JP7536201B2 - 電力変換装置及び空気調和機 - Google Patents
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Description
本開示は、電力変換装置及び空気調和機に関する。
一般に、単相交流電源からの交流をコンバータにより直流に変換し、この直流を直流コンデンサにより平滑化し、さらにインバータにより任意の周波数の交流に変換するシステムにおいては、コンバータからコンデンサに流れる電流に高調波が重畳されるため、直流リンク電圧が脈動する。
そして、インバータにより直流電圧から3相交流電圧を作り出す場合、直流リンク電圧の脈動によって、相電流のビート現象と、トルクのリプルとが発生し問題となる。
特許文献1は、このような脈動を抑制するために、位相調整器によって、直流リンク電圧の脈動に基づいて、出力電圧ベクトル指令のd軸からの位相の調整量ΔPが算出され、d軸からの位相基準P*を加算する電力変換装置を開示している。
従来の技術は、直流電圧に対して過変調領域で出力電圧の位相を補償することでモータ電流の急変又は跳ね上がりを抑制している。
また、従来の技術は、電圧の振幅に関して、電圧リミット値を設けているが、この場合、インバータに入力される母線電圧の脈動が急変すると、必要なトルク電流を出力するためにインバータの出力電圧を増やす必要があるが、電圧リミット値によって必要な電圧値を出力できず、モータ電流のピーク値が変動してしまう。
また、従来の技術は、電圧の振幅に関して、電圧リミット値を設けているが、この場合、インバータに入力される母線電圧の脈動が急変すると、必要なトルク電流を出力するためにインバータの出力電圧を増やす必要があるが、電圧リミット値によって必要な電圧値を出力できず、モータ電流のピーク値が変動してしまう。
そこで、本開示の一又は複数の態様は、モータの運転範囲を狭めることなくインバータの入力段にある平滑用コンデンサの容量を小さくできるようにすることを目的とする。
本開示の一態様に係る電力変換装置は、入力される交流電圧を整流するコンバータと、前記コンバータの出力を平滑化することで直流電圧とするコンデンサと、前記直流電圧の電圧値を検出する電圧検出部と、前記直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータと、前記インバータから出力される電流の電流値を検出する電流検出部と、前記インバータを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電圧値及び前記電流値を用いて、前記インバータに印加する電圧の指令値である電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、前記電圧指令値に対応する電圧位相を計算する位相計算部と、前記電圧値から生成される前記電圧指令値に重畳する、前記直流電圧による脈動成分を抽出し、前記脈動成分の位相である脈動補償位相を計算する脈動位相補償部と、前記電圧値及び前記電圧指令値から変調率を算出し、前記変調率が1.0よりも大きい場合に、前記電圧指令値に対して前記電圧値を線形で出力することができるように、前記変調率を補正した補正変調率を算出する変調率補償部と、前記電圧位相に前記脈動補償位相を加算した値及び前記補正変調率から、前記インバータを制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成するPWM生成部と、を備えることを特徴とする。
本開示の一態様に係る空気調和機は、上記の電力変換装置と、前記電力変換装置から出力される前記三相交流電圧により駆動され、動力を発生するモータと、前記動力を用いて冷媒を圧縮する圧縮機と、を備えることを特徴とする。
本開示の一又は複数の態様によれば、モータの運転範囲を狭めることなくインバータの入力段にある平滑用コンデンサの容量を小さくすることができる。
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る空気調和機100の構成を概略的に示すブロック図である。
空気調和機100は、圧縮機1と、四方弁2と、熱交換器3と、膨張機構4と、熱交換器5と、冷媒配管6とを備える。圧縮機1、四方弁2、熱交換器3、膨張機構4及び熱交換器5は、冷媒配管6を介して順次接続され、冷凍サイクルを形成する。なお、熱交換器3を第1の熱交換器ともいい、熱交換器5を第2の熱交換器ともいう。
図1は、実施の形態に係る空気調和機100の構成を概略的に示すブロック図である。
