JP7532953B2 - 積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法 - Google Patents

積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザーマーキング用の積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法に関する。
医薬品や食品の包装体に各種期限やロット番号などの情報を表示させる技術として、レーザーマーキングが採用されている。レーザーマーキングの加工対象である積層フィルムの一例は、樹脂基材層と熱可塑性樹脂層との間に、金属や金属酸化物を含有する中間層を備える。
波長が1.06μmであるレーザーは、照射部位に位置する中間層を気化させて、中間層に由来した気体の圧力による浮きを樹脂基材層と熱可塑性樹脂層との間に生じさせる。樹脂基材層と熱可塑性樹脂層との間の浮きにおける周縁部は、樹脂基材層において隆起すると共に、有機物の炭化などによる黒色化も進める(例えば、特許文献1を参照)。
波長が532nmであるレーザーもまた、照射部位に位置する中間層を気化させて、樹脂基材層または熱可塑性樹脂層を隆起させる。そして、高いピークパワーを有した532nmのレーザーは、中間層における金属などの硬度が高い材料に深いシャープな印字を可能とする(例えば、特許文献2を参照)。
特開2007-217048号公報 特開2018-089974号公報
上述したように、有機物の炭化のような中間層での変色は、照射部位とそれ以外との間でのコントラストを高めて、レーザーマーキングの有用性を高める。一方、中間層の気化による樹脂基材層または熱可塑性樹脂層の隆起は、照射部位の可視化によるマーキングを可能にする一方で、上述した変色によるコントラストを散乱などによって低めてしまう要因ともなっている。
本発明の目的は、レーザーマーキングによって形成される情報の色差による視認性を向上可能にした積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための積層フィルムは、紫外線波長域の波長である透過波長のレーザーを透過させる樹脂基材層と、熱可塑性樹脂層と、前記樹脂基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置するインキ層であって、溶剤の蒸発によって硬化した前記インキ層と、を備える。前記インキ層は、前記透過波長のレーザーを受けて変色する顔料と、前記透過波長のレーザーを透過するバインダー樹脂と、前記透過波長のレーザーを透過し、前記バインダー樹脂と反応して前記バインダー樹脂を架橋する硬化剤と、を含む。
上記課題を解決するための包装体は、紫外線波長域の波長である透過波長のレーザーを透過させる樹脂基材層と、熱可塑性樹脂層と、前記樹脂基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置するインキ層であって、溶剤の蒸発によって硬化した前記インキ層と、を備える。前記インキ層は、前記透過波長のレーザーを受けて変色する顔料と、前記透過波長のレーザーを透過するバインダー樹脂と、前記透過波長のレーザーを透過し、前記バインダー樹脂と反応して前記バインダー樹脂を架橋する硬化剤と、を含む。
上記課題を解決するための包装体の製造方法は、積層フィルムにレーザーを照射すること、および、前記積層フィルムが備える熱可塑性樹脂層の熱溶着によって包装体を形成すること、を含む。前記積層フィルムは、紫外線波長域の波長である透過波長のレーザーを透過させる樹脂基材層と、前記熱可塑性樹脂層と、前記樹脂基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置するインキ層であって、溶剤の蒸発によって硬化した前記インキ層と、を備える。前記インキ層は、前記透過波長のレーザーを受けて変色する顔料と、前記透過波長のレーザーを透過するバインダー樹脂と、前記透過波長のレーザーを透過し、前記バインダー樹脂と反応して前記バインダー樹脂を架橋する硬化剤と、を含む。前記レーザーを照射することでは、前記透過波長のレーザーを前記樹脂基材層から前記インキ層に向けて照射して前記顔料を変色させる。
上記各構成によれば、紫外線波長域の波長である透過波長のレーザーを照射することによって、顔料を変色させながらも、樹脂基材層、バインダー樹脂、および硬化剤の変色や気化を抑えることが可能となる。加えて、インキ層に含まれる硬化剤がバインダー樹脂を架橋しているため、レーザーマーキングによる樹脂基材層とインキ層との密着性を高めることが可能となる。結果として、樹脂基材層の浮きを照射部位で抑えることが可能であり、これによって、レーザーマーキングによって形成された情報の色差による視認性を向上することが可能となる。
上記積層フィルムにおいて、前記インキ層の厚さは、1μm以上2μm以下であり、前記樹脂基材層は、ポリエステル系樹脂層であり、前記バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂であり、前記硬化剤は、ジイソシアネート系硬化剤であり、前記インキ層に対する前記硬化剤の含有量は、4重量%以下であってもよい。
上記包装体の製造方法において、前記インキ層の厚さは、1μm以上2μm以下であり、前記樹脂基材層は、ポリエステル系樹脂層であり、前記バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂であり、前記硬化剤は、ジイソシアネート系硬化剤であり、前記インキ層に対する前記硬化剤の含有量は、4重量%以下であり、前記透過波長は、355nmであり、前記レーザーを照射することでは、前記レーザーの照射によって変色した前記顔料の周囲に位置するバインダー樹脂と、前記照射後に変色していない前記顔料の周囲に位置するバインダー樹脂とが同色となるように、前記インキ層にレーザーを照射してもよい。
これらの構成によれば、硬化剤によるバインダー樹脂の硬化に起因した上記効果が得られることの実効性を高めることが可能ともなる。加えて、インキ層の厚さが1μm以上2μm以下であれば、インキ層を形成する方法として、高い生産能を有したグラビア印刷法を採用することが可能ともなる。また、変色した前記顔料の周囲に位置するバインダー樹脂と、変色していない顔料の周囲に位置するバインダー樹脂とが同色であるようにレーザーを照射する方法であれば、変色した顔料と変色していない顔料との間で、バインダー樹脂を背景としたコントラストが高まる。これによって、レーザーマーキングによって形成された情報の色差による視認性をさらに向上できる。
上記積層フィルムの前記顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化セリウム、黒鉛、銅フタロシアニンからなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。
この構成によれば、白色を背景としたレーザーマーキングによる灰色、黒色を背景としたレーザーマーキングによる灰色、透明を背景としたレーザーマーキングによる濃い茶色、藍色を背景としたレーザーマーキングによる灰色の表現に際して、視認性を高めることが可能となる。
上記包装体において、前記インキ層は、変色した前記顔料の周囲に位置するバインダー樹脂と、変色していない前記顔料の周囲に位置するバインダー樹脂とが同色であってもよい。
上記構成によれば、変色した顔料と変色していない顔料との間で、バインダー樹脂を背景としたコントラストが高まる。したがって、レーザーマーキングによって形成された情報の色差による視認性を向上できる。
本発明に係る積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法によれば、レーザーマーキングによって形成される情報の色差による視認性を向上できる。
積層フィルムが有する断面構造の一例を示す断面図。 積層フィルムが有する断面構造の一部を拡大した断面図。 積層フィルムが有する断面構造の他の例を示す断面図。 包装体が有する平面構造の一例を示す平面図。 包装体の製造方法を構成するレーザーマーキングを示す工程図。 レーザーマーキングにおける積層フィルムの一部を拡大した断面図。 レーザーマーキングにおける積層フィルムの一部を拡大した断面図。
