受信すると計測データを蓄電池制御装置2へ送信してもよい。
図4は、本実施の形態の蓄電池制御装置2における発電機停止時の制御の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、発電機3-1~3-3は、通常時は全てが運転されるとし、運転中は同じ均等な出力で発電するように制御されているとする。なお、需給制御装置5が、発電機3-1~3-3のうち何台を運転させるかを変更可能な場合には、蓄電池制御装置2は、需給制御装置5によって運転することが指示されている発電機3(以下、運転中の発電機3という)を示す情報を、需給制御装置5から取得する。そして、蓄電池制御装置2は、運転中の発電機3を対象として、図4に示す処理を行う。
図4に示すように、計測データ取得部21が計測装置6-1~6-3から計測データを取得する(ステップS1)。計測データは上述したように各発電機3-1~3-3の出力の計測値を示すデータである。計測データ取得部21は、データ記憶部25へ計測データを格納する。発電機停止判定部22は、データ記憶部25に格納された計測データを参照し、計測値が第1のしきい値未満の発電機3があるか否かを判断する(ステップS2)。第1のしきい値は、発電機3が停止しているときの出力に相当する値であり、例えば、計測装置6-1~6-3の計測誤差または計測誤差の最大値の1.5倍などのように小さい値に設定される。第1のしきい値は、発電機3が事故などにより停止したと判定するためのしきい値であればよく上述した例に限定されない。
計測値が第1のしきい値未満の発電機3がある場合(ステップS2 Yes)、発電機停止判定部22は、他の発電機3の計測値、すなわちステップS2で計測値が第1のしきい値未満であると判定された発電機3の計測値が、第2のしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS3)。第2のしきい値は、第1のしきい値と同じ値であってもよいし、第1のしきい値より大きい値であってもよい。第2のしきい値は、他の発電機3が運転を継続していると判断するためのしきい値である。
他の発電機3の計測値が第2のしきい値以上である場合(ステップS3 Yes)、充放電量決定部23は、蓄電池1の放電量を増加させるように放電量を決定する(ステップS4)。詳細には、他の発電機3の計測値が第2のしきい値以上である場合、発電機停止判定部22は、停止した発電機3がありかつ他の発電機3が運転を継続していること、すなわち一部の発電機の停止を充放電量決定部23へ通知する。充放電量決定部23は、一部の発電機の停止の通知を受けると、蓄電池1の放電量を増加させるように放電量を決定する。
ステップS4では、充放電量決定部23は、単位時間当たりの増加量が一定値となるように充電量を増加させてもよいし、あらかじめ定められた時間の関数によって充電量を増加させてもよい。また、充放電量決定部23は、データ記憶部25に格納された計測データに基づいて発電機3ごとに、前回取得した計測値に応じて単位時間当たりの増加量を決定してもよいし、前回までの一定期間の計測値の平均値を求め、当該平均値に応じて、単位時間当たりの増加量を決定してもよい。
ステップS4の後、指令部24は、放電指令を蓄電池1へ送信する(ステップS5)。詳細には、充放電量決定部23は、ステップS4で決定した放電量を指令部24に通知する。指令部24は、通知された放電量に基づいて放電指令を生成し、放電指令を蓄電池1へ送信する。これにより、蓄電池1からの放電量が増加する。
ステップS2でNoの場合、およびステップS3でNoの場合、蓄電池制御装置2は、蓄電池1の充放電量を変更せずに、処理を終了する。以上のように、図4に示した例では、発電機停止判定部22は、発電機3のうち第1の発電機の計測値が第1のしきい値未満であり、かつ、第1の発電機以外の複数の発電機3である第2の発電機の計測値が第2のしきい値以上である場合に、第1の発電機が停止したと判断する。
図5は、本実施の形態の発電機停止時の制御の様子を示す図である。図5において、横軸は時間(time)を示し、縦軸は電力(Power)を示す。図5は、運転中の発電機3-1~3-3のうち、発電機3-1が事故などにより停止した例を示している。出力201は、事故などにより停止した発電機3-1の出力を示し、出力202は、発電機3-1の停止後も運転を継続している他の発電機3である発電機3-2の出力を示している。発電機3-3の出力も出力202と同様である。放電量203は、蓄電池1の放電電力を示す。