空気調和機100は、圧縮機1と、四方弁2と、熱交換器3と、膨張機構4と、熱交換器5と、冷媒配管6とを備える。圧縮機1、四方弁2、熱交換器3、膨張機構4及び熱交換器5は、冷媒配管6を介して順次接続され、冷凍サイクルを形成する。なお、熱交換器3を第1の熱交換器ともいい、熱交換器5を第2の熱交換器ともいう。
圧縮機1の内部には、冷媒を圧縮する圧縮機構7と、この圧縮機構7を駆動するモータ8とが設けられている。モータ8は、U相、V相及びW相の三相の巻き線を有する三相モータである。
モータ8は、電動機駆動装置110からの三相交流電圧により駆動され、動力を発生する。そして、圧縮機である圧縮機構7は、その動力を用いて冷媒を圧縮する。
また、空気調和機100は、電力変換装置としての電動機駆動装置110を備える。
電動機駆動装置110は、モータ8と電気的に接続され、モータ8に電圧を与えて駆動させる。電動機駆動装置110は、モータ8のU相、V相、W相の巻き線に電圧Vu、Vv、Vwをそれぞれ印加する。
なお、電動機駆動装置110は、電源101から電力の供給を受ける。
電動機駆動装置110は、モータ8と電気的に接続され、モータ8に電圧を与えて駆動させる。電動機駆動装置110は、モータ8のU相、V相、W相の巻き線に電圧Vu、Vv、Vwをそれぞれ印加する。
なお、電動機駆動装置110は、電源101から電力の供給を受ける。
図2は、電動機駆動装置110及びモータ8の構成を概略的に示す回路図である。
電動機駆動装置110は、コンバータ111と、リアクタ113と、コンデンサ114と、電圧検出器としての電圧検出部115と、電流検出器としての電流検出部116と、インバータ120と、制御部130とを備える。
電動機駆動装置110は、コンバータ111と、リアクタ113と、コンデンサ114と、電圧検出器としての電圧検出部115と、電流検出器としての電流検出部116と、インバータ120と、制御部130とを備える。
コンバータ111は、電源101からの交流電力を、直流電力に変換する。ここでは、コンバータ111は、整流用のダイオード112により構成されている。言い換えると、コンバータ111は、入力される交流電圧を整流する。なお、ここでのコンバータ111は、昇圧型の整流回路、及び、スイッチング素子等を用いた力率改善回路の何れでもないものとする。
リアクタ113は、コンバータ111の正極出力端子と、インバータ120の正極端子との間に接続される。言い換えると、リアクタ113は、コンバータ111の正極に直列に接続される。
コンデンサ114は、インバータ120の正極端子と、コンバータ111の負極出力端子との間に接続される。コンデンサ114は、コンバータ111の出力を平滑化することで直流電圧とする。
リアクタ113及びコンデンサ114により、コンバータ111からの出力が平滑化される。
リアクタ113及びコンデンサ114により、コンバータ111からの出力が平滑化される。
電圧検出部115は、コンデンサ114の両端の直流電圧の電圧値を検出する。検出された電圧値は、母線電圧値Vdcとして、制御部130に与えられる。
電流検出部116は、インバータ120から出力されたV相の電流の電流値Iv、U相の電流の電流値Iu及びW相の電流の電流値Iwを検出して、これらの電流値Iv、Iu、Iwを制御部130に与える。
なお、ここでは、電流検出部116は、三相の電流値をそれぞれ検出しているが、何れか二相の電流値を検出し、制御部130において、検出された二相の電流値から残りの一相の電流値を算出してもよい。
さらに、電流検出部116の代わりに、母線電流の電流値を検出する電流検出部が設けられてもよい。このような場合には、制御部130は、検出された電流値から、三相のそれぞれの電流値を推定する。
なお、ここでは、電流検出部116は、三相の電流値をそれぞれ検出しているが、何れか二相の電流値を検出し、制御部130において、検出された二相の電流値から残りの一相の電流値を算出してもよい。
さらに、電流検出部116の代わりに、母線電流の電流値を検出する電流検出部が設けられてもよい。このような場合には、制御部130は、検出された電流値から、三相のそれぞれの電流値を推定する。
インバータ120は、直流電圧を三相交流電圧に変換する。
例えば、インバータ120は、直列に接続された2つのスイッチング素子121a、121dと、直列に接続された2つのスイッチング素子121b、121eと、直列に接続された2つのスイッチング素子121c、121fとが、並列に接続されている。スイッチング素子121a~121fには、それぞれと並列に環流ダイオード122a~122fが備えられている。
例えば、インバータ120は、直列に接続された2つのスイッチング素子121a、121dと、直列に接続された2つのスイッチング素子121b、121eと、直列に接続された2つのスイッチング素子121c、121fとが、並列に接続されている。スイッチング素子121a~121fには、それぞれと並列に環流ダイオード122a~122fが備えられている。