以下、図1から図7を参照して、積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法の一実施形態を説明する。まず、積層フィルム、および、包装体の構成を説明した後に、積層フィルムの製造方法、レーザーマーキング、および、包装体の製造方法を説明する。
[積層フィルム]
図1が示すように、積層フィルム10は、樹脂基材層11、インキ層12、接着性樹脂層13、および、熱可塑性樹脂層14を備える。樹脂基材層11は、積層フィルム10の外部からレーザーが照射される層である。樹脂基材層11は、インキ層12に対してレーザーの入射側に位置する。インキ層12は、接着性樹脂層13に対してレーザーの入射側に位置する。接着性樹脂層13は、熱可塑性樹脂層14に対してレーザーの入射側に位置する。
レーザーマーキングにおいて、積層フィルム10には、樹脂基材層11からインキ層12に向けてレーザーが照射される。レーザーが有する波長は、紫外線波長域であって、樹脂基材層11を透過する透過波長である。紫外線波長域は、近紫外線であって、200nm以上400nm以下である。紫外波長域は、315nm以上380nm以下のUV-A、280nm以上315nm以下のUV-B、200nm以上280nm以下のUV-Cに分類される。レーザーマーキングにおいて、透過波長を有したレーザーの照射は、インキ層12に含まれる顔料16を変色させる。
[樹脂基材層]
樹脂基材層11は、透過波長を有したレーザーを透過させる樹脂を含む。樹脂基材層11における透過波長の透過率は、インキ層12に含まれる顔料16における透過波長の透過率よりも高い。レーザーの透過率は、直進透過と拡散透過とを含む。樹脂基材層11における透過波長の透過率は、透過波長を有したレーザーの照射によって顔料16が変色し、かつ、樹脂基材層11が変色しない透過率である。樹脂基材層11における透過波長の透過率は、例えば、70%以上であり、透過波長を有するレーザーをインキ層12に到達させ易くするという観点から80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
樹脂基材層11を構成する材料は、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィンの共重合体、酸変性ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂である。また、樹脂基材層11を構成する材料は、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアセタール、アセチル・ジ又はトリ・セルロースの繊維素誘導体、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂である。また、樹脂基材層11を構成する材料は、例えば、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂である。また、樹脂基材層11を構成する材料は、例えば、上述した樹脂からなる群から選択される2種以上の樹脂の組み合わせである。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、環状ポリオレフィンであり、ポリエチレンは、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状もしくは線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンである。ポリオレフィンの共重合体は、例えば、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂である。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性させた樹脂である。塩素化ポリオレフィン樹脂は、α-オレフィンの重合体の水素を塩素置換した構造を有する樹脂である。また、塩素化ポリオレフィン樹脂は、例えば、α-オレフィンと、α-オレフィン以外の他のモノマーとの共重合樹脂である。
ポリスチレン系樹脂は、例えば、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体である。ポリプロピレン系樹脂は、例えば、ポリプロピレンとポリブテンのブレンド樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体である。
ポリエステル系樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレートである。ポリアミド系樹脂は、例えば、ナイロン-6、ナイロン-66である。セルロース系樹脂は、例えば、アセチルジセルロースあるいはアセチルトリセルロースの繊維素誘導体である。
アクリル樹脂は、例えば、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルを主成分とする樹脂や、アクリルモノマーをラジカル重合して得られる樹脂である。アクリルモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチルである。また、アクリルモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルである。アクリルモノマーは、上述した例のアルキル基にベンゼン環構造を有してもよく、水酸基を有してもよい。
エチレン系樹脂は、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタクリル酸樹脂共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体である。
ウレタン系樹脂は、ポリエステルポリオール、またはポリエーテルポリオールと、ジイソシアネート化合物との反応によって得られる。ウレタン系樹脂は、例えば、鎖延長剤や反応停止剤などを用いて得られてもよい。ポリエステルポリオールは、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸などの二塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのグリコール類との縮合物である。ポリエーテルポリオールは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールである。ジイソシアネート化合物は、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートである。鎖延長剤は、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミンである。反応停止剤は、例えば、n-ブチルアミン、モノエタノールアミン、メタノール、エタノールである。
樹脂基材層11は、延伸フィルム、あるいは、無延伸フィルムである。樹脂基材層11は、単一の基材フィルム、あるいは、複数の基材フィルムの積層体である。樹脂基材層11は、積層フィルム10に照射されるレーザーを散乱しにくくするという観点から、単一の基材フィルムであることが好ましい。レーザーを散乱しにくくすることで、レーザーマーキングに要するレーザーの出力を低減し、パルス幅を狭められる。すなわち、レーザーを散乱しにくくすることで、積層フィルム10におけるレーザーによる熱的負荷が軽減される。具体的に、レーザーによる樹脂基材層11や熱可塑性樹脂層14の樹脂の黒化や、揮発粒子の発生を抑制でき、また、樹脂基材層11やインキ層12でのピンホールの発生を抑制できる。樹脂基材層11は、耐熱性および部材コストの観点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、あるいは、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)であることが好ましい。
