JP7534657B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
しかしながら、力布をバックフレームに固定するためにブラケット等が用いられることから、シートバックの構造が複雑になることが課題となっていた。例えば、特許文献1に開示され乗物用シートでは、サイドエアバッグをくるむように力布を巻き付けて固定している。そのため、力布をより容易に固定し作業性を向上させることが望まれていた。
また、力布を吊り込む吊り込み溝等がない場合でも力布を取り付けることができるため、様々な乗物用シートの意匠に対応することができる。
また、力布をパッドの背面側に配置して接着することで、乗物シートの前面側に力布が配置されることがないため、前面側に凹凸感が発生することを抑制することができる。
また、接着領域が、破断部(固定点)が形成された部分以外の領域、例えば破断部から離れた位置に設けられることにより、力布による支持性が向上する。
また、接着領域と破断部との間に非接着領域を備えることで、例えば接着剤の使用量を少なくすることができる。
また、力布をパッドの背面側に配置して接着することで、乗物シートの前面側に力布が配置されることがないため、前面側に凹凸感が発生することを抑制することができる。
また、力布を、エアバッグとパッドとの間に配置して挟むことにより、より強固に力布を固定することができる。
また、力布が、フレームの円弧部分に当接してパッドの表面に沿って配置されることにより、例えばフレームのエッジ部分に当たることが避けられるため、力布の破損を抑制することができる。
また、以下に説明する車両用シート各部の形状、位置及び姿勢等については、特に断る場合を除き、車両用シートが着座可能な状態にあるケースを想定して説明することとする。
本実施形態の第1例である車両用シート(以下、車両用シートS)の基本構成について、図1を参照しながら説明する。図1は車両用シートSを前方斜めから見た斜視図である。図1中、車両用シートSの一部については図示の都合上、表皮11(トリムカバーとも呼ばれる)を外した構成で図示している。
また、シートクッション1とシートバック2とは不図示のリクライニング機構を挟んで連結されている。シートクッション1の下部には不図示のスライドレールが設置されており、このスライドレールにより、車両用シートSは、前後方向にスライド移動可能な状態で車体フロアに載置される。
また、表皮11は、布、フィルム、クロス、革やシート等により構成され、所定のテンションが掛かるように張られた状態でクッションパッド10を覆うよう取り付けられている。
シートバック2の右側側部には、図1に点線で示すようにエアバッグ装置4が設けられている。エアバッグ装置4は、車両のドアに近い方に配置されるニアサイドエアバッグ装置である。なお、車両用シートSにはシートバック2の左側側部にもエアバッグ装置5が設けられている。エアバッグ装置5は、ドアから遠い方に配置されるファーサイドエアバッグ装置である。
エアバッグ装置4、5は公知の構成からなり、シートバック2の土手部2bの内部においてシートフレームFに取り付けられその位置が固定される。エアバッグ装置4、5は、クッションパッド10により形成された空間に格納されるように構成されている。エアバッグ装置4、5は略同様の構成であるため、以下ではエアバッグ装置4について主に説明する。
エアバッグ装置4によりエアバッグ4aが膨張されると、エアバッグ4aの膨張エネルギが、クッションパッド10を介して、力布である上側案内部材13及び下側案内部材14に伝達される。上側案内部材13及び下側案内部材14がエアバッグ4aの膨張エネルギを受けると、破断部7(ティアライン)の縫合糸にエアバッグ4aの膨張エネルギが集中し、縫合糸が切断される。それにより、上側案内部材13及び下側案内部材14が破断部7で切り離され、クッションパッド10がスリット8で破断されることにより、エアバッグ4aが外方に展開される。
以下では、まず図2を用いて、下側案内部材14を固定する構造について説明し、その後、本発明の要である上側案内部材13を固定する構造について説明する。
図22に示すように、シートバック2を覆う表皮11は、座面被覆部11aと、土手部被覆部11bと、側部被覆部11cと、背面被覆部11dと、から構成されている。座面被覆部11aと土手部被覆部11bとは、座面部2aと土手部2bとの間に形成される縦吊り込み溝17aに吊り込まれる縫合部6で縫製により連結されている。なお、縫合部6は吊り込みラインを形成している。
土手部被覆部11bと側部被覆部11cとは、土手部2bの前端において破断部7で縫製により連結されている。破断部7は、エアバッグ4aの展開時に破断するティアラインを形成している。