なお、以降の説明において、スイッチング素子121a~121fの各々を特に区別する必要がない場合には、スイッチング素子121a~121fの一つをスイッチング素子121という。
また、環流ダイオード122a~122fの各々を特に区別する必要がない場合には、環流ダイオード122a~122fの一つを環流ダイオード122という。
また、環流ダイオード122a~122fの各々を特に区別する必要がない場合には、環流ダイオード122a~122fの一つを環流ダイオード122という。
インバータ120では、制御部130より送られるPWM(Pulse Width Modulation)信号UP、VP、WP、UN、VN、WNに応じて、それぞれに対応したスイッチング素子121が駆動する。そして、インバータ120は、駆動されたスイッチング素子121に応じた電圧Vu、Vv、Vwを、モータ8のU相、V相、W相の巻き線に、それぞれ印加する。これにより、三相交流電圧がモータ8に印加される。
ここで、インバータ120は、直流電圧を任意の周波数及び電圧に変換するときに、正弦波モードと、台形波モードとを切り替えて、圧縮機1のモータ8を制御することがある。
図3は、U相に正弦波モードで電圧を印加する際における電圧指令値であるU相電圧指令値Vu*を示すグラフである。
図3に示されているように、U相電圧指令値Vu*は、周波数fcのキャリアと比較され、U相電圧指令値Vu*がキャリアよりも大きいときにHIGH、U相電圧指令値Vu*がキャリアよりも小さいときにLOWとして、U相の上アームであるスイッチング素子121aをスイッチングするためのPWM信号UPが出力される。U相の下アームであるスイッチング素子121dをスイッチングするためのPWM信号UNは、PWM信号UPと逆論理の信号が出力される。
図3に示されているように、正弦波モードでは、電圧指令値Vu*の振幅が、直流の母線電圧値Vdcの半分よりも小さくなっているため、母線電圧値Vdcに対して電圧指令値Vu*の振幅に余裕がある。
図3に示されているように、U相電圧指令値Vu*は、周波数fcのキャリアと比較され、U相電圧指令値Vu*がキャリアよりも大きいときにHIGH、U相電圧指令値Vu*がキャリアよりも小さいときにLOWとして、U相の上アームであるスイッチング素子121aをスイッチングするためのPWM信号UPが出力される。U相の下アームであるスイッチング素子121dをスイッチングするためのPWM信号UNは、PWM信号UPと逆論理の信号が出力される。
図3に示されているように、正弦波モードでは、電圧指令値Vu*の振幅が、直流の母線電圧値Vdcの半分よりも小さくなっているため、母線電圧値Vdcに対して電圧指令値Vu*の振幅に余裕がある。
図4は、U相に台形波モードで電圧を印加する際におけるU相電圧指令値Vu*を示すグラフである。
台形波モードでは、図4に示されているように、母線電圧値Vdcの一部と、電圧指令値Vu*とが一致する。
台形波モードでは、図4に示されているように、母線電圧値Vdcの一部と、電圧指令値Vu*とが一致する。
そして、図2に示されているような構成において、リアクタ113と、コンデンサ114とは、その他の電気部品と比べサイズが大型なもの使用することが多く、また、その場合、電源力率が悪い傾向にある。そのため、リアクタ113及びコンデンサ114の容量を小さくすることで、電源高調波を改善することができ、かつ、回路の小型化と、コスト削減とが可能となる。
上記のように、交流電圧を直流電圧に変換することでインバータ120の入力電圧である直流電圧は、電源相数の2倍の周波数で脈動する。そして、装置の小型化及び低コスト化を目的にリアクタ113及びコンデンサ114の容量を小さくすることで、直流電圧の脈動は大きくなる。このため、インバータ120は、脈動の大きな直流電圧をもとに任意の周波数及び振幅の交流電圧を制御する必要がある。
例えば、インバータ120の出力電圧が電圧指令値V*に対して非線形となる台形波モードで運転する場合、母線電圧の脈動の影響を受けて、インバータ120が出力する電圧指令値V*は、モータ8が回転するために必要な電圧ベクトル通りに出せないことが起きる。例えば、図5(A)は、コンデンサ114の容量が大きい場合のモータ8の相電流を示し、図5(B)は、コンデンサ114の容量が小さい場合のモータ8の相電流を示している。図5(B)に示されているように、コンデンサ114の容量が小さい場合、モータ8の相電流は、母線電圧値Vdcの脈動の影響を受けて、脈動している。この場合、電流ピーク値が変動してしまう。