樹脂基材層11の厚さは、例えば、3μm以上40μm以下、好ましくは4μm以上30μm以下である。樹脂基材層11の厚さが3μm以上であれば、レーザーマーキングされるインキ層12を外部の環境から保護することが可能である。樹脂基材層11の厚さが40μm以下であれば、樹脂基材層11に照射されたレーザーをインキ層12に効果的に到達させることが可能である。樹脂基材層11の厚さは、インキ層12に到達させるレーザーの出力およびパルス幅、積層フィルム10の折り曲げ適性および引張強度、熱可塑性樹脂層14での熱溶着後の剥離強度などを考慮したうえで、適宜選択される。
樹脂基材層11は、インキ層12における顔料16が変色した領域と、顔料16が変色していない領域との差異を、外部から認識し易くするという観点から、透明樹脂層であることが好ましく、無色透明樹脂層であることがより好ましい。透明である樹脂基材層11は、インキ層12における顔料16が変色した領域と、顔料16が変色していない領域との差異を外部から認識し易くできる。
[インキ層]
図2は、図1に記載の積層フィルム10における一部領域A1の拡大断面図である。
図2が示すように、インキ層12は、溶剤の蒸発によって硬化したインキから構成される層である。インキ層12は、レーザーマーキングによって変色する層として機能する。すなわち、インキ層12において、透過波長を有するレーザーが照射された部分は、レーザーが照射されていない部分が有する色から異なる色に変化する。
インキ層12は、樹脂基材層11の一方の面に印刷される。樹脂基材層11を対象とした印刷方法は、既知の印刷方法の中から、樹脂基材層11の印刷適性、色調などの意匠性、他の層との密着性、積層フィルム10や積層フィルム10から形成される包装体としての安全性などを考慮して適宜選択される。樹脂基材層11を対象とした印刷方法は、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法である。樹脂基材層11を対象とした印刷方法は、生産性が高いことや、高精細な絵柄を形成できる観点において、グラビア印刷法が好ましい。インキ層12は、樹脂基材層11の全面に印刷されてもよいし、レーザーマーキングされる領域にのみ印刷してもよい。樹脂基材層11におけるレーザーマーキングされる範囲にのみインキ層12を備える構成であれば、樹脂基材層11の全面に印刷される場合と比較して、インキ層12の消費を抑えられる。
インキ層12は、バインダー樹脂15と、透過波長のレーザーを照射されることによって変色する顔料16と、バインダー樹脂15を架橋する硬化剤17とを含む。インキ層12は、例えば、印刷適性を高めるための添加剤、および、インキ層12の化学的な安定性を高めるための添加剤を含んでもよい。添加剤は、例えば、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤などである。
バインダー樹脂15は、硬化剤17によって架橋される官能基を有した樹脂である。バインダー樹脂15における透過波長の透過率は、インキ層12に含まれる顔料16の透過率よりも高い。バインダー樹脂15における透過波長の透過率は、レーザーの照射によって顔料16が変色する際に、バインダー樹脂15が変色しない透過率であることが好ましい。バインダー樹脂15における透過波長の透過率は、例えば、70%以上であり、透過波長のレーザーをインキ層12に到達させ易くする観点から80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
バインダー樹脂15は、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン‐アクリル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、スチレン‐アクリル樹脂である。バインダー樹脂は、単独でもよいし、または2種以上の混合物であってもよい。
バインダー樹脂15は、樹脂基材層11との密着性が高い観点において、これらの樹脂のなかでも、アクリル変性ウレタン樹脂、およびウレタン樹脂が好ましい。アクリル変性ウレタン樹脂、およびウレタン樹脂は、上述したように、ポリエステルポリオール、またはポリエーテルポリオールと、ジイソシアネート化合物との反応によって得られる。ウレタン系樹脂は、例えば、鎖延長剤や反応停止剤などを用いて得られる。ウレタン系樹脂は、ウレタンプレポリマーと有機ジアミンとの鎖延長反応によって得られることが好ましい。ウレタンプレポリマーは、ポリオールとジイソシアネート化合物との反応によって得られて、末端にイソシアネート基を有する。ジイソシアネート化合物は、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも一種である。
芳香族ジイソシアネートは、例えば、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートである。脂肪族ジイソシアネートは、例えば、ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートである。脂環族ジイソシアネートは、例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである。
顔料16は、インキ層12のなかでほぼ均一に分散している。顔料16を構成する材料は、藍色などの有色であってもよいし、無色であってもよい。無色は、無色透明の他に、白色や黒色である無彩色を含む。顔料16を構成する材料は、例えば、無機化合物もしくは無機物として、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化セリウム、黒鉛からなる群から選択されるいずれか一種である。また、顔料16を構成する材料は、例えば、有機無機化合物として、銅フタロシアニンである。上述の無機化合物もしくは無機物、または、有機無機化合物は、透過波長を有するレーザーとの反応性が高く、透過波長を有するレーザーの照射によって変色する。
酸素欠損した酸化チタンは、1つのチタン原子に対する酸素原子の割合によって、様々な色に変化する。酸化チタンが呈する色は、例えば、黄色、淡黄色、銀灰色、淡灰色、青灰色、青黒色などであるが、通常、白色である酸化チタンは、酸素欠損の割合が高いほど、すなわち、1つのチタン原子に対する酸素原子の数が少ないほど、黒色に近い色を呈する。酸素欠損による酸化チタンの色調変化は、酸化チタンを構成するチタン原子が、特に3価のチタン原子であるときに生じるドナー準位に伴うものである。
通常、酸化チタンは、1つのチタン原子に対して2つの酸素を有するが、透過波長のレーザーを照射された酸化チタンでは、酸化チタンのなかから酸素原子が脱離し、チタン原子に対する酸素原子の割合が低下することで酸素欠損を引き起こす。酸素欠損を引き起こした酸化チタンでは、変色が生じる一方、紫外線波長域のレーザーが照射されない酸化チタンでは、酸素欠損が起こらず、変色も生じない。これによって、インキ層12において、透過波長のレーザーが照射された部分と、照射されていない部分との間で、酸化チタンの変色の有無によるコントラストが生じる。すなわち、インキ層12において、透過波長のレーザーが照射された部分にのみ、変色を生じさせることが可能であり、インキ層12に任意の情報を表示させることが可能となる。
レーザーマーキングによる情報の読み取りやすさを向上させる観点から、顔料16を構成する材料は、白色であるルチル型の酸化チタンであることが好ましい。また、顔料16を構成する材料は、バンドギャップがルチル型よりも小さいアナターゼ型の酸化チタンであってもよい。アナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型の酸化チタンと比べて還元力が高いため、ルチル型の酸化チタンを用いる場合と比べて、より低い出力のレーザーの照射によって変色を生じさせたり、同じ程度の出力のレーザーの照射によって発色性を向上させたりすることができる。顔料16の形状は、粒子状であってもよいし、鱗片状であってもよい。顔料16が粒子状である場合、顔料16の一次粒子径は、レーザーマーキングによる情報の読み取りやすさの向上と、インキ層12と樹脂基材層11との界面における高い剥離強度の確保とが可能である観点から、10nm以上200nm以下であることが好ましい。