側部被覆部11cと背面被覆部11dとは、背面部2dにおいて線ファスナ9により連結されている。シートバック2の背面被覆部11dは、シートバック2の右側の側部被覆部11cと、左側の側部被覆部(不図示)とを連結している。
下側案内部材14は、図1及び図2に示すように、エアバッグ装置4に対応する部位、言い換えれば、シートバック2を前方から見てエアバッグ装置4と重なる位置に設けられている。
下側案内部材14は、内側力布22と外側力布23とから構成され、内側力布22と外側力布23は、破断部7において表皮11と縫製されている。より詳細に述べると、内側力布22は、ティアラインである破断部7から吊り込みラインの縫合部6までクッションパッド10の土手部表面10aに沿って設けられている。外側力布23は、シートバック2の側部2cにおいて、破断部7から背面部2dまでクッションパッド10の側部表面10cに沿って配置される。外側力布23の背面側の端部、すなわち破断部7と接続する端部の反対側の端部は、背面側縫合部19において縫製により取り付けられており、外側力布23は、表皮11のうち側部被覆部11cを裏打ちした状態となっている。
クッションパッド10には、吊り込み溝17が形成されている(図1参照)。吊り込み溝17は、シート縦方向に延びる二つの縦吊り込み溝17aと、シート幅方向に延びる横吊り込み溝17bとから構成されている。二つの縦吊り込み溝17aは、その上端が横吊り込み溝17bにより連結されており、吊り込み溝17全体はシート前方から見てΠ字状になるよう形成される。
縦吊り込み溝17a及び横吊り込み溝17bの内部には、所定の間隔を開けて複数のクリップ15(ホグレスクリップとも呼ばれる)が設けられている。クリップ15は、図2に示すように縦吊り込み溝17aの底部に一部が埋設されることにより固定され、クッションパッド10と一体に設けられている。クリップ15は、その断面が略V字状に形成されており、クリップ15の頂部には、吊り込み部材16の矢尻状の先端部を保持する保持部15aが設けられている。なお、クリップ15は断面がU字状又はC字状に形成されてもよい。
そして、吊り込み部材16の先端部をクリップ15の保持部15aに挿入することにより、吊り込み部材16をクリップ15に固定することができる。吊り込み部材16をクリップ15に固定することで、内側力布22がクッションパッド10に固定されるようになる。
なお、吊り込み部材16は樹脂製であり、例えばポリプロピレン(PP)樹脂により形成される。
以下、エアバッグ装置4の周囲上側に配置される上側案内部材13について説明する。図2に示した下側案内部材14の内側力布22は、クリップ15を用いてクッションパッド10の縦吊り込み溝17aに固定されていた。
しかしながら、シートのデザインによっては、吊り込み溝17をエアバッグ装置4の上側まで延ばすことができない場合がある。
本実施形態の車両用シートSでは、図1示すようにエアバッグ装置4の中央付近まで、吊り込み溝17は延びているが、エアバッグ装置4の上方においては吊り込み溝17が形成されていない。そのため、上側案内部材13については、クリップ15を用いてクッションパッド10に固定することができず、別の手段により取り付ける必要がある。
<<第1例>>
上側案内部材13は、内側力布20と外側力布23とにより構成されている。外側力布23は、下側案内部材14の外側力布23と同様に、シートバック2の側部2cにおいて、破断部7から背面部2dまでクッションパッド10の側部表面10cに沿って配置される。
また、外側力布23の背面側の端部、すなわち破断部7と接続する端部の反対側の端部は、背面側縫合部19において縫製により取り付けられており、外側力布23は、表皮11の側部被覆部11cを裏打ちした状態となっている。
また、内側力布20を接着剤で固定することで、吊り込み溝がない場所にも内側力布20を取り付けることができるため、様々な車両用シートの意匠に対応することができる。
また、接着領域21をティアラインである破断部7以外の領域に設け、内側力布20を接着することにより支持性が向上するようになる。例えば、接着領域21を、破断部7から所定距離離れた位置に接着領域21を設けることにより支持性が向上するようになる。
また、破断部7と接着領域21との間に接着剤を設けない非接着領域があることにより、接着剤の使用量を削減することができる。
また、内側力布20を車両用シートSの前面側すなわちシートバック2の着座面側に配置しないことにより、車両用シートSの前面側に凹凸感が発生することを抑制することができる。
表皮11については接着剤等で固定していないため、表皮11にしわができ難い。また、表皮11が乗員の頸部の動きに追従できるため、頸部の動きを阻害することが抑制される。