モータ8の相電流のピーク値が変動すると、例えば、永久磁石型の同期モータの場合、運転限界付近で減磁電流異常の電流が流れることで、永久磁石の特性に不可逆減磁が発生する。また、設定電流以下になるように制御が行われた場合でも、モータ8の運転範囲が狭くなる可能性がある。また、過電流は、モータ8を搭載する圧縮機1の振動又は騒音につながり、異常停止、破壊又は異音等につながるおそれがある。
そこで、以下、以上のような問題に対応するため、インバータ120を制御する制御部130での制御について説明する。
図6は、制御部130の構成を概略的に示すブロック図である。
制御部130は、電圧指令値算出部131と、位相計算部132と、脈動位相補償部133と、変調率補償部134と、PWM生成部135とを備える。
図6は、制御部130の構成を概略的に示すブロック図である。
制御部130は、電圧指令値算出部131と、位相計算部132と、脈動位相補償部133と、変調率補償部134と、PWM生成部135とを備える。
電圧指令値算出部131は、電圧検出部115で検出された母線電圧値Vdc及び電流検出部116で検出された各相の電流値Iu、Iv、Iwを用いて、インバータ120に印加する電圧の指令値である電圧指令値V*を算出する。ここでは、電圧指令値算出部131は、母線電圧値Vdc及び電流値Iu、Iv、Iwを用いて、外部から与えられるモータ8の回転速度の指令値である速度指令値ωrefで示されている回転速度でモータ8が回転するように、電圧指令値V*を算出する。算出された電圧指令値V*は、変調率補償部134及び位相計算部132に与えられる。
電圧指令値算出部131での処理は、三相二相変換、回転座標変換、PI制御及び固定座標変換等の既知の処理であるため、詳細な説明は省略する。
位相計算部132は、電圧指令値V*に対応する電圧位相を計算する。
例えば、位相計算部132は、電圧指令値V*=(Vd*,Vq*)から、下記の(1)式により、電圧位相θを計算する。
θ=tan-1(Vq*/Vd*) (1)
例えば、位相計算部132は、電圧指令値V*=(Vd*,Vq*)から、下記の(1)式により、電圧位相θを計算する。
θ=tan-1(Vq*/Vd*) (1)
脈動位相補償部133は、母線電圧値Vdcから、インバータ120に入力される直流電圧において脈動している成分の位相である脈動補償位相Δθを計算する。例えば、脈動位相補償部133は、母線電圧値Vdcから生成される電圧指令値V*に重畳する、直流電圧による脈動成分を抽出し、その脈動成分の位相である脈動補償位相を計算する。
変調率補償部134は、母線電圧値Vdc及び電圧指令値V*から変調率を算出する。
そして、変調率補償部134は、変調率が1.0よりも大きい場合に、電圧指令値V*に対して母線電圧値Vdcを線形で出力することができるように、変調率を補正した補正変調率Kh*hを算出する。ここでは、変調率補償部134は、その変調率が1.0よりも大きい場合に、母線電圧値Vdcが大きいほど大きな値となるように変調率を補正した補正変調率Kh*hを算出する。
そして、変調率補償部134は、変調率が1.0よりも大きい場合に、電圧指令値V*に対して母線電圧値Vdcを線形で出力することができるように、変調率を補正した補正変調率Kh*hを算出する。ここでは、変調率補償部134は、その変調率が1.0よりも大きい場合に、母線電圧値Vdcが大きいほど大きな値となるように変調率を補正した補正変調率Kh*hを算出する。
PWM生成部135は、電圧位相θに脈動補償位相Δθを加算した値及び補正変調率Kh*hから、インバータ120を制御するためのPWM信号を生成する。脈動補償位相Δθだけでは、変調率が1.0以上の領域で、電流脈動の抑制効果が十分に得られないため、本実施の形態におけるPWM生成部135は、脈動補償位相Δθと、補正変調率Kh*hの両方を使って、変調率が1.0以上の領域でも、電流脈動の抑制効果が得られるようにしている。生成されたPWM信号は、インバータ120に出力される。
図7は、脈動位相補償部133及び変調率補償部134の構成を概略的に示すブロック図である。
脈動位相補償部133は、母線電圧値Vdcにおいて脈動している成分の位相である脈動補償位相Δθを計算する。
脈動位相補償部133は、交流成分抽出部133aと、演算部133bと、積分部133cとを備える。
脈動位相補償部133は、交流成分抽出部133aと、演算部133bと、積分部133cとを備える。
交流成分抽出部133aは、母線電圧値Vdcにバンドパスフィルタを用いたフィルタ処理を行うことで、母線電圧値Vdcにおいて脈動している成分である脈動成分のみを抽出する。母線電圧値Vdcは、下記の(2)式に示されているように、電源周波数と相数との積を2倍した周波数成分が主に脈動する。そのため、三相交流電源の場合は、電源周波数の6倍、単相交流電源の場合には、電源周波数の2倍の周波数成分が多くなる。従って、交流成分抽出部133aは、この部分の周波数を抽出する。