インキ層12における顔料16の含有量は、例えば、インキ層12の重量に対して、すなわち、インキ層12を形成するためのインキ中の固形成分全体に対して、5質量%以上90質量%以下であって、10質量%以上65質量%以下がより好ましい。顔料16の含有量が5質量%以上であれば、例えば、樹脂基材層11の浮きを抑えながらも、顔料16を無彩色として、GS1バーコード印刷などに適用することが可能ともなる。顔料16の含有量が90質量%以下であれば、硬化剤17の添加によって、樹脂基材層11とインキ層12との高い密着性を確保できる。
硬化剤17は、インキ層12のなかでほぼ均一に分散している。硬化剤17は、バインダー樹脂15と反応してバインダー樹脂15を架橋している。硬化剤17は、バインダー樹脂15の架橋を通じて、樹脂基材層11とインキ層12との密着性を高める。
硬化剤17は、例えば、ジイソシアネート系硬化剤である。ジイソシアネート系硬化剤は、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも一種である。上述したように、芳香族ジイソシアネートは、例えば、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートである。脂肪族ジイソシアネートは、例えば、ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートである。脂環族ジイソシアネートは、例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、m-キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである。
インキ層12における硬化剤17の含有量は、例えば、インキ層12の重量に対して、すなわち、インキ層12を形成するためのインキ中の固形成分全体に対して、4質量%以下が好ましい。硬化剤17の含有量が4質量%以下であれば、樹脂基材層11とインキ層12との密着性がレーザーマーキング後において十分に得られるように、バインダー樹脂15を架橋することができる。また、硬化剤17の含有量が4質量%以下であれば、インキ層12の形成に際してブロッキングを抑えること、および、熱可塑性樹脂層14の積層に際して溶剤耐性を高めることが可能ともなる。すなわち、インキ層12の形成において、高い生産能を有したグラビア印刷法を採用することが可能ともなる。
インキ層12の厚さは、例えば、0.5μm以上2μm以下であり、好ましくは、0.8μm以上1.8μm以下である。インキ層12の厚さが1μm以上であれば、顔料16が変色した領域と、顔料16が変色していない領域との色差を認識するうえで、十分な含有量が得られつつも、高い生産能を有したグラビア印刷法でインキ層12を形成することが容易でもある。インキ層12の厚さが2μm以下であれば、インキ層12が硬化剤17によって硬化している状態であっても、積層フィルム10において好適な曲げ適性を得ることが可能であるから、この点においてもグラビア印刷法を採用することが可能ともなる。また、積層フィルム10から形成される包装体において好適な折り曲げ適性を得ることが可能ともなる。
インキ層12を形成するためのインキにおける溶剤は、メチルエチルケトンやメチルブチルケトンなどのケトン系溶剤、イソプロピルアルコールやブタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、トルエンやキシレンなどの炭化水素系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種である。
[接着性樹脂層]
接着性樹脂層13は、例えば、2液硬化型ウレタン系樹脂などのドライラミネート用接着剤であり、インキ層12と熱可塑性樹脂層14とを接着する層である。ここでは、接着性樹脂層13は、ドライラミネート積層法により、インキ層12と熱可塑性樹脂層14との間に形成されて、インキ層12と熱可塑性樹脂層14とを接着する。
また、接着性樹脂層13は、熱可塑性樹脂であって、押出ラミネート積層法により、インキ層12と熱可塑性樹脂層14との間に形成されて、インキ層12と熱可塑性樹脂層14とを接着する層であってもよい。熱可塑性樹脂は、例えば、溶融低密度ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィンの共重合体、酸変性ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂である。また、接着性樹脂層13は、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン系樹脂、エチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリエステル-イソシアネート系樹脂である。また、接着性樹脂層13は、溶融エチレン-アクリル酸共重合体樹脂などのエチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアクリロニトリルである。また、接着性樹脂層13は、上述した熱可塑性樹脂からなる群のなかの1種、あるいは、2種以上の組合せである。
[熱可塑性樹脂層]
熱可塑性樹脂層14は、ヒートシール性樹脂層として熱可塑性樹脂層14同士で熱溶着可能な層である。熱可塑性樹脂層14を構成する材料は、熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィンの共重合体、酸変性ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン系樹脂、エチレン系樹脂である。また、熱可塑性樹脂層14を構成する材料は、例えば、ポリエーテル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリエステル-イソシアネート系樹脂である。また、熱可塑性樹脂層14を構成する材料は、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアクリロニトリルである。熱可塑性樹脂層14を構成する材料は、上記熱可塑性樹脂からなる群のなかの1種、あるいは、2種以上の樹脂の組合せである。
熱可塑性樹脂層14は、延伸フィルム、あるいは、未延伸フィルムである。熱可塑性樹脂層14は、単一のフィルムであってもよいし、複数のフィルムからなる積層体であってもよい。熱可塑性樹脂層14の厚みは、熱可塑性樹脂層14が熱溶着される対象や、熱可塑性樹脂層14の熱溶着後における剥離強さなどに応じて適宜選択されるものであって、例えば、5μm以上200μm以下である。
なお、熱可塑性樹脂層14を構成する材料は、プラスチック製容器に対してイージーピール可能な材料にすることが可能である。熱可塑性樹脂層14がイージーピール可能である材料からなることは、積層フィルム10に対し、易開封性を付与することが可能である。イージーピール可能である熱可塑性樹脂層14は、例えば、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用される。ポリオレフィン系樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂である。また、ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂、ホモポリプロピレン、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂である。
[アルミ層]
図3が示すように、積層フィルム10は、アルミ層18を備えてもよい。アルミ層18を備える積層フィルム10は、レーザーを照射される側から順に、樹脂基材層11、インキ層12、接着性樹脂層13、アルミ層18、接着性樹脂層19、熱可塑性樹脂層14を有する。アルミ層18は、接着性樹脂層19、および、熱可塑性樹脂層14に対してレーザーの入射側に位置する。接着性樹脂層13は、アルミ層18に対してレーザーの入射側に位置する。