エアバッグ4a及びインフレータ4b(エアバッグ装置4)を備える車両用シートSの組立方法について説明する。
エアバッグ4aの展開時に破断する破断部7が形成された表皮11と、破断部7に縫合され、表皮11よりも引張り伸び量の小さい内側力布20(力布)とを準備する(準備工程)。外側力布23は表皮11の裏面に縫合されているとよい。
案内部材として、上下に配置された上側案内部材13と下側案内部材14があり、下側案内部材14の内側力布22が、クッションパッド10に設けられたクリップ15により固定される場合、クリップ15に係合する吊り込み部材16を予め内側力布22に取り付けておく。
また、吊り込み部材16をクリップ15に係合させることで、下側案内部材14の内側力布22を固定する(力布係合工程)。
次に表皮11全体をクッションパッド10に被せる。表皮11の側部被覆部11cと外側力布23とをクッションパッド10の背面側に配置し、側部被覆部11cと背面被覆部11dとを線ファスナ9により結合することで、組立が完了する(表皮取付工程)。
エアセル31は、シートバック2のクッションパッド10において、図4に示すように前面側(着座面側)から背面側に向けて形成されたエアセル収容部30内に配置されている。
なお、エアセル31の前面(乗員に向く面)に、ヒータ装置33及び振動装置34を設けなくてもよい。この場合、エアセル31の前面は、直接土手部被覆部11bと直接接触する。表皮11とエアセル31との間にクッション部材が設けられてもよい。
このとき、エアセル31と接着領域21’とが直接接触することは避け、エアセル31と接着領域21’との間にパッド層を設けるのがよい。
本実施形態の第2例である車両用シートSAについて、図6-図8を用いて説明する。図6は、図1のA-A線に沿ったシートバック2Aの断面図であり、上側案内部材13Aをクッションパッド10に取り付ける取付構造を示す図である。
上側案内部材13Aは、外側力布23と、内側力布20Aとから構成され、内側力布22と外側力布23は、破断部7において表皮11と縫製されている。
外側力布23は、第1例の外側力布23と同様、シートバック2の側部2cにおいて、破断部7から背面部2dまでクッションパッド10の側部表面10cに沿って配置され、背面側縫合部19において縫製されている。
一方、内側力布20Aについては、第1例における内側力布20と比較するとクッションパッド10と接着剤により取り付ける接着領域21Aの位置が異なっている。
また、接着領域21Aが、エアバッグ装置4のケース4cとクッションパッド10の背面側表皮と挟まれることにより、より強固に内側力布20Aとクッションパッド10とを接着させることができる。
内側力布20を、乗物シートの前面側すなわちシートバック2の着座面側に配置しないため、前面側に凹凸感が発生することを抑制することができる。
表皮11については接着剤等で固定していないため、表皮11にしわができ難い。また、表皮11が乗員の頸部の動きに追従できるため、頸部の動きを阻害することが抑制される。
接着領域21Aは、図7に示すように、エアセル31が膨張したときに表皮11に接触する領域を避けた位置に設けられている。より具体的に述べると、接着領域21Aは、エアセル31の最大幅CRの領域をエアセル31の中心軸CAに伸ばした範囲に入らないように配置されている。
このとき、エアセル31と接着領域21Aとが直接接触することを避け、エアセル31と接着領域21との間にパッド層を設けるのがよい。
このように配置することで、エアセル31が膨張したときにクッションパッド10が接着領域21を押圧するため、内側力布20とクッションパッド10とを接着する接着剤の接着力が向上する。
本実施形態の第3例である車両用シートSBについて、図9-図11を用いて説明する。図9は、図1のA-A線に沿ったシートバック2Bの断面図であり、上側案内部材13Bをクッションパッド10に取り付ける取付構造を示す図である。
上側案内部材13Bは、外側力布23のみで構成されており、外側力布23は、破断部7において表皮11と縫製されている。
第1例と比較すると、内側力布20を備えていないことと、接着領域21Bの位置が異なっている。第3例では、表皮11の土手部被覆部11bとクッションパッド10の土手部表面10aとが直接接着剤により、接着領域21Bにおいて接着され、表皮11の一部がクッションパッド10に固定される。接着領域21Bは、図9に示すようにティアラインである破断部7の近傍において、クッションパッド10の前面側(着座面側)に設けられている。
破断部7に近い位置で表皮11を固定することにより、表皮11が伸びる影響を減らすことができる。