電源周波数×相数×2 (2)
電源周波数×相数×2 (2)
演算部133bは、交流成分抽出部133aで抽出された脈動成分を、母線電圧値Vdcで除算することにより、電圧値を周波数成分に変換する。
積分部133cは、演算部133bで演算された脈動の周波数成分を積分することで、脈動補償位相Δθを計算する。計算された脈動補償位相Δθは、PWM生成部135に与えられる。
変調率補償部134は、電圧指令値V*に対応する変調率を変調率計算部134aにて算出して、その変調率に対して出力電圧が線形に出力できるように、変調率補正テーブル記憶部134bと、変調率補正部134cと、リミッタ134dとを備える。
これにより、母線電圧値Vdcの脈動成分による出力電圧変動に対しても、変調率が1.0以上であっても、線形に出力することが可能となる。
これにより、母線電圧値Vdcの脈動成分による出力電圧変動に対しても、変調率が1.0以上であっても、線形に出力することが可能となる。
変調率補正テーブル記憶部134bは、変調率を補正するための変調率補正係数を示す変調率補正テーブルを記憶する。
図8は、モータ8の運転周波数と、インバータ120の出力電圧におけるモータ8の誘起電圧特性を示すグラフである。
図8に示されているように、変調率Khが1.0以下となる正弦波モードでは、モータ8の運転周波数と、インバータ120の出力電圧とは線形の特性を示す。
しかしながら、変調率Khが1.0よりも大きい台形波モードでは、モータ8の運転周波数と、インバータ120の出力電圧とは非線形の特性を示す。
図8は、モータ8の運転周波数と、インバータ120の出力電圧におけるモータ8の誘起電圧特性を示すグラフである。
図8に示されているように、変調率Khが1.0以下となる正弦波モードでは、モータ8の運転周波数と、インバータ120の出力電圧とは線形の特性を示す。
しかしながら、変調率Khが1.0よりも大きい台形波モードでは、モータ8の運転周波数と、インバータ120の出力電圧とは非線形の特性を示す。
図4で説明したように、台形波モードでは、電圧指令値V*が母線電圧値Vdcと一致する部分があるため、母線電圧値Vdcが脈動していると、その脈動がインバータ120を介して、モータ8に出力されてしまう。
このような状況を回避するため、本実施の形態では、モータ8の運転周波数と、インバータ120の出力電圧とが線形の特性になると仮定した場合における変調率となるような変調率補正係数を変調率補正テーブルで示す。
このような状況を回避するため、本実施の形態では、モータ8の運転周波数と、インバータ120の出力電圧とが線形の特性になると仮定した場合における変調率となるような変調率補正係数を変調率補正テーブルで示す。
具体的には、図8に示されている実線L2を破線L1に引き上げるために、変調率Khに乗算するための値が、変調率補正係数として特定される。
図9は、変調率補正テーブルの一例を示すグラフである。
図9は、変調率補正テーブルの一例を示すグラフである。
図9に示されている電圧基本波は、図3に示されているVu*のsin波ように、電圧指令値の基本波周波数成分のことである。例えば、同期モータの場合、電圧指令値の基本波成分は、モータの回転数の電気角周波数成分と一致する周波数成分が、電圧基本波となる。
変調率が1.0を超えない範囲では、この電圧基本波成分と、変調率との関係は、1:1(線形)となるが、例えば、図4に示されているように、変調率が1.0を超えるとVu*がVdc/2で制限される。このときのVu*に対する基本波成分と、変調率とは、非線形になるため、図8に示されているような関係となる。
そこで、電圧基本波成分と、変調率とが線形の出力になるようなテーブルが、図9に示されているグラフである。図9に示されているグラフでは、横軸は、電圧基本波成分であり、縦軸は、変調率と、電圧基本波成分とが線形になるために必要な変調率値=変調率補正係数である。
具体的には、変調率が1.0以下の領域は、インバータ120が出力する線間電圧が正弦波状になるため、出力電圧の基本波が正弦波成分と一致する。しかしながら、変調率が1.0を超えると、インバータ120の出力の線間電圧は、矩形波状になり、矩形波状電圧の振幅と、基本波成分の振幅とは一致しなくなる。
そのため、変調率に対する矩形波電圧の基本波成分と、矩形波状線間電圧とを計算することで、モータ8に実際にかかる電圧である電圧矩形波状線間電圧に対して変調率をどこまで出せばよいのかを計算することができる。
ここで、変調率を横軸、出力電圧を縦軸として示した図が図8である。