アルミ層18は、透過波長を有するレーザーがアルミ層18を透過することを抑制して、透過波長のレーザーがアルミ層18よりも内層側に到達することを抑制する。また、積層フィルム10から形成される包装体において、アルミ層18は、内容物を保護するバリア層としても機能する。また、アルミ層18は、透過波長を有するレーザーをインキ層12に向けて反射して、反射されたレーザーを顔料16に照射する。これにより、積層フィルム10は、顔料16の変色を効率的に行うことを可能とする。この場合、接着性樹脂層13における透過波長の透過率は、アルミ層18によって反射された透過波長のレーザーをインキ層12に到達させ易くする観点から、例えば、70%以上であり、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
アルミ層18は、例えば、貼り合わせ加工が可能な軟質アルミニウム箔であり、JIS1N30相当のアルミニウム箔、JIS8021相当のアルミニウム箔、JIS8079相当のアルミニウム箔である。また、アルミ層18は、ラミネートによって接着されるアルミニウム箔に限らず、接着性樹脂層13に蒸着あるいはスパッタされるアルミ層であってもよい。アルミ層18の厚さは、例えば、5μm以上20μm以下であり、積層フィルム10に求められるバリア性、折り曲げ適性、コスト適性などに応じて適宜選択される。なお、アルミニウム箔にはつや消し面と、つや消し面の反対側の面に光沢面を有するが、いずれの面が接着性樹脂層13と対向してもよい。また、アルミ層18は、両面がつや消し面であるアルミニウム箔であってもよいし、両面が光沢面であるアルミニウム箔であってもよい。
接着性樹脂層19は、アルミ層18と熱可塑性樹脂層14とを接着する層として機能する。接着性樹脂層19は、例えば、接着性樹脂層13を構成する樹脂として例示した樹脂である。接着性樹脂層19を構成する樹脂は、接着性樹脂層13を構成する樹脂と同じ樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよい。接着性樹脂層19は、ドライラミネート積層法や押出ラミネート積層法などにより、アルミ層18と熱可塑性樹脂層14との間に形成されて、アルミ層18と熱可塑性樹脂層14とを接着する。
[添加物]
接着性樹脂層13,19や熱可塑性樹脂層14は、添加物を含むことも可能である。接着性樹脂層13,19や熱可塑性樹脂層14に含まれる添加物は、例えば、配合剤、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、染料である。また、積層フィルム10に含まれる添加物は、例えば、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、硬化剤、シランカップリング剤である。
[表面処理]
積層フィルム10を構成する各層は、接着性などを向上させるための表面処理層を含むことも可能である。表面処理層は、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品などを用いて処理する酸化処理を施された表層である。また、表面処理層は、例えば、プライマーコート剤、アンダーコート剤、アンカーコート剤、接着剤、あるいは、蒸着アンカーコート剤などの表面前処理剤から形成される塗布層である。
なお、積層フィルム10は、包装体の資材として用いられる他に、例えば、運転免許証やIDカード、パスポートなどの個人を認証するためのセキュリティ媒体に使用可能である。積層フィルム10は、インキ層12に情報を形成するため、偽造、改竄、および、変造を抑制することが可能である。
[包装体]
包装体は、上述した積層フィルム10を用いて製造される。包装体は、例えば、側面シール型包装体、二方シール型包装体、三方シール型包装体、四方シール型包装体、封筒貼りシール型包装体、ピローシール型包装体、ひだ付シール型包装体、平底シール型包装体、および、角底シール型包装体である。また、包装体は、例えば、ワンピースタイプ包装体、ツーピースタイプ包装体、その他の注出口、あるいは、開閉用ジッパーなどを備えた包装体である。また、包装体は、例えば、自立性包装体、チューブ容器、紙基材層を含む液体充填用紙容器である。
包装体は、例えば、飲食品、果汁、ジュ-ス、飲料水、酒、調理食品、水産練り製品、冷凍食品、肉製品、煮物、餅、液体ス-プ、調味料、その他などの各種の飲食料品、液体洗剤、化粧品、化成品、その他の物品からなる内容物を充填包装する。また、包装体は、例えば、醤油、ソース、スープなどを充填包装する液体用小袋、生菓子などを充填包装する軟包装用袋、あるいは、ボイルあるいはレトルト食品などを充填包装する軟包装用袋などの液体飲食物あるいは水分などを含む飲食物などを充填包装する。
図4を参照して、包装体の一実施形態を説明する。
図4が示すように、包装体20を製造する1つの方法例は、例えば、矩形状を有した2枚の積層フィルム10を用いる。2枚の積層フィルム10の四方に位置する熱可塑性樹脂層14同士が互いに接するように、2枚の積層フィルム10は重ねられる。そして、四辺に位置する熱可塑性樹脂層14同士が熱溶着されて、熱溶着部20aを備えた四方シール型の包装体20が製造される。
なお、包装体20は、例えば、以下に例示する2つの製袋方法によっても製造される。
包装体20を製造する他の方法例は、例えば、矩形状を有した1枚の積層フィルム10を用いる。1枚の積層フィルム10における熱可塑性樹脂層14同士が接するように、1枚の積層フィルムが二つ折りされる。そして、折り曲げられた積層フィルムにおける三方の熱可塑性樹脂層14同士が熱溶着されることで、熱溶着部20aを備えた三方シール型の包装体が製造される。
また、包装体20を製造する他の方法例は、例えば、矩形状を有した1枚の積層フィルム10を用いる。1枚の積層フィルム10における熱可塑性樹脂層14が内側となるように、積層フィルムが筒状に曲げられる。そして、筒面の接続部位に位置する熱可塑性樹脂層14同士が熱溶着されて背貼り部が形成されると共に、筒面の上下開口部に位置する熱可塑性樹脂層14同士が熱溶着されることで、熱溶着部20aを備えたピローシール型の包装体20が製造される。
積層フィルム10は、包装体20の資材として使用されるとき、強度を有して強靱であり、かつ、耐熱性を有することが求められる場合がある。この際、包装体20の資材として使用される積層フィルム10は、アルミ層18、あるいは、アルミ層18の他に、例えば、酸素ガス、あるいは、水蒸気などの透過を阻止するバリア層、セロハン、プラスチックフィルムをさらに備えることが望ましい。包装体20の資材として使用される積層フィルム10において、最も外側に位置する樹脂基材層11は、強靱である観点から、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂であることが好ましい。
[積層フィルムの製造方法]
積層フィルム10の製造方法は、一例では、まず、グラビア印刷法を用い、樹脂基材層11にインキ層12を印刷する。次いで、ドライラミネート積層法を用い、樹脂基材層11にインキ層12が印刷された積層体と熱可塑性樹脂層14との間に、接着性樹脂層13を塗布し、塗布された接着性樹脂層13を介して、樹脂基材層11とインキ層12との積層体と、熱可塑性樹脂層14とを接着する。
アルミ層18を備えた積層フィルム10の製造方法の一例では、グラビア印刷法を用い、樹脂基材層11にインキ層12を印刷する。次いで、ドライラミネート積層法を用い、樹脂基材層11とインキ層12との積層体と、アルミ層18との間に、接着性樹脂層13を塗布し、塗布された接着性樹脂層13を介して、樹脂基材層11とインキ層12との積層体と、アルミ層18とを接着する。そして、ドライラミネート積層法を用い、樹脂基材層11、インキ層12、接着性樹脂層13、および、アルミ層18の積層体と、熱可塑性樹脂層14との間に、接着性樹脂層19を塗布する。次いで、塗布された接着性樹脂層19を介して、樹脂基材層11、インキ層12、接着性樹脂層13、および、アルミ層18の積層体と、熱可塑性樹脂層14とを接着する。
[包装体の製造方法]
包装体20の製造方法は、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、ピローシール型、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型などの各種のヒートシールを行うことによって、熱溶着部20aを形成する。熱溶着部20aの形成方法は、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シールである。