接着領域21Bは、図10に示すように、エアセル31が膨張したときに表皮11に接触する領域を避けた位置に設けられている。より具体的に述べると、接着領域21Bは、エアセル31の最大幅CRの領域をエアセル31の中心軸CAに沿って伸ばした範囲に入らないように配置されている。
より具体的に述べると、接着領域21Bの少なくとも一部が、エアセル31の最大幅CRの領域をエアセル31の中心軸CAに沿って伸ばした範囲に入るように配置されている。
このとき、エアセル31と接着領域21Bとが直接接触することは避け、エアセル31と接着領域21Bとの間にパッド層を設けるのがよい。
このように配置することで、エアセル31が膨張したときにクッションパッド10が接着領域21Bを押圧し、表皮11とクッションパッド10とを接着する接着剤の接着力が向上する。
本実施形態の第4例である車両用シートSCについて、図12を用いて説明する。図12は、図1のA-A線に沿ったシートバック2Cの断面図であり、上側案内部材13Cをクッションパッド10に取り付ける取付構造を示す図である。
上側案内部材13Cは、内側力布20Cと外側力布23とから構成され、内側力布22と外側力布23は、破断部7において表皮11と縫製されている。
第1例と比較すると、内側力布20Cが延びる方向が異なっている。内側力布20Cは、破断部7からクッションパッド10の土手部表面10a(表面)に沿って延び、境界部分Kに形成されたスリット18から、クッションパッド10の内側に進入している。
スリット18を形成する必要があるものの、下側案内部材14と同様の方向に内側力布20Cを伸ばすことができ、エアバッグ展開時に掛かる力も内側力布20Cに掛かる応力の同じになるため、内側力布20Cは安定して破断部7を支持することができる。
本実施形態の第5例である車両用シートSDについて、図13を用いて説明する。第4例の固定手段においては、接着剤を用いて内側力布20Cをクッションパッド10の背面側表面10bに取り付けていたが、第5例では、接着剤の代わりに内側力布20Dの先端にJフック24を設け、背面側表面10bに内側力布20Dを固定している。
より具体的に述べると、破断部7から延びる内側力布20Dをスリット18に通し、スリット18の背面側開口部の周囲に取り付けられたインサートワイヤ25にJフック24を引掛けることにより、内側力布20Cを固定している。接着剤は、完全に乾燥するまでに半日程度を要するが、本例では接着剤を使わないため乾燥を待つことなく内側力布20Dの取り付けを完了することができる。
本実施形態の第6例である車両用シートSEについて、図14を用いて説明する。図14は、図1のA-A線に沿ったシートバック2Eの断面図であり、上側案内部材13Eをクッションパッド10に取り付ける取付構造を示す図である。
図14に示すように、表皮11のうち座面被覆部11aと土手部被覆部11bとは、座面部2aと土手部2bとの境界部分Kにおいて連続して形成されている。
外側力布23は、第1例の外側力布23と同様、シートバック2Eの側部2cにおいて、破断部7から背面部2dまでクッションパッド10の側部表面10cに沿って配置される。また、外側力布23の、破断部7と縫製する端部と反対側の端部が、背面側縫合部19において縫製されている。
一方、内側力布20Eについては、第1例と比較すると、破断部7から延びる方向と、接着剤によりクッションパッド10に接着する接着領域21Eの位置が異なっている。
接着剤により内側力布20Eをクッションパッド10に取り付けるため、吊り込み溝が形成されない表皮11を被せる方式のシートに適用することができる。
また、部分的に接着することから、全体的に接着剤を塗布して取り付ける場合と比較してコストを削減することができる。また、エアバッグ4aの展開方向がばらついた場合でも未接着領域分における内側力布20Eの自由度により安定的に案内部材としての機能を発現することができる。
また、表皮11と内側力布20Eとを接着する接着領域12Eと、内側力布とクッションパッド10を接着する接着領域21Eととの大きさは略同じ大きさであるとよい。
内側力布20Eを、表皮11とクッションパッド10の両方に強固に取り付けることができる。
また、接着領域12Eより接着領域21Eの方が大きくてもよい。内側力布20Eをクッションパッド10により強固に取り付けることができる。
本実施形態の第7例である車両用シートSFについて図15を用いて説明する。図15は、図1のA-A線に沿ったシートバック2Fの断面図であり、上側案内部材13Fをクッションパッド10に取り付ける取付構造を示す図である。
外側力布23は、第1例と同様の構成である。内側力布20Fは、第6例の内側力布20Eと同様に、ティアラインである破断部7からクッションパッド10の土手部表面(表面)に沿って、座面部2aと土手部2bとの境界部分Kまで延びている。