これに対して、出力電圧の基本波成分を横軸、その時の変調率を縦軸とした図が図9となる。図9に示されている変調率補正テーブルに従うことで、出力したい電圧に対応した変調率をテーブル的に求めることができる。図9では、正弦波で出力できる電圧振幅に対して最大1.1倍の電圧まで出力することが可能となる。
これに対して、出力電圧の基本波成分を横軸、その時の変調率を縦軸とした図が図9となる。図9に示されている変調率補正テーブルに従うことで、出力したい電圧に対応した変調率をテーブル的に求めることができる。図9では、正弦波で出力できる電圧振幅に対して最大1.1倍の電圧まで出力することが可能となる。
変調率補正部134cは、変調率計算部134aからの変調率Khに、その変調率Khに対応する変調率補正係数を乗算することで、仮補正変調率Kh*を計算する。計算された仮補正変調率Kh*は、リミッタ134dに与えられる。
リミッタ134dは、仮補正変調率Kh*が予め定められた上限値以上である場合には、仮補正変調率Kh*をその上限値に固定することで、インバータ120を制御するための変調率が大きくなりすぎないようにする。上記のように、電圧基本波と、変調率とを線形に出力するには限界があるため、その限界に対応する値以上の値を使わないようにするためにリミッタ134dが設けられている。リミッタ134dは、処理後の値を補正変調率Kh*hとして、PWM生成部135に与える。
PWM生成部135は、脈動位相補償部133からの脈動補償位相Δθ、変調率補償部134からの補正変調率Kh*h及び位相計算部132からの位相θに基づいて、PWM信号を生成して、そのPWM信号をインバータ120に出力する。
例えば、PWM生成部135は、脈動補償位相Δθを位相θに加算することで、制御位相θ#を算出し、その制御位相θ#及び補正変調率Kh*hに基づいて、PWM信号を生成すればよい。
なお、位相及び変調率からPWM信号を生成する処理については、従来からの処理を行えばよいため、詳細な説明は省略する。
例えば、PWM生成部135は、脈動補償位相Δθを位相θに加算することで、制御位相θ#を算出し、その制御位相θ#及び補正変調率Kh*hに基づいて、PWM信号を生成すればよい。
なお、位相及び変調率からPWM信号を生成する処理については、従来からの処理を行えばよいため、詳細な説明は省略する。
インバータ120の出力電圧の振幅と位相の両方を制御した場合の、モータ相電流波形の比較を図10(A)及び(B)に示す。
図10(A)は、インバータ120の出力電圧の振幅及び位相の両方を実施の形態のように制御しなかった場合のモータ相電流波形を示し、図10(B)は、インバータ120の出力電圧の振幅及び位相の両方を実施の形態のように制御した場合のモータ相電流波形を示している。
図10(A)は、インバータ120の出力電圧の振幅及び位相の両方を実施の形態のように制御しなかった場合のモータ相電流波形を示し、図10(B)は、インバータ120の出力電圧の振幅及び位相の両方を実施の形態のように制御した場合のモータ相電流波形を示している。
図10(A)に示されているように、実施の形態のような制御を行わない場合には、電圧非線形領域の台形波モードにおいて、モータ8の相電流波形のピーク値が低周波数で変動してしまう。
一方、実施の形態では、電圧の振幅を補償することでインバータ120の出力電圧の非線形領域でも線形に電圧を出力しつつ、直流電圧の変動量に合わせてインバータ120の出力電圧の位相を変化させることで、図10(B)に示されているように、モータ8の相電流波形の脈動を抑制することができる。
一方、実施の形態では、電圧の振幅を補償することでインバータ120の出力電圧の非線形領域でも線形に電圧を出力しつつ、直流電圧の変動量に合わせてインバータ120の出力電圧の位相を変化させることで、図10(B)に示されているように、モータ8の相電流波形の脈動を抑制することができる。
例えば、インバータ120の出力電圧の非線形性を補償するには、マイコン上で計算することも可能であるが、図9に示されているようなテーブルデータをあらかじめ計算しておき、マイコンの記憶領域に書き込むことで演算処理負荷を下げることができる。
以上に記載された制御部130の一部又は全部は、例えば、図11(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
また、制御部130の一部又は全部は、例えば、図11(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部130は、処理回路網により実現することができる。
以上のように、制御部130は、処理回路網により実現することができる。
変形例1.