包装体20が液体充填用紙容器である場合、例えば、積層フィルム10として、紙基材層を積層した積層フィルムを製造し、当該積層フィルムから、所望の紙容器を製造するためのブランク板を製造する。そして、ブランク板を使用して胴部、底部、頂部などを製函して、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプ、あるいは、ゲーベルトップタイプなどの液体充填用紙容器を製造する。
[レーザーマーキング]
積層フィルムにおけるレーザーマーキングについて以下に説明する。
図5が示すように、積層フィルム10は、レーザー30によってレーザーマーキングされる。透過波長を有するレーザー30は、例えば、レーザー発振機によって、樹脂基材層11からインキ層12に向けて照射される。レーザー30は、紫外線波長域の波長であって、顔料16を変色させ、かつ、樹脂基材層11およびバインダー樹脂15における透過率が顔料16における透過率よりも高い波長である透過波長を有する。
顔料16を構成する材料がルチル型の酸化チタンまたはアナターゼ型の酸化チタンである場合、酸化チタンの変色を効率的に行う観点において、透過波長は、UV-Aである315nm以上380nm以下であることが好ましく、355nmであることがさらに好ましい。透過波長が紫外線波長域に含まれるため、赤外波長域や可視波長域と比べて、樹脂基材層11、バインダー樹脂15、硬化剤17、および熱可塑性樹脂層14におけるレーザー30の吸収、さらには気化を抑えることが可能である。こうしたレーザー30の吸収抑制は、樹脂基材層11とバインダー樹脂15との間の硬化剤17による密着性の向上と相まって、樹脂基材層11の浮きを抑える。加えて、樹脂基材層11やバインダー樹脂15におけるピンホールの発生、フュームの発生、および、顔料16の周囲におけるバインダー樹脂15の変色を抑える。
透過波長を有するレーザー30は、レーザー発振機によって照射される。レーザー30の種類は、例えば、YVO4レーザーである。YVO4レーザーは、顔料16に対する吸収率が高く、視認性の高いレーザーマーキングを可能とする。また、レーザー30の種類は、例えば、YAGレーザー、エキシマレーザー、ファイバーレーザーである。また、レーザー30の種類は、気体レーザーや固体レーザーであってもよく、液体レーザーであってもよい。
レーザーマーキングの品質は、レーザーパワー、走査速度、および、Qスイッチ周波数にも依存する。レーザーパワーは、情報が鮮明となるように適宜調整される。走査速度は、レーザーマーキングによるドットの濃度、ドットの間隔、および、レーザーの照射時間を調整することに用いられる。Qスイッチ周波数は、パルスを発生させる周波数であり、レーザーの出力やパルス幅を調整することに用いられる。
図6および図7は、図5のなかでレーザーを照射された部位を含む領域A6、およびレーザーが照射された部位を含まない領域A7を拡大して示す部分断面図である。
図6が示すように、レーザー30は、樹脂基材層11を透過してインキ層12まで到達する。インキ層12に到達したレーザー30は、顔料16を変色させる。レーザー30によって変色した顔料16は、インキ層12のなかで、変色体16aとなる。すなわち、インキ層12において、レーザー30が照射された領域である照射領域12aでは、顔料16は、変色体16aとなる。
図7が示すように、レーザー30が照射されていない領域である非照射領域12bでは、顔料16は、変色していない無変色体16bである。このため、照射領域12aと、非照射領域12bとの間で、明度、色度、彩度の差であるコントラストが生じ、これによって、情報が表示可能となる。なお、レーザーマーキングによって形成される情報は、文字、図形、記号、図柄、模様を含む。
この際、硬化剤17によるバインダー樹脂15の架橋と、バインダー樹脂などによる透過波長のレーザー30の透過とが相まって、樹脂基材層11とバインダー樹脂15との間、および、熱可塑性樹脂層14とバインダー樹脂15との間では、密着性が高められている。結果として、非照射領域12bで樹脂基材層11が浮いたり、非照射領域12bで熱可塑性樹脂層14が浮いたりすることが抑えられる。また、顔料16の周囲でバインダー樹脂15が変色することも抑えられる。そのため、照射領域12aと非照射領域12bとの間でのコントラストが高められて、積層フィルム10による情報の表示性能が高められる。
なお、インキ層12が硬化剤17を含まない構成では、樹脂基材層11とインキ層12との界面や、インキ層12と熱可塑性樹脂層14との界面に空隙が生じて、樹脂基材層11に浮きが生じてしまう。照射領域12aと非照射領域12bとに跨がるような浮きは、照射領域12aと非照射領域12bとの色差を視認しにくくするように散乱を助長して、レーザーマーキングによって形成された情報の色差による視認性を低下させてしまう。
レーザーマーキングによって形成される情報は、包装体20に内容物が充填される前の他に、包装体20に内容物が充填された後にも付与される場合がある。この点、透過波長のレーザー30の照射と、硬化剤17によるバインダー樹脂15の架橋とは、樹脂基材層11やバインダー樹脂15の気化を抑え、かつ、気化成分による樹脂基材層11の貫通を抑えて、これらの共同によって、ピンホールが発生することや、フュームが発生することも抑える。そのため、包装体20に内容物が充填された後のレーザーマーキングにおいても、揮発粒子が内容物を汚染したり、内容物を変質させたり、包装体20そのものを汚染させたりすることも抑えられる。また、揮発粒子がレーザー加工装置に堆積して堆積物が包装体20などに落下したり、落下した堆積物が包装体20のなかの異物として混入したりすることも抑えられる。
次に、表1を参照して、各試験例について説明する。
[試験例1]
樹脂基材層11として、12μmの厚さを有したPETフィルムを用いた。熱可塑性樹脂層14として、60μmの厚さを有した低密度ポリエチレンフィルム(製品名:T.U.XFC-S:三井化学東セロ株式会社製)を用いた。インキ層12を形成するためのインキとして、ベルカラー(登録商標)(サカタインクス株式会社製)を用い、インキ層12を構成する顔料16として、酸化チタンを用いた。そして、インキ層12を形成するためのインキに、インキ層12の固形成分に対して4重量%のXDIを、硬化剤17として添加した。
まず、樹脂基材層11であるPETフィルムに、硬化剤17が添加されたインキを用いて、グラビア印刷法を用いて、厚さが1μmのインキ層12を印刷した。次いで、ドライラミネート積層法を用い、樹脂基材層11に白色のインキ層12が印刷された積層体と、熱可塑性樹脂層14である低密度ポリエチレンフィルムとを接着した。これにより、インキ層12が印刷された樹脂基材層11と、熱可塑性樹脂層14とが接着性樹脂層13によって接着された、試験例1の積層フィルムを作成した。
試験例1の積層フィルムに、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射し、白色のインキ層12に、灰色の情報を印字した。この際、情報として、「abcdefg12345」という文字および数字を、5ptのサイズ、かつ、ゴシック調のフォントで印字した。レーザーマーキングに用いた条件は、以下の通りである。
レーザー発振器 :MD-U1020C(株式会社キーエンス製)
出力 :2.5W
レーザーパワー :60%
印字回数 :1回
ワークディスタンス:300mm
[試験例2]
インキ層12を構成する硬化剤17として、IPDIを用いる以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例2の積層フィルムを作成した。そして、試験例2の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射して、白色のインキ層12に、灰色の情報を印字した。
[試験例3]
インキ層12を構成する硬化剤17として、HMDIを用いる以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例3の積層フィルムを作成した。そして、試験例3の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射して、白色のインキ層12に、灰色の情報を印字した。