図5に示すように、発電機3-1の停止する前は、出力201および出力202はほぼ同じ値であるが、時刻T1において発電機3-1が停止すると、出力201は急激に低下する。一方、出力202は、発電機3-1の出力の低下に伴って、ガバナによる自動制御により急激に増加する。発電機3-2の出力を急激に増加させた場合、上述したように燃焼系の応答速度の問題などにより系統周波数が変動になる。このため、本実施の形態では、蓄電池制御装置2が、発電機3-1の停止を検出すると、蓄電池1の放電量203を増加させることにより発電機3-2,3の出力を抑制する。これにより系統周波数の変動を抑制することができる。上述した図4に示した例では、発電機3の出力の計測値が第1のしきい値未満であるか否かに基づいて、発電機3が停止したか否かが判定されており、発電機3の停止が検出されると蓄電池1の放電量203が増加する。これにより、発電機3-2の出力202は、自動で徐々に減少する。なお、図5では、発電機3-1が停止した例を示しているが、発電機3-2または発電機3-3が停止した場合も同様の動作が行われる。
なお、一時的な需要量の変化など、発電機3の停止以外の理由で、発電機3の出力の計測値が第1のしきい値未満となることも考えられる。需要量の変化などの場合には、他の発電機3の出力も同様の変化をすると想定されることから、需要量の変化などの場合と区別するために、図4に示した例では、ステップS3で他の発電機3の出力が第2のしきい値以上であるか否かの判定を行っている。
蓄電池制御装置2は、ステップS4,S5により蓄電池1の放電量の増加が行われるまでは、計測装置6-1~6-3から計測データを受信するたびに、図4に示した処理を実施する。なお、計測装置6-1~6-3の計測データの送信周期は同一であるが、蓄電池制御装置2が計測装置6-1~6-3の計測データを受信するタイミングは同時でなくてもよい。蓄電池制御装置2は、同一の送信周期内に計測装置6-1~6-3から受信した計測データを用いて図4に示した処理を実施すればよい。
なお、図4に示した例では、ある発電機3の出力の計測値が低下して第1のしきい未満であり、かつ、他の発電機3の出力の計測値が低下していない、すなわち他の発電機3の出力の計測値が第2のしきい値以上である場合に、計測値が低下した発電機3が事故などにより停止したと判断したが、計測値に基づく発電機3の停止の判断の方法は上述した例に限定されない。
図6は、本実施の形態の蓄電池制御装置2における発電機停止時の制御の別の一例を示すフローチャートである。ステップS1は図4に示した例と同様である。ステップS1の後、発電機停止判定部22は、一部の発電機の計測値が、しきい値以下かつ減少レートがレートしきい値以上であるか否かを判断する(ステップS6)。減少レートは、単位時間あたりの計測値の減少量である。詳細には、例えば、発電機停止判定部22は、発電機3ごとに、1回前に受信した計測データが示す計測値より最新の計測データが示す計測値の方が小さい場合、最新の計測データが示す計測値を1回前に受信した計測データが示す計測値から引いた値を減少レートとして算出する。発電機停止判定部22は、発電機3ごとに、最新の計測データが示す計測値がしきい値以下かつ減少レートがレートしきい値以上であるか否かを判断する。発電機停止判定部22は、一部の発電機3が最新の計測データが示す計測値がしきい値以下かつ減少レートがレートしきい値以上であり、他の発電機3が、この条件を満たさない場合には、ステップS6でYesと判断する。発電機停止判定部22は、運転中の全ての発電機3が最新の計測データが示す計測値がしきい値以下かつ減少レートがレートしきい値以上である場合には、ステップS6でNoと判断する。なお、最新の計測データが示す計測値を1回前に受信した計測データが示す計測値から引いた値を、計測データの送信周期で割ることにより減少レートを算出してもよいが、送信周期が一定であれば、送信周期を単位時間とみなして送信周期で割る処理を行わなくてもよい。
しきい値は、事故などの停止により急激な出力が生じていることを判断するためのしきい値である。このしきい値は上述した第1のしきい値と同程度の値であってもよいが、発電機3の正常運転時の出力の平均値の1/3程度の値など、ある程度大きな値に設定されてもよい。また、減少レートとして、1回前に受信した計測データと最新の計測データとの差に限定されず、直近の3回以上の計測データに基づいて算出されてもよい。例えば、2回前に受信した計測データが示す計測値を3回前に受信した計測データが示す計測値から引いた値と、1回前に受信した計測データが示す計測値を2回前に受信した計測データが示す計測値から引いた値と、最新の計測データが示す計測値を1回前に受信した計測データが示す計測値から引いた値との平均値を減少レートとしてもよい。