実施の形態に記載されている変調率補償部134の代わりに、図12に示されているような変調率補償部134#1が用いられてもよい。
図12に示されているように、変調率補償部134#1は、変調率計算部134aと、変調率補正テーブル記憶部134bと、変調率補正部134cと、リミッタ134d#1とを備える。
実施の形態に記載されている変調率補償部134の代わりに、図12に示されているような変調率補償部134#1が用いられてもよい。
図12に示されているように、変調率補償部134#1は、変調率計算部134aと、変調率補正テーブル記憶部134bと、変調率補正部134cと、リミッタ134d#1とを備える。
変形例1における変調率補償部134#1の変調率計算部134a、変調率補正テーブル記憶部134b及び変調率補正部134cは、実施の形態における変調率補償部134の変調率計算部134a、変調率補正テーブル記憶部134b及び変調率補正部134cと同様である。
変形例1におけるリミッタ134d#1は、電圧検出部115からの母線電圧値Vdcを受け取る。
そして、リミッタ134d#1は、さらに、母線電圧値Vdcの変動に合わせて上限値を可変することで、モータ8が必要な電圧指令振幅を確保して、電圧振幅を変化させる。リミッタ134d#1は、例えば、母線電圧値Vdcの変動が大きい場合には、その上限値を低くして、母線電圧値Vdcの変動が小さい場合には、その上限値を高くする。
ここでは、リミッタ134d#1は、脈動成分を含む母線電圧値Vdcの瞬時値から、変調率Kh*hが常に上限値を超えないように変調率を計算する。母線電圧値Vdcが小さい条件では、変調率が大きくなる。このため、インバータ120の出力電圧制限されないように、変調率に対して上限値を可変させる。
そして、リミッタ134d#1は、さらに、母線電圧値Vdcの変動に合わせて上限値を可変することで、モータ8が必要な電圧指令振幅を確保して、電圧振幅を変化させる。リミッタ134d#1は、例えば、母線電圧値Vdcの変動が大きい場合には、その上限値を低くして、母線電圧値Vdcの変動が小さい場合には、その上限値を高くする。
ここでは、リミッタ134d#1は、脈動成分を含む母線電圧値Vdcの瞬時値から、変調率Kh*hが常に上限値を超えないように変調率を計算する。母線電圧値Vdcが小さい条件では、変調率が大きくなる。このため、インバータ120の出力電圧制限されないように、変調率に対して上限値を可変させる。
これにより、脈動位相補償部133による、母線電圧値Vdcの変動に合わせた電圧位相の制御と合わせて、電圧ベクトルの振幅と位相を振りながらインバータ120の出力電圧の制御発散を防ぐことができる。このため、総じて出力電圧補償の応答性を高めつつ、モータ相電流ピーク値安定させることができる。
変形例2.
実施の形態に記載されている変調率補償部134の代わりに、図13に示されているような変調率補償部134#2が用いられてもよい。
図13に示されているように、変調率補償部134#2は、変調率計算部134aと、変調率補正テーブル記憶部134bと、変調率補正部134cと、リミッタ134d#1と、フィルタ処理部134eとを備える。
実施の形態に記載されている変調率補償部134の代わりに、図13に示されているような変調率補償部134#2が用いられてもよい。
図13に示されているように、変調率補償部134#2は、変調率計算部134aと、変調率補正テーブル記憶部134bと、変調率補正部134cと、リミッタ134d#1と、フィルタ処理部134eとを備える。
変形例2における変調率補償部134#2の変調率計算部134a、変調率補正テーブル記憶部134b及び変調率補正部134cは、実施の形態における変調率補償部134の変調率計算部134a、変調率補正テーブル記憶部134b及び変調率補正部134cと同様である。
また、変形例2における変調率補償部134#2のリミッタ134d#1は、変形例1における変調率補償部134#1のリミッタ134d#1と同様である。
但し、変形例2におけるリミッタ134d#1は、フィルタ処理部134eから、フィルタ処理後の処理済補正変調率Kh*#を受け取り、処理済補正変調率Kh*#の上限値を固定化する。
また、変形例2における変調率補償部134#2のリミッタ134d#1は、変形例1における変調率補償部134#1のリミッタ134d#1と同様である。
但し、変形例2におけるリミッタ134d#1は、フィルタ処理部134eから、フィルタ処理後の処理済補正変調率Kh*#を受け取り、処理済補正変調率Kh*#の上限値を固定化する。
フィルタ処理部134eは、変調率補正部134cからの仮補正変調率Kh*にローパスフィルタを適用することで、処理済補正変調率Kh*#とする。
例えば、制御安定性を考慮するならば、上記の(2)式で算出される周波数の5~10倍ほど大きなカットオフ周波数、又は、制御に取り込む母線電圧のフィルタの5~10倍のカットオフ周波数が用いられることが適切です。なお、制御性能優先であれば、これらのフィルタ処理のカットオフ周波数を下げた方がより効果がある。
例えば、制御安定性を考慮するならば、上記の(2)式で算出される周波数の5~10倍ほど大きなカットオフ周波数、又は、制御に取り込む母線電圧のフィルタの5~10倍のカットオフ周波数が用いられることが適切です。なお、制御性能優先であれば、これらのフィルタ処理のカットオフ周波数を下げた方がより効果がある。