[試験例4]
インキ層12を構成する顔料16として、酸化亜鉛を用いる以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例4の積層フィルムを作成した。そして、試験例4の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射して、無色透明のインキ層12に、濃い茶色の情報を印字した。
[試験例5]
インキ層12を構成する顔料16として、硫化亜鉛を用いる以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例5の積層フィルムを作成した。そして、試験例5の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射して、白色のインキ層12に、濃い茶色の情報を印字した。
[試験例6]
インキ層12を構成する顔料16として、酸化セリウムを用いる以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例6の積層フィルムを作成した。そして、試験例6の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射して、無色透明のインキ層12に、茶色の情報を印字した。
[試験例7]
インキ層12を構成する顔料16として、黒鉛を用いる以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例7の積層フィルムを作成した。そして、試験例7の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射して、黒色のインキ層12に、灰色の情報を印字した。
[試験例8]
インキ層12を構成する顔料16として、銅フタロシアニンを用いる以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例8の積層フィルムを作成した。そして、試験例8の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射して、藍色のインキ層12に、灰色の情報を印字した。
[試験例9]
インキ層12を形成するためのインキに硬化剤17を添加しないこと以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例9の積層フィルムを作成した。そして、試験例9の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射して、白色のインキ層12に、灰色の情報を印字した。
[試験例10]
試験例1と条件を同じくして、試験例10の積層フィルムを作成した。そして、試験例10の積層フィルムに、532nmの波長を有したレーザーを照射して、白色のインキ層12に、灰色の情報を印字した。この際、情報として、「abcdefg12345」という文字および数字を、5ptのサイズ、かつ、ゴシック調のフォントで印字した。レーザーマーキングに用いた条件は、以下の通りである。
レーザー発振器 :LP-G050(パナソニック株式会社製)
出力 :6W
レーザーパワー :60%
印字回数 :1回
ワークディスタンス:225mm
[試験例11]
試験例1と条件を同じくして、試験例11の積層フィルムを作成した。そして、試験例11の積層フィルムに、1064nmの波長を有したレーザーを照射して、白色のインキ層12に、灰色の情報を印字した。この際、情報として、「abcdefg12345」という文字および数字を、5ptのサイズ、かつ、ゴシック調のフォントで印字した。レーザーマーキングに用いた条件は、以下の通りである。
レーザー発振器 :LP-RV200P(パナソニック株式会社製)
出力 :20W
レーザーパワー :60%
印字回数 :1回
ワークディスタンス:190mm
[評価]
各試験例の積層フィルムに関して、レーザーマーキングされた情報について、目視によって読み取り可能か否かの判定を行った。また、レーザーマーキングが行われた箇所の表面状態を目視により評価した。表面状態については、照射領域12aと非照射領域12bとにおいて、黒化などの焼けや浮きがPETフィルム表面に生じているか否かを評価した。PETフィルム表面に浮きや焼けが全くないもの、および、PETフィルム表面に目視では認められない程度の浮きや焼けを生じているものを、表面状態が良好であると判定した。また、レーザーマーキングが行われている期間にヒュームが発生したか否かを評価した。これらの評価の結果を表1に示す。
試験例1から試験例8までの各試験例においては、厚さが1μmのインキ層12であっても、レーザーマーキングされた情報について、目視による読み取りが明確に可能であり、表面状態も良好であり、ヒュームの発生も認められなかった。一方、試験例9においては、レーザーマーキングされた情報について、目視による読み取りが可能であり、ヒュームの発生も認められなかったが、表面状態については、浮きの発生が認められて、試験例1から試験例8のような良好な視認性が得られなかった。すなわち、PETフィルムに焼けは認められないものの、バインダー樹脂15の気化などは認められると共に、PETフィルムとインキ層12との間は、気化成分による剥がれを抑えられない程度の密着に止まることが認められた。さらに、試験例10と試験例11とにおいては、レーザーマーキングされた情報について、目視による読み取りが可能であったが、表面状態については、PETフィルムとインキ層12とに焼けが認められて、ヒュームの発生も認められた。
以上、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)インキ層12が、透過波長のレーザー30によって変色する顔料16と、バインダー樹脂15とに加えて、バインダー樹脂15と反応してバインダー樹脂15を架橋する硬化剤17とを備え、これによって、樹脂基材層11とインキ層12との密着性が高められる。結果として、レーザーマーキング後の樹脂基材層11とインキ層12との界面に空隙が生じること、すなわち、積層フィルム10の表面に浮きが生じることが抑えられて、レーザーマーキングによって形成される情報の色差による視認性が向上される。
(2)紫外線波長域に含まれる透過波長のレーザーの照射と、樹脂基材層11とインキ層12との間の硬化剤17による高い密着性とは、樹脂基材層11に浮きを生じさせることなく顔料16を変色させて、1μm以上2μm以下の薄いインキ層12であっても、色差による情報の高い視認性を実現可能とする。そして、1μm以上2μm以下の薄いインキ層12であれば、高い生産能を有するグラビア印刷法に適した構成を実現することも可能となる。
(3)樹脂基材層11が透明樹脂層である場合には、レーザーマーキングによる情報を外部から読み取りやすくできるため、レーザーマーキングによって形成される情報の色差による視認性をさらに向上できる。
(4)樹脂基材層11がポリエステル系樹脂層であり、バインダー樹脂15がウレタン系樹脂であり、硬化剤17がジイソシアネート系硬化剤であり、インキ層12に対する硬化剤17の含有量が4重量%以下であり、透過波長が355nmであれば、上記(1)に準じた効果を得ることの実効性を高められる。
(5)レーザーの照射によって変色した顔料16の周囲に位置するバインダー樹脂15と、照射後に変色していない顔料16の周囲に位置するバインダー樹脂15とが同色となるように、インキ層12にレーザーを照射する方法であれば、変色した顔料16と、変色していない顔料16との間で、バインダー樹脂15を背景としたコントラストが高まる。これによって、レーザーマーキングによって形成された情報の色差による視認性をさらに向上できる。
(6)酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化セリウム、黒鉛、銅フタロシアニンからなる群から選択される少なくとも1つが顔料16として用いられる構成であれば、情報を表現するための色彩の多様化が可能ともなる。例えば、白色を背景としたレーザーマーキングによる灰色、黒色を背景としたレーザーマーキングによる灰色、透明を背景としたレーザーマーキングによる濃い茶色、藍色を背景としたレーザーマーキングによる灰色の表現に際して、視認性を高めることが可能となる。