第6例では、表皮11を内側力布20Fに接着剤により取り付けていたが、本例では、表皮11は、内側力布20Fに対し接着剤により固定されていない。
また、表皮11が乗員の頸部の動きに追従できるため、頸部の動きを阻害することが抑制される。また、エアバッグ4aの展開方向がばらついた場合でも内側力布20Fの自由度により安定的に案内部材としての機能を発現することができる。
本実施形態の第8例である車両用シートSGについて図16を用いて説明する。図16は、図1のA-A線に沿ったシートバック2Gの断面図であり、上側案内部材13Gをクッションパッド10に取り付ける取付構造を示す図である。
内側力布20Gは、第6例の内側力布20Eと同様に、ティアラインである破断部7からクッションパッド10の土手部表面10a(表面)に沿って、座面部2aと土手部2bとの境界部分Kまで延びている。
また、内側力布20Gは、表皮11に対しても破断部7以外の部分(接着領域12G)で接着している。
本実施形態の第9例である車両用シートSHについて図17を用いて説明する。図17は、図1のA-A線に沿ったシートバック2Hの断面図であり、上側案内部材13Hをクッションパッド10に取り付ける取付構造を示す図である。
第9例の内側力布20Hは、ティアラインである破断部7以外の土手部表面(接着領域21H)において、クッションパッド10と接着剤により取り付けられている。一方、内側力布20Hは、表皮11(土手部被覆部11b)とは接着していない。
破断部7以外の部分において、内側力布20Hとクッションパッド10とを接着することにより、保持強度が上がり、展開出力の高いエアバッグ装置にも適用することができる。一方、表皮11は内側力布20Hに固定されないため表皮11にしわができ難くなる。
本実施形態の第10例である車両用シートSIについて図18を用いて説明する。図18は、図1のA-A線に沿ったシートバック2Iの断面図であり、上側案内部材13Iをクッションパッド10に取り付ける取付構造を示す図である。
第10例の上側案内部材13Iは外側力布23のみにより構成されており、内側力布は設けれていない。外側力布23は、第1例の外側力布23と同様、破断部7と背面側縫合部19とにより表皮11に対して縫製により取り付けれており、表皮11の裏面側に裏打ちした状態となっている。
また、クッションパッド10の土手部表面10aでは、内側力布の代わりに、表皮11の土手部被覆部11bが接着領域12Iにおいて直接接着剤により取り付けられている。
第10例では、内側力布が表皮11の裏面側に設けられないため、外観上凹凸感を少なくすることができる。
本実施形態の第11例である車両用シートSJについて図19を用いて説明する。図19は、図1のA-A線に沿ったシートバック2Jの断面図であり、上側案内部材13Jをクッションパッド10に取り付ける取付構造を示す図である。
上側案内部材13Jは外側力布23と内側力布20Jとから構成されている。内側力布20Jは、図19に示すように、ヒータ装置33に対して、クッションパッド10の厚み方向において重ねて配置されている。内側力布23Jは、例えば上述した第7例に示す内側力布20Fと同様、接着剤により接着領域21Jにおいてクッションパッド10の土手部表面10aに取り付けられている。
内側力布23Jをヒータ装置33と厚み方向で重ねて配置することで、高い省スペース性を確保することができる。
ホットメルト等による接着剤を内側力布20の接着領域21に予め塗布しておき、取り付けた後、接着剤を温めることにより、内側力布20が、クッションパッド10の背面側表面10bに接着される。このとき、接着剤の一部分を伸ばし、延長部21aとして内側力布20からはみ出すように取り付ける。
このように接着剤の一部をはみ出しておくことにより、内側力布20が表皮11に仮止めされた状態となり、例えば表皮11をクッションパッド10に被せたとき、内側力布20が巻き込まれて折れたり、位置がずれたりすることが抑制される。そして、所定位置に内側力布20が配置された後、接着剤に熱を加えることにより内側力布20とクッションパッド10の表面とを接着することができる。
そして、クッションサイド部10dは、クッション中央部10eよりも硬度が高く構成されている。このような構成とすることで、クッション中央部10eでは、着座した乗員を柔らかく受け止めて、クッションサイド部10dでは乗員をしっかりと保持して受け止めることができる。硬度が部分的に異なるクッションパッド10Aの形成には、例えば異なるウレタン材料を用いて二色成形する等、公知の技術を用いて実現することができる。