計測値がしきい値以下かつ減少レートがレートしきい値以上である場合(ステップS6Yes)、図4に示した例と同様にステップS4,S5が実施される。ステップS6でNoの場合、蓄電池制御装置2は、蓄電池1の充放電量を変更せずに、処理を終了する。以上のように、図6に示した例では、発電機停止判定部22は、発電機3のうち第1の発電機の計測値がしきい値以下でありかつ第1の発電機の計測値の単位時間当たりの減少量がレートしきい値以上である場合に、第1の発電機が停止したと判断する。
図6に示した例において、ステップS6の後に、発電機停止判定部22が、他の発電機3の出力の計測値が増加しているか否かの判定を行ってもよい。そして、蓄電池制御装置2は、他の発電機3の出力の計測値が増加している場合に、ステップS4,S5を実施し、他の発電機3の出力が増加していない場合には処理を終了する。
発電機3の停止の判定は、発電機3の出力に基づいて行われればよく、具体的な方法な、図4に示した方法であってもよく、図6に示した方法であってもよく、これら以外の例であってもよい。
図4、図6に例示した処理によって蓄電池1の放電量の増加が開始された後の充放量の制御方法に特に制約はないが、例えば、放電量を増加させた後、運転を継続している発電機3の出力が事故発生前の出力程度まで低下した場合に、放電量の増加を停止させる。図5に示した例では、時刻T1から蓄電池1の放電量203を増加させることで発電機3-2の出力202は、自動で徐々に減少する。蓄電池制御装置2の充放電量決定部23は、データ記憶部25および発電機停止判定部22を介して、発電機3-2の出力の計測データを取得し、発電機3-2の出力が事故発生前すなわち発電機3-1の停止前の出力程度まで低下した場合に、放電量の増加を停止させる。ただし、放電量の増加を停止させる前に、蓄電池の放電出力が上限値に到達した場合は、充放電量決定部23は、上限値に達すると放電量の増加を停止させる。なお、充放電量決定部23が、データ記憶部25から直接、発電機3-2の出力の計測データを取得してもよい。発電機3-2は、出力が減少した後に、2台分の出力となるまで、高効率点で運転するように出力を徐々に増加させる。図5に示した例では、発電機3-2の出力の減少が終了してから一定時間後の時刻T2で、発電機3-1の出力が増加し始めているが出力の増加タイミングはこの例に限定されない。蓄電池制御装置2の充放電量決定部23は、発電機3-2の出力の計測データに基づいて、発電機3-2の出力の減少にともなって放電量203を減少させる。以上の動作により、運転を継続している発電機3-2は緩やかに出力を増加させることができるので、燃焼系の応答速度が遅いことによる系統周波数の変動を抑制して、停止した発電機3-1の出力を他の発電機3-2の出力によって補うことができる。また、停止した発電機3以外の運転を継続している発電機3が複数存在する場合には、充放電量決定部23は、例えば、複数の発電機3の全てについて、出力の計測データが事故発生前の出力程度まで低下した場合、または放電量の上限値に達した場合に、放電量の増加を停止させる。なお、上述したように、蓄電池1の放電量の増加が開始された後の充放量の制御方法は、この例に限らず、発電機3-2の出力の急激な増加を抑制するような制御方法であればよい。また、図5に示した例は一例であり、各発電機3の出力、蓄電池1の放電量は負荷の状態、発電機3の制御方法など様々な条件によって定まる。
図7は、図4、図6に例示した処理によって蓄電池1の放電量の増加が開始された後の処理手順の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、計測データ取得部21は、ステップS1と同様に、計測装置6-1~6-3から計測データを取得する(ステップS11)。計測データ取得部21は、データ記憶部25へ計測データを格納する。発電機停止判定部22は、データ記憶部25に格納された計測データを参照し、蓄電池1の放電量が他の発電機3の計測値を超えたか否かを判断する(ステップS12)。
蓄電池1の放電量が他の発電機3の計測値を超えた場合(ステップS12 Yes)、充放電量決定部23は、蓄電池1の放電量を維持するように放電量を決定する(ステップS13)。詳細には、蓄電池1の放電量が他の発電機3の計測値を超えた場合、発電機停止判定部22は、蓄電池1の放電量が他の発電機3の計測値を超えたことを充放電量決定部23へ通知する。充放電量決定部23は、当該通知を受けると、蓄電池1の放電量を維持するように放電量を決定する。
蓄電池1の放電量が他の発電機3の計測値を超えていない場合(ステップS12 No)、充放電量決定部23は、ステップS4と同様に、蓄電池1の放電量を増加させるように放電量を決定する(ステップS15)。詳細には、蓄電池1の放電量が他の発電機3の計測値を超えていない場合、発電機停止判定部22は、蓄電池1の放電量が他の発電機3の計測値を超えていないことを充放電量決定部23へ通知する。充放電量決定部23は、当該通知を受けると、蓄電池1の放電量を増加させるように放電量を決定する。