(7)積層フィルム10から製造される包装体20は、包装体の外部からレーザー30を照射することによってレーザーマーキングすることが可能であって、これによる樹脂基材層11の浮きも抑えられることから、上述した情報視認性の向上に加えて、積層フィルム10におけるダメージを抑えること、ひいては、内容物の充填後におけるシール性の確保が容易ともなる。それゆえに、例えば、個々の内容物の製造番号などの可変情報を印刷すること、および、偽造防止を目的とした情報を印字することに適している。
(8)インキ層12を形成するためのインキの固形成分に対して4重量%以下の硬化剤17を含む構成であれば、グラビア印刷法に適したブロッキング耐性や溶剤耐性をインキ層12において確保することが可能ともなる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。
・透過波長を有するレーザー30は、熱可塑性樹脂層14からインキ層12に向けて照射されてもよい。この際、接着性樹脂層13および熱可塑性樹脂層14は、紫外線波長域のなかに透過波長を有する。
・樹脂基材層11は、透過波長のレーザーが照射される領域において、顔料16が変色する程度に、透過波長のレーザーをインキ層12まで透過させる構成であれば、着色されていてもよいし、印刷層を別途備える構成であってもよい。例えば、樹脂基材層11は、樹脂基材層11の表面や裏面、あるいは、樹脂基材層11が積層体である場合には、層間に印刷層を別途備えることも可能である。印刷層は、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様などの意匠を備えてもよい。印刷層は、レーザーマーキングによる情報と組み合わせて他の情報を表示する文字や図形であってもよい。例えば、印刷層は、「製造年月日」、「使用期限」、「ロット番号」などの文字であり、製造年、製造月、製造日、使用期限となる日付、ロット番号となる数字などの文字がレーザーマーキングによって形成されてもよい。こうした構成であれば、レーザーマーキングで形成する情報に数字以外の文字を含める構成と比べて、レーザーマーキングに要する時間を短縮できる。
10…積層フィルム、11…樹脂基材層、12…インキ層、12a…照射領域、12b…非照射領域、13,19…接着性樹脂層、14…熱可塑性樹脂層、15…バインダー樹脂、16…顔料、16a…変色体、16b…無変色体、17…硬化剤、18…アルミ層、20…包装体、20a…熱溶着部、30…レーザー

Claims (7)

  1. 紫外線波長域の波長である透過波長のレーザーを透過させる樹脂基材層と、
    熱可塑性樹脂層と、
    前記樹脂基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置するインキ層であって、溶剤の蒸発によって硬化した前記インキ層と、
    前記インキ層と前記熱可塑性樹脂層との間で前記インキ層と前記熱可塑性樹脂層とを接着する接着性樹脂層と、を備え、
    前記インキ層は、
    前記透過波長のレーザーを受けて変色する顔料と、
    前記透過波長のレーザーを透過するバインダー樹脂と、
    前記透過波長のレーザーを透過し、前記インキ層のなかで前記バインダー樹脂と反応して前記バインダー樹脂同士を架橋する硬化剤と、を含み、
    前記バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂であり、
    前記硬化剤は、m-キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートからなる群から選択されるいずれか一種であり、
    前記接着性樹脂層は、2液硬化型ウレタン系樹脂である、
    積層フィルム。
  2. 前記インキ層の厚さは、1μm以上2μm以下であり、
    前記樹脂基材層は、ポリエステル系樹脂層であり
    記インキ層に対する前記硬化剤の含有量は、4重量%以下である
    請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化セリウム、黒鉛、銅フタロシアニンからなる群から選択される少なくとも1つである
    請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 紫外線波長域の波長である透過波長のレーザーを透過させる樹脂基材層と、
    熱可塑性樹脂層と、
    前記樹脂基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置するインキ層であって、溶剤の蒸発によって硬化した前記インキ層と、
    前記インキ層と前記熱可塑性樹脂層との間で前記インキ層と前記熱可塑性樹脂層とを接着する接着性樹脂層と、を備え、
    前記インキ層は、
    前記透過波長のレーザーを受けて変色する顔料と、
    前記透過波長のレーザーを透過するバインダー樹脂と、
    前記透過波長のレーザーを透過し、前記インキ層のなかで前記バインダー樹脂との反応によって前記バインダー樹脂同士を架橋する硬化剤と、を含み、
    前記バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂であり、
    前記硬化剤は、m-キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートからなる群から選択されるいずれか一種であり、
    前記接着性樹脂層は、2液硬化型ウレタン系樹脂である、
    包装体。
  5. 前記インキ層は、変色した前記顔料の周囲に位置するバインダー樹脂と、変色していない前記顔料の周囲に位置するバインダー樹脂とが同色である
    請求項4に記載の包装体。
  6. 積層フィルムにレーザーを照射すること、および、
    前記積層フィルムが備える熱可塑性樹脂層の熱溶着によって包装体を形成すること、を含み、
    前記積層フィルムは、
    紫外線波長域の波長である透過波長のレーザーを透過させる樹脂基材層と、
    前記熱可塑性樹脂層と、
    前記樹脂基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置するインキ層であって、溶剤の蒸発によって硬化した前記インキ層と、
    前記インキ層と前記熱可塑性樹脂層との間で前記インキ層と前記熱可塑性樹脂層とを接着する接着性樹脂層と、を備え、
    前記インキ層は、
    前記透過波長のレーザーを受けて変色する顔料と、
    前記透過波長のレーザーを透過するバインダー樹脂と、
    前記透過波長のレーザーを透過し、前記インキ層のなかで前記バインダー樹脂と反応して前記バインダー樹脂同士を架橋する硬化剤と、を含み、
    前記バインダー樹脂は、ウレタン系樹脂であり、
    前記硬化剤は、m-キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートからなる群から選択されるいずれか一種であり、
    前記接着性樹脂層は、2液硬化型ウレタン系樹脂であり、
    前記レーザーを照射することでは、前記透過波長のレーザーを前記樹脂基材層から前記インキ層に向けて照射して前記顔料を変色させる
    包装体の製造方法。
  7. 前記インキ層の厚さは、1μm以上2μm以下であり、
    前記樹脂基材層は、ポリエステル系樹脂層であり
    記インキ層に対する前記硬化剤の含有量は、4重量%以下であり、
    前記透過波長は、355nmであり、
    前記レーザーを照射することでは、前記レーザーの照射によって変色した前記顔料の周囲に位置するバインダー樹脂と、前記照射後に変色していない前記顔料の周囲に位置するバインダー樹脂とが同色となるように、前記インキ層にレーザーを照射する
    請求項6に記載の包装体の製造方法。
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