また、下側案内部材を配置する場所に吊り込み溝がない場合、上述した上側案内部材と同様の取付構造を用いて下側案内部材を取り付けてもよい。また、第1例から第11例において示した上側案内部材の取付構造を組み合わせてクッションパッド10に取り付けてもよい。
F シートフレーム(フレーム)
Fa 円弧状部
Fb フランジ
1 シートクッション
2、2A~2J シートバック
2a 座面部
2b 土手部
2c 側部
2d 背面部
3 ヘッドレスト
4 エアバッグ装置(ニアサイドエアバッグ)
4a エアバッグ
4b インフレータ
4c ケース
4d ボルト
5 エアバッグ装置(ファーサイドエアバッグ)
6 縫合部(吊り込みライン)
7 破断部(ティアライン)
8 スリット
9 線ファスナ
10、10A、10B クッションパッド(パッド)
10a 土手部表面
10b 背面側表面
10c 側部表面
10d クッションサイド部
10e クッション中央部
10f 凹部
11 表皮
11a 座面被覆部
11b 土手部被覆部
11c 側部被覆部
11d 背面被覆部
K 境界部分
12E、12G、12I 接着領域
13、13A~13J 上側案内部材
14 下側案内部材
15 クリップ(取付部材)
15a 保持部
16 吊り込み部材
17 吊り込み溝
17a 縦吊り込み溝
17b 横吊り込み溝
18 スリット
19 背面側縫合部
20、20A~20J 内側力布(力布)
21、21A~21J 接着領域
21a 延長部
22 内側力布
23 外側力布
24 Jフック
25 インサートワイヤ
26 上側案内部材
27 下側案内部材
28 縫合部
30 エアセル収容部
31 エアセル
31a、31b 空気袋
33 ヒータ装置
34 振動装置
CR 最大幅
CA 中心軸
Claims (6)
- エアバッグとインフレータとを備える乗物用シートにおいて、
フレームと、
該フレーム上に配置されるパッドと、
該パッドを覆い、一部に前記エアバッグの展開時に破断する破断部が形成された表皮と、
前記破断部から前記パッドの表面に沿って延び、前記表皮よりも引張り伸び量の小さい力布と、を備え、
前記力布は、内側力布と外側力布とから構成され、
前記内側力布は、前記パッドにおいて着座面側とは異なる背面側の表面に接着剤により取り付けられ、
前記接着剤は、前記内側力布を前記パッドに接着する前の状態において、前記パッドと前記表皮とを接着するように前記内側力布からはみ出して配置されていることを特徴とする乗物用シート。 - 前記力布が前記接着剤により取り付けられる接着領域は、前記パッドのシート前後方向に対して傾斜する斜面部分に設けられることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
- 前記力布が前記接着剤により取り付けられる接着領域は、前記インフレータよりもシート幅方向において内側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
- 前記力布が前記接着剤により取り付けられる接着領域は、前記エアバッグの前面と対向する、前記パッドの背面側の表面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
- エアバッグとインフレータとを備える乗物用シートにおいて、
フレームと、
該フレーム上に配置されるパッドと、
該パッドを覆い、一部に前記エアバッグの展開時に破断する破断部が形成された表皮と、
前記破断部から前記パッドの表面に沿って延び、前記表皮よりも引張り伸び量の小さい力布と、
前記パッド内に配置されるエアセルと、を備え、
前記力布は、内側力布と外側力布とから構成され、前記内側力布は、前記パッドの表面に接着剤により取り付けられ、
前記内側力布が前記接着剤により取り付けられる接着領域は、前記エアセルが膨張する方向から見て、前記エアセルが膨張したときに前記表皮と接触する領域を避けた位置に設けられることを特徴とする乗物用シート。 - エアバッグとインフレータとを備える乗物用シートにおいて、
フレームと、
該フレーム上に配置されるパッドと、
該パッドを覆い、一部に前記エアバッグの展開時に破断する破断部が形成された表皮と、
前記破断部から前記パッドの表面に沿って延び、前記表皮よりも引張り伸び量の小さい力布と、
前記パッド内に配置されるエアセルと、を備え、
前記力布は、内側力布と外側力布とから構成され、前記内側力布は、前記パッドの表面に接着剤により取り付けられ、
前記内側力布が前記接着剤により取り付けられる接着領域は、前記エアセルが膨張する方向から見て、前記エアセルが膨張したときに前記表皮と接触する領域と少なくとも一部が重なる位置に設けられることを特徴とする乗物用シート。
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