ステップS13の後、およびステップS15の後、指令部24は、放電指令を蓄電池1へ送信する(ステップS14)。以上の処理により、蓄電池1の放電量が他の発電機3の計測値を超えるまでは、蓄電池1の放電量が増加し、蓄電池1の放電量が他の発電機3の計測値を超えると蓄電池1の放電量が一定値に維持される。その後、発電機停止判定部22は、蓄電池1の放電量の増加の開始からΔTだけ時間が経過すると、充放電量決定部23にその旨を通知する。充放電量決定部23は、当該通知を受けると、蓄電池1の放電量を緩やかに減少させる。このとき、放電量が減少する分、発電機3の発電量が増加することになるので、放電量の減少レートは、発電機3の燃焼系の応答速度などを考慮して系統周波数の変動を抑えつつ発電機3の出力が増加するように決定される。
上述した例では、3つの発電機3が運転中であるときに、1つの発電機3が停止する例を説明したが、運転中の発電機3の数、および停止する発電機3の数はこの例に限定されない。例えば、3つの発電機3のうち2つが停止した場合も同様の制御を行うことで、一部の発電機が停止したことにより他の発電機が自動的に出力を増加させることにより生じる系統周波数の変動を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態では、蓄電池制御装置2が、発電機3ごとの出力の計測値に基づいて発電機3の停止を判定し、発電機3が停止したと判定した場合に、蓄電池1の放電量を増加させるようにした。これにより、一部の発電機が停止したことにより他の発電機が自動的に出力を増加させることにより生じる系統周波数の変動を抑制することができる。また、事故信号を監視する制御システムなどと通信を行う必要がないため、このための通信設備などを導入する必要がなく構成を簡素化できる。また、他の発電機の燃料費の増加を抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 蓄電池、2 蓄電池制御装置、3-1~3-3 発電機、4 負荷、5 需給制御装置、6,6-1~6-3 計測装置、10 電力系統、11 連系線、21 計測データ取得部、22 発電機停止判定部、23 充放電量決定部、24 指令部、25 データ記憶部。

Claims (5)

  1. 電力系統に接続される蓄電池を制御する蓄電池制御装置であって、
    前記電力系統に接続される複数の発電機のそれぞれの出力の計測値を取得する計測データ取得部と、
    前記計測値に基づいて、前記複数の発電機のそれぞれが停止したか否かを判断する発電機停止判定部と、
    前記発電機停止判定部によって前記複数の発電機のうち一部の発電機である第1の発電機が停止し、前記複数の発電機のうち前記第1の発電機以外の前記発電機である第2の発電機が運転を継続していると判定された場合に、前記蓄電池の放電量を増加させる充放電量決定部と、
    を備えることを特徴とする蓄電池制御装置。
  2. 電力系統に接続される蓄電池を制御する蓄電池制御装置であって、
    前記電力系統に接続される複数の発電機のそれぞれの出力の計測値を取得する計測データ取得部と、
    前記計測値に基づいて、前記複数の発電機のそれぞれが停止したか否かを判断する発電機停止判定部と、
    前記発電機停止判定部によって前記複数の発電機のうち一部の発電機である第1の発電機が停止したと判定された場合に、前記蓄電池の放電量を増加させる充放電量決定部と、
    を備え、
    前記発電機停止判定部は、前記第1の発電機の前記計測値が第1のしきい値未満であり、かつ、前記第1の発電機以外の前記複数の発電機である第2の発電機の前記計測値が第2のしきい値以上である場合に、前記第1の発電機が停止したと判断することを特徴とする蓄電池制御装置。
  3. 前記発電機停止判定部は、前記第1の発電機の前記計測値がしきい値以下でありかつ前記第1の発電機の前記計測値の単位時間当たりの減少量がレートしきい値以上である場合に、前記第1の発電機が停止したと判断することを特徴とする請求項1に記載の蓄電池制御装置。
  4. 前記複数の発電機のそれぞれは、前記複数の発電機の合計の出力が目標値に保たれるように出力を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄電池制御装置。
  5. 電力系統に接続される蓄電池と、
    前記蓄電池を制御する請求項1から4のいずれか1つに記載の蓄電池制御装置と、
    を備えることを特徴とする蓄電池システム。
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