変形例2によれば、フィルタを掛けつつ、電圧リミッタを可変に動かすことで、フィルタにより制御の安定性を上げつつモータ電流の脈動を抑制することができる。
図13に示されている変調率補償部134#2は、フィルタ処理部134eでフィルタ処理が行われた値に上限を設けるリミッタ134d#1が備えられているが、実施の形態は、このような例に限定されない。例えば、リミッタ134d#1が備えられていなくてもよい。この場合、変調率補償部134#2は、変調率Khに、母線電圧値Vdcが大きいほど大きな値となる変調率補正係数を乗算することで算出された値に対して、ローパスフィルタによるフィルタ処理を行った値を、補正変調率Kh*hとする。
また、図13に示されている変調率補償部134#2においては、上限値を可変することのできるリミッタ134d#1が備えられているが、このようなリミッタ134d#1の代わりに、上限値が固定されたリミッタ134dが備えられていてもよい。
1 圧縮機、 2 四方弁、 3 熱交換器、 4 膨張機構、 5 熱交換器、 6 冷媒配管、 7 圧縮機構、 8 モータ、 100 空気調和機、 110 電動機駆動装置、 111 コンバータ、 113 リアクタ、 114 コンデンサ、 115 電圧検出部、 116 電流検出部、 120 インバータ、 130 制御部、 131 電圧指令値算出部、 132 位相計算部、 133 脈動位相補償部、 133a 交流成分抽出部、 133b 演算部、 133c 積分部、 134,134#1,134#2 変調率補償部、 134a 変調率計算部、 134b 変調率補正テーブル記憶部、 134c 変調率補正部、 134d,134d#1 リミッタ、 134e フィルタ処理部、 135 PWM生成部。
Claims (7)
- 入力される交流電圧を整流するコンバータと、
前記コンバータの出力を平滑化することで直流電圧とするコンデンサと、
前記直流電圧の電圧値を検出する電圧検出部と、
前記直流電圧を三相交流電圧に変換するインバータと、
前記インバータから出力される電流の電流値を検出する電流検出部と、
前記インバータを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記電圧値及び前記電流値を用いて、前記インバータに印加する電圧の指令値である電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
前記電圧指令値に対応する電圧位相を計算する位相計算部と、
前記電圧値から生成される前記電圧指令値に重畳する、前記直流電圧による脈動成分を抽出し、前記脈動成分の位相である脈動補償位相を計算する脈動位相補償部と、
前記電圧値及び前記電圧指令値から変調率を算出し、前記変調率が1.0よりも大きい場合に、前記電圧指令値に対して前記電圧値を線形で出力することができるように、前記変調率を補正した補正変調率を算出する変調率補償部と、
前記電圧位相に前記脈動補償位相を加算した値及び前記補正変調率から、前記インバータを制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成するPWM生成部と、を備えること
を特徴とする電力変換装置。 - 前記変調率補償部は、前記変調率に、前記電圧値が大きいほど大きな値となる変調率補正係数を乗算することで算出された値を、前記補正変調率とすること
を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。 - 前記変調率補償部は、前記算出された値に上限値を設けること
を特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。 - 前記変調率補償部は、前記変調率に、前記電圧値が大きいほど大きな値となる変調率補正係数を乗算することで算出された値に対して、ローパスフィルタによるフィルタ処理を行った値を、前記補正変調率とすること
を特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。 - 前記変調率補償部は、前記フィルタ処理が行われた値に上限値を設けること
を特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。 - 前記変調率補償部は、前記電圧値の変動が大きいほど、前記上限値を小さくすること
を特徴とする請求項3又は5に記載の電力変換装置。 - 請求項1から6の何れか一項に記載の電力変換装置と、
前記電力変換装置から出力される前記三相交流電圧により駆動され、動力を発生するモータと、
前記動力を用いて冷媒を圧縮する圧縮機と、を備えること
を特徴とする空気調和機。
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| PCT/JP2021/045325 WO2023105710A1 (ja) | 2021-12-09 | 2021-12-09 | 電力変換装置及び空気調和機 |
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- 2021-12-09 WO PCT/JP2021/045325 patent/WO2023105710A1/ja not_active Ceased
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